というわけで今日も穂乃果ちゃんが可愛いです。
今回は、この作品にしては珍しい"穂乃果ちゃん視点"の回となります
というのも、実は今回のお話、以前別の作品の方で投稿されていたお話をリメイクしたものなんです。
そのお話が丁度μ's側視点だったので、どうせなら穂乃果ちゃん視点で書いてみようと思って、書いてみました
いろいろとこだわって書いてる部分が多いので
「やべえ穂乃果ちゃん可愛すぎてマシュマロ吐きそう」
と思ってもらえたら嬉しいです(賢者顔)
「ごめん、待った?」
「ううん! 穂乃果も今来たばっかりだから大丈夫だよ!」
今日はお兄ちゃんと2人きりでお買い物だよ! 家からはちょっと離れたところにある、大きなアウトレットモールで待ち合わせしてたんだ!
今来たばかり、なんて嘘で、実を言えばかれこれ20分くらいは待ってたかもしれない。けどそんなのどうでもいいの! 大体、今は集合時間の10分前。全然遅刻でも何でもないし、穂乃果が早すぎただけだもんっ。
本当は待ち合わせなんてしなくてもよかったんだけど、絵里ちゃん達生徒会からのヘルプが来たらしくて、朝から学校に行っちゃったんだ。
「にしても穂乃果、家出るの早くないか? まだ穂乃果家にいるだろうと思っていったん家に戻ったのにいなくってびっくりしたよ」
「えへへっ! 待ち合わせしてるカップルみたいでいいかなって思ってっ」
「あ~……確かに、ちょっとカップルっぽかったかもな」
「だよねだよねっ!」
そう、本当はまだ家に居れたんだけど、こういうやりとりやってみたかったから早く出てきちゃったんだよね~。でもその甲斐あったかも! "待ち合わせに遅れる彼氏と、待ってないって嘘をつく彼女"みたいなことできちゃったからね!
出だしは好調、だよっ!
「じゃあさっそく行こっ!」
「おう、行こうか」
「えへへっ、デートスタートだね!」
お兄ちゃんと腕を組んで準備完了!
今日はなんだか良い1日になりそう!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ねぇお兄ちゃん、何かしたいことないの~?」
「ん〜、特にないなぁ。あ、コーヒーなくなった。穂乃果も何か追加で頼むか?」
「あ、うん……って! そうじゃなくて、せっかくこういうとこ来たんだから何かしようよ!!」
「つってもなぁ、穂乃果と一緒にいるってだけで十分楽しいし」
「っ!? あぅぅ……」
た、確かに穂乃果も、お兄ちゃんと一緒ってだけで楽しいんだよね~。実は『買い物に行く』って言ったはいいものの、何か目的の品があったわけじゃなかったんだ。だからカフェに入ってゆっくりしてたんだけど……
でもこれじゃあ、いつもの家に居るときと変わんないよぉ!
「そういう穂乃果は何かしたいことないのか?」
「え、穂乃果?」
お兄ちゃんが穂乃果に聞いてきた。穂乃果のしたいこと? う~ん……
「せっかくいろんな店があるんだから、いろいろ見て回ろうか? ウィンドウショッピングってやつだよ」
「ウィンドウショッピング?」
「あぁ。いろんな店見て回るんだよ」
ウィンドウショッピング……考えもしてなかったよ。要はいろんな店を買わずに見て回るってことだよね? 確かに、こんなに大きいところだったら、見て回るだけでも楽しそう!
「さっすがお兄ちゃん! それしようよ!」
「お、テンション上がってきたな?」
「うんっ! さ、お兄ちゃん! 時間は待ってちゃくれないよ! 早く行こうっ!!」
「おう!」
えへへっ、ウィンドウショッピング、カップルっぽくていいかもっ。いつもは部屋でのんびりしてるけど、たまにはこういうのもいいよね!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「あっ、お兄ちゃん! あそこの店に入ってみようよ!」
「おう、いいぞ」
入ったのはとあるお洋服屋。たまたま目に入ったお洋服が気になって、つい入っちゃった。
「う~ん……」
「穂乃果?」
「これちょっと試着してみてもいいかな?」
「お、いいね~、行って来い!」
「うんっ!」
気になったら即試着! ……なんて、いつもはしないんだけど、お兄ちゃんとデートだって思うとテンション上がっちゃって。えへへ、気に入ってくれるかなぁ。
試着完了っ。うん、いつも着てるようなスタイルだけど、お洋服が違うから雰囲気違うかも! これならお兄ちゃんも気に入ってくれるはず!
……気に入って、くれるのかなぁ、ちょっと緊張してきたかも。
「お兄ちゃん、準備できたから開けるよ~?」
『おうよ』
「じゃあ、開けるよ?」
カーテンを開けると、目の前にはお兄ちゃん。
ほんのり赤くなってる気がするけど、どうなんだろう?
