ラブウィザード! 〜希望の柱〜   作:しょくんだよ

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ミニミニタイム!

【魔法少女(笑)ビーストの末路】


ことり「攻大君ー、ちょっといいかな?」

攻大「お?なんだー?」

ことり「新作で作ってみた衣装なの☆
さっそく着てみて?」


ことりが取り出したのはザ・アイドルと
強調するピンクで彩られた衣服だった。


攻大「っ!?‥な、何で女の子みたいに
ヒラヒラした衣装なんだ‥ことりちゃん?」

ことり「え、だって攻大君魔法少女なんだよね?」

攻大「っ!!いや、あれは婆ちゃんを
誤魔化す為で‥、ちょ、晴希ー。晴希ー!?」


にこ「晴希ならさっき全力で逃げて行ったわよ?」

攻大「何でだよ!?ちょ!にこちゃん、
海未ちゃん!た、助けてくれませんか!?」

にこ「えー?別にいいんじゃないかなー?
攻大はー、()()()()なんだよねー海未ー?」

海未「はい、攻大は()()()()ですから。
せっかく作ってくれたのに着ないのは
酷いですよ攻大?」

攻大「ちょっ!?何でだよ!
やめ、やめろことりちゃん!そんな顔して
近付かないでくれ!う、うわああああああ!!」


攻大は、マヨラーから
魔法少女(笑)へと昇格した!
(テレレレッテッテッテーン♩)


第38話 お婆ちゃんの温もり

二藤攻大を連れ戻す為に上京してきた

攻大の祖母、敏江はゲートだった。

だが敏江は突然自らの命をファントムに

差し出そうとし、俺、操真晴希、攻大、

そして藍崎秀夜は敏江を守ろうとした。

だが間に合わず、代わりにかばった園田海未が

攻撃を受け気絶してしまい、

グレムリンに連れて行かれたのだった。

 

 

ーーーーー

昼休み、音ノ木坂学院

アイドル研究部の部室にて。

 

 

「晴希君!!早く海未ちゃん助けに行こう!!

こうしてる間にも海未ちゃんが‥‥!!」

 

 

「晴希君‥‥!!」

 

 

「分かってる!ちょっと待ってくれ!」

 

 

 

海未が連れて行かれ、晴希こと俺は

使い魔を全部使い現在探索中だった。

学校では体調を崩して休んだと先生に伝えたが

今俺に叫んでくる高坂穂乃果と涙目で

俺を見てくる南ことりやμ'sメンバーには

正直に話した。当然彼女らは驚愕し、

不安をよぎらせてしまう。

因みに攻大は敏江をかばうために今日は

学校を休んだ。‥俺も休んだ方がよかったのだが

あのファントムのことだ。

隙をついてμ'sのメンバーが狙われるかも

しれないので俺は登校したのだ。

 

 

「こうっちのお婆ちゃんの命と

海未ちゃんの命を選べだなんて‥

そんなの決めれるわけないやん‥‥!」

 

 

「かなりゲスなファントム‥‥。

前に凛も花陽も酷い目にあったわよね?」

 

 

東條希は机に肘を置いて強くそう言うと

西木野真姫は髪をくるくるいじりながら

深刻な顔をし、隣に座ってる

星空凛と小泉花陽を見ながらそう言った。

2人もあの緑のファントム、グレムリンに

騙されて捕まってしまった事がある。

グレムリンが言ったこと、それは

敏江の命と海未の命を交換しようと

言ってきたのだ。

 

 

「‥きっと奴は面白がってる。クソ!」

 

 

俺はそう呟き、卑怯なやり方をするグレムリンに

怒りを抱き、壁をやや強めに叩いた。

 

 

「海未‥‥‥‥。」

 

 

「無事‥‥なのかしら‥‥‥。」

 

 

「人質で攫ったんだ。手を出すことはないはず‥っ。」

 

 

心配するμ'sメンバー、奈々城コヨミと

絢瀬絵里の呟きに俺はそう答えた。

冷静に落ち着いている俺だが

心奥底では不安で今にも押しつぶされそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

使われていないトレーニング場にて。

 

 

「‥こんな奴攫ってどうするつもりだ‥?

あの場でゲートを落とせば早かったはず。」

 

 

「‥それは一理あるかもしれん。

グレムリン、何故こんな面倒な事を?」

 

 

海未を攫い、目の前で気を失っている海未を

見ながら人間態のワータイガー、怪人態の

タキシムは疑問を抱き、隣にいるソラを見た。

 

 

「グレムリンじゃなくて、ソラって

言ったでしょ滝川さん?

それじゃあゲートは絶望しないよ。

だって、あのお婆ちゃんの心の支えは

可愛い孫、つまりビーストだもん。

そこを上手く使えば、お婆ちゃんは

簡単に絶望しちゃう。さぁて、

こいつの命を奪うかそれとも‥‥、

楽しみだなぁ、フフフ!」

 

 

ソラは2人の周りを歩きながら

悪だくみの顔を浮かべていた。

タキシムは息を吐いて、気を失っている

海未の顔をジッと見ていた。

 

そしてその光景を攻大の使い魔

グリーングリフォンとブルーユニコーンが

小さく鳴いてこっそり見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

再び アイドル研究部の部室にて。

 

 

 

使い魔の知らせを待つ俺たちは

話す会話もなく、全員が不安がる顔で

部室の中は刺々しい雰囲気が漂っていた。

すると俺のスマホからバイブ音が鳴り出し

俺は画面を確認すると相手は攻大で

俺は急いで通話ボタンをスライドして出た。

 

 

「もしもし、攻大か?」

 

 

『晴希!見つけたぜファントム!』

 

 

「っ!?本当か!」

 

 

俺は攻大の知らせを受けバッと椅子から立ち上がる。

それを見たμ'sメンバーも静かに俺を見た。

 

 

「場所はっ?」

 

 

『バードボール‥って見えるな‥‥。

てか、俺のグリフォンちゃんの隣に

お前の使い魔いるんだけどお前も

使い魔の視点から見れるんじゃねーのか?』

 

 

「え?俺の使い魔‥?

視点から見えるってどうゆうことだ?」

 

 

『はぁ?鏡みてーなやつあるだろ?

俺は遺跡でドライバーと一緒に拾ったから

あれだけど、俺もあるならお前も持ってるだろ?

神のおっちゃんに貰ったりとかしてないのか?』

 

 

「‥‥‥‥‥まさか‥。ありがと攻大。

そこには俺が向かうからお前は

お婆ちゃんを守っててくれ。」

 

 

攻大から場所を聞いて俺は安心の顔を少しだけ

浮かぶ。それと攻大が言っている

使い魔の視点を見ることができる鏡?に

首を傾げる。俺はもしやと思い、

一度攻大との通話を切り、コネクトリングを

ベルトにかざした。

 

 

《コネクト・プリーズ》

 

 

「よっ‥‥‥‥もしかしてこれか?」

 

 

コネクトリングで魔法陣を出し、俺はそこへ

右手を通してある物と一緒に取り出した。

それは少しほこり被っているが

綺麗な水晶玉だった。

 

 

「晴希君、それは?」

 

 

小泉花陽に続き、μ'sメンバーも

水晶玉を見てくる。俺は感で少しだけ力を入れると

その水晶玉は突然光だす。

 

 

「にゃ!光ったにゃ!?」

 

 

「っ!何か映ったわよ!?」

 

 

星空凛、矢澤にこが反応し、

水晶玉を覗くとそこには映像みたいに

違う風景が映し出されていた。

その風景には先ほど攻大が言っていた

バードボールと言う名が見える

ボーリング場らしきものが映し出されてる。

実はこの水晶玉は転生してきた時に

神から貰った支給品なんだが‥、

なんだこれめちゃくちゃ便利じゃん‥!

