ラブウィザード! 〜希望の柱〜   作:しょくんだよ

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晴希「最近作者さんて毎日投稿してくれてるよな」
ことり「なんか書くのすごい楽しいみたいなんだって☆」
海未「でもあまり寝てないそうですよ‥」
晴希「おぉー、体大事にしろよ作者さんよ」

へっへ、心配すんな〜‥
俺は書くぜぇ( ゚д゚)
晴希「‥‥ほどほどにな。」


第7話 歌姫とコンクール

「ピアノを弾けなくするんでしょ⁉︎

だったら早くしなさいよ!」

 

 

「バ、バカヤロ!!何考えてるんだ⁉︎」

 

魔力が切れた俺、操真晴希は力がでない体で

必死に声を荒げる。

 

「西木野さんっ!」

 

「何してるんですか⁉︎」

 

「ダメだよ西木野さんっ!」

 

高坂穂乃果、園田海未、南ことりも

俺を心配しながらケットシーに

自ら腕を切ってほしいと志願する

西木野真姫。

 

同じ1年生の小泉花陽も星空凛も

その行動に唖然としていた。

それと同時に

 

 

「ドウユウコト?

イヤイヤ、ソウジャナイデショ⁉︎

ゼツボウダロ⁉︎イヤダー、タスケテートカ、

イウノガフツーデショ⁉︎

オイ!コイツナニカンガエテンダヨ!」

 

「俺らに聞くなっ!」

 

ケットシーも困ってるようだ。

そりゃそうだろう、ファントムを生み出すには

その人の心を絶望しなければ生まれない。

ピアノを弾けなくすれば絶望すると思ってたのに

今は手を自ら差し出してお願いしているんだから

ファントムもあぁなるよな‥。

 

「モォ!ヤメダヤメダ!」

 

そう言ってケットシーは木から木へ飛び移るように

その場から姿を消した。

 

「た、助かったぁ‥‥」

 

「晴希君、大丈夫?」

 

「晴希、どうして変身が解けたんですか?」

 

「あぁ、‥すまない、魔力が切れたんだ。

昨日あまり寝てなくて魔力が

回復しきれてなかったみたいだ‥

驚かせて本当にごめん。」

 

本当のこと言ったぞ。

でもやっぱ後で正直に言って謝っておこう。

 

「みんな無事だったから平気だよ!」

 

「あ、あぁ‥だけど西木野が‥」

 

 

 

パアァン‥

 

 

 

突然の頬を叩く(いい音)にμ's2年と俺は

音のした方角を見る。

そこには真姫に駆けつけてた凛が真姫を

手の平を真姫の頬にビンタしたのだ。

 

「り、凛ちゃんっ。」

 

突然の凛の行動に戸惑う花陽、そして。

 

「自分が‥自分が何したのか分かってるの⁉︎」

 

凛は激怒していた。

真姫は頬を手で抑えながら、

ビンタされたことをだんだん理解しながら、

凛を見る。

 

「手なんか切ったら、この先

何も出来なくなるんだよ⁉︎

一生ラーメンとか誰かに食べてもらう

事になるんだよ⁉︎」

 

‥その例えはおかしいだろう。

 

「し、仕方ないでしょっ!あぁでもしないと

皆襲われたかもしれないのよ⁉︎」

 

「‥西木野。本当にそんな理由か?」

 

俺はフラフラになりながらも立ち上がり、

穂乃果、海未、ことりは支えてくれる。

嬉しいぜ‥ってそうじゃなくて。

 

「お前、ファントムにわざと

襲われて欲しかったんだろ?」

 

「っ!」

 

「えっ⁉︎」

 

「どうして⁉︎」

 

「‥‥っ。」

 

皆が驚く中、真姫は俯く。

 

「ファントムに襲われれば

コンクールに出なくてすむ‥

そう考えてただろう?

どうしてそんなこと考えた?」

 

「‥ほ、本当なの?西木野さん‥。」

 

花陽はおそるおそる真姫に聞いてみた。

そして真姫の口が開く。

 

「‥えぇ、その通りよ。

今の私は優勝なんて絶対無理。

だったら手を失って、ピアノを弾けなくすれば

よっぽど諦めがつくからっ‥」

 

「ふざけんな。」

 

俺は喋り途中の真姫に静かに怒った。

支えていたことりはビクッと肩を震わせていた。

 

「晴希君‥?」

 

「手を失えばそれこそやりたい事が

できなくなる。自分の運命を誰かに

委ねるなんて、そんな事を頼む奴は

ここの馬鹿以上の大馬鹿野郎だ!」

 

ちらりと穂乃果に目線を向けながら俺は言った。

俺の肩に手を置いてた穂乃果は

さりげなく馬鹿にされた?と海未に

聞いていたが、俺は会話を続けた。

 

「優勝なんて絶対無理とかそれは

自分が思ってるだけだろう。」

 

「‥っ、貴方に何がわかるの⁉︎」

「わかる」

 

「‥え?」

 

俺は間入れず真姫の言葉に反応する。

 

「お前の歌とピアノはここにいる

俺たちが一番知っている。

そして1人で背追い込もうとするな。

お前にはもう、友達と呼べる俺たちが

いるんだ。だから俺たちを頼れ。」

 

意識が朦朧とする俺は

膝を抓りながら意識を保って

真姫に言った。

 

 

「‥友達‥‥」

 

 

「ダメだよ晴希君!

