BLEACHの世界に最強になって転生   作:アニメ大好き

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皆様お待たせしました。私の作品今年最後の投稿です。

今回は胡蝶とミストルティンのバトルに決着がつきます。絶望の蕾に閉じ込められ悪夢を見せられ絶望する胡蝶。そんな彼女前に現れたのは……。

グダグダ感があるかもしれませんが楽しんでいただければ幸いです。

それではどうぞ。


38話 絶望を超えて

暗い暗い一筋の光も入らず音もしないまるで闇の様な空間。そこで胡蝶は薄れ気味の意識の中目を覚ました。

 

「(ここは…何処だ……確か私はミストルティンと戦って………ッ!そうだ!)」

 

思考が薄れていたため思い出すのに少し時間が掛かったが、胡蝶は自分が今置かれている状況を把握した。

 

「(と言う事はここはあの蕾の中なのか。何とかして脱出しなければ…何だ?)」

 

突如目の前に一筋の光が差し込んできた。その光は段々強くなっていき、あまりの眩しさに手で隠した。そして光が収まるとそこは自分達の宮の訓練所であった。

 

「(ここは私達の宮。どうして此処に?ーーーッ!?あれは……)」

 

そしてそこには主人であるデストロイヤーがチルッチの訓練をしていた。

チルッチは以前に比べて帰刃状態を保てるようになり、技の斬れ味も上がっている。今ではその実力は上級幹部クラスに等しいものとなっているだろう。

 

『チルッチさん、最近の貴方はよく頑張っていますね。実力も段々上がってきてますし、素晴らしいの一言につきますよ』

 

『当然でしょ。アタシが本気を出せばこれくらい軽いわよ』

 

『そこで提案なのですが………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………胡蝶さんの代わりに私の側近になってもらいたいと思います』

 

「…えっ…」

 

それは胡蝶にとって信じられない、信じたくない言葉だった。

 

『胡蝶さんも実力は申し分はないのですが、あまり伸びる傾向がなくて。チルッチは今では上級幹部に入れる程の実力になってきましたからね。そこで上級幹部と同じくらいの強さになったチルッチ、貴方に胡蝶さんの代わって私の側近を務めてもらいたいのですよ』

 

『成る程ね。良いわよ、私があいつ(胡蝶)の代わりになってあげる』

 

『そうですか?ありがとうございます』

 

チルッチはデストロイヤーの従属官になってからほぼ毎日のように特訓を頑張っている 。今では自分とほぼ同じくらいの実力で更にはデストロイヤーが自ら従属官にした人だから側近になる可能性もある。

だがそれが自分の代わりになる。その経緯から辿り着く答えそれはーーーーーーーー私はもう要らないっと言う事。そう思うと目から一粒の雫が流れ落ち、体が震えていた。

 

「……こ、これはあいつが見せている事だ。だがら幻だ、本当の事じゃない」

 

胡蝶は今見ているのはミストルティンが見せて幻惑だと自分に言い聞かせ震える体を落ち着かせようとする。

 

「デストロイヤー様が私にあんな事を言うはずが『本当にそう思っているの?」……何!?」

 

突如声を掛けられ胡蝶は後ろを振り向くと少し離れたところに人影の様なものが見えたが、辺りが暗いので顔がよく見えなかった。その人影が足を踏み出しこっちに近づいてきた。一歩また一歩と近づいてきて漸く顔が確認できるくらいまで近づいてきたが胡蝶は驚愕した。

それは何と自分にソックリな顔をしていたからだ。

 

「な、何者だ、貴様!」

 

『私は…お前だ』

 

自分にソックリな奴は自分だと言う。

 

『しかし、お前も随分とおめでたい奴だな。まだ(デストロイヤー)の事を信じているとは』

 

「……どう言う事だ…」

 

『…デストロイヤーも本当はお前の事を厄介者だと思っているんじゃないのか?』

 

「ッ!!そ、そんな事ない。デストロイヤー様がそんな事思っているはずがない!」

 

『そうか?だったら何故現世に行くのにお前は連れて行かなかったんだ?同じ側近である友子は連れて行ってもらったのに…』

 

「そ、それは……」

 

確かに藍染の命によりその副官、自分も合わせ上位4人の十一刃、そしてその従属官を現世に連れて行くと言った時、デストロイヤーは友子と数人の幹部クラスを連れて行くと言った。

 

