ラブウィザード! 〜希望の柱〜   作:しょくんだよ

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ミニミニタイム!

【ウィザードリング紹介!その1】


コヨミ「ん〜‥‥‥。」

晴希「ん?どしたコヨミ?
なに指輪をジッと見てるんだ?」

コヨミ「あ、晴希君。晴希君の持ってる
指輪っていっぱいあるでしょ?
どんな力があるのかな〜って思ってて。」

晴希「あーなるほど、よし。
軽く説明してやるか。まずは〜。」



《コネクト》

晴希「魔法陣で空間と空間を繋ぎ合わせて
遠くのものを瞬時に手に取ることができる指輪だ。」

コヨミ「日常でも使えて凄く便利な指輪ね。」


《ドライバーオン》

晴希「その名の通り俺の付けてるベルトを
ウィザードライバーに変える指輪だな。」

コヨミ「前から思っていたのだけど、
何で指輪もウィザードライバーも
手の形をしてるの?」

晴希「そこは俺にも分からないな。」


《ディフェンド!》

晴希「魔法陣で防御壁を作り出せる指輪だ。
スタイルチェンジすればその属性によって
防御壁は変化するんだ。」

コヨミ「あ、これを真上に発動させれば、
雨も防げるわっ。」

晴希「え?あ〜うん。それは普通に
傘でいいんじゃないかな?」


《ダンス》

晴希「これを使えば記憶の中、見たものの
音楽が自然に流れ出して更にはプロ並みの
ダンスを踊ることができるぞ。」

コヨミ「初めて見る指輪ね。最近は使ってないの?」

晴希「あぁ、もう使わなくても
みんなと練習しているおかげで
なんとか踊れているからな。
‥‥‥一応サポートとしてだぞ?」


《チョーイイネ!
キックストライク!》

晴希「右足に魔力を溜め、敵めがけて
キックを繰り出すウィザードの必殺技だな。
技名はストライクウィザード!
側転からのバク転‥決まるとすごくかっこいいんだ。」

コヨミ「これならファントムも耐えられないわね。
この魔法は変身してない時に使うとどうなるの?」

晴希「ん〜、それは試したことないな‥‥。
‥‥おや?」

すると、偶然にも攻大が通りかかる。

晴希「よし、実験だ。」


《キックストライク!・プリーズ》


晴希「セイハァァァア!!」

攻大「‥‥え?どぶぁっは!?!」

晴希のストライクウィザードが
攻大の腰に炸裂した!

晴希「っと、こうなるみたいだぜ。」ニヤリ

コヨミ「ちょ、ちょっと!
攻大君の腰凄い曲がり方してるわよ!?」


第42話 竜胆に染まる強者

デパートの出口付近にて。

 

 

突然デパートの飲食コーナーに姿を現した

ファントムのバジリスク。

偶然にもその場にいた操真晴希と二藤攻大は

仮面ライダーウィザードと仮面ライダービーストへと

変身し、交戦を始める。

もちろんデパート内は怪物が出た事態により

客は皆外へ非難を始め、その中には

スクールアイドルのA–RISEの綺羅ツバサ、

統堂英玲奈、優木あんじゅもいたのだった。

 

 

「さっきの怪物やばくなかったか!?」

 

 

「もしもし、今デパートにいるんだけど

怪物が出たの!」

 

 

「怪物と戦っていたあれは誰なんだ?」

 

 

「最近噂になってる宝石の戦士じゃないか?

なんでも、魔法みたいなトリックが

使えるみたいだぜ。」

 

 

非難した人々は出口付近でざわめき、

外を歩いていた人々はその騒ぎに

デパートの周りに集まり、いつの間にか

その一帯は大勢の人々で埋め尽くされていた。

 

 

「ん‥‥‥んしょっ!」

 

 

その人混みの中から1人、あんじゅは顔を出し

埋もれて窮屈だったのかプハーと息を吐き

その背後からツバサ、英玲奈も顔を出して

人混みの中から出ることに成功していた。

 

 

「2人共大丈夫?」

 

 

「え、えぇ。‥凄い人ね‥‥。」

 

 

あんじゅはそう聞くとツバサが人々を見るなり

そう言ってデパートを見ていた。

トップアイドルである3人は街中を出歩くと

必ずしも声を掛けられたり騒ぎになる事が多いのだが

今はデパートの方が騒ぎになっているため

彼女達の注目などそっちのけだ。

 

 

「‥‥‥‥っ‥。」

 

 

あんじゅもツバサもデパートを見ている中、

1人、英玲奈だけは先ほどから深刻な表情をして

俯いていた。あのファントム、バジリスクの事を

思い出しているのだろう。

 

 

「英玲奈?」

 

 

「‥‥すまない2人共、先に非難しててくれないか。」

 

 

「え?あっ!英玲奈っ!?」

 

 

それに気付いたツバサは声を掛けると

何か決心をしたのか英玲奈は2人にそう言って

地面を蹴って駆け出し、デパート内へと

戻って行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

とあるアイドルショップにて。

 

 

 

 

「これはお前達が歌というもので作ったものか?」

 

 

「え、えと‥‥は、はい‥‥‥。

あ、ああ、あの!もしかすると‥‥

ふ、ファンの方‥‥でしょうか‥?」

 

 

 

南ことり、奈々城コヨミと遊びに来た

園田海未はμ'sのCDを見るなり妄想(笑)を

してしまい、偶然にもその場にいた人間態の

タキシムに聞かれてしまうが、タキシムは

何事もなかったかのように海未の持っている

CDを見て彼女にそう聞いていた。

海未は顔を真っ赤にしながらタキシムに聞くと

不思議そうに口を動かした。

 

 

「それはお前の希望なのか?」

 

 

「え‥‥‥?

‥‥‥はい、そうですね。

このμ's(メンバー)のおかげで

私は色々と変われることができました。

リーダーはお調子者で変わった子ですけど、

私を‥いいえ、私達を知らない世界へと

連れて行ってくれるんです。」

 

 

何気に質問を無視された海未だが

タキシムの言葉に海未はμ'sのメンバーを

脳内に思い浮かべながらそう喋っていた。

 

 

「‥‥‥‥‥‥そうか。

‥‥‥せいぜい大事にするといい。」

 

 

「あ、はい‥‥‥‥え?」

 

 

タキシムがそう言った瞬間だった。

海未はタキシムの方を向くといつの間にか

彼の姿がなかったのだ。辺りを見回しても

その場にいるのは海未だけだった。

 

 

「‥‥‥。一体誰だったのでしょう‥‥‥?」

 

 

見ず知らずの人に声をかけられ

不意に応援してくれた人だが

海未は少しだけ違和感を感じていた。

 

 

「気のせいでしょうか‥

初めて会った気がしないような‥‥‥ん?」

 

 

海未はそう呟いているとすぐ近くの足元に

銀色のオシャレなブレスレットが落ちてることに

気付き、それを見つけると海未は拾い上げ、

タキシムが去った後をジッと見つめていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

デパート内にて。

 

 

 

 

 

 

「ウォアアアアアアッ!!!」

 

 

 

「秀夜‥‥‥‥!?」

 

 

「なんだよあの姿‥!?

パワーアップ‥じゃないよな‥‥‥?」

 

 

英玲奈を狙うファントム、バジリスクと交戦

していたウィザードこと操真晴希とビーストの

二藤攻大。そして後から駆けつけた藍崎秀夜なのだが

急に様子がおかしくなったと思った刹那、

悍ましい、言うならファントムの様な

姿形になったのだ。ウィザードとビーストは

唖然とし、こちらを睨む〝ドラゴン〟を

警戒しているとバジリスクは突然と笑い出す。

 

 

「‥ハハ、アハハハハ!

