戦いの描写が思いつかなかったので、こんなにも間を空けてしまってすみません。
今二人の破面がお互いを睨みつけながら見ている。
一人はノイトラ・ジルガ。第8十一刃で、歴代全十刃の最高硬度誇る
そしてもう一人はチルッチ・サンダーウィッチ。第5十一刃で数少ない女十一刃である。
「あんたがアタシに勝てると思ってんの?今の内に止めといた方がいいんじゃない」
「へっ、余裕こいていられるのもそこまでだ。テメーを倒して俺が
開始前から2人のはピリピリしていた。
「ではこれよりチルッチ・サンダーウィッチとノイトラ・ジルガによる第5十一刃の座を賭けての決闘を行う。お互い準備はいいかい?」
「えぇ」
「あぁ」
「それでは…始めたまえ」
その合図と主にノイトラがデカイ斬魄刀を振り上げながらチルッチ目掛けて突っ込んできた。対してチルッチはワイヤーを通したチャクラムで防御し、ノイトラを後退させる。
「へ、ちょっとは楽しめそうだな」
「はん、女だからって舐めんじゃないわよ」
お互いに一歩も譲らない。ノイトラの攻撃は主に言うと、接近戦が主要である。自分の足に付いている鎖で斬魄刀を投げても戻す事が出来るが、遠距離攻撃と言えば虚閃と虚弾くらいしかない。
方やチルッチはワイヤーを自由自在に振り回して、遠くにいる敵にも攻撃できる。普通に考えたらチルッチの方が有利に思える。
それからチルッチはノイトラに攻撃をし続けているが、攻撃が命中しても傷を負わす事は出来ない。ノイトラの鋼皮はタダでさえ硬いのに再破面化で更に硬さが増した事により並みの攻撃では傷つける事が出来なくなっていた。逆にチルッチは傷つけない事に腹を立てて冷静さを失って攻撃し続けたせいで体力が落ちてきた。
「どうした、もう終わりかよ。第5十一刃さんよー」
「この舐めんじゃないわよー!」
「
斬魄刀を解放し、両腕が鳥の前脚のように長大化し、頭には羽根飾りのようなものが、背中には刃を数枚重ねたような翼、長い尻尾がある姿になった。
「面白れー。こっからが本当の戦いだ」
ノイトラは楽しい戦いが出来ると思ったのか興奮してチルッチに突っ込んでいくが、彼女はそれを素早くかわし翼から刃を飛ばす
いくらノイトラの鋼皮が硬いとはいえ、解放したチルッチの攻撃は上がっていたため、血は出なかったが浅い傷を負った。その勢いにノイトラは押され始めていた。
「どうしたの?随分苦戦し始めたじゃない。さっきまでの威勢はどこ行ったのよ」
「テメー、調子に乗んのも今の内だー!」
挑発にキレたノイトラは斬魄刀を天にへと振り上げだ。
「
霊圧が斬魄刀から溢れ出て嵐が起こり、ノイトラの周りを包み込んだ。
そして姿が現れてくると、頭には左右に角の様な物が生え、腕の数が4本になった。更には持っている剣が鎌の様な形になった。
「どうだ。これが俺の刀剣解放だ」
「ふん、何よ。ただ腕が4本になっただけじゃない。それでアタシに勝てるとでも思ってんのー!」
チルッチは解放したノイトラに怯みもせず突っ込んでまた
近距離からの攻撃は無理と判断し今度は
チルッチは焦っていた。彼女の帰刃は翼の刃の高速振動で多少の攻撃を弾く事が出来るが、その分霊圧の消費があまりにも激しいのだ。このまま長期戦が続けば明らかにチルッチが不利になる。だか彼女にもプライドがある。このまま易々と負ける訳にはいかないのだ。
チルッチは意を決してノイトラに突っ込んでいく。ノイトラはそのまま迎え撃とうとする。4本の腕を振りかぶって斬りかかろうするが、チルッチはそれを咄嗟にかわして腕の一本を切り裂いた。
腕が3本になった事で戦力が僅かだか下がったと思う。――これならまだいける。勝てるチャンスがある。そう思っていた。――たがその考えは直ぐに打ち砕かられた。
「ヘッ。腕を1本斬り落としたからっていい気になるなよ。いや正確には…」
ノイトラは斬られた腕に意識を集中される。すると斬られた腕が瞬く間に再生したのだ。
「テメーは1本の腕も斬る事は出来ねーんだよ」
帰刃した彼は超速再生を持ってい。
本来破面に進化すると強大な力と引き換えに、虚の時にあった超速再生を失うのだが、彼はそれを持っていたのだ。――こんな奴にどうやって勝てばいいのよ。チルッチの顔は絶望した様な顔になっていた。
