一人の女性へ愛を捧げる男の物語   作:( ∴)〈名前を入れてください

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いやぁ…いきなりプロットとか全部消えて焦ったけど何とかなるもんですね(悟り)
ではどうぞ


+な話と-な話

「COOLだぜ!チョーCOOOOOL!!流石は旦那だ!まさかこんな新鮮な声をこんなに聴けるなんて…サイッコーだよ!!」

「いえいえ…リュウノスケこそ流石です。貴方の芸術は素晴らしい」

薄暗い場所で二人の男が二人は楽しそうに話している。

彼等の話を聞く限り何やら芸術的な物なのだろう…彼等の中では

 

「これを見てよ旦那!!」

「ほう…これはこれは……座ってみても?」

「いいぜ!疲れてる旦那の為に作ったんだ座ってくれよ!!」

リュウノスケと呼ばれた男が見せるのは一見見た目は椅子に見えるものだ。

だが……それには余りに可笑しい所がある。

旦那と呼ばれた男がその椅子に座ると椅子から音が聞こえる。ギシギシ等の音などでは無い……その音は

「ギャァァァァッ!!イタイイタイイタイィィ!!」

「ふーむ…これは中々良いものですね」

「だろ!?」

悲鳴、椅子から悲鳴が上がっているのだ……いや椅子だけでは無い。彼等の回りに有るもの全てから悲鳴が上がっているのだ。

 

「痛いよぉォォ!!助けてぇぇぇ!!」

「アアアアアアア!!」

「お母さぁァァン!!お母さぁァァン!!」

 

回りにある物…それは一言で言うのならば悪魔の所業と呼ばれる物だろう。

何故ならそれは全て人から作られているのだから

椅子も、回りにあるピアノらしきものもハープらしきものもそれら全てがである。

 

ピアノは人を何人か切り開きそれを繋ぎ会わせピアノの様に立たせた後腹を開きそこをピアノの音が響く所に見たてているのだ。

複数の頭がピアノの全面に見立ててありそれは常時悲鳴をあげる

助けて、お母さん、お父さん、どうして、痛い、殺してと声をあげる

それを聞きながら二人は顔を喜色満面にはする。

 

「やっぱり旦那は凄い…普通ならもう死んじゃうのにまだ生きてるんだもん。」

「この程度のことなら朝飯前ですよ」

「流石は旦那!COOLだよ!!」

 

ハープの材料は一人なのか顔が一つしかない、見目麗しい幼い少女だ。

腸をえぐり出され手足に繋がれていなければもっともっとその麗しさは際立っただろう

恐らく成長すれば誰もが振り返るような美少女になっただろう……故に

 

「この子はスッゴく可愛いから一人にしたほうがもっともっと良い声が聞けると思ったんだー」

「確かに…これは良き声を聞かせてくれるでしょう」

コイツらに目を付けられた。この少女は彼等の作った芸術品の中でも一番のお気に入り

 

リュウノスケが腸をハープの鉉を弾くかのようにさわり始める。

「キャァァァァァァッ!!!」

「やっぱりサイッコーだよ君はッ!!」

すると少女の悲鳴が響き渡る。その声は変声期が来ていないのか高く響き渡る。

例えるなら小鳥の声が森に響いて聞こえてくる様な声。

 

そこは地獄のオーケストラ会場。何処もかしこも悲鳴が響き渡りその場に混沌を生み出している。

彼等以外の全てが悲鳴をあげているのだ。

助けてと殺してくれと

ここでふと可笑しいことに気がつける。この場にあるモノとなった彼等はまだ変声期に入っていない声に聞こえるつまりは…これらはの元は子どもであったということ。

 

「いやー旦那のお願いだし張り切ったけどやっぱり子どもの声は良いね!」

「えぇ…心が洗われるようです」

これを見て心が洗われる者なんてそうはいない…もし此れを見て心が洗われる奴はこの二人と似た者同士というわけだ。

 

「でも……なーんか俺が求める物とちょっとだけ違うんだよなぁ…。」

「そうなのですか?」

「こう……何て言うんだろう?綺麗さがもうちょっと違うような?」

リュウノスケが少し難色を見せると旦那と呼ばれた男は少し考えると名案が浮かんだと言わんばかりに言い始める

 

「では気分転換にでももっと別な物を作ってみてはいかがですか?」

「んーでもなぁ…何を作ろうか」

「例えば…ランプなんていかがでしょう?ここは少し薄暗い。こう…インテリアを作るというのはどうです?」

「良いね!そうと決まれば早速作らなきゃ!!」

そう言うとリュウノスケは足早にこの場を去る。

「では…私も参るとしますか」

そう言うと旦那と呼ばれた男も姿を消しその場にはモノと成り果てた者達だけが残った。

 

彼等はキャスター陣営

彼等は魔術の秘匿等考えない、何故ならマスターは唯の殺人狂でありキャスターもそれと同じ性質を持った者なのだから。

だが……彼等は本質的な所で分かり合えない…でも表面的な所では互いに分かり合えている…故に今は彼等の関係に問題はない

 

キャスター陣営――今はまだ行動せず

 

 

 

――――――――――――

さて…先程の場所と違いこれからはランサー陣営を見てみよう。

 

「へぇ!オッサンは世界を又にかけた男ってことか!!」

「そう言うお前さんこそ大グレン団とやらを立ち上げ螺旋王とやらとの戦いの狼煙をあげた男ではないか!

