ということで今回は、穂乃果ちゃんとテニスします
べ、別に??
テニス漫画と思いきやいきなりテニスの枠を超えた技を披露して??挙句の果てには人を殺めかけてしまうようなテニヌ漫画のタイトルを真似たなんてことは?全然ありませんけど??(確信犯)
中学のころテニス部だったので、書きたくなっちゃいました
でも内容は結局、穂乃果ちゃん可愛い!を詰め込んだだけになってしまいました。ちゅらいな??
「お兄ちゃん!テニスしよっ!」
ある日の学校帰り、穂乃果からそんなことを唐突に言われた。どうやら、近くの公園にテニスコートがあって、今度借りるから一緒にどうかな?ということらしい
俺は当然
「おう、いいぞ」
妹の誘いを断るわけがなかった。
テニスの穂乃果様!
「お、お〜」
「思ってたよりも広いね!」
誘われた週の休日、俺達はその公園のテニスコートに来ていた。近くの公園なのだから何も驚くほどの規模はないだろうと思っていたのだが、予想以上に広い公園で、そのコート数も軽く10は超えている。
''公園''と聞いていたから、あっても2〜3コート程度だと思っていたがとんでもない、ただの公園ではなく、大会とかも行われるような運動公園だったらしい。
穂乃果が「公園でテニスしよう!」なんて可愛いこと言い出すから、てっきり俺はおもちゃのラケットでポンポン打ち合う程度だと思っていたけど、これ本気のやつやん。
「さ、コート借りにいこっ、お兄ちゃん!」
穂乃果に腕を引かれながら、俺たちはコートを借りに受付に向かった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
受付を終えて、俺たち2人はコートに立った。
「お兄ちゃん! 早速打ち合いしてみようよ!」
「え?でもお前テニスしたことあるのか?」
「ううん、全然! でも雰囲気できっとできるよ!」
「そ、そんなもんなのか?」
コートに来て早々、穂乃果がラリーをしたいと言い出した。その姿はまさにテニスをするための格好、テニスウェアを可愛く着こなしていて最高に可愛いのだが……
俺は訳アリでテニスの経験があるんだが、穂乃果は全くない。確かに、穂乃果が生まれてずっとそばにいた俺でも、穂乃果がテニスをしているところなんて全く見たことがない。
だ、大丈夫なのか?
「おにいちゃーん! さぁこーい!!」
コートの向かいにいる穂乃果が、ラケットをブンブン振り回しながら俺がボールを打つのを待っている。
可愛いなぁ、ずっと眺めていたい。
じーっ……
「お兄ちゃん!? 何やってるの早く早く~っ!」
「はっ!? い、いくぞ~!」
可愛い穂乃果をまじまじと見つめていたせいで、穂乃果を待たせてしまったようだ。
慌てて俺はボールを穂乃果の近く目がけて打つ。
「えいっ! あれ、えいっ! あれれ?」
「あ~、癒し癒し」
案の上穂乃果はボールにラケットを当てることができず、バウンドするボールを追ってはラケットを振ってを繰り返していた。その姿がまるで子犬のようで……
カメラがないので、仕方なく俺は心のビデオカメラでしっかりその光景を記憶したのだった。
「いいか穂乃果?ラケットはこうやって振るんだ」
「こうっ?」
「そう! でな? ボールが、構えた自分の左足のつま先より右側の位置に来たとき、かつボールの高さが自分の腰の位置くらいのところで打つんだ」
「ほっ!」
「おぉ!」
「おぉ~! やったよお兄ちゃん!」
「すげえ……初っ端で良いショット打ちやがった……」
ラリーをいったん諦めて、俺は穂乃果の横へ行き、基本的な動作を教えた。そして俺が穂乃果の右斜め前からボールをふわりと投げて、それを穂乃果が打った。その打球は、とても今初めてボールを打った人間のショットではなかった。
運動神経が良いのは分かってはいたものの、まさかここまで上達が早いとは思わなかったぜ……
「えへへっ、お兄ちゃん今の穂乃果のショット、どうだった?」
「あ、あぁ、とても初心者じゃ打てないようなショットでびっくりしたよ」
「やったっ! これもお兄ちゃんの教え方が上手だからだねっ」
いや、それは違うぞ穂乃果よ。
と言おうと思ったけど、あんまりにも穂乃果が尊敬の眼差しを向けてくるため言えなかった。ま、言えなかったのは、尊敬されたからじゃなくて、尊敬の眼差しを向けてくる穂乃果が可愛すぎたからなんだけどな!