今まで俺ただの飾り物だと思ってたわ‥。

 

 

「バードボール‥潰れたボーリング場やね!」

 

 

「晴希君、これって‥‥?」

 

 

「攻大が言うには使い魔の視点が見える

水晶玉らしい。よし、これなら先手が取れる!」

 

 

「じゃあ!ここに海未ちゃんが!?

晴希君、早く行こうよ!!」

 

 

「凛も行くにゃ!!」

 

 

「ウチも出るで!」

 

 

希は映っているボーリング場の名前を読むと

ことりが聞いてきたので俺はそう答えた。

そうと分かればと言わんばかりに

穂乃果と凛と希は机を両手で軽く叩いて

立ち上がるが俺は左手を出してそれを制した。

 

 

「いや俺一人で行く。

大勢で行ったら先手の意味がないからな。

それに大勢で学校をサボるわけにはいかないだろ?」

 

 

今学校はお昼休み。この人数でサボるなど

そんなことしたら怒られるどころか

ラブライブ!出場を取り消しになるかもしれない。

サボるのは男子の特権だと俺はそう皆に伝え

皆は仕方ないと了承を取るが

1人、納得のいかない少女がこちらを見てくる。

 

 

「‥‥‥‥‥!」

 

 

「‥‥‥‥‥‥‥だぁ!‥‥分かった。

穂乃果、いいんだな?サボるんだぞ?」

 

 

「海未ちゃんが捕まってるんだもん!

見過ごせないよ!私も行く!」

 

 

しばらく睨み合いが続くがこの子の執念深さは

織り込み済み。俺は諦め穂乃果に聞くと

迷いなく頷いた。すると絵里が苦笑して

口を動かす。

 

 

「全く‥、生徒会長と副会長が学校を

サボるだなんて前代未聞よ。」

 

 

「助けに行っても海未ちゃんに怒られそうだね。」

 

 

「ぐっ!?それ言われるとキツいよ

絵里ちゃん花陽ちゃん‥。」

 

 

絵里と花陽の言葉に穂乃果は心に剣がグサリと

刺さったかのように身体がビクッとなって

肩を落とす。確かに絵里の言う通りかもしれないが

俺は迷う事なく答えた。

 

 

「友が捕まってるのに見過ごせないだろ?

皆はその水晶玉から見ててくれ、行くぞ穂乃果っ。」

 

 

「うんっ!」

 

俺は皆にそう言って穂乃果と一緒に部室を出る。

そしてバレないように学校を抜け出したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

神田明神にて。

 

 

 

「ーーというわけだ婆ちゃん、

しばらくここで大人しくしててくれ!」

 

 

「‥‥。私のせいで海未ちゃんは‥。」

 

 

「あぁ!そうだよ!婆ちゃんのせいで

海未ちゃんは捕まった!何であんな事すんだよ‥‥!?」

 

 

晴希に連絡を入れ、神田明神の寺の中で

待機している攻大と敏江。

敏江の突然とった行動で海未は

捕まってしまったと怒る攻大だが、

次の言葉で気持ちは大きく揺らいだ。

 

 

「‥‥だってお前は、ファントムを

食べなければ死んでしまうのでしょうっ?」

 

 

「えっ‥‥‥!」

 

 

敏江の言葉に攻大は驚愕した。

もしかして、自分の為にわざと

絶望しようとしたのだろうか。

絶望して生み出されたファントムを喰らう為に

わざと、キマイラの餌になろうとしたのか。

それを聞いた瞬間、

攻大の頭の中でその様な疑問が浮かび

攻大はその疑問と苛ついていた気持ちを

ぶつけあわせ、言葉に出そうとしたその時。

 

 

「かあぁーーつ!!敏江殿。

それは成りませぬぞ?」

 

 

寺の奥からいきなり怒鳴って現れたのは

ここ神田明神の住職の御成である。

いきなり大きい声を出されびっくりする

敏江と攻大だが御成は話を続けた。

 

 

「事情は存じませぬが、敏江殿。

命はそう簡単に投げ捨てるものではございませぬぞ。

人生とは短き尊いもの。それを自ら捨てようなど

この御成が許しませn」

 

「私は十分に長生きしました。

例えお寺の住職に何を言われようと

私の覚悟は変わりません。さぁ、攻大。

私を連れて行きなさい。」

 

 

御成が話してる途中に敏江は一回り

大きな声で割入り、攻大にそう言うと

御成は黙り込んでそそくさに攻大に近寄り、

彼の耳元で囁いた。

 

 

「(こ、攻大殿!一体何があったのでござるか?)」

 

 

「‥‥‥ハゲの住職には関係ねーよ。」

 

 

「は、ハゲ!?二度までもハゲ‥‥!?アゥ‥。」

 

 

事情を聞こうとする御成だが気分が悪い

攻大はそう言って寺から出て行く。

そしてハゲと言われた御成はショックを受け

その場に乙女座りでしゃがみこんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

潰れたボーリング場、バードボールにて。

 

 

 

「‥‥‥ジッ。こちら穂乃果。

敵のアジト付近へ到着。

これより侵入する、オーバー?」

 

 

「ジッ。こちら晴希。

穂乃果と共に俺も侵入する‥‥‥ってコラ。」

 

 

「痛いっ!?何するの晴希君っ!?」

 

 

「バカヤロ、遊びにきたんじゃないぞ!」

 

 

使い魔の視点から見えた場所、バードボールに

辿り着いた俺と穂乃果。

だが穂乃果は急にトランシーバーで連絡を取る

仕草をし出し、俺もつられてやってしまうが

すぐに我に返り、穂乃果の頭にチョップを入れる。

学校を初めてサボったのか妙なテンションの

彼女だが今はそんな場合ではない。

 

 

「俺が敵の目を引きつける。

その間に穂乃果は海未を頼む。」

 

 

「分かった!」

 

 

《コネクト・プリーズ》

 

 

俺の作戦に穂乃果は了承すると

俺はコネクトリングをベルトにかざし、

扉の向こう側に魔法陣を出現させる。

そこへ右手を通し、俺は内側から鍵を開けて

2人は中へと侵入した。

‥さっきはふざけていたが本格的に

潜入捜査じゃないかこれ?

俺と穂乃果は静かに潰れたボーリング場の中を

進んでいくと、奥の方から何やら音が聞こえる。

俺と穂乃果は互いに無言で頷き、奥へと進んだ。

階段を登り、目の前にある扉。

俺はゆっくりと握り、勢いよく扉を開けたその時。

 

 

パコーン‥‥‥‥。

 

 

 

「‥‥!お前は‥メデューサ!?」

 

 

「っ!‥指輪の魔法使い‥‥?