お前さんみたいな男と同盟を組めて嬉しいぞ!!!」

「「ハーハッハッハッハッ!!」」

 

ここはランサー陣営が拠点としているものの一つでありいかにも普通の家屋としか言いようが無い。

今この場で酒盛りをしている馬鹿共がいる。

 

さてこの馬鹿の一人ライダー、昨日同盟をしたと思ったら次の日ランサー陣営の拠点に突撃して

「やはり酒を飲んでこそ互いの事が分かるというものだ!!」

と言い出し酒盛りを勝手に始めた。

 

ここで少し待ってほしい…ケイネスがそれを許すはずが無いと思ったと思う。

大正解だ……そして今ケイネスは…

「私……は誇り高き…アーチボルト家の…」

「全く…私に格好いいところ見せるとか言って早々に酔い潰れたら意味無いじゃない。」

酔い潰れて倒れていた、しかも自分が愛する人の介抱付きである。

 

「ハゲチャビンは酒に弱いな…そんなんじゃグレン団を名乗れないぜ」

「しっかし…精々一本飲んだ程度で倒れるとは情けない」

それを揶揄するかのように言うグレン団のリーダーと征服王、コイツら似た者同士である。

というか丸々一本飲めたなら其だけで十分凄いことなのだが如何せんこの二人生前から酒はガッツリ飲めるタイプ…故にこれくらいは普通なのだ。

 

「いや…俺達はサーヴァントだからこそ大丈夫だけどケイネスは人間だから…分かってるか二人とも?」

「というかカミナ達があの人を煽ったりしなきゃこんな事にはならなかったと思うんだけど?」

「……何だこれ?」

それにツッコミを入れるシモンとヨーコそしてこの状態にツッコミを入れるウェイバー

この場もある意味で混沌と化していた。

 

「でだ。」

「どうしたよオッサン」

「取り合えず互いに腹割って話したのだ…ここでランサーにも話をして貰いたいと思わんか?」

「えっ…俺?」

 

その言葉にキョトンとするシモンとそれを見てカミナがぐいっとシモンを自分達の方へ寄せる

「俺の兄弟分たるシモンに語って恥ずかしい事なんて一つもねぇ!さぁ語ってやれシモン!!」

「えー…しょうがないなぁ…ライダー何を聞きたい?」

そうシモンが言うとライダーは間髪入れずに答える。

 

「当然お前の愛した者の事よ!正直お前の愛した者が気になって仕方ないのだ!お前さんも来い坊主!!」

「うわっ…放せライダー!!」

「良いじゃねえか言ってやれシモン!お前の愛したサイッコーの女の話をよ!!」

しょうがないなぁ……あれは…

 

 

 

――――――――――――

シモンが話している中ヨーコがソラウに近づき話始める。

「御免ね…えーと」

「ソラウよ英雄さん?」

「そうソラウ…私の事はヨーコで良いわ…で貴女の膝で眠っているそこの男が?」

「私の婚約者のケイネスよ」

「ふーん……えっ?」

 

思わずヨーコが止まってしまうとクスクスと笑ってる声が聞こえてくる。

「フフッ…驚いたでしょ?」

「えぇ…そこそこにはね」

そこから女性だからこそ分かる話をし始め暫く経った後ソラウが話を変える。

「ねぇヨーコ?」

「どうしたのソラウ?」

「貴女…恋ってしたことがあるかしら?」

「有るわ…ソラウは無いの?」

ヨーコが聞くとソラウはぽそりと話始める。

 

「私…恋って事をしたことが無いの……私は魔術師の名家の家の娘として生まれてきたの。」

「だから私は箱入り娘として育てられてきた…恋って言葉を知ったのは本から」

「恋って存在を知った私はその恋がしたくなった…だけど私には婚約者がいてそれが出来ない。」

 

それを聞き終わるとヨーコは目を少し閉じて何かを考えてから言葉を発す

「貴女はケイネスの事をどう思ってるの?嫌い?邪魔くさい?」

「分からない…でも嫌いでは無いし邪魔ではない」

「じゃあ…一緒に居たくないと思う?」

「……分からない…でも」

「でも?」

 

ソラウはさっきまでよりずっと真剣な顔で答える

「そんな事考えた事無かったしそんな事考えられない」

「何で?」

「えっ…何で…何でだろ?婚約者だから?」

 

ヨーコはその言葉を聞いて少し苦笑する

「(この子は自分の心の中が分からないのね)」

何十年も教師をしたから分かる。この子はまだ自分が何をしたいのか…それが無い。

「(それを知るのは私からじゃないわソラウ)」

 

自分で知らなきゃ駄目なの……そしてそれを知ったときの感激を忘れないで

その経験が貴女を作っていくんだから……




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