そんな唖然としているチルッチに容赦なく斬りかかるノイトラ。チルッチは何とか避け続けるが、ノイトラは一気に畳み掛ける様に4本全ての鎌で攻撃した。何とかそれを受け止めたチルッチだったが、ノイトラの口がニヤっとした瞬間
チルッチの腹を1本の腕が貫いた。
その腕が抜けるとうつ伏せになってノイトラを見ると、何とか腕が6本に増えていた。更には新しく増えた腕から鎌を出した。これにはチルッチも驚きを隠せなかった。
「無様だなぁ。あれだけ大口を叩いておいてこの程度かよ」
「…く…そ」
チルッチは涙を流した。確かに、あれだけ大口を叩いておいて無様に負けたのだ。その悔しでいっぱいだった。
「終わりだ。消えろー‼︎」
ノイトラは6本の鎌でチルッチにトドメを刺そうとしたが、その時…
「待ってください‼︎」
そんな時その声と共に一つの影が2人の間に入ってきた。
2人の決闘を見ていた私だが、結果は分かっていた。今のチルッチさんではノイトラに勝つ事は難しいという事に。そして案の定ノイトラの腕に貫かれてチルッチさんはうつ伏せとなった。
そしてトドメを刺そうとするノイトラを見て私は無我夢中で2人の間に入った。
「なんだテメー、邪魔すんじゃねーよ」
「もういいじゃないか、勝負はついたんですよ。命まで奪うことはないでしょ」
「はッ‼︎何言ってやがる。これは俺とそいつの勝負だ。関係ねーテメーがシャシャリ出てくんな。それにそいつをどうするかの権利は勝者の俺が持ってんだ。テメーがどうこう言う筋合いはねーんだよ」
確かにこれは2人の勝者だから、敗者をどうするかは勝者の自由。つまりチルッチさんを、生かすも殺すもノイトラさんの自由。だったら…
「藍染様」
「ノイトラさんが勝ったから、チルッチさんは十一刃落ちになるんですよね」
「そうだね、そういう事になるね」
「だったらチルッチさんを…
私の従属官にください」
その場にいたほとんどの破面達が目を見開いた。ノイトラさんやチルッチさん本人も。「十一刃落ち風情が」とか馬鹿にする事を十一刃だけでなくその従属官達も言っているから、大抵十一刃落ちになった者にいい印象はない。ましてや従属官にするなど以ての外だと思う。
でも今彼女を救うにはこれし、何より一緒にいたい。
「藍染様、どうかお願いします」
頭を下げて許可を出してくれる様に頼んだ。
「…いいだろ。君の好きにするといい」
『⁉︎』
「‼︎ッ、ありがとうございます」
藍染様からお許しが出て喜びを抑えて更に頭を下げた。
「では、只今をもってチルッチ・サンダーウィッチを十一刃落ちとし、ノイトラ・ジルガを新たな第5十一刃として任命する」
その後解散となり、その場には私とチルッチさん、そしてノイトラさんだけとなった。
「これでチルッチさんは私の従属官になった。だから彼女を殺す事は勿論手を出したら許しませんからね」
そして霊圧を半分くらい出して威嚇する。
ノイトラさんの顔から冷や汗が流れ出た。
「ッ⁉︎…チッ!」
流石に勝てないと思ったのか舌打ちしてノイトラさんもその場から去っていった。
「大丈夫ですか、チルッチさん。私の宮に帰って治療を「なんで」…え?」
「…なんでアタシなんかを助けたのよ。別にどうでもいいでしょ、負けたアタシなんて」
目に涙が溜まり、大粒の涙が落ちてくる。
「それにアンタが好きだったのは強いアタシでしょ?負けた上にもう十一刃でもない弱いアタシなんて、アタシなんて…ッ⁉︎」
泣きじゃくるチルッチさんを私はゆっくりと抱き締めた。
「何を言っているんですか。私が貴方を嫌いになる訳がないじゃないですか」
「「弱いから嫌いになる」、「十一刃じゃないから嫌いになる」そんな事はありませんよ、絶対に。だから、泣かないでください」
そう言うと私の胸の中で声には出していないけどチルッチさんは泣いた。その涙がどう言う意味かはわからないが今まで我慢していたものを吐き出す様に泣いた。
私は泣き止むまで、子供をあやす様に背中をゆっくりとさすって落ち着かせた。
「落ち着きましたか?それじゃ帰りましょうか。私の宮へ」
「そうね。ここでメソメソしていても仕方がないわね。ほら早く行くわよ」
どうやらいつものチルッチさんに戻ったようだ。私はそんな彼女を見て微笑んだ。
原作開始まで、後2、3話予定です。