今回はほのぱなのお話と『干物妹!うま○ちゃん』をパロったお話の2本立てです!
妹VS米スター874
放課後のアイドル研究部部室、そこでは、ひそかに争われてきた"ある戦い"に雌雄を決するときが来ていた。
「ぐむむ……」
「むむむ……」
2人の少女が目を細めて睨み合う。
……可愛いんだが。
「やっぱり朝はごはんですっ!」
「いいや、ごはんじゃなくてパンだよ花陽ちゃん!」
お互い机をバンッと叩きながら立ち上がり、睨み合う……俺からしたら、睨み合い"というより"にらめっこ"してるようにしか見えないくらい可愛らしいんだが、2人は本気らしい。プクッと頬を膨らませては花陽ちゃんを見る我が妹穂乃果に対して、練習の時ですら見たことがないほどに真っ直ぐな瞳で真剣に穂乃果に向き合う花陽ちゃん。
俺含む8人の外野はその姿を見て各々が子犬を見るかのような目で2人を見ている。誰も止めようともせず、ただただその可愛らしいやりとりを見ているが、その2人は本気なのだ。
「朝はパンなんだよ!」
睨み合いから一転、穂乃果の一言から討論が始まる。
「パンを一口食べたら、よーし今日も頑張るぞー! ってなるんだよ! でもごはんじゃそうはならないんだよ!」
握る拳に力を込めながら、穂乃果は語る。
「パン食べなきゃ1日は始まらないんだよ!」
ちなみに今朝はごはんだったが、1日は終わりを迎えてるぞ、穂乃果よ。
「それにパンなら口に咥えて食べながら登校できるんだよ!」
片手にバッグ、もう片方の手には俺の手が繋がれているのにどうやって食べながら登校するんだ、穂乃果よ。
「お昼休みだって! パンさえあれば幸せいっぱいなんだよ!!」
毎日弁当だけで足りてるみたいだけどな。
いつも穂乃果と一緒にいるせいで、心の中でツッコむことしかできない俺。穂乃果の言う一言一言に、俺は心の中でツッコミを入れるが、決して声には出さない。
語り終わると穂乃果は胸を張ってドヤ顔していた。非常に可愛らしいのだが、残念ながらあまり説得力はない。見ると、海未ちゃんはあきれ顔、ことりちゃんも困り顔といった始末、それに気づきもしない穂乃果は、相も変わらず胸を張っている。
「言いたいことはそれだけかな?」
穂乃果の語りが終わったのを確認すると、今度は花陽ちゃんの語りが始まった。
「いいですか? まず花陽たちは何人ですか? そう!日本人です! 日本人の主食はお米! お米なんです!!」
お米を想像しているのか、目をキラキラさせながら語りを開始する花陽ちゃん。
「朝、ごはんをお口に入れるとそれだけでまるで天国にいるかのような気持ちになれるんですっ!」
まぁ、言いたいことは分かるよ。お米美味しいよな。
「頑張りたい時にはお米! 噛めば噛むほど甘さを感じるお米のように、やればやるだけ頑張れるんですっ!!」
日本人だから、やっぱお米のイメージ強いよな。パンを食べて「さぁ頑張ろうか!」とはなりづらいし。
「それに食べながら登校できるって言いましたよね? それはお米だって同じこと! おにぎりにしちゃえば、食べながらでも、授業の合間でも、おやつの代わりにでも!! いつでもどこでもお米は食べられるんですっ!!!」
おぉ……確かにおにぎりってどこでも食べれるな。確かにパンも食べれるけど、種類によっちゃ匂いがきついものもあるからパンは結構場所や時間を選ぶ。その点おにぎりはよほどアレンジを加えてなけりゃ、匂いはほぼない。
俺は正直、どちらかと言われるとごはん派だ。だがそれだと穂乃果が悲しむかもしれないから口には出さない。でも今の2人の話を聞いていると、どうやってもどこでも食べれるごはんが優勢だと思う。
ただ、どこでも食べられるからこそ……
「花陽、だから最近また体重が増えたんですね?」
