助けられなかった者、救えなかった者。
その全てを背負い、カズキは……ある答えへと辿り着く
「うー、うー……オナカ、スイタ……」
もぞもぞと動き、抑揚のない声で喋るシオ。
見るからに元気はなく、生気をあまり感じる事ができない。
「はいはーい、ちゃんとゴハンはあるからねー」
「……んー……」
サカキが用意したアラガミの一部を、黙々と食べるシオ。
「……少しはまともになったか?」
「だいぶね……けど、まだ全快には程遠いよ」
――研究室に隠れて、既に5日目。
その間、様子がおかしくなったシオを治すため、アラガミの素材を与え続けているのだが……。
「んー、うー……オナカ、イッパイ……?」
ご覧の通り、まだまだ全快とは言い難い状態である。
「うーむ、やはり特異点としての部分が大きくなってきたようだね……」
〈ようだねー〉
うんうんと頷くサカキ、ラウエルも真似してうんうんと頷いている。
「そういえばカズキ君、キミも特異点だというのに何ともないのかい?」
「いえ、今でもずっと“声”は聞こえているんです。でも、この間のようにはならなくなって……」
「ふむ……カズキ君は人間の部分があるから、アラガミであるシオより影響が少ないのかもしれないね」
〈しれないねー〉
「……ラウエル、さっきからサカキ博士の真似ばかりしてるけど、楽しい?」
〈たのしいよー!〉
その言葉に偽りはなく、ラウエルはニコニコしながら周りをふわふわと飛び回る。
「……コイツ、一対何なんだ?」
アラガミでありながら人間を補喰対象とせず、カズキだけとはいえ意志の疎通ができ、なおかつ……小さい。
「ふむ、確かにこの子はシオとは違うベクトルで不可思議な存在だよ。
――カズキ君、解剖して調べても構わないかい?」
〈やー! かいぼーなんてやー!! はかせきらいー!〉
くるるっ、と少し怒ったように鳴き、ラウエルはカズキの後ろへと隠れてしまった。
「博士……本気じゃないですよね?」
割と本気の口調で訊いてみる、すると……サカキは無言で視線を逸らした。
「……どん引きだよ」
冷たく言い放つカズキ、さすがに拙いと思ったのかサカキが急に明るい口調で話題を変える。
「そ、そういえばラウエルの事である仮説を立てたんだけどさ!
彼女がどんどん小さくなるのは、もしかしたら彼女自身の願望が原因なのかもしれないね」
「願望?」
「ラウエルはカズキ君に懐いている、けれど自分の身体はサリエルと呼ばれるアラガミと同じだから、一緒には居られない。
だから彼女はこう願ったんじゃないか?「人間になりたい」って」
「……それがどうして縮む事に繋がるんだよ」
「オラクル細胞は、あらゆる進化を遂げる無限の可能性を秘めたものだ。
現にシオのような、人間とほぼ同じアラガミという存在もある。
無限の可能性……それはつまり、それぞれの本能や願いにも反応するかもしれないと思わないかい?」
「それぞれの、本能や願い?」
「ラウエルがもし「人間になりたい」と願ったとしたら、彼女のオラクル細胞がそんな本能めいた願望に反応して、彼女の身体を人間並に縮めたのにも一応の納得はできる。
そしてカズキ君が特異点でありながらシオ程影響がないのと、今なお人間と同じように生きられるのは、カズキ君の「人間で在りたい」という心からの願いを、オラクル細胞が反応したせいもあるかもしれないんだ!」
話しているうちに、どんどん興奮していくサカキ。
……はっきり言って、根拠など微塵もない仮説に過ぎないサカキの言葉。
だがしかし、そう考えると……カズキが納得できる部分があるのも否定できない。
――あの時、エイジスに向かおうとした自分。
自らの意志で身体は動かせず、けれど心では願った事がある。
それは――自分は人間だという確かな願い。
その結果、カズキはエイジスには行かずラウエルに助けられ現在はアナグラに戻ってきた。