「ど、どう?」
「あ……お、おう! すごく似合ってて可愛いぞ穂乃果!」
「あ、ありがと……」
「いいよ穂乃果! すごくいいぞ!!」
「うぅ~、恥ずかしいよぉ」
いつもお兄ちゃんからは"可愛い"って言ってもらってるけど、今日はなんだかいつも以上に恥ずかしいっ。きっと、今の穂乃果の顔、すっごく赤いんだろうなぁ……
照れていると、お兄ちゃんが口を開いた。
「でもさ穂乃果、どうせだったら、いつもとは違うやつ試してみたりしないの?」
「え?」
お兄ちゃんからの提案。でも違うやつってなんだろう?
「違うやつって、例えば?」
「ええっと、そうだなぁ」
そう言ってお兄ちゃんは周りを見渡し始める……なんだか今日のお兄ちゃん、本当に彼氏みたい。
「ほら、これとかどうかな?」
「どれどれ……あ、確かに穂乃果こういうお洋服着たことないかも」
「な?だからちょっと着てみなよ?」
お兄ちゃんがいつもは穂乃果が着ないようなお洋服を選んでくれたの。で、でも穂乃果にそういうお洋服似合うのかなぁ……もし微妙だった時のお兄ちゃん、どんな反応するのかなぁ。うーん、やっぱり怖いなぁ。
「あ、あはは、穂乃果それはやめとこうかなぁ、なんて」
やっぱり、せっかくのお兄ちゃんとの2人きりのデートなんだし、まだ始まったばっかり、ここでもし失敗して、この後が気まずくなったりしたら嫌だもんっ。
でも、お兄ちゃんはそれでも推してくる。
「だめか穂乃果? きっと穂乃果だったらどんな服でも似合うだろうし……こういう服着た穂乃果も見てみたいし」
「え……?」
『こういう服着た穂乃果も見てみたいし』
その言葉が、穂乃果の頭の中で響く。
お兄ちゃんが見てほしいって言ってる。でも、やっぱり何でも似合うってことはないだろうし、失敗もしたくないし……
「穂乃果、どんな穂乃果でもきっと可愛いぞ? というか俺は穂乃果が好きだから、何着てても可愛いって思うけどなぁ」
「……っ!!」
怖いってずっと思ってたら、お兄ちゃんからそんな言葉が出たよ。穂乃果が好きだから、かぁ……うん、穂乃果もお兄ちゃん好きだから、いろんな穂乃果をみてほしい!
「分かった! お兄ちゃんの言う通り着てみるよ!」
「大丈夫、きっと似合うさ。新しい魅力を放つ穂乃果を俺だけに見せてくれ!」
「うんっ!」
お兄ちゃんにもっと穂乃果を知ってもらいたいっ、だから穂乃果は、ちょっと怖いけど頑張るんだ!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「お、お兄ちゃん、開けるよ?」
『いいぞ~』
さっきより控えめな勢いでカーテンを開ける。反応が怖くてついうつむいてしまった。うつむいててお兄ちゃんの顔が見えないから、どういう表情なのかわからない。
や、やっぱりだめだったかな?
「穂乃果はやっぱり可愛いな! 最高に似合ってるよ!」
「えっ?」
「はぁ、やっぱり可愛い。似合ってるぞ穂乃果! そして俺の服選びのセンスもナイスだわこれ!」
さっきよりも明るい声で褒めてくれた……! いつもの"可愛い"よりももっと力が籠ってる気がして、すっごく嬉しい! えへへっ、やっぱりお兄ちゃんに見てもらえてよかったっ。
「あ、そうだ! これみんなにも見てもらおう!」
「えっ? あ、勝手に撮っちゃダメ!」
お兄ちゃんはスマホを取り出して、穂乃果をパシャパシャと写真を撮り始めちゃった。そして撮り終えると、何やら画面をフリックし始めた。
これはまさか?
ピコーン!
メッセージアプリの着信音。
おそるおそるメッセージを開いてみると――――
『ほら見ろよお前ら! うちの可愛い妹の、いつもと違ったこの可愛さを!! ちなみに服選んだの俺な?』
グループ名"いつものメンバー"のチャット欄に、その文と一緒にさっき撮ったのであろう写真が何枚か貼られてた!
「ちょっとお兄ちゃんっ! 勝手にこんなことするなんてひどいよ!」
「す、すまん、ついテンション上がっちゃって。でもこんなに可愛い穂乃果を俺だけ見るのはさすがにずるいかなって思ってさ!」
「もうっ……お兄ちゃんの方がずるいよぅ」
うぅ、お兄ちゃんから可愛いって言われると、どうしても抵抗できないんだよね。でもお兄ちゃん嬉しそうだし、良いのかな?
反応、怖いなぁ。
ピコーン!
通知音。おそらくはメンバーの誰かが……お兄ちゃんは可愛いって言ってくれたけど、みんなはどう思うのかな。
ちょっとだけ怖かったけど、穂乃果もスマホの画面を見た。
まきちゃん:穂乃果! それすっごく似合ってるじゃない!
のぞみちゃん:いつもと違った雰囲気でええなぁ♪
はなよちゃん:はわわ……さすがは穂乃果ちゃんですっ!