穂乃果が言いたいこと

ほとんど言っちゃってるじゃん!」

 

「そうだよー!先輩のばかっ!」

 

「うるせっ。」

 

穂乃果と凛は俺にあたってくる中、

海未とことりは真姫に近づく。

 

「貴方の音楽は決して

ダメなんかじゃありませんよ」

 

「作曲してくれた曲もすごく良かったんだよ☆

ランクも上がってきてるし☆」

 

 

ことりの言う通り、スクールアイドルのサイトに

μ'sとしてファーストライブを

誰かが撮ってくれたのか投稿されていた。

最下位だったランクのμ'sは、

徐々に上がっていってるのだ。

 

「西木野さんっ、私も西木野さんの歌、

大好きなの。私たちは、

操真さんみたいな力はないけど‥

西木野さんを支える力はあると、思うから。

諦めちゃダメだよ?」

 

「凛たちがお父さんにガツンと言ってやるにゃ!」

花陽と凛も真姫の手を握りながら

笑顔で真姫に言った。

 

「‥‥‥‥み‥みんな‥

もう、意味わかんない‥」

 

「あー!西木野さん泣いてるにゃ!」

 

「な、泣いてなんかいないわよ!」

 

皆に囲まれて涙を浮かばせる真姫。

そろそろ限界だな‥。

 

「‥‥西木野‥今の気持ちを

コンクールにぶつけろ‥

俺たちが見守ってやるから‥」

 

 

 

「晴希君‥?」

 

「わり、穂乃果、少し‥寝るわ‥」

 

 

そう言って俺の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

電車が通る橋の下、

フェニックスはフルーツジュースを飲んでいた。

 

「やっぱ味わかんねぇー‥

人間のフリすんのも慣れねぇなー」

 

そう言ってフルーツジュースを置く

フェニックス。

どうやらファントムは味の味覚がないようだ。

するとそこへ同じ幹部ファントムの

メデューサが姿を現わす。

 

「お、どうだったケットシーは?」

 

「‥‥さぁ?」

 

メデューサの言葉に少しずっこけるフェニックス。

 

「さぁて‥サボってねぇか見に行ったんじゃ

ねぇのか⁉︎」

 

「他のファントムたちの様子を見に行ってたの。

‥‥そのサボりが帰ってきたわよ。」

 

メデューサの言葉にフェニックスが

振り向くとケットシーがフラフラと

メデューサたちの所へ戻ってきた。

 

「アーモォ、チョーメンドインスケド‥

メデューササマー、マホウツカイノ

マワリノレンチュウミンナゲートナンスカ?」

 

そう言いながら

ドラム缶が重なる上に横たわるケットシー。

 

「‥そうね。あの子達が通うあの学校は

ゲートを持つ人間が多いわ。」

 

「まじか⁉︎だったら学校ごとやっちまおうぜ‼︎」

 

座っていたフェニックスは飛び上がり

メデューサの横へ着地した。

 

「ダメよ、貴方は絶望させるどころか

すぐ人を殺すでしょ。」

 

メデューサにそう言われ

不満そうに舌打ちをする

フェニックス。

 

「アノー‥コンドコソホンキデ

オリテイイスカネェ?」

 

ケットシーが手をあげると

フェニックスはストレスをぶつけるかの

ようにケットシーが座るドラム缶を

蹴り上げた。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「‥ん‥‥ここは‥?」

 

 

見慣れない天井。

ありゃ、すごい甘い匂いがする‥

周りを見回すと見た事ある部屋に

徐々に意識がはっきりとして‥

 

 

「あぁ、穂乃果の部屋か‥‥

‥‥えぇ⁉︎なんでっ⁉︎」

 

 

「あ!晴希君!よかった!気がついたんだね!」

 

俺がびっくりしていると穂乃果が

お茶とお饅頭を持ってきた。

 

「穂乃果、俺‥なんでここに?」

 

「覚えてないの?

あの後晴希君倒れて

すごく心配したんだからね!」

 

あ、そっか。魔力が切れて

倒れたんだっけ‥。

そう思い俺はベッドから出ようとした。

 

「ダメだよ晴希君!まだ寝とかないと!」

 

「も、もう大丈夫だからっ。」

 

時刻は午後2時。

確かコンクールは5時からだったかな‥。

それにここから出させてください。

女の子のベッドで寝るなんて

人生で一度も経験したことがありません。

 

なんとか脱出した俺はテーブルに置いてある

饅頭をいただくことにした。

 

「そういえば皆は?」

 

「今日のコンクールの為にちゃんとした

服を着て行くって家に帰っちゃった!

だから現地集合なんだ!」

 

あーなるほど。

てゆかどーやって俺を

ここまで運んだんだろう。。

まぁ余計な事は考えず俺は伸びをした。

 

「もう大丈夫なの?」

 

「ん?あぁそれなりに魔力は戻ったさ。

あとはご飯食べれば完全復活するだろ。」

 

そう言うと俺のお腹が返事をするかのように

ぐぅ〜と鳴った。

 

「め、めんぼくない‥」

 

「あははっ。お腹減ってるの?

じゃあ穂乃果が何か作ってこようか⁉︎」

 

「えっ?穂乃果が?」

 

マジで?女の子の手料理?

