ハイスクールD×Dの規格外   作:れいとん

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第十一話

聖剣計画

聖剣とはあらゆる伝説・伝承・神話に出てくる武器である

ブリテンの王が持っていたエクスカリバーやカリバーン

聖ゲオルギウスが龍を退治するときに使用したアスカロン

日本で有名な聖剣といえば天叢雲剣がある

聖剣計画とは巨大な力を持ち

人間や神に害をなす者(悪魔や堕天使)に対し強力な武器であるこれらを使いこなせる人材を育成・訓練する計画だ

ただこの計画には欠点が有った。聖剣は強力なぶん使用者を選ぶその割合は数十年に一人でるかどうかというほどだ

「……で? 木場は聖剣計画の生き残りであり、この間俺の家に来た時にエクスカリバーの贋作を見て、憎悪が甦った。……と?」

聖剣や魔剣は確かに強力だが俺からしたら玩具も同然だ。それこそドラゴンスレイヤーであるアスカロンですら俺からしたら弱い。

「そうよ。祐斗は聖剣に対応できなかった。他の同期の者たちも適応できなかったらしいわ。教会はそんな彼らを『不良品』として処分を決定した。ただ聖剣に対応できなかっただけでそうなった……」

昔ミカエルが悲しそうに話していたな

ただその責任者は異端者として教会を追放したらしいが……

「そ、そんな! ……主に仕えるものがそのような事をしていいはずがありません」

そう悲しむアーシア

プルルルルルルル!

俺の携帯が鳴る。俺は廊下にでて電話にでる

「もしもし?兵藤君ですか?」

電話してきたのはミカエルだ

「……なんのようだ? あまり教会と関わりをもちたくねぇんだけど」

「そう悲しい事を言わずに。実は頼みがあるんですよ」

ぜってぇに面倒事だ。

「あのなぁ、サーゼクスにも過去に言ったが、頼みがあるんなら直接訪ねて頭下げろ」

「魔王と同じ扱いは癪ですねぇ」

若干の怒気をはらませるミカエル

「サーゼクスの場合、次からはちゃんと言われたとおりにしてきたから、お前より上だな」

俺がそう言い切ると疲れきったように声を出すミカエル

「……ハァ。もういいです。それで頼みごとの件なんですが聞いてくれます?」

「内容によるな」

「実はこの前堕天使にバチカンを襲撃されました。その隙を突いて保管していたエクスカリバーが盗まれましてね」

……計ったようにエクスカリバーが関係してきたな。…………面白い。

「へぇ、面白そうじゃねぇか詳しい内容を聞かせろ」

「ええ、アザゼルに確認を取ったところどうやらコカビエルの勝手な暴走らしいです。さらに元教会の人間が協力したようで……。協力者はバルパー・ガリレイ。聖剣計画の発案者であり総責任者でもありました」

……アザゼルのやろぉぶち殺してやろうか?アーシアの件といい部下ぐらい管理しとけよ。あの神器オタクがぁ!!!

俺がアザゼルをどう料理しようか考えてる最中にもミカエルの話は続く

「我々は聖剣エクスカリバーを奪還するためにパルパーの潜伏場所と思わしき場所にエクソシストを二名派遣します。貴方にはその二人をサポートと生活のの面倒をみてあげてもらいたんですよ」

「俺に子守りしろってぇのか?」

「彼女達は教会内でも屈指のエクソシストですよ」

……めんどくせぇこいつの部下ってことはどうせ狂信者に決まっている

既に死んでいる神なんて偶像に縋らなければ生きていけない寄生虫のようなやつらの癖して口だけは達者だ

「いいだろう。ただし、そいつ等が俺の怒りを買ったらその時は覚悟しとけよ?」

過去に何度か狂信者に絡まれた事があるのだ。今度はバチカンや天界ごと消し飛ばしてやろう

「お手柔らかにお願いしますよ? ―――ああそれと、彼女達の名前を言ってませんでしたね。名前はゼノヴィアとイリナ、とてもいい子なのでよろしくお願いします」

そう言って電話を切るミカエル。……しらねぇ名前だ

俺は携帯をしまうと部屋にもどる

「誰から電話だったの?」

「古い知り合いだ。俺に頼みごとがあったらしい」

「古い知り合い? 魔王さまの誰かとか?」

「残念ながらちげぇよ。サーゼクス達なら俺に頼みごとをする際直接訪ねてくるしな」

「そう……。それで? 頼みごとってなんだったの?」

「そのうち判ると思うぞ?」

「そのうちって……」

俺の答えに少し不機嫌になるリアス

 

 

