ラブウィザード! 〜希望の柱〜   作:しょくんだよ

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晴希「よ、俺、晴希だ!
実はカメラマンになることにしたんだ!
さあ!ショータイムだ!」

という夢を見た作者さん。

‥マジです。


第9話戦いを好む魔法使い

「お前‥誰だ‥?」

 

ウィザードに変身した晴希は目の前にいる

紫のウィザードに問い掛ける。

 

「別に何もんだっていいじゃねぇか。

それよりお前、強いか?」

 

「何言って‥‥‥っっ⁉︎」

 

ウィザードがいいかける瞬間、

紫のウィザードはウィザーソードガンの

コントラクトリガーを引いて撃ってきた。

 

ウィザードはなんとか自分の

ウィザーソードガンを構えて防いだ。

そして紫のウィザードは剣モードに構え

斬りかかってきた。

 

「ぐっ⁉︎」

 

力強い攻撃にウィザードは

防御するだけでおされていた。

 

「‥魔法使いが2人‥

よくわかりませんがこの隙にっ。」

 

隅で見ていたファントム、ノームは

2人のウィザードが交戦している内に

逃げ出した。

 

「あ、待て!‥おい⁉︎

ファントム追わなくていいのかよ⁉︎」

 

「あんな雑魚、後からでも十分殺せる。

今はお前に興味があんだよっ」

 

「お前‥やっぱ転生者‥‼︎」

 

お互いのウィザーソードガンを交えながら

ウィザードは確信した。

ファントムを殺すってことは

やはり彼も転生者。

 

「‥ぐあっ⁉︎」

 

なんて考えてると紫のウィザードは

隙を狙って斬りつけてくる。

その勢いで剣撃を

喰らい続けるウィザード。

 

「おらよっ!」

 

「がはっ⁉︎」

 

そして蹴り飛ばされ

壁に激突するウィザード。

 

 

「ぐっ‥‥こいつ、強い‥!」

 

斬りつけられた体を押さえ、

壁のパイプを掴みながら立ち上がる

ウィザード。

紫のウィザードは強い。

 

冷静さと、華麗な動きで攻撃する

ウィザードとはまるで違う、

力強さと強引に斬り込んでくる攻撃は

まさに獣。

 

そしてジリジリとウィザーソードガンを

持って近寄ってくる紫のウィザード。

だが突然ウィザーソードガンを降ろした。

 

 

「‥‥‥はぁ、興が冷めた。

お前弱すぎる。」

 

「なんだとっ‥‥ぐ⁉︎」

 

紫のウィザードの言葉にウィザードは

イラ立てるが斬られた箇所にひびき、

ウィザードは膝をつく。

そして紫のウィザードは変身を解き

初めて顔を見せた。

 

暗くてわかりづらいが

天井の照明だけでなんとか見る。

その姿は晴希と同じ高校生の様な

若さで髪は黒、

前髪にアッシュで赤になっている。

敵意を無くしたことに気づき

ウィザードも警戒をしながら

変身を解く。

そしてあることに気づいた。

 

「お前‥朝、神田明神にいた‥」

 

それは今朝、朝練の時に神田明神で

俺らを睨み付けてきた男だった。

 

 

「ん?あぁ〜、あん時の奴か。

そうか‥お前が魔法使いか、

神の奴も随分弱い奴を選んだもんだ。」

 

いちいち弱いを強調してくるので

すっごい腹立つ。

 

 

「‥なん‥だと‼︎」

 

そう言って彼は振り返り

この場から去ろうとする。

 

「お、おい待て‼︎」

 

 

「てめぇは弱すぎだ。

退屈凌ぎにもなりゃしねぇ」

 

その言葉に俺はグサリとくる。

そして彼は

地下空間の奥へと歩いて行った。

 

 

「‥‥クソっ。何だよあいつ‥。

神様の奴も何考えてんだよ‥。」

 

あんな奴をこの世界に連れ込んだ

神様に俺は腹がたった。

そして転生した体なのに奴に敵わなかった。

彼はもっと強い体にしてもらったのだろうか。

 

「っ!真奈美さんっ!」

 

そう思いながら俺は忘れていた

真奈美さんを思い出し振り向く。

だが振り返ってもそこには

戦った後と瓦礫ぐらいしかなかった。

 

「‥‥‥先に帰ったのか‥?」

 

俺はため息を吐き、俺もこの場所から

出ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

そして翌日。

俺はファントムを逃したのと

新たに現れた魔法使いに

頭を悩ませながら学校に向かうことにした。

今日は学校行事なので昼に終わり、

昼から真奈美を護衛する予定だった。

ちなみに名字は川崎というのを

学校に来て知った俺。

 

学校に来たはいいが真奈美の姿はなかった。

どうやら欠席らしい。

変わりに3人の魔女‥‥

失礼、美少女達が

怖い笑顔で俺を見ていた。

 

 

そして学校が終わって屋上にて‥‥。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あのー、‥皆さん、これは一体‥?」

 

俺はμ'sのメンバー

高坂穂乃果、園田海未、南ことり、

そして一年生の

小泉花陽、星空凛、を前に

正座させられていた。

持ち物のウィザードリングも

回収されて完璧に逃げられない

状態だった。

西木野真姫はフェンスに

体を凭れかかりながら

前髪を指でくるくるさせ、

俺をみている。

 

え、てかなんで正座?

