ラブウィザード! 〜希望の柱〜   作:しょくんだよ

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ミニミニタイム!

注意(このミニミニタイム!に出てくる
皆さんは皆チビキャラをイメージしてください‥
本当言い忘れてましたっす‥。)



【はるき会議!】


人々の中にはもう一つ別の精神世界が存在する。
それが〝あんだーわーるど〟。
ある日のこと、晴希のあんだーわーるどで
ゼ◯レ的な会議が行われていた。


晴希1「今回の議題は‥最近皆が俺の
プレーンシュガーを勝手に食べてるので
なんとかしよう会議、という話だ。」

晴希5「なんだそのタイトルw」

晴希2「最近俺のプレーンシュガーを勝手に
食べてる人が増えてますね‥。」

晴希3「皆の前で食べるのがいけないんでしょ?
だったらコソコソ食べとけばいいっしょ。」

晴希1「ダメだ、学校でプレーンシュガーを
持ち歩いてたら必ず(穂乃果)が現れて
食われてしまう。」

晴希6「確かに‥(穂乃果)
餌を求める獣の如く
どこにでも現れますな‥。」

晴希4「食われるのが嫌ならプレーンシュガーに
細工すればいいんじゃないか?
例えば、中にワサビ入れるとか‥」

晴希7「バッ!?この腐れ野郎!愛しき
プレーンシュガーにワサビをかけるとか
貴様はそれでも晴希か!!」

晴希2「晴希の言う通りです!
プレーンシュガーは我々にとって唯一無二の
完璧な食べ物!それを汚すのはゲスのやり方です!」

晴希5「ゲスとか‥w
まぁワサビ入れる時点でゲスだけどなw」

晴希9「でしたら、1個ずつ食べればどうでしょう?
残りのプレーンシュガーはコネクトリングで
別の場所に隠してとか‥。」

晴希1「いや、それもダメだ。
(穂乃果)は人が食べかけている物でさえ
取るやつだからな‥。」

晴希3「なん‥だと!?」

晴希4「(穂乃果)ならやりかねないな‥。」

晴希10「ん〜(穂乃果)か〜‥‥。」

晴希全員「ん〜‥‥‥‥。」



晴希5「(‥あれ?いつのまにか穂乃果だけが
天敵みたいな話になってないか‥?w)」


ー完ー


第35話 赤紫の共闘決戦!

小泉花陽と星空凛が人質となり

急いで捕まっている場所に向かった

操真晴希。そこに待ち構えていたのは

不死身のファントム、フェニックスだった。

 

 

 

 

 

「ぐぁあああああっ!!!」

 

 

 

晴希と藍崎秀夜はフェニックスの

攻撃を食らいその身は爆炎の中に包まれた。

 

 

 

「はっは〜‥‥‥‥ん?」

 

 

 

 

《ディフェンド!プリーズ》

 

 

 

 

余裕の笑みを浮かべるフェニックスだが

炎上する前方から音声が鳴っている事に

気付く。そして徐々に炎が消えていくと

そこには巨体な壁が地面から出ており

砕け散ると同時にランドドラゴンスタイルへと

姿を変えたウィザードが立っていた。

 

 

「ふぃ〜‥!ギリギリセーフ‥。」

 

 

「‥‥おい、助けろなんて一言も言ってねぇぞ。」

 

 

「怪我人は黙ってろ。体が勝手に動いたんだ。」

 

 

フェニックスのあの炎を受けていたら

無事では済まないだろう。

間一髪でディフェンドリングを使用した

ウィザードは一息吐くと背後でボロボロに

なってる秀夜がウィザードを睨みながら

立ち上がりそう言ってくるが

ウィザードはフェニックスを警戒しながら

その言葉に返答する。

 

 

 

「‥はっは!いいねぇ!そうでなくちゃな!

じゃねぇと潰しがいがねぇからよ!」

 

 

 

「ちっ‥‥バケモンが‥!」

 

 

「‥なら、こっちも本気(マジ)

行かせてもらう!」

 

 

 

大剣のカタストロフを軽く振り回す

フェニックスは徐々にこちらに近寄り、

秀夜はダークネスリングを、

ウィザードはコネクトリングを使って

ドラゴタイマーを取り出そうとしたその時。

 

 

 

 

「どぉぉりゃあああっ!!!」

 

 

 

「っ!?」

 

 

 

突然フェニックスに向かって突進し、

不意を突かれたフェニックスは

その攻撃に吹き飛ばされてしまう。

そこに立っていたのは晴希達もよく知ってる

魔法使いビーストこと、二藤攻大だった。

 

 

「攻大っ!」

 

 

「あいつ‥‥マヨネーズか‥。」

 

 

 

「大丈夫か晴希!後は俺に任せろ!

お前は凛ちゃんと花陽ちゃんを頼む!」

 

 

 

「すまない、任せたっ。

おい、行くぞ。」

 

 

 

正直ナイスタイミングで来てくれた攻大に

ウィザードは少しだけ微笑む。

その背後で秀夜もどこで知ったのか

その単語だけで攻大の名を呼び、

ビーストは吹き飛ばしたフェニックスを見ながら

ウィザードにむかって声を上げる。

承知したウィザードは軽く抵抗する秀夜を

無理矢理引っ張って気を失ってる花陽と凛の所へ

行くと、吹き飛ばされたフェニックスが

土煙を上げながら起き上がる。

 

 

「古の魔法使い‥!邪魔すんじゃねぇっ!!」

 

 

「邪魔してねぇっつーの!

こっからは俺のランチタイムだっ!」

 

 

「てめぇ‥ふざけてんのか!?」

 

 

「はぁ?バカ言ってんじゃねえ!

俺はいつだって大マジだ!」

 

 

互いが声を荒げながら交戦し始め、

その隙にウィザードは花陽と凛の所まで行き、

2人の安否を確認すると同時にドリルリングを

右中指に取り付けシフトレバーを動かし、

ウィザードライバーにソレをかざした。

 

 

 

《ドリル・プリーズ》

 

 

 

「ハァッ!」

 

 

音声と同時にウィザードは掛け声をあげると

その場で高速回転し、地面を掘り進んで行く。

その後を秀夜は舌打ちしながらなんとか

2人を担いでウィザードが掘り進んだ穴の中へと

入って行った。

 

 

 

「っ!!おい!逃げんじゃねぇ!」

 

 

 

 

《カメレオ!ゴーッ!

カカッ、カッカカッ、カメレオー!》

 

 

 

「お前が逃げんじゃ、ねぇよっ!!」

 

 

 

その場から逃げたウィザード達の後を

フェニックスは追いかけようとするが

ビーストはすぐにカメレオリングを

右のリングスロットにはめ込み

カメレオマントを纏う。

そしてマントに付いているカメレオンの口から

長い舌が伸びてフェニックスの足に絡みつくと

その足ごと体を引っ張り

廃棄工場の壁へと叩きつけた。

 

 

「ぐっ!?邪魔すんなぁっ!!」

 

 

「っ!どわぁっ!?っとと!」

 

 

ビーストの足止めにより完全に

ウィザードを逃してしまい

その怒りをぶつけるかのように

フェニックスは手から炎を振り放ち

ビーストに攻撃するが、ビーストは

なんとかその攻撃を地面を転がりながらかわす。

 

 

「へっ!邪魔者がいなくなってちょうど

いいじゃねぇか!じゃあ決めさせてもらうぜ!

メインディッシュ!!」

 

 

ビーストは立ち上がりながらダイスサーベルを

取り出しダイスサーベルのダイスを回転させる。

そして勢いよくカメレオリングを

ダイスサーベルのリングスロットにはめ込んだ。

 

 

 

《ワン!カメレオ!

セイバーストライク!!》

 

 

 

「ふぁっ!?1‥‥!?‥‥あぁ〜!

くそっ!いったれ!」

 

 

 

 

「ぉぉおおっ‥‥!‥‥‥ん?」

 

 

1の数字がダイスサーベルに表示されており

ビーストはハズレが出たような顔をしながら

ダイスサーベルをフェニックスに向けて

振りかざすとカメレオンのエネルギー体が

1体、フェニックスに向かって飛んでいくが

カンッとまるで鎧に弾かれた様な音と共に

エネルギー体のカメレオンは

フェニックスに当たる。

 

‥が、もちろんダメージは全くなく、

フェニックス自身も思わずその場に

立ち止まってしまう。

 

 

 

「あ〜‥‥‥‥やっぱダメかな〜‥‥‥‥。」

 

 

 

「‥‥‥‥‥‥ふん。

てめぇと遊んでる暇はないんだよ。」

 

 

 

エネルギー体のカメレオンは何度も

攻撃しようとするがダメージは愚かその行動は

戯れているようにしか見えない。

フェニックスはそのエネルギー体を蹴飛ばすと

背中から炎の翼が生え、ソレは徐々に

大きくなっていく。

 

 

 

「っ!ちょ、これはヤバ‥」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドォオオオオオン‥‥‥!!

