兄と妹~ときどき妹~   作:kielly

34 / 66
穂乃果ちゃん!ほのかちゃん?ホノカチャン!?(オータムver)

今回はなんと、4本立てでお送り致します!
要はサザ〇さん方式ですね。サ〇エさんのように1話の中に4つのお話が入っている、という意味です。

1本目は、以前活動報告の方にあげていた短編"助けてホノカチャン!"を、BANされないように訂正したもの
2本目は、自分の他作品にて描いてた"あの"穂乃果ちゃんを少しだけ描いてみました。
3本目は、光穂の穂乃果に対する態度が厳しいと文句を言う穂乃果ちゃんのお話。
4本目は、自分が中学生の時に遊びで書いていたホラー小説をリメイクしたもの。

穂乃果ちゃんのいろんな可愛さを1話でできるだけたくさんお伝えしたい、そんな思いで書きました('ω')



ほんと穂乃果って何でもアリだよな

 1.助けてホノカチャン!

 

 

「ふんふふんふふ~ん♪ マッカロン美味しくやっけたか――――ぴぃぃぃぃ!! 真っ黒焦げになってるぅっ!! こんなんじゃみんなに食べてもらえないよぉ……」

「らんららんらら~ん♪」

「はっ! こ、この声はもしかして……」

「おっはよーこっとりちゃーん!」

「ホノカチャン!」

「何か困ってるんだよねことりちゃん?」

「そっそうなのっ!! 実は、マカロンを焼くのに失敗しちゃって……」

「ええっ!? それは一大事だよぉ! ことりちゃんのマカロンがなかったら、穂乃果は……よーしっ! それじゃあ、いっくよーっ! せーのっ!」

 

 

「ファイトだよっ!」

 

 

「――――わぁ、すご~い! マカロンがどんどん生地の状態に戻っていってる〜! これならもう1回焼けるから、美味しいマカロンが焼けそうっ♪」

「えへへっ、困った時にはなんでもお任せ! 穂乃果だよっ!」

 

 こうして今日も、音ノ木坂の平和は守られたのだった。

 

 

 続くかもしれない。

 

 

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 2.どうして……?

 

 

「えいっ! えぃ……あ、負けちゃった~」

「ふふっ、俺に勝つなんて100年早いってね!!」

「む~、大人げない~! 手加減してよ~!!」

 

 今日はお兄ちゃんの部屋で、2人きりでゲーム! 対戦型のアクションゲームをやってるんだけど、お兄ちゃんが珍しく本気を出してくるからまったく勝てないよぉ……

 

「たまにはいいじゃねえか! 他のゲームじゃ穂乃果には勝てないしな!!」

「いじわる~! 意地悪なお兄ちゃんなんか嫌いだよっ!」

 

 "嫌い"だなんて、そんなの大嘘。ゲームをして無邪気に笑うお兄ちゃんも、意地悪なお兄ちゃんも、優しいお兄ちゃんもみんな大好きっ。だから他の誰にも邪魔されないで独占できる今の時間がとてもうれしい! 2人きりだから穂乃果のことだけを見てくれてるはずだから――――

 

「でも、ことりちゃんとかにだったら、わざと負けてあげてもいいかもな、嬉しそうに『えへへ~♡』って笑ってくれるんだろうなぁ」

「……え?」

「だけど矢澤にだけは絶対に負けらんねぇ。絶対に勝ってネタにしていじってやる……ひひひっ」

「…………」

 

 穂乃果と2人きりのはずなのに、お兄ちゃんは他の女の子の名前を出しては嬉しそうに笑ってる。2人きりのはずだよね? 穂乃果以外は今はいないはずだよね? なのにどうして……

 

「どうしてことりちゃんとにこちゃんの名前が出てくるの? 今は2人きりなんだよ? 他の女の子の名前が出るのはおかしいんじゃないかな? ねぇお兄ちゃん!?」

「ひぃ!? ご、ごめん穂乃果! 話のネタになるかなって思って言ってみただけだからさ!」

「……ほんとに?」

「もちろん!! 今は穂乃果以外の子のことは考えてないから!」

「えへへ、そっかぁ♡」

 

 穂乃果以外の子のことは考えてないって言われちゃった♪ 素直にそんなこと言われると照れちゃうなぁ♪

 

「はぁ、なんで"今の穂乃果"はいいのに"さっきの穂乃果"はあんなに怖いんだ……」

 

 小声でつぶやくお兄ちゃん。"さっきの穂乃果"って……?