 

「穂乃果先輩!この人の犯した罪は

何ですか?」

 

「うん、晴希容疑者は昨日、

絶世の美女の美少女である真奈美さんに

凄くデレデレしていたんだよ!」

 

 

「そ、それは重罪にゃー‼︎」

 

「なんでだよ⁉︎」

 

 

凛は穂乃果に事情を聞いて叫ぶ。

デレデレしたのは認めるが

重罪ってなんだよっ⁉︎

あんな美人見たら男は誰だって

見惚れちまうだろ⁉︎

 

「殿方は‥本当、あさはかですね‥」

 

海未もこちらを見て言ってきて、

花陽もそれにうんうんと頷く。

 

「あ、あさはかって‥海未、

男という生き物を全部一括りに

しないでくれる?」

 

「よく言うよ!晴希君、

デレ〜っとしてたじゃん!」

 

俺が言った言葉に穂乃果は

横槍を入れてくる。

 

 

「‥‥‥、

真姫、真姫っ、助けてくれっ。」

 

俺は咳払いしながら

真姫に小声で助けを求める。

だが、

 

「知らない。」

 

そう言ってプイッとそっぽを向く真姫

なんでみんなこんな怒ってんのさ!

 

 

「では、重罪を犯した晴希容疑者に!」

 

 

穂乃果が俺の前でそう告げて区切る。

 

え、なに?なにかされんのか俺。

 

 

 

 

 

 

 

「ことりちゃんのおやつにしちゃうぞの

刑に処します!ことりちゃんっ!」

 

 

「はぁ〜い☆」

 

「いやなんだその刑⁉︎

てかことり‥なんだ⁉︎

その‥‥‥‥服は‥⁉︎」

 

わけのわからない刑に俺は声を荒げるのも

つかのま、先ほどから黙っていたことりが

何故か色んな女の子の服を持って

こちらに近づいて来る。

 

鳥肌がたち まさかと思い

俺は彼女達の足元を転がり、

ダッシュで屋上のドアへと

手を伸ばす。

 

「ちょ⁉︎へ⁉︎開かない⁉︎」

 

「内側から鍵を掛けました☆」

 

「なんでそんな芸当できんの⁉︎」

 

「ヒデコ達に頼んだのっ。」

 

あんのヒフミトリオめぇええ‼︎‼︎

 

「晴希君〜☆大丈夫だよ〜☆

ちょっと、()()()()だけだから〜☆」

 

 

「着る服違うわ!

‥っておい⁉︎花陽!凛!

なんで両腕掴む⁉︎」

 

「ことり隊長!捕まえました!」

 

「晴希先輩‥

大丈夫、大丈夫ですから!」

 

 

凛はともかく花陽の様子も

呼吸が荒くなっておかしくなっていた。

 

「意外とあの格好も似合うかもだね

海未ちゃん。」

 

「す、少し興味があります‥‥」

 

「‥‥。」

 

穂乃果も海未も真姫も

俺に近づいてくる。

あぁダメだ、

彼女達は完全に目がイッテイル。

 

そして、

 

 

 

「晴希君〜〜〜。

うっふぇふぇふぇ‥‥☆」

 

 

 

 

 

 

「う、うわぁぁぁああああっっ‼︎」

 

 

 

 

 

俺の叫びは、学校中に響き渡った

だろう‥。

 

こうして俺は‥‥

ことりのおやつにさせられたのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

マンションの屋上にて。

 

ノームは手を広げて

マンションの高台から

町中を見下ろしていた。

その側でフェニックスとメデューサは

見ていたがフェニックスはご立腹だった。

 

 

「またゲートを見失ったらしいじゃねえか!

何そんなとこでボーッとしてんだよ⁉︎」

 

フェニックスがイラ立てながらも

ノームに聞くがノームは

ずっと町中を見下ろしている。

 

「おいっ‥‥聞いてんのかっ⁉︎」

 

「しっ。」

 

フェニックスが声を荒げると

メデューサは黙って見ていろと

言わんばかりに制した。

その時、風が吹く。

そして。

 

「っ‥‥きました。

爽やかな透明感の中に漂う

上品で者受けの甘さ‥‥この香り、

間違いありません。」

 

何かに気付いたようにノームは

喋り出す。

 

「‥‥なに言ってんだ?」

 

「ゲートの匂いを嗅ぎあてたのよ。」

 

ノームは地中を掘る能力と

嗅覚がとても優れていた。

離れた場所でも匂いを覚えていれば

すぐにその人物を見つけることができる。

 

そしてノームは高台から飛び降りながら

人間の姿になり着地する。

 

「そういえばメデューサ様。

フェニックス様。お二人に

お伝えしたい事があります。」

 

「なんだ?」

 

立ち上がると同時にノームは

メデューサ達に目を向ける。

 

「はい、実は、昨日

魔法使いと交戦をしていた時、

もう1人、別の魔法使いが現れました。」

 

「‥なに?」

 

「は?どうゆうことだ?」

 

メデューサとフェニックスは

首を傾げながらノームに近寄った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

高杉家にて。

 

 

 

 

「‥というわけなんです」

 

屋上でゴタゴタがあったあと、

役割を決めて2つにわけて

別行動することになったμ's達。

 

穂乃果、海未、ことりの

3人は高杉家へ。

凛、花陽、真姫、晴希の

4人はファントムと真奈美探し。

使い魔達も2人を探してもらっていた。

 

昨日の夜、電話で真奈美が詐欺師だったと

伝えられた穂乃果達は

しんじられないと最初は戸惑っていたが

晴希が真剣な声だったので

穂乃果達は信じることにした。

(デレデレした件はまた別だった。)

そして今、

高杉にその事情を説明しにきていた。

 

同時に、2人目の魔法使いも晴希から

知らされた。

 

「‥‥やっぱりね」

 

事情を説明した海未の言葉に高杉は

予想してたかのように笑顔でそう言った。

 

「え?やっぱりって‥気付いてたんですか?」

 

高杉のその表情にことりは首を傾げる。

 

「うすうす‥ね。」

 

高杉がちらっと奥の部屋を見ると

大量の通販の商品がそこに置いてあった。

どうやら真奈美に家の仕事の

手伝いをしていると言われて

全て買わされたらしい。

 

