ラブウィザード! 〜希望の柱〜   作:しょくんだよ

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こんなCMあったら‥‥‥。


《ウィザーーード!!》

秀夜「ディストラクションタイムと行こうか!」


《シャバドゥビタッチヘンシーン!

シャバドゥビタッチヘンシーン!

シャバドゥビタッチヘンシーン!》


闇の力で変身‥!


《ダークネス!・プリーズ

アク アク・アクアクアーク!!》


解き放て、必殺技!



《チョーイイネ!

キックストライク!

サイコーッ!!》



DXウィザードライバー!
そして、DXダークネスリングセット!



DXダークネスリングセット
(ダークネスリング、シャドウリングが付属)
価格 1280円かな‥?笑



高評価をつけてくれた晴太郎金丸さん
槙嶋おあしすさん、
ありがとうございます(^^)
これからもラブウィザードを
よろしくお願いします( ^ω^ )


第34話 暴走する不死鳥

とあるマンションにて。

 

 

 

「お前のおかげで吹っ切れたぜ、ありがとよ。

こっからはお前の言った通り、

俺はやりたいようにやらせてもらうぜ。」

 

 

「フェニックス‥‥‥!!」

 

 

 

藤田ユウゴと心を通わせようとした

高坂穂乃果はその正体がフェニックスだと

知らずに近付いてしまった。

そして今、穂乃果の言葉によりフェニックスの

軛を解き放ってしまう。

 

 

 

 

「うぉおあああああああっっ!!」

 

 

 

「っ!?きゃあっ!」

 

 

怪人態となったフェニックスは

雄叫びをあげるとともに衝撃が放たれ

穂乃果はその余韻で吹っ飛ばされた。

 

 

 

「うっ‥‥!‥‥‥そんな‥‥!

‥‥‥藤田さん!やめてっ!!」

 

 

 

地面を転がり打ち付けられた体が

多少痛みながらも穂乃果は構わず

フェニックスに向かって叫んだが

彼女の声はもう届かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

神田町、とあるコンビニの出入り口にて。

 

 

 

「ありがとうございましたー。」

 

 

「あ〜、もうこんな時間か‥‥早く帰って

洗濯もん取り込まないと。」

 

 

既に夜の21時に差し掛かろうとしている時間、

操真晴希こと俺は晩飯をコンビニの弁当で

済ませるためにコンビニにより、今から

帰宅しようとしていた。

ベルゼバブの件で俺はまた新たな力を

手にして一段階パワーアップし、

穂乃果のやつもどこで知ったのか

ベルゼバブの僕を見つけてなかなかの

手柄をとったらしい。

 

 

「‥‥ん?電話‥‥。

海未?珍しいな、もしもし?」

 

 

俺は駐車場に止めてあるバイク、

マシンウィンガーに跨がろうとした時、

制服のポケットからスマホの着信音が鳴り出す。

取り出して確認すると相手は

珍しく園田海未からだった。

俺は画面を見て確認し、通話ボタンを

スライドして電話に出ると『晴希!?』と

かなり焦っている声で海未が話してくる。

 

 

「どあっ‥、海未、声でかい。

どうしたそんなに慌てて?」

 

 

『あ、ご、ごめんなさい‥っ。

晴希、穂乃果を見てませんかっ?』

 

 

「穂乃果?あいつ家に帰ったんじゃないのか?」

 

 

いきなりのでかい声で頭に響く俺は

海未に注意しつつも用件を聞くと

海未は穂乃果の行方を聞いてきた。

ベルゼバブを倒した時にいた

二藤攻大、奈々城コヨミ、小泉花陽以外は

家に帰ったと聞いてるはずだが‥

因みにコヨミと花陽は俺と攻大が

送り届けてました。

 

 

 

『ファントムの対処した後

また用事だと言って何処かへ

行ってしまったのですが‥穂乃果‥、

穂乃果がまだ帰ってきてないみたいなんです!』

 

 

「っ!?マジで‥?」

 

 

