「あれ?絵、変わった?」
と思ったのは私だけですかね?
何か仗助や承太郎の顔の堀が深すぎな気が・・・
今回はジョニィが地底から帰ってくる回です。
安心してください、地底メンバーはまだ出ますよ。好きなキャラばかりですから。
「・・・きろ、起きろ・・・起きろッ!」
「はっ!」
ここはいったい・・・
僕は全く持って見たことのない森の中で起こされた。
これは・・・竹か?
「やっと目が覚めたのかい?アンタが地上に行きたいって言ったから連れてきてやったのによぉ!」
勇儀・・・だよな?
思い出した。僕はさとりから、地上に出ても良いという許可を貰ったんだ。そして、ここに出たんだった。
「全く、地上に出てすぐに寝ちまうとはな・・・」
勇儀はため息をつく。
確か地上に行くとき、馬はいなかった・・・まさか!
僕は辺りを見回す。
「・・・馬なら連れてきたぜ。意外に重くなかったな。あ、馬ならそこに繋いであるぜ」
確かに馬は竹に繋いであった。さすが、鬼といったものだ。馬を軽々と持ち上げてくるとは・・・
「で、あてはあんのか?」
「・・・」
「おいおい、ただここに来たってんのか?目的はどうしたっての!」
目的はジャイロを探すこと・・・だが、今は夜、竹林は暗く、ここはどこだかわからない。
「ここはどこなんだ?」
「おそらく、永遠亭の近くだな。あの紫のやつ、空間で変なところに移動させやがった。とりあえず、あそこの主の永琳とは話したことがある。・・・行ってみるか?」
僕はうなづいた。
永遠亭というのがどんな場所だか知らないが、名前の感じ的に地霊殿とは違う和の館なのだろう。
「いいですか?ジョニィさん。地上に行ったら、まずは白玉楼に行ってください」
確かさとりは僕が出ていくとき、そんなことを言っていた。
白玉楼・・・ここもまた、僕の知らない場所だ。
「ジョニィ、少し待て!」
俺は馬の足を止める。
階段の先に人影が見える。あれは・・・バニーガールていうやつか?カジノで見たが、そんなやつがここには普通にその姿で生活しているのか?
「あれは誰だ?優曇華か?」
「ウドン・・・何?」
あのウサミミの女はウドンという名前らしい。
彼女は手を銃のような形にして、銃弾のようなものを放っていた。
その先にいたのは・・・ネズミか?だが、ネズミにしてはどこかおかしい。オーラのようなものが見えるような・・・
俺は隠れて爪弾の準備をする。
「よぉ!久しぶりだな、優曇華!」
ここまでの隠密な行動を無視するかのように、茂みから歩っていく勇儀はウドンに向かって手を振る。
「な、勇義さん!離れてください!」
「おいおい、ネズミに苦戦してんのか?」
ウドンはその言葉に頷く。
「このネズミは普通とは違います。一回、永遠亭の中に入って話しましょう。・・・そこの馬乗りの方も隠れてないで入ってください」
気付かれていたようだ。
良く見たら、馬の頭が隠れていなかった。
「名前はいいですから、今は避難してください!」
ウドンの話によるとここ最近、この永遠亭の近くの竹林では謎の能力を持ったネズミが大量発生しているようだ。
ネズミはときに大砲のようなものを見せ、その砲口から毒のついた弾を飛ばすという。そしてそれに触れると、そこから肉が溶け、何発か撃ち込まれると完全に溶けきってしまうようだ。
ここの主、八意 永琳はこのネズミの毒のワクチンを作ったが、このネズミは一匹一匹が違う成分の毒を持っているため、そこまで効果的ではないらしい。
毒が廻るまでの時間を延ばすのが限界のようだ。
そこでウドンはこのネズミの討伐を頼まれたのだが、数が多すぎるせいで苦戦していると言っていた。
「何とかできないですか?」
「・・・私の力じゃ殺せたとしても・・・ね」
勇儀が筋肉質の大男三人を再起不能にさせたのは聞いている。
そしてこの人が強いのは地霊殿で何度も聞いた。きっと、細かい作業は苦手なんじゃないか?