それはかなり嬉しいぞ。

いやでも申し訳ない。

 

「いや、大丈夫だよ。

適当に食べて来るから‥」

 

「ダメだよ!‥もしかして晴希君、

私の作る料理‥ダメかな‥‥?」

 

「いえ、むしろお願い致します。」

 

ぐっ‥しまった、本音が。

 

「本当?よかったっ!

何かリクエストはある?」

 

なんでもいいよと俺が言うと

了解して穂乃果は部屋からでて

「部屋いじっちゃダメだよ?」

と言って下に降りていった。

そんなことしたら多分

海未に殺されてしまうだろう。

 

そう言って俺は熱いお茶を

ジジ臭く飲んだ。

 

 

 

 

『雪穂ーっ!塩ってこれかなー⁉︎』

 

『お姉ちゃん!それ砂糖っ‼︎』

 

『うわわわっ⁉︎どーしよー⁉︎』

 

 

 

 

 

「‥‥。」

 

うん、聞かなかったことにしよう。

 

 

 

 

 

 

「好かれているようじゃのぉ。」

 

 

「はいーびっくりしたー。」

 

背後から出てきた神様にそこそこ

びっくりした俺。

てゆうか‥

 

「ちょ、神様、ここ人の家ですよ。

その姿見られたらどーするんですかっ。」

 

小声で話す俺。こんな白服でフヨフヨ浮いている

爺さんを見たら穂乃果はびっくりするだろう。

 

「大丈夫じゃ、他の人からわしの姿は見えん。

側からしてみればお前が

独り言をしているみたいなもんじゃ」

 

それはそれでめっちゃまずい。

もし聞かれたら電話してた設定でいこう。

 

「‥で、どうしたんですか?

新しい指輪でもできたんですか?

それと暇人なんですか?」

 

神という存在のくせに

結構頻繁に顔をだしてくる神様。

 

「暇人とは失礼じゃのう。

大丈夫じゃ。仕事は

天使の奴らに任せとるからのぉ。」

 

神らしからぬ発言にため息をつく俺。

そして神様は2つの指輪を差し出した。

それは〝コピーリング〟と

〝バインドリング〟だった。

 

だが、

 

 

 

「これは‥どんな魔法を使えるんですか?」

 

「ん?自身の分身を作り出す魔法と

相手を拘束する魔法じゃよ。忘れとるのか?」

 

神様の言葉に俺はふーんと指輪を見つめ、

あることを思い出す。

 

「そうだ神様!この世界に来てからか

だんだんウィザードの記憶が薄れていくんだ。

どうしてっすかっ?もうほとんど覚えてないんですよ‥」

 

ラブライブの世界に来てまだ数週間、

こちらの世界にはだいぶ慣れたのだが

何故か原作のウィザードのストーリーが

曖昧になっていた。

 

「なぬ?‥もしかしたら転生する時に

一部の記憶が飛んでしまったのかもしれん‥」

 

「え⁉︎マジですか⁉︎じゃあこの先の出来事が

分からないじゃないですかっ」

 

困ったなと俯く俺。

そうなったら不安だらけだ。

いつどこでファントムが人を襲うか分からない。

この周辺だけは使い魔を見張らせて

知らせてくれているが。

 

「ま、その方が面白いじゃろ☆

じゃ、あとは頑張るんじゃぞ。」

 

面白くねえだろ⁉︎と顔をあげるが

もう神様の姿はどこにもなかった。

俺はもう一度溜め息を吐き、

その場に座り込んだ。

 

 

 

 

 

そのあとに穂乃果が

オムライスを作ってくれたのだが

コゲてたりお肉が生焼きだったりと

(あとスゲェ甘かった)

食べづらかったが

せっかく作ってくれた手料理。

俺は文句を言わず全部食べてやったぜ。

それを隣で満足そうに見ていた

穂乃果の為にな。

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

「そういえば‥伝えわすれてたのぉ‥」

 

晴希に合って来た神様はふと思い出す。

 

 

 

 

 

 

「新しい奴が転生してきた事を‥まぁいいじゃろ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

 

 

とあるマンションの屋上にて。

 

 

 

「カァー、モォー ダリィ〜ナァ〜

ココナラヒトイキツケルカナァ〜?」

 

ケットシーはゲートを襲うの面倒くさがり、

メデューサ達がいなさそうな場所で

サボろうとしていた。

寝転がったケットシーは猫の様に

顔を手でこすっていると。

 

「寝心地はどおだぁ?」

 

「ソリャモウサイコウ‥エッ⁉︎」

 

声のした方角を振り向くと

そこにはメデューサとフェニックスが

ケットシーを見ていた。

 

「ゲートを絶望させるんじゃなかったの?」

 

「またサボりか?あ?」

 

あの後ケットシーはしぶしぶ

ゲートの所へ向かおうとしたが

どうせまたウィザードが来る、

そう思って行くのをやめ、

サボろうとしたのだが

すぐに見つかってしまったみたいだ。

 

「ア、イヤァ‥ハハハハ‥

ウワァァァッ!」

 

ケットシーは笑って誤魔化すと

その場から逃げ出す。

 

「ふん‥」

 

メデューサは怪物態に姿を変え、

蛇の髪の毛を無数に伸ばし、

ケットシーを拘束する。

 

「ウワッ⁉︎チョ、オチル‼︎オチマスッテ⁉︎」

 

メデューサは拘束したケットシーを

ビルの下へ落とそうとする。

その光景をフェニックスは爆笑している。

 

