夢幻航路   作:旭日提督

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連載速度を戻すと言っておきながら、煮詰まって遅れてしまいました。申し訳ありません。


第二章――小マゼランへの道
第一五話


 〜???〜

 

 

 

 宇宙の何処かにひっそりと浮かぶデットゲート、それが突如として紫色に輝き始め、嘗ての機能を取り戻していく。

 デットゲートは、遺跡然とした朽ち果てた姿から人工機械のような銀色へと変化し、紫色のワープホールを形成する。すると、そのワープホールから、何隻かの艦艇が姿を現した。

 

 

 

 〜〈開陽〉艦橋〜

 

 

 

《ゲートアウト確認。通常空間に出ました。》

 AIの早苗が、艦隊がボイドゲートを越え、ワープに成功したことを報告する。

「此処は・・・何処かしら?」

《空間通商管理局のチャートと照合中・・・出ました。現在位置は銀河系近傍宙域、ビーメラ星系周辺宙域です。》

 ゲートアウトするや否や、早苗が素早く空間通商管理局のデータから現在位置を特定する。

「ビーメラだと!」

 それを聞いたサナダさんは、何やら驚いた様子で立ち上がった。何か不味いことでもあるのかしら?

「ついさっきまで我々がいたM33銀河から200万光年以上離れている宙域だぞ、間違いはないのか?」

「はい、間違いありません。我々の現在位置はビーメラ星系を指しています。」

 オペレーターのノエルさんが報告する。ところで、私達が今居るらしいビーメラという星系はどのような所なのだろうか。

「ねぇサナダさん、そのビーメラってどんな星系なのよ。説明も無しだと、今後の方針が決められないわ。」

 私はこの艦の艦長で、方針の決定権を持っているのも私だ。今後の判断を下すためにも、今居る星系の情報が必用だ。

「ああ、すまない。説明が遅れたな。」

 サナダさんは振り返って、説明を始めた。

「このビーメラという星系は、銀河系の外縁からやや外れた場所にある、マゼラン銀河との航路上に位置する惑星系だ。主星はG型主系列星だ。惑星は岩石惑星4、ガス惑星が1つが存在する。第4惑星はハビタブルゾーン上に存在し、宇宙港が設置されている。人口は6億人程度だ。星系内にはボイドゲートとデットゲートが各1基存在し、デットゲートは銀河系側の外縁、ボイドゲートはマゼラン銀河側の外縁、微惑星帯の向こう側に位置している。ボイドゲートは銀河系とマゼラン銀河のほぼ中間点に位置する自由浮遊惑星バランの付近に通じている。恐らく、我々はこのデッドゲートから通常空間に出たのだろう。さらに隣の赤色矮星系には、アルゼナイア宙域に繋がるボイドゲートが・・・いや、あれは既にデットゲートだったか。とまぁ、こんな感じだな。」

 サナダさんは端末を操作して情報を引き出しながら、丁寧に説明してくれた。

「大体は分かったわ。そうね・・・取り敢えず今は居住惑星に進路を取りましょう。さっきの戦闘で破損した艦の修理も必用だわ。」

 今の艦隊なら、2隻の工作艦を動員すれば先の戦闘で受けた被害は修理できるのだが、折角近くに宇宙港があるのなら、それを利用した方が特なのだ。空間通商管理局は、規格内の部品ならば予備部品は無料で提供してくれるし、艦の修理も行ってくれる。規格外の部品――例えば主砲とかはうちで金と部品を出す必用があるが、それは工作艦がいても部品と資源が必用なのは変わらない。

「なら、進路は居住惑星で構わないな。」

「ええ、宜しく。」

 コーディーが舵を握って、艦の進路を居住惑星に向けた。

 さてと、惑星に着くまで何をしようかしら―――と考えていたら、霊沙の姿が視界に留まる。それだけなら何てことはないのだが、心なしか普段より具合が悪そうな表情に見える。