どうしてここが‥‥‥?」

 

 

そこにいたのはファントムのメデューサだった。

俺は辺りを見渡すが海未はどこにもいない。

それどころかグレムリンやワータイガーの姿もない。

あるのは使われてないボーリング場で

先ほどまで遊んでいたのかメデューサの前の

ピンがボールによって倒れていた。

 

 

「‥‥!晴希君、あれ!」

 

 

すると穂乃果は上の方を指差す。

俺はそこを見ると鎖で繋がれていた

使い魔のグリフォンとユニコーンがいた。

 

 

「何で鎖なんかに‥‥‥?」

 

 

「フフ!フフフフッ!!」

 

 

「「「っ!?」」」

 

 

俺はそう呟くとメデューサの後ろの方から

聞いたことのある笑い声が聞こえ、

俺、穂乃果、メデューサはその方角を振り向く。

そこにいたのは嬉しそうな顔をする

グレムリンの人間態のソラだった。

 

 

「引っかかった引っかかったぁ!!

先手打ったつもりだった〜!?

残念でしたぁ!あのちっちゃな動物使うなら

もっと慎重にやらせないとダメだよ?

じゃ、今度はちゃんとゲートを連れておいで?

夕方、町外れのスクラップ置き場で

待ってるからさ☆じゃーね〜☆」

 

 

「なっ!おい、待っ‥!」

 

 

「待ちなさい、グレムリン!!」

 

 

突然現れたソラはそう言うと

その場から跳躍し、ボーリング場から姿を消す。

俺は急いで追おうとするが、

先にメデューサが声を荒げ、ソラの後を追った。

 

 

「晴希君‥‥今の‥‥。」

 

 

「‥‥くっ、やられた‥‥!」

 

扉の近くで見ていた穂乃果は

ソラとメデューサがいなくなるのを確認して

俺にそう言ってくるが、俺はため息を吐き、

静かに舌打ちしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

神田明神、階段付近にて。

 

 

 

 

 

「‥‥‥‥‥クソっ。

何なんだよ‥‥何で急に‥‥‥。」

 

 

階段で座り込んでる攻大は舌打ちと共に

側にあった小さな石を投げていた。

今まで散々怒鳴り散らしていた祖母の敏江は

急にファントムに近付き絶望させろと言った。

その理由は攻大の中のキマイラのお腹を満たす、

つまり自分が魔力になって攻大の為に

与えようとしていたのだ。

そんな行動を取られ、攻大は訳が

分からなくなってしまったのか

寺から出て階段付近まで逃げていた。

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

そしてしばらく頭を冷やしていると

敏江の言葉が頭の中を過ぎった。

 

 

 

『‥だってお前は、ファントムを

食べなければ死んでしまうのでしょうっ?』

 

 

 

「‥婆ちゃん‥‥‥‥っ!あぁっ!!

馬鹿野郎か俺は!!ちょっと素直になって見ろや!

‥‥‥‥普通に優しくて孫を大切にする

婆ちゃんじゃんか‥‥!」

 

 

 

その言葉が過ると攻大は立ち上がり

髪を掻きながら叫んでいた。

 

危ない事をして怒鳴っていたのは

怪我してほしくないから。

 

口うるさいのは心配しているから。

 

命をかけるのは孫が大切だから。

 

攻大はやっと祖母の気持ちを理解し、

深呼吸をすると振り返り、神田明神へと

階段を登り、中へ入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー

 

 

 

 

「‥‥‥‥‥。」

 

 

急に出て行った攻大を止めず

神田明神の客間で無言で

折り紙を降り始める敏江。

御成は先ほどまで一緒にいたが、

『せ、拙僧はこれより座禅の時間ですので』

と言ってどこかへ行ってしまった。

自分のせいで捕まってしまった海未の事も

心配なのか時折窓の外を見て

不安そうな顔をしていると襖の奥から

木柱を叩いてるのか小さなノックの音が聞こえる。

 

 

「はい?」

 

 

きっと御成だろうと思いながら敏江は

返事をすると入ってきたのは攻大だった。

 

 

「‥‥攻大‥‥。」

 

 

「‥‥‥なぁ、婆ちゃん。‥‥あのさ、

このまま福井に、一緒に帰ろっか‥‥。」

 

 

驚く敏江だが、次の攻大の俯き加減の言葉に

さらに驚いてしまう敏江、だが。

 

 

「こら攻大!」

 

 

「っ!」

 

 

あれほど連れたがってた敏江は急に怒鳴ったのだ。

静まり返ったその空間に一喝が入り

攻大はビクッと身体が動く。

怒られるかと攻大はビクビクしながら

耳を傾けると敏江は言葉が詰まったような

喋り方で口を動かした。

 

 

「‥‥情けない‥‥!その言葉、

昨日まであれほど聞きたかった言葉だけど、

今となっては聞きたくな‥!」

 

「やっと気付いたんだよ!

婆ちゃんの気持ちを‥‥‥!!」

 

 

「え‥‥?」

 

 

徐々に涙目になりだす敏江の言葉に

攻大は叫んで割入り敏江の方へと振り返る。

その顔は子供のように今にも泣きそうな

攻大の素顔があった。

 

 

「‥‥婆ちゃん、ずっと俺のこと

思っててくれてたんだって‥‥。

だからあんな無茶な事をしたんだろ‥‥?

でも‥‥‥、頼むから‥‥!そんな事しないでくれ‥!

今婆ちゃんに死なれたら、俺‥‥絶望する‥!」

 

 

転生した攻大にとって最初は敏江の事を

口うるさい婆さんだと思っていた。

だけど、記憶の中にある敏江の温もりと

攻大の為に命を呈してまでファントムに

向かったその覚悟。

攻大はそこに気付き、自分の大切なお婆さんだと知る。

その思いの感情が溢れ出し、

攻大は涙を流しながら喋ると、

敏江ももらい泣きをしたのか涙を流し、

 

 

「‥!馬鹿だねぇ‥‥!」

 

 

座っていた身体を立たせ、敏江は攻大に抱きついた。

 

 

「‥‥お前が、人様の為に犠牲する様な子なら、

それこそ、このお婆ちゃんが絶望しますよ‥‥?」

 

 

「婆ちゃん‥‥‥!」

 

 

抱かれた攻大は久しく祖母の温もりを実感し、

余計に涙を零す。それを見た敏江は

らしくないと攻大の身体を大きく揺さぶる。

 

 

「覚悟しなさい攻大!お前だって、

海未ちゃんを見捨てたくないでしょ‥‥?」

 

 

「うん‥‥!うん‥‥!」

 

 

「いい子だね‥‥‥ほれ。」

 

 

敏江の言葉に何度も頷く攻大。

すると敏江はにこやかに笑うと

先ほど折っていたライオンの形をした

折り紙を攻大に渡した。

 

 

「お前の魔法使いの姿だよ。

そっくりだろ?」

 

 

「‥へへっ、‥‥‥さすが婆ちゃん。

お見通しか‥‥。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

とある路地裏にて。

 

 

 

「ふんふっふふ〜ん☆」

 

 

ソラのたてた罠にまんまと引っかかった

魔法使いは悔しそうな顔をしていた。

それを満足にご機嫌なソラは夕方に

待ち合わせしている為、人質(海未)がいる

トレーニング場へと向かっていた。

だが、その罠のおかげで

かなり機嫌を損ねた人物‥‥否、怪物がいた。

 

 

「‥‥ん?あれあれー?ミサちゃん?

