ということで今回は、以前投稿した"勘違い雪歩ちゃん"再び、という感じです。
関係ありませんが、私、アン○ャッシュネタが好きなんです。
「あ〜、やっと終わった〜!」
宿題を済ませた私は思いっきり身体を伸ばしながら、ほっと一息。結構量が多かったんだよね、今回の宿題。
にしても、今日はなんだか変だ。っていうのも、いつもなら隣の部屋にいるはずのお姉ちゃんたちがわーわー騒いでるから、宿題に集中出来なくてなかなか進められないのに、今日は特に騒ぐ様子もなく、静か。私としては嬉しいことなんだけど、いつもが騒がしすぎるから何かあったんじゃないかって少し心配になる。
「お姉ちゃんたち〜?」
気になって立ち上がり、隣の部屋に入ろうとした時だった。
私か、衝撃の言葉をお姉ちゃんの口から聞くことになったのは。
『お兄ちゃんどうしよう……デキちゃったかも』
勘違い雪穂ちゃんりたーんず!
えっ? デキちゃった? え?
お姉ちゃんから聞いたその声は少し怯えたような、そして恥ずかしそうな声。ということは……え? 信じられない、いや信じたくないけど
デキちゃったって、まさか赤ちゃん?
……い、いやいやいやいや! ま、まさか兄妹でそんなことしないよね!? そそそそうだよきっと何か別のものがデキちゃっただけだよね!? うん、きっとそうに違いない! だ、だからもうちょっとだけドア越しに中の2人の声を……
『え、マジで?』
『ほ、ほら見てみて』
『どれどれ……うわ、ホントだ大きいのできてんなぁ』
大きいの!? デキちゃったばっかりなのにもう大きいの!? というかお兄ちゃんも何平然と答えちゃってんの!? もっと慌ててもいいんじゃない!?
『う、うん……うぅ、これじゃ海未ちゃんに怒られちゃうよぉ』
海未さんじゃなくても怒るから! というか海未さんの前に私とお母さん達が怒るから!
こ、これって本当にお姉ちゃんのお腹の中に赤ちゃんがデキちゃったのかな……で、でもまだそうと決まったわけじゃないし。うん。それに私は前に勘違いして恥ずかしい思いしたばっかりなんだし、早とちりはよくないよね、ここはもうちょっとだけ様子を伺おう。
『お、お兄ちゃん』
『ん?』
『や、やっぱりこれって、その……シちゃった、からだよね?』
シちゃった!?
『まぁ、それ以外は考えられないよな』
軽い!? 一大事なのに軽すぎるよお兄ちゃん!?
『うぅ。でも、楽しかったよね!』
『久しぶりだったからな、ヤる価値はあったよな』
『えへへ、またシようねっ』
楽しかった!? アレって楽しむものなの!? しかも久しぶり、だって!? 何度か既に経験してるってこと!? だから遊び感覚でヤってるってこと!? しかもさりげなく今日の夜もシようとしてるの!?
ど、どうしよう、これ本当に兄妹でヤっちゃったっぽいよ。もう疑いようが……でもそんなこと思ってたら前は失敗しちゃったわけだし、うーん……ひ、人をそんなに簡単に疑うわけにはいかないよね、しかも2人は実の兄と姉なんだし、2人は良い兄姉っていうのは私が1番よく知ってる……ってそうじゃなくて!
お腹に赤ちゃんがいる、なんてお母さんたちに知られたらきっとお兄ちゃんたちすっごく怒られる。というより社会的にまずくなる。そんなことは2人が1番分かってるはずなのに、なんでそんなに気軽に……まさかまずいってことが分かってない? さ、さすがにそこまでのバカじゃないだろうし……でも2人ならあり得てしまうのが怖いよ。
なんて、いろいろ考えてたら、また部屋の中から声が聞こえてきた。と、とりあえず一旦冷静になるためにも、もう少し2人の話を聞いていよう。
『で、でもどうしよう! やっぱり海未ちゃんに、ううんにこちゃんとか絵里ちゃんにも怒られちゃうよぉ』
『アイドルやってるわけだからなぁ。薬とか塗れば早く治るかもしれないぞ?』
薬!? ま、まさか赤ちゃんを……で、でもそれが普通なのかなぁ。
『あと、しっかりと栄養とって、早く寝れば少しは小さくなるかもな』
しっかり栄養とって寝たらむしろすくすく育っちゃうよ!!
『でもぉ! 今日もお兄ちゃんと一緒にシたいよぉ!!』
お腹に赤ちゃんいるって分かったのに連日でヤるつもりぃ!? お姉ちゃんそれはダメだよ!?
『いやいやそれはさすがにダメだろ?』
そ、そうそう、お兄ちゃんの言うとおりだよ。やっぱりお兄ちゃんだけは正常に……
『そんなことしたら目の下にクマができちゃうぞ?』
違あああああああああう!!! お兄ちゃんそこじゃないよ!! もっと見るとこ注意するとこあるでしょ主にお腹とか!! お兄ちゃんも異常だったよもうっ!!
