夢幻航路   作:旭日提督

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第七○話 赦さない

 

 

 ~ヴィダクチオ本星宙域~

 

 

【イメージBGM:マクロスプラスより「INFOMATION HIGH」】

 

 

 閃光が、迸る。

 

『紅き鋼鉄』とヴィダクチオ自治領軍残存艦隊との決戦が行われているこの宙域では、尚も激しい砲撃とミサイルの応酬が駆け巡る。閃光が煌めく度に航宙機は火達磨となって最期の輝きを残し、巨大なフネの表面が焦げ付いていく。

 

《ヴァルキュリアリーダーより各機、新な敵だ。各自対処しろ!》

 

《―――了解》

 

《ああもう、墜としても墜としてもキリがないっ!!》

 

 そんな宙域のなかを、彼女達は己の半身ともいえる機体を駆りながら飛び舞う。

『紅き鋼鉄』の艦載機小隊、ヴァルキュリア隊に属するディアーチェ、シュテル、レヴィの三人は戦闘開始時から出撃を繰り返していた。そのためか、敵の艦載機部隊に向かう三人の顔には疲れの色が見え始めていた。

 

《―――これはッ、シュテル、レヴィ、気を付けろッ!?今度の敵は今までの連中とは違うぞ!》

 

 電子作戦機RF/A-17から小隊の指揮を取っていたディアーチェは、更新された情報から先程捕捉した敵編隊が今まで戦ってきた敵機とは全く違う存在であることに気付く。

 

 今までの敵機はほぼ全てが円盤型の機体であったのに対し、ディアーチェが捕捉した敵機の姿は、『紅き鋼鉄』が運用する重戦闘機T-65型に類似した姿をしていた。直線的な胴体の後方に四機のエンジンとそこから延びる翼の先に一門ずつ大口径レーザー機銃が配置されたその姿は、紛れもなくT-65型、通称〈X-ウィング〉の機影だった。その機体は彼等の母艦たる戦艦と同じように、純白に塗られていた。

 

《ヴァルキュリア2、会敵します―――ッ、こいつ、速い―――!?》

 

《シュテルんっ、大丈夫?―――ッわあ!?なんて速さだッ!?》

 

 ディアーチェが捕捉した4機小隊の敵Xウィング部隊は、接触したシュテルとレヴィの駆るVF-22、19の両機に対し、すれ違い様に重レーザー機銃による掃射を仕掛ける。彼女達は間一髪でその攻撃を回避したが、敵機が発揮する凄まじい速度故の相対速度に対応しきれず、一度敵の姿を見失ってしまった。

 

《後ろだ!気を付けろ!》

 

 だが、戦場を俯瞰する位置に陣取るディアーチェのRF/A-17の目まで誤魔化すことはできず、敵機を見失った二人に対し直ちに警告が発せられた。

 

《―――助かります》

 

《くうっ、このボクがスピードで負けるなんて―――!》

 

 レーダーで再び敵機を捕捉した二人の機体は、翼を翻して敵機へと向かう。

 

《―――レヴィ、右の2機は任せます。いけますか?》

 

《ああ!やってやるさ!シュテルこそ、墜とされるんじゃないよ!》

 

《フフッ、まさか―――二度も遅れは取りません》

 

 言葉を交わしあった後、二人の機体は互いに腹を向けて左右へ別れる。

 

《―――ヴァルキュリア2、FOX2!》

 

《ヴァルキュリア3、FOX2ッ!!》

 

 正面から高速で迫る敵機をロックオンした二人は、敵機の進路上を制圧するような形で赤外線誘導マイクロミサイルをばら蒔く。

 高速で飛行を続ける敵機は回避機動が間に合わずミサイルの何発かは直撃し、オレンジ色の閃光に包まれた。

 

《やったか!?》

 

《―――いや、まだです》

 

 ミサイルの命中を見たレヴィは撃破を確信したが、冷静に敵機の状況を見ていたシュテルは即座にそれを否定した。

 

《二人とも、敵機はまだ健在だ!まだそっちに向かっているぞ!》

 

 ディアーチェがもたらした情報も、シュテルの言葉を肯定する。

 彼女の警告と同時に、敵機が炎の中から飛び出した。その純白の機体には、傷ひとつついていない。

 

《はあッ!?なんだよアイツ!傷一つないじゃないか!》

 

《レヴィ、落ち着いて下さい。まだ手はあります》

 

 真っ白な敵機の姿を見てレヴィが毒づいたが、シュテルがそれを諌める。

 

《シュテル、レヴィ、よく聞け。あの機体の分析が完了した。アレはデフレクターユニットを積んでいる。威力の低いマイクロミサイルでは力不足だ。格闘戦に切り替えろ!》

 

《了解!》

 

