ラブウィザード! 〜希望の柱〜   作:しょくんだよ

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ミニミニタイム!


【はるき会議! 2】

人々の中にはもう一つ別の精神世界が存在する。
それが〝あんだーわーるど〟‥。
ある日のこと、晴希のあんだーわーるどで
ゼ◯レ的な会議が行われていた。


晴希1「今回は最近の夕食がコンビニ弁当なので
何とかしよう会議、という話だ。」

晴希2「今回は難題ですね‥‥。」

晴希4「近頃頻繁にファントムが出てるからな〜。
帰るのが遅くなるのは無理もないだろ。」

晴希1「あぁ、たまには弁当も悪くないが、
こう毎日食べ続けるのはさすがにまずい。
意見があれば是非話してくれ。」

晴希10「ん〜コピーリングで分身作って
本物は家に帰るとかどう?」

晴希1「ダメだ、コピーリングは
全く同じ動きをするから意味がない。」

晴希9「では、ドラゴタイマーは
どうでしょうか?」

晴希1「バカヤロウ、あの魔法具の
魔力の減りはお前も知ってるだろ。
本物が家に着いた頃にはくたばってるぞ。」

晴希3「なら、ゲームする時間を
削ればいいんじゃね?
俺帰ったら家事適当に終わらせて
すぐゲームするだろ?」

晴希6「そ、それは死に値するぞ‥!」

晴希7「ゲームの時間ほど幸せな時間はない、
そしてゲームしながら食べるポテチ‥サイコーだ‥。」

晴希3「‥だ、ダメだ‥ここにいる俺たちは
ただのバカしかいないのか‥!」

晴希7「んだと!?てめぇも晴希だろーが!」

晴希3「はぁ!?お前と一緒にすんじゃねぇよ!」

晴希1「ちょ、落ち着け晴希と晴希!」


晴希11「うるさいぞ晴希達‥。
些細なことで痴話喧嘩などするな‥。」

晴希3「は、晴希‥。」


晴希6「‥‥なぁ、あんなゲ◯ドウポーズする
晴希なんていたか‥?」

晴希8「きっと、場所が場所だから
あんな奴も出てくるんだろ。」

晴希1「晴希、お前は何か案でもあるのか?」

晴希11「フン、とっても簡単な
お手軽料理があるぞ。」

晴希5「なになに?カップ麺とかなしな?w」

晴希11「‥‥‥。」

ー 晴希11が退出しました ー


晴希1「晴希が逃げた!!?」

晴希5「えwちょ、図星かよwww
しかもカップ麺とか誰でもできるし
体に悪いだろw」


ー完ー


第36話 山で合宿をします!

「あ〜!かよちん見て見て〜!山がいっぱーい!」

 

 

「ふぁ〜本当だね〜!」

 

 

 

「コヨミ、それは?」

 

 

「カメラ。思い出にいっぱい撮ろうかなって

思ってもってきたの。

私、友達と合宿なんて行くの初めてだから。」

 

 

電車にゆられること数時間。

見えてきたのはのどかな風景が視界に入り、

席に座ってる星空凛、小泉花陽らは電車から

外の景色を見るなり大喜び。

絢瀬絵里が奈々城コヨミの手にしてるカメラに

興味を持つとコヨミはえへへと

にやけながらそう答える。

 

 

「もうすぐ到着だね、晴希君☆」

 

 

「ん?あぁ、そうだな。」

 

 

別の席に座ってる俺こと、操真晴希は

南ことりに声をかけられ、景色に見とれていた

俺は反応が遅れつつも頷いていた。

 

なぜ、俺達μ'sメンバーが大荷物でこんな

人里離れた場所に来ているか。

それは数日前のことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

数日前、音ノ木坂学院屋上にて。

 

 

 

「「「「「えぇえええっ!?」」」」」」」

 

 

「それ、本当か花陽?」

 

 

「はい!間違いありません!」

 

 

いつも通りのμ'sメンバーの練習時間の事だった。

突然スイッチが入った花陽から、次に行われる

第2回のラブライブ!の予選で、

発表できる曲は今まで出していない

未発表の曲でエントリーしなくては

いけないという驚きの知らせを告げられていた。

 

 

「未発表‥。」

 

「ってことは、つまり今までの

曲は使えないってこと!?」

 

「何で急に!?」

 

ことり、高坂穂乃果、矢澤にこを始め、

μ's他の数名も驚きを隠せないでいた。

いきなり新曲で挑めって言われたら

そうなるのも無理はない。

俺も至って冷静に見えるが内心かなり驚いている。

 

 

「参加希望チームが予想以上に多く、

中にはプロのアイドルをコピーしている

エントリーも希望してきたらしくて‥!」

 

 

「この段階でふるいにかけようってわけやね‥。」

 

 

「そんなぁっ!」

 

 

「もう1ヶ月もないのに‥‥!」

 

 

花陽の説明に東條希は頷くと

凛とコヨミは焦りを感じ始める。

ラブライブ!の第1予選はあと1ヶ月もない。

今から新曲を考えるとなるとかなり

急ぎで作っていかないと本当にヤバいだろう。

 

 

「マジかよ‥これってマジやべぇやつじゃん!」

 

 

「あ〜うるさい、分かってる。

残り1ヶ月足らずか‥‥焦らないとヤバいな‥。」

 

 

二藤攻大も焦るが隣で大声出されては

うるさいので俺は握り拳で頭を軽く叩きながら

悩んでいると、突然にこが皆の前に立ち

ふふんと鼻を鳴らし口を動かした。

 

 

「こーなったらば仕方ない。

私がこの前にこが作詞した、

にこにーにこちゃんという名で曲をつけて‥」

 

 

「実際のところどうするん?」

 

 

 

「スルゥー!?‥‥うぅ‥。」

 

「にこにー、‥‥ドンマイよ。」

 

「あの‥、コヨミ‥‥慰めより

にこの作詞に反応してほしかったわ‥‥。」

 

 

自慢気ににこはいつ作ったのか分からない

変な曲名を提案するが見事に希の一言で

スルーされ、肩を落とすにこ。

そこへコヨミがにこの肩を持って慰めるが

にこはジト目でそう返していた。

 

 

「なんとかしなきゃ!‥でも、

どうすれば‥‥!晴希君!」

 

 

「そりゃ急いで作るしかないだろうけど‥。」

 

 

穂乃果は俺に聞いてくるが

作詞、作曲を作るのは西木野真姫と園田海未。

2人を中心に急いで曲を作るしかない。

さて、これからどうするべきか‥‥‥。

 

 

 

「こうなったら仕方ないわ‥。」

 

 

「‥‥絵里、どうかなさいましたか?」

 

 

俺たちが悩んでいるとボソッと呟く絵里に

海未は反応すると、絵里はいきなり真姫っ!

と西木野真姫の名を呼ぶ。

 

 

 

「‥‥ま、まさか‥。」

 

 

「えぇ、‥‥‥‥合宿よぉ!!」

 

 

 

たじろぐ真姫に絵里は頷くと、その場で

くるりと1回転し、絵里らしからぬ大声で

屋上に響き渡った。

第2回ラブライブ!が発表されてから

また一段とポンコツになってるなと思ってるのは

俺だけではないはず‥。まぁこっちの絵里も

面白いからいいけど‥‥。

 

 

こうして俺たちは、絵里の一言で、

新曲作りの為に2回目の合宿へ

行くことになったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

「ふぁ〜‥‥!綺麗!☆」

 

 

「ん〜‥!やっと着いた〜‥‥。

あ〜〜眠っ‥‥。」

 

 

「おー大きな欠伸やね晴希君。」

 

 

「そりゃ、‥‥

‥朝早く出発したんですから。」

 

 

そして今に至り、目的地に到着した

俺たちは電車から降り、ことりは

あたりの景色を見渡すなり目を輝かせていた。

俺も空気が澄んでいたためか、大きな欠伸を

してしまうと希がニコニコしながら

顔を覗かせてくる。だが俺は言えなかった。

こんな合宿があるとも関わらず

夜遅くまでゲームをしていたなんて。

 

 

「やっぱり真姫ちゃんすごいにゃ〜。

こんなところにまで別荘があるなんてっ。」

 

 

「歌も上手いし完璧だよねっ。」

 

 

「おまけにめちゃくちゃ可愛いしな!」

 

 

「なっ‥‥!と、当然でしょ!