どうしたのそんな怖い顔をして。」

 

 

路地裏の奥から現れたのは

かなりご立腹の様子をしたメデューサだった。

メデューサの通った周りは衝撃か何かだろうか

火花が絶えず飛び散っていた。

 

 

「この私を利用するとは、

いい度胸ね‥‥‥。フン!」

 

 

「わわっ。」

 

 

メデューサはそう言ってソラを睨み

左腕を前へと突き出した。

ソラは慌てて被っているハットを押さえて

その場から跳躍すると、メデューサから出した

衝撃波が先ほどソラがいた場所に当たり

地面や壁は粉々に砕け散ったのだ。

だがメデューサの攻撃は止まらず、

暇を与えることなく同じ様な攻撃をし続ける。

ソラは甲高い笑い声で軽々と避けるが

そのスピードに慣れたのかソラの先を読んだ

メデューサは一歩手前に左手を突き出した。

 

 

「っ!うわっ!」

 

 

先を読まれたソラは思わず防御の体勢を取り、

メデューサの放った衝撃波は当たったと思われた。

 

 

「ムンっ!!」

 

「っ!?」

 

が、突然ソラの頭上から黒い物体、

ファントムが落ちてき、

その衝撃波を何と自身の身体で受けたのだ。

普通のファントムなら重症を負うはず。

だがそのファントムは

全くダメージを負っていなかった。

 

 

「‥‥タキシム‥!そこをどきなさい。」

 

 

「つまらない争いはやめておけ、メデューサ。

‥‥‥お前もだグレムリン。」

 

 

タキシムはメデューサにそう言って止めるが

すぐに背後を振り返り、ソラの方を見た。

 

 

「滝川さーんっ、助かったよ〜。

それよりミサちゃん、それは誤解だよ〜?」

 

 

「‥‥何?」

 

 

スキップしながらタキシムらに近付き

タキシムの肩を軽く叩きながらソラは

メデューサにそう言うと彼女は眉間に皺を寄せる。

 

 

「絶望させる為に人質とったのに先手打たれちゃ

元も子もないでしょ?

だから、僕は利用したんじゃなくて、

()()してもらったんだよ!フフ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

使われていないトレーニング場にて。

 

 

 

 

「ぐっ‥‥‥!‥!やはり取れませんか‥‥。」

 

 

人質として攫われた海未はワータイガーの

住処に置かれていた。先ほど目を覚まし、

手足を縄で頑丈に縛られており、海未は

少しでも緩めばと力を入れてもがいているが

縄は頑丈でビクともしなかった。

すると、海未のポケットから

敏江からもらった蛙の折り紙が落ちた。

 

 

「お婆さん‥‥。‥‥っ。」

 

何か手立てはないかと辺りをキョロキョロしていると

出入り口から扉が開かれる様な音が聞こえ

海未は警戒して振り返った。

 

 

「‥‥む、気が付いているのか人間。

‥‥‥‥ワータイガーは何処へ行った?」

 

 

「ファントム‥!‥‥先ほどのファントムでしたら

トレーニングするとかで外へ行かれました。」

 

 

「そうか、もうすぐグレムリンが来る。

お前を餌としておびき寄せ、

その場でゲートを絶望させる。」

 

 

入ってきたのはタキシムだった。

人間の身体がないのか怪物態の身体で

入ってきたタキシムは禍々しいオーラを

常に放っているような感じがし、海未は

冷や汗をかいていた。

タキシムの言葉に驚く海未。

しばらく無言が続くと、再度海未は

縄が解けないか力を入れたり、

身体をひねったりなど少しでも抗う様な

素振りをし始めた。

それを見ているタキシムは首を傾げ

海未に問いかけた。

 

 

「‥‥‥分からぬな。人間、何故そこまで足掻く?

あの魔法使いに選択の予知はないぞ。」

 

 

 

「そんなことはありません!

私は晴希達を信じます。

魔法使いは、私や人々の希望ですから‥!」

 

 

「‥‥‥希望‥‥‥‥‥。

そんな言葉などでこの状況を覆せるのか?」

 

 

海未の言葉にますます首を傾げるタキシムだが

再度海未に問いかける。

すると海未は何のためらいもなく、すぐに

「はい」と頷いたのだ。

タキシムはそれを聞くと出入り口の方へ

歩きながら口を動かした。

 

 

「ならば見せてもらおうか、

お前達の言う希望という言葉の意味を。」

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

タキシムはそう言ってトレーニング場から

出て行き、海未はタキシムの姿がいなくなると

再び縄が解けないか争っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

神田明神付近にて。

 

 

 

「えぇっ!?ファントム達に騙されたの?」

 

 

「う、うん‥‥。

グリちゃんとユニちゃん、利用されちゃって‥。」

 

 

「‥‥晴希君、どうするの?」

 

 

「‥お婆ちゃんを差し出す訳にはいかない。

何か作戦考えないと。」

 

 

 

先手を打つつもりが、グレムリンに騙され

無駄足となってしまった俺と穂乃果。

1度絵里達に連絡を入れ、

学校終わるまで秋葉原で待機してた

俺と穂乃果は後にことりとコヨミと合流。

今から攻大と敏江の所に行って

別の作戦を考えようとしていた。

 

 

 

 

「もう迷ってる時間はないぜ?」

 

 

 

「っ、攻大‥?」

 

 

「あ、あの人が攻大君のお婆ちゃん?」

 

 

考えながら歩いているといつの間にか

神田明神の階段付近だった。

すると、階段をゆっくりと降りてくる

攻大と敏江の姿を俺らは確認する。

穂乃果は会うのが初めてなので

コヨミにそうきいてコヨミは頷いていた。

 

 

「まあまあ、皆まで言わなくていい。

やっぱここは、俺と婆ちゃんがいくしかないな。」

 

 

「「「「‥‥!ええっ?」」」」

 

 

「婆ちゃんも覚悟しろよ?」

 

 

「心得ております。」

 

 

落ち着いた態度で来たかと思えば

敏江を連れて行くと言い出し、

俺と穂乃果、ことりとコヨミは驚いてしまう。

攻大は敏江の肩に手を回しそう言うと

敏江も乗り気なのか頷く。

だが納得のいかない俺は攻大に近寄り口を動かした。

 

 

「ちょ、おい。まさかお婆ちゃんを渡す気か‥‥!?」

 

 

「‥‥‥‥まぁな。」

 

 

俺の言葉に攻大はニヤリと笑い

小さくそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

スクラップ置き場にて。

 

 

 

 

約束の夕方。

今度は縄ではなく鎖で縛られた海未は

ワータイガーに連れてこられ

グレムリンも待機していたが、早く来すぎたのか

退屈そうに小石を蹴っていた。

そして、どうゆう訳かタキシムの姿はどこにもない。

 

 

「待たせたな!」

 

 

その言葉にグレムリン達は振り向くと

敏江を連れてきた攻大の姿があった。

 

 

「お、お婆さん‥!?」

 

 

「へぇ、自分のお婆ちゃんの命より、

この子を選んだんだ?」

 

 

まさかの敏江を連れてきた事に海未は驚愕していた。

何か作戦を立てて来るに違いないと思っていた

海未だが晴希の姿は見えない。

本当に敏江の命を差し出して来たのかと

海未の頭の中でその疑問が大きく揺らいでいた。

 

 

「な、何を考えてるのですか攻大!