その後も俺が穂乃果にボールだしをしてやり、練習を繰り返した。するとなんということだろう、ものの2時間で俺と普通にラリーができるほどになってしまった。
俺も初心者レベルとはいえ、今日始めたのとそうでないのとでは差が出るはずなんだが、正直俺と同じくらいに打ち合える。な、なんてこったい……
ラリーを終え、お互い水分補給をしていると、穂乃果が言い出した。
「お兄ちゃん、試合してみない?」
試合、さっきも言ったが、俺は今日、穂乃果と"公園で楽しくテニスをする"ためにここへ来たつもりだった。
だが試合となると、多少なりとも勝ちたい気持ちが出てきて、"楽しいテニス"でなくなる危険がある。
しかし次に穂乃果が言った言葉で、その危険はなくなる。
「えへへ、勝った方が負けた方に何でもお願いできるんだよ!」
な、なんでも……だと!? ふ、ふふふふふ!! 穂乃果にお願い……あんなことや、こんなことあははっ!!!
はっ!? い、いけない……欲望が表情に出るところだった……慌てて平静を取り戻した俺は穂乃果を見る。
「ふ、ふふふふっ、お兄ちゃんにお願い……なんでも……ふへへ」
何も隠すことなく、欲望にまみれたその心をそのまま顔に出していた。なんだ、必死に隠そうとした俺が馬鹿みたいだ
「お兄ちゃん! 絶対に勝つからね!!」
その宣言に込められた純粋な気持ちと欲望にまみれた心が、俺の中の欲望に火をつけた。あ、火つけるとこ間違えた。闘志に火つけるんだった。
まあ、いいか。
そんなわけで、俺と穂乃果の兄妹対決が始まったのだった。
「いくぞ穂乃果!」
「さぁ来てお兄ちゃん!」
3ゲーム先取制、俺からのサーブで試合が始まった。あと1時間でコートを返さなきゃいけないから、3ゲーム先取。
向かいのサービスエリア近くに立っている穂乃果を見つめる……テニスウェアを着てる穂乃果、最高。今度またテニス来たときは絶対にカメラを用意しよう。スマホ程度のカメラなぞそんな低レベルなもので穂乃果の無限大の可愛さが綺麗に撮れるわけないだろう? だから今は心の中にしっかりと
「お兄ちゃんどうしたの~?」
「はっ!?」
くっ! テニスウェアの穂乃果があまりにも可愛すぎて……くそっ!! こんなんじゃ試合にならねえ!!
「穂乃果ぁ!! できればそれ、脱いでくれねえかぁ!!」
「えっ……えぇっ!?」
ただでさえ可愛い穂乃果にあんなコス……もといテニスウェア着られたら集中なんてできたもんじゃねえ!!
しかし、ここで俺は自らの過ちに気付いていなかった。"脱げ"とは言ったが"着替えてくれ"とは言っていなかったことに。
「えっ、ぁぅ……お、お兄ちゃんのお願いってそういう……ぅぅ」
「え? なんだぁ? お願いだから脱いでくれ! 集中できん!!」
「うぇぇ!? お、お兄ちゃん何に集中して……」
「頼むよ穂乃果!」
「あうぅ、お兄ちゃん大胆すぎるよぉっ」
穂乃果は顔を真っ赤にしてもじもじし始める。しかし俺はその態度の意味が全く分からず、お願いを続ける。
穂乃果は照れながら、何かを決心したように俺を見つめる。
「お兄ちゃんのお願いはそれなんだね……! お兄ちゃんの部屋でならいいけどこんなところじゃ絶対いやっ! だから穂乃果はお兄ちゃんに絶対に勝つ!!」
「帰ってからじゃおせえんだよおおおおおおおお!!!!」
俺の願いもむなしく、穂乃果はさらに闘志を燃やしてしまったらしい……何がいけなかったのか。この時の俺は全く分からなかった。
まぁ、このままじゃ始まるものも始まらない。そろそろ真面目にサーブ打つか……俺だって穂乃果にお願いしたいことがあるんだ、負けられない。
「いくぞ穂乃果!」
「絶対に負けないんだからっ!」
俺は可愛すぎる穂乃果を直視しないよう、トスをあげ、ラケットでボールをとらえる。
「うらああああっ!!!」
「きゃっ!? お、お兄ちゃんの本気のサーブ!? そんなに穂乃果に脱いでほしいの……?」
「よっしゃあ!!!」
「本気、なんだね。お兄ちゃん」
女の子相手とは思えないほど全力でサーブを放った俺、そしてそれにビビッて驚く穂乃果。
悪いな穂乃果、穂乃果が何を言ってるのかは全く分からんが、俺には野望があるからな……!