私を誰だと思ってるの!?

てゆうか、攻大うるさいわよ。」

 

 

「えぇ!?褒めたつもりなのに!?」

 

 

真姫は容姿端麗、頭脳明晰‥

それでいてお金持ち‥誰がどう見ても

完璧と言えるお方だな。

凛と花陽、ついでに攻大も褒めているが

本当ついで扱いみたいに攻大は否定され

かなりショックを受けている。

‥安心しろ攻大、真姫はツンデレだから

きっと中身は照れてるはずだ。

 

 

「さ、みんな、早く別荘へ行くわよ。

今回は本当に時間がないんだから。」

 

 

指揮を取るのはμ'sのまとめ役こと絵里だ。

彼女の言葉に沈んでいた攻大はすぐに我に返り、

相変わらずのどでかい鞄を提げて

目標地点となる前方の山を見て目を輝かせていた。

確か攻大はこういう合宿や旅行とかが

好きだったよな。

そう思っていると、突然海未が自分の

荷物であろう、皆より一回りでかいリュックを

地面にドンッと置き、皆の注目が集まる。

 

 

「その通りです。」

 

 

「う、海未ちゃんその荷物は‥?」

 

 

「何か?」

 

 

「ちょ、ちょっと大きすぎない?」

 

 

そのリュックの大きさにことりと絵里が

尋ねている。電車の中から

ずっと思ってはいたが彼女の服装、

そしてリュック。それはまるで

登山経験でもあるような格好だった。

 

 

 

「いやいやいや!山行くなら

これが普通なんだって!

海未ちゃんよく分かってんじゃん!」

 

 

「はい、合宿先が山となれば

このぐらいが当たり前です。

さ、行きますよ攻大。山が私達を呼んでいます!」

 

 

「あー皆まで言わなくていい!

わかってるぜー!

行くぜ行くぜ行くぜー!」

 

 

攻大も山は好きなのか意気投合した

海未と攻大は子供の様に目を輝かせ、

皆より先に駅を降りていった。

 

 

「もしかして海未と攻大って、登山マニア?」

 

 

「海未はともかく、攻大はそこまで

詳しくないと思う。」

 

 

「海未、夏の合宿の時みたいに、

無茶言わなきゃいいんだけど‥‥。」

 

 

絵里の言葉に俺は苦笑しながら答えると

にこが困った顔で海未と攻大の背中を見ながら

そう言った。確かにあの時の海未は

めちゃくちゃな練習メニュー作ってたな。

結局はハードすぎて行わなかったけど、

今回もまた無茶な事言いそうだ‥。

 

 

「ねぇ、合宿の時ってどんな感じだったの?」

 

 

「ん、あぁ‥合宿の時は確か真姫が‥。」

 

 

「そ、そんな事はいいから!!

早くしないとバス来ちゃうわよ!」

 

 

「うぉっ、な、何だよ真姫!

わ、分かったからおすなってっ!」

 

 

つい最近メンバーに入ってきたコヨミは

合宿の事を知らない。尋ねてきたので俺は

その時の事を話そうとすると、真姫が

少し頬を赤く染めて、俺とコヨミの背中を

強引におしてきた。

この話はまた今度話すか‥。

次々とメンバーは駅から出てくると、

最後に出る凛が何か思ったのか立ち止まる。

 

 

「あれ‥‥、何か足りてないような‥‥。」

 

 

 

 

 

ーーーー

 

 

 

その同時刻、μ's達が乗っていた電車は

もう次の駅に到着する頃‥‥‥。

 

 

 

「‥すぅ‥‥‥うぅ、う〜ん‥‥‥ふぁ?」

 

 

 

穂乃果は目を覚ますと、メンバーの

姿はどこにもなく、

隣にご老人が1人いるだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

とあるバス停の近くにて。

 

 

 

「全く穂乃果は、たるみすぎです!」

 

 

「だって!みんな起こしてくれないんだもん!

ひどいよぉっ!」

 

 

電車の揺れが気持ちよくて居眠りしてしまった

穂乃果は目的の駅に出遅れたらしく、

次の駅に降りてそこからバスでなんとか

俺たちと合流することができた。

合流直後に海未が怒ると涙目になりながら

言い返してくる穂乃果。

 

 

「ご、ごめんねっ‥忘れ物ないか確認するまで

気付かなくて‥‥。」

 

 

「‥‥うぅっ!」

 

 

「あー穂乃果、マジでごめん。」

 

 

「‥‥‥‥‥‥。

穂乃果、‥甘いもの食べたいっ!」

 

 

ことりと俺が宥めるが穂乃果の機嫌は

直りそうにない。すると、穂乃果は

小さくそう呟くと、俺は軽くふっと笑い、

手持ちに持っていたプレーンシュガーを

1つあげると涙目で無言だが小動物のように

はむっ と口へと入れていた。

餌で機嫌を取るのもなんだけど仕方ないか‥。

 

 

「ほら、早く行くわよ。

別荘はここを登っていけばすぐよ。」

 

 

そう言って真姫が指差す先には

大きな山へと続く道があり、俺は

コヨミとことりと一緒に穂乃果のご機嫌を

取りながら皆と別荘へ向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

別荘にて。

 

 

 

「ひゃぁ〜っ!」

 

 

「相変わらず凄いわね〜‥!」

 

 

「うはっ!こりゃまたすごいな‥!」

 

 

バス停から数十分、俺たちは真姫の別荘に

到着すると真姫以外は口を揃えて驚いた。

合宿所のように大きな別荘で穂乃果と絵里は

口を開けていると俺は少し

テンションが上がっていた。

俺、金持ちの家行くとなぜか興奮するんだよな。

 

 

「よっしゃー!俺1番乗り〜!!」

 

 

「あー!攻大君待つにゃー!!」

 

 

すると攻大は俺よりも目を輝かせ

鼻息が荒くなりながら別荘の玄関へ駆け出すと

凛も遅れまいと穂乃果と一緒に走って行った。

 

 

「ちょっ、3人共‥!」

 

 

「まだまだ元気やね〜。」

 

 

「いやいや希さんも全然元気でしょ。」

 

 

声をかけようとする絵里だが3人は

中に入れなかったらしく既に玄関前で

こちらを見ながら待機していると

希がふと呟いてたので俺は苦笑しながら返し

俺たちは真姫の別荘の中へと入って行った。

 

 

 

「ぐぬぬぬぬ‥‥‥‥!」

 

 

1人、にこは悔し気な顔をしながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

別荘内にて。

 

 

 

 

「ピアノ!お金持ちでよく見るやつ!」

 

 

「あれはシーリングファン。

うちのマンションにも付いてあっただろ?」

 

 

「そして暖炉ー!」

 

「凄いにゃー!初めて暖炉見たにゃー!」

 

 

「(あ、無視ね‥‥‥。)」

 

 

全員の荷物を置きリビングへと集まった

俺たち‥だがさっそく穂乃果はそこら中に

あるものに興味を持ち、凛と一緒に眺めている。

天井についてるプロペラみたいなのに

興味を持つ穂乃果に俺が説明がてら俺ん家にも

あるだろと聞くとそっちのけで

暖炉に目が行く穂乃果であった。

 

 

「マジかよ!暖炉ある家って真姫

スゲー金持ちじゃん!」

 

 

「だよねだよね!ここに火を‥‥」

 

 

 

「つけないわよ。」

 

 

 

「「「っ!!?」」」

 

 

攻大も珍しいのか穂乃果と凛とともに

眺めているとその後に穂乃果が言いかけた瞬間、

真姫にきっぱりと断られる。

すると3人の顔は余程期待してたのか

物凄いショックを受けていた。

 

 

「まだそんな寒くないでしょ?