ダメです!お婆さんを差し出すなんて‥‥!」

 

 

「海未、お前は黙ってろ。

じゃあ、人質交換だ。」

 

 

「了解、でもちょっとその前に

君のそのかっこいいベルト、僕に渡してくれるかな?

魔法を使われると面倒なんだよね。」

 

 

海未は叫ぶが攻大に冷たくそう言われる。

彼の顔は本気な顔をしており、敏江を

差し出そうとするとグレムリンから

もう一つビーストドライバーを渡せという

条件を出される。

ビーストになれば人質交換の時に

何か打開出来るかもしれない。

それを読んだグレムリンはフフっと笑いながら

そう言うと、攻大は少し考え、了承した。

 

 

「‥‥‥‥‥いいぜ。」

 

 

《ドライバー オン!》

 

 

了承した攻大はドライバーオンリングを

ベルトにかざすと音声が鳴り、

ビーストドライバーへと形を変える。

攻大はビーストドライバーを腰から取ると

バックル部分だけとなり、それをグレムリンに

向かって放り投げ、

グレムリンはそれを見事にキャッチした。

 

 

「ありがと、それじゃあお婆ちゃん。

こちらへどうぞ?」

 

 

グレムリンはビーストドライバーを見ながら

そう言うと敏江はゆっくりとグレムリン達に

向かって歩いていく。

 

 

「‥!お婆さん!来てはダメです!

やめてくださいっ!!ダメです!

攻大!お婆さんを止めてください!早く!」

 

 

「騒ぐな‥!お前もとっとと行けっ!」

 

 

「きゃっ!?」

 

 

海未は必死に敏江を止めようとするが

敏江は構わず歩み寄ってくる。

ギャーギャーと騒ぐ海未に面倒と思ったのか

ワータイガーはそう言って背中を叩き押し

海未を前へと突き出す。

解放された海未は鎖で縛られながらも

敏江の前へと近づいた。

 

 

「お婆さん!」

 

 

「‥‥海未ちゃん、行きなさい。」

 

 

「嫌です!絶対嫌です‥!

一緒に逃げましょう?さ、早く‥‥‥」

 

 

「えいっ。」

 

 

「あっ!?」

 

 

「海未ちゃんっ!」

 

 

海未は渡すまいと敏江を説得するが、

敏江は微動だにしない。

海未は縛られながらも一緒に逃げようとすると

焦れったいと思ったのかグレムリンが

海未を突き飛ばし、敏江を捕まえると

その場からワータイガーのいるとこまで

一気に跳躍したのだ。

 

 

「さぁてお婆ちゃん。せっかくだから

君の望みを叶えてあげようと思うんだ☆」

 

 

「私の望み‥‥‥?」

 

 

「そう、言ってたよね?

私を絶望させて‥‥‥って。」

 

 

「「っ!?」」

 

 

グレムリンは攻大や海未に聞こえるよう

わざと声を張って敏江にそう言った。

以前敏江はワータイガーに絶望させろと

自ら言っていたがグレムリンの顔は本気らしく

攻大と海未は目を見開いてしまう。

 

 

「今ここで壊してあげるよ。

心の支えを‥、つまり貴方のお孫さんをね?」

 

 

「!!」

 

 

「どらぁっ!!!」

 

 

「っ!!おわぁあっっっ!!?」

 

 

グレムリンの言葉に敏江は瞬時に攻大を見た。

次の瞬間、ワータイガーの胸部が光出し

そこからエネルギー弾が飛ばされる。

攻大に当たりはしなかったものの、

近くで爆発が起き、攻大は爆炎に飲み込まれ

吹き飛ばされてしまう。

 

「魔法の使えない魔法使いは

虫ケラ以下だね!フフフフ!」

 

 

「「攻大!!」」

 

 

「あ‥‥がっ‥‥‥!!?」

 

 

「ふん、これで終わりだ。古の魔法使い。」

 

 

高笑いするグレムリン。

敏江と海未は叫ぶが

ワータイガーの攻撃は止まらず

爆発に飲み込まれる攻大。

そしてボロボロになった攻大に

ワータイガーは近づき、

剣を取り出しながら。

 

 

「攻大!逃げてくださいっ!!

攻大っ!!」

 

 

「死ね!どぉらっ!!」

 

 

攻大に斬りかかった。

斬られた瞬間、攻大は真っ赤な‥‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

羽が身体から巻き散り、

攻大の身体はその場から姿を消した。

 

 

 

「なっ!?なんだと‥‥!?」

 

 

「え‥‥‥?」

 

 

「‥‥‥?」

 

 

いきなり姿が消えた攻大に

ワータイガー、グレムリン、海未までもが

驚き、辺りを見渡す。

 

 

「はい、引っかかった。」

 

 

 

 

「っ!?うわっ!!」

 

「ごあっ!!?」

 

 

「よっと!これも返してもらうぜ。」

 

 

「海未ちゃん!」

 

「海未ちゃんっ!!」

 

「海未っ!」

 

 

「っ!穂乃果、ことり、コヨミっ!」

 

次の瞬間、グレムリンの足元が急に

水の表面みたくポチャポチャと水の音が鳴る。

その瞬間そこからいきなり晴希が現れ

持っていたウィザーソードガンを銃モードに変え

コントラクトリガーを引きまくり

追撃弾の様に魔力で生成された銀の弾が

グレムリンとワータイガー、海未の縛っている

鎖へと無数に飛んでいく。

いきなりの奇襲攻撃にグレムリンとワータイガーは

火花を散らしながら吹き飛び

グレムリンはビーストドライバーを落としてしまう。

それを見逃すことなく晴希は取りに行き、

無事敏江を保護できた。

その間に先ほどまで隠れていた

穂乃果、ことり、コヨミが

倒れている海未の元まで駆け寄った。

 

 

「晴希‥‥皆さん‥‥!!」

 

「海未ちゃーーーんっ!!

うっ‥‥よがっだよぉお‥‥‥!!」

 

「ほ、穂乃果。鼻水鼻水っ!」

 

 

「大丈夫かい海未ちゃん?」

 

「はいっ。」

 

 

晴希こと俺や穂乃果達の駆けつけに喜ぶ海未。

敏江と俺は海未の側に近寄ると

敏江は先ほど撃って砕けた鎖を取り、

海未の安否を確認する。

すると海未はポケットから蛙の折り紙を

取り出し、笑顔で頷いた。

穂乃果も無事なことを確認すると

かなり心配してたのか溢れんばかりの

涙や鼻水を流し、コヨミは苦笑しながら

言うとことりがティッシュを取り出し

穂乃果の顔を拭いていた。

そして宙に舞った赤い羽が一箇所に集まると

先ほど姿を消した攻大が現れたのだ。

 

 

「ふうっ、まさにピンチはチャンス、だな?」

 

 

「っ!おい、ベルトを奪えば

魔法は使えないんじゃないのか?」

 

 

「‥‥どうして?」

 

 

ベルトを奪ったはずなのに先ほどの攻大の身体は

魔法を使ってやったに違いない。

ワータイガーはグレムリンにそう言うと

グレムリンは首を傾げ、攻大と俺に

問いかけてくると、俺と攻大はニヤニヤしながら

敏江達の前に出て答えた。

 