《成程、そういうからくりか!なら―――!》

 

 シュテルの言葉に続いて、ディアーチェの分析結果がもたらされる。

 敵のXウィングは小型の航宙機としては異例のデフレクターユニットを搭載しており、そのためミサイル攻撃が通用しなかったのだ。だがデフレクターはレーザー攻撃やシールド対策を施した物理攻撃には対抗できないので、ディアーチェは二人に対しミサイル戦ではなく格闘戦を指示する。

 

《これでも―――食らえっ!》

 

 レヴィは至近距離まで迫った敵機に対し、ガンポットによる掃射を行う。しかし、敵機は2機とも最小限の動きでそれを躱しつつ、真っ直ぐレヴィの機体に向かう。再び一撃離脱戦法を試みているのは明らかだった。だが、それは彼女の予想の範囲内だった。

 

《フフッ、かかったな!これで終わりだッ!!》

 

 敵機が重レーザーによる射撃を始めると、レヴィは先程敵機が見せたように、軽やかにその火線を潜り抜ける。そして敵機と自機が接触するその瞬間、機体を人形―――バトロイド形態に変形させ、エネルギーシールドを纏った拳でちょうど自機の直下に位置する敵機を思いっきり殴り付けた。

 いきなり殴り付けられた敵のXウィングはよろめいてコントロールを失い、フラフラと宇宙を漂った後に爆発四散してオレンジ色の閃光となった。

 

《フハハハハっ!どうだ!見たか!幾ら早くたって、このボクには叶わないぞ!》

 

 敵機を撃墜したレヴィは、残ったもう一機の敵機に向かって挑発するようにバトロイドの指先を向ける。

 敵のXウィングはその挑発に乗ったのか、反転すると再びレヴィの機体に向けて加速を始めた。

 

 レヴィのVF-19に向けて、Xウィングの重レーザー砲の雨が降り注ぐ。

 

 レヴィは機体をバトロイド状態からファイターに変形させ、突撃してくる敵機のレーザーを回避しつつ、攻撃の機を伺う

 

 そして今度は敵機が自機の上を通りすぎたその瞬間、レヴィは自機を変形させ、尻を見せる敵機に対してシールドから抜き放った短剣を投げつけた。

 投げつけられた短剣は慣性と柄のパルスモーターを利用してミサイルのように敵機に追い付き、シールド対策を施された短剣の刀身はデフレクターのシールドを切り裂いた。

 

 そこに目掛けて、すかさず航宙機形態となったレヴィの機体がマイクロミサイルを打ち込み、シールドに空いた穴から雪崩れ込んだマイクロミサイルの爆発で敵機は一瞬のうちに存在をこの世から消滅させられた。

 

《どうだっ!見た!?隊長!ボク格好良かった!?》

 

《五月蝿いぞ、レヴィ!》

 

《ううっ―――そこまで怒鳴らなくても》

 

《貴様はいつもいつもはしゃぎ過ぎだ!勝って兜の緒を締めろ!―――だが、よくやった》

 

《―――ふふん、こんなのボクの腕にかかれば朝飯前さ!》

 

 敵エース機の撃墜に受かれたのかはしゃぐレヴィに対し、彼女の隊長であるディアーチェが一括するが、労いも忘れない。

 

《ところで、シュテルんの方は?》

 

《ああ、あいつなら―――》

 

《隊長、終わりました。2機とも撃墜です》

 

《うわあっ!いきなり割り込まないでよ!びっくりしたじゃないか!》

 

《それは失礼。しかし、いざ本気で戦ってみると少々味気ないものでした。APFSは並でしたので、大火力のレーザーで直ぐに沈みましたよ》

 

《大火力?ああ、確かお前の機体は―――》

 

 レヴィと異なり、冷めた口調で戦果を報告するシュテル。

 

 彼女の乗るVF-22は特殊仕様であり、駆逐艦の主砲並の火力を持つレーザーライフルを装備していたのだ。このライフルは通常のガンポッドに比べて連射速度は遥かに遅く、また携行エネルギー量の関係から数発の発射が限度という代物であるが、シュテルはそれを難なく使って見せた。

 マイクロミサイルが効かないと分かった彼女は、ライフルの銃口を敵機の突撃方向に合わせ、高速故に回避が難しいタイミングを狙ってレーザーライフルを放ち、それで敵機を撃墜したのだ。

 

《そういう訳ですから、速度さえ気にしておけば、案外楽なものでしたよ》

 

《そうか―――お前からすれば、相性のいい敵だったということか―――それに、これで敵のエースは消え失せたな。二人とも、そろそろ残弾が厳しいだろう。一度〈開陽〉に戻るぞ》

 

《了解》

 

《りょーかいッ!》

 