それに、冬になる前に煙突を汚すと、

サンタさんが入りにくくなるって

パパが言ってたわ。」

 

 

「あー、なるほどな‥じゃあしょうがな‥

え?」

 

 

「サンタ‥‥さん?」

 

 

真姫の説明に納得しようとする攻大だが

その言葉に疑問を抱き、穂乃果とともに

首を傾げる。恐らく皆もおかしいと思っただろう。

 

 

「素敵☆」

 

 

「優しいお父さんなのですね。」

 

 

「ここの煙突はいつも私が綺麗にしていたの。

去年までサンタさんが来てくれなかった事は

なかったんだから。」

 

 

ことり、海未の言葉に真姫は嬉しそうに答える。

‥真姫のお父さんって若くてすごい頑固で

真面目そうな雰囲気してたけど、

かなりの親バカってことが今分かった。

 

 

「その証拠に、暖炉の中覗いてみなさい。」

 

 

真姫の言われた通りに暖炉の前にいた

攻大と穂乃果と凛が中を覗き出す。

俺も気になったので一緒に中を覗くと

そこにはチョークでサンタの絵と

「Thank you」と書かれていた。

それを見せたかったのか真姫は自慢気に

髪をくるくるといじっていると

突然、にこの身体がピクピクと震えだす。

 

 

「ぷ‥‥ぷぷ‥!あ、アンタ‥?

真姫が‥‥さ、サンタを‥信じt」

 

 

「にこちゃんっ!!」

 

「それはダメよ!!」

 

 

笑いをこらえきれずにこが言いかけた瞬間、

にこの近くにいた花陽と絵里が慌てて

彼女の口を塞ぐ。

 

 

「痛い痛い!ちょっ!何すんのよ!?」

 

 

「ダメだよにこちゃん!それを言うのは

重罪だよ!」

 

 

「そうにゃ!真姫ちゃんの人生を

左右する一言になるにゃ!!」

 

 

「そーだぞにこ、見ろ。

このバカも空気読んでるだろ。」

 

「‥‥晴希君?俺そこまでバカじゃないぞ?」

 

 

いきなり口を塞がれ痛かったのか

にこさ花陽と絵里の手を振り払うと

穂乃果、凛、俺とついでに攻大が

必死に止めようとする。

もしここで本当の事言ったら真姫は

ショックを受けて合宿中に立ち直れないだろう。

 

 

「だ、だって真姫よ!?あの真姫がサンタを信g」

 

 

「うぁー!!ダメー!」

 

 

「取り押さえるにゃー!!」

 

 

 

「うぁっ!?むぐぐぐーーー!!?」

 

 

 

だがあの真姫がサンタを信じている。

高校生にもなってサンタを信じるなんて

おかしいと思うのかにこは我慢しきれず

また言い出そうとするが、穂乃果は

大声を出し、慌てて止めに入ると

その後から凛、花陽、絵里、そして

面白そうに希もにこを取り押さえていた。

 

 

 

「‥‥ことり、サンタって本当はいないんでしょ?」

 

 

「うん。でも、それを真姫ちゃんの前で

言っちゃダメだよコヨミちゃん☆」

 

 

その騒動を見ながらコヨミは隣のことりに

真実を確かめるため聞くとことりは笑顔で

そう答えた。

 

 

「‥‥ねぇ、‥‥何でにこちゃん

取り押さえられてるの?」

 

 

「え!?あ、あ〜気にすることないぞ!

さ、準備して練習いこー!」

 

 

「‥‥‥‥?」

 

 

必死に押さえられてるにこを目の前にして

真姫は俺に聞いてくると俺はなんとか誤魔化して

取り押さえられてるにこに近寄り、

真姫に聞こえないように小声でにこに喋った。

 

 

「にこ、サンタなんていないとか

真姫の目の前で絶対に、絶対に言うなよ?

もし言ったら‥‥希さん。」

 

 

「はーい。ワシワシMAXやね〜?」

 

 

「ひっ!?‥は、はい‥‥‥。」

 

 

 

俺がチラリと希に目線を合わせると

希は両手をワシワシしながらにこにそう言うと

にこはビクッと怯え大人しくなり、素直に頷いた。

それを見た絵里はその場から立ち上がると同時に

手をパンパンと叩いて皆の注目を集める。

 

 

「それじゃあみんな、さっそく服

着替えて練習するわよ!

あ、真姫とことりと海未は

それぞれの担当をお願いするわね。」

 

 

「分かったわ。」

 

「うん、任せて☆」

 

「分かりました。」

 

 

絵里はそう言うと真姫とことりと海未の3人は頷く。

この合宿の第一目的は新曲作りのため。

自然に囲まれたこの別荘なら

何か思いつくのではないかと、話し合いで

合宿先は山になったのだ。

 

 

「晴希君ー!早く早くー!」

 

 

「はいはい、じゃあお前らじっとしとけよー。」

 

 

絵里の指示を聞いてさっそく穂乃果は

俺の名を呼び、俺は鞄から一つの指輪を

取り出し、右中指に付けながら

真姫、海未、ことり以外の

皆を一箇所に集めるとその魔法リングを

自身のベルトへとかざした。

 

 

 

《ドレスアップ・プリーズ》

 

 

ベルトから音声が鳴り、俺は

右手をメンバーに向けると穂乃果達の

頭上に一回り大きな魔法陣が現れる。

その魔法陣は穂乃果達を覆うように

通り抜けると、一瞬にして私服から練習着に

変わったのだった。

 

 

「衣装チェンジ‥完了!」

 

 

「よぉし!じゃあさっそく練習にゃー!」

 

 

「あ、凛ちゃん待って〜!」

 

 

衣装が変わり、穂乃果は不恰好な決めポーズを取り、

凛はいつものテンションで穂乃果と共に

別荘の外へ行くため走って行く。

花陽も後に続き、俺以外の残りのメンバーも

その後を追って行った。

 

 

「本当、その魔法はどうなってるのかしらね‥。」

 

 

 

《ドレスアップ・プリーズ》

 

「ん?ん〜‥、まぁひとつ言えるとしたら

魔法は凄いってことだな。」

 

 

「理由になってないよ〜晴希君。」

 

 

「ですが、そういうことにしておきましょう。」

 

 

首を傾げる真姫に再度ドレスアップリングを

ベルトにかざし、自分の服を練習着に変えながら

俺はそう答えるとことりは苦笑いで答え、

海未は今はそれが結論だという顔でそう言った。

 

 

「ん。じゃあ3人共、また後でな。」

 

 

俺はそう言って真姫達に手を振り、

先に出た穂乃果達の後を追う。

真姫は作曲、海未は作詞、

ことりは衣装のデザイン、

そして残りのメンバーは外で基礎練習を

行うこととなったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

別荘の外にて。

 

 

 

 

「‥よし、じゃあみんな!