「ぴょええええええっ!!! 言わないで海未ちゃああああんっ!!!」
そりゃあ体重増えるよな。
海未ちゃんにズバリと言われてしまい座り込む花陽ちゃん。そしてそれは自分にも刺さると言わんばかりに口を閉ざしている穂乃果。
ちょっとの間沈黙が訪れた。可愛らしい討論だったが、海未ちゃんの一言で終わりを迎えたか……
そう思っていたときだった。
「ねえ! お兄ちゃんはどっち派なの!?」
「そうですっ! こういうときはとりあえず光穂さんに聞くのが一番ですっ!」
「え? あ、は?」
急に俺へ矢が飛んできた。まじまじと見つめてくる2人、見れば、他のメンバーも俺に注目している。
さっきの討論の内容を含めたうえでどちらかを選ぶのであれば、俺は断然"ごはん派"だ。
「俺は」
でもごめん、俺実は――――――――
「俺は"麺派"なんだわ」
「え?」
「えっ?」
「いやぁ麺っていいよな! 朝の時間ないときでも、うどんならスルッと食べれるしボリュームもある、昼はラーメン食べて気分高められるし、夜は蕎麦、天ぷらなんて添えてあったら贅沢だよなぁ……」
うん、俺実は"麺派"なんだわ。これだけは譲れないんだわ。目を瞑り、麺を想像しながら語った後目を開く。ふっ、これでみんなもきっと、"麺派"になりたくなるだろう――――
「お兄ちゃん、それだけはないよ……」
「見損ないました」
「えっ!? えぇっ!?」
白い目で見られたあと、俺を置いて練習へ向かった俺以外のメンバーたち……あれ? なんで?
"麺派"というイレギュラーな俺は、その1日限り、なぜかみんなから距離を置かれてしまうのであった。
その夜。
「いい!? お兄ちゃんは"パン派"の人間なんだよ!! なんたって穂乃果のお兄ちゃんなんだから!!」
「ひ、ひいいいいいいっ!!!」
我が妹に"パン信者"にさせられかけてしまうのであった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
干物妹!ほのかちゃん
「お兄ちゃんぷーりーんー!」
「はいはい分かった、食べさせるからちょっと待ってろ」
「うわーい♪」
ぐへへ、今日はお兄ちゃんがプリンを作ってくれたんだよ! お兄ちゃんが作ってくれるプリンはいつも美味しいんだよね〜、えへへっ。
「ほら穂乃果、あーん」
「あーん、んむ、もぐもぐ……んまぁい♡」
「美味いか?」
「うんっ! さすがはお兄ちゃんだね! まるで穂乃果専用のパティシエさんだよ〜」
「俺が穂乃果からパティシエとしてだけじゃなく、執事兼雑用みたいな扱い受けてる件について何か言いたいことはないか?」
「お兄ちゃん! プリンもう一口! あーん!」
「何もねぇんだな。はぁ……あーん」
「あー……んぐっ!? んん!!」
「なっ!? ほ、ほら穂乃果! はやくこのオレンジジュースで流し込め!!」
「んんっ、ゴクゴク……ぷはぁ」
「ったく」
喉にプリンを詰まらせた穂乃果をすかさず助けてくれるお兄ちゃん、まるで本当の執事さんみたいだねぇ。あー、このままお兄ちゃんに甘えたままの状態で人生を過ごしたいよぉ。
「あっ、もうこんな時間か。ごめん穂乃果、ちょっとこのあと用事あるからお留守番頼むな?」
「ふええ!? お兄ちゃん出かけちゃうの!? なら穂乃果も一緒に……」
「すぐ帰ってくるから、な?」
「うぅ、お兄ちゃんは妹を残して1人でおでかけ「いちご買ってくるからさ」お兄ちゃん早く行ってきて!」
「はぁ、行ってくるよ」
「帰って来たらプリンといちごでぱーちーだよ!!」
「はいはい」
お兄ちゃんがいちご買ってきてくれるって!! えへへ~、今夜はいちごとお兄ちゃんのプリンで最高のぱーちーになりそう!