 

「俺は魔法なんか使ってねーっつーの。

使ったのは‥‥。」

 

 

「俺だ。俺は攻大の魔法を使えるからな。

予め攻大に魔法をかけといたんだ。

()()()()()()()()()()()()()()()()()な?」

 

 

「っ!!」

 

 

今朝、ワータイガーと戦った時に

俺は攻大の指輪と間違えて拾ってしまい

そのまま使用したのだがなんと使えることが出来た。

今回の作戦はそれが使えないかと攻大が提案し、

攻大にはファルコリングで攻撃無効の魔法をかけ、

俺はドルフィンリングで地面に潜入し、

相手の出方を待つ、という作戦に出たが

まぁ見事大成功。(本当便利な魔法なので

ここに来る前、攻大に指輪ちょうだいと

おねだりしたが当然断られたのは内緒だ。)

 

 

「てめーらなんかに婆ちゃんの命も

海未ちゃんの命も渡すわけねーだろ。」

 

「攻大‥‥‥。」

 

 

「あー、グレムリン‥でいいよな?

さっきの借りは返したぜ。

魔法使いが化かし屋に負けるわけにいかないからな。」

 

 

「‥‥!」

 

「だったら力でねじ伏せるだけだ。」

 

 

攻大と俺の言葉にグレムリンは

悔しそうにこちらを睨む。

だがワータイガーは構わずそう言って

剣をこちらに突きつけてきた。

 

 

「攻大。」

 

 

「っしゃ!こっからは遠慮なく喰わせてもらうぜ!」

 

 

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

 

《ドライバー オン!》

 

 

俺は攻大にビーストドライバーを渡し

自身のドライバーオンリングをベルトにかざし、

攻大はビーストドライバーを受け取ると

すぐに腰に当てる。するとバックルから

ベルト部分が伸び音声と共に腰に装着した。

そして俺はシフトレバーを上下に動かして

待機音声が鳴り始めると同時に

フレイムリングを左中指に取り付け、

攻大も左中指にビーストリングを取り付け

左手を頭上へ大きく掲げた。

 

 

 

「変身。」

 

 

「変〜〜〜〜身っ!!」

 

 

 

《フレイム!・プリーズ

 

ヒーヒー・ヒーヒーヒー!!》

 

 

《SET!Open!!

 

L!・I!・O!・N! ライオーン!!》

 

 

 

互いが魔法の言葉を言い、

お互いのドライバーに変身リングをかざし

はめ込むと音声と共に魔法陣が現れ

俺は仮面ライダーウィザード、

攻大は仮面ライダービーストへと姿を変えた。

 

 

 

「さぁ!ショータイムだ。」

 

 

「ランチタイムだ!」

 

 

ウィザードとビーストは決め台詞を告げ

ワータイガーとグレムリンに向かって駆け出した。

 

 

「ふん!」

 

 

「どあっ!?こんの‥!」

 

 

ワータイガーへと突っ込んだビーストは

頭突きを食らわすがパワー系のワータイガーは

ビクともしないどころか逆に負けてしまい

ビーストは頭をおさえながらも蹴りなどを食らわす。

 

 

「ハァッ!」

 

 

「よっ、ふっと。」

 

 

一方でウィザードはウィザーソードガンを

剣モードに変えて攻撃を繰り出すが

グレムリンも二刀の剣〝ラプチャー〟を取り出し

見事に攻撃を受け流されていく、が。

 

 

「よっ!あ〜ごめんね井川さん。

僕もう疲れちゃったから退散するよ☆

じゃ、後は頑張ってね〜☆」

 

 

「っ!何!?グレムリン!!」

 

 

「なっ!おい、待て‥‥!」

 

 

 

ラプチャーでウィザードの攻撃を防いでいると

突然ウィザードから距離を取り、ワータイガーに

向かってそう言ってどこかへ跳躍して行ったのだ。

いきなりの退出にビーストと

交戦しながらもワータイガーは怒り

ウィザードも追いかけようとするが

既に行ってしまったようだ。

 

 

「はっ!逃げ足の早い奴だ!

だったら!お前だけでもガッツリ食べてやる!」

 

 

「っ!ほざくな!」

 

 

置き去りにされたワータイガーだが

ビーストの言葉を構うことなく

立ち向かい、ウィザードも残った

ワータイガーに向かって駆け出した。

 

その瞬間だった。

突然死角の方角から黒いエネルギー弾が

こちらに飛んできてウィザードはぶち当たり

火花を散らして飛ばされてしまう。

 

 

「っ!!ぐわぁっ!!」

 

 

「晴希!!誰だっ!?」

 

 

ビーストはウィザードの名を呼び、

攻撃してきた方角に向かって叫ぶ。

 

 

「‥‥!あのファントム‥‥!」

 

 

「海未、知っているの?」

 

 

「はい‥、恐らくかなりの相手です‥‥。」

 

 

海未が驚きコヨミがそのファントムを見ながら

海未に聞くと汗を垂らしながら海未は答える。

そして、海未達の見る先から

足音を立てて歩いてきたのは

黒の鎧を着込んだ姿をしているタキシムだった。

 

 

「タキシム‥!今まで何処へ行ってた!?」

 

 

「少しばかり人間観察をしていた‥‥。

‥‥‥なるほど、あの小娘が言っていたことは

どうやら本当のようであったか‥‥。」

 

 

ワータイガーはタキシムに向かって叫ぶと

タキシムはそう言って物陰に隠れている

海未を見て呟く。

 

 

「ぐっ‥‥!?痛ってぇ‥‥‥!

お前は今朝のファントム‥!」

 

 

「名乗るのが遅れたな。

我の名はタキシム。フェニックスに代わって

ワイズマンの為に動くもの。

指輪の魔法使い‥、我に見せてみよ。

貴様達人間の思う希望と言う力を!」

 

 

「フェニックス‥!?なるほど、

新手のファントムね。‥‥なら、

こっちも全力で行かせてもらうぜ!」

 

 

先ほどのエネルギー弾が直撃し

胸部が激痛に襲われながらもウィザードは

よろよろと立ち上がり、タキシムを見た。

フェニックスの代わりと言うことは

あのタキシムもかなりの手立てと推測し

ウィザードはそう言いながらシフトレバーを動かし、

フレイムドラゴンリングを取り付け

ドライバーへとかざした。

 

 

 

《フレイム!・ドラゴン

 

ボウー!ボウー!・ボウーボウーボォ!!》

 

 

荒々しい音声が鳴り響き

ウィザードの周りをドラゴンが飛翔しながら

ウィザードの身体の中へ入り込むと

炎の翼が背中から広がり、

フレイムスタイルからフレイムドラゴンスタイルへと

姿を変えた。

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

「あのファントム!やばそうだな‥!

ひょっとしてかなりの魔力が‥!?

おい晴希!そいつも残しとk」

 

 

「余所見をするな!」

 

 

「どあっだ‥った!!かぁあ〜いってぇ!