休憩5分とったら練習始めるからなー?」

 

 

「「「「「「はーい!」」」」」」

 

 

普段と違う練習場所で気合いが入ったのか

軽く1〜2時間ほど練習をしたμ'sメンバーに

俺は休息を与えるとさっそく凛は地面の野原に

大の字になって寝転び、それを真似て

希、穂乃果も寝転び、にこ、花陽とコヨミは

ちょこんと腰を降ろした。

 

 

「ん〜‥気持ちいいね〜!」

 

 

「やっぱり山はスピリチュアルパワー全開やね〜。」

 

 

凛、希が寝転んでそう言ってると

花陽とコヨミも気持ちいいのか

かなりリラックスしながら口を動かす。

 

 

「うん、眠くなっちゃうね。」

 

 

「そうね、穂乃果もそう思う‥」

 

 

「くかー‥‥‥。」

 

「「寝てる!?」」

 

 

花陽の言葉にコヨミは反応しながら

穂乃果を見ると軽くいびきをかいて寝ており

さすがのこの短時間で寝てるのは

攻大と絵里とこの後の練習について話してた

俺でも驚いた。

 

 

「ちょっと、休息は5分よっ?」

 

 

「分かってるわ‥‥‥ん?」

 

 

絵里は熟睡した穂乃果にそう言うが

当然聞こえておらず、代わりににこが

タオルで汗を拭きながら答えると、

ふとにこ自身がつけていたリストバンドが

ないことに気付く。

にこは辺りを探していると少し遠くの方に

可愛らしい1匹のリスの背中姿が視界に映る。

キュイ?と愛らしい目線でリスは

にこに振り返ると同時に口には

にこの愛用のリストバンドが咥えられていた。

 

 

「あぁ!?私のリストバンド!」

 

 

「ん?おぉ、シマリスじゃんっ。」

 

 

「あ〜、可愛いにゃーん!」

 

 

「そうね〜‥‥って!言ってる

場合じゃないでしょ!?返しなさ〜い!!」

 

 

 

「キュ!?キュイ!」

 

 

リストバンドを発見したにこは大声で

そう言うと反応してきたのか攻大と凛が

にこのもとに集まり、一緒にリスを眺めていると

にこは我に返ってその場から駆け出し、

リストバンドを取り返そうとするが

当然リスは驚き、リストバンドをくわえて

森の奥へと逃げ出す。

攻大と凛もにこに続いて後を追いかけていくと

その先はかなり急な下り坂となっており、

リスはびっくりして落としたのかその下り坂の

少し遠い所ににこのリストバンドが落ちていた。

 

 

「うお〜、かなり急だな‥‥。」

 

 

「これじゃ取れそうにないにゃ‥。」

 

 

「ぐぬぬ‥!あ、そうだ!

攻大、あんたも使い魔いるんでしょ?

早く出してにこのリストバンド取ってって

頼んでよ!」

 

 

「あ?別に構わねえけど、

指輪もベルトも別荘に置いてきてるから

ちょっと取りに行ってくるわっ。」

 

 

攻大の持つ使い魔のグリーングリフォンなら

容易くリストバンドは取れるだろう。

だが今は練習着の服装なので生憎手元に

指輪とベルトはなく、攻大は少し面倒くさそうに

そう言って別荘に行こうとするとにこが

待って!と急に声をあげ、攻大は慌てて

立ち止まる。

 

 

「だぁ!ちょ、何だよ!?」

 

 

「指輪取りに行ってる間に取られたら

元も子もないわ!‥‥‥ん〜‥‥!」

 

 

にこが急斜面の先を見ながらそう言ってると

その先にリスがジッとこちらを様子を伺っていた。

どうやらにこ達がいなくなった所で

リストバンドを貰おうと思ってるのだろう。

そうはさせまいとにこはギリギリまで

体を前に出してリストバンドを取ろうとするが

全く届かない。

 

 

「ちょっと!あんた達も手伝いなさい!」

 

 

「「えー‥。」」

 

 

にこに言われもうリストバンドくらい

放っておけばいいじゃん、みたいな顔をして

攻大はすぐ側にある木に掴まり、右手で凛の

右手を持ち、凛は左手でにこを持って

繋ぎの様に支えてリストバンドを取ろうとしていた。

 

 

「ぐっ‥‥!は、早くしろぉ‥‥‥!」

 

 

「に、にこちゃん〜‥‥!もう限界だよ〜‥!」

 

 

「あ、あと‥‥少し‥‥!」

 

 

3人掛かりで取ろうとするが

あと少しの距離で届かず、にこは諦めず

身体を更に前に出すがその分支えてる

2人に負担が掛かり、支えてる手が震えだす。

 

 

「も、もうちょ‥‥‥‥!

よ、‥‥よし‥‥‥よし!

とっ‥‥‥!!」

 

 

「うぉああ‥‥!ダメだぁああ!!」

 

 

「にゃあぁあああああ!!?」

 

「うそぉおおおおおお!!?」

 

 

指先でリストバンドを挟んで取れたかと

思った瞬間、攻大は耐えきれなかったのか

掴んでいた木から手を離してしまい、

凛とにこと共に急斜面に落ちていくが

なんとか足で顔面から転けるのだけは避けて

3人は急斜面を駆け下りていく。

 

 

「ちょ!ちょっと何で手ぇ離すのよ〜!?

あんた男でしょ〜〜!!?」

 

 

「んなこと言ったって!

お前ら重いんだっつーのぉ〜〜〜!!」

 

 

「にゃーー!?レディーに対して

それは禁句だにゃぁ〜〜〜〜〜!!?」

 

 

 

にこ、攻大、凛の順で急斜面を

全力で駆け下りながらそう言う3人。

その途中途中で林木にぶつかったり

地面に倒れてる丸太木をハードル走みたく

ジャンプしてかわしたりなど

止まることなく急斜面を駆け下りていくと

3人の目先に見えたのは何処からどう見ても

間違いなく、崖だった。

 

 

「うぉおおお〜〜〜〜!!?

マジでやばいやつじゃねぇえぁ〜〜〜!!」

 

 

「「だ、誰か止めてぇええ!!?」」

 

 

 

3人は叫ぶが足は止まらず、3人は同時に

勢いよく崖を飛び越えてしまう。

その先に見えたのは運良く川だったが

高さ的には落ちたら相当痛いだろう。

にこと凛はもうダメだと目を瞑ったその時だった。

 

 

 

《グラビティ・プリーズ》

 

 

 

 

ドボォオオオオン‥‥‥。

 

 

 

凛とにこは何処かで聞いたことのある音声と

水に打ち付けられた音が聞こえ、

凛とにこは恐る恐る目を開けると

二人の体は宙に浮いていた。

 

 

「‥え?えぇ!?に、にこ浮いてる〜!?」

 

 

「凛もにゃ〜〜!!」

 

 

 

 

「ふぃ〜‥、ギリギリ間に合ったな。」

 

 

「「晴希(君)!!」」

 

 

「急にいなくなったかと思えば

何やってんだよお前ら。」

 

 

宙に浮いてることに戸惑っていると

にこ達が飛び出した崖付近から声が聞こえ

振り返ると、木につかまって右手をこちらに

突き出している晴希がいた。

にこと凛の頭上にはグラビティリングを

使って出した魔法陣が重力を放ち、

凛とにこを浮かせていたのだ。

 

 

「にゃあ〜‥助かったにゃ〜‥‥。」

 

 

「‥‥ちょっと待って。さっきドボンって

落ちた音が聞こえ‥‥‥。」

 

 

「え?」

 

 

宙に浮かびながら凛はホッと息を吐くと

にこは先ほど川に落ちた音が聞こえたことを

思い出し、晴希、にこ、凛は下の川を見下ろした。

そこにいたのは水死体の様に川にプカプカと

浮かんでいた攻大だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

真姫の別荘のリビングにて。

 

 

 

「ぶぁっくしょんっ!!」

 

 

「きゃっ!‥‥大丈夫?」

 

 

「もぉ、無事だからよかったものの‥‥。」

 

 

「まぁバカだから風邪引かないだろ。」

 

「‥‥‥。」

 

「わ、悪かったって。

そんなに睨まなくてもいいだろ。」

 

川に落っこちた攻大をなんとか回収して

別荘まで運んできた俺たち。

もちろん練習は一旦中止。

豪快なくしゃみをする攻大にコヨミは

驚きながらも一生懸命タオルを当てている。

絵里もさすがに心配の顔を見せるが

俺は大丈夫だろうと思ってると

攻大はジト目で俺を睨んできた。

 

 

 

「すごい!本物の暖炉!」

 

 

「感激にゃー!」

 

 

「おめぇら少しは心配してくれ‥‥。」

 

 

「攻大君、はいお茶。」

 

 

「うぉお!花陽ちゃんありがとぉお!