それから数日後

「一誠実は昨日ソーナが教会のエクソシストと接触したのどうやらこの町を縄張りにする悪魔、リアス・グレモリーと交渉したいらしいわ」

ミカエルが言っていたやつらか。

「今日の放課後に会談する予定なんだけど……。貴方はどうする?」

「俺もその話し合いに参加するぞ。この間いった頼まれごともこれが関係しているからな」

「……そういえば一誠ってセラフの大半と知り合いって言っていたわね」

……知り合いというかなんというか

「……めんどくせぇ」

「貴方はもうちょっとやる気を出した方がいいわよ?」

やる気? ……俺がそんなの出したら今頃世界は存在していないな。

 

 

その日の午後フードを被った怪しい二人組が訪れた

……雑魚じゃねぇかよ。俺は落胆した。

(あのクソやろぉ。……なぁにが教会屈指のエクソシストだ。こいつ等如きじゃぁコカビエルはおろかソコソコ強い上級悪魔クラスにさえ勝てねぇだろうが)

ミカエルは俺に面倒事を全て押しつけるらしい。……マジで天界ごと消し飛ばしてやろぉか?

「初めましてだな、私はゼノヴィア。協会所属のエクソシストだ。彼女は同僚のイリナ」

「はじめまして」

ゼノヴィアは短髪青髪の美少女

イリナは茶髪ロングの天真爛漫な美少女ってところか

「この地を魔王様より授かっているリアス・グレモリーよ。さっそくだけど本題に入って頂戴」

リアスは険しい表情をしながら促す

「先日、カトリック教会本部および、プロテスタント側、正教会側に保管、管理されていた聖剣エクスカリバーが奪われた」

ミカエルから話は聞いていたが……間抜けな無能どもめ。普段神がどうだらこうたら騒いでいる癖して、肝心な時に役立たない

「それで?盗んだ犯人の目星はついているのかしら?」

「奪ったのは『グリゴリ』だよ」

実際にはコカビエルの単独犯だけどな

「確かに教会から聖剣を盗むなんて堕天使しかしないでしょうね。上の悪魔達は聖剣に対して関心がないもの」

「正確にはグレゴリの幹部、コカビエルさ」

「コカビエル……。先の大戦にも生き残った聖書に記されし堕天使の一人」

……大戦ねぇ 俺からしたらどいつもこいつも五十歩百歩。何故あの程度の力しかないのに自分たちこそが最強って考えられるんだろうか?

「私達の依頼……いや、注文とは私たちと堕天使のエクスカリバー争奪の戦いにこの町に巣食う悪魔が一切介入しないこと。……つまり、そちらに今回の事件に関わるなと言いに来た」

早い話、信用されていないという事だ。この件、この二人だけで片付けるつもりらしい。

相手は堕天使の幹部なのにだ、相変わらずこいつら狂信者は口先だけらしい。

こいつら程度がコカビエルに敵う訳がない

「……ッ!?。死ぬ覚悟でこの日本に来たというの?相変わらず、あなたたちの信仰は常軌を逸しているのね」

リアスはその覚悟には驚いている様だ。

「我々の信仰をバカにしないでちょうだい、リアス・グレモリー。ね、ゼノヴィア」

「まあね。それに教会は堕天使に利用されるぐらいなら、エクスカリバーがすべて消滅してもかまわないと決定した。私たちの役目は最低でもエクスカリバーを堕天使の手からなくすことだ。

そのためなら、私たちは死んでもいいのさ。エクスカリバーに対抗できるのはエクスカリバーだけだよ」

「…………」

……こいつ等マジでアホだな、探せばエクスカリバー以上の聖剣、魔剣がないわけじゃない。それにこいつら程度じゃぁ死んでも取り返すことなんてできねぇだろうし。リアス達じゃ、まだ無理だ。……結局俺が片付けるわけになるわけか

「……ところで其方の男は誰だ? みたところただの人間みたいだが?」

あのやろぉちゃんと話しとけよ。……めんどくせぇ

「兵藤一誠。赤龍帝」

二人から驚く気配がする

「そうか貴方が……。ミカエル様から貴方に我々のサポートを頼んだと聞いた。よろしく頼む」

「よろしくお願いします」

そういって頭を下げる二人

その言葉を聞きリアスが俺に問いただす

「どういうことよ! 一誠」

「この間の電話ミカエルからだったんだよ。こいつ等二人の生活をみてやってほしぃんだと」

「……つまりこの二人は今日から貴方の家で暮らすってこと?」

「聖剣を取り戻すまでだけどな」

リアスは何か言いたそうな表情をしているが諦めたように

「……そう」

そう呟く

「それじゃぁついてこい。」

俺はこの二人を連れて帰ろうとしたが

「待ってください!!」

そう木場に呼び止められた。その瞳は二人の得物、……エクスカリバーを捉えている。

「なんだ? 木場」

「そこの二人だけで聖剣を奪取できるか疑問です。本当にそれだけの実力があるのですか?」

ただの言いがかりだろう。木場はこいつらと殺りあいたいらしい

「誰だ。君は?」

ゼノヴィアが聞いてくる

「君達の先輩さ。……失敗作らしいけどね!!」

そう木場が叫んだ瞬間。室内に無数の魔剣が出現した

 

