BLEACHの世界に最強になって転生   作:アニメ大好き

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大変長らくお待たせしました。

今日でこの作品が1年を迎えました。応援してくれる皆様のありがとうございます。




30話 対決 五毒拳 2

吉良がカデムとモリヤと戦っている頃、檜佐木は残る3人の五毒拳、ブラコ、マガ、ソリサの相手をしていた。

 

「テヤァー!」

 

ガギン

 

「…ケロ…」

 

檜佐木はマガを斬りつけたが、その硬い体に斬り付けるも傷一つつけられないでいた。斬られたマガ本人も全く微動だしていない。

 

「くぅッ。なんて頑丈な奴だ」

 

「よそ見してんじゃないわよ!」

 

声と同時に後ろから一つの影が現れた。それは赤い蠍、ソリサだ。

 

「臨獣スコーピオン拳、リンギ【朱鞭脚(しゅべんきゃく)】!」

 

ソリサが両手を地面に置き逆立ちした状態になり、そのまま一回転する勢いで檜佐木に足を 檜佐木は回避する。その足が地面に激突するとその場所に穴が開いた。

 

「!?たった一撃で。…なんて威力だ…」

 

「おい。俺を忘れてるんじゃないよなぁ?」

 

上空からショーテル型の二本の剣、妖蛇刀を持ったブラコが飛んできた。

檜佐木は自分の剣で受け止めブラコと剣の力比べになるかと思ったが、横からソリサの蹴りが入り吹き飛ばされ地面を転がった。

 

「何よ。副隊長だなんて言っていたけど話にならないじゃない。さっき勝ったのは偶然だったみたいね」

 

ソリサは檜佐木の弱さに期待外れだと言いたげに馬鹿にした。檜佐木はその言葉にイラっとしたのか唇を噛み締めるが、ここで出たら逆にヤラレてしまうと思い踏み止まった。

そして片手を前に突き出して掌に霊圧を貯め始めだ。

 

「破道の三十一、赤火砲(しゃっかほう)!」

 

檜佐木は掌の赤い火の玉を発射した。しかも1メートル近く位の大きさ。これをくらえばほぼ確実にダメージは免れない。だが3人は一向に動こうとせずそこに立ったままでいる。すると、ブラコとソリサはマガの後ろに隠れるように下がった。

 

「臨獣トード拳、秘伝リンギ【体油包(たいゆーぱお)】!」

 

マガの体の周りに透明な膜みたいなものが体を包み込んだ。

赤火砲はそのままその膜にぶつかると、まるで弾力があるようにグニャとめり込んでいた。

 

「フン!!ッテヤー!」

 

そして赤火砲は跳ね返され、そのまま檜佐木に向かっていた。跳ね返された事に驚いていたが、自分に火の玉が迫っている事に気付き何とか咄嗟に躱し、赤火砲は一つの建物に衝突した。

 

「クッ…」

 

「リンギ【紅蓮朱鞭脚(ぐれんしゅべんきゃく)】!」

 

驚愕していた為、ソリサが上下逆さになって高速回転しながら迫っている事に気付かずに高速の蹴りを諸にくらってしまった。

檜佐木は地面を転がり倒れた。顔にヒットした為かなりのダメージを受けたが、フラフラしながらもなんとか立ち上がった。

 

「…ハァ……ハァ……。結構鋭い攻撃をしてくるな」

 

「フン、当然でしょ。アタシを嘗めないでちょうだい」

 

「…それに、そこの黄色い奴。…テメェのさっきの技…攻撃を跳ね返す事ができるのか…」

 

「臨獣トード拳、秘伝リンギ【体油包】。臨気で絞り出した脂で俺の体は包み込まれた。誰も傷つけられはせん!」

 

マガが敵の攻撃を防御しつつ、ソリサとブラコがその隙に攻撃をするというスタイルなのだろう。

 

五毒拳最強の防御力を持つマガ、そして高い攻撃力を持つソリサとブラコ。元々3対1というのが不利な状況に等しいのに、3人のコンビネーションで追い詰められていく。

 

「あァ〜あ、なんかこんな弱い奴相手にするの阿呆らしくなってきたわ。だから……切り札で一気に仕留める事にするわ!臨獣スコーピオン拳、秘伝リンギ!」

 

ソリサが体を斜め前に倒した。

 

「【重獄変(じゅうごくへん)】!!」

 

そしてゆっくり顔を上げて後ろへ倒した、次の瞬間一気に顔を前へ倒した。

すると髪から放たれた何か大量に檜佐木に向かって行き、体に張り付いた。それは大量の赤い蠍だった。

 

「な、何だ!?この蠍は!?」

 

「その子達がアンタに一斉に毒を打ち込むのよ。それがアタシの秘伝リンギ【重獄変】さ。そのまま地獄に落ちな!」

 

ブラコとマガも「終わったな」と思いニヤリと笑う。蠍の毒は強力でしかも五毒拳の1人の分身みたいなものだ。それを食らったら十一刃であってもタダじゃ済まないだろう。

そして蠍達が一斉に尻尾を檜佐木の体に刺そうとした時だった。

 