 敵エースを撃墜し、さらに残敵掃討も進みつつある戦況を見たディアーチェは、一度部隊を補給のため戻らせることにした。

 ディアーチェの命令を受けて、シュテルとレヴィの機体は翼を翻し、母艦の方角へと飛翔する。

 

 

 

 宇宙での戦いも、いよいよ終わりが見え始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~ヴィダクチオ自治領軍艦隊旗艦・艦橋内~

 

 

 

 『紅き鋼鉄』の艦隊とヴィダクチオ自治領軍の残存艦隊との決戦の中心に位置するこの巨大戦艦の艦橋で、最も高い位置に座る男は、マスクに覆われた奥の瞳で、戦況の様子を感じていた。

 この男こそが、カルバライヤのグアッシュ海賊団による騒動から続く一連の事件の黒幕、ヴィダクチオ自治領領主、通称"教祖"である。だが、彼は旗艦に座乗しているにも関わらず、一切指揮を取ろうとする素振りは見せなかった。

 そんな彼の隣には、磔にされた人質の少女―――レミリアの姿がある。今は気を失っている彼女だが、打ち込まれたウイルスの感染が進行したためか、荒い息を立てていた。

 

 ―――ガラン、と鈍い音を立てて、エレベーターに繋がる扉が崩れ落ちる。

 

 崩れ落ちた扉から、一つの人影が飛び出した。

 

 その人影は艦橋内の様子を窺うこともせず、真っ直ぐにレミリアへと向かい、手に持った刀を構えると流れるような手捌きでレミリアを拘束していた金具を一刀の下に両断する。拘束が解けた彼女の華奢な身体はふわりと崩れ落ちるように倒れるが、人影は空いていた左腕でそれを抱き止め、その場から飛び退いて教祖から距離を取った。

 

「「お嬢様ッ!!」」

 

「制圧しろっ!全兵装、パラライサーモードで撃て!」

 

「こんの悪徳領主!成敗してくれるわ!」

 

 その人影を追うように、崩れ落ちた扉の先から二人の女性が飛び出す。彼女達に続いて、物々しい装甲服を纏った屈強な集団が、彼女達と最初に飛び出した人影を守るように円陣を組んで展開した。

 展開した屈強な集団―――『紅き鋼鉄』海兵隊は、艦橋に入るや否や、レーザーライフルを撃ち込んで艦橋にいたクルー達を制圧した。

 いままでヴィダクチオの自爆兵士と遭遇してきた海兵隊は、起爆のトリガーが生命活動にあると判断し、敢えて兵装を非殺傷で運用した。

 さらに艦のコントロールを担う艦橋で兵を自爆させることはないと判断した海兵隊は、機動歩兵に敵兵の対処を任せ、陣形を維持する。

 

「―――来ましたか」

 

「ああ、そのようだね」

 

 自身の眼前にまで"敵"に攻め込まれているにも関わらず、教祖は一切臆する素振りすら見せず、静かに部下の女が発した言葉に応えた。

 

「う"っ、ううっ、ん―――」

 

「―――サナダさん、この子をお願い」

 

「・・・心得た。艦長、治療はやはり早急に行おう。酷い発熱だ、このまま敵の坑ウイルス剤を探していたら間に合わないかもしれない」

 

「その辺りの判断は任せたわ。責任は私が取るから」

 

 一番にこの艦橋に侵入した人影―――霊夢は、先程助け出した少女、レミリアを治療のためサナダに託した。

 サナダはレミリアの容態が悪化していることを見抜き、当初予定していた正規の坑ウイルス剤捜索を諦め、自身の薬を投与する方針に変更した。

 

(―――う、ん・・・あれ、暖か、い?)

 

 霊夢がレミリアをサナダに預ける直前、気がついたレミリアは自身の置かれた状況が気を失う前と異なることに気付いた。

 気絶する前に感じていた拘束具の感触は消え去り、人の温もりを感じた彼女は、気怠さに抗ってうっすらと瞳を開く。その視界には、忌々しい"教祖"の姿はなく、彼女が密かに憧れを抱いていた人―――霊夢の姿があった。

 

(・・・霊夢、さん―――? ああ、助けに、きて―――)

 

 霊夢の姿を瞳に映した彼女は、今まで感じていた恐怖の糸が途切れたためか、はたまた進行した病状に体力を奪われたためか、再び意識を手放した。

 

 

「っ、お嬢様!」

 

「お嬢様―――申し訳ありませんっ、私が不甲斐なかったばかりに―――!」

 

 サナダに委ねられたレミリアの周りに、サクヤとメイリンの二人が駆け寄る。

 彼女達は、自分達の不手際でレミリアに怖い思いを再びさせてしまったという自責に駆られ、謝罪の言葉を述べるが、冷静さを保っていたサナダは静かにそれを制した。

 

