では、どうぞ。
第1十一刃の宮を後にした私は第2十一刃の宮に向かっている。スタークさんが第1十一刃だったって事は第2十一刃はあの人だな。あの人は怒らせたりしたら色々面倒なことになるから注意したいと。
そう思っていると目の前に一人の破面、破面No.26ジオ=ヴェアが現れた。彼は確かバラガンさんの従属官の一人でしたね。
「お前が第0十一刃になったデストロイヤーか?」
「はい、そうですが」
「バラガン陛下がお前を連れてこいとの事だ。着いてこい」
いきなり来て着いて来いとは随分な物言いですが、別に気にしないので彼の後を着いて行く。そして暫く歩くと一つの宮の前に着いたぞ。
「着いたぞ、入れ」
彼に言われた通り宮の中に入っていく。結構暗いですね。スタークの所とは大違いですね。
そんな事を思っていると、頭に王冠の様な仮面の跡があり、骨で出来た椅子に座っているお爺ちゃんの破面、バラガン・ルイゼンバーンがいた。その背後には彼の従属官達が立っている。しかし目の前で見ると迫力と言うか、威厳があるな。伊達に自身を虚圏の支配者と名乗っている事だけはある。
「ご苦労だった、ジオ・ヴェガよ」
「はい」
「下がれ」
バラガンさんの言葉にジオさんは彼の後ろにいる他の従属官と同じ場所に行く。
「貴様が第0十一刃になったと言うデストロイヤーか?」
「は、はい。そうです」
「ふん。こんな小童が第0十一刃にするとはボスも何を考えとるじゃ」
「あ、あの貴方は?」
「儂か。儂こそは大帝、バラガン・ルイゼンバーン。この虚圏の神だ!」
バラガンさんは自信満々に自分の事を神と言いきった。
バラガンさんは元々この虚圏を支配していた王。沢山の虚を配下に収め、自分に刃向かったりする奴を殺してこの虚圏を支配した。だがある日藍染様が現れて部下達を殺され、力の差を見せつけられて王の座を奪われた。それゆえ彼は藍染様の下に付いているが、その背後で復讐を誓い虚圏の王へと返り咲こうとしている。
「それでその虚圏の王が私に何の用ですか?従属官まで使って呼び出して」
「き、貴様‼︎」
「バラガン陛下に向かってその口の聞き方、許せん!」
後ろの従属官の内二人が今の私の質問の答え方に納得いかず声を荒げる。
「止めい‼︎」
するとバラガンさんが声を出し沈まらせた。流石王を名乗るだけあって威厳がある。
「あ、ありがとうございます」
「ふん、別に貴様の為に止めた訳ではない。儂の目の前でいきなり争うなど愚の骨頂、それ故止めた事じゃ」
「それで用件は何かと聞いたな。単刀直入に言おう」
「貴様、儂の部下になれ」
「それは何故ですか?」
「ふん、簡単な事。貴様は第0十一刃という事はかなりの強者。貴様なら儂の配下になる資格がある」
成る程、分かりました。私を自分の配下に置けば藍染様を討ち取ることができる、という事を考えているんでしょう。
「申し訳ありませんが断ります。私は藍染様以外の下につくにはありません(まぁ下についているのも今だけだけどね)」
「そうか。余計な時間を取らせてしまったようじゃな」
「いえ別に。では、私はこれで失礼させてもらいます」
私は扉を開けて宮の外に出る。
「まさかあれ程の強大な霊圧とは」
流石は虚圏の王、藍染様とはまた別の威厳を感じた。あの人は絶対敵に回したくないですね。
「さてと、では気を取り直して次の十一刃の宮に行きましょう」
私は次の目的地に向かって歩き出した。
スペイン語の数字の読み方はネットで調べました。