 

「お兄ちゃん、今の言葉の意味って?」

「えっ!? き、聞こえてたのか?」

「"さっきの穂乃果"と"今の穂乃果"ってどういう意味?」

「い、いや、何でもないんだ何でも! さぁ、もう1回やろうぜ! 次もボコボコにしてやんよぉ!」

 

 お兄ちゃんに尋ねると、慌てたようにゲームに触れて、もう1回やろうと誘ってきた。何なんだろう……ま、いっか! 今はお兄ちゃんと2人っきり! いっぱい楽しまなくっちゃ!!

 

 誰にも邪魔なんか、させないんだから――――――――

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 3.お兄ちゃん厳しくない?

 

 

 

「最近お兄ちゃんが穂乃果に厳しいんだよ!!」

 

 穂乃果が机をバンッと強く叩きながら立ち上がる。光穂以外のμ'sの3年生、そして2年生だけがいるこの部室で、穂乃果は大きな声を出す。

 

「むー!! お兄ちゃんがどんどん海未ちゃんになっていっちゃうのなんて嫌だよぉ」

「何か言いましたか……?」

「ひぃ!? 何でもありませんっ」

 

 穂乃果が海未の名前を出すとすぐ、海未は反応し、穂乃果を黙らせる。タイミングを見ていた絵里が、穂乃果に問う。

 

「それで? 光穂くんは最近どんな感じなの? 穂乃果に厳しくしてるようには、少なくとも私たちからは思えないんだけど」

「えぇ!? 厳しいよお兄ちゃんは!! たとえばね?」

 

 絵里の問いに、穂乃果は少し興奮したように話し出す。

 

「晩ご飯の時!! 穂乃果がピーマン嫌いなの知ってるのに、食べてくれなくなっちゃったの!!」

「まるで小学生のわがままね」

「ご飯おかわり! って言ったら『食べすぎですって海未ちゃんに怒られるぞ?』って言ってきたり!」

「なんで私の名前出してるんですかお兄さんは!!!」

「いつもみたいにプリンあーんしてもらおうとしたら『俺にもあーんしてくれよ』って!!」

「あはは……穂乃果ちゃんと光穂さん、まるでカップルみたい」

「お兄ちゃんに抱っこしてもらおうとしたら『ごめん、今課題急いで片付けてるから、それが終わるまではハグだけで許してくれないか?』……うわああん寂しいよぉ!!」

「ふっ、あいつに抱っこされて子供扱いされるくらいならいっそ死んだほう「にこちゃんは黙ってて!!」なんでよ!?」

「それにね!? 一緒に寝ようとしたら『ちょっと風邪っぽいから今日は別々に寝てくれないか?』ってぇ……」

「それ普通に穂乃果ちゃんの体調を気遣ってあげてるだけやん?」

「あああんもうっ!!! みんなしてお兄ちゃんが厳しいってこと認めてくれないのなんで!?」

「「「どこが厳しいのよ(ですか)!?」」」

「あはは、仲が良いのはいいんだけどね~」

「光穂っちも大変そうやなぁ」

 

 穂乃果の言葉1つ1つに、そこにいる5人が的確に対応していく様はまるで詰将棋。すっかり怒り顔になってしまった穂乃果を見て、5人はさらに呆れる。そして同時に、兄である光穂へ同情と哀れみすら抱いていた。

 そんなときだった。

 

「うぃーっす」

 

 その光穂本人が現れたのだ。部室にいる6人全員が一斉に光穂を見る。そのうち5人は先ほど同様、憐れみと同情を込めて光穂を見ているのだが。

 1人だけは違った。

 

「お兄ちゃん! 最近お兄ちゃんが厳しくするから悲しいよぉ!!」

 

 半泣きの状態で入口に立つ光穂に抱き着く穂乃果。それを見た5人はさらに哀れむ。"あぁ、これは光穂がかわいそうだ"、と。きっとなぜそんなことを言われるのか全く分からず困惑して、穂乃果から文句を言われてしまうんだろう、と。

 だが、穂乃果の取り扱い歴17年のプロである彼は、違った。

 

「え? 厳しくしちゃってたか?」

「うん。お兄ちゃん、穂乃果のこと嫌いになっちゃった?」

「ふふっ、そんなわけないだろ? 最近ちょっといろいろ忙しかったから、穂乃果への扱いが雑になってたのかもな。ごめんな穂乃果、これからはもっと穂乃果に優しくするからさ」

「お兄ちゃん……」

「穂乃果……」

 

(これ以上……)

(甘く?)