何あれー、魔法使いって絶望しなくても

ファントムになれるのぉ?」

 

 

「‥っ!おい、あいつがファントムになるわけ‥」

 

 

「君の目は節穴なの?あの姿を見てみなよ。

どう考えてもボクには正義を気取るヒーローに

見えないけどね?」

 

 

ドラゴンを見ながら喋るバジリスクに

癪に触ったのかウィザードが口を動かすと

間入れずバジリスクはウィザードを睨み、

そう言い、再びドラゴンへと振り向いた。

 

 

「グルルルル‥‥‥!!」

 

 

「理性は‥なさそうでいいのかな?

んじゃあまぁ、とりあえず‥‥‥フッ!」

 

 

「ッ!?」

 

 

唸りを上げるドラゴンに向かって

ゆっくり近づいていくバジリスクは

直後、ドラゴンに向かって衝撃波を入れたのだ。

 

 

「っ!?おい!!」

 

 

「っ!何してんだっ!」

 

 

火花を散らしてよろけるドラゴンを見て

ビーストとウィザードは驚き、ウィザードは

させまいとバジリスクに向かって

ウィザーソードガンを振り下ろすが

攻撃してくることを予測してたのか

バジリスクはひらりとかわし、ウィザードらに

向かって口を動かした。

 

 

「何って攻撃だよ?見て分からないのかな?」

 

 

「何で攻撃してるんだって聞いてんだっ!ハァッ!」

 

 

バジリスクは何もないような態度で

そう言いながらも

ドラゴンに向かって衝撃波を連発で放つ。

突然の攻撃にドラゴンは食らい続けるが

ウィザードは横からウィザーソードガンを

振り払い、バジリスクの攻撃を止める。

 

 

「グォアァッ!!」

 

 

「おわっ!?おい秀夜!?」

 

 

「っ!!秀夜!やめろ!」

 

 

ウィザードはバジリスクに剣を振るってる間に

よろけていたドラゴンは立ち上がると

ビーストの方へと睨み、強靭な爪で切りかかっていた。

ビーストは間一髪でそれを避け、バジリスクを

攻撃していたウィザードと共に呼び止めるが

本当に理性を失ったのかその声は届かず

ドラゴンはビーストに襲いかかっていた。

 

 

「ガァアアアアアッッ!!」

 

 

「っ!?ぐぁああっ!!」

 

 

「っ!!攻大!!」

 

 

瞬間、ドラゴンはその場で後ろに振り返ると

ドラゴンの尻尾が伸び、ビーストの懐へと直撃、

ビーストは壁際へと吹き飛んでしまう。

 

 

「あらら、魔法使いさんどうするの?

あの調子だと、人間を襲いかねないよー?」

 

 

「ぐっ‥‥‥!だったら!」

 

 

《コネクト・プリーズ》

 

 

ダメージを受け、苦しむビーストを見ながら

バジリスクはそう言ってウィザードを見ていた。

後方では雄叫びを上げるドラゴン、

目の前にはゲートを狙うバジリスク。

人手が足りないと思ったウィザードは

リングホルダーからコネクトリングを

右中指に取り付け、シフトレバーを上下に動かし

ソレをかざすとウィザードの真横に魔法陣が現れる。

 

 

《ドラゴタイム!セットアップ!》

 

 

そこへ左手を入れると魔法具、ドラゴタイマーを

取り出し、ウィザードはすぐにドラゴダイアルを回し

ドラゴタイマーから待機音声が流れ始める。

そしてサムズエンカウンターを押そうとした。

 

 

その時だった。

 

 

 

 

《エクスプロージョン・ナウ》

 

 

 

「っ?きゃあっ!!」

 

 

「っ!?」

 

 

突然見知らぬ音声と共にバジリスクの真正面に

橙色の魔法陣が現れた瞬間、その魔法陣から

爆発が発生し、バジリスクは防御を

とる間もなく吹き飛ばされる。

何が起きたのか分からないウィザードとビーストは

その音声が聞こえた先へと振り返ると

そこに立っていたのはあの白い魔法使いだった。

 

 

「あ!お前‥!?」

 

 

「白い‥‥魔法使い‥‥!何でここに‥!?」

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

ビースト、ウィザードは驚き恐る恐る声をかけるが

白い魔法使いは無視をし、よろよろと立ち上がる

バジリスクと、白い魔法使いを睨むドラゴンを

ゆっくりと見て、バインドリングを右中指に

取り付け、シフトレバーを動かし、

ソレをドライバーのバームオーサーへとかざした。

 

 

《チェーン!・ナウ》

 

 

「っ!!グォアァ!?」

 

 

「大人しくしてもらおう。」

 

 

音声が流れるとドラゴンの周りに

小さな魔法陣が幾つも現れ

そこから白い鎖が無数に飛び出し

勢いよくドラゴンの身体へと巻き付いた。

抵抗するのだがビクともしない鎖に

ドラゴンは苛立てているのか咆哮を上げだす。

 

 

「君‥‥、何なの‥‥!?」

 

 

 

「貴様が知る必要はない。

いや、知る価値もないな。」

 

 

《エクスプロージョン・ナウ》

 

 

 

「っ、また‥‥!!きゃあ!!」

 

 

 

いきなり現れた白い魔法使いにバジリスクは

警戒しながら聞くと白い魔法使いは静かにそう答え

再びエクスプロージョンリングを

ドライバーへとかざした。

するとバジリスクの目の前に先ほどの

魔法陣が現れると息つく暇もなく瞬時に爆発し、

バジリスクは再び吹き飛ばされてしまう。

 

 

「私の前から失せろ。

‥‥それともまだやられてほしいか?」

 

 

「うぅ‥‥‥!!」

 

 

エクスプロージョンリングをバジリスクに

見せながら白い魔法使いは見下した面をして

バジリスクに問いかけると、バジリスクは

軽く床を叩き、その場からヨロヨロと千鳥足で

どこかへと去って行った。

 

 

「‥‥‥‥‥‥さて。」

 

 

「ガァアア!!アァアッ!!グォアァ!?」

 

 

バジリスクが去ったのを確認した白い魔法使いは

振り返ると鎖で拘束され、必死に抗う

ドラゴンの元へと近寄っていく。

呆然と見ていたウィザードとビーストは

恐らく白い魔法使いが秀夜を

元に戻してくれるのだろう。

そう思っていた。

 

 

 

 

だが‥‥‥。

 

 

 

 

《コネクト・ナウ》

 

 

 

「フッ!!」

 

 

 

「グガァッ!?」

 

 

「「!?」」

 

 

それは信じたくない事だった。

白い魔法使いはコネクトリングをドライバーへと

かざすと右サイドに現れた魔法陣の中へ手を入れた。

すると、そこから取り出した笛の形をした剣

【ハーメルケイン】をドラゴンに向かって

斬りかかったのだ。鎖ごと斬られたドラゴンは

苦痛の叫びと共に吹き飛ばされ、置いてあった

椅子やテーブルなどにぶつかり、鈍い音と共に

床へと倒れこむ。

 

 

「制御しきれなかったみたいだな‥‥、

惜しい存在だが‥仕方ない。」

 

 

「あ、あいつ攻撃しやがった!?」

 

 

「っ!何してんだやめろ!!」

 

 

 

倒れこむドラゴンに白い魔法使いはそう言いながら

ハーメルンを突きつけ、ドラゴンに

ゆっくりと近づいて行く。

ビーストとウィザードはその突然の出来事に

驚くが、すぐにその場から駆け出し、

振りかざそうとしたハーメルンをビーストは

ダイスサーベル、ウィザードはウィザーソードガンで

受け止め、ウィザードは白い魔法使いに向かって叫んだ。

 

 

「いきなり何してんだっ!!

