今回はいろんなことの記念回です。
この作品の10話突破+投稿開始1ヶ月、そして、学生の卒業記念、ひな祭り記念、作者のリアル弟の誕生日記念(3月4日時点)、雪穂ちゃんの中の人である東山奈央さんの誕生日記念回です!!
多すぎ?ホノカチャン関係ない??
穂乃果ちゃんが可愛いからいいんです。
あ、今回は雪穂ちゃん多めかもです。
「光穂っ、ゲームしようよ!」
そう言ってきたのは僕の姉、高坂穂乃果。音ノ木坂学院という学校で"μ's"というアイドルグループをやっているらしい。そんな彼女の弟である僕高坂光穂は、姉のそんな誘いに疑問を持つ。
「穂乃果ねえ、最近ゲーム誘うこと多くない?」
「えっ!? そ、そうかな、あはは……」
最近何かとつけてゲームに誘ってくることが多い気がする。穂乃果ねえってそんなにゲーム好きだったかな?
「ま、穂乃果ねえがしたいんだったらやろうよゲーム。穂乃果ねえとゲームするの楽しいし」
「ほ、ほんと!? やったぁ♪」
「ふふっ」
これでも一応高校2年生のはずの穂乃果ねえだけど、昔から全然変わらない。感情はすぐ表情に出ちゃうし、アクションはいちいちオーバーだし、年齢の割にはすごく子供っぽいし。
だけど 、それでも僕は穂乃果ねえがすごく好きだ。
誰かが困ったときにすぐ手を差しのべる優しさも、人の悩み事を全て吹っ飛ばすくらいの明るさも、自らみんなを引っ張って走り出すその前向きさも。
穂乃果ねえは僕の自慢のお姉ちゃんなんだ。だから、穂乃果ねえがやりたいと言ってるんなら僕もそれに何も言わず付き合う。
「今日は何のゲームするの?」
「これだよっ!」
「それ昨日穂乃果ねえボロボロだったやつじゃん」
「うっ、うるさい!」
からかいはするけどね。
「お姉ちゃーん、この前貸した……また2人でゲームやってんの?」
「あ、雪穂! 雪穂も一緒にやろうよっ!」
「お姉ちゃんとゲームやってたら私までお姉ちゃんみたいになっちゃうじゃん」
「ゆ、雪穂ぉ……」
穂乃果ねえが"雪穂"と呼ぶその人が僕のもう一人の姉、高坂雪穂。穂乃果ねえと同じ音ノ木坂学院の生徒で、穂乃果ねえとは違って頭が良くて、真面目で落ち着いた性格。
穂乃果ねえには言ってないけれど、雪穂ねえは僕には結構甘い。穂乃果ねえに対しては辛口なことばっかり言ってるけど、僕にはあまりそういうのはない。明らかに態度が違うから、穂乃果ねえには言えない。とは言っても、雪穂ねえも何だかんだで穂乃果ねえのことが好きだから、本気でそういうことを言ってるわけではないのはすぐわかる。現に――――
「お願いゆきほぉ、一緒にやろうよ~」
「……まぁ、お姉ちゃんがそういうなら」
「さすが雪穂! 優しいねぇ!!」
お姉ちゃんの言葉に頷いてるしね。あたりは強いけど、何だかんだで雪穂ねえも穂乃果ねえが好きなんだ。
明るい太陽みたいな穂乃果ねえと、優しい光を放つ月みたいな雪穂ねえ、そしてこの僕の3人が高坂家の三人姉弟だ。
姉と弟~ときどき姉~
「あーんまた負けたーっ!」
「もう、貸してお姉ちゃん……ほら、できたよ」
「おお! さっすが雪穂!」
「穂乃果ねえこのゲーム向いてないんじゃない?」
「楽しいからいいのっ!」
「楽しんでるんならいいんだけどさ」
穂乃果ねえがやられてしまったところを雪穂ねえがクリアする。僕からすれば、それってあんまり楽しくないような気がするけど、穂乃果ねえはすごく楽しそうにしている。まぁ、楽しいんならそれでいいんだけどね。