俺はこの試合に勝って、膝枕をしてもらうんだ!!!
実は過去に何度かお願いしたことがあったが、ことごとく却下されてしまっていたのだ。だからこそ!! 俺はここで試合に勝って!! お願いを聞いてもらうんだ!!! 絶対に!!!!
勝つ……かつ……勝つ!!!
「らああああっ!!」
「きゃあっ!!」
「はぁっ!」
「ひぃぃっ!?」
「しゃらぁっ!!!」
大人げなく俺は穂乃果からサービスエースをさらに3本奪い、1ゲームをとった。ふっ、欲望の力って、すげえ。
「お兄ちゃん……そんなに脱いでほしいんだったら部屋で言ってよ!!!」
「ちげえよ!!! 今脱がなきゃ意味ねえんだって!!!」
「お、お兄ちゃんっ……そんな性癖をっ! それはさすがに恥ずかしすぎるよ!!」
「せ、性癖?」
まるで何を言ってるのかが分からない。というより、話がかみ合ってない気がするんだが?
顔をさらに真っ赤にする穂乃果に、俺はただただ困惑する。
サービスが穂乃果へうつり、穂乃果が構える。
「お兄ちゃん……穂乃果はどんなお兄ちゃんでも受け入れる覚悟はあるの、でも!! 外で脱ぐなんてそんなことできないよおおおおっ!!」
「ぐぉっ!?」
恐ろしいほどのサーブが俺を襲う。さ、さっきまでそんな速度のサーブは打ってなかったはずなのに!?
「はぁ、はぁ……次、いくよっ!!」
「っ!! うわっ!!」
2本目のサーブもえげつないほどの速度で俺を襲ったた……これ、本当に女子高生のサーブかよ。
結局サーブを1本も触れられないまま、2ゲーム目は穂乃果がとった。
これでゲームカウントは1-1。お互いサーブだけでゲームを取ってしまったんだが。
「はぁっ!」
「いやあっっ!!!」
「ふっ!」
「それっ!!」
3ゲーム目。俺が放ったサーブを、次はあっさりと拾い、そのレシーブを俺も返す。さっきまでとはうって変わって、ラリーの押収。
「穂乃果ぁ! そんなにそれを脱ぎたくないの……かぁ!!!」
「脱ぐのはいいのっ! でも……こんな場所で脱ぐのはいやぁっ!!!」
「テニスやってる今じゃなきゃ意味ねえだろうがぁ!!!」
「くっ!?」
「おらあ!!」
「うわっ!? ……くっ!」
何かいろいろと矛盾してるような気がする言葉を交わしながら、ラリーを続けていた中で、穂乃果の態勢が崩れ、甘いロブが飛んできたところを俺はすかさずスマッシュ。ボールは穂乃果の右側に叩きつけられ、得点は俺に。
「しゃあ!」
「くっ、穂乃果はこんなところで脱ぐわけには……」
「ふふふ……膝枕までもう少し!」
得点が入ったことで3ゲーム目は俺が取った。これでゲームカウント2-1、あと1ゲームとったら俺の勝ち、穂乃果の膝枕を味わう権利を得ることができる。
ふ、ふふふっ、ふはははは!!
「穂乃果! この次のゲームで俺の勝ちだ!!!」
「……お兄ちゃんの馬鹿っ」
4ゲーム目、穂乃果のサーブ。穂乃果が何かをぼそりと呟いたように見えたが、遠すぎて声が聞こえなかった。
穂乃果が構える、そして……
「お兄ちゃん!穂乃果の裸が見たいならそう言って……よっ!!」
「は、はぁっ!? あっ……!」
「外で脱ぐなんてそんなこと恥ずかしくて、いくらお兄ちゃんのお願いでもそれはできない……のっ!!」
「な、なにを言って……くっ!?」
「ていうかお兄ちゃん! 穂乃果の裸なんて何回か見てるでしょっ!!!」
「ほ、穂乃果のはだっ……あっ」
「お兄ちゃんの変態っ!!!」
「なんでそうなる!!! ぐっ!? いつの間にか4本連続だと!?」
怒涛の4本連続サービスエース……というより、穂乃果の言ってることが全く分からなくて動けなかった、というほうが正しいけど。
てか、穂乃果の裸?