その大量の商品を見て穂乃果は

ほぇーっ と眺めていた。

 

「あんな美人が僕なんかと

仲良くしてくれるなんて‥

財産目当てなのかな‥って。」

 

高杉家は親が残した資産で

お金持ちだった。

それを付け狙って真奈美は

近寄ったのだろう。

 

「ひどいよね。お金目当てで

男を騙すなんて。」

 

「本当そうです、見つけたら

その根を叩き直してあげないと。」

 

ことりと海未が珍しく怒っている。

同じ女子としてその行動が許せなかったのだろう。

だが高杉はだけどと言って2人の会話を止める。

 

「きっと‥‥

なにか事情があったんだろな。」

 

「「え?」」

 

「‥あの時、ファントムに襲われた時

彼女は僕の手を取ってくれたんです。」

 

それは昨日の夕方、突然現れた

ファントムに高杉は腰が抜けて

立っていられなかった。

だが真奈美はそんな彼の腕を

引っ張って一緒に逃げようとしたのだ。

 

「僕のことなんかほっといて、

自分だけ逃げるのが当たり前です。

なのに真奈美さんは、僕の手を取ってくれた。

だから、僕は信じます。彼女には、

お金が必要ななにか事情があったんだって」

 

高杉はその優しい笑顔で

真奈美の事を信じていた。

それを聞いて詐欺師だと疑っていた

海未とことりはそうかもしれないと思い

少し反省をしていた。

すると海未のスマホから

着信がなり、

着信相手は真姫だった。

 

「もしもし、どうかされましたか?」

 

『ガルーダ達が川崎さんの家を

見つけてくれたわ、今から向かうわよ。

‥それと晴希先輩、なんとかしてあげて、

全く動いてくれないの。』

 

ーー

 

場所を真姫グループに変える。

 

 

真姫が見る先には、

 

 

 

「‥‥ふっ、俺の人生‥女装‥

ふへへふへへへ‥‥」

 

 

 

公園のでかなり沈んでいる晴希が

微妙にブランコを揺らしながら壊れていた。

 

「自業自得にゃ。」

 

「でもちょっと可哀想‥」

 

「ダメだよ、かよちん!

男の子はお仕置きしないと

分かんないのっ。

でも女装姿ちょっと可愛かっ‥」

 

「キッ!!!」

 

「「ひっ⁉︎」」

 

思い出したくないのか

凛と花陽の会話にすごい目で睨む晴希。

 

「‥はぁ、どうする?

あれじゃ夜まで落ち込んでそうよ。」

 

『困りましたね‥っちょ⁉︎

穂乃果っ⁉︎』

 

『だったらだったら!』

 

何やら通話越しで海未が騒ぐと

穂乃果の声が入ってきた。

海未が通話中のスマホを取ったのだろう。

 

『晴希君に伝えてあげて!』

 

そう言うと穂乃果は真姫に

なにかを伝えた。

 

 

「‥わかったわ、先輩っ。」

 

それを聞いた真姫は晴希を呼ぶ、

かなり暗い顔で真姫を見る晴希。

 

 

 

「早く真奈美さんとファントムを

探さないとことり先輩がおやつにす‥

「行ってきまぁす‼︎‼︎」ヴェエ⁉︎」

 

 

 

真姫が言い終わる前に晴希は

ブランコから飛び上がり

空中を飛んでるレッドガルーダを

取っ捕まえて公園を出て行った。

 

『ね、動いてくれたでしょ?』

 

「‥ただの脅迫じゃない。」

 

 

そう言って1年生メンバーは

晴希の後を追いかけた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

随分ボロボロなアパートの部屋に

真奈美の姿があった。

どうやら1人暮らしの彼女は

何故か服や物などを鞄の中へ

詰め込んでいた。

そして詰め終わると

棚に置いてある写真立てを手に取る。

 

そこには幼い頃の真奈美と

両側に父と母らしき姿があった。

 

「‥待っててね、

また秋葉原を離れるけど、

すぐにお金を貯めて戻ってくるから‥

絶対‥、絶対取り戻すから。」

 

「ほほぅ。」

 

真奈美は写真立てにそう言っていると

突然誰もいるはずのない部屋から声が聞こえ

その聞こえた先を見る。

すると窓際に腰掛けている

1人の男性がこちらを見ていた。

 

「‥誰?」

 

見ず知らず勝手に上がり込んできた男性に

真奈美は警戒する。

 

「それが貴方の夢ですか‥

けれど可哀想に‥それが叶うことは、

ありません。」

 

男性がそう言った瞬間、真奈美の持っていた

写真立てを取り、後ろへ投げた。

壁に当たった写真立てのガラスにヒビが入り、

床に落ちた瞬間ガラスが割れる。

 

「‥‥っ‼︎」

 

真奈美は今にも心が砕けそうな表情で

写真立てを見ていた。

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

「んんー!こっちかガルーダっ。」

 

真奈美の家まですぐのところ、

晴希こと俺はかなり焦っていた。

早急に見つけないとこ、ことりのおやつ‥

ヒィイィィイ!