「ちょっと霊沙、あんた具合悪そうな顔してるじゃない。大丈夫?」

 彼女は私に思うところがあるようだが、これでもクルーの一人なので、無下に扱うことはできない。

「ん、ああ、霊夢か。いや、さっきからどうも頭が痛くて・・・今は大分収まってきたんだけどな。」

「おい嬢ちゃん、さっきの戦闘で何処かぶつけたか?なら医務室に行ったほうが良い。頭の傷は、今は対したこと無くても、後から酷い状態になることがあるからな。」

 どうも話を耳に挟んだらしいフォックスが注意する。脳震盪とか起こされたら大変だからね。

「そうか―――戦闘中じゃないと思うんだけどな―――まあいい。忠告ありがと。なら医務室行ってくるわ。」

 霊沙はそう言うとふらりと立ち上がって、頭を押さえながら艦橋を後にした。表情はいつもより悪かったが、ちゃんと歩けているので介抱は不要だろう。というか、私が介抱したら嫌がるだろうし。

 

 霊沙が退出するのを確認した後、私は自然ドームに向かった。自然ドーム内には高天原神社改め博麗神社が鎮座している。言うまでもなく、私の家だ。自然ドームが〈開陽〉に移されるにあたって博麗神社に改名した。そして、神社の地下、山の部分には艦長室が設置されている。艦長室には、空間通商管理局のデータベースからダウンロードした今後の行動に必用になる星系のデータが一通り揃っているので、居住惑星に着くまでの間に今後の航路を考えておこうと思ったのだ。

 自然ドームの前まで来て、その扉を開く。

 ドーム内の雰囲気は今までの機械然とした宇宙船の船内の様子から、幻想郷さながらの自然溢れる里山の情景に変わる。

 此所はいつ来ても、幻想郷を思い出させてくれる。

 肌に触れる微風には、仄かに草と土の香りが漂っている。空は丹精に惑星上の大気が投影され、此処が閉塞空間だとは微塵も感じさせない。

 私は徒歩で、神社を目指していく。

 季節の設定は初夏なのか、所々に植えられた桜の木は、その葉を青々と繁らせ、赤と黒の可愛らしい実をつけている。

 両脇に見える水田では、稲が葉を広げ始めていて、まるで緑の絨毯のようだ。

 畦道を抜けて参道に入り、松林を抜けていく。

 松林の地面は、広葉樹の森と違って草があまり見られない。なので、"アレ"がやけに目立つ。

 "アレ"とは何か―――

 

 

 ――キノコだ。――

 

 

 私が通っている松林の左右には、これでもかと言うほどキノコがボコボコと生えている。魔理沙が狂喜乱舞しそうな光景だ。しかも一本一本が巨大で威圧感がある。はっきり言って、自然では有り得ないような光景ね。毒茸異変とでも名付けてやろうか。何故このような異変が引き起こされたか―――

 答えは簡単、サナダの仕業だ。

 あの悪趣味なマッドが毒キノコの菌しか撒いてないのは既に知っているのだが、彼は出港前、こんなことを口にしていた。"ドーム内のドクヤマドリの量を100倍にした"と。何故そんな暴挙に出たのか、私には理解しかねる。一体何が面白いのか。

「ああもう、あいつの頭の中はどうなってるのよ!」

 なんだか無性にイライラして、近場に生えていた手頃なドクヤマドリを蹴っ飛ばした。ドクヤマドリはころころと転がっていく。

 すると、ドクヤマドリは誰かの足に当たり、ぴたりと動きを止めた。

「おや、その声は、霊夢艦長かい?」

 声の主が振り向く。

「あ・・・ルーミアか。そうよ、私だけど。」

 声の主は、つい先日クルーとしてスカウトしたルーミアだ。容姿は似ているが、幻想郷の妖怪ではなく、歴としたこの世界の人間だ。今日のルーミアは、いつもの黒い服に加えて、カーキ色のコートを羽織っている。

「へぇ、あんた、髪切ったのね。」

 彼女はスカウトした時は長髪の金髪だったのだが、今は肩に届く程度までの長さだ。この髪型の方が、妖怪のルーミアに似ている。

「ん、ああ、まあね。心機一転って奴さ。ところで艦長は、何をしに来たんだ?」

「私はただ艦長室に行くだけよ。」

「艦長室?ああ、あそこか。」

 ルーミアは納得した様子だ。

「それと、私のことは霊夢でも良いわ。そっちの方が慣れてるし。」

「そうか?ならそう呼ばせてもらうぞ。」

 どうもルーミアに艦長と呼ばれるのは何だか慣れない。でも、向こうのルーミアは何て呼んでたかしら。あいつはこっちのルーミアと違って、見た目も言動も子供っぽかったわね。