「―――すまないが、今は治療が先だ。手伝ってくれないか?」

 

「っ、はい―――分かりました」

 

「・・・申し訳ありません。では、私達は何をすれば―――?」

 

「メイリン殿は彼女の右袖をまくり上げて、腕を固定しておいてくれ。サクヤ殿は渡した坑ウイルス剤の準備を。私はその間、治療の準備をやる」

 

「はっ!」

 

「―――分かりました」

 

 三人は黙々と、素早く準備を整えてレミリアに坑ウイルス剤を投与する。

 注射器から坑ウイルス剤を投与された直後のレミリアは顔を顰めたが、しだいに息遣いが落ち着いていくのを見て、三人は取り敢えずの安堵を得た。

 

「―――どうやら、成功したらしい。暫く様子を見る必要はあるが、もう大丈夫だろう」

 

「有難うございます。このご恩、どうやって返したらよいか―――」

 

「―――いや、彼女の件に関してはこっちにも責任がある。追加の礼は要らないわ」

 

「ですが・・・」

 

「私が要らないといったら要らないの。彼女が無事なら、それだけで充分よ」

 

 サクヤとメイリンの二人はレミリアの奪還と治療に一貫して手を貸した霊夢達に礼を述べるが、霊夢は追加の礼は要らない、と謙虚に振る舞う。レミリアが誘拐された原因に、自分達の艦隊が敵を阻止できなかったこともその一つだと考えていた彼女は、自分達にも責任がある以上、更なる礼を受けとる資格はない、と考えていた。

 

「―――珍しく謙虚ですね、霊夢さん。らしくもない・・・」

 

「失礼ね。私だって謙虚になるときぐらいあるわ。それより―――」

 

 霊夢が纏う雰囲気を一変させ、艦橋の最奥の玉座に座るヴィダクチオの頭領、"教祖"を睨む。

 

 彼女の態度の変化を受けて、他のクルー達も教祖に視線を向けた。

 

 

 

「―――やぁ。用事は済んだかい?」

 

「あんた―――自分が何をしたか、分かっているの?」

 

 眼光だけで人を殺してしまいそうな勢いの霊夢に臆することもなく、教祖は平然と言葉を発した。

 

「何をしたか、か・・・よくまぁ、小娘一人の命にそこまで拘れるね。君達だって、艦隊戦で何度も敵の命を―――」

 

 影が、教祖に向かって飛翔する。

 

 カチャリ、と翳された刀の先が、教祖の喉笛を真っ直ぐ捉えた。

 

「もう一度言ってみなさい。そのときにはあんたの命はないわ」

 

 霊夢は刀を握る力を強め、(きっさき)を教祖の喉に当てる。

 僅かに皮膚を切り裂かれた教祖の首から、一筋の鮮血が垂れ流れた。

 

「教祖様ッ!!」

 

「―――ちっ」

 

 あまりにも速い霊夢の動作についていけず、固まっていた教祖の部下が、漸く思考を取り戻して霊夢に向けて発砲する。

 霊夢は小さく舌打ちだけを残し、教祖から離脱した。

 

「お怪我はありませんか!?」

 

「ああ。何ともないよ」

 

 霊夢が飛び退いた後の教祖に、白衣を纏った女の部下が駆け寄る。霊夢は彼女が、映像でレミリアにウイルスを投与した人物であることに気付いた。

 

「―――忌々しい奴等。まずはあんたの首から落とそうか?」

 

 霊夢は鋒を教祖から女に移し、脅すような低い声で告げる。女は一瞬身震いさせたが、霊夢から教祖を守るよう、銃口を霊夢に向けた。

 

「貴女こそ、教祖様の計画を台無しにして・・・そんなことが許されるとでも思っているの!?」

 

「ええ、当然」

 

「―――、っぅ!?」

 

 女が放った言葉は、彼女の価値観からすれば当然に導き出されるであろうものなのだろうが、霊夢からすれば、彼女の言葉は狂人の戯言以下のものでしかない。寧ろ、許されないのは貴様等の方だ、と言外に彼女の瞳は告げていた。

 しかし狂人に常人の思考が分からないのと同じように、女には霊夢が心の内に抱いている怒りが分からなかった。そのためか、彼女は一切の躊躇いなく発せられた霊夢の返答を聞いて、信じられないものでも見るかのように瞳を見開く。

 

「ああ、そうだ。計画、なんて言ってたわね、あんた達。ついでに聞くわ。あんた、何が目的"だった"の?」

 

 霊夢の「目的"だった"」という箇所に女が眉を顰めたが、教祖はそれを制するように右手を彼女の前に翳し、真っ直ぐに霊夢へと顔を向けた。

 

 

「そうだね―――ここまできたなら、答えてもいいだろう。ぼくはね―――世界征服がしたかったんだ」

 