あいつは秀夜だぞっ!?」

 

 

「どけ、あれは暴走態だ。

己の魔力の源に負け、

身体を完全に乗っ取られてしまっている。

言うなればもはや魔法使いでも人間でもない。

ただ暴れることしか脳がない〝化け物〟だ。」

 

 

「‥てめ‥‥!!だからって攻撃する事ねぇだろ!

殺す気かよっ!?」

 

 

「無論当然だ。」

 

 

「っ!?」

 

 

ウィザードの言葉に白い魔法使いは答え

怒ったビーストはそう叫ぶと間入れず、

白い魔法使いはビーストを見ながら答えた。

そしてお互いの武器を離し、距離をとると

白い魔法使いはウィザードらの背後にいる

ドラゴンを見ながら口を動かす。

 

 

「そのまま放っておけば無差別に人を襲う。

今ここで仕留めなければ多くの人が死んでしまうぞ。」

 

 

「っ!ふざけんな!てめぇ止める方法とか

知ってないのかよ!」

 

 

「残念だが、仕留める以外方法はない。」

 

 

冷静に喋る白い魔法使いにビーストは反発するが

小さく首を振って答える白い魔法使い。

それを聞いたウィザードは強く拳を作り、

背後でヨロヨロと立ち上がり、吠えるドラゴンへと

振り返ると、エンゲージリングを取り出して

ドラゴンへと駆け出した。

 

 

「っ!晴希!?」

 

 

「‥何の真似だ?」

 

 

「決まってんだろ!こうするんだ!!」

 

 

その行動にビースト、白い魔法使いは声をかけると

ウィザードはそう言いながら、ドラゴンの

爪にエンゲージリングを引っ掛け、

無理矢理ウィザードのウィザードライバーへと

かざそうとする。

魔力の源の暴走ならアンダーワールドに入り

その暴走の元凶を止めればいい。

そう考えたウィザードはドライバーの

シフトレバーを上下に動かし、

ハンドオーサーへとかざしたのだが。

 

 

《エラー》

 

 

「なっ‥‥!?何‥!?」

 

 

「ガァアアアァアッ!!」

 

 

「うぐあっ!!?」

 

 

「晴希っっ!!」

 

 

ドライバーへとかざすと、エラー音が鳴るだけで

何も起こらなかった。ウィザードは

それに驚いている隙に

そのドラゴンの腕を振り払われ、咆哮と共に

ウィザードは胸部を爪で切り裂かれる。

火花を散らし、吹き飛ばされたウィザードに

ビーストは駆け寄ると白い魔法使いは

息を吐きながら口を動かした。

 

 

「言ったはずだ。仕留める以外方法はないと。」

 

 

「‥‥‥‥!!そんなはずなi‥!」

 

 

「グォアァァァアアアアッッ!!」

 

 

胸部に激痛が走りながらもウィザードは

白い魔法使いに向かって言おうとした直後、

ドラゴンは突然咆哮を上げ、こちらに向かって

口を開けるとその口から紫の炎が勢いよく放出される。

 

 

 

「ちょっ!マジかよ!?」

 

 

「っ!くそ!」

 

 

「‥‥‥ふん。」

 

 

《ディフェンド!・プリーズ》

 

 

《バリア・ナウ》

 

 

ウィザードは驚くビーストの前へ立ち、

ディフェンドリングを右中指に取り付け

シフトレバーを動かしドライバーへとかざすと

音声と共に水で覆われた魔法壁が現れ

なんとかドラゴンの攻撃を防ぐことに成功する。

一方で白い魔法使いも音声は異なるが

同じディフェンドリングをかざして

魔法壁を作り出し、ドラゴンの攻撃を防いでいた。

 

 

「っ、秀夜!やめ‥‥‥‥あれ?」

 

 

「‥‥。逃がしてしまったか。」

 

 

攻撃が止まり、ウィザードは発動していた魔法を

解除するとその場からドラゴンの姿は

いつのまにか消えていた。

白い魔法使いも小さく舌打ちをしながら

魔法を解除し、テレポートリングを

取り出そうとする。

 

 

「おい待てよ!どこ行く気だ!?」

 

 

「奴の後を追う。そのまま見過ごせば

多くの人々が犠牲になるだろう、

お前達には残念だが、藍崎秀夜を

忘れてあのファントムを倒せ。」

 

 

その指輪を見てビーストは止めようと声を荒げると

白い魔法使いは仮面越しから冷たい目線で

そう言ってテレポートリングを右中指に

取り付けた瞬間だった。

 

 

ウィザードは白い魔法使いに向けて

ウィザーソードガンを銃モードに変えて

コントラクトリガーを引き、彼に向かって打ったのだ。

白い魔法使いは瞬時にかわすことができたが

銀色の弾丸は白い魔法使いのリングホルダーを擦り、

一つの魔法リングが床へと落ちていった。

 

 

「っ!!」

 

 

「っ!晴希!?」

 

 

「ふざけんなよ‥‥‥あんた。

あいつは‥秀夜は俺にとって大事な友達なんだ!

だからあんたは絶対に手を出すな。

どんな姿になっても、俺が絶対に止めてやる!」

 

 

 

ウィザードの行動に驚くビーストだが

構わずウィザーソードガンを向け

怒りを露わにするウィザード。

白い魔法使いは打った弾が恐らくかすったのだろう。

腰らへんを軽くはらうとウィザードに向かって

口を動かした。

 

 

「‥‥少しだけ時間をやる。」

 

 

「!!」

 

 

「‥時間の無駄だと思うがな。」

 

 

「お、おい!そんなことねぇだr」

 

 

 

《テレポート・ナウ》

 

 

 

「ってちょちょちょ!?おおい!?

人の話最後まで聞けよ!」

 

 

 

ウィザード、ビーストらにそう言い残し

白い魔法使いはテレポート・リングを

右中指に取り付け、ドライバーの

シフトレバーを上下に動かし、

バームオーサーへとかざす。

そして白い魔法使いはビーストの言いかけた言葉を無視し、ドライバーから流れる音声と共に

その場から姿を消したのだった。

 

 

 

「時間がない、すぐに秀夜の後を追う!」

 

 

「待て待てって。行く先わからず探し回っても

しょうがねぇだろ?とりあえず使い魔出しとこーぜ。」

 

 

焦るようにウィザードは言うとビーストは

ふぅ と息を吐き、腰のリングホルダーに付けてある

グリフォンリングを取り出そうとした時だった。

 

 

 

「操真晴希、二藤攻大‥‥‥。」

 

 

 

「っ、英玲奈さん‥!」

 

 

「え、英玲奈ちゃん!?何でここに!」

 

 

ウィザードとビーストの背後から声をかけてきたのは

先ほどツバサ達と逃げたはずの英玲奈だった。

彼女は何かに怯えてるのか肩を震わせて

口を動かした。

 

 

「先ほどの‥‥先ほどの(白い魔法使い)

話は‥‥ほ‥本当なのか‥‥‥?

藍崎秀夜は‥‥‥化け物になってしまったのか‥?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

マンションの屋上にて。

 

 

 

 

 

「もぉっ!!なんなのあの魔法使い!

ボクの能力全然意味ないじゃんっ!

ほんとムカつくなぁ!」

 

 

突然白い魔法使いに邪魔をされ、

尚且つ自分の能力が効かないことに腹を立てながら

バジリスクは苛立ちを当たりに散らしていた。

 

 

「何をしてるの?バジリスク。」

 

 

 

「‥‥あ、メデューサ様‥‥‥‥。

いや、少し邪魔をされて‥‥‥‥。」

 

 

 

背後に現れたメデューサにバジリスクは

失敗したのを怒られると思い、怪人態のまま

俯き加減でそう言っていた。

 

 

「指輪の魔法使いにか?