「さ、次は光穂の番だよっ!」
「わかった……よしっ」
「光穂、ファイトだよっ!」
「うん、ファイトだよ! よーし――――よっしゃ! できたよ穂乃果ねえ!!」
「さっすが光穂~♪」
「わっ! ちょっと穂乃果ねえっ、急に抱き着くのやめてよびっくりするから!」
「えへへ、ごめ~ん♪」
「お姉ちゃん抱き着くの好きだよね」
「だって光穂温かいんだもん!」
「言い訳になってないよお姉ちゃん」
僕がステージをクリアするとすぐに穂乃果ねえが抱き着いてきた。僕らを褒めるときはいつもこうやって抱き着いてくる穂乃果ねえ。密着しているため穂乃果ねえの体温を感じるけど、僕なんかより穂乃果ねえの方がよっぽど温かいと思う。
「雪穂も抱き着いてみなよ! 温かいから♪」
「えぇっ、私も!?」
穂乃果ねえにそう言われた雪穂ねえが心底驚いた表情をしたあと、僕をちらっと見てきた。それを見て何かを感じたのか、穂乃果ねえが僕から離れる。
「ん」
「えっ!?」
「……あったかい。」
「ゆっ雪穂ねえ!?」
「えへへ、実は私もしてみたかったんだよね、抱き着くの」
「……そんなの、雪穂ねえにだったらいくらでもさせてあげるのに」
「ふふっ、優しいね光穂は」
「雪穂ねえこそ」
「ちょっとぉ! 穂乃果も入れてよぉっ!」
「わわっ!」
「ちょっとお姉ちゃん! 私に譲ってくれたんじゃないの!?」
「2人で仲良くしてるの見てたら穂乃果も我慢できなくなっちゃったんだよっ」
「くっくるし……っ」
雪穂ねえが右から、穂乃果ねえが左から抱き着いてくる形で、その間にいる僕は抱きしめられる圧迫感に苦しんでいた。でも何だかんだ、女の子らしい柔らかい身体が苦しさを少しだけ紛らわせてくれてるからこれはこれでありかも。なんてね。
2人の姉に愛されて、今日も僕は幸せです。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ここどうすればいい?」
「ん、ここはね~」
「なるほど、さすが雪穂ねえ。教え方上手いね!」
「ふふっ、嬉しい。でも光穂も理解早いと思うよ?」
「そうかな? それも雪穂ねえのおかげだと思うんだけど」
「じゃあ私も光穂も優秀だってことだね~」
「雪穂ねえには敵わないけどね」
「もう、またそんなこと言って」
僕は今、雪穂ねえに勉強を教わっている。雪穂ねえにはたまにこうやって、僕の勉強を見てもらっている。教え方が上手いからすごく捗って助かるんだよね。
「雪穂ぉっ!! 勉強教えてっ!!」
「お姉ちゃんまたぁ?」
「そんなこと言わないでよ雪穂ぉ」
「穂乃果ねえ……」
急に穂乃果ねえが部屋に入ってきて、雪穂ねえにお願いする穂乃果ねえ。この光景も、実はすごく見慣れたもので。
「お姉ちゃんさぁ、たまには自分でやろうとか思わないの??」
「だ、だって教科書見てもわかんないんだもんっ!」
「だったらノート見ればいいでしょ?」
「何も書いてないんだもんっ!!」
「自業自得じゃん!!」
「うっ、助けて雪穂ぉ……」
「もうっ、いつもいつもこうなってるじゃん」
「あ、あはは。ごめんね雪穂」
穂乃果ねえが雪穂ねえに泣きついてきて、散々駄々こねる穂乃果ねえに負けて結局教えてあげる雪穂ねえ。
もう何度も見てきた光景だけど、これを見るたびに毎回こう思ってしまう。
