兄と妹~ときどき妹~   作:kielly

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穂乃果ちゃん?ほのかちゃん?ホノカチャン!(ウィンターver)

ということで1か月ぶりの更新ですかね?お待たせしました。
前々回、前回に引き続き、Twitterで投票を募ったときの候補の1つであったお話です。

なんとこの小説を投稿し始めて、43話まで投稿してきましたが、44話にしてやっとA-RISEが登場します。メインはツバサだけですが。

バサバサツバサ、A-RISEの、ツバサ(妖精感)
↑CMネタなんですが、通じますかね?(笑)




進撃のツバサ

 あるいつもの放課後だった。みんなと部室で団らんしていた、そんなとき"そいつ"はやってきた。

 

「こんにちは、μ'sのみなさん」

 

 

 

 

 

 進撃のツバサ

 

 

 

 

「ツ、ツバサさん!!」

「お久しぶりね穂乃果さん」

 

 穂乃果に対して「久しぶり」と言っているということは、前に会ったことがあるのだろう。うーん……

 

「君は誰なんだ?」

 

 素直に質問してみた。が、その質問の直後だった。

 

「はぁ!? あんたまさか!?」

「A-RISEを知らないんですか!?」

「え!? な、なんか知ってなきゃまずい感じなのか?」

「「当たり前よ(です)!!!」」

「うぉっ!?」

 

 矢澤と花陽ちゃんから叱られてしまった。矢澤はともかく、花陽ちゃんにまでここまで言われるとは、そこまで有名な奴なのか? 見れば、部室にいるやつ全員が俺に向けて焦りの視線を向けてやがるし。

 なんなんだ?こいつ。

 

「お、お兄ちゃん」

「どうした?」

「この人はね? スクールアイドルの頂点って言われてるグループA-RISEのリーダーの」

「綺羅ツバサ、初めまして。以後お見知りおきを」

「ふーん……」

 

 スクールアイドルの頂点ねぇ……とりあえずすごいんだろうなってのは分かった。言われてみれば、確かに凄みを感じるような気がしないでもない。

 でも正直そんなことはどうでもいい。なぜなら

 

「おい、なんでお前は来て早々に穂乃果の手を握り続けてやがるんだ?」

「あら、気づかれちゃったかしら?」

 

 こいつまさか意図的にやりやがったか……? 男女関係なしにμ'sのメンバー以外との触れ合いは俺は認めたくないんだが?? しかもこいつは意図的に……まさかこいつ!?

 

「まさかお前、そっちの人だったのか!?」

「ちょっ!? あんたツバサに向かってなんてことを」

「ええそうよ」

「えぇっ!?」

「やはりか……」

「冗談だけどね」

「「冗談かよっ!!」」

 

 俺の問いに対して笑顔で冗談言ってきやがった。矢澤と俺がまったく同じリアクションをしてしまうレベルで驚いたわ。他のみんなも複雑そうな顔してるし。

 綺羅が続ける。

 

「でも、確かに穂乃果さんは魅力的よ。それは冗談ではないわ」

「ツ、ツバサさん……」

「ほぉ、それはお前もわかってるのか。まぁ穂乃果はどこをどう見たって可愛いから、同性から惚れられても仕方ねえかもしれねえ」

「お兄ちゃんまで……うぅ」

「ふふ、照れてる穂乃果は可愛いなぁ」

「あぅぅ恥ずかしいよお兄ちゃぁん」

「ふふっ、お兄さんに甘える穂乃果さん、いつもとは少し違った魅力があってこれまた可愛いわね」

「だろ? だから穂乃果がいるμ's以外のスクールアイドルグループには全く興味ないんだわ、すまんな」

「そう。それなら仕方ないわね」

「仕方ナイノォ!?」

「に、にこの中のツバサのイメージが……っ」

 