『だから、今日はやめといた方がいいぞ?』
『いーやーだー!! 今日したいのーっ!! ヤりたいヤりたいヤりたいーっ!!』
そんな子供が欲しいおもちゃおねだりするときみたいな言い方でヤりたいとか言わないでよ!!
『ほらほら、そんなに子供みたいに暴れてると、雪穂に怒られちゃうぞ?』
いやいやいや!! 怒る理由があるならそんな些細なことじゃなくてもっと重要なところだよ!?
『うー、雪穂に怒られちゃったら絶対にもう2度とお兄ちゃんとヤれないよぉ』
私じゃなくってももう2度とヤラせないと思うけどっ。
『だろ? だから落ち着きな』
『う、うん』
『それにな穂乃果』
『うん?』
ん、何を言い出すのかな――――――――
『穂乃果が求めるなら、今からでもヤるよ?』
『お、お兄ちゃん……♡』
「ヤらせないよ!?」
「ゆ、雪穂!?」
「わわっ、なんで雪穂が!?」
「あっ」
し、しまったあああっ!! もうちょっと様子を伺ってアウトだったら、なんて思ってたのに!! いやもうアウトか、ならセーフだよね。というか今のセリフは確実にアウトだよ!! 2人はいつもみたいに抱き合って座ってるけど、それすらも今の私にはアウトにしか見えないよもうっ!!
「な、なんでまた愛を営もうとしてるわけ!? さいっていなんだけど!!」
「あ、愛を営むって」
「ゆ、雪穂!? そ、そりゃ確かに穂乃果はお兄ちゃんとならそれでもいいって思ってる……って! そうじゃないよ何を勘違いしてるの雪穂!」
「勘違い? 何言っちゃってんのさ昨日の夜ヤっちゃったって言ってたくせに!!」
「っ! 聞いていたのか雪穂!?」
「あわわっ、ど、どうしようお兄ちゃん、もうバレちゃってるよぉ」
なんかお姉ちゃんから勘違いだなんて言葉が聞こえたけど、この2人の反応からするに、今回は本当にヤっちゃったみたいだね。もうこれは誤魔化されようがないよね。なら……
「証拠だってあるんだよ! お姉ちゃんのお腹の中に!!」
「え?」
「ひゃあっ!? ゆ、雪穂やだっ、めくっちゃダメーっ!!」
「ほらぁ! これが証拠だよ!!」
「だ、だめぇっ、お兄ちゃん見ないでぇっ!!」
お姉ちゃんのお腹にある証拠を2人に見せつければ、本当ににまずいことなんだってわかってくれるはず! って、あれ? お姉ちゃんの服めくってみたけど……そんなにお腹おっきくなってない?
「ほ、穂乃果最近ダイエットしてないからぁ……見ちゃダメだよお兄ちゃぁん」
「ははっ、ぷにぷにしてて気持ちいいな」
「は、恥ずかしいよぉ!」
「え? いやいや! 私知ってるんだから、昨日2人でシちゃって、このお腹の中にはもう赤ちゃんがデキちゃってるんだってこと!!」
「は?」
「えぇ~っ!? こ、これ脂肪じゃなくて赤ちゃんだったのぉ!?」
「え? え、いやいや、だって昨日2人でシちゃったんでしょ? だからデキちゃったって言ってたんでしょ!? しかもお薬でその赤ちゃんをなかったことにしようとしてたし!! ほんとにさいっていだよ2人共!!」
ま、またとぼけだしたよこの2人!! これじゃまるで前のときと全く同じじゃん、まったく反省してないよこの2人!!
……え、前と同じ?
私はこの瞬間、何かを察した。
「雪穂? お前まさか」
「雪穂、まさか、また?」
私は冷静にいろんなところを見渡してみた。お兄ちゃんたちの目の前には、飲み物やお菓子が散乱しているテーブル、シたと言ってた割には綺麗に整えられているベッド。
「はぁ、お前なぁ」
「雪穂はやっぱり、穂乃果たちの妹だよ」
デキちゃったと言っていた割にはペッタンコ、いやぷにぷにのだらしないお腹、2人の目の下に浮かぶ濃い目のクマ。そして――――――――
お姉ちゃんのおでこにできてる、おっきな
「お前また勘違いしただろ!?」
「もう、雪穂の発想力のすごさは穂乃果以上だねっ」
「う、うわああああああああああああんっ!!!」
やだやだやだやだ!! また私勘違いしちゃったの!? しかも前に失敗したことを踏まえて冷静に2人の話を聞いてたのに!? こんなのってないよおおおっ!!
恥ずかしくって、私は急いで部屋に戻ってドアを閉め、毛布にくるまって以来、今日1日お兄ちゃんとお姉ちゃんと話すことはできなくなりました。
うぅ、私って本当に2人の妹なんだっ……こんなの嫌だよおおおおおおおおっ!!!
ほのゆきは尊い、これはおそらく誰もが知ってることです。
そしてほのゆきというのは、たまに無性に欲しくなるというこの気持ち、分かりませんか?
そして、雪穂ちゃんには勘違いしててほしいんです(真顔)