 

 

 

 

 

ビーストがそう言った頃には

時は遅く、廃棄工場全体が爆発に包まれた。

その外では嬉しそうにその場を見ていた

謎の青年、ソラが耳を塞いでいた。

 

 

 

「あ〜あ、まさかビーストまで現れるなんてね、

紫の魔法使いといい、

魔法使いって何人いるんだろう?

まっいいか、これはこれで面白いだろうし☆」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

西木野総合病院にて。

 

 

 

 

 

 

「‥!晴希!花陽と凛は!?」

 

 

「真姫‥、今病室だ‥。」

 

 

 

晴希から花陽と凛を連れて病院に向かっていると

連絡が来た1年生の西木野真姫は急いで

病院へと駆けつけると深刻な顔をして晴希は

病室を見ながらそう言った。

 

 

「みんなは?」

 

 

「大勢で行くのは悪いからって

コヨミの家に集まってるわ。

この病院のすぐ近くに住んでるみたい。」

 

 

 

真姫がそう答え、俺はそうかと息を吐いてると

前方の病室のドアが開かれる。

そこから出てきたのは凛と花陽達だった。

 

 

「っ!花陽!凛!無事か!?」

 

 

「花陽!凛っ!」

 

 

「え、ひゃっ!?」

 

 

俺と真姫はすぐさま2人に駆け寄り

俺は花陽の両肩肩をガシッと掴んだ。

 

 

「り、凛達は大丈夫だよっ。」

 

 

「うん、少し火傷してるだけ‥。

晴希君‥ごめんなさい‥、

ファントムと知らずに騙されて着いて行って‥。」

 

 

凛と花陽は申し訳なさそうに俺と真姫を見る。

2人の顔や腕を見ると軽く火傷を

負っているだけでひどい

怪我はしていなかったので

とりあえずは一安心だ。

 

 

「‥いや、仕方ないさ。

2人が無事で本当よかった。

‥‥‥そういえば、秀夜は?」

 

 

「え、秀夜って‥

あいつも来ているの?」

 

 

「あぁ、先にフェニックスと戦っててな。

一緒に凛達を助けてくれたんだけど

あいつも相当な怪我をしてるはずなんだ‥。」

 

 

「ヴェェッ!?」

 

 

 

俺が秀夜の事を聞くと

真姫が驚いた顔で聞いてくるので

俺はそう答えると更に表情を変えて驚く真姫。

まぁそんな反応するのも無理もない。

μ'sメンバーからしたらあいつは

周りなんて気にしない好戦的な人だと

思ってるだろうな。

 

 

「あ、えと‥あの人なら‥。」

 

 

 

 

 

 

「き、君!待ちなさい!

まだ治療の途中だぞ!?」

 

 

「だぁーっ!!うっせぇ!

平気っつってんだろが!ぶっ飛ばすぞ!」

 

 

 

花陽が言いかけた瞬間、奥の病室から

そんな声が聞こえる。

‥‥あ〜、元気そうだな。

 

 

 

「‥と、とりあえず

絵里達に連絡するわね。

‥そういえば、攻大はどうしたの?」

 

 

「え‥あっ!」

 

 

隣で俺と同じく秀夜の元気そうな声が聞こえて

苦笑いをする真姫は花陽と凛の無事を

知らせる為かスマホを取り出すついでに

攻大のことを聞いてくるが、

俺は今あいつが1人で戦っていることを

今更思い出し、急いでその場から走り出し

病院の外を出ようとした。

 

 

 

「もぉなんだよあのファントムはよぉ!!」

 

 

「うお!?攻大!?

おま、無事だったのk」

 

 

病院の自動ドアをくぐって悔し気な発言を

してきたのは少し服装が焦げてる攻大だった。

俺は無事な攻大を見てよかったと思い

話しかけようとした途端、攻大は俺を無視して

病院の椅子に堂々と腰掛けた。

 

 

「おぉ!花陽ちゃんに凛ちゃん!

無事だったんだな‥‥ってか!

なんだあのファントムめちゃくちゃ

つえーじゃねぇか!おかげで食い損ねたぁ‥。」

 

 

「こ、攻大君‥。」

 

 

「こだわりどころがおかしいにゃ‥‥。」

 

 

ぐてーっと座る攻大は花陽と凛の姿を確認し、

一瞬笑顔になるが、フェニックスに逃げられたのか

顔が険しくなりながらそうぼやいていた。

花陽と凛はそう口を動かし、俺と真姫は

その状況に苦笑するしかなかった。

 

 

「‥‥‥。」

 

 

「‥‥晴希?どこ行く気?」

 

 

「あぁ‥悪い、少し奥で休んでくる。

何かあったらすぐ知らせてくれ。」

 

 

ふと、その場から離れようとした俺に

真姫が呼び止めてくるが俺は笑ってそう返し、

病院の奥へと向かった。

しかし真姫は何となく気付いていた。

その表情はかなり疲れていることを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

とある洞窟内にて。

 

 

 

 

「‥そうか、フェニックスはお前でも

止められないほどに魔力を上げたのか‥。」

 

 

「‥‥申し訳ありません、ワイズマン‥。」

 

 

ワイズマンの意思に反したフェニックスを

止めようとメデューサ自らが立ちふさがったが、

フェニックスの魔力はウィザードに敗れ

その度に高まっていた。

もはやメデューサの魔力では止めることができず、

メデューサはその場から一旦去り、

ワイズマンに報告をしていた。

 

 

「‥ふ、まぁよい。奴の狙いが

指輪の魔法使いなら、しばらく様子を見よう。」

 

 

「しかし、フェニックスはゲートである

人間を簡単に殺してしまいます。

このまま野放しにしておいては‥。」

 

 

今までのフェニックスはメデューサの監視に

よって大人しくしていたが今は

その軛を解き放ってしまった猛獣の様に

いつ暴れてもおかしくない存在。

そうなるのを不安に思うメデューサは

ワイズマンに意見を述べるが、

彼はソレを手で制した。

 

 

「メデューサ、お前は余計な心配をしなくてよい。

お前は引き続き、新たなゲートを見つけ出せ。

新たなファントムを生み出すゲートをな‥。」

 

 

「‥‥はい、ワイズマン。」

 

 

ワイズマンの言葉にメデューサは

返す言葉もなく軽くお辞儀をし、

その場から去っていく。

 

 

 

 

「‥‥仮にもしもの時は、些か面倒だが、

私自らが立ち合うとするか‥‥。」

 

 

メデューサの姿が見えなくなるのを確認し、

ワイズマンは静かにそう呟くと洞窟内の奥へと

歩んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

秋葉原、大通りにて。

 

 

 

夕日が沈もうとするその空から

炎の翼を広げ、秋葉原の地上に降り立った

フェニックスはその場をキョロキョロすると

突然手から火が燃え上がり、

大剣のカタストロフを生成する。

 

 

「指輪の魔法使い‥‥!出てきやがれぇ!!」

 

 

そしてフェニックスは声を荒げると

カタストロフを振り上げ、炎の衝撃波が

街や人々を襲う。

ビルは爆発で箇所が崩れ、人々は突然

舞い降りた悪魔に悲鳴を上げ、秋葉原は

瞬く間にパニックに陥っていった。

 

 

「‥‥でてこねぇなら、街ごとぶっ壊すぞ!」

 

 

暴走するフェニックスの勢いは止まらず、

その体から凄まじい炎の衝撃波を飛ばし

辺り建物や人間は一瞬にして

その炎に飲み込まれていった。

 

 

 

その様子を空から

使い魔のレッドガルーダと

グリーングリフォンが見ており

お互いの使い魔は隣にいる使い魔と目が合う。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー

 

場所は戻り西木野総合病院にて。

 

 

 

 

「っ!メインデッシュ!!」

 

 

「ヴェェ!?な、何よいきなりっ!?」

 

 

突然叫ぶ攻大に真姫や他の患者達も

びっくりし、慌てて攻大の方を見ると

攻大は手鏡らしきものを見ていた。

花陽と凛が背後から覗き込むと

その手鏡には晴希の使い魔の

ガルーダが見えていた。

 

 

「あ、ガルちゃんにゃ!」

 

 

「攻大君、これは?」

 

 

「これ?これは使い魔の視点を

見ることができる鏡だ。

晴希の野郎は持ってねーのか?」

 

 

「そんなことより!