って熱っっちゃちゃ!!?」

 

「きゃっ!?」

 

「あーもう何やってんのよ!」

 

 

濡れて身体が冷えてはいかんと暖炉に火を

付けると穂乃果と凛は子供の様に暖炉の前で

目を輝かせていた。(もちろん攻大はそっちのけで)

攻大はため息を吐くとキッチンから熱いお茶を

持ってきた花陽が優しく攻大にお茶を渡し

感激のあまり勢いよく攻大はお茶を飲んでしまい

当然熱いので思い切りこぼしてしまう。

コヨミと絵里、花陽は急いでこぼしたお茶を

拭いていると、花陽の代わりに希が皆に

お茶を配っていた。

 

 

「はい、晴希君。」

 

 

「ん、あざっす希さん。」

 

 

 

「はい、真姫ちゃん、海未ちゃん、ことりちゃん。」

 

 

「「「‥‥‥‥。」」」

 

 

希は俺にお茶を渡し、次にかなりへこんでいる

真姫、海未、ことりにお茶を渡した。

さて、この3人は2階の個室でそれぞれの作業に

取り掛かっているはずなのに、何故リビングに

いるのか。少し前、攻大を別荘の中に

入れようとした時、ふと茂みの方で体育座りをして

落ち込んでる真姫達を見かけたのだ。

その理由を先ほど聞いたのだが俺は

再度、お茶を飲みながら聞いてみた。

 

 

「で、3人は今スランプ状態‥なんだな?」

 

 

「はい‥‥‥。」

 

 

「上手くいかなくて予選敗退になっちゃったら

どうしようって思うと‥‥‥‥。」

 

 

俺の問い掛けに海未が頷くとことりが

不安そうに口を動かした。

どうやら今までの曲作りより強いプレッシャーが

かかったらしく、いいアイデアが

思い浮かばないどころか逆に不安になって

別荘の2階の個室から逃げ出したらしい。

 

 

「ま、私はそんなの関係なく進んでたけどね。」

 

 

「真姫、これなーんだ?」

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

真姫はそう言っているが俺は2階から

持ってきた楽譜を真姫に見せた。

見事に譜面真っ白で真姫も言い返せないのか

軽く頬が赤くなりそっぽを向いていた。

 

 

「‥‥確かに3人に任せっきり

っていうのはよくないかも。」

 

 

「そうね、責任も大きくなるから

その分負担も掛かるだろうし‥。」

 

 

花陽の言葉に絵里は反応すると

希からある提案を出してきた。

 

 

「‥じゃあ皆んなで意見出し合って

話しながら曲を作っていけばいいんじゃない?」

 

 

「そうね、せっかく12人いるんだし

話し合って決めるのもいいんじゃない?」

 

 

「‥‥やべぇ、にこちゃんが

まともな意見を言うとは‥‥‥。」

 

 

「あぁ、雪でも降るんじゃないか?」

 

 

「そこの2人!どおゆう意味よ!?」

 

 

希の提案ににこも皆を見ながら賛同するが、

珍しくまともなにこに攻大と俺は違和感を感じ

小さな小声でそう会話してると聞こえたらしく

ツッコミを入れるにこ。

 

 

「‥‥‥あ!そうだ!」

 

 

「にゃ!?穂乃果ちゃんどうしたの?」

 

 

ふと、穂乃果が突然閃いたかのように

声を上げると隣にいた凛が驚き

穂乃果に聞いていると穂乃果は口を動かした。

 

 

「グループに分かれて

ことりちゃん達を手伝おうよ!」

 

 

「‥グループに?」

 

 

その提案にコヨミと凛、花陽に攻大は

首を傾げるが俺と絵里はすぐに察し、

ある準備に取り掛かり、皆を外に連れ出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

別荘の外にて。

 

 

 

 

「‥‥決まったわね?」

 

 

 

外で集まったμ'sメンバーに絵里は

手に持っている人数分の棒を1人ずつ引かせていた。

最後の俺が引きおわると絵里は一度

全員を確認して口を動かした。

 

 

「それじゃあ、ことりを中心に衣装を決める班と、

海未を中心に作詞する班、

そして、真姫を中心に作曲する班、これで3班よ。」

 

 

絵里が言い終わると俺たちμ'sメンバーは

3班、4人ずつに分かれており

 

ことりの班には

花陽、コヨミ、穂乃果で、

 

海未の班には

晴希、凛、希で、

 

真姫の班には

絵里、にこ、攻大の3班に分けられていた。

穂乃果が提案したのはそれぞれの曲作りの

3人にグループで分かれて曲作りを

支援しようという提案だった。

少なくとも4人も入ればお互いに

意見を出し合ってより多くの

アイデアが浮かぶはず。

 

 

 

「よぉし!じゃあユニット作戦で‥

曲作り!頑張ろお〜!!」

 

 

 

「「「「「「「おぉー!!」」」」」」」

 

 

 

「お、おぉ〜‥。」

 

 

穂乃果の掛け声ににこ以外の全員は気合いを入れ

拳を頭上に突き出す。

恥ずかしがる真姫も気の抜けた掛け声だが

ちゃんと拳を頭上に突き出していた。

こうして俺たちは急遽、曲作りの為、

3班4人組で分かれてそれぞれ

別行動になったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

真姫作曲チームでは。

 

 

 

 

「よっと、おし!完成!」

 

 

「ハラショー、手慣れてるわね。」

 

 

「いつも神田明神にテント張っているんだから

できて当然でしょ。」

 

 

攻大は別荘から持ってきた

Myテントと女子用のテントを慣れた手付きで

素早く組み立て終えると絵里は軽く驚きながらも

攻大を褒め、攻大はへっへーんと自慢気に

鼻を鳴らすが真姫が横から強く毒気を刺していた。

 

 

「さ、これで準備完了ね。」

 

 

「準備完了じゃないわよ!どおして

別荘がすぐ近くにあるのにテント張らなきゃ

いけないのよ!?」

 

 

絵里の言葉に突然にこが声を上げて絵里に

問い掛けていた。現在真姫達がいるのは

別荘から10メートルも満たない場所。

そんな場所にテント張るぐらいなら

別荘でいいのでは?と、そんな目線で

にこは絵里や攻大達に向けるが

攻大はバカヤロウと息を吐いて口を動かした。

 

 

「にこちゃんわかってないな〜。

班行動なんだから別々に行動した方が

効率がいいに決まってんじゃん。」

 

 

「どう効率がいいのよ?」

 

 

「少し距離とらないと、3班に分けた

意味がないでしょ?ちょうど別荘に

いくつかテントあったみたいだし。」

 

 

攻大、絵里の言葉ににこはいまいち納得が

いかないのか不満気な顔をしたままだった。

 

 

「‥‥こんなので本当に作曲できるの〜‥?」

 

 

「私はどうせ後でピアノの所に戻るから。」

 

 

にこは聞こえる様な愚痴をこぼすと

先ほどからずっとタブレットをいじっている

真姫がそう答えた。

因みに真姫作曲チームが別荘から近いところで

テントを立てたのはすぐに

ピアノが弾ける為なのだ。

 

 

「じゃあ、食事でも作りましょうか。

真姫が少しでも進めるように。」

 

 

「っ‥‥‥‥〜!」

 

 

時間ももうお昼時なので絵里は

そう言いながら真姫を見ると真姫は

頬を赤く染めて気を紛らわすかの様に

タブレットに集中し出すと、攻大はよし!