 綺羅の言葉に花陽ちゃんと矢澤がかなり衝撃を受けているらしく、矢澤に至っては膝を地面についてしまっている。周りのみんなも衝撃を受けているらしく、真姫ちゃんに至っては完全に引いてしまっている。だが、俺はむしろ好感を持った、なぜならこいつは穂乃果の可愛さをちゃんと理解していてかつ物分かりもいい。

 

「だからちょっとその穂乃果さん抱きしめてもいいかしら?」

「ダメだ」

「ん~、つれないわね」

 

 前言撤回、俺のことを理解してくれているわけではないようだ。心なしか、俺に抱き着いている穂乃果の抱きしめる力がすこし強くなったような気がする。

 少し部の雰囲気が落ち着いたタイミングで、様子を窺っていたらしい絢瀬と海未ちゃんが用件を聞く。

 

「ところで、なぜわざわざツバサさん自らが」

「この音ノ木坂にお越しになられたのですか?」

 

 思えば、こいつは1人でわざわざここまで来た。仮にもスクールアイドルの頂点らしいグループのリーダーが、だ。

 綺羅は答える。

 

 

「目的が一応あったんだけど……それはもう達成できたからいいわ。今はもう、ただお話ししたいだけって感じかしらね」

「達成した……?」

「何が目的だったんですか?」

「それは後になれば分かることよ!」

 

 自信満々と言わんばかりに胸を張って、堂々とそう答えた綺羅。後になれば分かる、とは言ったけど一体何のことやら。

 

「そんなことより、穂乃果さんのお兄さん」

「なんだ?」

「ちょっとその抱き着いてる穂乃果さんをうちの抱き枕にしてもいいかしら?」

「何お前"のど乾いたから飲み物持ってきてくれない?"みたいにさらっと言ってんの!? させねえから????」

「あら、それは残念ね。じゃあせめてうちのインテリアとして穂乃果さんを」

「やらねえからな!!!」

「厳しいわね……ならうちのマネージャーとしてつきっきりで」

「いい加減にしろ!!」

 

 な、なんなんだこいつは……!? こいつ頭がイってやがる、ここまで変態チックなやつが頂点に立つグループのリーダーだと? やばいな、これ。

 そしてこっちは割と必死に否定してるのに、綺羅はそれを楽しんでいるかのように軽く笑みを浮かべながら俺を見つめる。もしかしてこれ、遊ばれてる? なんか屈辱だ。

 

「あら? もうこんな時間なのね」

 

 満足げな表情を浮かべたまま腕時計を確認した綺羅は、手に持っていた荷物を持ち上げる。

 

「それじゃ、私はこれで失礼するわ」

「あれ? ツバサさん帰っちゃうんですか?」

「ええ。もうちょっと穂乃果さんとお話しとか色々したかったんだけど、タイムリミット来ちゃった」

「仮に時間があったとしても絶対お前には穂乃果は触れさせねえからな???」

「まったく、厳しいわね穂乃果さんのお兄さんは。そんなんじゃモテないわよ?」

「俺には穂乃果がいるから十分なんだよ! 余計なお世話だ」

「ふふっ! また近いうちに遊びに来るわ!」

 

 そう告げると、綺羅はドアに身体を向け、ドアを開ける。

 

「さようなら、μ'sのみなさん。そして――――」

 

 

高坂光穂(……)くん」

 

 

 俺含めたみんなに別れを告げて、(綺羅)は去っていった。ったく、騒々しいやつ、そして俺の宿敵になりそうなやつだったな……あいつに穂乃果は絶対やらんからな……!

 って、あれ?

 

 なんであいつは俺の名前を知ってたんだ??