 

「先輩っ!待ってにゃー!」

 

「み、みんな速すぎるよ〜っ。」

 

「先輩が早いからよっ。」

 

ガルーダを先頭に早歩きで行くと

凛、花陽、真姫の順番で俺の後を

追いかけてくる。

すると、

 

 

「きゃあああっ⁉︎」

 

「⁉︎」

 

「今の悲鳴って‥⁉︎」

 

俺達はその悲鳴の先、古いアパートへと

駆け出す。

ま、待ってよ〜!などという声も聞こえたが

俺は構わず走った。

 

 

 

ーーーー

 

 

「うっ⁉︎」

 

男性は怪人態、ノームに姿を変え、

真奈美の首を締めてきた

 

「さぁ‥抗えませんよ‥

死の恐怖に絶望するがいい!」

 

「うぅっ、ゲホゲホッ!」

 

締めつける力がだんだん強くなり

咳き込む真奈美。

 

 

 

「オッラァッ‼︎」

 

 

「なっ⁉︎ぐあああぁ⁉︎」

 

そこへ入ってきた俺はノームに

ドロップキックをかまし、

ノームは窓ガラスを突き破り地面へ落ちる。

だがすぐに起き上がるノームは再び逃亡する。

俺もすぐに飛び降り、後を追いかけた。

 

「川崎さん!大丈夫ですか⁉︎」

 

後からやってきた真姫と凛は

気を失ってる真奈美に声をかける。

 

「‥‥っ⁉︎」

 

「きゃっ⁉︎」

 

「にゃっ⁉︎」

 

その声に目を覚ました真奈美は

恐怖で怖くなったのか荷物を持って

勢いよく飛び出して行った。

 

「ま、まって!川崎さんっ!」

 

「い、痛いにゃー!」

 

「あれ?か、川崎さんどこか行っちゃった‥

って、2人とも大丈夫⁉︎」

 

真奈美におされ壁に激突した真姫と凛に

遅れて来た花陽が心配する。

 

 

 

ーーーー

 

ファントムの後を追いかけてた俺は

その近くの今は使われてない作業場へきた俺。

 

「逃げるのだけは早いんだから‥ってうお⁉︎」

 

俺が見失っていると突然横に

積み上げてたスチール缶が崩れ

俺のもとに落下してきた。

 

「はぁっ!」

 

「っ!」

 

避けた瞬間、ノームが待ち伏せしてたのか

飛び出して攻撃してくる。

俺は交わして迎え討つが

生身では敵わずノームの攻撃に

吹き飛んでしまう。

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

俺はすかさずドライバーオンリングを

ベルトにかざし、ベルトは

ウィザードライバーへ変わる。

そして起き上がると同時に

ウィザードライバーの

シフトレバーを上下に動かす。

 

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン‼︎

 

シャバドゥビタッチヘンシーン‼︎

 

シャバドゥビタッチヘンシーン‼︎》

 

テンションの高い待機音声が流れる中

俺は左手のフレイムリングのバイザーを下げ、

魔法の言葉を言ってドライバーにかざした。

 

 

「変身。」

 

《フレイム!・プリーズ

 

ヒーヒー・ヒーヒーヒー‼︎》

 

 

左に振り上げた手の先に魔法陣が現れ

晴希の身体を通り抜けると俺は

仮面ライダーウィザードへと姿を変える。

変身したと同時にウィザードは

ウィザーソードガンを銃モードにし、

ノームに向けて構え、

コントラクトリガーを引いた。

 

だがノームは弾丸を両腕で弾く。

それを見たウィザードは剣モードに変えて

接近戦で挑んだ。

戦い方を見慣れたのか

攻撃を交わすようになったノーム。

だが負けずとウィザードはより早く

ウィザーソードガンを振り上げ

ノームはそれを喰らう。

剣撃を入れた瞬間ウィザードは

蹴りを入れノームを蹴り飛ばした。

 

「ぐっ⁉︎」

 

吹き飛んだノームは近くに置いてある

工事用の道具や砂袋などを

ウィザードに投げてくる。

 

ウィザードはそれを蹴り飛ばすが

その隙にノームは接近し

ウィザードに手についている刀で

斬りつけてくる。

こちらの剣撃は当たらず

ノームの攻撃は当たっていくウィザード。

やはり見慣れたらしく

ウィザードは押されていた。

 

「調子に、乗るなよ!」

 

「ぐあっ!?」

 

押され気味のウィザードは

回し蹴りを喰らわせ、

積み上げてる道具などに

吹き飛ぶノーム。

だがその際に転がり

外に出たのかその場から消えたノーム。

 

ウィザードも外に出るがそこには

土管がいくつも並ばれており

ノームの姿はなかった。

辺りを見回していると土管から

ノームが飛び出してウィザードに

攻撃する。土管をくぐり抜けながら

交戦するウィザードとノーム。

 

そして強めに斬りあげてそれを

喰らい、吹き飛んだノームは

立てかけてある鉄パイプを

両手で掴みウィザードにぶん投げてきた。

 

槍のように空から降り注いでき、

ウィザードはウィザーソードガンで防ぐが

防ぎきれずウィザードの周りに

残りの鉄パイプが地面に刺さる。

 

刺さるほど鋭利だったっけ‥?

 

 

「ぬぅんっ‼︎」

 

などと思っていると

ノームは置いてある土管をぶん投げてきた。

ウィザードはすぐに右手に

ディフェンドリングを付け

シフトレバーを上下に動かし

かざした。

 

《ディフェンド!・プリーズ》

 

音声がなり、掲げた手から魔法陣が現れ

飛んくる土管を受け止め

周りの鉄パイプごと焼き消した。

 

「ったくあぶないだろ!‥‥あれ?」

 

ウィザードはノームを見るがそこには

巨大な穴が地面にできているだけだった。

 

「だぁ!また逃げられた‥」

 

「先輩〜‼︎」

 

変身を解くとそこへ1年生メンバーが

俺のもとへ走ってきた。

 

「ファントムは?」

 

「逃げられた‥そっちは‥

その様子じゃ逃げられたみたいだな。」

 

真姫の言葉に俺は地面の穴に指差しながら答え

俺の言葉に真姫は無言で頷く。

 

「あの後どこに行ったか川崎さんの家で

行き先を調べてたんですけど‥」

 

「この写真があったにゃ。」

 

「ついでにこれも。」

 

花陽がそう言って

凛と真姫が差し出してきたのは一枚の写真と

何枚かのチラシを渡してきた。

 

「これは幼い頃の真奈美さん?

