ラブウィザード! 〜希望の柱〜   作:しょくんだよ

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今回は!番外編!
ちょっとした息抜き回です!
これがある意味本当のラブウィザード‥


本当あったかい目で見てください!
それではどぞ!


番外編 見た目と中身は別物

 

音ノ木坂学院、階段付近にて。

 

 

「攻大!攻大!‥‥おい!しっかりしろ!」

 

 

「‥‥‥っ!‥‥‥‥っ!」

 

 

 

俺こと、操真晴希は顔が青くなり、

ピクピクと痙攣している二藤攻大を必死に

揺さぶっているが彼はもう虫の息だった。

数秒前まで元気だったこいつが

なぜこうなってるのか。

それは今、俺の目の前で突然倒れた

攻大を不思議そうに見つめる彼女の手に持ってる

唐揚げらしきものをひとつを口にしたからである。

 

 

 

「は、晴希も‥‥どう‥‥‥?」

 

 

「あ‥‥え、えと‥‥その‥!」

 

 

 

彼女は俺にもひとつおにぎりを頬を染めながら

差し出してくる。俺はこの時後悔した。

この子の目の前で弁当の話をするんじゃなかったと。

 

 

それは、昨日のお昼休みの出来事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

1日前、音ノ木坂学院屋上にて。

 

 

 

「あー、晴希君またドーナツだけにゃ!」

 

 

「うおっ!な、何だよ?」

 

 

 

昼休みは屋上で食べることが当たり前になり、

それはμ'sメンバーも一緒だった。

俺がいつも楽しみに食べてるプレーンシュガーを

一口頬張ると隣で弁当を食べていた星空凛が

プレーンシュガーを見て声を上げてきた。

俺と同時に反応した西木野真姫、小泉花陽、

奈々城コヨミは会話をやめてこちらの方を見てくる。

因みに3年の皆は学食で食べてるらしく、

高坂穂乃果、園田海未、南ことりは生徒会室。

穂乃果がやり忘れた書類を見張り役の海未が

とっ捕まえて昼休みのついでに終わらせようと

生徒会室に連れて行ったらしい。

ことりもついでにで、俺も行こうとしたが

穂乃果の日頃の行いを叩き直してあげますので

晴希は屋上で食べいてください、と言われたので

こうして屋上に食べてる訳だ。

‥おっと、話がそれたな。

 

 

「晴希君、最近ドーナツ多いよね。」

 

 

「それは同感ね、貴方お弁当は作ってこないの?」

 

 

凛に続いて花陽、真姫は俺の昼飯に

ケチをつけてくる‥‥ってしょうがないか。

ここ最近弁当は愚か、最近の食生活も

ろくなものを食べていない。

 

 

「あ〜、作る暇があまりなくてな。」

 

 

「1人暮らしって大変そうね‥。」

 

 

「だからってドーナツばかりじゃ身体に悪いよ。」

 

 

作る暇がないのは一応本当のことだ。

俺はそう言ってドーナツを一口食べると

コヨミと凛が食べてる箸を止めてそう言ってくる。

はい、おっしゃるとおりです。

 

 

「ま、まぁ明日から本気出します。」キリッ

 

 

「それ、本気出さないの間違いじゃ‥‥?」

 

 

 

俺が引き気味な声でそう言うと

コヨミが口を動かし、花陽は苦笑して、

凛と真姫はため息を吐いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

その日の夜、花陽の家にて。

 

 

 

 

「‥‥‥というわけで!日頃お世話になってる

晴希君にお弁当を作ろうと思いますにゃ!」

 

 

「凛ちゃん、本音は?」

 

 

「おかげでかよちんの家に泊まれるにゃ!