「しかし・・・ここは良くできた森だな。全部あのサナダとかいう男がやったの?」

「そうね。注文つけたのは私だけど。」

「霊夢が?だとしたら、ここは貴女の故郷とか、そんな感じか?」

 故郷か。まぁ、そんなとこよね。丸々幻想郷を再現して貰ったんだし。

「そうね。そんな感じかしら。」

「へぇ、随分と田舎な所に住んでたんだな。」

「別に、不便はなかったけどね。」

 確かにこの世界の水準から見れば、幻想郷は田舎どころか骨董品レベルだろう。だけど、この世界の常識を持たなかった私にとっては、特に不便と感じるようなことはなかった。何せ、幻想郷で生きていた頃はこんな未来に飛ばされるとは思いもしなかったのだから。

「まぁ、田舎には田舎なりの良いところがあるのよ。」

「確かに、ここまで自然があれば、なんだか心が落ち着くな。」

 確かにその通りね。宇宙も色々面白いけど、こうして懐かしい気分にさせてくれるのも悪くはない。そういえば、私が幻想郷で死んでからどれくらい経ったかしら―――こっちに来て色々ありすぎて、忘れちゃったわ。今頃映姫とかが騒がしくしてるでしょうね。

 と、そんなことを考えていたら、顔に出ていたらしく、ルーミアに怪訝な表情をされた。

「霊夢、どうかしたか?」

「ああ、いや、ちょっと昔のことを思い出してただけよ。」

 ルーミアはふぅん、といった感じでにやにやしながら私を見ている。

「私はそろそろ行くわ。やる事もあるからね。」

「おっと、引き止めてしまってすまないな。じゃあ、私も退散するぞ、霊夢。」

 ルーミアはそう言って、片手を振りながらコートを翻して私とは反対方向に去っていった。

 

 

 

 私は神社に着くと、その下に位置する艦長室に向かう。私は早苗に航路図と天体情報を表示するように頼み、椅子に腰掛けた。

《艦長、データの用意が出来ました。》

「分かったわ。とりあえずホログラムに表示して頂戴。」

 私が指示した通りに、早苗が航路図を表示し、部屋一面にホログラムが映し出された。

 この航路図は、現在位置のビーメラ星系を中心に、大小マゼラン銀河までの航路図が示されている。

《私達は現在、このビーメラ星系に位置しています。ここと付近の宙域にあるボイドゲートから移動可能な宙域は、バラン宙域のみです。銀河系側に通じるゲートは存在しません。》

 ホログラム上に、ビーメラ星系から、銀河系とマゼラン銀河のほぼ中間点にある〈BARAN〉と表記された宙域まで、矢印が伸ばされる。

「確かその先は、マゼラニックストリームとかいう宙域だったわね。」

《はい、その通りです。》

 マゼラニックストリームとは、銀河系からマゼラン銀河まで伸びる細長いガス帯で、航海の難所として知られているらしい。何で知ってるかって?さっき調べたのよ。

《バランから先は、凡そ850光年先に位置する、難所として知られている七色星団宙域を超えた所にボイドゲートが一つ存在します。そのゲートを通らずに大マゼラン方面へ1700光年ほど進むと、マゼラニックストリームβ宙域へ通じるゲートがあります。》

「続けて頂戴。」

《はい。前者のボイドゲートは、バランから小マゼランへの銀河間空間に出ます。その先にはもう1つボイドゲートが存在し、そこから小マゼラン銀河・エルメッツァ宙域に通じています。ただ、ボイドゲート間の距離が直線で900光年ほど離れているので、1度ワープを行う必用があります。もう1つのボイドゲートを超えた先にあるマゼラニックストリームβ宙域は、非常に危険な宙域として知られています。前述の七色星団をさらに危険にしたような宙域で、暗黒ガスが非常に充満しており、さらに複数の青色超巨星、白色矮星、ブラックホールが存在し、寄航可能な惑星はありません。さらに、イオン乱流や宇宙ジェットが宙域の半分以上の区域で吹き荒れているので、船のコントロールを保つのは極めて難しい宙域です。銀河間にしては、異常に天体が密集している宙域ですね。この宙域を越えると、ネージリンス領、マゼラニックストリーム・S宙域に出ます。この宙域には、それぞれ大小マゼランへ通じるゲートがあり、活発な交易活動が行われているようです。複数の居住惑星も存在します。大マゼランへ移動するなら、こちらの航路を使用する必用があります。》