今ファントムがうつってなかったっ?

大変だわ、急いで晴希に知らせないと‥!」

 

 

凛と花陽の質問に攻大が答えていると

いつのまにか真姫も手鏡を覗き込んでおり

一瞬だけ見えたフェニックスに反応すると

攻大が皆まで言わなくていいと言って

その場から立ち上がる。

 

 

「今回は俺が行く。

最近あいつファントムと戦闘続きで

疲れてるはずだからよ、ここは

先輩として俺が代わりに倒してくる。」

 

 

「攻大君‥‥‥。」

 

 

いつもとは違う男らしさを見せる

マヨラーの背中姿に花陽は思わず尊敬するが、

次の言葉でそれはかき消された。

 

 

 

「あ、別に不死身のファントムの魔力を

食べれば相当キマイラの腹が膨れるとか、

そんなの全然思ってねーからなっ。」

 

 

「「‥‥‥。」」

 

「‥やっぱりこだわりどころが違うにゃ‥。」

 

 

満面の笑みでそんなことだろうと思った

真姫、そして花陽もジト目で攻大を見て、

凛はジト目且つ、そう呟いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

秋葉原の大通りにて。

 

 

 

「う、撃てぇ!!」

 

 

 

街で暴れる怪物により、すぐに警察も動き出し、

フェニックスの周りを防弾盾で囲むと

1人の指示により、一斉射撃が始まる。

 

 

 

「‥‥んだよその弱っちいのは‥。

痛くも痒くもねぇんだよ!!オラァ!!!」

 

 

 

「う、うわぁあっ!?」

 

「ぎゃぁあああっ!」

 

 

だが、相手は魔法でないと倒せないファントム。

尚且つ、上級クラスで不死身の化け物。

鉛の銃弾では全く歯が立たずフェニックスは

背中から炎の翼を馬鹿でかく広げ

囲んでいた警察官を防弾盾ごと、

一瞬で吹き飛ばした。

 

 

「指輪の魔法使い!!早くこねぇと、

街がなくなっちまうぞぉっ!!」

 

 

「おっとぉ。

そいつは勘弁御免ってやつだぜ!」

 

 

「あ?」

 

 

叫ぶフェニックスの背後に現れたのは

かなり怒り顏の攻大だった。

 

 

「ちっ‥‥またてめぇか‥。てめぇなんか

お呼びじゃねぇんだよ。」

 

 

「呼ばれなくても現れるのが、

俺のいいところだ。‥それと。」

 

 

「う、うぅっ‥‥‥!」

 

 

自分の望んでいた魔法使いじゃないことに

フェニックスは舌打ちするが攻大は

静かにそう返すと辺りで横たわり

苦痛の声をあげる警察官に目が行く。

 

 

 

《ドライバー オン!》

 

 

「関係ねぇ人巻き込んで平気な顏する

てめーに俺はかなり気が立ってる!

絶対食ってやるから覚悟しとけよ!」

 

 

「‥‥‥ふん。」

 

 

ドライバーオンリングをかざしながら

攻大は傷ついた警察官を見て怒りを覚え、

フェニックスにそう言い放つと、攻大は

ビーストリングを左中指に取り付け、

頭上に勢いよく掲げる。

 

 

 

 

「変〜〜〜〜〜身っ!!」

 

 

 

長々しく魔法の言葉を言いながら

両腕を大きく回し、勢いよくCの文字を

表すようなポーズで右に身体を傾け

左のリングスロットにビーストリングをはめ込み、

回転させるとリベレイションズドアが展開され

その中からキマイラオーサーが現れる。

 

 

 

 

「っらぁ!!」

 

 

 

《SET!Open!!

 

L!・I!・O!・N! ライオーン!!》

 

 

 

 

一際テンションの高い音声が鳴り

掛け声と共に攻大は両手を広げると

真正面に魔法陣が現れ攻大の身体を通り抜ける。

そして攻大は仮面ライダービーストへと

姿を変えた。

 

 

「っしゃ!行くぜ〜っ!

‥‥っておわっ!?何だおめぇら!?」

 

 

気合いを入れたビーストはその勢いに

身を任せてフェニックスに向かって駆け出すが

いつの間にかフェニックスの周りには

グールが数体召喚されており、

ビーストの行く手を阻んでいた。

 

 

「おい、赤い指輪の魔法使いに伝えとけ。

明日、俺と初めて戦った場所に来いってな。

‥こなきゃ、この街全部ぶっ壊す。

‥必ず伝えとけ。」

 

 

「おらっ!あ、ちょっ!まて

メインデッシュ!!」

 

 

お目当てのウィザードが来てないからなのか

フェニックスはそう言い残し、

炎の翼を広げ、その場から飛び立った。

 

 

「あー!クソ!また逃げられた!

こーなったらおめーらだけでも食ってやる!」

 

二度も逃げられたビーストは苛立ちながらも

ビーストドライバーからダイスサーベルを

取り出し、グールを片っ端から切り裂いていく。

 

 

 

「オッッラァ!!」

 

 

残る一体を頭上から振り下ろしグールの群れは

ダメージに耐え切れず爆散する。

そしてその爆発の中から出た魔法陣は

少量だがビーストドライバーへと

吸い込まれていく。

 

 

「‥‥はぁ‥‥‥‥。」

 

 

いつもならごっちゃん!と言うところだが

フェニックスを倒すことが出来なかった為、

攻大はため息を吐きながら、周りに倒れてる

人たちに近付いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

西木野総合病院にて。

 

 

 

 

「‥!あ、攻大!ファントムは!?」

 

 

「あぁ、逃げられちまった‥‥

晴希はどうした?」

 

 

「あっちの方で寝てるよ。」

 

 

「い、一応タオルケットかけておいたけど

すごく疲れてたんだろうね‥。」

 

 

フェニックスが暴れその犠牲となった

人々が次々と運ばれてくる。

その中に攻大も混ざって西木野総合病院に

入るとホールにいた真姫らが出迎える。

攻大は晴希の様子を聞くと凛と花陽が

そう答えて奥のほうを見つめるが、

凛と花陽はすぐに次々と運ばれる患者に目が行く。

 

 

「にゃあ‥‥。」

 

「ひ、ひどい‥‥‥。」

 

 

「‥みんな、ここに居たら迷惑だわ。

ひとまずコヨミの家に行くわよ。」

 

 

凛と花陽は痛がる患者を哀れ目で見ていると

真姫が手を叩いてそう言って

攻大と一緒に晴希を起こしに行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

コヨミの家にて。

 

両親の趣味なのだろうか骨董品が多く並ぶ

一軒家に俺たちμ'sメンバーは全員集まり

今日起きたことについて話し合っていた。

 

 

「明日、初めて戦った場所に来い‥、

フェニックスはそう仰ったんですね?」

 

 

「あぁ。」

 

 

「まるで果たし状じゃない。」

 

 

「どうしても晴希君と戦いたいみたいね‥。」

 

「なんで、そこまでこだわるのかな‥‥?」

 

 

 

攻大がフェニックスから聞かされたことを

μ'sメンバー全員の前で言い、

園田海未の言葉に攻大は頷き、

そのフェニックスの言い方はまるで

戦線布告だと思った矢澤にこ。

 

フェニックスの狙いは明らかに操真晴希。

それに疑問を抱くコヨミと南ことりだが

言ってしまえば今フェニックスに対抗できる

ほどの魔力を兼ね備えているのは晴希しかいない。

その疑問に答える絢瀬絵里だが

それを聞いて不満なのか壁に寄りかかってる

攻大は少しムッとし、そっぽを向いた。

 

 

 

「初めて戦った場所って‥もしかして

ヒロキ君の家に行こうとしたあの場所?」

 

 

「かもね、‥どうするの晴希?」

 

 

 

初めて戦った場所にいた凛はその場所を思い出し、

真姫にそう聞くと真姫は真剣な顔をしている

俺に聞いてくる。

 

 

「‥あぁ、‥‥てか、本当ごめん攻大。

あんな状況だってのに、寝入ってしまうなんて‥。」

 

 

「あー!あー!皆まで言わなくていい!