と言ってかなり大きなMy鞄から色々と

調理道具を取り出す。

 

 

「よっしゃー!山っつったら肉だろ!

昼も夜もバーベキューだぜぇええ!!」

 

 

「よ、夜も肉はちょっと‥‥。」

 

 

「ちょ、攻大変なスイッチ入ってない?」

 

 

変にテンションが上がる攻大に

絵里とにこは汗を垂らしながらそう言うが

攻大はこれまた慣れた手付きで

クーラーボックスから肉や野菜を取り出し

いつの間にか火が通ったバーベキューコンロの

網に次々と食材をのせていく。

そしてMy鞄から光輝くある調味料を取り出した。

 

 

「っ!!攻大!ちょっと待ちなさい!」

 

 

「あんた全部マヨネーズ塗れにする気!?」

 

 

「はっ?ちょ!何だよ!バーベキューに

マヨネーズは当然だろ、てか必需品だ!」

 

 

「そ、そうなの?」

 

 

「それはこいつだけよ!ちょっとぉ!

真姫ちゃんも止めなさいよー!」

 

 

 

攻大が取り出した専用マヨネーズを見て

絵里とにこは慌てて止めに入り、

にこは真姫に救援を求めるが‥‥‥。

 

 

 

「めんどくさい。」

 

 

 

そう言って真姫はタブレットの画面を

つついていた。

因みにマヨネーズには『久々のマヨ!』

と、書かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

ことり衣装作りチームでは。

 

 

 

 

「すー‥‥すー‥‥。」

 

 

「凄い熟睡の早さね‥‥。」

 

 

「穂乃果ちゃん、気持ち良かったら

すぐ寝ちゃうから。」

 

 

ことり衣装作りチームでは先ほど

攻大が川に落ちた場所でテントを張って

穂乃果、花陽、コヨミはことりの衣装作りを

手伝うはずだったのだがテントを張った瞬間、

穂乃果は一瞬で寝入ってしまった。

その早さにコヨミは驚いているとことりは

苦笑しながらそう答え、手に持っている

スケッチブックに衣装のデザインを書き込んでいた。

 

 

「何か思いついたの?」

 

 

「うう〜ん‥‥。すぐには思い浮かばないかな‥。

コヨミちゃん、何かいいアイデアないかな?」

 

 

スケッチブックを手に取ったものの

やはりアイデアは浮かばないらしく、

コヨミに意見を聞くと少し考え、

ふとコヨミはことりの持ってきた

鞄に付いている鳥の顔みたいな缶バッチに

目が行き、口を動かした。

 

 

「自由に‥ステージを羽ばたく感じ‥とかどうかな?」

 

 

「ステージを?」

 

 

「あ、うん。唐突に思った事を言っただけだから

全然アイデアにならないと思うけど‥。」

 

 

「ううん、そんなことないよ。

少しだけ思い浮かべたかも☆

ありがとうコヨミちゃんっ☆」

 

 

「本当?ならよかったっ。」

 

 

ふと思い浮かんだ意見をことりは

少しだけ何か思いついたのか

笑顔でことりはコヨミにお礼を言っていると

どこか出かけていた花陽がテントに入ってくる。

 

 

「あ、ことりちゃん、コヨミちゃん。

どう?進みそう?」

 

 

「うん☆コヨミちゃんのおかげで

良さそうなのが思い付きそうなの☆」

 

 

「花陽、それは?」

 

 

花陽はことりにそう聞いていると

コヨミは花陽が手に持ってる笊に気付き、

どこからか摘んできたのか笊の中に

白い花が沢山あった。

 

 

「あ、うん。綺麗だなって思って‥。

同じ花なのに、一つ一つ色が違ったり

みんなそれぞれ個性があるの。

この花も今回の曲のヒントになるといいな。」

 

 

「ありがとう、花陽ちゃん☆」

 

 

「この花‥小さくて可愛い。」

 

 

「でしょ。‥‥穂乃果ちゃんは

相変わらずだね。」

 

 

摘んできた花を見て微笑む花陽。

ことりもコヨミも小さくて綺麗な白い花を

一緒に見ていると2人の背後で寝ている

穂乃果を見て花陽は苦笑する。

だが、その気持ち良さそうな寝顔を見て

花陽、ことり、コヨミは思わず

同時に欠伸をしてしまう。

 

 

「なんだか〜‥‥。」

 

 

「うん‥☆」

 

 

「眠くなってきちゃうね‥‥。」

 

 

「うん‥‥☆」

 

 

今の季節の昼頃は気温もちょうどよく、

眠たくなるのも無理はない。

それから数分後、3人は穂乃果と一緒に

テントの中でお昼寝をしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

それからしばらく経ち、

海未作詞チームでは。

 

 

 

 

「にゃああああああああ!!?」

 

 

「うぉっ!?風強っ!!」

 

 

「凛!晴希!絶対にこの手を離してはいけません!

死にますよ!!」

 

 

「「嫌ぁあああああああっ!!?」」

 

 

 

晴希こと俺は‥‥現在、山登り中です。

班に振り分けられ海未達と作詞の手伝いを

しにきたはずなのだが突然海未が

『山が私を呼んでいます!』

と、言い出してかなり本格的な山登りを

海未だけ楽しんでいます。

‥‥今、海未の手を掴んでいますが

正直今にも落っこちそうで怖いです。

 

 

「ファイトが足りんよ2人とも〜!!」

 

 

希も乗り気らしく、背後から凛の背中を支えていた。

てか、海未以外俺たち練習着で山登りとか

無謀すぎるだろ、風強いし‥‥。

 

 

「さぁ!凛、晴希!踏ん張ってください!」

 

 

 

励ましのように聞こえるが今彼女の顔を

見るとこの状況を楽しんでるようにしか思えない。

俺は息を飲み込み、崖を登ろうとした瞬間だった。

 

 

 

 

ズルッ。

 

 

 

 

「え‥?おぉああああああああっっ!!?」

 

 

 

「晴希ーーーーーーっ!!?」

 

 

「にゃあああっ!!晴希君が漫画みたいに

落っこちて行ったにゃーーー!!?」

 

 

出っ張った岩に右足を掛けた瞬間、

その岩が崩れてしまい、海未の手を離してしまい、

希に支えられてない俺の身体は

漫画みたいにコロコロと転がって行った。

 

 

「大変や!海未隊長!急ぎ

晴希二等兵を救出に向かいましょう!」

 

 

「分かりました!凛!一度下山します!

晴希を見つけ次第、もう一度リトライです!」

 

 

「う、嘘にゃああああああああ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

「う‥‥‥死ぬ‥‥ダレカタスケテ‥‥。」

 

 

「晴希君‥しっかりするにゃあ‥‥‥。」

 

 

 

 

「雲がかかってきた‥‥山頂まで行くのは

無理や‥‥‥。」

 

 

「そんなっ‥!ここまで来たのに‥‥!」

 

 

あれから数時間後、なんとか登りはしたが

途中で止まり、希と海未は現状を見て

諦めている様子だった。辺りは夕日に染まり

凛は泣きながら晴希に声をかけるが

彼は返事をするだけの屍のようだ。

 

 

 

「ひどいにゃ!凛は全然こんなとこ

来たくなかったのにぃ!