「行ってらっしゃ~い!」
「おう、いってきます」
お兄ちゃんを見送って、今家に居るのは穂乃果一人。
今は実家から離れてお兄ちゃんと2人で生活してるから、家族の誰からも邪魔されることはない……っ!
――――さて、始めちゃおっかな!
テレビとゲーム機の電源をオン! オレンジジュースとお兄ちゃんお手製プリンを用意! お気に入りのワンちゃんパーカーを着て、準備おっけー!
穂乃果の宴の始まりだよっ!
「やっぱりツバサさんかっこいいなぁ……あ、レベル上がった! よーし……ん~♡ やっぱりお兄ちゃんのあまーいプリンとオレンジジュースの酸味が合ってていいっ!はぁ、しあわせ~♡」
ネットに接続したテレビでA-RISEの動画を見ながら、ゲームでレベリングしつつプリンとオレンジジュースを味わう。
穂乃果、生きてる……っ!
お兄ちゃんが居たらお兄ちゃんに甘えられるし、1人だったら1人でも楽しめる! 最高っ。よーし! お兄ちゃんが帰ってくるまでは1人でめいっぱい楽しんじゃうよ!
でも、ちょっとだけ寂しいなぁ。
ピンポーン
……む? 誰だ穂乃果の宴を邪魔するやつは! 誰かが来たみたい。だったら着替えなきゃ!
ほのる~ん!
ワンちゃんパーカー脱いで、急いで部屋を片付けて……っと。うん、これでおーけー!
「はーい!」
穂乃果の宴の邪魔をするのは誰!? って怒りたい気持ちはあるけど、出なきゃお兄ちゃんに怒られるかもしれないし、仕方ないよねっ。
ガチャ、ドアを開けて、誰なのかを確認。
「あ、穂乃果ちゃん」
「ことりちゃん!」
ことりちゃんだ! しかもあま~い匂い、これはもしかして……!
「マカロン焼いてきたよ~♪」
「わーい! ことりちゃんのマカロンだー! ささ、あがってあがって~!」
「お邪魔しま~す♪」
ことりちゃんのマカロン! お兄ちゃんのプリンに負けないくらい美味しいんだよ! やったね!
ことりちゃんは穂乃果たちが住んでるこのアパートの1階に住んでるんだよ! だからよく遊びに来てくれるんだ!
「あれ? 光穂さんは?」
「あ、お兄ちゃんならちょっとお出かけしてるよ?」
「そ、そうなんだ、あはは……」
「??」
ことりちゃん、お兄ちゃんがいない時っていつもしょんぼりするんだよね~、なんでだろう? でもまあ、お兄ちゃんはもうすぐ帰ってくるだろうし、今はマカロンだよ!
「ことりちゃん、はやくマカロン食べようよ! オレンジジュースとお兄ちゃんのプリン用意するね!」
「えっ!? 光穂さんのプリン!? ……えへへ、うんっ、お願いっ」
1人で宴するのもいいけど、誰かと一緒に美味しいもの食べるのもいいよねっ!
「マカロン美味しかったぁ」
「プリンもすごく美味しかったぁ♪」
2人で食べてたら、あっという間になくなっちゃったよぉ。って、あっお兄ちゃんの分のマカロンまで食べちゃった……
「穂乃果ちゃん、光穂さんの分は別に用意してるから大丈夫だよ♪」
「さっすがことりちゃんだね!」
さすがはことりちゃん、お兄ちゃんの分まで作ってくれてたんだって! お兄ちゃんへの配慮も忘れない……ことりちゃん、お兄ちゃんに対することはすごく念入りな気がするけど、うーん……
「ただいま~」
「あっ! お兄ちゃんおかえり~」
「おっおおおお邪魔してますっ!」
「あれ? ことりちゃん来てたんだ。いちご買ってきたんだけど、食べるよね?」
「えぇっ!? いいんですか?」
「もちろん、穂乃果と遊んでくれてたんでしょ? そのお礼みたいなもんだしさ」
「ああああありがとうございます! じゃ、じゃあ私からは、これを」
「おぉ! マカロンだね? いつも持ってきてくれてありがとう! 美味しいんだよね~」
「そっそんな! まだまだうまく焼けてなくて、お口に合わなかったら申し訳ないです……」
「いやいや、ことりちゃんの焼くマカロンはそこらの店で買うよりよっぽどおいしいよ!」
「えっ、あ、うぅ……恥ずかしい」
「……むぅ。お兄ちゃん! 話はいいから早く用意してっ!」
「お、おう」
「ふんっ!」
お兄ちゃん、ことりちゃんと仲良さそうに話しちゃってさ……ふんっ、もうお兄ちゃんなんか知らないっ!