 

 

「―――は?」

 

 "教祖"の口から飛び出した言葉があまりにも予想外なものだったためか、霊夢は纏っていた殺気を一変させ、困惑したような間抜けな声を出した。

 

「世界、征服?」

 

「そうだよ。この世界はじきに滅びる。それが一年後か、十年後かは分からないけどね。だから、僕はその前に、自分がやりたいことをやろうと思っただけさ」

 

「そんな―――そんな理由で、あんたはこれだけのことを―――!」

 

 教祖の口から語られたことがあまりにも理解の範疇を逸脱した阿呆らしい理由だったため、一度は覚めた霊夢の殺気が再び沸き上がってくる。

 

「・・・一つ、いいですか―――?」

 

「なんだい?」

 

 教祖を睨み付ける霊夢の横から、今度は早苗が教祖に尋ねた。

 

「貴方は、この世界がじきに滅びる、と言いましたね。それは、貴方が宗教家として得た知見ですか?」

 

 早苗が疑問に感じたのは、教祖が「この世界はじきに滅びる」と言った部分だ。未来なんて不確定な筈のものなのに、どうしてそこまできっぱりと断言できるのか―――そこが、彼女には引っかかる箇所だった。

 

「ぼくが"世界が滅びる"と言った理由かい?そうだね―――宗教が切欠といわれたら、そうではないね。それはこの世界にとっての決定事項だよ。ぼくはそれを、宗教に取り入れただけさ」

 

「宗教に取り入れた?なら、何故貴方は"救済"を目指さないのですか!たとえ現世に希望がなくとも、せめて死後の魂の安寧を図るのが、宗教家としての務めでしょう!なのに何故、貴方は―――」

 

 早苗の疑問は、かつて神社の風祝として生きていた早苗にとって当然のものだった。宗教の本質は、生前、そして死後の人心の安心を得るためのものであると信じていた彼女にとって、その真逆に位置するような所業を平然と行う"教祖"の行動が、理解できなかった。

 

「宗教?ああ、そんなものはただの道具さ。全く、人心とは御しやすいものだよ。ちょっと仕込みを入れただけのイカサマでも、"奇跡"だと信じさせればあとは洗脳なんて簡単だからね」

 

「なっ―――貴方は―――そんな理由で宗教を―――!貴方は一体、宗教を何だと思っているんですかッ!!」

 

 教祖の答えを聞いた早苗は、今までにない剣幕で彼に向かって怒鳴った。

 

(早苗―――相変わらず、真面目なのね―――そんな男の戯言に、ここまで真面目に怒れるなんて―――)

 

 一方で、かつては早苗と同じ"巫女"であった霊夢だが、彼女は既に、目の前の"教祖"という狂人の思考を理解することは放棄していた。狂人に幾ら道理を説いたところで理解される訳がない、害悪は殺すに限る―――それが彼女の考えであっただけに、教祖に対する怒りに染め上げられながらも、宗教に対して真面目に向き合っている早苗の態度に霊夢は関心していた。

 

「言っただろう?宗教なんて道具だと。あんなイカサマ、信じるやつが悪いのさ」

 

「黙れ!!宗教とは、人々の心と暮らしに安心を与えるためのものです!それを、人を死に追いやる、ましてはただの道具に成り下げるものに使うなんて以ての外です!貴方は間違っています!!!」

 

 宗教を尚もただの道具だと言い張る教祖に対して、早苗はその間違いを叫ぶ。だが彼女の言葉は、やはり狂人には届かずに彼の前で掻き消える。

 

「―――早苗、止しなさい。アレには何を言っても無駄よ」

 

「霊夢さん・・・。でも―――」

 

 早苗の想いは、永遠にこの狂人には理解できない。そう感じた霊夢は、彼女の肩に手を置いて引き下がらせる。

 

(これ以上、あの子の想いが冒涜される様なんて、見てられないわ―――)

 

 これではあまりにも早苗が可哀想だ――― 彼女の心にあったのは、これ以上早苗を傷つけさせたくはないという感情だった。こんな狂人の前に立たせていては、彼女の心にまで余計な傷を負わせてしまう。霊夢が抱いていたのは、そんな想いだった。

 

(余計な穢れを背負うのは、私一人で充分だ―――)

 

 最早、問答は無用―――

 

 霊夢は再び刀を構え、鋒を教祖に向ける。

 

「―――早苗、あとは任せなさい。全部―――私が始末するわ」

 

「ですが・・・っ、はい・・・解りました」

 

 一人で事を始末しようとする霊夢に対し、早苗はなにか言いたげにしていたが、霊夢の瞳を見て「ああ、これは何を言っても駄目だ」と悟った彼女は、大人しくここでの処理を霊夢に任せることにした。