って何言わせるにゃ!?」

 

 

花陽家の台所で可愛らしいエプロンに身を包んだ

凛と花陽がまるでコントの様に会話が弾み、

明日の晴希の為に弁当のおかず作りを

始めたのだった。

そしてその彼女らを応援するかのように

晴希の使い魔、ブルーユニコーンが

ブルルルッ と片方の前足を上げて

テーブルの片隅にちょこんと立っていたのだ。

 

 

「ユニちゃんも食べたいの?」

 

 

「ブルルルッ」

 

 

「あはは、冗談だよ。

ごめんねからかっちゃって。」

 

 

 

花陽は一口サイズに刻んだブロッコリーを

ユニコーンに上げようとするが

使い魔は晴希の魔力で行動する為、

ご飯などは食べない、とゆか食べれない。

それを分かってるはずなのに

上げようとする花陽に少し強めで

鼻息を吹くユニコーン。

その反応が見たかったのか花陽は

優しい笑顔でそう言って凛と共に調理を再開した。

 

 

 

「本当、不思議だよね。」

 

 

「にゃ?どうしたのかよちん?」

 

 

野菜を切っている途中で花陽はふと呟き、

凛は手を止めて花陽に振り向く。

 

 

「晴希君だよ。共学したうちの学校に

テスト生として入ってきたけど、

その正体は魔法使いだなんて今でも

びっくりしちゃうなって。」

 

 

「きっと選ばれた

ウンメイノー、人に違いないにゃ!」

 

 

「あははっ、凛ちゃん何それ。」

 

 

思った事を口にした花陽に凛は若干おふざけで

そう返していた。

晴希や攻大が魔法使いってことは音ノ木坂学院では

もうほとんどの生徒が知っているが

そのほとんどは手品か何かの類いだと思っている。

 

 

「かよちんも魔法使いになりたかったんだよねー?」

 

 

「り、凛ちゃんっ。それは恥ずかしいから

言わないでよ〜。」

 

 

「凛は知ってるよ?小学生の頃は拾った

木の枝を削って魔法の杖にして遊んだり

中学生の時は魔法使いになる為のノートを

こっそり書いてたり、高校の最初の頃は

屋上で魔法の呪文を‥‥」

 

 

「い、言わないでぇ!だ、ダレカタスケテーー!」

 

 

小さい頃からなりたかった魔法使い。

内気で人見知りだった花陽はとある本を

きっかけに魔法の練習を始めていた。

だが現実はそんな純粋な願いを最も簡単に

ぶち破ってくれる。魔法なんて存在しないと。

そして高校になって、晴希と出会った時、

花陽は突然、手から炎が出せるという

とても不思議な現象が起きた。

だがそれはファントムの仕業で

魔法は存在しないと改めて思い知らされ

花陽は絶望した。

だけど、絶望し、闇に飲み込まれそうになった

花陽に光の手を差し伸べてくれたのは

本当の魔法使いの晴希だった。

晴希のおかげで絶望から救い出され

彼は花陽にこう言ったのだ。

 

『お前の夢は俺が継いでやる』

 

そのおかげで花陽は今ここにいる。

もう一つ憧れていたスクールアイドル、

μ'sのメンバーとして。

 

 

「(‥‥指輪をはめてくれた時の晴希君、

ちょっとかっこよかったかも‥‥‥。)」

 

 

 

「‥‥よちん。‥‥かよちん!」

 

 

「ふぁ!?え、ど、どうしたの!?」

 

 

「それはこっちのセリフだよっ。

急にボーッとして、しかも顔赤いよ?」

 

 

「えっ‥‥‥!?」

 

 

凛の言葉にハッと我に返った花陽は

顔が赤いと言われ、それを隠すかのように

そっぽ向く花陽。

花陽は慌てて頬を両手で擦り、

凛に振り返ると口を動かした。

 

 

「な、なんでもないよ!

さ、早く作ろう凛ちゃん!」

 

 

「かよちん‥?

どうしてまな板の上何もないのに切ってるにゃ?」

 

 

「え?‥うわぁ!?え、えと‥‥

だ、ダレカタスケテーー!」

 

 

「それ2度目にゃ。」

 

 

照れ隠しか花陽は食材も何もない場所で

包丁を切る素振りをして凛は汗を垂らしながら

言うと花陽は一気に顔が赤くなり

2度目の名言?を口にしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

真姫の家にて。

 

 

 

 

「今帰ったぞ。」

 

 