「もうこれじゃ、雪穂ねえと穂乃果ねえどっちが年上なのか分かんないよね」
つい声に出してしまったみたい。すると2人は黙り込んでしまい、穂乃果ねえが立ち上がった。
「あ、あはは、そうだよね……あっそうだ!ちょっと買い物行ってくる!」
「え? あ、行っちゃった」
立ち上がるなりすぐどこかに行ってしまった穂乃果ねえ。ちょっと悲しそうな顔してたような。
「光穂、ちょっといい?」
「雪穂ねえ?」
雪穂ねえが何やら真面目な顔で僕を呼ぶ。
「光穂はさ、私のこと、好き?」
「?? うん、もちろん好きだよ?」
「ありがとっ。じゃあ――――お姉ちゃんのこと、好き?」
「えっ……?」
僕は雪穂ねえの質問の意味が全く理解できなかった。僕が雪穂ねえのことが好きなのは当たり前だし、穂乃果ねえももちろん大好きだ。
「もちろんだよ、雪穂ねえ」
僕は自信をもってそう答えた。
「そうだよね。私もお姉ちゃんにはいろいろ言ってるけど、何だかんだでお姉ちゃんが好き。あんな、高校生らしくないし年上感全くないし、だらしないしなんでも人を頼ろうとするお姉ちゃんだけど、私は好きだよ」
「うん。それは僕も同じだよ」
「私たまに考えるんだ。もし本当に私が一番年上だったら、って。でも、そのたびにこう思うの、"きっと私が一番年上だったら、こんなに明るい姉弟にはならなかったかも"って。だからやっぱり、私たちのお姉ちゃんは、お姉ちゃんだけなんだよ」
「……うん」
「それにね? 能天気に見えるお姉ちゃんだけど、実はお姉ちゃんぽく無いこと結構気にしてるんだよ?」
「えっ? あの穂乃果ねえが?」
「うん。私に何度か相談してきたもん。『どうやったらお姉ちゃんぽくなるかな』って。笑っちゃうよね、だって十分"お姉ちゃん"なのにね」
「…………」
「だから、さっきみたいに"どっちが年上か分かんない"って言われたの結構ショックだったはずなんだよね、お姉ちゃん」
知らなかった。お姉ちゃんがまさかそんなことで気にしていたなんて。いつも能天気で、明るくて元気なところしか見せないから、悩んでる素振りなんて何一つ見せてなかったから。
「お姉ちゃんも、いろいろ気を遣ってるみたいだからさ」
――――もしかして最近よくゲームに誘ってたのは、"弟と遊んであげているお姉ちゃん"みたいなものを演じるため?
だとしたら、雪穂ねえが言ってることと穂乃果ねえの行動が合ってる気がする。
「たぶんだけど、今お姉ちゃんが買い物に行ってくるって言ったのも、そういうことじゃないかな? もうそろそろ帰ってくるだろうし」
「ただいま! ほら、お姉ちゃんが2人にお菓子買ってきたよっ!」
「ね?」
「……ふふっ、そうみたいだね」
「えっ? ええっ???」
雪穂ねえからの話の途中で穂乃果ねえがお菓子の入った袋を引っ提げて帰ってきた。"お姉ちゃんが"の部分を強調した当たり、本当に気にしているのかもしれない。いつもならわざわざ自分のこと、お姉ちゃんだなんて言わないもん、穂乃果ねえは。
それを理解すると、僕の心は温かさで満たされた。
「……ありがとう、お姉ちゃん。」
「え? あ、うん! はいっ、光穂の分!」
穂乃果ねえから差し出されたお菓子を手に取ると、また僕の心がふわっと温かくなった。雪穂ねえも僕と同じ気持ちなのか、とても柔らかい笑みを浮かべていた。
「じゃ、私は部屋に戻るから」
「えっ!? ま、まだ雪穂から教わってないよぉ」