それとこっちは家の広告か‥」

 

あーなるほど、

どうりでボロいアパートだと思った。

詐欺で稼いだお金でドーンと家でも買っちゃうわけね‥

 

そう思っていると俺はある事に気づく。

 

「気付いた?」

 

真姫はそう口にする。

 

「これって、全部同じ家の広告だな‥。」

 

「しかもその写真の家と同じなんだにゃ。」

 

凛がそう言って見るとその写真と

同じ広告が何枚もあり、

期限の日にちの所を念入りに

チェックしている跡があった。

なるほどと思い、

俺はある場所に向かうことにした。

 

 

ーーー

 

 

 

街全体が見渡せる広場で

真奈美はそこに立っていた。

何かを決意した様に真奈美は頷き

その場から去ろうとした。

だが振り返るとそこに晴希が立っていた。

 

「よっ。」

 

「‥どうしてここに?」

 

「こっちを離れる前に、

立ち寄るんじゃないかなって思ってな。」

 

ここは見晴らしのいい高台。

1度は見て起きたい場所だ。

 

秋葉原を離れる前にきっと真奈美さんは

立ち寄るだろうと思い俺は向かったのだが

予想通りそこに真奈美さんがいた。

 

そして俺は真奈美に近づき一枚の写真を

見せた。

 

「この家を買う為に、詐欺なんて始めたのか?」

 

真奈美はそれを受け取るとどこか懐かし気に

街の方を見つめた。

そして真奈美は語り出した。

 

「‥子供の頃に住んでたのよ。

決して裕福な家庭ではないけど、

私は凄く幸せだった‥‥でもある日、

父親は詐欺師に騙されて、あの家も

何もかも失ってしまった‥。

でも手放す最後に1枚の写真を撮ることにしたの

それがこの写真よ。そして家族は皆離れてしまったの‥

‥いつかこの家を買い戻す。そしたら

また一緒に暮らそうって、でも無理しすぎたのか‥

結局、私一人だけ、残された。

高校生になった私は時々あの家を見に行った。

辛いことがあっても、あの家の日々を思い出したら

頑張れる気がした。でも今年の春、

休んでいた学校に行くためこっちに戻ってきたら

業者の人があの家を潰そうって言ってた‥」

 

真奈美はそこで一旦区切り俺の方へ目を向ける。

 

「すぐに家を買い戻さなきゃ、でなきゃ!

思い出の家がなくなっちゃう!

至急お金が必要なの!学校も辞めることにしたし、

だからお願い!見逃して!」

 

「‥‥だけど君は金を騙しとったんだろ?

‥そういうわけにはいかない。」

 

「‥!あんたには分かんないのよ!

家族を失った私の気持ちなんて!」

 

写真を握り締め真奈美は

涙を浮かばせながらそう言った。

そして俺は口を動かす。

 

「‥分かるよ、俺も家族いないし。」

 

「‥え?」

 

この世界、でだけど。

まぁ前の世界もいなかったも同然だったけどな。

 

「俺や真奈美さんだけじゃない、

他にもたくさんいるよ、家族を失った人。」

 

俺は少し悲しい表情で真奈美を見ていた。

ふと、真奈美は街の方を振り返る。

すると一箇所煙が上がっている所があった。

 

「‥あそこは‥‥、家がっ私の家が!」

 

「なに‥?っておい真奈美さん‼︎」

 

それを見た瞬間走ってその煙が上がる

場所へ向かう真奈美と後を追いかける俺。

だが走ってちゃ間に合わないと思い、

途中で呼び止めバイクで向かうことにした。

 

そして辿り着くと広告に載っていた家が

炎上していた。

 

ヘルメットを取った

真奈美はすぐに家の中へ入っていき

俺も後を追う。

 

その近くでその光景を見ていた

少年の姿があったのを知らずに。

 

 

「‥‥っ!」

 

「真奈美さんダメだ!」

 

家に入ると床や家具などが燃えており

今すぐ消化活動をしないと完全に

燃え上がる状態だった。

 

 

「ようこそ、お待ちしていました。」

 

すると奥の部屋からノームが姿を現し

こちらを見ていた。

 

「ファントム‼︎お前の仕業か⁉︎」

 

俺が声を荒げて叫ぶとノームは

不気味に笑い、喋り出す。

 

「ゲートよ、その目でしかと見なさい。

貴方の心の支えが崩れていくサマを‥

そして!絶望するがいい!

フッフッフッ‥」

 

燃え上がる家を見て呼吸が荒くなる真奈美。

その時の真奈美の脳内では

思い出が焼き消えていくのが浮かんでいた。

 

「っ!あぶない!」

 

その時、天井のシーリングファンが落ちてきて

俺は真奈美を抱えて間一髪避ける。

 

「‥‥別によかったのに。」

 

「え?」

 

真奈美がそう言って思わず声を漏らす俺。

 

「この家がなくなるんなら‥私なんてもう‥!」

 

死んだほうがマシってか?

俺は真奈美の、肩を掴み向き合う。

 

「バカなこと言うな!

