幻想回転録   作:駿駕

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あらゆる二次創作で消えた、レミリアのカリスマ性を取り戻したい。
そう思ったジャイロは鉄球の回転をレミリアに教えることになる。

「レミリア!LESSEN5、確か、そうLESSEN5だ!」

果たして、黄金の回転を習得したレミリアは、遺体の揃った大統領を倒すことができるのか!?

※このあらすじは99%嘘でできています。
ちなみに1%はジャイロとレミリアが出てくるくらいです。


爆弾と破壊

火の消された玄関先では・・・

 

「あっという間に玄関を包み込んでいた炎が消えましたよ!これはスクープですね!マジックや超スピードなんてチャチなもんじゃないですよ!」

文がその様子をメモに書き留める中、美鈴は入るか考えていた。

(この先で拳が交わる音が聞こえる)

美鈴はその音に興奮していた。今にも入ろうとしていた。

「美鈴さん。今は見守りましょうよ。きっと、犯人はジャイロさんが倒してくれますよ」

「ですが・・・」

「アハハ、美鈴はそんな天狗の言葉に立ち止まるの?」

かわいい声と共に玄関を突き破って、何かが入った。

二人は声でそれが誰かわかっていたが、それを止めるのは無理な話だ。もしも、止めるというのなら、命を差し出す覚悟で行かなければならない。

「・・・ヤバイですね。これ、ジャイロさん、死んだんじゃ」

「あやや、本当にマズイことになりましたね」

 

 