「新たなファントムを生み出すことが

ワイズマンの意思、

‥‥無視するファントムは必要、ない。」

 

命乞いをするケットシーを放り投げ、

壁に激突する。助かったと息を吐くケットシーに

フェニックスはまだ笑っていた。

 

「ケットシー!あんまりこいつを

怒らせんなよ、マジでやべーんだからっ。」

 

そう言ってフェニックスはケットシーに近づく。

 

「スンマセンッス!ホントゴメンナサイ

スンマセンッスッ‼︎」

 

メデューサ達に恐怖を覚えたのか隅で

謝るケットシー。

 

「ほら、手ェ出せ。」

 

フェニックスに言われる通り

おそるおそる手を出す。

するとフェニックスは

グールを召喚できる魔法石をいくつか

ケットシーにあげた。

 

「グールを使わせてやる。

圧倒的な恐怖で、ゲートを

絶望の淵へ静めろ。いいな?」

 

受け取ったケットシーは

すぐにゲートの元へ向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

「あ、穂乃果ちゃんっ、」

 

「穂乃果先輩っ。」

 

「センパーイっ!」

 

「遅刻ですよ穂乃果。」

 

先に到着していたことり、花陽、凛

海未と合流する穂乃果。

 

「まだ始まってないから遅刻じゃないよ!」

 

「いけません、普段からそんな気持ちですから

毎日寝坊などをするんですよ⁉︎

そもそも穂乃果はいつも、、、」

 

「うわーん!誰か助けて〜!」

 

「ちょっと待ってて〜♪

って、それ私のセリフです!」

 

説教が始まる海未に穂乃果は叫ぶ。

今いる場所は秋葉原で、音楽堂とかいてある

とある会場だ。

 

入り口では

〝第23回 秋葉原音楽堂 ピアノコンクール 〟と

書かれていた看板が立てかけており、

それに見に来たお客さんも数多く集まっていた。

 

「西木野さんがどんな曲を演奏するのかな〜っ!

やっぱり START:DASH‼︎ ?」

 

「穂乃果ちゃん、さすがにこんな所で

それ弾いたらまずいと思う‥。」

 

「えぇー!?いいと思うんだけどな〜‥」

 

「穂乃果、一度音楽について

1から勉強する必要がありますね。」

 

「なんで⁉︎さっきから海未ちゃん!

穂乃果をいじめてひどいよ⁉︎

2人もなにか言ってあげてよ!」

 

「後輩に助けを求めないでくださいっ。

それでも先輩ですか⁉︎」

 

怒られる穂乃果は凛と花陽に助けを求めるが

2人は苦笑をしてその場を眺めていた。

 

「そういえば、操真先輩は?」

 

先ほどから晴希の姿が見えない凛は

穂乃果に尋ねた。

 

「晴希君は1回家に帰ったよ!

なんか準備するみたいなんだってっ。」

 

穂乃果が言い終わると音楽堂からアナウンスが

聞こえてきた。

 

 

『まもなく、

第23回 秋葉原音楽堂 ピアノコンクール の

演奏が始まります。』

 

 

「うわわ⁉︎始まる始まる!」

 

「穂乃果が遅れるからですよ!」

 

「ピアノコンクール楽しみだねっ☆」

 

「凛も楽しみだにゃー!」

 

「凛ちゃん、寝ないようにね?」

 

それぞれが会話をしながら

5人は音楽堂の中へと入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

真姫Part

 

 

 

「ふぅ‥‥」

 

私はドレスコートに着替え控え室で

待機していた。

するとノックする音が聞こえ

ドアを開けると、

 

「セバス‥」

 

「旦那様からお嬢様の様子を見るように

言われました。‥これはこれは、

お美しい姿で、」

 

現れたのはセバスだった。

パパも心配性ね‥セバスが来たってことは‥

 

「ありがとう、パパも来たの?」

 

「はい、もう観客席に座っております。」

 

「そう‥」

 

私は落ち着いていた。

小泉さん達に応援されたおかげなのかな‥。

星空さんに思い切りぶたれたのは

痛かったしびっくりしたけど、あんなに

本気で怒られたのは初めてだった‥。

 

そして、操真先輩に言われたこと。

 

 

 

『お前にはもう、友達と呼べる俺たちが

いるんだ。だから俺たちを頼れ。』

 

 

 

友達‥。

すごく‥‥すごく嬉しかった。

今まで友達と呼べる人がろくにいなかった

私は本当の意味で初めて友達ができた気がしたから。

 

 

「‥どうやら迷いが消えたようですね。」

 

「え?」

 

ふと、セバスが私に声をかける。

 

「以前のお嬢様はこのコンクールに対して

不安そうなお顔をされておりました。

ですが今のお顔を見れば、

迷いが消えてどこか嬉しそうな顔をされております。」

 

「‥‥セバス、パパの意見に賛成じゃないの?」

 

「ご機嫌をとっているだけですよ。

旦那様も旦那様です。

お嬢様の願いに耳を傾けないのは

このセバスも黙っていられません。」

 

そんなことを考えていたのね‥。

嬉しいと言うか‥なんかこわいと言うか‥

 

「それではコンクール、頑張ってください。

僭越ながら私も旦那様と

観客席で見守っています。」

 

「セバス‥ありがとう。」

 

私はそう言ってセバスは控え室から出て行った。

それとすれ違うように係員が入ってきた。

 

「西木野さん、そろそろお支度を。」

 

「はい。」

 

もう迷わない、今のこの‥

音楽を続けたい気持ちを、

パパに見せつけるため、

 

 

私はそう思い椅子から立ち上がる。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー

 

 

 

 

男性のピアノの演奏が終わり

観客席から拍手が贈られる。

 

「ひゃー⁉︎あの人もすごく上手だよ〜!