貴方は確かどんな攻撃も通じないはずでしょ?」

 

 

()()()()だったんですけど‥‥、

白色の魔法使いには全く効かなくて‥‥‥。」

 

 

 

「‥‥ん?白い魔法使いだと‥‥‥?」

 

 

 

また指輪の魔法使いかとメデューサは

思っていたのだろうが、バジリスクの

言った白い魔法使いに眉をぴくりと動かせ

メデューサはバジリスクの言葉に

顔を睨ませていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

晴希の家にて。

 

 

 

 

「ほい、ココアしかねぇけど口に合うか?」

 

 

 

「えぇ、大丈夫よ。」

 

 

「いただくわね‥‥‥‥、あら美味しいっ。」

 

 

「本当‥‥。何の原料を使ったのかしら‥‥?」

 

 

「ん?それはスーパーで買ったやつだけど?」

 

 

「‥‥スーパーってあの食材や商品が

いっぱい並んでいるあそこよね‥‥?」

 

 

一旦晴希の家に集まった晴希、攻大、そして

ツバサにあんじゅ、英玲奈。

なぜか攻大は勝手に人の家なのにココアを作り

配っているとツバサとあんじゅは

初めて飲むのか不思議そうにそのココア眺め、

攻大の言ったスーパーという言葉に首を傾げていた。

さすがお嬢様って言ったところか‥。

 

 

「ほい、晴希と英玲奈ちゃんもっ。」

 

 

「‥‥ん、あぁサンキュー。」

 

 

「‥‥‥‥すまない。」

 

 

「いいってことよ!使い魔達が探してる間は

体力温存もあるし、待機しとこうぜ。」

 

 

攻大はツバサ達との会話が終わると

俺と英玲奈に残りのココアを渡してきた。

俺はソワソワしながら、英玲奈は

暗い表情のまま、ココアを受け取ると

あんじゅと話していたツバサは

英玲奈を見て口を動かした。

 

 

 

「英玲奈、そろそろ教えてほしいの。

あのファントムと何か関わりがあるの?」

 

 

 

ツバサは先ほどとは違う深刻な顔をして

英玲奈にそう聞くとその場にいた全員も

同じ気持ちだったらしく、即座に英玲奈な方を見ると

英玲奈はふうと息を吐き、ゆっくりと口を動かした。

 

 

「‥‥‥‥‥‥あぁ、あのファントム‥‥。

〝佐山 恵〟は私の親友だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

『君、なんでいつもそんな

ガチガチな喋り方なの?』

 

 

『‥‥‥‥‥。』

 

 

『ねえ、ねえってば!』

 

 

『‥‥‥‥。

ん?もしかして私のことか?』

 

 

『そうだよ!君以外に誰がいるのさっ。』

 

 

 

それが、私と恵が初めて知り合った

キッカケだった。彼女は絵を描くことが趣味で

私は何度も捕まり、絵のモデルになったこともあった。

 

 

 

『英玲奈ちゃんすごい!

UTX学園に進学するんだね!うはー!いいなぁ。

ボクも同じところに進学したいよ〜。』

 

 

『そうだな‥。恵は違うところに進学するのだろ?』

 

 

『うん、将来の為だからね‥‥。

でも!離れててもボクらはずっと友達だよ!』

 

 

『あぁ、私達はずっと友達だ。』

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

「‥‥‥進学をして間もない日はよく

電話やメールをしていた‥‥‥。

だが突然と連絡が途絶え‥月日が経ち、

やっと恵に会えた‥‥‥でも‥‥‥

恵は、‥‥恵は化け物に‥‥‥!」

 

 

 

「英玲奈‥‥‥‥‥。」

 

「英玲奈ちゃん‥。」

 

 

英玲奈は話し終えると拳を作り、俯き、

鼻をすする音が聞こえ出す。

ツバサとあんじゅは両肩から優しく

両手を置き、彼女の肩をさすっていた。

幼馴染がファントム‥‥‥。

 

 

「英玲奈さん‥‥‥‥。

恐らく佐山さんはもう‥」

 

 

「ダァアアアっっっ!」

 

 

俺は助からないと言おうとした時だった。

突然攻大は髪をくしゃくしゃと掻き回し叫ぶと

英玲奈以外の皆は攻大の方へと振り向いた。

 

 

「何なんだよファントムってよ!

身内も家族も関係なしかよ!!

マジで意味わかんねぇよ‥。」

 

 

「‥‥‥‥それを止めるのが俺たち魔法使いなんだ‥。」

 

 

絶望し、ファントムを生み出した人は

必ず死ぬ。どう足掻いても助からない。

知り合いがファントムになったのは何度も

経験した俺は助けれなかった己の未熟差を

押し殺して攻大にそう言ったが、彼の不満は

もう一つ残っているのか俺に向かって叫びだす。

 

 

「じゃあ秀夜はどうなるんだよ!?

あいつ魔法使いだろ!?

何であんな化け物になってんだっつーの‥‥!

クソ‥‥、魔法使いって一体何だってんだよ‥!」

 

 

「っ!‥‥‥。」

 

 

次の言葉に俺は黙り込んでしまう。

秀夜は突然と化け物に姿を変えた。

ウィザードの身体にドラゴンの頭、爪、翼、足、

尻尾を備えた姿‥‥。

白い魔法使いの言ってた通り、

秀夜の中の魔力の源が秀夜を

取り込んでしまったのだろう。

白い魔法使いの言う通り、

もう秀夜は助からないかもしれない‥

 

 

 

 

 

 

だけど。

 

 

 

 

 

「一刻も早く秀夜を止める。

秀夜は必ず救い出してみせる。」

 

 

 

 

白い魔法使いは秀夜が死んだとは言っていなかった。

なら、まだ助かる可能性があるかもしれない。

俺はその僅かな可能性、いや、希望を信じる。

俺は強くそう言うと攻大は落ち着いたのか

「晴希」と言って鼻で軽く笑っていた。

俺はそれを見るとすぐに英玲奈へと振り向き、

自分でも分かる深刻な表情で口を動かした。

 

 

「英玲奈さん‥、佐山さんは」

 

 

「あぁ、分かっている。

もう、大丈夫だ‥‥。

ただ、危険も承知で私も一緒に連れて行ってほしい。

恵に‥恵に謝りたいんだ。」

 

 

「‥‥わかった。」

 

 

もう助からないと分かっている英玲奈は

強い目を俺に向けて言葉も強く、そう言ってきた。

その目に涙を脱ぐませながら。

 

 

 

「‥‥‥‥英玲奈。」

 

 

「心配するな、ツバサ、あんじゅ。

もう大丈夫だ。それよりお前達は大丈夫なのか?

秀夜が化け物になったのを聞いたのだろ?」

 

 

「あら、馬鹿にしないでくれる?

あの秀夜(バカ)が暴走したのは経験済みよ?」

 

 

「それに、秀夜ちゃんはそう簡単には死なないのも、ね?」

 

 

「‥‥‥ふ、考えてることは皆同じか。」

 

 

 

英玲奈を心配したツバサとあんじゅだが

彼女らは先ほどから秀夜の話を聞いても

少し驚いているだけで取り乱している様子など

全く見せていない。英玲奈の心配に

ツバサとあんじゅはそう答え、英玲奈も

フッと軽く笑っていた。

トップに立つ者はそう簡単には取り乱さないのか‥?