 

「―――聞きたいことは、それだけかい?」

 

「・・・最後にもう一つ。あんた、世界が滅びるのは既定事項だとか言ってたけど、そんなこと、何処で知った?」

 

「―――君はいずれ、知るときがくる。ぼくから言うことは何もないね」

 

「―――質問に応えろっての、この屑が」

 

 ―――言葉の受け応えにすらなっていない―――

 

 この狂人に対して最早会話すら成り立たない、と霊夢は呆れたが、それならもう斬るに何の躊躇いもないと霊夢は判断し、小さく悪態を吐いて会話を打ち切った。

 

 

「クッ、ア、アハハハハッ!」

 

「―――なに?」

 

 霊夢が踏み込んで教祖を斬ろうとした矢先、今まで黙っていた白衣の女が急に笑い出した。

 突然の彼女の奇行に生理的嫌悪を感じた霊夢は、厄介な汚物を見るかのように顔を顰める。

 

「は、アハッ、クハハハは・・・・っぅ、ああ・・・貴女!余計な問答をしているうちに、随分と時間を無駄にしたわねぇ。その油断が、貴女達の命取りよ!見なさい!」

 

 けたましく笑い続ける女は、霊夢達の先―――艦橋の窓の方角を指して嗤った。

 

(な、何っ・・・この感じ―――)

 

 得体の知れない、嫌な雰囲気を感じ取った霊夢は、急いで背後を振り向いた。

 

 彼女の視界には、窓に張り付かんと這い上がる、幾人もの制圧された筈の艦橋クルーの様子が飛び込んできた。

 

「まさか奴ら―――だが、何故あそこまで移動している!」

 

「いや待て―――あれはここに居た連中じゃない!"外に貼り付いている"ッ!!」

 

「な、何・・・だと・・・!?」

 

 霊夢達が移動した旗艦の艦橋クルーだと思っていた人影だが、実際は艦橋の外―――即ち宇宙空間に存在していた。艦橋の内部があまりにも広いので、窓まで距離がある霊夢達の位置からはよく見なければそこまで分からなかったのだ。

 

「アハハハハッ!これで貴女達は終わりです!さぁ!死になさい!」

 

「あんた、まさか―――、ッ!」

 

 教祖と女、そして霊夢達との間に一枚のシールドが貼られ、女が右手に持ったトリガーを押す。

 

「チッ、全員、何かに捕まれッ!!」

 

 

 

 

「さようなら!『紅き鋼鉄』!!」

 

 

 

 爆発音が、艦橋に鳴り響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――ううっ、・・・あ、あれ?衝撃が来ない・・・

 

 

あのクソ女が兵士を艦橋の窓で自爆させたので、空気が宇宙に吸い出されると思った私は、皆に何かに捕まるよう指示したが、その衝撃がいつまで経っても来ない。

 

それを不思議に思って眼を開けてみると、私達の周りは、蒼い半球状のシールドで防護されていた。

 

「ふぅ。何とか間に合ったか」

 

「―――エコー?」

 

「ああ、艦長。使い捨てのシールド発生装置ですよ。ハンドグレネードのように投げれば、着弾点から半径10mの範囲にシールドを展開してくれます」

 

「・・・成程、サナダさんの新装備か―――やっぱりあの人は凄いわね・・・」

 

「ええ。我々も、科学班長の発明には随分世話になりました」

 

どうやらこのシールドは、エコーが展開させたものらしい。範囲外の機動歩兵は宇宙に吐き出されてしまったけど、海兵隊員と私達は固まっていたお陰で幸いにも被害はない。

 

「・・・あの爆発、やはり、あの女が―――」

 

「―――そうみたいね」

 

私はシールド越しに、信じられないものでも見るかのような視線を向けてくるあの白衣の女を見据えた。

 

あの女の仕草から判断すれば、兵士を自爆させたのはあの女に違いない。艦橋の外に居た兵士は、多分、私達がこれまで倒してきたなかで自爆を免れたやつを持ってきたか、他の兵士をあそこまで移動させたやつだろう・・・

 

 

―――何て、こと・・・

 

 

あの女も、やはり"教祖"とやらと同じようにヒトのカタチを弄ぶことに何の躊躇いもない屑だったようだ。あんなに嬉々として兵士を自爆させるような奴が、命に対して憐憫の情なんて持ち合わせているとは考えられない。自爆させられた兵士は結果として無駄死にになったが、それに対してあの女が何かを感じている、なんてことはないだろう・・・

 

【BGM:東方夢終劇より「G Free ~ Final Dream」】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――決めた。あいつから、殺す。

 

 

 

 

 

 

 

嗚呼、気に喰わない―――あんな奴が私の目の前に居るなんて。

 

かつて私が始末した、妖怪に堕ちた人間には、必ずその人を大切に想う誰かがいた。私の命令で蹴散らされた海賊だって―――やってることはアレだけど、なかには祝福されて生まれてきた人だって居ただろう。だからこそ、私は今まで手に掛けてきた命とは、向き合っていかなければならない。それが、博麗の巫女として生きてきた、そして0Gドッグとして生きる私に課せられた務め―――

 

なのに、なのに・・・なんでアイツらは、こうも平然とヒトのカタチを弄ぶことが出来るのか―――!