(今でも十分甘々じゃない)

(光穂さんに抱き着く穂乃果ちゃん可愛い)

(光穂っちもとんだ兄馬鹿やね)

 

 哀れんでいたはずの5人は一転、2人に対して呆れてしまうのであった。

 

 高坂兄妹の仲の良さは、底知らず。

 

 

 

  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

  4.穂乃果、お兄ちゃんから――――――――

 

 

 

 ある日のこと。

スクールアイドルμ'sのリーダーである高坂穂乃果と、穂乃果のファンである高坂光穂は付き合い始めた。

 付き合い始めのころはぎこちなかったものの、全くの他人ではあったものの同じ苗字ということもあってか、数日も経たないうちにまるで兄妹のように仲が良くなり、周りから羨ましがられるくらいだった。

 

 これから話すのは、そんな2人におこったことである。

 

 7月の後半、穂乃果は体調を崩して入院してしまった。光穂は穂乃果が入院したと聞き、ほぼ毎日のように穂乃果のいる病室に通っている。

 学校は夏休み、午前中のみ授業を受けるだけ。光穂は夏休みの間も、学校が終わるなりすぐに穂乃果のもとにお見舞いに行ってから帰宅するという生活を送っていた。

 今日もいつものように、学校終わりにお見舞いに行き、時間ぎりぎりまで穂乃果のそばに寄り添う。そのため毎日帰りが遅く、光穂は帰りながらふらついていた。

 

「穂乃果……早く元気になってくれ」

 

 そんなことをつぶやきつつ、住んでいるマンションのエレベーターに乗り込む。エレベーターに入ると、住んでいる部屋がある7階のボタンを押す。エレベーターから降り、自分の住んでいる部屋に入るなりすぐにベットに横になり、ぐったりした。休む暇がまったくなかったため疲れ切っていたのだ。ベットに入るとすぐに眠ってしまった。

 

 何時間ぐらい眠ったのだろう、ふと目が覚めた。真横にある時計を見ると、3時を示している。3時とはいえ、夏の暑さは時間を問わない。汗をびっしょりかいていた。ただ、風は吹いていたようで、窓がガタガタ揺れていた。その音を聴き、窓を開けようと光穂は立ち上がり、窓の方へと近づいた。

 すると、網戸に何かがくっついてるのが目に見えた。よく見ると、蝉のような生き物だ。

 

「うわあっ虫だぁっ!?」

 

 光穂は虫がとても嫌いなので、おそるおそる近づいて、すばやくつかみ取ると、速攻で窓の外に思いっきり投げた。

 すると、どこからか

 

「あぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 という女の人の叫び声が聞こえた。それも、どことなく穂乃果(・・・)の声と似ているのだ。光穂は驚き窓を開け周りを見渡したが、女の人はおろか、人1人すら見当たらない。

 

「いったいなんだったんだ」

 

 さっきの声は一体何だったんだ。正体の分からない声に少し怯えながらも、またベッドに横になり眠った。

 

 何時間くらい経ったのだろうか、光穂は電話の着信音で起こされた。

 

「もしもし」

 

 頭も回らないまま電話を取り、応答する。

 

「光穂君? 光穂君、ですね? 穂乃果の母です」

「えっ!? あっ、こ、こんばんわ!」

 

 穂乃果のお母さんからの電話だった。これには光穂も驚き、慌てた声で対応した。

 

「光穂君、あのね、落ち着いて聞いてほしいの」

 

 穂乃果の母からの急な連絡に困惑しながらも、その静かに話す穂乃果の母の声に耳を傾けた。

 

「穂乃果が、病室の窓から落ちたの……それで、それで――――今、今病院にいるから、来てください」

 

 えっ……今、お母さんは何と? 言葉がすぐには理解できず、頭が真っ白になる。

 数秒経ち、ようやく事を理解した光穂は、病院へ駆け出した 。

 

 

 

 