「おい穂乃果」
「な、なに変態お兄ちゃんっ」
「いや変態はさすがにひでえだろ……お前何か勘違いしてない?」
「え、勘違い?」
「俺さ、テニスウェア着てる穂乃果が可愛すぎるから、"着替えてくれ"って言ってるんだが」
「……へ?」
「いやだからさ、"着替えてくれ"って」
「そんなこと一言も言ってないよ!!」
「は、はぁ!? いや俺さっきから着替えてくれって何度も」
「お兄ちゃん穂乃果に"脱げ"って言ってたよ!?」
「えぇ!? そ、それじゃ俺は、実の妹に露出狂になれ、なんてお願いを……?」
「……うん」
「!? うわああああああああああああ!!」
「お兄ちゃん!?」
そう、ここへきて俺の過ちに気付いたのだ。向かいにいる実の妹に向かって、隣のコートにも余裕で聞こえるくらいの大声で、「脱げ!」と。
控えめに言ってこの場から立ち去りたい。
「ごめん穂乃果! そういうことでは!!!」
すかさず俺は土下座して穂乃果に謝る。兄の威厳、まるで無し。
だが、うちの妹は天使だった
「い、いいよぅ。お兄ちゃんが変態さんじゃないって分かったから……」
「ほ、穂乃果ぁ……!」
身体を軽く左右に振りながら、軽く頬を染めた穂乃果が俺を許してくれた。あぁ……天使。
俺の思い違い、そして穂乃果の勘違いはここで解決したのだった。
「はぁっ!!」
「よっ!」
「うぁっ!」
5ゲーム目、このゲームを取った方がこの試合の勝者。ポイントは、互いに40-40。
この場合、デュースとなり、2ポイント差がつくまで試合は続く。
一歩も譲らないラリー、だが
「おらああああっ!!!」
「ぐぅっ!!!」
「やったぁっ!!」
俺があげてしまったロブに対して、穂乃果はすかさずスマッシュ。端っこギリギリのところに叩きこまれてしまい、俺はそのスマッシュを見逃すことしかできなかった。
これで、次穂乃果がポイントを取ってしまったら穂乃果の勝ち、という状況になってしまった。
「はぁ、はぁ、えへへっ」
「はぁ……はぁ……ぐっ」
お互いに息は荒れているが、さすがはスクールアイドルと言ったところか、余裕の笑みを浮かべる穂乃果に対し、運動なんて何もやっていない俺は立っているのがやっとだ。
「お兄ちゃん、次で終わりだよ」
「くそっ、俺も運動しとくべきだったっ」
何とか息を整えた俺を、余裕の笑みを浮かべながら俺に勝利宣言する穂乃果。
このままじゃ、穂乃果からの膝枕が……っ。
ボールを握る手に、汗がにじむ。サーブ権は俺、このサーブを決めることができれば振り出し。
「はああああっ!!!」
全身全霊の力を込め、サーブを放つ。狙いはエリアギリギリの角……っ! 入った!! これはさすがにとれない――――
「はっ!」
「マジかよ!? うぐっ!?」
絶対に取れない、そう思っていた俺のサーブを軽々と返してきた穂乃果。
そう、まるで"初めから俺が打つコースを知っていた"というように。
俺は穂乃果のレシーブに必死に食らいつく。
「お兄ちゃん! さっきのサーブで振り出しに戻すつもりだったでしょっ!!!」
「ぐっ……」
「残念! 穂乃果にはお兄ちゃんのことっ、全部お見通しだよっ!!!」
「ぐぁっ……はぁ……はぁ……」
「穂乃果は絶対に……勝つ!!!」
「おらっ……しまっ!?」
穂乃果の魂が籠ったボールを俺はかろうじて止めた。しかしそのボールは、ふわりと宙を舞う。そしてその落下地点には、スマッシュの構えを取っている穂乃果。
「まずいっ、ここで取られたら……くそぉっ!!」
俺は慌てて立ち上がり、バックラインまで下がる。足がもつれそうになりながら、何とか戻ろうと必死に足を動かす。
「いくよお兄ちゃん!!」
「っ!! くる……っ!!」
何とか打たれる前にバックラインにたどり着いた俺は、構える。たとえサイドギリギリに打たれても、取れるように。
「さぁ来い、穂乃果ぁ!!!」
「穂乃果の思い、受け取ってお兄ちゃあああああんっ!!!」
穂乃果は全力でラケットを振る。さぁ来い、お前の気持ち全部俺が受け止めるっっ!!