何にしろ、俺は今彼女達が凄いと思っているのは

間違いない。

 

 

 

「「ーーッ!ーーッ!」」

 

 

ふと、窓ガラスを強く突っついてる

俺の使い魔、レッドガルーダと

攻大の使い魔、グリーングリフォンが

甲高い鳴き声を上げて俺たちに知らせにきた。

その内容は言わずとも、ファントムの知らせだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

とある廃墟工場にて。

 

 

 

 

「‥‥‥‥あ、来たね。」

 

 

 

「ファントム!」

 

「恵っ!」

 

 

工場のドラム缶の上で座り、足をぶらぶらと

させながらバジリスクは待っていたのだろうか、

晴希らが来るとニコリと笑ってドラム缶から

勢いよく飛び降りる。

 

 

「わざわざゲートを連れてきてくれたんだー。

あ、あの白色の魔法使いはいないよね?

あれは流石に面倒だからさ〜。」

 

 

「恵!‥‥本当にかわってしまったのか‥!?

何でファントムになってしまったのだ!?」

 

 

「‥‥‥‥‥。

それは〜‥、いじめられたからじゃないかな?」

 

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

英玲奈の問いに人間態のバジリスク、

佐山恵は気だるげにそう答えた。

その言葉に俺たちはただ、

驚くことしかできなかった。

 

 

「い、いじめ‥‥!?」

 

 

「うん、そうそう。

進学して間もない頃かな〜‥。

絵を描いてばかりで気持ち悪いとか言われちゃってさ、

それがどんどんエスカレートして行って

遂にはこの子勝手に絶望しちゃってさww」

 

 

「‥‥‥そんなことが‥‥‥。」

 

 

「あぁ、なに同情?そんなの気にしなくていいのに。

でも、この子はきっと恨んでただろうな〜。」

 

 

「!?」

 

 

驚く俺たちに佐山恵は淡々と喋り、

俯く英玲奈に佐山恵はニヤリと不吉な笑みを

浮かべて英玲奈を見ながらそう言った。

 

 

「‥‥‥!!すまない‥‥‥‥!」

 

 

「えぇ?何今更謝ってんのぉ!?

もう君の知ってるこの子じゃないんだよ!?

全部あなたのせい。だからぁ、、

‥貴方も早く絶望しなよ?」

 

 

聞いた瞬間、膝をつく英玲奈は

涙を流しながらただ謝るだけだった。

だけどバジリスクは狂ったかのように

笑いながらそう言って、その身体を

怪人態へと姿を変えていく。

自分のいない間に友達はいじめられていた。

その場所にいたら助けられてたかもしれない。

英玲奈はそう思っていたその時だった。

 

 

英玲奈の前に晴希と攻大が立ったのだ。

 

 

「なに?邪魔するの?私は被害者なんだよ?」

 

 

「‥‥あぁ、そうだな。

恵さん‥‥‥‥ほんとにすまない。」

 

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

《ドライバー オン!》

 

 

嘲笑うバジリスクに俺は目を瞑り

肩を震わせながらも攻大と共に

ドライバーオンリングをベルトへとかざした。

そして俺はウィザードライバーのシフトレバーを

上下に動かし、リングホルダーへと手をかけた。

 

 

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!》

 

 

 

「でも君はもう過去の君じゃない。

平気で人を襲う怪物になってしまっている‥‥。

英玲奈さんと約束したんだ。

君を、ここで倒す。」

 

 

「あぁ、後味わりいけど俺も腹減ってんだ。

喰わせてもらうぜ。」

 

 

「ふぅん、あっそ。」

 

 

俺はランドリングを左中指に取り付けながら

口を動かし、攻大に目を向けるとあいつも

覚悟を決め、獲物を狩るような目付きで

バジリスクを睨みながら攻大は左中指に

ビーストリングを取り付けてその左手を

頭上へと大きく掲げた。

 

そして2人は魔法の言葉を口にしながら

変身ポーズを構えた。

 

 

 

「変身。」

 

 

「変〜〜〜身っ!!でぇあっ!!」

 

 

 

《ランド!プリーズ

 

ドッドッ ドドドン・ドン ドッドッドン!!》

 

 

《SET!Open!!

 

L!・I!・O!・N! ライオーン!!》

 

 

 

互いのドライバーから音声が鳴り響き

俺は左手を真下に掲げると無数の岩と共に

魔法陣が現れ、攻大は掛け声と共に

両手を広げると前方に黄色の魔法陣が現れる。

そして魔法陣は俺と攻大の身体を通り抜けると

俺は仮面ライダーウィザード

ランドスタイルへと変身し、

攻大は仮面ライダービーストへと姿を変えた。

 

 

「‥‥ほんと、バカにしたメロディだね。」

 

 

「それはどーも、さあ、ショータイムだ!」

 

 

「褒めてないけどね!!」

 

 

「おおい!抜け駆けすんなよ!?

俺だってランチタイムだっ!!」

 

 

ウィザードは背後にいるツバサ達に振り返り

小さく頷くと、バジリスクにバカにした音声だと言われ

受け流しながらウィザードはウィザーソードガンを

剣モードにして取り出し、駆け出していく。

遅れをとったビーストもちゃっかり決め台詞は言って

ダイスサーベルを取り出し、駆け出した。

 

 

 

 

その時だった。

 

 

 

 

 

 

ドオオオォォォォン!!!

 

 

 

「うあっ!?」

 

「きゃあっ!!」

 

「どぁあっ!?」

 

 

 

「きゃあっ!?」

 

「ぐっ!?何だ!?」

 

「っ!?操真君!?二藤君!?」

 

 

突然、ウィザード達の近くで爆発が起き、

交戦していた3人はその勢いで吹き飛ばされたのだ。

後ろにいたツバサ達は少し距離があったので

巻き込まれずに済んだのだが

爆破の余韻を受けてしまう。が、見る限り

怪我はなさそうだ。

 

 

「っ〜〜!何なの!?」

 

 

頭を抑えバジリスクは辺りをキョロキョロと

見回していた。どうやら爆発を起こしたのは

バジリスクではないらしい。

それをやったのは悍ましいあの怪物だった。

 

 

「グォオアアアアアア!!」

 

 

「っ!秀夜!!」

 

「!!秀夜!?」

 

 

「あー、なんとなくは分かってたけど

やっぱり君なんだ〜‥。」

 

 

工場がビリビリと揺れるほどの咆哮を上げたのは

暴走したドラゴンファントムだった。

その姿を見てウィザード、そしてツバサは

名を叫び、バジリスクは身体の埃をはらいながら

ドラゴンを見ていた。

 

 

「‥‥へっ!秀夜の方から来てくれるなんて

好都合じゃねーか!」

 

 

「あぁ、攻大。恵さんの方は任せt‥‥!!?」

 

 

ビーストの言葉にウィザードが答えようとした

直後だった。

ドラゴンは地面を蹴って一瞬でウィザードの

そばまで跳躍し、ウィザードの胸部らへんを

勢いよく飛び膝蹴りを食らわせたのだ。

ウィザードはそのまま吹き飛ばされ工場の

壁へと激突し、衝撃音と共に煙が撒き上がる。

 

 

「‥‥!晴希!!」

 

 

「ぐほっ‥‥!喋る暇もなしってか‥!

そこらへんは秀夜らしいか‥‥!」

 

 

「ォオアアアアアアーーー!!」

 

 

一瞬何が起こったのか分からなかった

ビーストは数秒ほど固まり、気付いた瞬間、

ウィザードの名を叫び飛ばされた方へと振り返る。

ウィザードは瓦礫を退かし、右胸を押さえながら

咳き込みながらそう言うとドラゴンは咆哮を上げ、

ウィザードの方へと駆け出した。

 

 

「ガァアア!」

 

 

「っ!?」

 

 

勢いつけてドラゴンは左腕をウィザードへと

突き出すが、ウィザードは瞬発的に身体を

右に傾けその攻撃をかわす。

左腕は壁に突き刺さり、ドラゴンはゆっくりと

ウィザードへと振り向き、グルルと唸りを上げると

その間にウィザードはシフトレバーを上下に

動かし、ランドドラゴンリングを左中指に

取り付け、音声がなる間も無くそれを

ドライバーへとかざした。

 

 

 

《ランド!・ドラゴン

 

ダン・デン・ドン・ズ・ド・ゴーン!