 

 

 

 

 その日の夜だった。

 

「お兄ちゃん! ちょっとこれ見てみて!」

「どうした穂乃果? そんなに慌てて……こ、これは……」

 

 俺の横でスマホを覗いていた穂乃果が急に俺に画面を見せてきた。そこに映し出されていたのは、SNSアプリ"kometter"のとある人物のつぶやきだった。

 

『最近ネット上で騒がれているμ'sの高坂穂乃果さんについての1件だけど、私が今日確認してきたわ』

『高坂穂乃果さんと一緒にいる男性、あれは高坂穂乃果さんの実の兄。だから、ファンの方々は安心して!』

『彼氏じゃなくて、兄よ!』

 

 呟きの主は、さっきまで部室で穂乃果を奪おうとしてきた綺羅ツバサだった。驚くべきことに、その3つのつぶやきはすべて、呟き後10分にして拡散数3万を軽く超えていた。 これを見るに、あいつは本当にすごいやつだったんだと今さらながらに気付いた。

 だが今はそんなことはどうでもいい。

 

 

「穂乃果に彼氏持ちの疑惑があったのか……」

 

 全く知らなかった。正直、そういう風に周りから見られていたこと自体がすごく意外なのだが……これは穂乃果もあんまり良くは思わないんじゃねえかな。

 

「えへへ、お兄ちゃんと穂乃果がカップルに見られてたってことだよね! えへへ……」

 

 そんなことはなかった。

 

「あ、そうかそういうことか。俺が穂乃果の彼氏に見られてたってことか」

「そうみたいだね!」

「あらら、ごめんな穂乃果、余計な噂流れてたみたいだわ」

「ううん、穂乃果もお兄ちゃんが穂乃果の彼氏って思われるのは嬉しいからいいよ!」

「穂乃果は本当にいい子だなぁ」

「ん……ふぁぁ……お兄ちゃん大好き~っ」

「俺も好きだぞ~」

 

 穂乃果を抱きしめつつ撫でてやると、いつものように甘えた声ですりすりしてくる。このたまらなく愛らしい姿をみていたら、今日の騒動がどうでもよくなってしまうな。

 にしかし、だ。今日初めて会ったあいつ……やばいやつだったが、俺と通ずる何かを感じた。穂乃果の魅力をよくわかっていたし、ついつい穂乃果を触りたくなってしまう気持ちもわかる。

 だがな???

 間違えてもあいつのマネージャーにはさせないしインテリアにしたい気持ちは分かるが物として扱うなんて以ての外だし第一穂乃果が抱き枕なのではなくて"俺が"穂乃果の抱き枕だから穂乃果には俺が居なくちゃダメなんだよなぁ。だから絶対にあいつにだけはやらん!!

 そんなことを思いつつ、俺に抱き着いたままいつの間にか眠りについていた穂乃果を撫でながら、俺も眠りにつくのであった。

 

 

 

 

 ツバサのつぶやき前のUTXにて

 

「で、ツバサ。高坂穂乃果の件はどうだったんだ?」

「英玲奈の心配には及ばないわ。やっぱり穂乃果さんに彼氏なんていなかったわ。ま、事前調査してたから結果は分かってたんだけどね」

「あら~、じゃあその正体は一体?」

「高坂光穂、穂乃果さんの実の兄だったわ」

「あらあら。どんな人だったのかしら?」

「そうね……穂乃果さんと似たようなオーラを感じたわ。というよりも、"光穂君のオーラに穂乃果さんのオーラが似ている"といったところかしら。面白い人だったわよ、あんじゅ」

「その様子だと相当高坂光穂のことを気に入ったようだが?」

「ふふっ! 彼とのお話は楽しかったわ。ただ……」

「ただ?」

「穂乃果さんをお持ち帰りすることができなかったのが少し残念だったかしら」

「あらあら~♪」

「ツバサ、頼むから公の場でそういうことを言うのだけはやめてくれ」

「ふふっ、それは分からないわね!」

 

 ツバサの野望は、これからもまだまだ続きそうである。

 

 

 




いかがでしたか?

穂乃果ちゃんを抱き枕にしたい・・・それはおそらく全人類が一度は夢見たことかもしれませんが、インテリアにしたいと思ったのはこの作品のツバサだけだと思います(断言)

あ~ホノカチャンの温もりに触れたい~

最近は寒すぎますね、体調管理お気をつけて。

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