晴希君も見るにゃ!あんな所から転がって

もうボロボロになってるにゃ!」

 

 

「晴希は仕方ありません、

今日はここで明け方まで

天候を待って、翌日アタックをかけましょう。

山頂アタックです!」

 

 

「まだ行くのぉ!?」

 

 

「ちょっ!お前ら正気かよ!?」

 

 

泣きながら凛は海未に訴えるが

海未は翌日にまた登るらしく、

さすがに俺も嫌なので屍だった身体を

起こして半分涙目で凛と共に海未に叫んでいた。

 

 

「当たり前です!2人はここへ何しにきたんですか!?」

 

 

 

「「作詞に来たはずだ!(にゃ〜!)」」

 

 

「はっ‥‥!?」

 

 

「まさか忘れてたの!?」

 

 

「そ、そそんなことはありません!

山を制覇し、成し遂げたという充実感が!

創作の源になると私は思うのです!」

 

 

海未に問われたので俺と凛は

目的を涙目で叫ぶと海未は思いきり

忘れてましたかのような顔で驚き、

誤魔化す素振りを見せた。

そして俺は帰ったらこいつ絶対いじめてやると

凛とアイコンタクトし、凛も承諾したのだった。

 

 

「まぁまぁ、海未ちゃん。

今日はここまでにしよ?山で一番重要なんは

諦める勇気やし。凛ちゃん、晴希君、

下山の準備、晩御飯はラーメンにしよ。」

 

 

「ほんと!?」

 

「め、飯‥‥‥。」

 

 

「下に食べられる草が沢山あったよ。

海未ちゃんも手伝って。」

 

 

「あ、は、はい‥。」

 

 

山ガールの海未を宥めた希は

凛の好きなラーメンを作ろうと言って

凛のご機嫌を取り戻させる。

そして先に降りようとする希を

海未と凛は顔を見合わせ首を傾げていた。

希さん‥‥色々知りすぎて‥‥謎や。

 

 

 

「あ、晴希君。ガルちゃん達出してくれへん?

下の草、結構危ない所に生えてたから。」

 

 

「ちょ‥‥お腹空きずきて魔力が‥。」

 

 

「ガルちゃん達出してくれへん?

下の草、結構危ない所に生えてたから。」

 

 

「(リピートされた!?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

その夜、真姫作曲チームでは。

 

 

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

先ほどにこが用意した焼き芋を皆で食べた後

皆は寝に入り、攻大もMyテントでこちらまで

聞こえるほどのいびきをかいていた。

真姫の隣でにこも絵里も寝ているが

絵里はランプをつけて寝ている。

ここに来て分かったのが絵里は

暗い所が怖いらしい。夏の合宿の時も

寝てる時はランプをつけていたのだ。

にこと絵里も寝入っていたが

真姫は目が冴えていた。

 

 

「‥‥‥全員の為‥‥。」

 

 

真姫は静かにそう呟いた。

この合宿の目的は新曲作り。

そして、今年最後の3年生のためにと

真姫は気合いを入れていたのだが、

それがプレッシャーとなりアイデアが全く

思い浮かばなかったのだ。

それに気付いたにこは真姫にこう助言した。

 

 

『曲はいつも、どんな時も、

全員のためにあるのよ。』

 

 

その言葉を聞いた真姫は思ったのだ。

3年生の為に作るのではなく、

()()()()の為に作ろうと。

 

 

「‥‥‥よし。」

 

 

何か思い付いたのか真姫はにこと絵里を

起こさないようにそっとテントから離れ

別荘に向かおうとした。

 

 

 

「‥‥‥ん?‥‥‥え?なに、人‥‥‥?」

 

 

ふと、真姫は暗くて見えづらいが

別荘の近くに人影らしき人物を見かけた。

山でこんな時間に人がいるなんて

かなり不気味に‥いや、かなり恐怖を覚えてしまう。

 

 

「‥‥ん?そこの女。」

 

 

「ヴァアア!!?」

 

 

すると、人影らしき人物はこちらの存在に

気付いたのか声をかけてきた。

いきなり声をかけられ、かなり変な声で驚く

真姫だが、その人物が人間だったことに

驚くとは裏腹に少し安心をしていた。

だんだんと視界が慣れ、近付いてきた人物の

姿が徐々に見えてくると真姫は驚いた。

その格好が珍しかったからだ。

声からし男性で軍服の様な全身黒い服装をしており、

肩には黒いマントを羽織っていた。

だが真姫は見知らぬ人物と判断し、

警戒はしていた。いざとなれば

攻大を叩き起こす手もある。そう考えていると

軍服の人物は真姫に向かって口を動かした。

 

 

「人間の女、なぜあの空の光が

1度なくなって辺りは暗くなった?」

 

 

「‥‥え?」

 

 

一瞬、その男の言葉の意味が分からなかった。

だが真姫は数秒後にようやく理解し、

恐る恐る口を動かした。

 

 

「空の光って‥もしかして太陽のこと?

しかも何でって、太陽なんだから沈むのだから

当然でしょ?」

 

 

「‥‥‥あれは太陽というのか‥‥‥?」

 

 

「‥‥え、えぇ。(な、何なのこの人‥‥。)」

 

 

 

真姫は率直にそう思った。

見るからに同じ歳の様に見えるが

太陽を知らないなんてまずありえないのだ。

真姫はおかしな人だと思い、絵里達を

起こそうかと思った時、その男はある方角の

空を見て口を動かした。

 

 

 

「その太陽は時間が経つとまた出てくる。

私は1度その瞬間を見たのだが、

‥‥‥とても美しい。あの光景は忘れられないものだ。」

 

 

そう男は言って、その顔は

どこか安心した様な顔で微笑み、

まるで()()()()()()()()

様な笑みをしていた。

だが真姫は、男のその表情を見て

まさかと思い、男に聞いてみた。

 

 

「‥‥‥‥もしかして、新手のナンパ?」

 

 

こんな夜中にするのはおかしいだろうが、

これも一種のナンパだと思い、真姫は

男から距離を取ろうとする。

 

 

 

「ナンパ?それは何だ?」

 

 

だが逆にその男はその言葉さえも知らず

真姫に近寄ってきた。

 

 

「ゔぇ!ちょっ、ちょっと近寄らないで!」

 

 

「なんだと?人間の女が‥‥!」

 

 

「いやっ!」

 

 

「っ!?」

 

 

急に近寄って来た男に真姫はそう言うと

癇に障ったのか男は少し怒り地味た声で

さらに近寄って来る。真姫は思わず

男の膝辺りに蹴りを入れると

男は前のめりになってその場に膝をついて

倒れ込んでしまう。

真姫は急に怖くなり、その場から急いで離れ、

別荘へと駆け込み、鍵を開けて中へ入ったのだった。

 

 

「はぁ‥!はぁ‥!もう、何なのよ〜‥‥!