何回謝ってんだよ!俺は平気だって、

てか、明日あいつを倒しに行くなら

俺も行く!あいつを食わねぇと腹の虫‥

いや、腹のキマイラがおさまんねぇからよ。」

 

 

凛と花陽を助けた後、俺はうっかり寝てしまい、

その後にフェニックスが街で暴れたらしく、

その被害に秋葉原の大通りは一部通行止めになり、

テレビではフェニックスの話題で

引っ張りだこだった。

俺はその事に気付かず、先ほどから攻大に

謝っているが攻大は気にせず小さく手を振り

明日のその場所についていくと言ってきたが、

その考えは皆も賛同らしかった。

 

 

「こうっちの言う通りや、2人なら絶対

フェニックスを倒せるんとちゃう?」

 

 

「そ、そうだねっ。力を合わせれば、

きっと倒せるよ!」

 

 

希、花陽に続き、他のメンバーもその意見には

否定せず、皆は俺の方に視線を向ける。

俺は1回周りを見渡し、先ほどから

俯いている高坂穂乃果が視界に入る。

フェニックスが暴れ出してまた

自分のせいだと思い込んでるのだろうか。

そしてふと、ある言葉が頭の中を過る。

 

 

『これであいつと戦える。』

 

 

それはフェニックスが

穂乃果に言い残した言葉だった。

なら、答えは決まっている。

俺はそう思いながら口を動かした。

 

 

 

「‥‥いや、俺1人でフェニックスと戦う。」

 

 

「よし!じゃあさっそく‥‥

‥って、えぇ!?」

 

 

「晴希君‥?」

 

 

俺の言葉に攻大は一瞬準備しかけたが

すぐに驚いた顔でこちらを見てくる。

それは先ほどまで俯いてた穂乃果もだった。

 

 

「俺が一瞬寝てしまったせいで

その間に犠牲者が出てしまった‥。」

 

 

「そ、それは仕方のないことよっ‥。」

 

「‥せやで、晴希君。

晴希君も人間なんやから失敗は

ないとは限らないで?」

 

 

「分かってます‥‥、過ぎた事を

悔やんでも仕方ない。

‥‥奴の狙いは俺だ。

俺が決着をつける。」

 

 

「おい、晴希!」

 

 

今を受け入れて前に進む。

その想いを胸に抱き、俺は立ち上がると

攻大が名前を呼んで呼び止める。

 

 

「不死身のファントムとどうやって戦うんだ?

その答えは簡単、俺が魔力ごと食っちまえば

いいってこと。‥‥お前1人じゃ絶対無理だ、

諦めて俺に任せ‥」

 

 

「悪い、魔法使いは諦めが悪くてね。

諦めない限り、希望は消えない。」

 

 

攻大の言う通り、ビーストの力なら

フェニックスを倒せるかもしれない。

‥だけど、この戦いは俺が決着をつけたい。

そう思い、俺は攻大に右中指に付けてる

ドライバーオンリングを見せて口を動かした。

 

 

 

「俺が、最後の希望だから。」

 

 

 

 

「晴希君‥‥‥。」

 

「‥‥‥。」

 

 

晴希の言葉に攻大は黙り込んでしまうが

すぐに口を動かす者がいた。

 

 

「‥‥うん、そうだね。

晴希君なら大丈夫だよねっ。」

 

 

「ことりも賛成☆」

 

 

「ちょっ、穂乃果!?ことりまで!」

 

 

「わ、私も‥でも、無茶はしないでくださいっ。」

 

「まぁ、晴希がそう言うなら止めはしないわ。」

 

 

「花陽に真姫まで‥‥。」

 

 

穂乃果、ことり、花陽、真姫が

晴希の気持ちをすぐに受け入れていた。

彼女らの指には晴希から希望をもらった

指輪がある。晴希の言葉はどこか

安心できたのだろう。

一瞬焦りはしたが海未と絵里、後のメンバーも

互いを見て肩を竦め、

ため息がてら苦笑していた。

 

 

「分かりました、ですが‥くれぐれも

無理をしないでくださいね?」

 

 

「晴希、学園祭みたいな事になったら

許さないわよ?」

 

 

「えりちの言う通りや、晴希君。

無茶はあかんよ?」

 

 

「負けたら承知しないわよ!」

 

 

「凛も応援するにゃー!」

 

 

 

「みんな‥‥‥。」

 

 

海未、絵里、希、にこ、凛がそれぞれ

認めるとそれでもまだ不安なのか

コヨミがジッと俺を見てくる。

 

 

「‥大丈夫だコヨミ。

俺は魔法使いなんだから、

そう簡単には死んだりなんかしないさ。」

 

 

「そんなこと言って

死にそうになったのはどこのどいつかしら?」

 

 

「‥‥はい、調子に乗りました‥。」

 

 

俺はコヨミに声をかけると隣から

にこがジト目でそう言ってくるので

俺はすぐに謝りました。

すると、コヨミが少しだけだか笑い、

俺に笑顔をみせてくる。

 

 

「‥分かったわ、晴希君。

気をつけてね?」

 

 

「あぁ、‥‥みんなは賛同してくれたぞ。

お前もいいか、攻大?」

 

 

「‥‥‥。

あー!そういえばさっきグール食って

腹一杯だった〜忘れてた‥。」

 

 

コヨミもそう言って

俺は攻大に目を向けると攻大は

とぼけて両手を頭の後ろに回して

俺から目を背けるが、すぐに振り返り

真剣な目で口を動かした。

 

 

「明日の事はお前に任せたわ。

決着ってのをしっかりつけてこいよ。」

 

 

「‥攻大、あr」

 

 

「あー!分かってる皆まで言わなくていい。

ライバルとして当然の事をしたまでだ。

礼なんかいらねーぜ。」

 

 

まだ生きてたのかその設定‥。

と、俺は口にしたかったが、攻大なりの優しさに

フッと笑い、今日はもう遅いので

皆はコヨミの家で寝泊りをしたのだった。

(攻大と俺は攻大の常に持ってる

テントを使ってコヨミの家のお庭で寝ました☆)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

『晴希君、必ず勝ってね。』

 

 

 

 

翌朝、朝日が差し込み、フェニックスが待つ

場所までマシンウィンガーを走らせる俺。

穂乃果達に励まされ、その上大量に

プレーンシュガーも食べエネルギー補給も

万全な状態で俺は約束の場所まで向かっていた。

‥今日学校はサボる覚悟の所存です。

 

 

 

 

「‥‥‥っ!」

 

 

 

道路を走っていると、前方の細道から

突然一台のバイクが飛び出し、俺は

すぐさまブレーキを踏み、道路に跡ができるほどの

摩擦がおきるが何とか止まる。

 

 

「っ、おい!あぶねーだろっ‥‥‥

‥って、お前は‥‥。」

 

 

朝から怒鳴るのは嫌だが仕方なく

俺はジェットヘルメットを外し、

飛び出してきた相手に注意しようとしたのだが、

相手のバイクと顔を見て怒鳴る気はどこかへと

行ってしまった。

 

 

「よぉ、朝からどこ行く気だ?」

 

 

「秀夜、お前どうしてここに?」

 

 

まだ傷が癒えてないのかちらほらと包帯が

巻かれている秀夜が肩にケルベロスを乗せて

俺の前にバイクのエンジンを吹かせながら

こちらを見ていた。

 

 

「‥ま、聞かなくても行き先は分かるけどな。

‥‥‥俺も行かせてもらう。」

 

 

「何‥‥?」

 

 

「あの鳥もどき野郎はぶっ殺さねぇと

俺の気がすまねぇ。1人で行くみてぇだが

てめぇ1人じゃ勝てねぇと思ってな。

俺も着いて行かせてもらうぜ。」

 

 

突然目の前に現れてついて行くと言われ

かなり驚く俺だがその目は殺気立たせており、

恐らくここに嗅ぎ付けたのは

ケルベロスのおかげだろう。

 

 

「‥‥断ってもついてきそうだな。」

 

 

「へ、よく分かってんじゃねーか。」

 

 