 

 

 

割れた硝子が塞がり、空気の流出が止まる。

 

その数秒の後、互いを隔てていたシールドが晴れた。

 

「な、何なのよ!何で死んでないの!死になさいよ!そのシールドは何だ!」

 

女にとっては、あそこで私達が吐き出されて死ぬことが当然の結果だったようで、想定外の事態に遭遇した女は五月蝿く喚き散らしている。

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、五月蝿なぁ―――消えなさいよ」

 

霊夢は静かに女に対して言い放つと、一瞬で彼女の背後に移動する。

 

「あ、アナタ―――い、いつの、間に――――」

 

 

 

ビシャァァ

 

 

鮮血が、飛び散る。

 

「ぎ、ギャアあアあァアぁあぁぁァッ!?」

 

背中から斬りつけられた女は、おぞましい叫び声を上げながら前のめりに倒れ、床を這う。

 

「ぁ、アっ、あう"ぅ、ぃ、い"だい"っ、痛いっ、痛い痛い痛いッ!!」

 

女は斬られた痛みのあまり、床でのたうち回りながら霊夢を睨む。

 

霊夢は凍てつく氷のような表情で、彼女を見下ろす。

 

 

「―――痛い?」

 

 

「い"、痛い"って言ってンだろうがアァァァ!?」

 

「あんた達が自爆させた兵士は、もっと痛かった。あんた達が造った疫病に侵された人間は、苦しみながら死んでいった。助かった人にも、消えない傷痕を残した。あんたがやってることは、その痛みの何倍もの苦しみを他人(ヒト)に背負わせることなのよ」

 

「ん"なの、私の知ったことじゃないわッ!!私は、私は!選ばれし教祖様の血筋を―――――」

 

女は痛みにのたうち回りながら、霊夢の言葉を否定し、痛みで回らない思考を必死に回しながら反論を紡ぐ。

しかしその努力は、呆気なく幕切れを迎えた。

 

 

「あっそ。じゃあ死ね」

 

 

透き通る、刃のような声色で、死刑宣告が下される。

 

「い"や・・・待っ―――」

 

 

刃が、舞った。

 

 

降り下ろされた刃は女の首を切り裂き、大量の鮮血を啜りながら彼女を絶命へと至らしめる。

 

喧しく喚いていた女の悲鳴は一刀の下に両断され、嘘のようにぴたりと止んだ。

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

女を絶命に至らしめた霊夢は、虫の死骸でも見るかのような目付きで彼女の死体を一瞥する。

 

―――その瞳は、何も映してはいなかった。

 

視線を女の死体から外した霊夢は、ゆらり、とよろめいた後に"教祖"を見据えた。

 

 

「っ―――霊夢さんッ!!」

 

 

「あ、ちょっと、貴女何処に―――」

 

「おいっ、何をする気だ?」

 

事の始終をただ眺めていた早苗は、そこで遂に、堪えきれなくなったのか霊夢に向かって駆け出した。

彼女と同じように呆然と事の始終を眺めていた者達も、早苗の行動で我を取り戻し、突然行動に出た早苗を制止するが、彼女はそんな言葉の群など一切歯牙にもかけず、ただひたすらに霊夢を目指した。

 

 

ガバッ―――

 

 

霊夢の背後から、早苗が彼女を抱き止める。

 

「霊夢さん、気を確かに持って下さい。呑まれては、駄目です・・・」

 

「―――さな、え・・・?」

 

「・・・駄目です、霊夢さん。やっぱり駄目なんです。それに身を任せてはいけないんです」

 

早苗は悪いことをした子供を諭すように、優しく霊夢に語りかける。

 

血に濡れた霊夢の頬を、早苗が撫でて血を拭き取る。

 

 

 

「・・・ごめん。少し、やり過ぎたみたい」

 

「はい・・・分かればいいんです、霊夢さん―――」

 

霊夢の瞳に、生気が戻る。

 

正気に戻った彼女は再び、斬り伏せた女を見遣る。

 

だが、やはり彼女の瞳には、何の感情も浮かばなかった。

 

(ああ、やっぱり・・・)

 