西木野総合病院の医者、そして真姫の父親である

西木野慎二は仕事を終え 家に帰宅するが、

いつも出迎えてくれる執事のセバスが

顔を出さない。

慎二はセバスの名を呼ぶがそれでも来ないので

仕方なく上がってキッチンの方へ向かうと

そこに心配そうにキッチンの中を見つめる

セバスがいたのだった。

 

 

「セバス、どうしたこんなところで。」

 

 

「あ、あぁ旦那様。おかえりなさいませ。

実は‥‥‥あちらを‥‥。」

 

 

「キッチンの中がどうかしたの‥‥‥か!?」

 

 

 

慎二が声をかけるまで気付かなかった

セバスは慌てて御辞儀をするが

気付かないほどキッチンで何かあったのか

慎二はそちらの方が気になり、セバスと共に

顔を出して覗くと、そこにいたのは

鼻歌交じりで料理をしていた真姫の姿があった。

 

 

「(せ、セバス!どうして真姫に料理をさせている!

あの子の料理の酷さはお前も知っているだろう!?)」

 

 

「(も、申し訳ありません。

私が買い物から帰宅した際には既に

調理を始めておりまして‥止めようとしたのですが

どうやら友達にお弁当を作るとのことで

張り切ったお嬢様を止めるのは執事として

ご無礼かと‥‥。)」

 

 

「(そ、そうなのか‥‥。

だがそれではその友達が酷い目に‥‥。

真理亜はどうした?)」

 

 

「(真理亜様はお友達とお夕食に行かれております。)」

 

 

「(ぐっ‥!そういえば今日は出かけると

言っていたな‥‥!)」

 

 

小声で話す慎二とセバス。

真理亜は真姫の母親の西木野真理亜。

彼女は今夕食を食べに出かけているらしい。

すると、真姫は2人の存在に気付いたのか

エプロン姿でスリッパでポテポテと走らせ

こちらに向かってきた。

 

 

「パパ!おかえりなさい。」

 

 

「あ、あぁ、ただいま。」

 

 

「今私料理してるの。そうだ、

せっかくだから今日の夕食は私が作るわ。」

 

 

 

その一言で慎二とセバスはピキリと

凍りついたかのように固まり、

それと同時に真姫の背後のオーブンから

何かはじけたような爆発音が聞こえた。

そしてIHコンロでは何か得体の知れない物が

煮込まれ気が付けばキッチン辺りは独特な匂いが

漂っていた。

 

 

「ま、真姫。お前1人じゃ大変だろう?

セバスと私も手伝ってあげようか?」

 

 

「大丈夫よパパ。パパは仕事で疲れてるでしょ?

セバスも日頃お世話になってるから今日は

ゆっくり休んでて。」

 

 

嫌な汗を流す慎二はそう言うがあっさりと

断られ真姫は笑顔でキッチンへ戻って行く。

 

 

 

「‥‥セバス、明日は休んでいいぞ。」

 

 

「‥‥ありがとうございます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

そして翌日、お昼の音ノ木坂学院。

屋上にて。

 

 

 

 

 

「‥‥‥ん〜‥うまっ!!

美味いなこれ!2人が作ったのか?」

 

 

 

「よかった、うん。

昨日2人で作ったの。」

 

 

「よかったにゃ〜!

凛の料理にひれ伏すがいい〜。」

 

 

「いやほんとひれ伏してもいいぐらい

凛が料理できるなんてな!

とにかく美味しいよ!本当ありがとうっ。」

 

 

「今、さらっと失礼なこと言ったにゃ?」

 

 

 

翌日のお昼。

俺はいつも通り屋上に向かうと

サプライズみたいに花陽と凛が弁当を

作ってくれたのだ。

かなり手の込んだ弁当で味も絶品。

俺が夢中になって食べてるのを

花陽はニコニコしながら見つめ

凛は半分じと目だが満足そうに見つめていた。

 

 

「‥あ、大変。お茶忘れてきちゃった‥。」

 

 

「ん‥?教室にか?ふふん、

ここは魔法使いにお任せあれ。」

 

 

「にゃー、さすが晴希君にゃ。」

 

 

花陽は用意していたお茶を教室に忘れてきたらしく、

そんな時には任せろと俺が一旦弁当を

ピクニックシートの上に置いて

指輪を取り出そうとする。だが数秒後。

 