ダン・デン・ド・ゴーン!! 》

 

 

荒々しく、こぎみよい音声がなると

ウィザードの真正面に大地の

魔法陣と土を纏ったドラゴンが現れ

ウィザードの身体を通り抜ける。

そしてウィザードはランドスタイルから

ランドドラゴンスタイルへと姿を変えた。

 

 

マジ(本気)で行くぜ秀夜。

だから、もう少し辛抱しろよ。」

 

 

「グォオオオオオ!!」

 

 

ランドドラゴンスタイルとなったウィザードは

手首を回しながらドラゴンにそう言うと

あちらもやる気なのか咆哮を上げウィザードに

向かって駆け出した。

 

 

「グォアァ!!」

 

 

「っ!!んん‥っっ!!」

 

 

ドラゴンはウィザードの懐めがけて

体当たりを食らわすがウィザードは両手で

受け止める。が、勢いが勢いなので

ウィザードは踏ん張るが押され、

地面に列車線の様な跡ができていた。

 

 

「ォオオオオオ‥‥‥!!」

 

 

なんとか止めることはできるが

ドラゴンは顔をぐぐぐっと上げ

口を小さくガバッと開く。すると

その口の中から炎が湧き出る様に吹き出してきた。

 

 

「あつっ!!あっ‥‥‥ついだろっ!オラッ!!」

 

 

「ッ!?」

 

 

胸が焼けそうなほどの熱だったのかウィザードは

耐えながらドラゴンの両肩を掴み、

ランドスタイル特有の怪力で持ち上げ、

後ろへと投げ飛ばした。

だがドラゴンは空中で翼を広げ

工場の中を少しだけ飛翔し、

再びウィザードめがけて突進をしてくる。

だがウィザードは受け止める体制ではなく

リングホルダーあたりに手を置き、

鼻でふっと笑ったのだ。

 

 

「同じ手は効かないぜ。」

 

 

ウィザードはそう言うとリングホルダーから

グラビティリングを取り出し右中指に取り付けると

そのままシフトレバーを上下に動かして

それをかざした。

 

 

 

《グラビティ・プリーズ》

 

 

「はっ!」

 

 

「ッ!?グォガ!!?」

 

 

音声が鳴るとウィザードは右手を素早く

ドラゴンに向けて突き出す。

すると、飛翔しているドラゴンの頭上に

魔法陣が現れ、発動した重力がドラゴンに

襲いかかり、その魔法陣の中だけ数十倍の

重力が発生する。当然飛んでいたドラゴンは

一瞬にして地面へと叩きつけられ

地面が徐々にめり込んで行ったのだ。

だが、ウィザードの技でもそれは

悪魔でドラゴンの力、つまり。

 

 

「グォアァ‥‥!アアアッッ!!!」

 

 

「ぐっ!?うぉおおお‥‥!!

流石に押さえるのは厳しいって感じか‥!!」

 

 

地面に叩きつけられたドラゴンは

ゆっくりと起き上がり顔を上げウィザードを

睨んでいた。ドラゴンの力と言えど

秀夜もドラゴンが暴走した姿で闘っている。

よってこの戦いは同じ力のドラゴン同士の戦いと

言ってもおかしくはない。

 

否、どちらかと言えば、秀夜の方が

上回っているかもしれない。

 

 

 

「‥‥なんて‥‥!考えてる暇はなさそう‥だな!」

 

 

ウィザードはそう言って魔法を発動している

右手をぷるぷると震えながらも

キックストライクリングを取り出し、

右中指に付けようとしたその時だった。

 

 

「どぁああっ!!?」

 

 

「っ!?攻大!?」

 

 

ウィザードの前にいきなりビーストが

火花を散らしながら吹っ飛んできたのだ。

その姿はいつの間にか変身したのだろう、

ビーストハイパーになっており、

ゲホゲホと強く咳き込みながら顔を上げ

吹き飛ばした相手を見ていた。

 

 

「どうしたの〜?もう終わりなのかな〜?」

 

 

「ぐっ、クソ!マジでチートだろあいつ!」

 

 

余裕の態度でこちらに歩いてきたバジリスクは

倒れているビーストを見下しながらそう言っていると

ビーストも文句を言いながらミラージュマグナムを

地面に押し付け、震えながら立ち上がる。

ウィザードは手を貸そうとしたが

今力を抜けば抑えているドラゴンの方が解かれ

間違いなくドラゴンは襲ってくるだろう。

だからウィザードは「大丈夫か?」と

安否を聞くだけにした。

まぁ予想通り見た目はやられているが

ビーストは「問題ない」と意地を張り

深く深呼吸をしながら立ち上がっていた。

 

 

「攻大っ。」

 

 

「へ、心配は余計なお世話だぜ晴希。

ピンチはチャンスだ‥‥。お前はあのバカ秀夜に

集中しとけ。」

 

 

「攻大‥‥‥。あぁっ、そっちは頼む。」

 

 

「言われなくても分かってるっつーの。」

 

 

 

「ふぅん、〝友情〟ってやつかな?」

 

 

ボロボロのビーストを見て声をかける

ウィザードだがビーストはそう言ってウィザードは

頷き、お互いの相手に集中する。

するとバジリスクは2人を見てしばらく首を傾げていると‥。

 

 

 

「ボクが一番嫌いな言葉だ。」

 

 

刹那、バジリスクは静かにそう言うと

右手で作り出した炎をグラビティで動きを

封じていたドラゴンに目掛けて飛ばしたのだ。

 

 

 

「ッ!!グォアァアア!!!?」

 

 

「っ!!秀夜ぁあ!!」

 

 

「テメェ!何しやがる!」

 

 

「へ?何って別にー?君達の友情に

あの気色悪いやつはいらないかなーって

思っただけ。さっきまで攻撃してたんだから

むしろボクに感謝してもいいんじゃないかな?」

 

 

燃え続けるドラゴンは苦痛の叫びを上げ

ウィザードはグラビティを解除し、

ビーストはバジリスクを見て怒るが

バジリスクはあっけからんとした態度で

ドラゴンを見ながらそう言った。

 

 

 

「くっ、頭イカれてる!秀夜待ってろ!!」

 

 

 

「グォアァ‥‥アァァ!!」

 

 

「うるさいよ。」

 

 

 

ウィザードはバジリスクに啖呵を切り

すぐにウォータードラゴンリングを取り出そうとする。

だが、バジリスクはドラゴンの叫びを聞いて

静かに呟いた瞬間。

 

 

バジリスクは指をパチンと鳴らすと

燃え上がっていたドラゴンの身体が突然爆発したのだ。

 

 

「うぉあっ!?」

 

 

「っ!!‥‥‥あっ‥‥!」

 

 

ビーストとウィザードは吹き飛ばされるが

ウィザードはすぐさまドラゴンの方を見る。

爆発したドラゴンは爆炎の中に薄っすらと影が

見えるが膝をついているのが分かる。

 

 

 

「そ、そんな‥‥‥!」

 

 

「し、秀夜‥‥君‥‥?」

 

 

その爆発を見てツバサ、あんじゅ、英玲奈は

ただしゃがみ、立ち尽くすだけだった。

 

 

 

「くっ!急いで火を消さないと!」

 

 

「させないよ!フンッ!」

 

 

ウィザードとビーストはすぐにドラゴンを

助け出そうとするがバジリスクに妨害され

なかなか近づけれないでいた。

そして膝をついていたドラゴンは

ゆっくりと地面に倒れようとしていた。

 

 

「‥‥!おいっ!秀夜!!