刈れ(かれ)、【風死(かぜしに)】!」

 

檜佐木が解号を唱えた瞬間、ものすごい突風が吹き荒れ体に纏わりついていた蠍達は吹き飛ばされた。

 

「なっ!?アタシの蠍達が…」

 

ソリサを自分の蠍達が吹き飛ばされた事に驚きと怒りを感じた。そして風が収まると鎖で繋がれた2本の鎌を持った檜佐木が現れた。

 

「ほう、それが貴様の斬魄刀か…」

 

「ヘェ〜、意外にカッコいいじゃない」

 

「そりゃどうも。お前らに褒められてもあんま嬉しくはないけどな…」

 

「フン。…だが、始解したところで無駄な事だろうがなァ」

 

「じゃあマガ、よろしく」

 

マガはソリサに無言で頷き、2人はまたマガの後ろへ下がった。

 

「リンギ、【体油包】!」

 

マガは再び己の秘伝リンギで自分の体を包み込んだ。

 

「例え始解したとしても、この俺の秘伝の技を打ち砕く事は出来ん!」

 

「…それは…やってみねェと分かんねェだろォ…」

 

檜佐木は一つの鎌を投げ飛ばした。鎌は回りながら高速で飛んでいき膜にぶつかったが、ビクともしない。

それでも尚鎌は回転しながら斬りつけていく。檜佐木は一回鎌を引いてもう片方の鎌を同じように投げ飛ばし膜を斬りつけていく。

 

「無駄だ。何度やったところでこの俺の秘伝の技を破る事など…ッ!?」

 

マガが息を飲んだ。それもその筈、なんと膜にヒビが入り始めたのだ。そして檜佐木がもう一度鎌を投げ飛ばし膜にぶつかると、ヒビが全体に入り始めたのだ。

 

「どんなに硬いものでも、一点に攻撃を加えれば脆くなるもんだ。自分の力を過信しすぎたようだな」

 

「バ、馬鹿な…お…俺の…秘伝の技がァー!」

 

 

バリン

 

 

 

マガを包んでいた透明な膜が風死の鎌により砕け散り、その刃がマガの体を切り刻んだ。

 

切り刻まれたマガは体が石化したように固まり大爆発を起こした。

 

「なっ!?マガの野郎、あっさり殺られやがって!リンギ【飛翔朱鞭脚(ひしょうしゅべんきゃく)】!」

 

ソリサはジャンプし上空で一回転したあと、踵落としをするかのように檜佐木に突っ込んでいく。

 

檜佐木は片方の鎌を回し始めた。

 

「 破道の五十八、闐嵐(てんらん)!」

 

回っていた鎌からものすごい竜巻がソリサを襲った。ソリサはその竜巻に飲み込まれ身動きが取れなくなった。

 

その隙を逃さず檜佐木は上空で身動きが取れないソリサに向かってジャンプし一気に距離を詰める。

 

そしてすれ違う瞬間にソリサを斬りつけた。

 

「…うぅ……あぁ……」

 

 

ドカーーン

 

 

ソリサは断末魔を最後に上空で爆発した。

 

「なっ!?クソォ!…リンギ、【妖蛇斬(ようじゃざん)】!」

 

ブラコは妖蛇刀をクロスした形で檜佐木に突っ込んだが、風死の鎌がブラコの体を斬りつけた。

 

「…ク…ソ…」

 

ブラコは斬りつけられ、斬られた箇所から大量の血が吹き出し地面に倒れ落ちた。

 

「よし、俺の方は片付いたな。吉良の方は…!」

 

「大丈夫か」と言いかけた時、吉良の霊圧が段々弱まっていくのを感じた。

 

「吉良の霊圧がドンドン弱まっている。何かあったな」

 

檜佐木は瞬歩を使って吉良の場所まで移動した。

 

しかし彼は気づいていなかった。倒れているブラコの右手の親指から爪のような物が伸びてそれを自分に刺した事に。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

(そして29話の最後の部分へ)

 

檜佐木は急いで吉良の共へ向かう。そこにはモリヤに踏みつけられている吉良の姿があった。

 

「一瞬の油断が命取りになるんですよェ〜」

 

モリヤが腕を振り上げてそのまま振り下ろそうとした時に自分の斬魄刀「風死」をモリヤ目掛けて投げた。そしてその刃はモリヤの体を貫いた。

 

「…さっき自分で言ったろ…”一瞬の油断が命取りになる”って……その言葉…今のお前にそのまま返すぜ…」

 

檜佐木は刺さったままの鎌をそのまま下にへと下げ斬りつけた。モリヤは地面に倒れ、マガと同じように体が石化し砕け散った。

 

「大丈夫か、吉良?」

「はい、何とか…」

 

「そうか。それより早くこれを飲め」

 

檜佐木はモリヤの手から転がり落ちていた瓶を拾い吉良に渡した。そしてその瓶の中に入っていた液体、解毒薬を飲んだ。

 

「よし。…これで少し休めば大丈夫だろう」

 

「ありがとうございます。檜佐木はこの後どうするつもりですか?」

 

「俺はまだ戦っている奴らのところへ行く。少しでも人手が多い方が良さそうだしな」

 