それはすなわち、オラクル細胞がカズキの願いを聞き入れ、アラガミでありながら人間として生きるチャンスを与えてくれたのかもしれない。
そしてシオも、エイジスに行かずに苦しみながらもアナグラに留まっているのは……。
もしかしたら、人間として生きたいという彼女の願いがアラガミとしての彼女を止めているのかもしれない。
「――私はね、オラクル細胞にはきちんとした意志があると思っているんだよ。
だからこそ、カズキ君やシオやラウエルのような、特異な存在が生まれるともね」
「意志、か……」
おもわず、自分の身体に視線を向けるカズキ。
オラクル細胞に意志があれば、自分は何度も助けられたという事になる。
(もしそうなら、ありがとう)
意志があるのもわからずに、カズキは感謝の意を伝えてしまう。
それがなんだか可笑しくて、くすりと笑みを浮かべてしまった。
「しかし……これからアナグラはどうなってしまうのかねぇ。コウタ君は、アーク計画に賛同したらしいし……」
「…………」
だが仕方ない、コウタには守るべき家族が居るのだ。
しかし彼はシオの事を密告していない、それはカズキ達にとって有り難い事である。
……まだ、彼の中で迷いがあるのかもしれない。
「タツミ君とジーナ君は反対、カノン君はまだ迷っているようだね。
だけど、他の神機使いの殆どはアーク計画に賛同したらしい。
まあ……誰だって死にたくはないから、それが間違いだなんて微塵も思わないけどね」
とは言いつつも、サカキの口調にはあきらかな皮肉の色が見える。
「何にせよ、鍵であるシオをヨハンに奪われるわけにはいかないよ。無論カズキ君、キミもだ」
「わかってます。僕だって人間として生きたいですから」
支部長の「アーク計画」が、理解できないわけではない。
むしろ、「人類の生存」という部分を見る限り、正しいのは彼だ。
だがそれでも――カズキはアーク計画を認めるわけにはいかなかった。
だって、そうしてしまったら……。
「……なー、そーま」
「何だ?」
「んー……なんだかな、シオ、へんだよ……」
「……お前が変なのは、今に始まった事じゃねえだろうが」
優しくシオの頭を撫でながら、ソーマは呆れたように言葉を返す。
「シオ……ときどき、「ここ」……たべたくなる 」
「は?」
「この「ほし」…たべたくなる、なんでだろうなー……」
「…………」
その言葉に、ソーマは反応を返す事ができなかった。
そしてそれはソーマだけでなく、カズキやサカキも。
(このままじゃシオちゃんが保たない……)
たとえアラガミの素材を食べさせた所で、一時的に進行を抑える事しかできていないのだ。
もっと根本から、シオに影響を与えている存在からなんとかしなくては……。
――つまり、それが意味する事とは。
(ノヴァを……エイジスにいるノヴァを――)
カズキがそこまで考えた瞬間。
部屋の電気が切れ、辺りが暗くなった。
「何だ……?」
「心配ないよ、たとえアナグラが停電になったとしても、ここには予備電源があるから」
サカキがそう言った後、電気が復活し部屋は元に戻った―――が。
「――ようやく見つけたぞ、よくぞここまで私から特異点を隠せたものだな、博士」
部屋全体に、ヨハネスの声が響き渡った。
「な、に―――!?」
ソーマとカズキの間に広がるのは、驚愕。
何故ここがバレた、そんな疑問を……サカキが、悔しそうに顔を歪めながら答えた。
「しまった……さっきの停電はヨハンの仕業か」
「えっ?」
「……ここは、他の区画とは切り離されているから、シオを隠すにはもってこいの場所なんだ。
しかし先程の停電で、カモフラージュ用のシステムも停まってしまったから、シオがこの部屋に居るのがバレてしまったんだよ……」
「クソッタレ………!」
「…………」
ならば、すぐさまシオを手に入れる為にヨハネスの息がかかった連中がこの部屋になだれ込んでくるのは明白。
すぐにここから逃げるしかない、けれど……一体どこに逃げる?