‥‥アンタの希望は、俺が守る!」

 

俺はそう言って真奈美を後にし、

ドライバーオンリングをベルトにかざす。

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

そして俺は左手にウォーターリングを付け

ベルトから変わったウィザードライバーの

シフトレバーを上下に動かした。

 

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン‼︎

 

シャバドゥビタッチヘンシーン‼︎》

 

 

待機音声がなり、俺はウォーターリングの

バイザーを下げ、魔法の言葉を言いながら

ドライバーにかざす。

 

「変身っ。」

 

《ウォーター!・プリーズ

 

スイ〜スイ〜スイ〜スイ〜スイ〜》

 

頭上に掲げた手の先から水の魔法陣が現れ

俺の身体を下へと通り抜ける。

俺は仮面ライダーウィザード

ウォータースタイルへと姿を変えた。

 

「はぁぁあぁっ‥」

 

気合いを入れ

ウィザードは身体全体に水を纏い始める。

 

「ハッ!」

 

そして溜めた大量の水を渦のように放出し

炎上している炎へ降り注ぐ。

 

「きゃっ⁉︎」

 

「な、なんです⁉︎」

 

辺りの真奈美やノームも巻き込み

一瞬で燃えていた家は鎮火し、

真奈美も家もびしょ濡れだった。

ちょいやりすぎたかな‥

 

 

 

「あれ⁉︎火がきえちゃった⁉︎」

 

「バイクがある!きっと

先輩が消したんだにゃ!」

 

「あの人、本当なんでもできるわね。」

 

 

 

外からそんな声が聞こえ

真奈美を家の外に連れて行ったウィザード。

 

「あ、先輩!それと川崎さん!」

 

外にいた凛達に軽く挨拶してウィザードは

真奈美に言った。

 

「俺が言いたいのは、過去ばかり見てないで、

今を捨てるなってこと。」

 

「‥‥今を‥捨てない‥こと‥」

 

 

「指輪の魔法使いっ‼︎」

 

その先を見ると先ほど水で吹き飛ばした

ノームがこちらに近寄ってくる。

 

「ファントム⁉︎」

 

「どこまで私の邪魔をするきですか⁉︎」

 

一年生達が身構えノームはかなりご立腹だった。

そしてウィザードは立ち上がり、

 

 

「どこまでも、だ。3人とも、真奈美さんを頼む。

‥さぁ、ショータイムだ!」

 

そう言って3人は頷き、ウィザードは

ノームへと駆け出した。

 

「‥彼は一体‥。」

 

真奈美震えながらそう呟くと真姫が答えた。

 

「‥‥ちょっと変わった

私達の希望よ。」

 

そう言って真姫はウィザードの姿を見つめた。

 

 

 

「ハァッ!」

 

少し広い空き地に移動したウィザードとノーム。

空中へ跳躍しウィザーソードガン銃モードで

コントラクトリガーを引いて連発するウィザード。

それを喰らい転がるノーム。

その隙に剣モードに変えてノームへと走り出す。

 

「今度こそケリをつけようぜ!」

 

「ぐっ!つけて差し上げましょう!」

 

ノームも槍を取り出しウィザードに迎え討つ。

 

「さすがに俺も!お前の攻撃パターンは

見慣れたぜ!っはあ!」

 

剣撃を入れていくウィザードに

ノームは耐え切れず吹き飛ぶ。

 

「ぐふっ‥ならば!」

 

するとノームは身体を回転さけ

地面の中へと潜り込んだ。

 

「なっ⁉︎また地中にもぐったのか!」

 

地面を警戒するウィザード。

 

「ハァッ!」

 

「ぐあっ⁉︎」

 

すると背後からノームが出てきて槍で背中を

斬りつけてきた。

ウィザードは振り向くもまた地面に潜ったのか

そこにはいなかった。

そしてまた背後から攻撃してくるノーム。

その攻撃を何度も繰り返してくる。

 

「にゃ⁉︎卑怯にゃ!」

 

「ど、どうしよう⁉︎

晴希さんが負けちゃう!」

 

「晴希先輩!負けたらことり先輩のおやつよ!」

 

「ちょ⁉︎それだけは勘弁 ぐわっ⁉︎」

 

気を取られているとまた地面から攻撃してくるノーム。

遠くから凛、花陽、真姫の順番で苦戦する

ウィザードの様子を眺めていた。

 

「くっそ‥地面の下から俺の場所が分かるのかよ‥」

 

「貴方の匂いはしっかり覚えました‥」

 

などと地面から声が聞こえてくる、

 

「鼻がきくのか、‥ならあれが使えるんじゃないか?」

 

ウィザードは今朝置かれていた新作リング

〝スメルリング〟とランドリングを取り出した。

ランドリングを左手に付け、シフトレバーを

上下に動かし ランドリングをかざした。

 

《ランド!プリーズ

 

ドッドッ ドドドン・ドン ドッドッドン‼︎》

 

音声とともに左手を下に振りかざすと

無数の岩と共に魔法陣が現れ

ウィザードの身体を通り抜ける。

そしてウィザードはウォータースタイルから

ランドスタイルへと姿を変える。

 

変えたと同時にウィザードは右手に

ビッグリングを付け、ドライバーの

シフトレバーを上下に動かしかざした。

 

《ビッグ・プリーズ》

 

頭上に少し小さめの魔法陣が現れ

そこに手を入れるとウィザードの右手は

巨大な腕となった。

 

「そらよっ‼︎」

 

ウィザードは巨大な腕を地面に叩きつけると

地響きとともにノームが飛び出してきた。

そして飛び出したノームを巨大な腕で叩き

吹き飛ばす。

 

「ぐっあ‥‥⁉︎」

 

「モグラ叩きは得意のさ。」

 

転げ回るノームにそう言って近づくウィザード。

そして無理矢理押さえつけてノームの指に

スメルリングを付ける。

 

「な、何をするのです⁉︎」

 

「まぁいいからいいから。」

 

そしてドライバーのシフトレバーを上下に動かし

ノームの手に付けたスメルリングをかざした。

 

《スメル・プリーズ》

 

音声とともにウィザードはすぐさま

ノームから離れる。

 

「な、なんですか⁉︎‥‥うっ⁉︎」

 

 

起き上がるノームの真正面から魔法陣が現れ

ノームの身体を通り抜ける。すると

モワッと汚い色をした煙が出てきて‥。

 

「なんという強烈な臭いー⁉︎

私の敏感な鼻がぁぁあっ⁉︎」

 

「ぐっふ‥臭っ!」

 