何しやがるっ!!」

 

 

タキシムを見ていたビーストは

ワータイガーに尻を剣で斬りつけられ

ビーストは尻を押さえて悶絶していた。

そして怒ったビーストはワータイガーに

向かって駆け出し、飛び蹴りを喰らわそうとした。

 

 

「フン!その程度の力じゃ俺には勝てない!」

 

 

「ぐあっ!?くぅう!だったら!」

 

 

が、ワータイガーは飛び蹴りを避けて

ビーストの背中を斬りつけビーストは

前のめりに転んでしまう。

挑発するような言い方でビーストに言うと

ビーストはバッファリングを右中指に取り付け

ビーストドライバーの右のリングスロットに

はめ込んだ。

 

 

 

《バッファ!ゴーッ!

 

バッバ・ババババッファー!》

 

 

音声が鳴り響くと赤い魔法陣がビーストの

右肩を通り抜ける。そしてビーストは

バッファマントへとスタイルチェンジした。

 

 

「おらぁ!行くぜ馬鹿力野郎!」

 

 

「フン!この俺に力で挑む気か?」

 

 

バッファマントから鼻息が出て

気合いを入れながらビーストは

ワータイガーに駆け出し、ワータイガーも

乗り気のようでビーストへと駆け出す。

 

 

「どらぁ!!」

 

「ムゥン!」

 

 

ビーストとワータイガーはぶつかり

互いの両手を掴み、力勝負となった。

 

 

「んんんんんんんっ!!」

 

「おあぁあああ‥‥いだだだっ!?」

 

 

気合いを見せるビーストとワータイガーだが

腕を捻られビーストの両腕に痛みが走り

圧されそうになる。

 

 

「ふはは!どうだっ!」

 

 

「んがあああっ!!何の!これしきぃ!!」

 

 

「むぉあっ!?」

 

 

このまま地面に打ちつけられそうになる

ビーストだが根性を見せて起き上がり

勢いをつけてそのままワータイガーを持ち上げたのだ。

 

 

「おら行くぜぇ!!とおっ!!」

 

 

「ぬぉあああああっ!!」

 

 

そしてワータイガーを持ち上げ

天高く飛び上がり、地面に着地すると同時に

ワータイガーの身体からバキバキと

骨が鳴る音が聞こえた。

その技はまるでキン◯◯バスターのようだった。

 

 

「っしゃあ!見たか!

俺のキン◯◯バスター!‥‥‥っておい!?

このモザイクのつけ方ダメだろ!?

俺変態みてぇじゃねぇか!!」

 

 

 

「ぐっ‥‥うぅ!調子に乗りやがって‥!」

 

 

「へっ!俺の方が強かったみたいだな!

じゃあ決めるぜメインデッシュ!」

 

 

1人でボケて1人で突っ込みを入れるビースト。

身体がバキバキと痛い音がしながらも

ワータイガーは立ち上がり、ビーストを睨む。

ビーストは決めてやると宣言していた時だった。

ワータイガーの背後から忍び寄る者が現れたのは。

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

「っおらっ!ハァッ!セイッ!」

 

 

ビーストとワータイガーが交戦している間、

ドラゴンスタイルとなったウィザードは

ウィザーソードガンでタキシムを斬りつけていた。

 

だが。

 

 

キィイィンッ! ガキィィイン!

 

 

 

「くぁっ‥‥!?かっ‥‥!!か、硬っ!?」

 

 

「ふん、そんなものか‥!フン!!」

 

 

「ぐあぁあっ!」

 

 

タキシムの身体は物凄く硬く

鋼鉄を斬っているようだった。

以前戦ったことのあるガーゴイルも似たような

感じだがそれ以上だった。

連撃に飽きたのかタキシムは黒い剣

〝デロイスト〟を取り出しウィザードに斬りつけた。

ただ斬りつけられただけなのに

かなり吹き飛ばされるウィザード。

 

 

「ぐおっ‥!!硬い身体にバカみたいな力‥!」

 

 

「我は復讐のタキシム‥‥。

お前らが倒すファントム達の怨霊が集まり強くなる者。」

 

 

「‥‥チートみたいな能力持ちかよ‥‥!」

 

 

《コネクト・プリーズ》

 

 

先ほどのエネルギー弾よりはマシだが

それでも激痛に襲われるウィザード。

フェニックスがやられるたびに強くなるなら

このタキシムは他のファントムを

倒すたびに強くなる者。

ウィザードは考えたくないなと舌打ちしながら

コネクトリングをドライバーにかざし

ドラゴタイムを取り出した。

 

 

《ドラゴタイム セットアップ!》

 

 

 

「何をしようと我に攻撃は通じないぞ。」

 

 

 

「はっ、やってみないとわかんねーだろ?

飛び切りの1発をくれてやるよ!」

 

 

《スタート!》

 

 

ウィザードはドラゴダイアルをセットし

タキシムの言葉にそう言いながら

サムズエンカウンターを押した。

カチカチカチと小刻みな音が流れ始め

それと同時にウィザードは

ウィザーソードガンを銃モードに切り替え

横へと駆け出しながらタキシムに向かって

構え、コントラクトリガーを引いた。

 

 

「ハァッ!」

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

銀の弾がタキシムに当たるが

全て鈍い音と共に弾かれる。

タキシムはその場から動かないが

ウィザードはその間にサムズエンカウンターを

1回押した。

 

 

 

《ウォータードラゴン!

ファイナルタイム!》

 

 

 

音声と共に別の場所から水の魔法陣が現れ

そこからウォータードラゴンスタイルの

ウィザードが出現する。

だが柔な攻撃ではビクともしないタキシムに

ウィザード2人は攻撃しても無駄だと

距離を取っているといつの間にか

ドラゴタイマーのドラゴダイアルが一周して

カウントダウンが鳴り始める。

 

 

「‥‥どうした?1人増やしただけで

何もしてこないのか‥‥?」

 

 

 

「誰もそんなこと言ってないだろ。」

 

「さあ、フィナーレだ。」

 

 

 

《ツーメーショーン!!》

 

 

 

何もしてこないウィザードに

タキシムはそう言ってデロイストを

構えようとするとフレイムウィザード、

ウォーターウィザードと順番に喋り

フレイムウィザードはドラゴタイマーの

サムズエンカウンターを1回押す。

すると2人のウィザードにそれぞれ魔法陣が通り

フレイムウィザードはドラゴンの頭を

ウォーターウィザードはドラゴンの尻尾が

装備される。

 

 

「ハァッ!‥あつ!?」

 

 

「‥?自ら火を‥‥?」

 

 

フレイムウィザードはドラゴンの頭から

ドラゴンブレスを放ち、なんと自信に

その炎を纏わせたのだ。タキシムは首を傾げるが

フレイムウィザードは熱い熱いと言いつつも

ウォーターウィザードとアイコンタクトし、

フレイムウィザードはその場から飛び上がる。

そしてウォーターウィザードは

ドラゴンの尻尾に力を入れ、

 

 

 

「はぁああああ‥‥‥‥セイッ!!」

 

 

「でぇえやぁあああああっ!!!」

 

 

 

「っ!!ぐぉっ!!?」

 

 

地面に落ちてくる燃えたフレイムウィザードを

ドラゴンの尻尾でタキシムに向かって

吹き飛ばしてきたのだ。

フレイムウィザードは燃えながらも

空中で体制を変え、キックストライクの要領で

タキシムに重い一撃を喰らわせたのだ。

 