それは突然の出来事だった。

仗助と吉良の間に入ったそれは、二人を突き飛ばした。

「ッ!何だこいつは!?」

「う・・・こいつァ、グレートにヤバイですよ」

金髪の少女。赤い服に虹色の宝石のついた羽。

それは二人に勝る強い力を持っていた。

「あなたが、爆弾魔?」

少女は吉良に近寄ると、手のひらを吉良の顔の前に向けた。

「ッ!キラークイ・・・」

「ねぇ、返事してよ」

少女は吉良の首を掴むと、吉良を浮かせた。

「そ、そうだ!私が犯人だッ!や、やめてくれ!」

少女は吉良を離した。吉良はそのまま、地面に落ちる。

「ゲホッ!ゲホッ!何だ・・・こいつは」

「ごめんね。じゃあさ、私の友達になってよ」

「はぁ?何を言って」

「なって?」

「・・・はい」

吉良はその圧に耐えきれなかった。

その少女の狂ったような破壊のオーラに。

「アハハハハハハハハッ!私のおもちゃが増えたァ!楽しませてくれるよね?みんなァ?」

その笑いは俺達の心を凍らせた。

吉良は返事をした後、全くもって声を出すことなく、少女の下に倒れた。そして、少しすると目の色を変え、こちらに何かを飛ばした。

「ジャイロさん!グレートにマズイですよ!こいつァ!あれは追尾機能付きの爆弾です!」

「コッチヲ見ローッ!」

爆弾は永遠亭で見た。あのときは妹紅によって燃やされたが、今アイツはここにいない。そして俺の鉄球じゃ無力だ。

「ここは俺に任せてください!」

仗助はマッチ箱からマッチを取り出すと、それを指で弾いた。

「ヤツは熱を探知する!今、ヤツの狙いはそのマッチだ!マッチを追いかけ、上に飛んだ瞬間、ヤツの腹に拳をぶちこむ!」

仗助の考え通り、追尾弾はマッチに向かって飛んだ。そして腹が剥き出しになる。が、

「アハハ、あのマッチ。爆発させないとね」

少女によって、マッチは粉々に破壊されてしまう。

もちろん、熱は消え、追尾弾の狙いはこちらに移る。

「他のマッチを!」

「ドカーン!」

仗助の持っていたマッチも少女の声と共に爆発してしまった。

「うぉッ!?あの女、こんなこともできんのかよ!」

「私の名前はフラン。フランドール・スカーレット」

フランと名乗った少女はまた、大きな声で笑い始める。

「さぁ、次はその変な頭を爆発させてあげる!」

「・・・テメェッ!今俺の頭のことなんつった!」

フランの言葉に、仗助はキレて我を失う。

「来るッ!・・・空気弾!」

仗助のスタンドは、吉良の放った空気弾を片手で払うと吉良を飛び越え、フランを殴った。

「へぇ~。あなたも私のおもちゃになってくれるの?」

だが、フランの顔面には届かず、フランの手のひらによって拳は受け止められた。

「俺の頭を貶すヤツは、例え少女でも許さねぇ!」

スタンドのラッシュがフランを襲うが、フランはそれを両手で全て防ぎ、仗助の後ろに回り込むと、地面に叩き落とした。

床を壊して下の部屋に落ちた仗助は、その穴から入ってくるフランを、自身の能力で床を修復して止めたが、フランは周りを壊して、仗助に攻撃する。

「仗助!」

「君の相手はこの私だ!キラークイーンッ!」

スタンドから放たれた空気弾が、俺の前で爆発する。

その威力に押し返されるが、鉄球は爆発を貫いて、スタンドの腹部を完全に仕留めた。

「そこに空気弾を放つ二人目のスタンドがいるのはわかってるぜェ。鉄球はそいつをまず倒すために撃ち込んだんだ」

「キシャァアァアアアアッ!」

「ッ!猫草がッ!」

鉄球はキラークイーンの腹に入っている植物をえぐり出す。

やはり、もう一匹スタンドがいたようだ。

「私はまだ戦える!キラークイーンッ!第三の爆弾!」

「させねぇよッ!オラァッ!」

猫草を倒した鉄球は戻ってこない。もう一つの鉄球で、ヤツの爆弾のスイッチを狙わなければならない。

第三の爆弾を発動するとき、吉良は自ら爆弾のスイッチを押す。そのため、その手を破壊すれば、押すことはできない。

「ッ!右手が!」

「当たった!」

鉄球はヤツの親指を破壊する。

「クソッ!まだ私は戦える!私は」

 

「もういいよ」

 

その声は奥の部屋から聞こえる。

俺たちがその方向へ視線を変えた瞬間、まるでボロ雑巾にでもなったような仗助が扉を破壊して、床を転がった。

「嘘・・・だろ?」

「仗助ッ!」

俺はすぐに仗助に近寄り、肩をさすった。

「ジャイロ・・・さん・・・アイツは・・・グレート・・・にヤバイですぜ・・・俺はもう」

「仗助ッ!やめろ!死ぬんじゃない!」

「フフフ、フハハハハハハハハッ!やったぞ!東方 仗助を倒した!やった!やったぞ!」

「うるさい」

高らかに笑う吉良はフランによって、仗助と同じくボロ雑巾のようになる。

「うるさいおもちゃだなぁ。・・・さぁ、次はあなた」

 

「やめなさい!フラン!」

 

女の声が、玄関に響く。

そしてその声はフランの攻撃を止めた。

「お姉さま・・・。」

部屋の壊れた扉から現れたその女はコウモリのような羽を生え、フランのような服を着ている。

フランの言葉の通り、それはレミリアだった。

「フフフ、こんなに壊して・・・また、地下に閉じ込めるべきかしら?」

フランとは違うオーラ。それはこの館の主人に相応しい、カリスマ性が溢れ出すようなオーラを放っている。

言葉にし難いそれは俺を違う意味で動けなくさせた。

「綺麗な手だなぁ」

吉良はまだ再起不能になってなかった。

吉良はレミリアの後ろに立つと、どこかから持ってきた剣でレミリアの腕を切り落とした。

「・・・やったぞ。こんなにも綺麗な手を・・・私は」

「フッ・・・それくらい全くもって痛くないわ」

レミリアの腕は次の見たときには完全に回復していた。

「はぁ?新しい、綺麗な腕ぇ」

「本当に気持ち悪い」

レミリアのその新しい腕は、吉良の鼻をへし折り、顔面のあらゆる部分を破壊した。

「この・・・このクソカスどもがぁぁぁぁぁッ!」

吉良の最後の叫びはその静寂に響くことなく、黄金の光と共に消えてしまった。

「・・・ジャイロさん。爆弾魔をここまで追い込んでくれてありがとう。でも報酬は思ってた金額よりも、減らさせてもらうわ。トドメは私でしたから」

「それよりも、仗助を治してくれないか?アンタのその治癒力なら、仗助も」

「・・・私たちは何かを破壊して生きているといってもいい生物ね。彼の能力は、この世でどんなことよりも優しいものだった。だが、生命が終わったものは・・・もう戻らない」

「ッ!・・・すまない。悪いことを言った」

「だが、この世界は何でも許すことができる。その覆らぬ定義を壊す定義も・・・ね?」

レミリアは切り落とされた手を彼の頭に乗せる。

すると、その手から流れる血は彼の体内に入っていき、逆に曲がった腕の間接や、砕かれた手の骨がだんたんと治っていくのが見てわかった。

「ちょっと、吸血鬼のような身体になっちゃうけど、仕方ないよね。それよりも、フラン!」

「うぅ、お姉さま」

「この人が起きたら、あやまりなさい。そして、後で図書館に向かいなさい。いい?」

「・・・うん!」

これで解決か。

「そうだ、ジャイロさん。報酬を渡すわ。ついて来なさい」

 

俺はレミリアについていくと、彼女の書斎についた。

客室も兼ねてなのか、大きなソファが二つ向い合わせで置かれていた。

「咲夜、彼に紅茶を」

「はい、お嬢様」

「・・・まぁ、ジャイロさんはそこに座って」

俺はレミリアの言う通り、ソファに座る。

「お嬢様、紅茶です。それでは・・・」

「ありがとう、咲夜」

レミリアは一口、咲夜によって注がれた紅茶を飲むと、こちらを見た。

「で、報酬のことなんだけど、あなたにだけ、特別の報酬があるわ」

レミリアは立ち上がり、書斎机の引き出しを開け、拳二つくらいの箱を持ってきた。

 

中には、これまで使ってきた物と同じ鉄球が二つ入っていた。

 


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