ねぇことりちゃん!」

 

「うんっ、見惚れちゃった☆」

 

「素晴らしいです‥たまには

こうゆうのも悪くないですね。」

 

観客席の2階席で穂乃果たちは

次々と演奏していく

ピアノの演奏に感激していた。

 

『次は、西木野真姫の演奏。

ピアノ構想曲、第3番 第3楽章です。』

 

「あ!西木野さんだよ!」

 

「うわぁ!すごい綺麗っ!」

 

「よく似合ってますねっ。」

 

「凛ちゃんっ、凛ちゃんっ!

西木野さんの演奏だよっ!」

 

「ふにゃ〜〜‥‥にゃ?」

 

花陽は隣で寝ていた凛を起こした。

 

 

 

 

 

 

 

観客席から穂乃果たちが見える中

真姫はその下の席の男性と目が会う。

 

「(パパ‥)」

 

真姫の父、西木野慎二が隣のセバスとこちらを

見ていた。

 

 

「(見ててパパ‥これが私の

ショータイムよ)」

 

 

拍手に包まれる中、

真姫は観客にお辞儀をし、

ピアノの前に座り、曲を弾きはじめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

 

 

真姫が弾き始めた同時刻。

 

 

 

真姫がピアノを弾いてる中、

ケットシーは音楽堂の屋根の上で

足をブラブラさせながら

周辺の人たちを眺めていた。

 

「ハッハッハー、チャッチャト

カタヅケルカラナ〜!ホーイッ!」

 

ケットシーはグールの魔法石を

いくつか地面へ投げた。

するとそこからグールが湧き出て

人々はそれを見て悲鳴を上げ逃げ出す。

 

 

「ヨッシ!イクゼッ!」

 

そのグール達の先頭に着地し、

音楽堂の中へ乗り込もうとした。

 

 

「待ってたぜ、ファントムさん。」

 

そこで、ベンチでプレーンシュガーを食べる

俺こと晴希はケットシーを呼び止める。

 

「ンァ⁉︎マホウツカイィ〜!」

 

ケットシーはまた出たと唸りながら

周りのグールたちも俺の存在に

気付き、振り向く。

 

 

「せっかく西木野が弾く気になったんだ。

邪魔するのはやめてもらおうか?」

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

俺はドライバーオンリングをベルトにかざし

ベルトはウィザードライバーに変わる。

魔力なら完全復活したぜ。

 

そして俺はフレイムリングを左手に付け、

ドライバーのシフトレバーを

上下に動かす。

 

 

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン‼︎

 

シャバドゥビタッチヘンシーン‼︎

 

シャバドゥビタッチヘンシーン‼︎》

 

 

 

 

テンションの高い待機音声が流れ、

フレイムリングのバイザーを下げて

俺は魔法の言葉を言った。

 

「変身っ。」

 

軽く左手を顔の横に振り、

ドライバーにフレイムリングをかざす。

 

《フレイム!・プリーズ

 

ヒーヒー・ヒーヒーヒー‼︎》

 

 

左手を横に振りかざし、そこから魔法陣があらわれ、

俺の体を通っていく。

そして俺は仮面ライダーウィザードへと

姿を変える。

 

 

「ソラッ!ヤッチマエッ!」

 

ケットシーがそう言うと

グールたちは槍を構え

ウィザードに向けて走り出す。

 

 

 

「行くぞ、ショータイムだ。」

 

 

決めセリフを言ったウィザードも

迎えうつ。

 

中では真姫が演奏(戦い)、

外ではウィザードが戦いを繰り広げていた。

 

魔力が戻ったウィザードは

本調子でグールたちを次々と華麗な戦い方で

なぎ払っていった。

動く際に側転をしたり、

攻撃をバク転で交わしたりなど

ちょいと調子乗ってしまってはいるが。

 

残りの1体を蹴り上げケットシーの

前で倒れるグール。

 

「アァモォ!ゼンブイッチャエッ!」

 

ケットシーは残りの魔法石を取り出し

投げると再びグールが湧き出てくる。

さっきより多い数で。

 

そしてウィザードはさっきもらった

新しいリング

コピーリングを右手に付けた。

 

「新作だっ。まとめて片付けやる。」

 

 

《コピー・プリーズ》

 

ウィザードは

コピーリングをドライバーにかざす。

すると横の魔法陣からウィザードが

ひょいっと現れる。

 

「エッ⁉︎ウィザードガフタリ⁉︎」

 

「うぉーすげえっ!てか動き完全に一緒じゃん!」

 

ケットシーと俺も驚き

分身のウィザードは全く本物のウィザードと

同じ動きをする。

面白かったのかパントマイムみたいなことをしだす

ウィザード。

 

コピーリングは

分身体を作り出すことができ、分身したウィザードは

本物のウィザードと完全にシンクロした動きをする。

これは個別行動するのはできなさそうだな‥

 

ウィザードは続けてコピーリングを

ドライバーにかざす。

すると隣の分身も同じようにドライバーにかざす。

 

《コピー・プリーズ》

 

するとまた分身が増えるが今度は2体に増えた

コピーリングは使えば使うほどその倍に増える魔法だ。

その分魔力の減りもすごいが。

 

ウィザードはそのあと4回かざし、

合計8体に増えたウィザード。

 

 

 

「メッチャフエテルシ!?