 

 

「‥‥コネクトリング教室に忘れてきちゃった。」

 

 

「ダメな先輩にゃ。」

 

 

誤魔化し顏でそう言う俺に

さらっと毒を吐く凛。

誰だってミスはある。

 

 

「ごめん、ちょっと飲み物買ってくるよ。」

 

 

「えっ?だ、大丈夫だよ、私が取りに行くから。」

 

 

「これくらいはさせてくれ。2人は何がいい?」

 

 

俺は2人に注文を聞くと

凛はイチゴミルク、花陽はお茶と言ってきたので

俺は頷いて少し小走りで屋上を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

3階の階段付近にて。

 

 

 

 

 

 

「〜〜〜♩」

 

 

「お、晴希!どした口笛なんか吹いて。」

 

 

飲み物を抱えて階段を登っていると

背後から攻大に声をかけられる。

 

 

「攻大か、いやなんでもない。

てか、お前は何でここに?」

 

 

「ここにいちゃ悪いような顔をすんじゃねぇよ。

学食に行こうと思ったんだけど昨日学食で

にこちゃんがアイドルについてめちゃくちゃ

語りやがってよ。もう疲れたから

今日は屋上で食べようと思ってなっ。」

 

 

「はは、にこらしいな。」

 

 

嫌そうな顔をする攻大に俺は

苦笑しながらそう言って攻大と

一緒に屋上へ行こうとしたその時だった。

 

 

 

「あ、晴希っ。」

 

 

また声をかけられ、振り返るとなぜか

両手を後ろに隠した真姫が走ってきたのか

息を切らせて立っていた。

 

 

「お、真姫ちゃん!どした息切らせて?」

 

 

「あ、うん‥。えと‥‥‥。」

 

 

「?」

 

 

かなりもじもじする真姫は目を瞑って

後ろへ隠していた両手をバッと前に突き出してきた。

そこに握られていたのは可愛らしい弁当だった。

 

 

「え‥‥これって‥‥。」

 

 

「べ、別に!貴方の為に作ったわけじゃないわ!

た、たまたま作りすぎたから!その‥‥

よかったら食べなさいよっ‥‥‥‥。」

 

 

「「ぶはっ!!?」」

 

 

「ゔぇええっ!!?」

 

もろに顔を赤くし、ツンデレ発言をする真姫に

俺と攻大は脳天を撃ち抜かれたみたく

倒れてしまい当然真姫は驚いていた。

 

 

「‥‥‥い、いいのか?」

 

 

「い、いいわよ!

‥‥‥その、あまり上手に出来てないけど‥‥。」

 

 

よろよろと立ち上がる俺は聞くと

真姫はボソッとそう言いながら

弁当の蓋を開けて見せてくれた。

ちょっと型崩れしてるが普通の弁当だった。

よく見れば真姫の手には絆創膏がいくつか

貼ってあるのが見える。

俺はどこか申し訳ない気持ちが広がり

そして有り難くその弁当を貰おうとした

瞬間だった。

 

 

「真姫ちゃん!俺も一つ貰っていいか?

作りすぎたんだろ?」

 

 

「え?あ、うん。い、いいわよ。」

 

 

「へっへ〜〜!じゃあこのマヨネーズ

乗っかってるやついただっきあーーす!」

 

 

「あ、おいっ。」

 

 

それを見た攻大も食べたくなったのか

真姫の許可を貰って一番美味しそうな

唐揚げ?を一つ取って攻大は口へと運んだ。

 

 

「ん〜‥‥これは〜‥‥‥‥」

 

 

「ど、どした?」

 

 

モグモグと食べる攻大だがその様子は

明らかにおかしかった。次第にその顔が

青くなっていくのがわかる。

 

 

 

「ぐぉばあ‥!」

 

 

「ちょっ!?攻大っ!!?」

 

 

そして口の中で何かがはじけた音が聞こえ

攻大はその場に倒れたのだった。

 

 

 

「え!‥‥ま、真姫‥‥これは‥‥?」

 

 

「昨日パパにも食べさせてあげたんだけど、

気絶しそうになるほど美味しかったって

言ってたから攻大も同じ反応したのよね?」

 

 

「‥‥‥!」

 

 

こ、この子‥‥!料理作らせたらあかん奴や‥!