動けない吉良を何処か休めそうな場所へ移動させてから、まだ戦っている誰かのところへ行こうとする檜佐木。

だが上空から青い何かが飛んできた。檜佐木は吉良を抱えて瞬歩で回避する。

 

飛んできた何かは地面に直撃し煙が出ていた。

 

「これは一体…」

 

「それは俺の攻撃だ」

 

檜佐木はその声に耳を疑った。声のした方を見ると、そこには倒した筈のブラコがいたのだ。しかも体には傷一つない無傷の状態で。

 

「…バカな…どうして…」

 

「どうした?まるであり得ないものを見ているかのような顔して…俺がここに居るのがそんなに不思議か?」

 

檜佐木は混乱していた。あの時確かにブラコは全身を斬りつけられ、少なくともかなり重傷を負っていた。流石に動ける状態ではなかった筈なのに、今自分の目の前におり体には傷一つなくなくなっているのだ。

 

「折角だ、何故俺が生きているか教えてやるよ。それは俺の秘伝リンギ【真毒】さ。俺の6つの指が【真毒】なのだ。さっき自分自身のために1つ使ったがな」

 

ブラコは手を甲向きにして両手の親指、人差し指、中指をみせる。それぞれの指の先端に爪のようなものがあるがその内の一本、右手の人差し指には付いていない。

 

「【真毒】とは死者に死を与える事で命を裏返し、逆に生を生み出す毒。簡単に言うなら【死んだ者を蘇らせる毒】とでも言うべきか」

 

「…成る程、つまりそれで蘇ったと言うわけか」

 

「そう言う事だ。それに俺はこんなところで死ぬわけにはいかないんでね」

 

「……それは藍染のためか?それともお前の主人のためか?」

 

「藍染のため?主人のため?ケッ。何であんな奴らのためにこんな事する訳がないだろ?」

 

ブラコは自分達のボスである藍染のためだと言うことをあっさり否定した。

 

「それにあんな奴らに十一刃や虚国の支配者の座など務まるわけがない」

 

「……お前の目的は何だ?」

 

「なァに、簡単な事だ。俺がデストロイヤーの奴を討ち取って十一刃になり、終いには藍染も討ち取って俺が虚国の支配者になるんだよ」

 

彼は元々自分の主人であるデストロイヤーは疎か藍染をも討ち取り虚国の支配者になると言うのだ。

 

「だからお前達にはここで消えてもらうぞ」

 

妖蛇刀を構え突撃してくる。檜佐木も風死を構え応戦する。だがブラコは先程よりも攻撃のスピードが上がっており、檜佐木は防戦一方となっていた。

ブラコはさっきの戦いで檜佐木の戦い方を覚えたのだ。さらには後ろにいる吉良を守りながら戦っているためその場から動けない状態なのだ。

そして檜佐木は斬りつけ吹き飛ばした。

 

「ふん。やはりお前は副隊長にしては力不足のようだ。そろそろトドメを刺してやる。臨獣スネーク拳、リンギ【大蛇砲】!」

 

二本の妖蛇刀を回しリンギで作り出したエネルギー弾を妖蛇刀で抱えて、右45度体を捻り勢いをつけて檜佐木に向けて放った。先程の青紫色の攻撃はこれだったのだ。

 

ここで躱せば吉良に当たってしまう可能性があるため動くに動けない。

だから檜佐木は風死の鎌をクロスさせ受け止める体勢をとる。

大蛇砲がぶつかり受け止めたが、体力の消耗もあり後退りしていた。ブラコは「勝った」と思いニヤリっと笑った。だが檜佐木は踏ん張りしかも大蛇砲を押し返し始めたのだ。

 

「何!?」

 

そのまま大蛇砲を吹き飛ばすと風死を片方投げ飛ばした。ブラコは妖蛇刀をクロスさせ飛んできた鎌を防御するが、妖蛇刀にヒビが入り始めた。そして……

 

パリン!!

 

妖蛇刀は砕け散りブラコの体を突き刺した。

 

「グッ…ア、ハァァ…ま、まだだ。…まだ俺には…真毒が…」

 

ブラコは残っていた真毒の内一本を使おうとしていたが体に埋め込もうとした直前、残っていたもう片方の風死が飛んできて真毒を斬り落とした。 さらにブラコの指を全て斬り落とした。これでもう真毒を使う事は出来なくなったのだ。

 

「グワァァーー!!」

 

「お前みたいに自分の事しか考えない奴に…負けるわけにはいかないんだよ」

 

檜佐木はそれだけ言うと刺さっていた風死を引っ張り手に戻した。

 

「クソォ。…だがお前達に未来などないのだァーー!!」

 

ブラコは断末魔を叫びながら爆発した。

 

「やりましたね、檜佐木さん」

 

「あぁ、何とかな。……吉良、俺はまだ戦っている奴らの所へ行く。お前はもう暫くここで休んでろ」

 

檜佐木は瞬歩を使って移動した。まだ戦っている者の所へ。

 




本当は2つに分けようと思ったのですが、それだと短くなってしまうので1つにしました。

次回は狗村の戦闘です。

感想などあればどうぞ。

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