「そのレベルだったら光穂でもできるよ。たまには光穂にも教わってみなよ、教えるの上手いから」
「あ、う、うん!」
「雪穂ねえ……?」
「じゃ、またねっ」
穂乃果ねえが帰ってきて少し経ってから、雪穂ねえは自分の部屋に戻っていった。戻る寸前、僕にウィンクをしたあたり、なにか考えがあったのだろう。
たぶん、こういうことだろうね、ありがとう雪穂ねえ。
「穂乃果ねえ」
「ん、どしたの? 光穂?」
「あのさ、僕にとってのお姉ちゃんは穂乃果ねえと雪穂ねえの2人だけど――――やっぱり僕と雪穂ねえには穂乃果ねえがいなきゃダメなんだ。穂乃果ねえが僕らだけの"お姉ちゃん"だから、からかったりするかもしれないけど、いつも頼りにしてるんだよ?」
「っ! 光穂……!」
雪穂ねえが、僕らが2人きりになるチャンスを作ったのはこういうことだと思う。現に、穂乃果ねえはすごく嬉しそうに、安心したように僕を見つめかえしてきてるし。
「うん、うんっ! ありがとう、光穂っ! 穂乃果にとっても姉弟は雪穂と光穂の2人だけだから、これからもいっぱい迷惑かけちゃうかもしれないけど、でも! 穂乃果も2人の助けになれるように頑張るから!」
「それでこそ穂乃果ねえだよ! 僕らはいつもそういう穂乃果ねえの明るさに助けられてるんだ。だから穂乃果ねえも、僕らにもっと頼っていいんだからさ」
「光穂……光穂ぉっ!」
「わっ!? いきなり抱き着くのはびっくりするって言ったじゃん!!」
「光穂ぉっ、穂乃果、2人のお姉ちゃんでよかったよぉっ!」
「……僕もだよ、穂乃果ねえ」
穂乃果ねえに抱きしめられながら、僕も心から、穂乃果ねえの弟でよかったと思った。穂乃果ねえが居なかったらたぶん僕はダメになってたんじゃないかな。
雪穂ねえにも、いろんなことで助けられてる。実際今回のことも、雪穂ねえが教えてくれなかったら僕は穂乃果ねえの想いになんて気づけなかっただろうから。
僕と穂乃果ねえだけじゃダメなところを支えてくれているのは紛れもない雪穂ねえだから。
僕も、穂乃果ねえと雪穂ねえを支えられるような男にならなくっちゃ。
こんなに優しくて温かい2人に、僕はこれからも支えられ続けるのだろうけど、少しでもいいから、僕も2人の支えになりたいな。
だって、2人は僕の大切なお姉ちゃんたちなんだから。
「光穂~! ゲームしよっ!」
「またかよ穂乃果ねえ」
「うんっ! ダメ?」
「ふふっ、いいよ。僕も穂乃果ねえとゲームするの、好きだから」
「やったぁ♪ ありがとう光穂っ!」
「ちょっと2人とも、私がいないとクリアできないんでしょ?」
「あ、あはは。ごもっともです……」
「雪穂ねえも一緒にやってくれるの?」
「まぁね、ちょうど暇だったし」
「ありがと雪穂っ!」
「ちょっ! もうっ! 急に抱き着くのやめてって言ってるでしょ!!」
「えへへ、ごめ~ん♪」
今日も、いつもと変わらない
僕と、2人のお姉ちゃんの1日でした。
ホノカチャン!雪穂ちゃん?穂乃果ちゃん!
くらいのつもりで書いたんですが、どうでしょうか?
雪穂ちゃんの中の人の誕生日記念もかねて書いているのもあって、雪穂ちゃん多めですね。
これタイトル変えた方が良いですかね?全然"ときどき"じゃないですよね
姉と弟~がっつり姉~
これですね
お姉ちゃんと言う単語をこんなたくさん入力するのはこれで最初で最後でしょうね。