よしんば逃げられたとしても、それがいつまでも続くわけではない。
――どうするんだ?
内なる自分が、問いかける。
(どうする……とにかく一旦ここから離れるか?)
相手はすぐ傍まで迫っている、躊躇いを見せればそこで終わりだ。
逃げてもいずれは捕まる、そうなれば……自分達の負けだ。
―――ならば、いっそのこと全てを終わらせてやればいい。
「――――決めた」
「カズキ……?」
「……エイジスに行こう、シオちゃんを連れて」
「なっ、テメェ………!」
「話は最後まで聞いて、シオちゃんはいずれ特異点のコアとして自らエイジスに行ってしまう。おそらくこのままアラガミを摂取していったとしても変わらない」
「……それは、同じ特異点だからこそわかるのかい?」
「なんとなくですけどね、とにかくこのまま逃げても状況は変わらない。
ならばいっそ、エイジスに乗り込んで……ノヴァを破壊する」
そうすれば、シオも元に戻るはずだ。
確証はない、だがこのままノヴァを野放しにするわけにもいかない以上、現状ではこれが最良の手だ。
「ふむ、確かにそれも一理あるかもしれない、しかしシオまで連れて行くのは危険ではないかい?」
「どこかに隠して万が一見つかったり、シオちゃんが我慢できずにエイジスに来てしまうよりはマシです。
この子を守りつつエイジスに侵入して、ノヴァを破壊する。これしかありません!!」
――気配を感じた。
この部屋に、複数の人間が向かってきている………!
「――シオは、俺が背負っていく。言い出したのはお前だからな、責任もって前衛で道を開けよ?」
言うやいなや、うなだれているシオを背中におぶるソーマ。
「ソーマ……」
「俺には他に良い方法が思いつかねえ、それに……コイツについて行けば、きっと大丈夫だ」
揺るぎない信頼、ここまで育んだ絆がソーマから感じられる。
それに感謝しつつ、カズキはすぐさま入口を開き。
「―――どけよ!!」
シオを捕らえようと向かってきた数人の男に吼え、地を蹴った。
男達はカズキの行動に一瞬だけ躊躇いを見せ……それで終わり。
圧倒的な差を持って、カズキは男達を一撃の元に昏倒させる。
「行くぞ、まずは神機保管庫に!!」
「ああ!」
「やれやれ、だが私も他に良い方法が思いつかない以上……未来を変える可能性がある君達に、任せてみるか!」
〈ラウエルもいくぞー!!〉
力強く頷きを返す面々に、カズキも頷きを返し全員でエレベーターに乗り込む。
そのまま直通で神機保管庫へ、無論その理由は自分達の武器を手に入れるため。
保管庫に到着、すると……思いがけない人物達が待っていた。
「っ、アリサちゃん。みんな……!!」
そこに居たのは、アナグラからいなくなっていたアリサ達、更にリッカとツバキ。更には……コウタの姿まで。
「どうしてここに……」
「実は、今の今までツバキさんに匿ってもらっていたんです」
「ええっ!?」
思いがけないアリサの返答に、カズキ達の視線がツバキに向けられる。
「支部長が秘密裏に考案していた「アーク計画」の事は、あらかじめリンドウから聞かされていた。
初めは半信半疑だったが……リンドウが殺されかけた時から、私も秘密裏に動いていたんだ。 そして確証したよ……支部長の企みは、全て真実だとな」
「お前のおかげだぜカズキ、お前があの時俺を助けてくれたから……こうして姉上という協力な味方を手に入れる事ができた」
「リンドウ、姉上はやめろと言ったはずだ」
ピシャリと言い放たれ、少しだけ居心地悪そうに肩を竦めるリンドウ。
それに苦笑し……カズキは、コウタの前へ。
「コウタ……」
「……オレ、ずっと迷ってたんだ。支部長からチケットを貰った後も、「これが本当に正しい選択だったのか」って。
けど、家族を守る為だってずっと自分に言い聞かせてきたんだ……」
けれど、それでもコウタの中で迷いが消える事はなかった。
――自分は何を望んでいる?