俺は痙攣している攻大を揺さぶるが

彼はもうただの屍のようだ。

そしてその悪夢は俺にも仕向けられた。

 

 

「は、晴希も‥‥どう‥‥‥?」

 

 

「あ‥‥え、えと‥‥その‥!」

 

 

その弁当を俺にも向けられてしまう。

嫌な汗がかなり滴る。

だが、同時にこう考えた。

一生懸命作ったのに食べなかったら男じゃないと。

 

 

「‥‥い、いただっきあーーす!」

 

 

俺は変なテンションになり、

その弁当を残さず食べた。

そして、微かだが三途の川が見えたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

保健室にて。

 

 

 

「オウ‥‥お腹がデストロイヤー‥‥。」

 

 

午後の授業は休んで保健室のベッドで

ぐったりしている俺はそうぼやきながら

保健室の天井を見ていた。

先生は留守であれから数時間経って

ようやく胃の調子が

回復してきたので6時限目には出れそうだ‥。

 

 

「失礼します‥‥‥。誰もいない‥?」

 

 

ん?誰か入ってきた?

ふと保健室の扉が開き、女の子‥まあ当たり前だが

生徒の声が聞こえてきた。

数歩ほど足音が聞こえ、俺が寝ているベッドの

カーテン越しに止まったのかぴたりと足音が止む。

 

 

「‥‥晴希君?」

 

 

「え、コヨミ‥‥‥?」

 

 

その声で俺はコヨミだと気付き、名を呼ぶと

カーテンの隙間から小さな顔を出してくる。

その動作が少し可愛かったのは内緒だ。

 

 

「大丈夫‥?急に倒れたって先生から聞いたけど?」

 

 

「あ、あぁ大丈夫だ。」

 

 

心配そうに見つめるコヨミに俺は

目を泳がせながら答えた。

仮にあそこで真姫の弁当を平らげなかったら

凛や花陽があぶなかっただろう。

てか、2人に申し訳ないな‥後で謝らないと‥。

 

 

「てか、まさかコヨミが来るなんてな。」

 

 

「む‥、私が来ちゃいけなかった?」

 

 

「あ、いやいやもちろん嬉しいよ。

こんな時はあの騒がしい穂乃果が

来そうだなって思って。」

 

 

「あー‥本当は穂乃果が来るつもりだったんだけど、

凄い心配してて、海未が『穂乃果が行ったら

晴希の容態が悪化するのでコヨミが

行ってください。』って言ってたわ。」

 

 

「はは、なるほどね。」

 

俺は穂乃果が来た場合の事を考えると

少し笑ってしまう。

 

 

「でもわざわざありがとな。

見舞いに来てくれて。」

 

 

「いいのよ、晴希君無茶ばかりするから

これくらいはさせてもらわないと。」

 

 

「お?俺って無茶ばかりしてたっけ?」

 

 

「ファントムと戦ってる時点で無茶しすぎよ。」

 

 

ベッドの片隅にちょこんと座りながら

コヨミは心配そうにそう言ってくる。

俺は苦笑しながらそだなと返すと

コヨミは口を動かした。

 

 

「晴希君って、どうして

あんな得体の知れない化け物と戦っているの?

怖くないの‥‥?」

 

 

「ん〜‥そりゃ人々を守る為、だからかな。」

 

 

元はさえない高校生である事件がきっかけで

転生してラブライブ!の世界を

守ることになりました〜‥‥

なんて言えるわけがない。

俺は在り来たりな理由でそう言うと

コヨミは突然俺の手を優しく握ってきた。

 

 

「こ、コヨミ‥‥?」

 

 

「何でだろう‥‥晴希君を見てると

ほっとけないと言うか、凄く心配になる‥‥‥‥。

絶対に無理しないでよ‥‥?」

 

 

 

「お、おう‥‥大丈夫だって。」

 

 