今ここで全力で断ってもこいつなら

意地でも追てくるだろう。

決着をつけたいと思っていたが

秀夜も何かしらの因縁があるのか

その目は本気だった。

俺はしばらくして分かったと頷き、

ジェットヘルメットをかぶり

アクセルをふかせ走り出すと

その後を追うように秀夜も走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「‥‥‥‥来たか‥‥あ?」

 

 

 

何時から待っていたのか

広場の噴水の前で立ち尽くすフェニックスは

2台のバイクがこちらにやってくることに気付き、

待ち望んでいたと言わんばかりに顔が

にやけているが2()()のバイクが

来ていることに首を傾げる。

そして俺と秀夜がヘルメットを外して

バイクから降りるとフェニックスは

不満そうに俺ではなく秀夜の方を見る。

 

 

「‥‥んだよ、てめぇも来たのか。」

 

 

「うっせぇ、今日は確実にぶち殺す‥。」

 

 

「あぁ、これ以上お前の好きにはさせない。」

 

 

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

 

フェニックスの言葉に秀夜と俺はそう返し

秀夜は睨みながらドライバーオンリングを

ベルトにかざし、ベルトはウィザードライバー

へと形を変える。

俺もドライバーオンリングをかざそうとすると

フェニックスは肩を回して口を動かした。

 

 

「まぁ、2人いようが3人いようが、

俺はお前とやれればそれで十分だ。

今度こそ、心置きなく遊べれそうだぜ!」

 

 

「‥‥残念だけど、お前と遊ぶのは

これが最後だ。」

 

 

「あぁ‥?」

 

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

 

 

フェニックスの話を少し聞いて俺も

ベルトにドライバーオンリングをかざし

ウィザードライバーを召喚する。

そして公園で泣きじゃくっていた穂乃果を

思い出し、静かな怒りが込み上げつつ

俺はフレイムドラゴンリングを左中指に

取り付けた。

 

 

「穂乃果の思いを踏みにじったお前を

俺は絶対に許さない!」

 

 

「‥‥はっ。いい面してんな、操真。

じゃあ、ディストラクションタイムと行こうか!」

 

 

俺の怒りに呼応するかの様に秀夜も

ダークネスリングを取り付けながらそう言う。

そして、初めて名を呼んでくれたことに

俺は若干嬉しい気持ちになりながらも

俺と秀夜はドライバーのシフトレバーを

上下に動かした。

 

 

 

 

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!》

 

 

互いのドライバーからまるで決戦が始まる

合図の様に待機音声が鳴り響く。

 

 

「‥は!望むところだ‥。」

 

 

それと同時にフェニックスも

人間態から怪物態へと姿を変え、

武器のカタストロフを軽く振り下ろした。

そして俺と秀夜は変身リングのバイザーを下げ

俺は左手を顔の横へと軽く振り、

秀夜は顔を引き裂く様に横へと振り‥。

 

 

 

 

「変身。」

 

 

「変身!」

 

 

 

魔法の言葉を口にし、

それぞれのドライバーに変身リングをかざした。

 

 

 

 

 

《フレイム!・ドラゴン

 

ボウー!ボウー!・ボウーボウーボォ!!》

 

 

 

《ダークネス・プリーズ

 

アク アク・アクアクアーク!!》

 

 

 

 

互いの音声が鳴り響き、

俺の身体に炎のドラゴンが周りを飛翔する

と同時に魔法陣が身体を上から下へと通り抜ける。

同じく秀夜もドラゴンは出ていないが

紫の魔法陣が秀夜の身体を通り抜けると

俺は仮面ライダーウィザード

フレイムドラゴンスタイルとなり、

秀夜は仮面ライダーダークウィザード

ダークネススタイルへと姿を変えた。

 

 

3人は姿を変え、ウィザードと

ダークウィザードは武器のウィザーソードガンを

取り出し、ゆっくりと構える。

フェニックスもカタストロフを肩に置いて

こちらの出方を待っていると、

ウィザードはダークウィザードをちらりと見て

決め台詞を言った。

 

 

 

「さぁ、俺たちのショータイムだ。ハァッ!」

 

 

「ッラァ!」

 

 

「ははぁっ!」

 

 

 

ウィザードの掛け声を合図に

ダークウィザード、フェニックスも

駆け出し、三者の武器が重なる音が

その周辺に響き渡る。

ウィザードとダークウィザードは

一旦距離を取りもう一度攻撃をしかけるが

フェニックスはカタストロフで容易く防ぐ。

そしてその大剣で大振りをかまし、

振りかざすと同時に衝撃が走り

ウィザードとダークウィザードを翻弄させるが。

 

 

「ハァッ!」

 

 

「ラァッ!」

 

 

「うぉっ!?」

 

 

やはり大剣だけあってその振り方には

どうしても隙を生じてしまう。

振り下げた瞬間にウィザードとダークウィザードの

攻撃がフェニックスの身体に炸裂し、

軽く火花を散らす。

幾度と戦い、敗れ、勝利を手にした

魔法使いはそれなりの経験値を兼ね備えている。

更に驚くことに2人の魔法使いの連携は

フェニックスを徐々に押して行った‥つもりだった。

 

 

 

「‥‥‥!はっはぁ!!

いいねぇ!やっぱ戦いはこうでなくちゃ!」

 

 

 

「ちっ!効いてねぇのかよ!」

 

 

「不死身だから効かないんだろ、なっ!」

 

 

「だったら速攻でぶっ飛ばす!」

 

「同感だ、ハァッ!」

 

 

連携した攻撃でもフェニックスは

戦いを楽しむかのように高笑いし

ウィザードとダークウィザードに向かって

カタストロフを豪剣の如く振り回す。

ウィザードとダークウィザードは

距離を取りながらもそう言って

ダークウィザードはシャドウリングを

取り付け、シフトレバーを動かし、

ソレをかざした。

 

 

 

《シャドウ・プリーズ》

 

 

ダークウィザードのドライバーから音声が鳴ると

ダークウィザードのその隣に魔法陣が現れ

そこから真っ黒なウィザードが召喚される。

 

 

「おっらぁっ!!」

 

 

「っ!ふんっ!!」

 

 

ダークウィザードに続くように

真っ黒のウィザードも駆け出し

ウィザーソードガンをフェニックスへと

振りかざすが2人がかりでも

カタストロフで簡単に防がれてしまう。

負けずとダークウィザードらは攻撃を止めず

フェニックスに連撃を入れていくその隙に

ウィザードはドラゴタイマーを取り出し

右手首に装着する。

 

 

「数ならどうだ!」

 

 

《セットアップ!スタート!》

 

 

ドラゴダイアルをセットし、

サムズエンカウンターを押して

ドラゴタイマーから

時計の針が進む音が鳴り始める。

ウィザードはフェニックスへと駆け出し

ウィザーソードガンを振りかざす。

 

 

「フン、ウラァ!!」

 

 

「ぐぁっ!!」

 

 

「秀夜!このっ!」

 

 

先に戦っていたダークウィザードと

真っ黒のウィザードはフェニックスの

カタストロフの一撃で火花を散らし

吹き飛んでしまう。その威力は

シャドウリングで召喚した真っ黒のウィザードを

簡単に消滅してしまうほどの威力で

ダークウィザードも苦痛の声をあげていた。

 

晴希はドラゴンの力が宿っているからこそ

フェニックスと互角に戦えているが

秀夜はその力を使えずにいた。

故にフェニックスの一撃一撃が

ダークウィザードにとってかなりの

ダメージになってしまうだろう。

 

 

「ぐっ!くそったれがぁ!!」

 

 

「っ!無茶すんなよ!」

 

 

「てめぇは黙ってろ!!」

 

 

痛みを荒声でかき消し、ダークウィザードは

フェニックスへと突っ込んでいく。

その勢いの攻撃にフェニックスは

数歩下がっていくとその隙に

ウィザードはドラゴタイマーの

サムズエンカウンターを押した。

 

 

 

《ウォータードラゴン!》

 

 

 

「ハァッ!!」

 

 

「っ!おっと!?」

 

 

「あっ?増えた‥、てか、何だその道具?」

 

 

ドラゴタイマーから音声が鳴ると

ダークウィザードとフェニックスが

交戦しているその横から水の魔法陣が現れ

そこからウォータードラゴンスタイルの

ウィザードが飛び出し、ウィザーソードガンの

剣モードでフェニックスへと斬りかかるが

紙一重で見抜かれ避けられてしまう。

突然現れたウォータードラゴンのウィザードを

見て驚くが、それよりもフレイムドラゴンの

ウィザードが手に装着している

ドラゴタイマーの方を見て驚いていた。

 