マネスンナヨォ!」

 

 

 

「「「「お前は増えてないだろ」」」」

 

 

 

同時に喋り同時に動く。

かなりすごい光景だが、まぁ気にしない。

8体のウィザードは同時にコネクトリングを

付け、ドライバーにかざした。

 

 

 

《コネクト・プリーズ》

 

 

 

それぞれのベルトから音声が流れ

魔法陣が浮かび上がり

ウィザードはウィザーソードガンを

銃モードで取り出し、

 

 

 

「「「ハァッ‼︎」」」

 

グールに向けて一斉射撃をした。

弾幕の雨を浴びたグールはダメージに耐え切れず

その場で爆散した。

そしてウィザードの分身が消えて

1人になる。

 

「‥ッ‼︎オオオ⁉︎ンナノアリカヨ⁉︎」

 

「ありなんです。」

 

一瞬でグールたちを倒されご立腹なケットシー。

 

 

「後はお前だけだ。」

 

ウィザーソードガンを剣モードに

構えてケットシーに告げる。

 

「アァモォ‼︎オマエキライッ‼︎」

 

そう言ってウィザードとケットシーは

お互いに走り出す。

あとがないのかケットシーの動きは

いつもより大振りで、

それを隙にウィザーソードガンを

連続に斬りつける。

そして蹴りを入れ吹き飛ばす。

 

「グォオッ⁉︎

ソウカンタンニヤラレテタマルカ‼︎」

 

立ち上がったケットシーがそう言うと

建物から建物へと飛び移り逃走をはかった。

 

「やれやれ、また逃げ出す気か?」

 

ウィザードはそう言って

フレイムリングを外し、

代わりにハリケーンリングを付け

ドライバーのサイドを上下に動かし

ハリケーンリングをドライバーにかざした。

 

「飛べるのはお前だけじゃないんだよ。」

 

《ハリケーン!・プリーズ

 

フーフー!フーフーフーフー‼︎》

 

音声とともに左手を掲げると

頭上には風を纏った緑色の魔法陣が

浮かび上がりウィザードの体を下へと通る。

そしてウィザードはフレイムスタイルから

ハリケーンスタイルへと姿を変えた。

 

「‥‥ハァァァアッ‥」

 

ウィザードは

逃げるケットシーを確認して

身体に風が纏いはじめる。

そして纏った風に身を任せ、

ウィザードは跳躍し、飛んだ。

 

「‥‥ッ⁉︎‥エッ⁉︎」

 

建物をよじ登る足を止め

ケットシーは振り返ると

ウィザードが飛んできて

風の力をもったウィザーソードガンを

ケットシーに斬りつけた。

 

竜巻の如く回転しながら斬りつける

ウィザードの攻撃に耐え切れず

地面に落下するケットシー。

 

痛々しい傷跡を抑えながら

ケットシーはウィザードに向かって

飛び掛かる。

ウィザードも同じく風を纏って跳躍をし、

空中で互いの攻撃を相手に浴びせる。

 

「ふんっ!」

 

「グワア⁉︎」

 

が、ウィザードの方が圧倒的に勝っている。

何度かそのやり合いをした後

ケットシーは着地に失敗し転げ回る。

 

ウィザードは華麗に着地し、

ウィザーソードガンをクルクル回しながら

ケットシーに言った。

 

「今度こそフィナーレだ。」

 

《キャモナスラッシュ‼︎

シェイクハンズ‼︎

 

キャモナスラッシュ‼︎

シェイクハンズ‼︎》

 

 

ウィザードは

ハンドスプリングを開き、

待機音声が流れ、

ハリケーンリングを

ウィザーソードガンの

ハンドオーサーにかざす。

 

《ハリケーン!スラッシュストライク‼︎

 

フーフーフー・フーフーフー》

 

ウィザーソードガンに風のエネルギーが

渦を巻く様に纏い

ウィザードはケットシーに武器を構える

 

「ハァッ‼︎」

 

ウィザーソードガンをその場で振ると

風のエネルギーが巨大な竜巻となり

ケットシーを覆いその身体は

竜巻に飲み込まれ宙を舞う。

身動きが取れないケットシーに

ウィザードはもう一度斬撃を飛ばす。

 

「ハァァアアアッ‼︎‼︎」

 

 

「グアァァァァアッッッ‼︎‼︎」

 

風の力を纏うその斬撃はケットシーの

身体を真っ二つにし、その体は爆散した。

 

「ふぃ〜‥‥‥‥さてと」

 

ウィザードは一気に力を抜け

変身を解き、無事に終わった

コンクールの中から彼女達がでるのを待つことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

「あ!晴希君!」

 

中から観客達と紛れ、

穂乃果、海未、ことり、花陽、凛

そしてドレスコートを着た真姫が

出てきた。

 

「操真先輩‥」

 

「よっ、お疲れ‥」

 

「晴希君、ファントムは?」

 

真姫の姿に見惚れてしまった俺は

ことりの言葉に我にかえる。

 

「あぁファントムなら倒したぜ」

 

「‥‥いま西木野さんに見惚れてたでしょ?」

 