――家族が平和に暮らせる場所を手に入れる?
それは間違いではない、間違いではないが……。
「オレ……それだけじゃないって気づいたんだ、家族はもちろん大事だけど……平和に暮らしていける場所は、自分自身で手に入れなきゃいけないって。
それに、誰かを犠牲にして自分達だけが生き残るなんて選択、母さんも望んでいなかった……」
その時初めて、コウタの中で自分が望んでいた答えを手に入れる事ができた。
「――オレは支部長を止める、こんなやり方で生き残っても……オレは絶対に後悔するから!!」
「コウタ……」
力強い瞳、明確な意志を見せるコウタに……カズキは自然と笑みを見せる。
「みんなの神機、ちゃんと整備終わってるよ!!」
「ありがとう、リッカちゃん」
「……私には支部長が正しいのか、カズキくん達が正しいのかはわからない。
でも、私自身の意志は君達に協力したいと思ってる。だから……どちらが正しいかは、君達が決めて」
「…………」
その言葉に、カズキはしっかりと頷きを返してから……自らの神機を握りしめる。
(頼むぞ……僕に力を貸してくれ!!)
自らの神機に願いを込め、カズキは第一部隊の全員へ振り返る。
「みんな、支部長を止めよう……アーク計画を阻止して、ノヴァを破壊するんだ!!」
『了解!!』
「アナグラの地下にエイジスへと続いているエレベーターがある、私の権限で使えるようにしておいたから、そこから向かえ!!
――ゴッドイーター達、頼むぞ……支部長を何としても止めるんだ!!」
ツバキの指示に、全員が頷きを返しエレベーターへと向かう。
その背中を、この場に残ったリッカとツバキは、いつまでも見つめていた………。
―――エイジス島、内部。
到着したカズキ達が最初に見たのは……天井に貼り付いた巨大なアラガミ。
「う、うぅぅ……」
「シオ!?」
「――――っ」
「カズキ!?」
途端に、シオは苦しそうに声を漏らし、カズキは顔をしかめた。
「大丈夫……それより、あれが――」
ノヴァだ、そう皆に伝えようとしたカズキだったが。
「――ほぅ、わざわざそちらから出向いてくれるとは、手間が省けたよ」
そのノヴァに寄り添うように現れた、ヨハネスの声が辺りに響き渡った。
『―――っ』
全員が身構える、ラウエルはサカキとシオを守るように後ろへと退がった。
「ご苦労だったなソーマ、わざわざ特異点を連れてくるとは……」
「ふざけるな!! 誰がテメェなんかにシオを渡すかよ!!」
「……随分とそのアラガミに心を許しているようだが、それは愚かしい行為だぞ……息子よ」
「っ、黙れ!! 俺は……俺はテメェなんぞ父親だと思った事はない。
こんなくだらない計画なんぞ、さっさとやめやがれ!!」
激昂するソーマ、それには構わず……ヨハネスはカズキへと視線を向ける。
「残念だよ、抗神カズキ君……キミほどの優秀な存在が、まさか私に楯突くとは……」
「…………」
「キミとてわかっているはずだ、「アーク計画」なくして人類救済の道はないと。
日々アラガミに怯え、なす術なく補喰されていく人類。たとえ如何なる神機使いでも、世界全てのアラガミを滅ぼす事は不可能。
ならば一度終末補喰により地球をリセットさせ、やり直す他ないのではないか?」
「…………」
カズキは答えない。肯定も反論もせず……ただ黙って、ヨハネスの言葉に耳を傾けていた。
「今からでも遅くはない、その特異点をこちらに引き渡すのだ。
さすれば、キミの愛する恋人や友人達にも……チケットを渡してやる」
「冗談キツいぜ、そんなもんカズキが欲しがると思ってるのか?」
「カズキを見くびらないでください!!」
「私は彼に訊いているのだよ、さあカズキ君……返答はどうかな?」
「…………」