小さく、そしてほんのり暖かいその手に

握られ俺は照れ隠しのように笑ってそう返すと

コヨミは思い出したのか小さくあっと言った。

 

 

「どした?」

 

 

「今日お弁当作ってきたんだけど

屋上行ったら晴希君倒れたって聞いたから

‥‥‥その様子だと食べれそうにないわね。」

 

 

「デザートなら食べれます。

むしろください。」

 

 

まだ胃の調子はよろしくないが

少し程度なら食べれそうだ。

俺は真顔でそう言うがコヨミはまだ困った顔をする。

 

 

「あ、でも、お弁当教室に‥‥。」

 

 

 

《コネクト・プリーズ》

 

 

「これでしょうか?」

 

 

「えぇぇぇぇっ。」

 

 

俺はテンポよく先ほどジュースを買いに

行ったついでに教室から持ってきた

コネクトリングをベルトにかざし、

魔法陣からコヨミの弁当を取り出すと

小さな声で驚いていた。

俺はその驚いた顔を見て笑いながら

コヨミの許可を貰って弁当を開けると

一つは色とりどりのおかずや

小さなおにぎりが入っていた。

 

 

「うわ〜スゲーな。

可愛いらしいしさすが女の子って感じだ。

てか、コヨミ授業大丈夫か‥?

もう始まるぞ?」

 

 

「えへへ、ありがとう。

うん、先生には一応許可貰っているから。

それより本当に食べれるの?」

 

 

「おうっ、全然大丈夫だぜ。」

 

 

「‥‥‥‥じゃあ。」

 

 

弁当を見て褒めるとコヨミは小さくはにかみ

再度俺の心配をするが俺はノープロブレムだ。

すると、コヨミは俺の手に持っていた

弁当を取ると箸で一つおかずを摘み、

 

 

 

「はい、あーんして。」

 

 

「‥‥ゔぇっ?」

 

 

俺の口元まで運び俺にとってとんでもないことを

やってきたのだ。

これは‥‥‥あの伝説の食べさせてくれる

シチュエーション‥なのでしょうか‥?

 

 

「い、いやいやいいよっ!

自分で食べれるから‥!」

 

 

「これくらいはさせて。

ほら、あーん。」

 

 

「‥えと、じ、じゃあ‥

いただきます‥‥‥。」

 

 

恥ずかしすぎるので拒否する俺だが

関係なくコヨミは口を開けて俺に

おかずを差し出してくる。

俺は恥ずかしながらも口を開けて

おかずを食べた。

 

 

「‥‥‥どうかな?」

 

 

 

「‥‥‥‥‥甘い。」

 

 

「え!?うそっ。味付け間違えたかな‥‥。」

 

 

「あ、いや。全然、めちゃくちゃ美味しいよ‥。」

 

 

でもなんか、なぜだが甘い味がする。

花陽達や真姫のと違う、どこか甘い味が

口いっぱいに広がった。

 

 

 

「本当?よかったっ。まだ食べれる?」

 

 

「お、おう‥‥。あの、そろそろ自分で‥。」

 

 

「ダメ、病人は大人しくしてて。」

 

 

「さ、際ですか‥。」

 

 

俺は初々しい感じでコヨミの弁当を

ゆっくり一口ずつ食べて行った。

その小さな幸せな時間は次の授業が始まる前まで

続いたのだった。

 




超久々にスクフェスやってみれば
なんだこれは‥‥( ゚д゚)
レアの曜ちゃん当たったから
やれってことなのだろか。

そんなことはさておき
はいどもしょーくんです(=゚ω゚)

今回はお弁当を作ってもらった
ちょっとしたほのぼの回です(≧∇≦)
実は私、学校卒業したら
1人暮らしする予定なんですよ(; ̄ェ ̄)
こんな感じにμ'sメンバーの誰か作ってくれたら
幸せすぎて死ねるだろな〜( ゚д゚)

あ、攻大君はあの後西木野総合病院に
連れてかれました(^^)
マヨネーズ大好きのくせにお腹は
デリケートなんでしょうね。

さてさて次回はそんな攻大君のお話(^^)
攻大君も活躍しないと扱いが
ひどくなってきてますな‥(; ̄ェ ̄)


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