後悔にせよ、嫌悪にせよ、怒りにせよ、何かしらの感情が浮かぶものかと思った霊夢だが、やはり氷のように動じない自分に対し、霊夢は失望と嫌悪を覚える。背中に早苗を感じるあまり、霊夢は自身の冷たい心をその温もりを、余計に比較してしまう。

 

霊夢の心に浮かぶのは、「こいつは斬るべき人間だった」という単なる評価のみだった。

 

 

 

「茶番は終わったかい?」

 

 

「ッ!?」

 

唐突にかけられた教祖の声で、今度は自己嫌悪に呑まれそうになっていた霊夢の意識が引き上げられる。

同時にやはり、教祖の所業に対する怒りが込み上げてきた。

 

「君、面倒臭い人間だね。熱いと思ったら冷めている。人死にを嫌悪する癖に、必要があれば君は平然と手を下す。全く、わからない人間だ」

 

「―――何が言いたいの?」

 

部下が殺されたにも関わらず、"教祖"は先程と変わらない態度で平然と言葉を紡ぐ。

 

「―――君は、中身なんて無いんじゃないか?」

 

「ッ!?、貴方、何を言って―――」

 

いきなり教祖が発した言葉に対し、早苗が反発して反論しようとするが、それは霊夢の言葉に遮られた。

 

「・・・・・・ それよりも―――あんた、自分のしてきたことに、後悔や罪の意識はないの?」

 

「ぼくの質問には答えてもらってないけど―――」

 

「そんなことはどうでもいい。アンタは自分の所業をどう思っているの―――?」

 

「何も。ぼくの夢は半ばで折れた。あとはこの世界諸共蹂躙されるだけさ」

 

教祖の言葉も遮って発せられた霊夢の問いに、教祖はそう、静かに応えた。

 

「―――なら、あんたはここで死ね」

 

こいつはやはり死ぬべき人間だ―――霊夢はそう判断すると、右手に握る刀に力を掛けた。

ここが自治領である以上、"教祖"を裁ける国家機関は存在しない。唯一裁きうるのは、現状彼の生殺与奪を握る霊夢達『紅き鋼鉄』のみ―――

霊夢は静かに、"教祖"に対して死刑を宣告した。

 

「早苗・・・?」

 

霊夢の右手首が、早苗の左手に掴まれる。

 

「・・・私が、やります」

 

真っ直ぐ霊夢の瞳を見て、早苗が告げた。

 

「早苗、あんた・・・」

 

「霊夢さん。貴女だけに背負わせません。もう私も、"共犯"ですから」

 

こんな狂人を生かしてはおけない・・・それは早苗にとっても同じ事だったが、早苗は霊夢だけに業を背負わせたくなかった。霊夢の艦隊の一員である自分も既に、霊夢の"共犯"なのだから、せめて彼女の業の一部でも、霊夢がいつか潰れてしまわぬように、少しでも自分が背負わなければならない―――早苗の心を支配していたのは、そんな想いだった。

 

早苗は儚げな微笑みを浮かべて、霊夢の手から滑り落ちた刀を拾う。

 

「斬るがいいさ。ぼくは、世間一般で赦されないことをしたのは間違いないからね」

 

「―――では、覚悟を―――!」

 

 

早苗が、刀の鋒を天井に向ける。

 

「早苗、待っ―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バシューンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は―――?」

 

「え・・・?」

 

銃声が、響いた。

 

 

「全くよぉ、辛気臭いモン見せてくれるじゃねぇか―――なぁ、小娘」

 

白いマスクの中心を銃弾で穿たれ、赤く染めた"教祖"の背後から、その男は現れる。

 

「あんたは―――!!」

 

 

「よう。久しいな、小娘」

 

 

「ヴァラン、タイン―――!」

 

 

宇宙に君臨する大海賊・ヴァランタインは、不敵な笑みを浮かべて霊夢を見下していた―――

 

 




御用だ御用だ!という勢いで書いていたらいつの間にかレイサナになっていた。(予定通り)

折角蓮メリを出したのにフェードアウト・・・いや、一応幾つか台詞あるんですけどね。書いていたら霊夢ちゃんと早苗さんの剣幕に押しきられてしまいました(笑)
彼女達は今後も登場させるので、活躍はまたそこでということで・・・



そして霊夢ちゃん、完全にキレました。

霊夢ちゃんの内心ですが・・・普段はあまり闇を見せないのは彼女の性格もあると思いますが、能力も関係していると考えています。そのお陰で普段は原作、あるいは茨や鈴のように振る舞っていられると解釈しています。ですがやはり心の何処かでは意識していて、本話のようにそこを刺激されると一気に闇が湧き出してくるというイメージです。

加えて早苗さんもかなりキレているので、所々言葉遣いが荒くなってます。

それと教祖の行動原理などに関する質問は、もしあれば感想欄までお願いします。内容によっては応えられませんが・・・

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