お前はそんな簡単にやられる奴だったか!?」

 

 

ウィザードはバジリスクの攻撃を受けながら

倒れようとするドラゴンに必死に叫んでいた。

 

 

「秀夜!お前は、俺の、俺の友達だ!

だからそんな姿さっさと戻して!

一緒に‥戦うぞ!!!秀夜っ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

秀夜‥‥!秀夜‥‥!

 

 

 

「‥‥‥‥‥‥‥誰か‥‥‥呼んでる‥‥‥‥。」

 

 

暗く、なにも見えない場所で

眠っていた秀夜は名を呼ばれてるのに気付き

ゆっくりと目を開け辺りを見回していた。

 

 

「あ?‥‥ここは‥‥‥‥?」

 

 

『‥‥‥‥ん?こいつは驚いた。目が覚めたのか?』

 

 

秀夜はそう呟くとその空間全体から

ノイズがかかった様な声が聞こえる。

 

 

「っ‥‥‥てめぇか、こんな所に閉じ込めたのは‥。」

 

 

『閉じ込めたなんて失礼だな。

お前の代わりに俺が出て暴れてるだけだ。』

 

 

秀夜の問いに答え、暗闇の奥から

ゆっくりと出てきたのはズボンのポケットに

手を入れている秀夜だった。

 

 

「‥‥‥気色悪ぃな‥。

俺の姿じゃなくて本性見せろや。」

 

 

『ふん、生意気な口調は相変わらずだな。』

 

 

自分がもう一人出たのが嫌なのか

秀夜はそう言うともう一人の秀夜は

鼻でふんと笑い、その身体は徐々に光りだし

その姿は巨大なファントム、

そして秀夜の魔力の源

〝ダークウィザードラゴン〟が飛翔し、

秀夜の真上を飛び回っていた。

 

 

『このまま寝ていろ、藍崎秀夜。

外の世界で暴れるのはなかなか楽しい。』

 

 

「確かに、それを受け入れたのは認めてやんよ‥。」

 

 

『‥‥ほう?認めるのか。』

 

 

「だけどよ、それはもうお終いだ。

こっから先はテメェの力を貸せ。」

 

 

『何‥?』

 

 

ダークウィザードラゴンは秀夜に忠告するが

秀夜は少し俯き、強い目で頭上を飛んでる

ダークウィザードラゴンを見やった。

 

 

「俺は力欲しさ故にテメェに飲み込まれた‥

テメェはもう十分暴れただろ?

なら、今度は俺にその力を使わせろ。

じゃねぇと()()()()が心配すっからな。」

 

 

『お前如きが俺の力を使いこなせるとでも?』

 

 

「はっ、当たり前だ。

さぁドラゴン、その力を俺に貸しな!」

 

 

『‥‥‥。』

 

 

ダークウィザードラゴンと秀夜は言い合い、

更に睨みつけるような目で秀夜は右手を

差し伸べ、ドラゴンにそう強く言った。

ドラゴンは数秒黙り込み、次第に笑い出した。

 

 

『クハハ‥‥。さっきまで乗っ取られてたくせにな‥‥。

いいぜ、俺のこの力を使わせてやる。

ただ、気を抜いたら今度は闇の底まで

お前の精神を引き摺り下ろし、

完全に俺が支配してやる!』

 

 

「っ!ぐっ!!‥‥‥‥へっ。

そんなことはぜってぇ、ねえな。

なんせ俺は仮面ライダーダークウィザード‥。

破壊の魔法使いだ!!」

 

 

ダークウィザードラゴンは言い終わると

真下にいる秀夜目掛けて急降下し、

秀夜の中に入り込んだ。

すると秀夜の身体は光りだし、叫ぶと同時に

辺りの暗闇が徐々に光りに包まれて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

《ダークネス!‥‥ダークネス!‥‥》

 

 

 

 

「‥‥っ?何‥‥‥‥?」

 

 

「‥‥‥この音‥。まさか‥!」

 

 

 

バジリスクと交戦していたウィザードとビースト。

すると爆炎に包まれていたドラゴンから

音声が鳴り出していた。

ドラゴンはゆっくりと立ち上がると

その悍ましい身体が徐々に消え、

ダークウィザードの姿に戻っていく。

そして、ダークウィザードは左中指に

ダークネスドラゴンリングを取り付け、

ドライバーへとかざした。

 

 

 

 

《ダークネス!・ドラゴン

 

ヤミ・ヤミ・ヤミヤミヤミィイ!!》

 

 

 

 

BGM 〜Just the Beginning

A–RISE version

 

 

 

 

 

 

力強い音声が鳴り響くとダークウィザードを

飲み込んでいた爆炎は紫の爆炎と変わり、

そのまわりにダークウィザードラゴンが飛翔する。

ダークウィザードは左手を大きく横に振り払うと

真上から紫の魔法陣が現れ

ダークウィザードの身体を通り抜ける。

そしてその戦士はダークネススタイルから

ダークネスドラゴンスタイルへと

スタイルチェンジしたのだ。

その光景をウィザードら、ツバサらの他に

鉄柱の近くで白い魔法使いも無言で見ていた。

 

 

「っ!秀夜‥!」

 

「‥‥は、ヒヤヒヤさせてくれるぜあいつ。」

 

 

「‥‥‥‥‥何だ、生きてたの?」

 

 

 

ウィザード、ビーストはそう言い、

バジリスクはがっかりした様子でそう言うと

ダークウィザードは右手に顔を向け、

拳を作り、パワーアップした自分を見ると

少し遠くでこちらを見ているツバサ達を見る。

 

 

「秀夜‥‥‥!」

 

「まったく、無茶ばかりするやつだ‥!」

 

「本当だよね‥!」

 

 

「‥‥‥ふん、3人揃ってメソメソすんじゃねぇよ。」

 

 

 

ツバサ、英玲奈、あんじゅの順で

ダークウィザードを見てそう言い、

ダークウィザードは小さくつぶやき、

目の前のバジリスクを見て口を動かした。

 

 

「よぉ、さっきはさんざんとやってくれたな。

次は俺の番だから覚悟しとけよゴラ。」

 

 

「冗談はその飾りだけにしときなよ。

ボクにボロボロにやられてたくせになにo

 

ぶっ!?!」

 

 

ダークウィザードの宣告にバジリスクは

余裕の態度でそう言った瞬間、

ダークウィザードはその場で思い切り

地面を蹴り飛ばし、バジリスクの目の前まで

跳躍するとダークウィザードは勢いよく

膝蹴りを喰らわし、バジリスクを一瞬で吹き飛ばした。

 

 

「っ!‥‥‥!?‥‥!」

 

 

「へぇ、思ってたより強ぇなこれ‥‥。」

 

 

「秀夜。それさっき俺にも使ってきたやつだろ。

ったく、結構痛かったんだからな。」

 

 

「は?‥‥あぁ〜、わりぃ。」

 

 

「おう、分かればいい‥‥え?」

 

 

 

何が起きたのかわからないバジリスクは

自分の鼻を押さえ、ダークウィザードを睨んでいた。

ダークウィザードは自身の力を感じ

浸っていると先ほどの攻撃の仕方が

暴走していたドラゴンの攻撃と同じなので

ウィザードはジト目でそう言うと

なんと、ダークウィザードは気だるそうに謝ったのだ。

そのまま受け流そうとするが

おかしいと気付き、ウィザードは

ビーストと顔を見合わせていた。

その間にダークウィザードは

立ち上がるバジリスクの元へ駆け出して行った。

 

 

「ふっ!はっ!オォラッ!!」

 

 

「っ!?うっ!