「ヴェエエ⁉︎」

 

早口になった俺に

穂乃果がジト目で俺を睨む。

真姫もそれに気付かず顔を赤くする。

 

「晴希っ‥ハ、ハレンチです!」

 

「だ、だって普段と違う格好なんだから

仕方‥いってぇ⁉︎星空、何すんだよ⁉︎」

 

 

「何でもないにゃ。」

 

若干痛いチョップを俺の頭にかまし、

なぜか不機嫌になる凛。

音楽堂の前でギャーギャー騒いでいると。

 

 

 

 

「‥賞は取れなかったみたいだな

‥‥真姫。」

 

その声に俺たちが振り向くと

メガネをかけたスーツ姿の若い男性が

となりの執事らしき男と一緒に出てきた

 

 

「ん?西木野?知り合い?」

 

「パパ‥」

 

 

「「「え‥‥えぇぇええぇ⁉︎⁉︎」」」

 

 

皆が驚く。

いやだって若い!若すぎる!

何処ぞのダンディイケメンなんだ⁉︎

西木野のつり目とかそっくりだわっ!

それに隣のおじさん!

え?何執事⁉︎

お金持ちかーい!

 

多分皆も思っていることは同じだろう。

俺は思っていると

真姫の父が皆に挨拶をする。

 

「失礼、娘の真姫がご迷惑をかけたね‥

さぁ、帰るぞ真姫。」

 

そう言って真姫の手を取る父、慎二。

どうやら今日のコンクールは

賞を取れなかったみたいだ。

 

「ちょっとパパッ‥」

 

「家庭教師には連絡してある。

待たせるわけにはいかない、セバス、

車の用意を。」

 

「‥かしこまりました。」

 

「ちょっと!

西木野さん嫌がってるじゃないですか!」

 

真姫と慎二の手を離し、

割り込んで入ったのは凛だ。

 

「何だ君、これは

私と真姫の事情なんだ。

首を突っ込まないでくれるか?」

 

「無理やり連れて帰ろうとする

あんたがわるいにゃ!

今日の為に西木野さんが

どれだけ練習したのか

わかってるのかにゃ⁉︎」

 

「星空さん‥」

 

凛は真姫を庇いながら叫ぶ。

 

「‥だが、結果は結果だ。

私の約束は守れず賞を取れなかった。

‥退きなさい。」

 

「嫌にゃ!」

 

「わ、私も嫌です!」

 

 

凛と一緒に花陽も慎二の前に立ちはだかる。

それに続くように穂乃果、海未、ことりも

前に立つ。

 

「‥っみんな‥」

 

「一体なんなんだ君達は⁉︎セバス!

早く真姫を連れて帰らせるぞ!」

 

「待てよ!」

 

声を荒げる慎二に俺は止める。

 

「操真先輩‥」

 

 

「‥あなたは西木野さんの気持ちを

ちゃんと聞いたことはあるんですか?」

 

「‥あぁ、医師になりたいという気持ちかい?

それなら今叶えさせようと勉強を‥」

 

 

「そっちじゃねえよっっ‼︎」

 

穂乃果たちが見る中、俺は怒った。

こんな自分勝手な親、

昔の俺の親みたいで腹が立った。

 

 

「確かに医者になることは凄い事だ!

だけど俺たちもそうだが西木野は

まだ学生だ!そんな縛られた

家庭で生きてきた彼女はまともに

友達を作っていない!きっと寂しかったはずだ!

あんたにその気持ちが分かるのか⁉︎」

 

 

俺は一旦区切り、真姫の父親に

近付き、ネクタイを掴んだ。

 

「西木野はあんたの操り人形なんかじゃない!

あいつの本心を聞いてから判断しろ!」

 

そして俺は振り返り真姫に叫ぶ。

 

「思っていることを伝えろ!真姫っ‼︎」

 

「っ!」

 

無意識に名前を呼んだ俺。

そして掴んでいた手を離し、

慎二はネクタイを締め直す。

 

そして、真姫の背中を花陽と凛が押した。

 

「‥二人とも‥。」

 

花陽と凛は黙って頷く。

真姫も頷き、

俺や穂乃果たちも見届けた。

そして真姫は慎二に近付く。

 

 

 

「‥‥パパ‥。

賞は取れなかった‥‥ごめんなさい‥

もし取れなかったら音楽をやめて

勉強するつもりだった‥けどっ。

操真先輩や小泉さんたちと出会って

私の歌とピアノを褒めてくれた!

私の事を友達と言ってくれた!

やっぱり音楽をやめたくない‥

ちゃんと勉強もするし

高校を卒業したら医学に進学する!

だからお願い!

音楽を続けさせて!!パパ!」

 

 

 

真姫が頭を下げると

穂乃果たちも

「お願いします!」と頭を下げた。

そして、

 

「‥‥‥頭を上げなさい。」

 

慎二にそう言われ皆は頭を上げる。

 

「‥‥真姫‥

勉強はちゃんとするんだな?」

 

「‥するわ。」

 

「‥‥なら‥続けなさい‥。

それと‥‥‥すまなかった。」

 

「パパ‥っ、ありがとう!」

 

「西木野さん!」

 

「やったにゃーっ‼︎」

 

 

「ちょ、ちょっと⁉︎

抱きつかないでよ⁉︎」

 

許可がもらえて嬉しいのか花陽と凛が

真姫に抱きつく。

そして慎二は一言

言ってセバスが用意した車へ向かった。

 

 

 

 

 

 

いい友達をもったな

 

 

 

 

 

 

 

 

「‥‥穂乃果。」

 

俺は肘で穂乃果の背中をトントンと叩き、

穂乃果は俺に頷き、真姫に近寄った。

 

「西木野さん‥いや、真姫ちゃん!」

 

「ヴェエ⁉︎は、はい!」

 

突然名前で呼ばれびっくりする真姫。

そして穂乃果は手を伸ばす。

 

 

 

「真姫ちゃん!