「く、くさいにゃー⁉︎」

 

「ふぇえっ⁉︎だ、誰か助け‥」

 

「ゔ‥‥こんなに離れてるのに

なにこの臭いっ。」

 

ノームは悶え苦しみ、ウィザードはとどいていないが

ウィザードローブで鼻を塞ぎ、凛達は鼻をつまんでいた。

 

使ったのはスメルリング。

言うまでもないが強烈な匂いを

リングをはめた人物から発散させる。

今朝家の置き手紙とともに置いてあったのだ。

 

(いい忘れとったが新しい転生者が来たんじゃ。

暴れ者じゃが仲良くしてやってくれぃ。

あ、新作も置いておくぞ。使うには十分注意じゃ☆)

 

などと書いてあったがそんなことできるとは思えず、

その手紙に腹が立ち

その場でスメルリングを試してみた。

強烈な匂いで俺は意識を失いかけ

隣の人から苦情がきたんだよな‥。

 

「ぐっ⁉︎これ以上戦ってなどいられるかぁ‼︎」

 

指輪を外そうとしながらノームはそう言うと

地中に潜り、逃亡しようとしていた。

 

「それは同感。さぁ、フィナーレだ!」

 

ウィザードがそう言うと右手に

キックストライクリングを付け

シフトレバーを上下に動かし、かざした。

 

《チョーイイネ‼︎

 

キックストライク‼︎

 

サイコーッ‼︎》

 

 

「はぁぁあぁっ‥」

 

そしてウィザードの右足に小さな岩が

足の周りを回転しながら大地のエネルギーが

集まっていった。

そして走りだし、華麗に側転、バク転を

決めて飛び上がり

ウィザードの必殺技

〝ストライクウィザード〟を放つ。

 

が、このままだと地面に直撃するだけなので

ウィザードは右手にドリルリングを付け替えて

ドライバーのシフトレバーを上下に動かし、かざした。

 

《ドリル・プリーズ》

 

するとウィザードの身体は高速回転し

ドリルのような形で地中に潜り込んだ。

 

 

 

「でぇやぁぁぁああああっ‼︎‼︎」

 

「なに⁉︎ぐあぁああああっっっ‼︎‼︎」

 

 

地中を掘り進んでいたノームに直撃し

その凄まじいダメージに耐え切れず地中で

爆散した。

その爆発とともに地中から飛び出し

ウィザードは地面に着地する。

 

「やったにゃー!」

 

「凄いです!さすが先輩っ!」

 

「今回も無事終わったみたいね。」

 

凛達はファントムを倒して喜びながら

ウィザードに近づく、

 

 

が。

 

 

「来るなっ!」

 

「「「⁉︎」」」

 

突然ウィザードは叫び凛達の足が止まる。

それにどうしてかウィザードは

戦いが終わったのに変身を解いていなかった。

すると、ウィザードが見つめる先に1人の少年が

近づいてきた。

 

「あ、あれ?あの人‥。」

 

「昨日の朝神田明神にいた怖い人にゃ‥。」

 

「なんでこんなところに‥?」

 

しまった、1年のメンバーには

2人目の魔法使いの事話してなかった‥。

などと思いながらウィザードは

ウィザーソードガンを取り出して

剣モードで構える。

 

「少しは強くなったか?それより

お前、つまんねーことをしてくれたな。」

 

「‥どうゆうことだ?」

 

ウィザードが構えると

少年は喋りながら

ドライバーオンリングをベルトにかざす。

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

ベルトがウィザードライバーに変わり、

少年は左手に紫の変身リングを付ける。

どうやらベルトはウィザードのと

同じ物のようだ。

 

 

「あのまま放っておけば、

ゲートは絶望してたのによ。」

 

「‥⁉︎お前‥!」

 

そう言って少年はドライバーのシフトレバーを

上下に動かした。

 

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン‼︎

 

シャバドゥビタッチヘンシーン‼︎

 

シャバドゥビタッチヘンシーン‼︎》

 

 

「えっ⁉︎このリズムって⁉︎」

 

「あ、あの人も先輩と同じ魔法使い⁉︎」

 

「ど、どういうことよ⁉︎」

 

三者三様に驚きながら少年は紫の変身リングの

バイザーを下げて、顔を引き裂くように横に振り、

ドライバーにかざす。

 

魔法の言葉をいいながら。

 

 

 

 

「変身!」

 

 

 

 

《ダークネス!・プリーズ

 

アク アク・アクアクアーク‼︎》

 

 

少し強気の声と音声とともに勢いよく

両手を小さく広げた。

そして真正面に魔法陣が浮かび上がり

少年の身体を通り抜ける。

そして少年は

〝仮面ライダーダークウィザード〟へと

姿を変えた。

 

「っ‥‥!」

 

ウィザードはその変身が少しかっこいいと

思いながら警戒態勢をとる。

 

「さぁて‥、行くぜぇえ‼︎」

 

ダークウィザードは走りだし

ウィザードに殴りかかる。

ウィザードはそれを交わし、

ウィザーソードガンを素早く懐に

斬りつけた。

 

「おっと!やるねぇ!」

 

「おい!さっき言ってたゲートを

放っておくってどうゆうことだ⁉︎」

 

「だってよぉ、そこら辺の

ファントムは弱いんだぜ?

だけど人のゲートの中にいる

ファントムは巨大でかなり強い!

やりがいはあるしそいつを倒せば

ゲートも元通りになる。一石二鳥じゃねえかっ。

このやり方の方か面白いだろ?」

 

「おまっ!ふざけるな!そんなことしたら

人は絶望したままだろ!