全力で振ったラケットとボールが接触し、バックラインギリギリへむかってスマッシュが飛んで――――
来なかった。
「ふっ……」
「……ど、ドロップショット」
スマッシュの構えから一瞬でラケットを腰元まで降ろし、その降ろしたラケットに乗せるようにボールを当てる。そしてそのボールは、ネット際ギリギリのところにポトンと落ちた――――ドロップショット。
「えへへっ、これで穂乃果の勝ちだよっ!」
「はぁ、はぁ……マジかよ、ドロップショットはずるいわ……」
「お兄ちゃんが穂乃果に"脱げ"ってお願いするのがいけないんだもんっ」
「なっ!? そ、それは」
「ふふっ、冗談だよっ♡ でも穂乃果の勝ちっていうのは変わらないよっ!」
嬉しそうに俺を見る穂乃果。その顔は、欲望に満ちたものではなく、素直に"楽しかった"と思っているのが分かるほどのまぶしい笑顔だった。
結局、その試合で俺は、今日始めたばかりの穂乃果に負けてしまったのだった。
その晩、今日の試合で俺が負けたことにより、穂乃果からのお願いを受けることになったのだが、そのお願いというのが――――
「えへへ、あったかぁい♡」
「ま、マジかよ」
「お兄ちゃんのお膝、温かくてお兄ちゃんの匂いがしてすごくいいよぉ」
そう、膝枕。俺は穂乃果に"膝枕をしてもらう"ことをお願いしようと思っていた。
だがなんということだろう、穂乃果も俺からの"膝枕"を望んでいたのだった。
「気持ちいいか……?」
「うんっ♡」
「そ、そっか」
俺の太ももの上に穂乃果の頭が乗っている。正直俺には、男からの膝枕になんて価値はないと思っていたのだが、そうでもないらしい。穂乃果はこれ以上にないほど表情を崩して和んでいる。
そっと、穂乃果の頭を撫でてみる。
「ふぁぁ……すぅ、すぅ」
撫でると、気持ちよさそうな顔をしながら、そのまま眠りに落ちてしまった。ふふっ、寝ている穂乃果も可愛いな。
今日の試合を思い出しながら、穂乃果の頭を撫で、その顔を見つつ和む俺であった。
ところでだな?
穂乃果は試合の時にこう言ったはずだ。
『脱ぐのはいいのっ! でも……こんな場所で脱ぐのはいやぁっ!!!』
あれは穂乃果がまだ勘違いしていたときの話だが、ここで注目していただきたいのはこのセリフのはじめ
"脱ぐのはいいのっ!"
ということは、つまり穂乃果は"テニスコート上で脱ぐ"のは嫌だったが、"俺の部屋で脱ぐ"のはOKということだよな? 穂乃果は今、俺の太ももに頭を乗せ、寝ている。要は隙だらけ。
……ふふ、ふへへっ、ふへへへへへへへっ!!!
「お兄ちゃん! 何ゲスい顔してんの!? この変態お兄ちゃんがっ!!」
「ふぐぉ!? ゆ、雪穂ぉ!?」
「お姉ちゃんに言いつけとくからね、この写真付きで」
「しゃ、しゃしっ……うわああああああそれだけは許してええええええ!!!」
欲望に満ちた俺は雪穂に見つかり、その現場を写真に撮られてしまった。穂乃果にバラさないための口止め料として、俺は1か月間雪穂にデザートを奢る羽目になったのだった。
このお話の場合
・穂乃果ちゃん可愛い
・久しぶりにテニスしたい
・穂乃果ちゃんが愛くるしすぎて生きるのがつらい
・というか穂乃果ちゃんを抱きしめたい
この4つの欲望からできています
穂乃果ちゃんがハノケチェンすぎてもう・・・
みなさんはご満足いただけましたか?