 早苗が説明を終える。

 さて、どちらの航路を取ろうか。前者の航路は小マゼランにしか行けないが、比較的安全な航路だ。後者なら大マゼランへも行けるが、かなり危険が伴う。

「ところで早苗、マゼラン銀河にある国家の情報はある?」

 肝心なことを忘れていた。もし行った先にある国がヤッハバッハみたいな国だと、また逃げる必用がある。

《えっと―――、国ごとの詳細は分かりませんが、大半の国では0Gドックによる自由な航海が認められているようです。艦長の心配は杞憂かと思います。》

「そう、なら良かったわ。」

 どうやら私の心配は杞憂だったらしい。なら、別に行ける銀河が小マゼランだけでも、安全な航路を取った方がリスクは小さそうね。一応、後で他のクルーにも訊いておきましょう。

「早苗、今から2時間後に会議をするから、他の人にも連絡して頂戴。」

《了解しました。》

 早苗が端末を介して情報を他のクルーに送る。

 会議が始まるまでは暇なので、それまでは神社でごろごろしていようかしら。

「それじゃ私は神社でゆっくりしてるから、寝ていたら起こしてね。」

《はい、分かりました。》

 用事を終えた私は艦長室を後にして、エレベーターで神社まで上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《艦長、20分後に会議です。起きて下さい。》

「ん―――ふぁぁっ・・・もうそんな時間なの。分かったわ。今行く。」

 あの後、私は縁側で寛いでいたんだけど、どうやら昼寝していたらしい。

 私は気怠さを感じながら身を起こし、艦長服に袖を通す。

 神社を出ると、時間が惜しいので、天井に気をつけながら空を飛んで、自然ドームの入り口まで移動する。

 そこからは曖昧な記憶と端末の情報を頼りに、会議室まで移動する。なにせ全長が1km以上ある艦なんだから、部屋の位置も覚えるのに時間がかかるのよ。

 

 10分ほど艦内を彷徨って、やっと会議室に到着した。

 会議室の扉を開くと、既にサナダさんや霊沙、コーディにファイブス等の艦橋クルーや、シオンさんやルーミアもいる。

「御免なさい、遅れてしまったわね。」

「いや、艦長が指定した時間まではあと5分ほどある。時間通りだ。」

 ファイブスが時間通りだと言ったのは、基本的にこういう場では5分前には集合するのが常識だからだろう。けど、艦長が一番最後というのもなかなか示しがつかない。次からは気をつけよう。

「全員揃ってるわね。じゃあ会議を始めるわ。」

 私は一呼吸置いて、航路図のホログラムを会議室の中央に表示させた。

「これから私達が取る航路についてだけど。私は小マゼラン銀河を目指そうと思う。」

 周囲を見回して反応を探るが、皆集中して次の言葉を待っているようなので、話を続ける。

「これから私達は、惑星ビーメラ4に寄航し、修理を終えた後は星系郊外のボイドゲートからバラン宙域へ移動、そこからこの七色星団宙域の先にあるボイドゲートから小マゼランを目指そうと考えているわ。何か意見はあるかしら?」

「では、小マゼランでは、0Gの活動は認められているのか?」

「それは杞憂だな。大小マゼラン銀河双方でも、一部を除けば0Gの活動は認められている。」

 ルーミアの質問に答えようとしたが、それよりも早くサナダさんが彼女の質問に答えた。

「なら、小マゼランを目指す理由は何でしょうか?別に大マゼランでも良いのでは?」

 今度はノエルさんが質問する。

《それについては私からお答えします。》

 早苗はホログラムを操作して、現在位置から大マゼランへの航路を表示した。

《現在位置から大マゼランへ移動するには、七色星団を抜けた先にあるこのボイドゲートを通る必用があるのですが、この先の宙域は非常に多くの暗黒ガスに加えて中性子星やブラックホールが存在する宙域です。なら、一路小マゼランを目指す航路の方が相対的に安全という結論に至りました。》