意味わかんない!」

 

 

襲われそうになったのかと思い

真姫は息を整えるため玄関に座り込んだ。

しばらくして別荘からライトを持ち出して

先ほど男がいた場所を恐る恐る照らすが

そこにはもう男の姿がなく、真姫は

ほっと一息を吐いて、別荘に置いてある

ピアノの場所へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

別荘内にて。

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

 

「やはり真姫でしたか。」

 

「順調に進んでる真姫ちゃん☆」

 

 

 

「ゔぇええ!?‥‥海未にことり‥。

もぉ、おどかさないでよ〜。」

 

 

気晴らしと新曲のイメージが湧き上がった

真姫はしばらくピアノを弾いていると

いつのまに来たのか海未とことりに

声をかけられ、真姫は先ほどの事があったので

かなり驚き、ピアノを弾いていた手を止めた。

 

 

「ね、ねぇ海未、ことり。

外に変な人いなかった‥‥‥‥?」

 

 

「‥?いえ、私が来た時は

ことりしかいませんでしたよ?」

 

 

「うん、あと‥、攻大君のいびきがうるさかったかな‥?」

 

 

真姫は先ほどの男の事を聞いてみるが

海未とことりは首を傾げるだけで

知らない様子だった。

 

 

「どうかしたのですか真姫?」

 

 

「な、何でもないわ。

それより、2人共、こんな時間に来たってことは

何かいいのが浮かんだの?」

 

 

 

「うん☆実はね‥‥‥。」

 

 

海未は聞いてくるが真姫はそう言って

海未とことりと共に深夜の新曲作りを

始めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

翌朝、海未作詞チームでは。

 

 

 

 

「ん‥ん〜!‥‥あ〜!

こんな気持ちいい目覚めは久々だな〜‥。」

 

 

起床した晴希こと俺は、

女子のテントで寝ている凛達を起こさないように

早起きして朝日の日差しを体中に浴びていた。

自然で寝て自然に起きたのは何と心地よい‥。

あ、ダジャレで言ったわけじゃないからな?

 

 

「ーーーッ!ーーッ!」

 

 

「お、ガルーダ。おはよっ。」

 

 

背伸びをしていると昨日から出していた

使い魔のレッドガルーダが鳴きながら

俺の周りを飛び交っていた。

俺はガルーダに挨拶をするが、

ガルーダの様子がおかしく、やけに

ピーピーと鳴いていた。

 

 

「どうした?‥え?あっち見ろ?

何だ‥‥‥‥?」

 

 

俺はガルーダに聞くとガルーダは

ある方角を見ろと言ってきた。

俺はその方角を見るとあるのは

崖で今にも落っこちそうな穂乃果の姿が見えた。

 

 

「‥‥あ、何だ穂乃果か。

ったく、あいつあんなとこで寝て落ちたら

どうする‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。」

 

 

俺は何だと笑って遠くにいる穂乃果を見ていたが

徐々に寝起きだった頭の思考が戻っていき

段々と焦りを感じ始める。

 

 

「ちょっ!?ばっ!!

何であんな所で寝てんだよ!?」

 

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

 

 

俺は急いでテントに戻り、

ドライバーオンリングとベルトを取り出し

寝間着の上から腰に巻きつけ指輪をかざすと

ベルトがウィザードライバーへと形を変える。

そしてもう1度穂乃果のいる崖を見ると

微かだが段々と穂乃果の体が

ずれ落ちていくのが分かる。

俺は急いでウィザードライバーのシフトレバーを

上下に動かし、ハリケーンドラゴンリングを

ドライバーへとかざした。

 

 

 

「間に合え!変身!!」

 

 

 

 

《ハリケーン!・ドラゴン》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

「んん〜‥‥?うーん‥‥体が痛い‥‥?

あれ?晴希君?何で変身して穂乃果の下にいるの?」

 

 

「‥‥‥逆に聞いていいか‥?何であんな

崖でお前は寝てたんだ‥‥‥?」

 

 

変身した瞬間、穂乃果は崖からずれ落ち、

間一髪で穂乃果の救出に成功したウィザードだが

代わりに自分が地面に打ち付けられ、

軽く体が地面へめり込んでいた。

衝撃に目覚めた穂乃果は下にいるウィザードを

見て首を傾げ、ウィザードは穂乃果にそう聞くと。

 

 

「えぇ〜と、確か‥、早起きして

朝日を見ていたら思わず眠たくなって‥‥。」

 

 

 

「‥‥‥‥‥‥。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

真姫の別荘にて。

 

 

 

 

 

「うぅ、痛いよ晴希君〜〜。」

 

 

「ゲンコツだけでマシだと思え。」

 

 

「あはは‥。」

 

 

「もぉ、穂乃果は朝からひやひやさせるんだから‥。」

 

 

頭をおさえて涙目になる穂乃果に

俺は少し怒った顔で穂乃果に叱る。

その後合流した凛、希、そして花陽とコヨミ

だが、何故か海未とことりの姿がどこにもなく

別荘かなと思い、真姫の別荘まで戻ってきた所だった。

別荘の近くに張ってある真姫の作曲チームの

テントを見つけた俺はその隣にある

攻大のテントへと足を踏み入れ中を開けた。

 

 

「おいマヨネーズ。‥‥ってあれ?いない?」

 

 

「絵里ちゃん達もいないよ?」

 

 

攻大のテントを開けた俺だが

そこには攻大の姿がどこにもなく、

穂乃果達も絵里と真姫とにこのテントを

開けていたが彼女達もいなかった。

 

 

「別荘の中やないかな?」

 

 

希の言葉に俺もそこしかないよなと思い

真姫の別荘の中へと入ると、案の定

絵里と攻大とにこがいた。

 

 

 

「ん?おぉ、みんな起きたのか〜。」

 

 

「攻大、海未とことりがいなくなったんだけど

心当たりないか?」

 

 

攻大は俺たちの存在に気付き、挨拶をしてくるが

俺はマヨネーズの挨拶より海未とことりの

居場所を聞くと、絵里がしーっと人差し指を

口に当ててもう片方の手でピアノの場所に

指をさした。

そこにはぐっすりと寝ている

真姫、海未、ことりの3人の姿があった。

 

 

「全く、しょうがないわね。」

 

 

「ゆっくりと寝かせといてあげようか。」

 

 

「‥‥あぁ、でも。起きたら練習だな。」

 

 

にこ、希、そして俺がそう言って

俺はピアノの上に置いてある楽譜と

スケッチブック、そしてノートを手に取った。

曲名はユメノトビラ。

夢への扉に希望の行方‥‥。

μ'sらしい曲だな。

衣装も作曲も作詞も完成しており、

それを見たメンバーは互いの顔を

見合わせ笑っていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、仮面ライダーウィザード

 

 

 

「我はタキシム。全てはワイズマンの為に。」

 

 

「君、名前ないんだって?

だったら僕が付けてあげるよ!

じゃあ滝川さんね!」

 

 

「タキ‥ガワ‥‥?」

 

 

ワイズマンにより呼び出された

新たな上級ファントム タキシム!

さっそくメデューサの所へ向かうが‥‥。

 

 

 

 

 

「婆ちゃあん!!?」

 

 

「攻大!」

 

 

「「「婆ちゃん!?」」」

 

 

いきなり攻大の目の前に現れたのは

なんと祖母!?婆ちゃんいたの?

 

 

 

「何だお前は‥‥?」

 

 

「はーい❤︎私が噂の魔法少女❤︎

ビーストよっ❤︎」

 

 

「‥‥‥‥マジだ‥‥。」

 

 

 

狙われるゲート!

そしてファントムの前に現れたのは

魔法少女!ビースト!え?

 

 

 

 

 

「私を絶望させなさい。」

 

 

「何言ってんだ婆ちゃん!?」

 

 

自らファントムに命を差し出そうとする

攻大の祖母。その真意は‥?

 

 

 

 

第37話マヨラーの祖母

 

 




ふ‥‥待たせたな!( ゚д゚)


あ、ども‥日に日にお時間がなくなる
しょーくんです(>_<)
ほーんと申し訳ないです(;_;)
夏休みも実習でございやすし‥ひぃ〜(;_;)

さて、なんとか山合宿が終わりました〜( ゚д゚)
あのたこ焼き野郎も登場ですが、
今後しばらくは出てきません 笑
次回は久々のマヨラーの活躍の回でっせ!
そしてあの魔法少女を‥w
ですが!その前に少し番外編を
させていただきます。

感想、評価などがあれば是非お願いします。(^^)

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