炎のを纏い、尻尾の力で威力を増加させた合体技、

〝ストライクフレイルドラゴン〟と名付けとこう。

 

 

「よっと‥あちちっ!ふぅ‥ふぅ!」

 

 

 

「ぐっ‥‥‥ぐふ‥‥‥!?」

 

 

召喚されたウォーターウィザードは

その場から消えてしまい、

着地したウィザードは急いで火を消して

立ち上がりタキシムを見た。

さすがに重い一撃だったのかタキシムは

腹部をおさえてヨロヨロと起き上がる。

 

 

 

「なるほど‥‥‥これが希望の力か‥。」

 

 

「いや、これは魔法の力だけど。」

 

 

「くはは‥、面白いぞ。指輪の魔法使い。

今日は引き下がるが、次は手加減などせんぞ。」

 

 

「っ!‥‥‥逃げたか‥‥‥。」

 

 

タキシムは腹部をおさえながらそう言って

右手から黒いエネルギーを作り出し

地面に叩きつけた。そしてタキシムは

黒い光と共に姿を消しウィザードは

ドラゴンの頭を解除してビーストの所へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

「攻大!そっちは終わった‥‥‥!?」

 

 

違う場所で戦っていたウィザードは

ビーストとワータイガーが戦っている場所へ

戻るとウィザードは目の前の光景に驚愕していた。

それは、先ほど逃げたグレムリンが

ワータイガーの背後からラプチャーを

突き刺さしていたのだ。

 

 

 

「グ‥‥グレムリン‥‥!!何の真似だ‥‥!?」

 

 

「お、お前!何してんだよ‥!?」

 

 

突然の行動にワータイガーもビーストも

困惑しているとグレムリンが甲高い声で

静かに笑い出す。

 

 

「フフフフ!ごめんね井川さん。

このままだとやられたらのビーストの

餌になっちゃうから、

()()()()()()()()()()()と思って

戻ってきちゃったんだ☆じゃ、バイバイ井川さん。」

 

 

 

「ぐおっ!?ぐ、ぐあああああっ!!!」

 

 

 

卑劣な行動をとるグレムリンにウィザードと

ビーストはどうすることも出来ずその場に

立ち尽くし、ワータイガーはそのまま斬り裂かれ

爆散した。

 

 

「っ!!お前俺の食事‥!」

 

 

 

「フフフフ!残念だったね!

それじゃあ僕も失礼するよ!フフフフ!」

 

 

 

「‥‥‥あぁっ!?‥‥‥くっそ!」

 

 

せっかくのファントムを倒され

腹をたてるビーストはダイスサーベルを取り出して

グレムリンに向かって駆け出すが

グレムリンは辺りにエネルギー弾を放ち

火花と煙と共にその場から姿を消したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

翌日、音ノ木坂学院通学路にて。

 

 

 

「え、攻大君福井に帰っちゃったの?☆」

 

 

「おう、お婆ちゃんを送りに行ったんだと。

超マッハで帰ってくるって言ってたけどな。」

 

 

「攻大君らしいねっ。」

 

 

朝の登校中、攻大は敏江を送るために

福井に帰ると言って今日は学校を

休むこととなった‥つっても今日で2回目か。

そんな会話をして俺たち2年グループは

登校をしていると、俺は背後を歩いている

海未に近付き、話しかけた。

 

 

「海未、本当に家の人達は大丈夫なのか?」

 

 

「あ、はい。‥‥なぜかお父様もお母様も

私が学校に行っていたと思い込んでるみたいで‥。」

 

 

昨日、ファントムに捕まった海未は

丸一日学校を休んだことになっていた。

‥そのはずだったのだが、なぜか

ご両親は学校に行っていたと思っていたらしい。

先生に電話を入れても、今度は先生までもが

園田は学校に来ていたぞと言い始めたのだ。

神様の仕業なのだろうか‥‥。あるいは‥。

 

 

「‥‥白い魔法使い。」

 

 

俺はそう呟いて空を見上げた。

‥‥ま、ポジティブに考えれば

それはそれで助かったことだ。

怪物に捕まったなど先生や海未の

両親に言えるわけがない。

俺はあまり気にせず、今日もいつも通りに

穂乃果達と共に学校へと向かったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

とある洞窟内にて。

 

 

 

 

「‥‥何?人間の身体が欲しいだと?」

 

 

 

「‥‥‥‥‥‥‥はい、ワイズマン。

我の身体は昼間は目立ち、あまり行動が

取れぬ所存。ゲートを絶望させるには

人間の身体も必要かと‥‥‥。」

 

 

「ほう‥‥?()()()()()()()()()()()()

お前にそんな願望が芽生えるとは。

指輪の魔法使いと交えて

人間などに興味でも持ったのか?」

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

同時刻、タキシムはワイズマンの場所に向かうと

人間の身体が欲しいと頼んだのだ。

ワイズマンの言う通り、彼はワイズマンによって

作られた人口ファントム。

先の魔法使い、そして海未と接触して

人間の存在に興味を持ったのかワイズマンは

問いかけるがタキシムは無言でワイズマンを見る。

 

 

 

「‥‥‥フフフフ‥‥。まぁよい、

いいだろう。その身体では行動範囲も

狭まるだろうからな。用意しといてやる。」

 

 

「‥‥御意‥感謝致します、ワイズマン。」

 

 

 

ワイズマンの言葉に深く頭を下げるタキシム。

そのタキシムの瞳には何が映っているのか。

それを知るのはそう遠くないかもしれないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、仮面ライダーウィザード

 

 

 

「新しい使い魔みたいだな。」

 

「‥‥‥!か、可愛い‥。」

 

 

晴希は新しい使い魔を召喚!

おや、真姫の様子が‥‥‥?

 

 

「こ、これは君が発掘したのかね?」

 

「やっぱ似てるぜこの指輪‥‥。」

 

 

「‥‥ダメ、全然話聞いてないわ。」

 

 

ゲートを助けた晴希達だが、そのゲートはなんと

古の魔法使いに関係あるものを持っていた!

 

 

 

 

「あれ!?えぁ!!俺のベルトは!!?」

 

 

「ファントムが盗んでった!!」

 

 

「な、なんですとぉおっ!!?」

 

 

眠りから覚めた攻大はベルトと指輪が

無いことに気付き、大慌て!

 

 

 

「古の魔法使いも魔法が使えないんじゃ

ただのお荷物だね?」

 

 

「だぁ!本当ソレだぞくそったれ!つか、

このファントム硬っ!!」

 

 

「敵の意見に同意すんなバカ!」

 

 

グレムリン、ファントムスプリガンに加え

タキシムまで乱入!秀夜が駆けつけるが

攻大は魔法が使えず状況は3対2!

尚且つグールの群れまで!ピンチか!?

 

 

 

第39話 研究者とベルト




暑い‥‥‥
あ、死にそうなしょーくんでふ( ゚д゚)

いやーグレムリンはこわいこわいw
そしてタキシム!‥‥実はこれ
お友達が考えたんですけど
まーチート並みの能力をお持ちで。
人間の感情や行動に興味を持ったタキシムは
これからどんな行動をとる‥!?

はい、次回は!
さあさあこっからは
魔法使いを強化させますぜー
へへい!(≧∇≦)
コラボも控えてますからね、
早急に仕上げないと( ゚д゚)

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