空座町。そこは沢山の魂魄がい、そして死神に主に管理されている町。その町に出現する虚から魂魄を守って、全ての魂の故郷とも言える尸魂界に送られる。
今日も人々は平和な時を過ごしていたが…
上空から一筋の光が降り注ぎ空座町の東側の森に大きなクレーターが出来上がった。
そのクレーターの中に三つの人影があった。
1人目は筋肉質で顎に骨みたい跡があり、2メートルくらいあるだろう大柄な男。
2人目は顔の左側に角の生えた骨みたいな跡がある青年。
そして3人目は、2人のように骨みたいなモノもない普通の人と顔をした青年。
「ぷはー。面付いてた頃に何度か来たが、相変わらず現世はつまんねーとこだなぁ、おい。霊子が薄すぎて息しづれぇしよ」
「文句を垂れるな。俺は1人でいいと言った筈だ。来たがったのお前だぞ、ヤミー」
「そうですよ。自分から来たいと言っておきならが文句を言うのはどうかと思いますよ」
「へぇ、へぇ。すいません、すいません…ん⁉︎あぁん?」
クレーターの周りに人が集まってきた。
ざわ、ざわ
「なんだこいつら。霊力もねーのによってくんじゃねーよ」
ヤミーさんは魂吸をしてクレーターの周りの人や、ここいら一帯に人の魂を喰らっていく。
凄い吸引力。と言うか魂って美味しいのかな?薄い魂はマズイみたいですが、じゃあ濃いのは美味しいのでしょうか?
「ぶっはー、マジぃ‼︎」
「当たり前だ。そんな薄い魂、美味い訳がないだろう」
「だってこいつらが、人の事見せもんみてぇにジロジロ見やがるからよ」
「連中に俺達の姿は見えん。お前を見ていた訳じゃない」
「分かっててもムカつくんだよ!」
「確かにその気持ちは分かります。アピールしているわけじゃないのに、集まってくるのは私も嫌です」
「ふん。っで、結局何匹ころしゃぁいいんだっけか?」
「1人だ。それ以外を殺す必要はない」
「こんだけウジャウジャいる中から1匹かよ」
「今、現世でまともに戦えるレベルの霊圧を持っているのは、多くて3人だけだと聞く。探し出すのは容易い」
「それに今あなたが魂吸をしたことで異変を察知して向こうからやってくるでしょう。だからここで待っているのが無難かと…ん?」
「…どうした?」
「お〜、これは驚きました。生きているのが1人いますね」
奥の方に柔道着をきていた人がゆっくりと立ち上がっていた。あの人は確かに有沢さんだったかな?黒崎さんのクラスメイトで織姫さんの親友。
「俺の
「よく見ろバカ!お前が近づいだけで魂が潰れかかってるだろ。ゴミの方だ」
「ちッ、じゃあ魂吸で生き残ったのは偶々かよ」
「そういう事になりますね」
「くだらねぇ」
正直この人がなんで生き残ったのかは私は未だに分からない。本当に偶々生き残っただけたのか?
でも彼女自身我々を認識出来るみたいだから多少魂魄の力はあると思うのだが。本当にそこは全く分からないですね。
「じゃあなー!」
ヤミーさんが足を上げて踏み潰そうとした。でも彼女は恐怖、いや我々の霊圧に当てられて動けないでいた。
このまま潰されてペチャンコ…な訳がなく、2人の人が割り込んできた。
「あぁ?なんだお前ら?」
ヤミーさんの足を止めている肌黒の男「
「井上、話した通り有沢を連れて離れていてくれ」
「うん。無理しないでね、茶渡君」
茶渡さんは織姫さんを逃すように言う。ーー彼女の足じゃ無理に決まっているのに。
「ウルキオラ、こいつか?」
「ヤミー、お前もうちょっと
「そうかい!」
茶渡さんは勝ち目はないとわかっていても、せめて後ろの2人は逃がそうと思っているみたいで私達の前に立ち塞がっている。
そしてだかヤミーさんに簡単に受け止められ、更に右腕を握り潰した。
「茶渡君!!」
織姫さんは有沢さんを下ろし茶渡さんに近づいて呼びかけている。
まぁ彼もあの程度では死ななくてもかなりの重傷だからね。一応心の中で謝罪しておきましょう。
「ウ〜ルキ〜オラ〜、この女もゴミか?」
「あぁ、…ゴミだ」
その言葉を聞きヤミーさんは右腕の人差し指を出して攻撃しようとする。
「
だが三角形のオレンジ色の光の壁が出現して2人を守った。でもそれもほんの一瞬だけ。壁はすぐに粉々に砕けてしまった。ーーまぁ彼女の今の力じゃヤミーさんに通用する訳ないでしょう。
「なんだこいつ?」
「
髪飾りの2つが茶渡さん負傷した左腕の上下に移動して、その右腕を光の膜みたいなものが現れて右腕を治療し始めた。
「なんだ、治せんのか?つーか生きてんのかよ、そいつ?しぶてぇなぁ、おい」
「妙な人間だ、女…」
「確かに…でも興味深い能力ですね」
彼女は力は本当に興味深い。
全て何かが起きる前の状態に戻すことができるのですから。
それが例え死体であっても。おそらく自然死でなければ再生させることができるでしょう。
彼女は私達の前でじっとしている。
本当は怖くて仕方がないのに、でも大切な仲間を残すことは出来ない。それにみんなの足手まといになりたくないという思いから逃げたくないのだろう。
「椿鬼!!
「私は…拒絶する!!!」
椿鬼がヤミーさんに向かって飛んでくる。
少しでも足止めをしようと考えているのだろうが、無理ですね。
ドカーーン
椿鬼はヤミーさんの右腕で簡単に止められ、粉々に砕け散ってしまった。
「なんだこりゃ?蝿か?」
「椿鬼君!そんな…」
「どうするよ、ウルキオラ、デストロイヤー。こいつ珍しい術使うから、生け捕りにして藍染さんに持って帰るか?」
「いや、必要ない。…消せ、ヤミー」
「あい「いや、待ちなさい」…あぁ?」
私はヤミーさんが殺る前に声を掛けて止めた。
「なんだデストロイヤー。なんで止めんだよォ」
「この子はターゲットの仲間です。今殺すのもいいかもしれませんが、そのターゲットの前で殺した方が面白くありませんか?」
ちょっと残酷なことを言うかもしれませんが、
「けッ、くだらねー」
「いつ来るか分かんねー奴を待ってられるかー!」
ヤミーさんは私の言葉を無視して織姫さんに右手を突き出した。
指だけだとさっきみたいに防がれる思ったからかな。
確実に仕留めるつもりですね。
だがその手は一筋の剣の前で停止していた。
「悪い。遅くなった井上」
おぉー、ようやく主人公君登場ですね。
でもタイミング良すぎでしょ。ヒーローは遅れて登場するってか。
「ごめんね、ごめんね黒崎君。あたしが、あたしがもっと強かったら…」
「謝んないでくれ、井上。俺がこいつ等を倒して……終わりだ」
黒崎さんは右腕を前に伸ばして、左手を右腕を掴む形になる。
「卍・解!!」
そしてその掛け声と共に異常な霊圧が彼を包み込んだ。