その事に最初は納得がいかず自分も連れて行ってほしいとお願いした。だが「胡蝶さんには私が不在の間此処(従属官達)の指揮を任せたいのです。彼らの事…頼みますよ」と言われたので納得した。

 

『それは貴様を信頼していないと言う事じゃないのか?』

 

『その通りですよ』

 

すると自分とは違い、その上自身が心から信頼している声が聞こえたので伏せていた顔を上げた。もう一人の自分の隣に主人デストロイヤーがいた。

 

「…デ…デストロイヤー…様…」

 

『貴方も勿論頑張っているのは分かっています。しかし、その結果が出せないのならば私の側近失格です。だからーーーーもう貴方はいらないのですよ」』

 

その言葉を聞いて胡蝶は全身の力が抜けたように崩れ落ちた。

無理もない。自分が心から信頼している者に「いらない」などと言われたら誰だって悲しむ、寧ろ悲しむなと言う方が無理と言うものだ。

 

 

 

 

ーーーーデストロイヤー様は…もう私を必要としていない…そんな……ーーーーならもうどうなってもいい。デストロイヤー様に必要とされていないなら生きている意味なんてない。

 

 

 

 

悲しみのあまり崩れ落ちた胡蝶ーーー目から涙が流れており、瞳にはハイライトが消えていた。心が砕け散り絶望に染まろうとしていたその時ーーーー

 

 

 

 

 

『しっかりしなさいよ!!』

 

突如チルッチの声が聞こえた。

 

『アンタが今どうなっているかはなんて知らないけど、こんな所で終わるような奴じゃないでしょ!だからさっさとそんな所出てきなさいよ!!』

 

『そうですよ、胡蝶さん』

 

後ろから突如声がしたので振り返ると、そこにはデストロイヤーが立っていた。

 

『確かにチルッチさんの実力は貴方と同じくらいになってきた。でもそれで貴方を捨てるなんて事はしませんよ。私がそんな非道な事をする奴だと思いますか?』

 

「と、とんでもありません。デストロイヤー様がそんな事をするなんて思っておりません」

 

『なら良かった。私は従属官達、皆の事を大切な存在だと思っています。その中でも貴方達側近は特に大切にしているんですよ。だからそんな貴方を悲しませるような事言うわけなじゃないですか』

 

胡蝶は目から再び涙が溢れてきた。しかしそれは先程のような悲しい涙とは違う。己が最も信頼する主人から大切な存在と言われた事に対するは嬉しさからきた涙である。

 

『胡蝶さん…貴方はまだ自分の真の力を使いこなしていなんです』

 

「真の力…私の…」

 

『そうです。貴方の真の力はこんなものじゃないはずですよ。自分を信じてやってみなさい。…私はいつも貴方を応援していますよ』

 

それを言うとデストロイヤーは薄くなっていき消えてしまった。今のは幻だったのか、本物だったのかはわからない。だが今の感覚は本人と話しているのと同じ感じがあった。

 

「(私にも可能性があるのなら……デストロイヤー様…貴方に言われた通り…自分を信じます!)」

 

胡蝶の目には強い意志が込められた。そして目を閉じ意識を収集させ始めると、体から雷が走り出した。だがその輝きは黄色から段々色を変え水色ぽくなっていった。

そして雷は胡蝶を中心に辺り一帯を包み込んだ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

胡蝶が蕾に閉じ込められている頃、外ではーーーーーー

 

「ハハハハハー……じゃあ次はアンタ達の番ね」

 

ミストルティンは足を進めルキア達にジリジリと近寄ってきた。

チルッチとルキア達3人はやや後退りする。

 

「調子こいてんじゃないわよ。あいつ(胡蝶)が簡単にくたばる訳ないじゃない」

 

「無駄よ。あの蕾に閉じこれられたら最後、あいつはもう終わりなのよ。でも心配しなくても大丈夫よ。アンタ達もすぐにあいつと同じように死ぬんだから、アハハハ」

 

「くっ、ちょっとしっかりしなさいよ!!アンタが今どうなっているかはなんて知らないけど、こんな所で終わるような奴じゃないでしょ!だからさっさとそんな所出てきなさいよ!!」

 

チルッチは大声で叫ぶが蕾にはなんの変化も見られないでいた。

 

「無駄無駄。幾ら大声出そうがあの中から自力で出られるはずな「それはどうかな?」ッは?」

 

「……後ろをよく見てみろ」

 