スクールアイドル、一緒にやろうっ!!」

 

 

笑顔で穂乃果はそう言った。

真姫はもちろん。

 

 

 

 

 

 

「こちらこそっ。

よ、よろしくお願いします‥!」

 

 

 

 

 

その手を真姫は握った。

これでμ'sは6人(+1人)になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後解散し、

各自それぞれ無事家に帰ることができたμ's達。

新メンバー真姫が加わり、

穂乃果は張り切ってことりを誘って

夜の街をランニングすることになった。

 

そしてその休憩中、

 

「ふぁー走ったね〜ことりちゃんっ。」

 

「うんっ、ちょっと疲れちゃったっ。」

 

公園で自販機で買った

ジュースを顔にあてながら

休憩する穂乃果とことり。

 

「今日の晴希君かっこよかったね☆」

 

「うん!凄かったよぉ!」

 

あんなに感情を露わにする

晴希の姿は穂乃果達にとって初めてで

かなりかっこよかったのだろう。

 

でも真姫ちゃんに見惚れてた晴希君に

イライラしたこの気持ちはなんだろう?

 

「よしっ!もうひとっ走り行こっ。

ことりちゃん!」

 

「うん!」

 

そんな気持ちは胸の中にしまって

ランニングを再開しようとする2人。

 

 

だがその時。

 

 

 

 

 

「こんな時間に出歩くなんて悪い子達ね。」

 

公園の出口から暗くて分かりづらいが

紫の服をきた女性が顔を見せた。

 

「えと‥ことりちゃん、知り合い?」

 

「ううん、ことりは知らないよ?」

 

「‥ほう、ここに〝ゲート〟がいるなんてね‥」

 

そう言って女性は怪物態、メデューサへと

姿を変えた。

 

「っ‼︎ファントム⁉︎」

 

「きゃああっ⁉︎」

 

持っていたジュースを落とすことり。

今ここに晴希がいない、2人にとってそれは

重々危険な状態であった。

 

不気味に笑いながらメデューサは2人に

近づいて行く。

逃げ場がない2人は後ずさりながら

 

 

 

晴希君!助けて‥っ‼︎

 

 

 

 

そう思ったその時、

 

「っ⁉︎」

 

メデューサは突然の衝撃に後ろに下がる。

何が起きたのか穂乃果とことりには

わからず、後ろから物音が聞こえたので

穂乃果達は振り返る。

 

 

そこにはフェンスを蹴破って

紫色に輝く宝石の体に

ウィザーソードガンを構えた

魔法使いの姿がこちらへゆっくりと

近づいて来た。

 

「晴希君!」

 

ことりはそう呼ぶが

穂乃果は何故か違和感があった。

 

 

そのウィザードは

ファントムに殺意を向けていたような

気がしたからである。

 

 

「晴希‥君‥?」

 

穂乃果も彼の名前を呼ぶが

ウィザードは無視をし、2人の間を通り前に出る。

 

「‥‥ウィザード‥」

 

メデューサはそう言ってウィザードを睨む。

だが。

 

 

「‥今日は魔法使いと

戦う気分じゃないの。

また今度にしてくれるかしら?」

 

メデューサはそう言うと体が紫色に光り、

その場から姿を消した。

 

 

「‥‥っ‥。」

 

 

「あ、あの!」

 

 

紫のウィザードは舌打ちをすると

呼びかける穂乃果を無視して

その場から跳躍して姿を消した。

 

 

「大丈夫っ?穂乃果ちゃんっ。」

 

ことりは無事に済んだことを確認して

穂乃果へ駆け寄る。

 

「平気だよ‥ことりちゃんは?」

 

「ことりも大丈夫。‥あれって‥晴希君‥?」

 

「わからないけど‥

なんか雰囲気が違った気がする‥」

 

晴希がこの場に駆けつけてくれたなら

まず2人の心配をするはず。

だが先ほどのウィザードは

心配どころか無視をしてファントムだけを見ていた。

 

穂乃果とことりは明日本人に聞くことにして

すぐに家に帰ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、仮面ライダーウィザード

 

 

 

「コンタクト付けてみたのっ」

 

花陽のコンタクト姿に思わず

グッドをする晴希。

 

 

「真奈美さんって凄い美人だよね!」

 

クラスメートの女子を羨ましそうに

見つめる穂乃果。

 

「これもある意味、出会いってやつ?」

 

ファントムにそう告げる晴希。

 

 

 

「お前が最初の魔法使いか?」

 

突然現れた紫のウィザード。

その正体とは‥。

 

 

 

第8話 美しいものの先には




真姫加入〜!(≧∇≦)
え、ニコちゃん?もう少し待ってください( ゚д゚)
さぁ現れました紫のウィザード!
果たして敵なのか味方なのか!

評価、感想などお待ちしております!(^^)

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