な、何でよ!さっきまで馬鹿みたいに

暴走してていきなりパワーアップなんてありなの!?」

 

 

「ありなんだよ!オラッ!」

 

 

「きゃあっ!!」

 

 

次々と攻撃をあたえバジリスクは

得意の能力を使うことなくやられていく。

どうやら、肉弾戦にはその力は使えないようだ。

ドロップキックでバジリスクを突き飛ばし、

ダークウィザードは余裕の笑みを浮かべると

足元に違和感を感じ、ダークウィザードは

足元を見ると、そこにはケルベロスがおり、

一つの首は指輪をくわえていた。

 

 

「バウッ!!」

 

 

「ん?‥‥んだその指輪‥‥

テメェどっから拾ってき‥お?」

 

 

 

ダークウィザードはケルベロスから指輪を受け取ると

リングホルダーにつけている魔法リングが輝き出す。

それを見たダークウィザードはまず、

リングホルダーに付けてあった魔法リングを

右中指に取り付け、シフトレバーを上下に動かし、

ソレをかざした。

 

 

 

《スペシャルラッシュ!・プリーズ!》

 

 

 

力強い音声がなると、ダークウィザードの

真後ろから魔法陣が現れ、そこから

光り輝くダークウィザードラゴンが飛び出し

ダークウィザードを包んでいく。

すると、ダークウィザードの身体は

あのオールドラゴンのように、

胸に頭、両腕には爪、腰には尻尾、

背中には翼を宿す形態となっていた。

 

 

「なっ!?あれ晴希のドラゴンの力じゃね!?」

 

 

「あいつ‥‥ドラゴタイム無しで

オールドラゴンになれるのか‥‥。」

 

 

その姿に驚き、ビーストはウィザードの

肩を揺さぶるとウィザードも同じ気持ちで

ダークウィザードを見ていた。

するとダークウィザードはその場からゆっくり

浮上し、右手のドラゴンの爪の装備を一度解除すると、

シフトレバーを上下に動かし、

いつの間に付けたのか、さきほどケルベロスが

拾ってきた指輪、〝ブラックホールリング〟を

ドライバーへとかざした。

 

 

 

《チョーイイネ!

 

ブラックホール!

 

サイコーッ!!》

 

 

 

「‥‥‥っ!!な、なに‥‥‥!?」

 

 

 

音声が鳴るとバジリスクの背後に

巨大な渦の様な空間が現れる。

バジリスクはその場から離れようとするが

勢いが凄まじく、バジリスクはその場で

立ち尽くすのが精一杯だった。

ダークウィザードは少し腰を低くし、

必殺技を決めようとするが、

その前に、何か察したのか少しだけ英玲奈を見た。

 

 

 

「‥‥‥‥‥秀夜‥‥‥頼む‥!!」

 

 

「‥‥‥あぁ。」

 

 

 

英玲奈の目から一雫の涙が見え、

ダークウィザードは静かに頷くと

一気にバジリスクに向かって急降下し、

キックのポーズを取る。

 

 

「ぉおおおおらぁああああああっ!!!」

 

 

「っ!!!きゃああああああっ!!!」

 

 

 

ダークウィザードの蹴りは

バジリスクに当たり、バジリスクは

飛ばされるとその背後にあったブラックホールに

吸い込まれ、何事もなかったかのように

その場は瞬く間に静かになった。

 

強いて言えば、ダークウィザードの

羽ばたく音だけがその工場に聞こえていた。

 

 

 

「‥恵‥‥‥‥‥‥。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

数日後、とある墓地にて。

 

 

 

「‥‥‥‥‥‥。」

 

 

佐山恵と書かれた墓地に英玲奈、あんじゅ、

ツバサは合掌をしている。

当然秀夜は興味なさげに空を眺めているが

その場からは動こうとしていなかった。

 

 

「よっ。」

 

 

「あ、晴希君。」

 

 

「‥‥‥んだテメェかよ。」

 

 

「テメェでわりぃかよ。

お参り来たぜ。」

 

 

花を摘んで現れた俺は挨拶をすると

ツバサ達は笑顔で迎え、秀夜は

面倒くさそうな目でこちらを見ていた。

俺は恵の前に花束を置き、合掌をし、口を動かした。

 

 

「‥‥‥これでよかったのかな‥。」

 

 

「‥‥‥‥仕方ないさ。こうなったのも私が

しっかりしてないから‥‥」

 

 

「おい、それは違ぇぞ。

てめぇは何も悪くねぇ、悪いのはクソの

ファントムだ。」

 

 

「秀夜‥‥‥ありがとう。」

 

 

俺のつぶやきに英玲奈は自分を攻めようとするが

秀夜はファントムのせいだと強く否定した。

 

 

「‥‥おい操真。何がおかしい?」

 

 

「いや、お前なんか丸くなってないかって思ってな。」

 

 

「はぁ?当たり前のこと言っただけだろ。

そんな事もわかんねぇてめぇの

脳みそは腐ってんのか?」

 

 

「‥‥‥その口調さえ治ればもっとよかったのにな!

クソ秀夜!」

 

 

「んだとゴラッ!?」

 

 

不意に笑った俺は秀夜に睨まれ、

会話がヒートアップしていき、喧嘩が始まってしまう。

最初は宥めようとしていた英玲奈達だが

呆れて苦笑し、その光景をツバサ達と見ていた。

 

なぜなら、晴希と秀夜の顔は笑っていたのだから。

 

 

 

しばらく見ていた英玲奈はその場をゆっくりと離れ、

見晴らしのいい高台へ行くと

空に向かって顔を上げ、口を動かした。

 

 

「‥‥‥恵。しばらく待っていてくれ。

私はツバサ達とこのバカの面倒を見なければならない。

役目を終えたら、ゆっくりと話をしよう。」

 

 

英玲奈はそう言うと、少しだけそよ風が

英玲奈の近くで靡いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、仮面ライダーウィザード

 

 

 

「今回の予選は会場で歌うことも認められてるの。」

 

「うっへ?うっそマジ?どこでもいいの?」

 

 

「お前は黙ってろ。」

 

 

ついに始まるラブライブの予選!

相変わらずのグダグダ、このまま行ってもいいのか?

 

 

 

「大変だ晴希!穂乃果ちゃんが攫われた!」

 

 

「初めまして、そしてようこそ。

UTX高校へ。」

 

 

 

秋葉原の大通りで穂乃果は突然手を掴まれ

どこかに連れ去られてしまう!

その行先は‥‥。

 

 

 

「おいテメェクソ秀夜!こんな美味しいもん

毎日食べてるとかお前羨ましすぎるぞ!!」

 

 

「んだよ!でけー声だすなうっせぇな!」

 

 

「ちょ、ちょっとあんた達!こんな所で喧嘩しないの!」

 

 

UTX高校の食堂で攻大と秀夜が喧嘩。

宥めるμ'sらとそれを見て笑う晴希とA–RISE。

 

 

 

 

「A–RISEが凄いのは俺も分かってる。

でも、お前らも凄い。だから胸を張れ、みんな!」

 

 

「よぉし、行こうっ!!」

 

 

 

A–RISEの歌、パフォーマンス、魅力に

μ'sの皆は驚かされてしまう。

だが彼女らも凄いのは一番晴希が知っている!

 

 

第43話 キボウノユクエ

 




どうも、大変お待たせ致しました
待たせてしまって申し訳ない
しょーくんです(>_<)

バジリスクなかなかせこい奴ですよね笑
さてさて、暴走した秀夜君は元通り&パワーアップ!

さてさて、お次はアニメのあのお話ですね笑
んー、ここからスピード上げてかないと(>_<)
コラボも控えてますし( ゚д゚)


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