ミストルティンは言葉の意味がわからないまま言われた通り後ろを向いた。すると自分にとってありえない光景が飛び込んできた。

蕾から雷のようなものが走ると突如大爆発を起こした。

その中から、まるで電気を纏っているかのように身体中に青い電気を走らせている胡蝶が現れた。

 

「そんな…あの【絶望の蕾】から自力で出てくるなんて……何でアンタにそんな事ができるの…」

 

「言った筈だ。いつまでも……昔の私じゃない!」

 

その目にはさっきまで以上の強い意志が込められているみたいに真っ直ぐな瞳をしていた。

 

「ーーーー調子に乗ってんじゃないわよォォ!!」

 

見下された態度をとられた事で逆上したミストルティンは、砂地から無数の薔薇の蔦を出現させ一斉に胡蝶に向けた。

だが胡蝶は顔色一つ変えず目を瞑りその場を動こうとしない。

 

ミストルティンは完全に舐められたと思い自分も蔦に合わせて突っ込んだ。距離が数センチまで近づいた次の瞬間ーーーー胡蝶の周りに青い稲妻が走り近づいていたミストルティンと蔦は巻き込み、あまりの威力に吹き飛ばされた。

 

胡蝶はその隙を逃さなかった。レイピアの剣身の部分が鞭のようになり、それがミストルティンにへと伸びると巻き付いて捕縛した。

 

「何よ。こんなモンーー」

 

ミストルティンは何とか脱出しようとしたが、強く巻き付いているため抜け出すことができない。

 

胡蝶は体から電気を走らせると、それが持っていた柄を伝わって鞭にへと流れていき、そして巻き付かれていたミストルティンに直撃した。

 

「アァァァーーーーー!!」

 

あまりの威力の電撃に悲鳴をあげる。攻撃の中ミストルティンは戸惑っていた。技の威力、スピード、テクニック、さっきまで戦っていた胡蝶とは明らかに違う。蕾に閉じ込められていた短時間で一体何があったのか。

そして電撃が止むと縛っていた鞭が解け砂地へと崩れ落ちた。

 

「(このアタシが…あんな奴(胡蝶)にこんな深手を負わされるなんて)」

 

ほんの少しまで完全に自分が優勢で勝利したと思われたのに 、一気に立場が逆転してしまっている。格下だと思っていた奴にここまでされた事にプライドはズタズタ、もう今の彼女に「遊び」なんて感情はないようなものだった。

 

「調子こいてんじゃないわよ…このクソアマがァァーー!!」

 

完全に逆上しミストルティンを中心に衝撃波のような風圧がその周りにいた全ての者達を襲った。ルキア達はその風圧で吹き飛ばされないように体に力を入れるが、胡蝶は顔色一つ変えずその場に立ち尽くしていた。

 

ミストルティンは触手の先端を刃に変形させ胡蝶にへと突っ込む。胡蝶はそれを躱すと、さらに激怒し無情にも刃を振り回し続ける。

しかし逆上して冷静さを失い単純な攻撃になっているため何度振り回しても当たらない。それによってさらにヒートアップするがただ無駄に体力が減っていくだけであった。

 

「こんな…こんな事があるはずがないわ。このアタシが…アンタ如きにィィーー!!」

 

さらに触手をもう1本だし2本になると超高速で動きで胡蝶の前にへと移動振り下ろす。胡蝶はレイピアで2本の触手を受け止める。

 

「このまま終わりにしてあげるわ」

 

力を強めトドメを刺そうとする。その顔は狂気じみていた。今のミストルティンには胡蝶を殺すという事しかないのかもしれない。

 

胡蝶のレイピアに再び青い稲妻が走り力が増す。そしてミストルティンの触手は掃いのけられ、胡蝶はそのまま状態のまま勢いに任せてレピアをミストルティンを斬りつけた。

 

「ただ殺す事しか考えないお前にーーー私は負けない」

 

そしてもう一度レイピアを振り翳し左右逆から斬りつける。斬られた後は×の形のようになった。

 

「あぁぁーーー!!」

 

ミストルティンは断末魔を上げ、その体は花弁となり散り消滅した。

 




胡蝶の電撃の攻撃はアニメ「ウルトラ怪獣擬人化計画」のエレキングの攻撃を参考にしました。

今年もいよいよ終わりですね。来年も頑張っていきたいと思います。お気に入り登録お願いします。

それでは皆さん、良いお年を。

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