「ほら、いちご持ってきたぞ」
「「わぁ~!」」
お兄ちゃんが買ってきてくれたいちご、キラキラしてて赤くて赤くて美味しそう! じゃあさっそく……
「あむっ……あま~いっ」
「おいしいっ♪」
「それはよかった」
甘くて美味しいいちご! ことりちゃんもすごく嬉しそう! うーん、でもなぁ。
やっぱり、お兄ちゃんに食べさせてもらいたい!
「お兄ちゃん!」
「ん?」
「いちご、あーんしてほしいなぁ」
「!?」
「えっ!? で、でもことりちゃんが」
「いいのっ! だからあーんしてっ!」
「え、あ、あぁ。ほら、あーん」
「あー……ん~っ、美味しいっ!」
「……いいなぁ、穂乃果ちゃん」
やっぱりお兄ちゃんからあーんしてもらうと、もっと美味しくなるよっ。お兄ちゃんは穂乃果のお兄ちゃんなんだもんっ、穂乃果の面倒見てくれなきゃダメなんだから!
「あっ、すいません時間が来てしまったので、ことりはこれで」
「ん、何か用事なのかい? もっとゆっくりしていっていいのに」
「い、いえ! ちょっとやらなきゃいけないことがありますので! ……これ以上2人の邪魔も出来ないし」
「え? 何か言った?」
「いいえ! じゃ、じゃあ」
「うん、また来てねことりちゃん」
「ことりちゃんまた明日!」
「うん! お邪魔しました!」
ことりちゃんが帰っていっちゃった。ちょっと慌てた様子だったけど、どうしたんだろう?
……それよりも、だよ。
「お兄ちゃん! ことりちゃんと仲良すぎ! ダメだよことりちゃんは穂乃果の友達なのっ!」
お兄ちゃん、ことりちゃんと仲良さそうにお話ししてたよねっ、穂乃果もうプンプンだよっ。穂乃果のことも長い間1人きりにして……許さないんだから!
「わ、悪い悪い」
「寂しかったんだよ!? ことりちゃんが来てくれなかったら1人きりだったんだから!」
「ごめんごめん。代わりにってわけじゃないんだけど、あとで美味しいプリン、作ってやるからさ」
「えっ!? プリン~!? うわーいやった~!!」
「あははっ、晩ご飯食べてからのお楽しみだな」
「あーんもしてくれる!?」
「おう、あーんもしてやるぞ」
「やったっ。お兄ちゃん大好きっ!」
「わっ!? いきなりくっつくなよ危ないなぁ」
「えへへ~っ」
お兄ちゃん、プリン作ってくれるんだって! やっぱりお兄ちゃんはお兄ちゃんだ! ……さっきのことは特別に許しちゃおっ。
これからもお兄ちゃんにたくさん甘えちゃうんだから!
私はごはん派です(真顔)
マイ妹にしたいμ'sメンバーランキング1,2のこの二人
ほのぱなって何しても癒されますよね
はぁ・・・ほのぱなが欲しい(苦痛の叫び)
そして、干物妹!ほのかちゃん、いかがでしたか?
穂乃果ちゃんにこき使われたいですよねぇ(遠い目)