 

「話は後だ!一気に畳み掛ける!」

 

 

「‥‥ちっ!ぉおおおおっ!!」

 

 

フレイムドラゴンはそう言って

ウォータードラゴンと一緒にフェニックスへと

畳み掛けるとダークウィザードは何を思ったのか

舌打ちをし、自身の闘気を上げる様に

大声を出しながらフェニックスへと斬りかかる。

ウォータードラゴンとダークウィザードが

圧している間にフレイムドラゴンは一旦下り

ドラゴタイマーのサムズエンカウンターを押した。

 

 

 

《ハリケーンドラゴン!》

 

 

 

「ハアァッ!」

 

 

「っ!?」

 

 

音声が鳴るとフレイムドラゴンの頭上から

風の魔法陣が現れ、ハリケーンドラゴンスタイルの

ウィザードが風を纏いながら

ウィザーソードガンを剣モードで振りかざす。

いきなりの頭上からの攻撃にフェニックスは

一撃を許してしまうがすぐに体制を立て直す。

 

 

 

「増えても‥同じだっての!!」

 

 

「「ぐぁっ!」」

 

 

徐々にドラゴタイマーの力で数を増やす

ウィザードだが数だけでは戦況は変わらず

フェニックスは叫びながらカタストロフを

振り上げ、ウォータードラゴンと

ハリケーンドラゴンを斬り上げ、吹き飛ばす。

 

 

「っ!オラッ!」

 

 

「フッ!!」

 

 

フレイムドラゴンのウィザードと

ダークウィザードはウィザーソードガンを

違う箇所を別々で攻撃しようとするが

1つは片手で受け止められ1つは

カタストロフで防がれてしまう。

その一瞬の隙にフレイムドラゴンは

サムズエンカウンターを弾く様に

瞬時に押した。

 

 

 

《ランドドラゴン!》

 

 

音声が鳴り、

フレイムドラゴンはフェニックスから

一旦離れると便乗するようにダークウィザードも

距離を取る。するとフェニックスの真下から

地鳴りが聞こえ、勢いよく

ランドドラゴンスタイルのウィザードが

飛び出してウィザーソードガン剣モードで

斬りあげようとするが、

それも見抜かれ防がれてしまう。

そして体制を整えたウォータードラゴン、

ハリケーンドラゴンが戦闘に加わり

ランドドラゴンと一緒にフェニックスと

交戦していくと、後方にいるダークウィザードが

フレイムドラゴンに話しかけた。

 

 

「おいおい、一体何人出てきやがるんだ?」

 

 

「心配すんな、あれで最後だ。」

 

 

「‥‥ふん!そうかよっ!!」

 

 

こちらの数はダークウィザード合わせて5人。

リンチか何処ぞの戦隊ものの光景に

ダークウィザードは半分呆れた様子だが

フレイムドラゴンはそう言い切って

ダークウィザードと共にフェニックスへと

駆け出した。

しかし、いくら数が5人に増えようが、

数だけではフェニックスを止められなかった。

 

 

「どらぁ!おらぁ!!」

 

 

「ぐぁっ!」

 

「がはっ!?」

 

 

いくら畳み掛けても次々とドラゴンウィザードは

カタストロフで木を伐採してるかのように

バッサバッサと薙ぎ払われていく。

何度も再生しその度に強くなるフェニックスは

ドラゴンスタイルとなったウィザードを前にして

圧倒的な力を見せていた。

 

 

「ぐっ!!‥ちぃっ!動き止めりゃ

問題ねぇだろ!」

 

 

「その案俺も使わせてもらう!」

 

 

火花を散らし、後方へ飛ばされる

ダークウィザードはそう言って

バインドリングを右中指に取り付けると

一緒に飛ばされたランドドラゴンも

同じ様にグラビティリングを右中指に取り付け

2人はシフトレバーを動かし、ソレをかざした。

 

 

 

《バインド・プリーズ》

 

 

 

《チョーイイネ!

 

グラビティ!

 

サイコーッ!!》

 

 

 

「‥!?何っ‥‥!」

 

 

 

互いの音声が鳴り響くと

ダークウィザードとランドドラゴンは

右手をフェニックスに向けて突き出す。

するとフェニックスの真下から

一回り小さな紫の魔法陣が幾つも現れ

そこから紫の鎖が飛び出し、フェニックスの

身体に縛りつく。そしてその頭上には

大地の魔法陣が現れ、フェニックスの身体が

徐々に沈んでいくほどの重力が発動する。

フェニックスは身動きが取れなくなり、

それを好機と言わんばかりに

ハリケーンドラゴンはサンダーリングを、

ウォータードラゴンはブリザードリングを

右中指に取り付け、シフトレバーを動かし

ソレをかざした。

 

 

《チョーイイネ!

 

サンダー!

 

サイコーッ!!》

 

 

 

《チョーイイネ!

 

ブリザード!

 

サイコーッ!!》

 

 

 

「「ハァッ!!」」

 

 

「っ!?ぐっ、うっ‥‥‥!」

 

 

音声が鳴り響き、ハリケーンドラゴンと

ウォータードラゴンが手を突き出すと

その手から凄まじい雷と冷気が

フェニックスに向かって放たれる。

さすがのこの同時攻撃には応えるのか

フェニックスから苦痛の声が聞こえだす。

 

 

 

《ファイナルタイム!》

 

 

「っ、ハァアアア!」

 

 

ドラゴタイマーからドラゴダイアルが一周した

音声が鳴り、同時に待機音が鳴り始める。

だがフレイムドラゴンのウィザードは

構わず、その場から飛び上がり

ウィザーソードガンで頭上からフェニックスに

一撃を喰らわそうとしていた。

 

 

 

「‥‥‥!うんぬぁあああっ!!」

 

 

「なっ!?ぐあっ!?」

 

 

‥が、なんとフェニックスは気合いと共に

その身体から炎の衝撃波を出し、

ウィザード達の魔法を消しさってしまったと

同時に飛びかかるフレイムドラゴンを

斬りあげたのだ。

 

 

 

「はっはは‥‥‥オォオアアアアアア!!」

 

 

 

あれだけの攻撃を与えたのに

不気味に笑うその姿は不死の体を持つ

ゾンビのようだった。そして

フェニックスが声を荒げだすと背中から

炎の翼が飛び出し、それは徐々に大きくなっていく。

そして自分より何倍もの大きさに膨れ上がると

それを羽ばたかせウィザード達に攻撃を仕掛けた。

 

 

 

「「「「ぐわぁああああっ!!!」」」」

 

 

「ぉああっ!!?」

 

 

 

4人のウィザードとダークウィザードは

凄まじい炎に耐え切れず吹き飛んでしまう。

その威力は周りの木々を一瞬にして

燃やし尽くしてしまうほど強力だった。

 

 

 

「ぐっ、‥‥化け物かよ‥‥!」

 

 

 

「手品はこれで終わりか‥‥?

だったら諦めて、さっさと地獄に行きな!」

 

 

「ざけんな‥てめぇが地獄に行きやがれ!!

‥‥っ!?」

 

 

ドックン‥‥!

 

 

それぞれのウィザードは痛みを

押し殺しながら立ち上がるが、

圧倒的な強さを見せるフェニックスは

そう言って徐々に歩み寄ってくる。

ダークウィザードも負けずと叫ぶと

リングホルダーから突然1つの指輪が

輝き出す。それは突然手元にあった

黒い宝石の変身リングだった。

それと同時に以前にも経験した

心臓が高鳴るような現象が

ダークウィザードに起きる。

 

 

「ぐ、こいつは‥‥。」

 

 

 

《セットアップ!スタート!

ファイナルタイム!》

 

 

「秀夜!こっからは下がってろ。

俺が全力であいつを倒す。」

 

 

その黒い変身リングをダークウィザードは

見つめていると隣のフレイムドラゴンは

もう一度ドラゴタイマーのドラゴダイアルを

回し、サムズエンカウンターを押すと

すぐにファイナルタイムのカウントダウンが

始まり、フレイムドラゴンはダークウィザードに

下がるよう声をかけるが何か秘策があるのか

ダークウィザードはその黒い変身リングを

左中指に取り付ける。

 

 

「クソみてぇなこと言ってんじゃねぇよ!