「ふむ、確かに、大マゼランへは小マゼランを経由して行くこともできる。徒に危険を犯すのは得策ではないな。」

 サナダさんは納得した様子で説明を補足する。

「では、この七色星団という宙域は、具体的にどのような場所なのですか?」

 今度は、船医のシオンさんが質問した。

「七色星団か。ここも中々の難所として知られている宙域だな。」

 質問に対して、サナダさんが解説を始める。なんだか、サナダさんが説明してばかりね。

「この宙域は、6つの異なるスペクトルを持つ縮退星と褐色矮星により構成されている宙域で、宙域内部には暗黒ガスが充満し、レーダー障害が発生している宙域だ。さらに宙域の一部には宇宙ジェットやイオン乱流も確認されている。まさに〈嵐の雲海〉とでも呼ぶべき場所だな。だが安心しろ。ここは確かに危険な宙域ではあるが、大マゼラン航路上のマゼラニックストリームβ宙域よりは遥かに安全だ。イオン乱流や宇宙ジェットさえ躱せば問題ない。

「躱せば問題ないって、よく言ってくれるな。舵を握るのは俺だぞ?」

 サナダさんの台詞に、コーディが抗議する。実際に操舵するのはコーディなんだから、妥当な台詞だろう。

「言っただろ、それがあるのは宙域の一部だ。そこを避ければ問題ない。それに、この艦には私謹製の高性能観測利きがあるからな。」

《サナダさんが複数の観測機器を私や艦長に秘密で搭載しているの、私は既に把握していますよ。説明仕様にない各種機器の無断搭載の処遇、如何されますか、艦長?》

「待て、何故それを―――」

「わざわざ隠して搭載しているのは気に障るけど、まぁ役に立つなら不問よ。」

 早苗が悪戯っぽく訊いてくるが、役に立てば別に処分する必要もないでしょう。私に隠しているもので何かされたら話は別だけど。

「それで、他に何か質問はある?」

 私は一度全体を見廻して、質問がないか確認するが、ないようなので航路はこれで決定だ。

「じゃあ航路はこれで構わないわね。それじゃあ、解散。」

 

 

 

 

 

 

 

 今後の航路を決めた私達は、惑星ビーメラ4に立ち寄り、イベリオ星系での戦いで受けた損傷を修理し、ついでに乗組員の募集をかけて100人ほどの新クルーを集めた。元々寄航時間が短かったのに加えて、怪しい人材は片っ端から落としたので数は少ないが、人手不足な私達にはクルーの数は少しでも多い方が良い。ちなみに、〈開陽〉の最低稼働は320人だ。これでもコントロールユニット(早苗)で半分以上落としているのよ。今は早苗の性能とドロイドでカバーできているが、できるだけ生身のクルーに置き換えて即応性やダメージコントロール能力を上げておいた方が良いだろう。

 ビーメラ4を出た私達は、真っ直ぐ星系郊外のボイドゲートを目指す。

 

 霊夢率いる艦隊は、新天地を目指すべくボイドゲートへと飛び込んだ。

 




今回の話で、前話のさんかく座銀河から一気に200光年以上進みました。本当は竜座銀河にワープしてヤマト2520のネタと絡ませるか、原作をなぞって事象誘導宙域にしようかと思っていたのですが、構成が上手く思い付かなかったので順当に小マゼランを目指すことにしました。投稿が遅れたのは大体この辺りが原因です。
今話からは、視点を以前よりも意識して書いたのですがどうでしょうが。オリ主系は自分の視点で書けるので楽かもしれませんが、"霊夢の視点"で書くのは中々慣れませんね。原作霊夢が持ってない知識や思考等(主に軍事面)は作者の視点が大いに入っていますが、そこは霊夢ちゃんが勉強を頑張っているという事でお許し下さい。

今話では原作中の宙域への言及がありましたが、次回からはいよいよ原作キャラを登場させる予定です。お楽しみに。

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