お前は世界を守る為に

ライダーになったんじゃないのか⁉︎」

 

「世界?そんなんどーでもいいわ。

それに助かったんだからいいじゃねえかっ。

絶望するようなものを持ってんのが悪いんだよ。」

 

ダークウィザードは喋り終わると右手に

コネクトリングをつけてベルトにかざした。

 

《コネクト・プリーズ》

 

ダークウィザードは横に現れた魔法陣から

ウィザーソードガンを取り出し、

ハンドスプリングを開いた。

 

《キャモナスラッシュ‼︎

シェイクハンズ‼︎

 

キャモナスラッシュ‼︎

シェイクハンズ‼︎》

 

待機音声が流れる中、今度は

コピーリングをつけ、ウィザーソードガンの

ハンドオーサーにかざした。

 

《コピー・プリーズ》

 

するとまた魔法陣が現れ、

そこから取り出したのはウィザーソードガンだった。

つまりダークウィザードがもつ武器は2つ。

 

「なっ⁉︎そんなことできるのか⁉︎」

 

「勉強不足だなぁ!ほら行くぜぇ‼︎」

 

二刀流になったダークウィザードは

走りだして斬りつけてきた。

 

「ぐあぁっ⁉︎」

 

「先輩っ‼︎」

 

「どうして⁉︎あの人も

魔法使いなら味方じゃないの⁉︎」

 

花陽と凛が叫ぶも届いておらず、

ダークウィザードは荒々しい攻撃で

ウィザードを斬りつけていく。

そして喰らい続けついに変身が解かれた。

 

「ぐあっがはっ⁉︎」

 

「「「春希先輩っ‼︎」」」

 

「おいおいおいおい!なんだもーおしまいかよ⁉︎

つまんなすぎるなぁ⁉︎」

 

やっぱりこいつ‥強い!

ランドスタイルだったウィザードは

4スタイルの中で一番の力を持つはずなのに

それですら敵わなかったウィザード。

身体を押さえながら俺は

ゆっくり歩いてくる

ダークウィザードを睨んだその時、

 

 

「ダメぇっっっ!!!」

 

俺の目の前に花陽が両手を

広げて立ち塞がった。

 

「かよちん!!」

 

「花陽っ‼︎」

 

「なっ⁉︎逃げろ花陽‼︎」

 

3人は叫ぶが花陽は動こうとしない。

いや、動けないでいた。

自分でもなんで飛び出したのか

分からないのだろう。

花陽の足はガチガチに震えていた。

 

「ま、魔法使いは‥!いい人たちです!

それと、先輩から聞いたんですが、

仮面ライダーは正義の味方です!

なんで貴方は先輩を襲うのですか⁉︎

もうやめてくださいっ!

これ以上襲うなら私が、代わりになります!」

 

声が震えながら花陽はダークウィザードに

向けて叫んだ。

 

「バカヤロウ!早くどけぇ!」

 

「‥‥‥。」

 

俺の声は届かずダークウィザードは

無言で花陽にウィザーソードガンを突きつけた。

そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

「‥ちっ、興が冷めた。」

 

「えっ?」

 

ダークウィザードは武器を降ろし、

その場から跳躍し、姿を消した。

無事を確認した花陽はその場に倒れこむ。

 

「かよちん!先輩!」

 

「大丈夫⁉︎」

 

「あぁ、俺はなんとか‥

それより花陽。」

 

怒られると思って花陽は目を瞑る、が。

 

「‥無茶しすぎだ。

でもありがとな、おかげで助かった。」

 

「‥せ、先輩が無事でよかったです。」

 

俺はそう言って花陽の頭を撫でると

花陽は嬉しそうに笑顔でそういった。

 

「先輩っ。あの魔法使い‥

敵なんですか?」

 

「敵に決まってるにゃ!先輩をこんなに

いたぶって!次あったら凛がとっちめてやるにゃ!」

 

「やめときなさい、晴希先輩を

こんなにボロボロにさせた相手よ?

敵うわけないじゃない」

 

真姫がそう言うと凛はなにー⁉︎と反抗していた。

そのやり取りに先ほどまで危なかったはずなのに

思わず笑ってしまう俺。

だけど俺は魔力があるのに初めて負けた。

かなり強い強敵だった。

これからもあんなやり方で

ゲートを助けるつもりだろう。

俺は自分の弱さに向き合いながら

そう思った。

 

 

もっと強くなろう、もっと力があれば‥

 

そう思って痛む身体を起こして

真奈美の所へ向かった俺たちだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

ノームとウィザードが戦っていた作業場にて。

 

 

 

いきなりスチール缶が飛んできた。

どうやらフェニックスが蹴り飛ばしたようだ。

 

 

「ノームがしくじったようね‥」

 

「まどろっこしいことしてっからだ‼︎

ウァア‼︎ストレス溜まるぜ‼︎」

 

メデューサがそう言うとかなり

キレているフェニックスが叫び

怪人態となり

咆哮を上げた。

 

フェニックスのストレスは限界に近いのだろう。

そろそろやばいかとメデューサは

フェニックスを見つめそう思ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、仮面ライダーウィザード

 

 

「よし!そうと分かれば修行だ!」

 

晴希は強くなる為に修行することに

その先は神田明神⁉︎

 

「晴希殿!まだまだ修行が足りぬでござるぞ!」

 

晴希の修行を見届けるお坊さん、この人は‥?

 

「スピリチュアルパワー全開やねっ。」

「これが実力の、ウチってやつっすよ!」

 

希に言われる晴希。

 

「あ、あのー。これやばいんじゃ‥。」

 

修行していた晴希一行に立ち塞がる影。

その正体とは‥。

 

 

第10話 修行でショータイム!




はい書いたぜ!
圧倒的な強さを誇るダークウィザード。
初めて負けた晴希は勝つために修行!

え?真奈美さん?次回の最初にてあの後どうなったか
知らせます。原作見ればわかる人もいると思いますが
( ゚д゚)

評価、感想などがあれば是非お願いします!(^^)

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