カズキは答えない。
「おい、カズキ……何で黙ってるんだよ!?」
「貴方、まさかここまで来て……」
コウタとサクヤが抗議の声を上げる。
すると、カズキはぽつりと。
どこか納得したような口調で、呟きを漏らした。
「―――ああ。やっぱりそんな事望めないよね」
「えっ?」
「…………」
その呟きに、リンドウ達は呆け、アリサは……優しい微笑みを見せた。
「……支部長、あなたの考えやこの計画は……確かに、人類を真に救済する為に必要なのかもしれません」
「カズキ!?」
「待ってください、カズキの言葉を……最後まで聞いて」
コウタが文句を言おうとしたが、アリサが止める。
そして、カズキは……。
「――それでも、この世界に生きる人なら……そんな事は望めません」
はっきりと、自らの答えを口にした。
「…………」
「アラガミによって、今もたくさんの人が犠牲になっています。
そして支部長が言ったように、今の段階ではこの世界からアラガミを完全に消すには……終末補喰しかありません」
「ならば――」
「でも、それで全てなかった事にしたら……無念を抱いたまま死んでいった人達に、生きている僕達は何も返せなくなる。 数多くの屍を見捨てていった僕達が、そんな安易な道に逃げたら……その無念は一体どこに行けばいいんですか?」
助けられなかった両親、そして義妹。
更に、今まで切り捨ててきた弱く罪なき者達。
それらを忘れ、新しく平和な逃げ道を歩むなど……カズキにはできなかった。
「そんな事を望むわけにはいかないんです、助けられなかった人達を忘れて、のうのうと生きてしまったら……今まで死んでいった人達はどうなるんです?
僕達は、まだこの世界に生きていられる僕達は、犠牲になった人達を忘れずに生きていかねばならない義務がある。
それから逃げて、忘れたまま生きるなんて……できるわけがない」
それが――カズキが出した答え。
沢山の後悔と挫折、そして傷と向かい合い、手に入れた誇れる答えだった。
「―――――」
ヨハネスは反論しない、だが……その瞳には確かな侮蔑と落胆の色が。
「でも僕は自分が正しいなんて思ってません、だから……あなたを肯定も否定もしない。
だから――僕は自らの歩みで自分の考えが正しいと証明する!!」
「………あくまでも、平行線のようだな」
パチンと指を鳴らすヨハネス。
機械音を響かせながら、下から何かが現れていく。
「なん、だ……?」
現れたのは――巨大な女性。
否、それに対し生物的な生気は感じられず……けれど、機械にも見えない。
あれは――アラガミだ。
通常とは違う、しかし確かにあれはアラガミである。
「ならば、君達を滅ぼし、そのアラガミを手に入れる事にしよう!!」
巨大なアラガミの中に、自ら入っていくヨハネス。
そして――そのアラガミが動き出した。
「……ラウエル、シオちゃんと博士をお願い。できるだけ離れているんだ」
〈う、うん……きをつけてね!!〉
「……わかってるよ。僕達は……絶対に負けないから。
――ソーマ、僕は躊躇いなく支部長を倒すよ。それでも……」
「余計な気を使わなくても大丈夫だ、アイツは……俺の父親なんかじゃねえ」
「…………」
それ以上ソーマには何も言わず、カズキは全員に叫びように声を上げた。
「みんな、必ず全員で生き延びてアナグラに帰るんだ!!
誰一人欠ける事なく、生きて帰るんだ!!」
『了解!!』
「サア、始メヨウカ!!」
アラガミとなったヨハネスが叫ぶ、既に彼は人間でなく……倒すべき存在となっていた。
生きて帰る、己に言い聞かせながらカズキは神機を強く握りしめ。
「――――いくぞ!!」
決着を着けるために、死闘の場へと向かって地を蹴った。
To Be Continued...