あいつを殺すのは俺だ‥‥!!」

 

 

「‥‥そうか‥、おいフェニックス。」

 

 

「あぁ?」

 

 

ダークウィザードが声を上げ立ち上がる

その姿にフレイムドラゴンのウィザードは

フッと鼻で笑い、フェニックスの名を呼ぶ。

 

 

 

「魔法使いは諦めが悪くてね‥!

俺の本気、見せてやる!」

 

 

 

フレイムドラゴンはそう言って

ダークウィザードと並び、2人は

シフトレバーを上下に動かし

フレイムドラゴンはドラゴタイマー本体、

ダークウィザードは黒の変身リングを

ドライバーへとかざした。

 

 

 

 

《オールドラゴン!・プリーズ》

 

 

 

《オリジン・プリーズ》

 

 

 

 

互いの音声が鳴り、まずドラゴンウィザードは

4人がドラゴダイアルの色の合わせ通りに

空中へと浮上するとフレイムドラゴン以外の

ドラゴンウィザードはそれぞれ

ウィザードラゴンの形となり、

ウィザードの周りを飛翔する。

すると3体のウィザードラゴンはそれぞれ

ウィザードの体へ入り込むと、

ドラゴンの翼、尾、爪、そして頭、

全てのドラゴンの力が装備される。

 

そしてダークウィザードはどす黒い

魔法陣がダークウィザードの足元に現れ

下から上へと通り抜けると

ダークネススタイルから

真っ黒の宝石のスタイルへと姿を変えた。

 

 

 

 

「なんだ‥‥?」

 

 

 

「全ての魔力を1つにしたんだ。

かなりの魔力を使うから一瞬で‥‥

‥‥秀夜、お前何だその姿?」

 

 

 

不思議そうに見るフェニックスに

ウィザードはそう言おうとすると

ふと、隣で息を荒くするダークウィザードを

見ると、その姿、体勢は獣の様に腰を

低くし、フーッ、フーッと息を荒立たせていた。

 

 

 

「一瞬で‥‥コロす‥!!

いくゾ‥‥‥‥ソウま‥‥!

ウォオアアア!!」

 

 

「あ、あぁ‥‥‥!

覚悟はいいなフェニックス!

これが最後の希望だ!」

 

 

「ふん!こいよっ!!」

 

 

ダークウィザードはそう言って声を荒げると

背中から黒いエネルギーが集まり

ドラゴンの翼らしきものが現れる。

喋り方がおかしいと思うウィザードだが

互いにこの姿を保つのはほんの僅か。

ウィザードは気を取り直し、

ダークウィザードと共にフェニックスへと

突っ込んでいった。

 

フェニックスも背中から炎の翼を広げ

魔法使いとファントムは

空中へと飛び上がり、ウィザード達は空で

ぶつかり合い、衝撃波と火花を散らしていく。

その光景を木の陰から黙って見届ける者がいた。

 

 

 

 

「だあっ!!」

 

 

「ガァアアッ!!!」

 

 

 

「っ!?ぐぅおあ!?」

 

 

ウィザードの遠距離からのドラゴンの衝撃波、

そしてダークウィザードの素早い攻撃に

先ほどまで圧倒的だったフェニックスは

少しずつだがおされていったのだ。

 

 

「ぐっ!?こんのぉ!!」

 

 

吹き飛ばされるフェニックスだが

空中で体制を立て直し、持っている

カタストロフを横一文字に振り上げると

巨大な炎の衝撃波が放たれウィザードと

ダークウィザードを瞬く間に

その炎に飲み込んでいく、だが。

 

 

 

「ーーーーッ!!」

 

 

 

「なっ!?ドラゴン‥!?」

 

 

 

「ハァァアアッ!!!」

 

「ガァアアアァア!!」

 

 

「っ!!ぐぁああっ!?」

 

 

 

その爆炎から一瞬ドラゴンの幻影が見えた

フェニックス。だが次の一瞬、爆炎の中から

ウィザードとダークウィザードが飛び出し

フェニックスの翼を片方ずつ壊し、

フェニックスは地上へと落下していく。

 

 

 

「ぐぉっ!?ぐっ‥‥‥‥へっ‥

やるじゃねえか‥!指輪の魔法使い共!

だが気を付けろよ‥!俺はまた蘇るぜ‥!」

 

 

「確かにな‥だが、廃も残さないほどの

一撃を与えたら、さすがの不死鳥も

再生できないんじゃないか?

あっちもその気みたいだしな。」

 

 

「‥‥壊す!‥‥てめぇをぶっ壊す‥‥!!」

 

 

 

「何‥!?」

 

地上に落下したフェニックスと後から

着地するウィザードとダークウィザード。

ボロボロに追い込まれたフェニックスは

また蘇ると言い切るがウィザードは

ダークウィザードを見ながらそう言うと

地面を蹴り、フェニックスの懐まで跳躍する。

 

 

「っ!早い‥!」

 

 

「さぁ、フィナーレだ!ハァッ!!」

 

 

「ぐぉぁあ!!」

 

 

ダメージを負った身体にその動きについて行けず

ウィザードはドラゴンテイルでフェニックスを

空中へと叩き上げる。

そしてウィザードはその場で腰を低くすると地面に魔法陣の様な絵柄が浮かび上がる。

それと同時にダークウィザードの胸部に

黒いエネルギーが集まり、

ドラゴンの頭らしきものが現れる。

ダークウィザードがそのドラゴンの頭に

エネルギーを溜めている間にウィザードは

その魔法陣の絵柄ごと一気に飛び上がり

 

 

 

「でぇえやぁあああああ!!!」

 

 

 

「っ!?ぐぉああああっ!!!」

 

 

空中でその魔法陣から4体のドラゴンが飛び出し

フェニックスへ突っ込んでいくと、

止めにウィザードの蹴り

『ストライクドラゴン』が炸裂する。

空の彼方へと吹き飛ぶフェニックスだが

それに追いつこうとする者がいた。

 

 

 

「ガァアアアアッ!!!」

 

 

 

「っ!?‥‥‥‥‥‥!!!」

 

 

 

このまま大気圏を突破して宇宙にまで

吹き飛びそうなフェニックスに追いついた

ダークウィザードは気合いと共にその胸部の

ドラゴンの頭からドラゴンブレスが放たれ

フェニックスはそれに飲み込まれると

爆散し、跡形もなく消えていった。

 

 

 

 

 

「っと‥‥‥。ふぃ〜‥。」

 

 

その光景を確認したウィザードは

オールドラゴンを解いてフレイムドラゴンに

戻ると同時に地面に降りたち、一息を吐いた。

するとダークウィザードも少し遠くの方に

降りてきたのでウィザードは変身を解いて

近付いて行った。

 

 

 

「やったな秀夜、しかしお前何だそのスタイ‥」

 

 

 

「ッ!ガァアア!!」

 

 

俺が話しかけようとした瞬間だった。

ダークウィザードは変身を解かずにいきなり

俺に攻回し蹴りを仕掛けてきたのだ。

 

 

 

「どあっと!?おい!何してんだよ!?」

 

 

「破壊‥‥ハ‥カイ‥!!」

 

 

間一髪でその回し蹴りをかわし、

俺はダークウィザードに呼びかけるが

ロボットの様に同じ言葉を繰り返すだけだった。

暴走か何かの類いかと思った俺は

自分の身を守るためシフトレバーを動かして

フレイムドラゴンリングをかざそうとした。

 

 

「‥‥‥!?ぐっ!うぅっ‥‥!

うぉあああっ!‥‥ハァッ‥ハァッ‥!」

 

 

「っ!?秀夜!おい、大丈夫か!?」

 

 

突然頭を抑え、呻き声を上げると

ダークウィザードの変身が解かれ

秀夜は膝をついて苦しそうになっていた。

 

 

 

「うぅ‥‥!また‥、かよ‥!くそっ!」

 

 

「ちょ、おい秀夜!なんだよそのスタイル!

それヤバいやつじゃないのか!?」

 

 

秀夜は舌打ちをし、よろめきながら立ち上がると

その場から去ろうとする。俺は気になり

秀夜を止めようと肩を掴むが瞬時に振り払われる。

 

 

「っるせぇ!!てめぇなんかに関係ねぇ!」

 

 

「っ、秀夜‥。」

 

 

秀夜にそう言われた俺は深追いせず

彼の去る姿をただ見送るだけだった。

なぜあそこまで檄的になるのだろうか。

俺はそう考えながらフェニックスが

復活してこないのを確認し、

その場を去ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

音ノ木坂学院、保健室にて。

 

 

 

「あだ!痛たたたたっ!