りんちゃん:可愛いにゃ~!
うみちゃん:似合っていますよ、穂乃果。
えりちゃん:流石は穂乃果ね! 光穂くんもセンスあるわね!
ことりちゃん:新しい衣装のイメージが湧いてきちゃうっ♪ 穂乃果ちゃん可愛いっ!
にこちゃん:似合ってるわね。でも光穂、あんたの最後の報告は余計だわ。
す、すごい。みんなが褒めてくれてるよ! お兄ちゃんだけに見てもらえればいいって思ってたけど、こんなに褒めてもらえるなんて……
「えへへっ」
嬉しくて自然と笑顔になっちゃう。やっぱり、着てみてよかったなっ
「どう穂乃果? これがみんなからの評価だよ。穂乃果は可愛いんだから自信もっていいんだ!」
「嬉しいっ、ありがとうお兄ちゃんっ!」
「あははっ! 感謝されることなんてしてないよ。むしろ、可愛い穂乃果を見ることができたんだから、俺の方が感謝したいくらいだしさ」
「うっ……ずるいよぅ」
「あ、照れてる? あはは、やっぱり可愛いよ♪」
「う、うるさいっ」
うぅ、お兄ちゃんにからかわれた……でもやっぱり、褒めてもらえてうれしかったからいいかな!
「じゃあ、穂乃果は着替えるから待ってて?」
「あ、じゃあ脱いだらそれ預かるから、脱いだら俺に渡してな?」
「うんっありがとねっ!」
試着室でお洋服を脱いで、カーテンの下から外にいるお兄ちゃんに渡す。それにしても、みんなにあんなに褒めてもらえるなんて思ってなかった。そして、お兄ちゃんから勧められなかったらきっと選ばなかったお洋服を着れたこと。えへへ、お兄ちゃんには感謝しなくっちゃ!
着替え終わって外に出たんだけど……
「あれ? お兄ちゃん?」
外で待っててくれてるはずのお兄ちゃんがいない。どこに行ったんだろう?
「ごめん穂乃果、待ったか?」
「あ、お兄ちゃん! 大丈夫だよ……って、その手荷物は?」
「これ? ふふっ、俺からのプレゼントってことで、ほら」
「え?」
そう言って渡された大きめの袋。袋にはこのお店の名前が。
「新しい穂乃果の魅力が出せる服ってそうそうないと思ってさ」
「これってまさか!?」
もしかして、そう思って袋を開けて中身を確認する。
「こ、これっ! さっきのお洋服じゃん!」
「穂乃果にこれからも着てもらいたいなって思ってさ。それに今日は待ち合わせに遅れちゃったから、それの謝罪の意味も込めてな」
「そ、そんなっ悪いよこんなっ。そ、そうだ、お金いくらだったの? 返すからっ。」
「ふふっ、俺が勝手にやったことなんだから、いいよお金は。それに今日は"デート"、なんだろ? 少しくらいは"彼氏"らしいことさせてくれよ?」
「お、お兄ちゃん……ありがとうっ!!」
「おっと。ふふっ、喜んでもらえてよかったよ」
「ありがとうっ、ありがとうお兄ちゃんっ! これ大事にするねっ!」
「今度一緒にお出かけするとき、着てくれると嬉しいかな」
「うんっ! 絶対着るよお兄ちゃんっ!」
お兄ちゃんは、穂乃果が着替えている間にレジにこのお洋服をもって、会計を済ませてくれたみたい。嬉しい。お兄ちゃんから買ってもらったお洋服……嬉しすぎて着れないよ!! ……なんてね、着なかったらお兄ちゃんから怒られちゃうよねっ
「ありがとうお兄ちゃんっ!」
絶対、大事にするからね。
「お兄ちゃん! お出かけしようよ!」
「お、いいぞ。じゃあ着替えたら穂乃果の部屋に行くな?」
「うんっ!」
コンコンッ。
『おーい穂乃果~。入っていいか~?』
「うんっ、いいよ!」
ガチャッ。
「用意はできたか、ほの――――――――その服……」
「えへへっ! 準備おーけーだよっ、さあ行こう、お兄ちゃん!!」
「……あぁ! 今日の穂乃果も可愛いな!」
「えへへ~♡」
今日は、お兄ちゃんと2人きりでお出かけだよ!
お兄ちゃんが買ってくれた、大事なお洋服を着て!
いかがでしたか?
穂乃果ちゃんとデートできたらもうそこで人生終了でいいですよ?(パクり感)
洋服を「お洋服」と呼ばせるところや
グループチャットのμ'sメンバーの登録名を"ひらがな+ちゃん付"などなど
細かいところで『これこそ穂乃果ちゃんっぽい!』を詰め込んでみました
ですので、よかったら感想や評価、お気に入り登録を頂けると嬉しいです
というか、そんなことはどうでもいいんです
どうやったら穂乃果ちゃんが僕の目の前に現れてくれるんですか????
最近流行りのあのアプリなんかより、僕は『ホノカチャンGO』をプレイしたいです。
早く配信してください(激おこ)