「穂乃果! ……ほの……か?」

 

 病室のドアを思いっきり開け、穂乃果の名前を呼んだ。しかしそこには、泣きじゃくる穂乃果の母と父がいて、、穂乃果のベットの上に白い布をかぶせられた誰かが、寝ていた。光穂は、震える膝を必死に抑えながらベッドの前に立ち、恐る恐るその白い布を取った。

 

「う、うわあああああっ!?」

 

 横になっているのは、紛れもない穂乃果の姿だった。

 

「なぜ……なぜなんだ……っ」

 

 目の前にある現実が信じられず、光穂はただただ涙を流すだけだった。

 

 

 

 

 

 病院から帰宅した光穂は、部屋に入ってから1歩も動かずにドアの前で立ち尽くしていた。

 

「穂乃果……なぜ」

 

 飛び降りた、それが事実ならなぜ? 何か嫌なことがあったのだろうか……彼氏であったにも関わらず何も気づくことができなかった自分に腹が立つ。怒りと悲しみに溢れる光穂の心は、酷く荒んでいた。

 

 その時だった。

 

 ビュ~っと、部屋の奥から風が入ってきているのが分かった。あまりに慌てて出て行ってしまったから閉め忘れていたのだろうか。

 光穂は風の吹く方に歩いて行った。そのさきは確か、蝉のような虫が止まっていた網戸がある方だ。また虫が入ってなきゃいいが……心は荒んでいるものの、嫌いな虫が部屋に入ってくるのも嫌だった。

 部屋に入り、網戸の方を見る。と、そこには見慣れたオレンジ色のポニーテールの女の子の後ろ姿。

 

「穂乃果!? 穂乃果なのか!?」

 

 なぜここにいるのか、などと言った疑問も一切なく、穂乃果とまた出会えたことへの喜びで心が満たされた。

 彼女が振り向く。

 

 しかしその顔は、真っ赤な血で染められていた。

 

「ほ、穂乃果……?」

 

 光穂が名前を呼ぶ。すると穂乃果は何も言わず、網戸の方を指さし、こう言った。

 

 

 

「穂乃果、あなたから落とされたの」

 

 

 

「って話なんだけど……ってお兄ちゃん?」

「うわああああ穂乃果あああああっ!!!」

「わわっ!? お兄ちゃん!?」

「ダメだぁ、穂乃果は俺のそばにずっといるんやぁ」

「お兄ちゃん、これ作り話だよ? しかも穂乃果はこのお話には出てないよ!?」

「ああああああっ……穂乃果ぁ」

 

 悲しい、悲しすぎる……っ。

 穂乃果が『怖いお話、ネットで見つけたから読んであげるね!』と嬉しそうに言ってきたため、読んでもらっていたんだが……俺の頭の中で、勝手に登場人物を俺と穂乃果に置き換えて聞いてしまっていたため、穂乃果がひどい目に合うとは思っておらずかなりショックを受けてしまった俺。

 そんな俺を見てか、穂乃果が慌てたように俺を宥めようとする。

 

「お兄ちゃん落ち着いて! 穂乃果はずっとお兄ちゃんと一緒だよっ」

 

 声と共に、俺の頭を撫でてくれる穂乃果。

 

「穂乃果は飛び降りたりしないし、お兄ちゃんを悲しませるようなことなんてしないもんっ」

「穂乃果……」

 

 優しくて暖かいその手の温もり。うん、これは本物の穂乃果の手だな。普段は俺が撫でているが、たまには撫でられるのも良いな。今日はこのまま、穂乃果に甘えてるのもいいかもしれない。

 

「……うぅ~! やっぱり穂乃果にもナデナデしてよぉ!」

 

 と思ったが無理だったらしい。さっきまでの優しい瞳は、いつもの甘えん坊の穂乃果の目に戻ってしまっていた。

 ま、穂乃果はやっぱり、甘えてる時の方が可愛いからいいよな。

 

 




いかがでしたか?
穂乃果ちゃんの可愛さは無限大、これ常識です←

いかがでしたか?ボリューム不足でしたでしょうか、それともいろんな穂乃果ちゃんが見れるからよろしいのでしょうか。
よければご意見いただけると、これからの執筆にもつなげられるので助かります!

そんなことより早く穂乃果ちゃんに会いたいんですけど????(必死)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。