 

外にでて木場とゼノヴィアが模擬戦を開始する

結果はゼノヴィアの圧勝だろう。木場は冷静さを無くしているし

持ち前の速度も生かさず慣れない大剣で聖剣を破壊しようとしたが、逆に聖剣に剣を破壊される

その後ゼノヴィアが聖剣の能力を使い地面ごと吹き飛ばした

耐えきれずその場に膝を着く木場

『破壊の聖剣』のくせにこんなもんか。……期待はずれだな。

(最強の聖剣……。世界でもトップクラスの聖剣なんだから日本を真っ二つにするくらいの威力をだせよ)

「真のエクスカリバーでなくてもこの破壊力。……七本すべてを破壊するのは修羅の道か」

イリナ以外今の攻撃に驚いているようだ。……この程度で驚くなよ。サーゼクスの牽制攻撃の方が威力はあるぞ

「自分の特性も活かせないなんてな、君の武器は多様な魔剣とその俊足だろう? それなのにそのような巨大な剣を持っては速度を殺すことになる」

ゼノヴィアは落胆しながら木場に止めをさす。木場の腹に聖剣の柄頭が深く抉り込む

(ただ単に力ずくで振り回しているだけ。……本当に教会は俺を失望させてくれる)

「終わったんだろ?帰るぞ」

「まってください」

ゼノヴィアに止められる

「なんだ?」

……いい加減にしろよぉ虫けらがぁ

「貴方とも戦ってみたい。二天龍の一角ウェルシュ・ドラゴンを宿している貴方の実力がしりたい」

そう言って聖剣を構えるゼノヴィア

……ブチ

俺の中で何かがキレた

俺はゼノヴィアの聖剣を奪い。それを逆手に持ってこいつの首に突きつける

「……なっ!?」

「ゼノヴィア!?」

教会組から驚愕の声が上がる

(この程度の速度にも対応できない癖に随分粋がってくれるなぁ。あまりにも期待はずれすぎる。……萎えた)

俺はゼノヴィアから離れ

「これで満足したかよ?」

俺はゼノヴィアに聖剣を投げる

それを受け取ったゼノヴィアは

「ミカエルさまが我々に何かあった時に頼るといいといった意味がわかった。……今日からお世話になります」

頭を下げてくるゼノヴィア

「リアス。俺ぁ帰る。木場に伝えとけ、こいつ等を殺そうが俺は関与しねぇがやるんだったら俺の関係ないところでやれ。……とな」

「……一誠」

泣きそうなのを必死に我慢しながら俺の名前を呼ぶリアス

俺はそれを無視し、教会組を連れ自宅に戻った

 

 

帰宅後

「部屋は好きなのを使え。家を壊したりしない限り好きに過ごせばいい。ただし、居候するんだから風呂と飯の準備はお前らがやれよ」

「すまない。感謝する」

「ありがとうございます」

俺はさっさと寝るとしよう

「俺は寝るから騒ぐなよ」

「兵藤さん一ついいですか?」

「……何だ?」

「貴方はミカエル様と交流があるのに何故魔王の妹なんかと一緒に居るんですか?」

何言ってんだ? こいつ?

「サーゼクスのクソやろぉにあいつ等の護衛を頼まれたんだよ」

俺の答えを聞き絶句するゼノヴィアとイリナ。……なぜ?

「貴方は魔王とも交流があるのか!? あいつ等は主や人間に害なす異端者なんだぞ!!」

そう怒鳴ってくるゼノヴィア。……めんどくせぇ

俺は軽く威圧しながら答える

「人間に害なす? それがなんだ? 俺には関係ねぇな。それに俺から言わせれば害なのはお前ら教会だ」

俺の言葉に驚くゼノヴィアとイリナ

「お前らが何しようが俺は知ったこっちゃねぇが俺に迷惑はかけるなよ?」

俺は二人を無視して自分の部屋へ向かう

……これだから狂信者はいやなんだよ。神様、神様、神様。うざってぇ。

第一神つってもオーフィスやグレートレッドにさえ及ばなかったらしいからな

そんな者に頼る意味がわからん

(数日以内におもしれぇことが起きねえかな……)

俺はそう願いながらベッドに潜り込む

 


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