「そっちの方は誰ですか?」
「僕はジョニィ・ジョースター。ジャイロを探しにこの世界に来た」
というよりは、迷い込んだという方が近いか。
「そうだ!こいつなら、ネズミの討伐くらい余裕だと思うぜ。こいつの爪、銃弾になるんだよ!狩りとかお似合いじゃんか!」
「私のものと似てますね。とりあえず、あの階段から登ってくるネズミを殺すことが第一です。ジョニィさん、お願いできますか?」
「・・・できるだけやってみよう」
僕は馬から降り、指をかまえる。
「タスクッ!」
そしてタスク(act.1)を階段の下で待機させた。タスクにネズミの来る方向を教えてもらい、自分はその方向に爪弾を撃ち込む。
「チュミミッ!」
タスクは感じ取ったのか、すぐにその方向を指差すが、
パシュンッ!
ウドンの言っていたネズミの攻撃によって、タスクは真下に落ちる。
「タスクッ!!・・・ぐぁッ!」
スタンドへのダメージは自分にも来る。
タスクの左腕に当たったため、俺の左腕が溶け始めた。
「これが・・・こいつらの能力か」
「大丈夫ですか!」
すぐにウドンが僕の手当てをしようと、その左腕に触れようとした次の瞬間、ウドンと俺の間を元凶の銃弾が通り、ウドンの髪を少し削り取った。
「あ、危なかった・・・。もしも、あと数センチ近づいてたら」
「おい、見ろッ!階段を登ってきてるぞ!」
僕たちが少し目をそらした瞬間、ネズミはスタンドを背負い階段をかけ上がってきた。
もしも、僕たちから逃げ切っても、扉が閉まっているため侵入されることはない・・・と思っていた。
さっき、僕たちの間を通りすぎた銃弾は扉を溶かしているではないか。扉にはネズミ一匹が余裕で通れるくらいの穴が出来上がっている。
「act.2!」
僕は右手の人差し指の爪を扉に向かって放った。
「何やってるですか!?ネズミはまだそこまで到達してないですよ!?」
「いや、これでいいんだ」
爪弾によってできた穴はネズミの作り出した穴の横まで移動する。そして、そこから出た爪弾によってネズミの動きを止めることに成功した。
「す、すごい・・・」
「ただこれを使うと、数分は爪が伸びないからな。この屋敷にカモミールとかないか?」
「たぶんあったと思います!昔、師匠が集めてたんで」
俺は残り4発で、ネズミ4匹を狙い撃つと、一度敷地内に戻った。
act.2の効果が発動している間は、確実に仕留められる・・・はずだ。当たらなくても、穴から狙うことができる。
「・・・今、カモミール持ってきます」
「できれば、カモミールティーで・・・」
爪は回復した。ただ、出し方がカップではなく、湯呑みだったのが少し妙だった。
まぁ、この屋敷自体が日本の『和』の文化を出しているため、仕方ないだろう。
そして僕の左腕の一部は溶けたままだ。
「・・・で、ネズミの方は大丈夫か?」
俺は階段の上から下を見る。ネズミの死体すらもそこからは無くなり、ネズミの気配は完全に無かった。
「あ!ジョニィさん!大変です!」
俺はウドンの声を聞き、その方向を見た。
屋根の上にネズミが登って、スタンドを出していたのだ。
砲口はこちらに向いている。今にも銃弾を放ちそうだった。
「タスクッ!」
僕がスタンドを出したと同時に相手は銃弾を放った。
僕は銃弾を避けるために、一度体勢を低くする。
「ジョニィさん!銃弾が跳ね返ります!」
僕は回転の力で、空中へ飛び上がる。
一発目は完全に避けきったが、ネズミは二発目を用意していたが・・・
ウドンの放った銃弾が、ネズミの急所を貫いた。
「ナイス!ウドンッ!」
「う、ウドン!?私は優曇華ですよッ!」
「そ、そうか。すまない、優曇華」
「本名は鈴仙・優曇華院・イナバです!」
ネズミは金色の光と共に、消えてしまった。
ンドゥールのときと同じだ。
この光は天空へと続いている。もしかしたら、この光をたどることができれば・・・
「天国にいけるかもしれない・・・と?」
「うわッ!・・・誰だお前は!?」
俺はいきなり耳元で聞こえた男の声に爪弾をかまえる。俺の後ろには十字架と白髪のボウズが光る男が立っていた。その後ろには、傘をさした桜髪の女が立っている。どうやらボディーガードの男のようだ。
「ここが永遠亭ですか。あなたの気になっていた場所ですね?」
ボディーガードの男は僕や優曇華の方を一度も見ずに、傘をさした女を永遠亭に入らせると、扉の前で後ろで腕を組み、やっと僕たちを見た。
「君は・・・天国に行きたいのかね?」
男は僕を見て、そう呟いた。