穂乃果!そこもう少し優しく‥!いてぇ!」

 

 

「もぉ!晴希君いっぱい怪我してる!」

 

 

「け、怪我だけですんだんだから

結果オーライじゃ‥いてぇっ!?」

 

 

「うわわ!?急に起き上がらないでよ!

晴希君男の子なんだから我慢して!

‥本当無茶ばかりするよね晴希君は。」

 

 

秀夜と協力してフェニックスと激闘を

繰り広げた俺は何とか倒し、午後から

授業を受けることになったのだが

気付けば体中傷だらけ。

その状態をいち早く発見した穂乃果は

すぐに俺を保健室に連れて行き、

偶然か保健室の先生は不在で今こうして

穂乃果に消毒をしてもらってるわけだが

とてつもなく痛い。

大体の消毒を終え、ガーゼや包帯やらで

治療を終わらせると穂乃果はゆっくりと

口を動かした。

 

 

「‥今回の事で、ファントムが本当に

恐ろしい相手だってことが、改めて分かったよ‥。

晴希君、ごめんなさい。もうこれからは

1人で勝手に行動しない‥。何かあったら

ガルちゃん達を連れて行くねっ。」

 

 

「そうだな‥‥って、お前危険な目にあったのに

大した勇気だな。」

 

 

「だって、誰かが襲われるのなんて

見たくないもん!それに‥‥。」

 

 

ガーゼの上から軽く手で摩る俺は

懲りない穂乃果を見て苦笑すると

穂乃果は椅子から立ち上がり、

数歩前へと歩くと立ち止まり、

俺の方へとくるっと振り返る。

 

 

 

「それにね、穂乃果の最後の希望は、

いつも側にあるからっ、大丈夫だよっ。」

 

 

振り返るその顔は一瞬全てを忘れそうになるほど

満面の笑みで、同時に俺の鼓動は高鳴り、

彼女の笑顔に正直ドキッとした。

 

 

 

「‥あれ?どうしたの晴希君?」

 

 

「え、あぁ‥。な、なんでもない。」

 

 

「えぇー!?今絶対何か思ったでしょ!

おしえてくれないと〜!えいっ!」

 

 

「おわっ!?ちょっ!くっつくな!

てか、傷!傷にひびくってー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

フェニックスと戦った広場にて。

 

 

 

 

ウィザードとダークウィザードの連携攻撃により

フェニックスは跡形もなく消えたのかと思った。

だが、不死鳥はそう簡単に消えたりはしなかった。

 

 

 

 

「‥‥‥んん‥あぁ‥‥!‥‥ふぅ‥。」

 

 

 

あれから少し時間が経つと、広場の燃えカスが

中央へ集まり、人の形を形成していくと

その体は燃え上がり、不死鳥フェニックスは

復活したのだった。

 

 

 

「‥‥はっ、ハハハハハ‥‥!!

ざまーみろってんだ、指輪の魔法使い共!

俺は何をされようが死なねぇんだよ!

また魔力も上がってきたな‥‥!

次はねぇぞ!指輪の魔法使い!!」

 

 

 

 

「調子は良さそうだな、フェニックス。」

 

 

 

高笑いするフェニックスの背後から

不審な声が聞こえ、フェニックスはあぁ?と

言いながら振り返る。

そこにいたのはファントムのワイズマンだった。

 

 

「なっ!ワイズマン‥!

何でここに‥!?」

 

 

「あれだけ騒ぎを起こしたのだ。

私が出ないはずがないだろう?」

 

 

「‥ハハハハハ‥‥‥!

残念だったなワイズマン‥!

今の俺は、例えワイズマンでも止められねぇぜ!」

 

 

今まで従っていたワイズマンが現れ

あのフェニックスでさえ狼狽えるが

今の強さならワイズマンを凌ぐ、

そう思ったフェニックスは強気で

大剣カタストロフを取り出すと

ワイズマンは不気味に静かに笑う。

 

 

「あぁ、そうだな。

()()姿()ならお前を倒すのは

難しいかもしれないな‥‥。」

 

 

「あぁ?どうゆうことだ?」

 

 

ワイズマンの言葉にフェニックスが

聞き返した直後だった。突然ワイズマンの体が

光だし、その姿を‥‥。

 

 

 

 

「今までご苦労だったな、フェニックス。」

 

 

 

「っ!!?てめっ!何もんだ!!?」

 

 

 

 

その姿を白い魔法使いへと変えたのだった。

白い魔法使いはシフトレバーを上下に動かすと

ドラゴンの絵柄に渦が描かれた魔法リングを

右中指に取り付け、ソレを

バームオーサーへとかざした。

 

 

 

 

《イエス!

 

ブラックホール!

 

アンダスタンド?》

 

 

 

 

白い魔法使いのドライバーから

ウィザードライバーと異なった音声が鳴ると

フェニックスの背面に魔法陣が現れると

渦が浮かび上がり、物凄い勢いで

フェニックスごと周りの物を吸い込もうとする。

 

 

 

「っ!?何だ‥‥!!吸い込まれる‥!!?」

 

 

 

「さらばだ。ハァッ!!」

 

 

 

「っ!うぉおああああああっ!!!!」

 

 

 

突然現れた渦にフェニックスは吸い込まれまいと

抗おうとするが、白い魔法使いに蹴りを入れられ

フェニックスは叫びと共に、その渦の中へと

吸い込まれていった。

そして吸い込まれるのを確認した白い魔法使いは

その魔法陣を閉じ、フンと鼻で軽く笑う。

 

 

「‥‥太陽に蹴り飛ばさなかったのは

驚きはしたが、想定内だ。

‥‥さて、じゃじゃ馬はいなくなった。

後はお前の働きに期待しているぞ。」

 

白い魔法使いはそう言ってその姿を

ワイズマンに戻し、後ろを振り返ると

全身黒い身体と黒い鎧で覆われた

怪物に向けて口を動かす。

 

 

「お前はメデューサの指示に従っていろ、

頼んだぞ、〝タキシム〟。」

 

 

「‥‥‥御意。」

 

 

 

黒いファントム〝タキシム〟は頷き、

その場から姿を去ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、仮面ライダーウィザード

 

 

「ま、まさか‥‥。」

 

 

「合宿よぉ!!」

 

 

新しい曲作りに悩むμ's。

そこで絵里から予想外の発言が‥!

 

 

「山頂アタックです!」

 

 

「まだ行くのぉ!?」

 

「お前ら正気かよ!?」

 

 

夕日を見つめる海未一行。

目指せてっぺん!‥‥‥え?

 

 

 

「う〜ん‥‥あれ?晴希君?

何で変身して穂乃果の下にいるの‥?」

 

 

「逆に聞いていいか‥?何であんな

崖でお前は寝てたんだ‥‥‥?」

 

 

穂乃果が目覚めるとなぜか

ハリケーンドラゴンスタイルで穂乃果の

下敷きになってる晴希、ドウシチャッタノォ!?

 

 

 

 

「人間、なぜあの光は1度なくなって

辺りは暗くなった?」

 

 

「何でって太陽なんだから当然でしょ?」

 

 

「‥‥あれは太陽というのか‥?」

 

 

「(な、何なのこの人‥。)」

 

 

突然現れた軍服の様な黒い服装の人物に

真姫は思わずこの人、やばい人だと思ってしまう。

 

 

 

 

第36話 山で合宿をします!

 




ども!大変お待たせしました!
しょーくんです(>_<)
本当すんません!テストも近づいて来たのと
色々リアルが忙しくなって書く暇が(;_;)
その分今回は2万文字ぐらい書きましたので!(>_<)

さて、どうでしたか今回のお話。
結構予想外だったり‥?
秀夜君と晴希君の意外な連携。
だがしかし、秀夜君は晴希君らとの
力の差が開き始めて
だんだんと苛立ちが‥この先どうなる‥?
そしてフェニックスさんは残念ですが
ご退場すね‥お疲れ様でした(>_<)
最後は幹部らしく戦ってくれましたね‥。
また出番があればよいのですが‥。

次回は2度目の合宿!
真姫の前に現れたのは誰だ!?

感想、評価などがあれば是非お願いします(^^)

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