次の言葉を聞いた瞬間俺の体は全身

弄られたようにゾワリとした感覚の

危機感に襲われる。

それが本当なのか聞き返すが

この状況で海未が嘘を言うはずないので

どうやら本当らしく、いつも冷静な海未は

慌てながらも口を動かした。

 

 

『穂乃果のご両親も心配してるらしくて‥

ことりや他のメンバーにも声をかけてるのですが

皆さん知らないと‥‥っ。』

 

 

「穂乃果には電話したのか?」

 

 

俺は海未にそう聞くと海未はいいえと答える。

それを聞いた俺はポケットから

使い魔のリングを3つ取り出した。

 

 

「海未、俺も今から使い魔使って

探してみるから、お前はもっかい

穂乃果に電話してみてくれっ。」

 

 

『わ、分かりました!気を付けてください‥!』

 

 

海未はそう言って俺は通話を切ると

3つの魔法リングを一気にベルトへとかざした。

 

 

 

《ガルーダ!ユニコーン!クラーケン!

プリーズ》

 

 

音声が一気に流れると三色のプラモの形をした

模型が現れそれがカチャカチャと

素早く組み立てられていく。

そして動物の形に変形すると俺は

その3匹の使い魔にそれぞれ先ほど使った

魔法リングをはめていく。

 

 

「悪い、大至急穂乃果を探してくれっ。

見つけたら絶対に知らせろよ?」

 

 

俺は3匹の使い魔、

レッドガルーダ、ブルーユニコーン、

イエロークラーケンにそう伝えると

3匹は頷き、散り散りに穂乃果の行方を

探すべく散った。

俺も急いでバイクに跨り

念のためスマホを取り出して穂乃果に

通話して見るが全くでない。

 

 

 

「穂乃果‥!無事でいてくれ‥‥!」

 

 

正直自分もかなり焦ってるのだろう。

ファントムがいつ襲ってくるのかも分からない

このご時世にいきなり友人が家に帰ってないと

伝えられたらそれは何かあったとしか

考えられない。

俺はジェットヘルメットを被り、

エンジンをかけて軽く吹かすとすぐに

この辺り周辺を探すことにした、のだが。

 

 

 

「っ!!おわっと!?」

 

 

走り出した突然、目の前から小さな物体が

飛び出してきて俺はすぐにブレーキをかけて

ヘルメットのバイザーを上げてその物体を確認する。

 

 

 

「バウッバウッ!」

 

 

「‥?お前、確か秀夜のとこの使い魔‥?」

 

 

そこにいたのは仮面ライダーダークウィザードこと、

藍崎秀夜の使い魔、ブラックケルベロスが

こちらに向かって吠えていた。

するとケルベロスは跳躍し、

バイクの先端に着地すると背中を向けながら

バウバウと吠え、俺に話しかけてくる。

 

 

「‥‥‥!?オレンジ頭の子が公園に‥!?

まさか‥‥、悪い、その場所まで道案内してくれ!」

 

 

使い魔の言葉は魔法使いだけが理解でき、

例えそれが他の魔法使いの使い魔でも理解できる。

俺はケルベロスの言葉に驚きつつも

バイクの先端に乗ってるケルベロスにそう言って

ヘルメットのバイザーをしめ、アクセルを吹かし

その人物がいる公園へと走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

とある公園にて。

 

 

ケルベロスの指示通り、公園の出入り口まで

辿り着いた俺はエンジンを切り、すぐに

公園内を見回した。

 

 

 

「‥‥‥いた。」

 

 

そして、ブランコで1人寂しく座ってる

オレンジの髪色の少女を発見し、

安心の息を吐いてるとケルベロスは

どこかへ走り去っていく

が俺は構わず公園の中へと入っていく。

 

 

 

 

「‥‥‥‥‥。」

 

 

「穂乃果っ、お前こんなとこで何してんだ‥」

 

 

ブランコで俯きに座る穂乃果に

俺は軽く説教の為少し声のトーンを変えて

話しかけるが穂乃果が俺の存在に気付き

こちらを振り向くとその目から

涙を流していた。

こんな悲しい顔をする穂乃果は

初めて見たかもしれない。

俺は説教どころではなくなり

隣のブランコに腰をかけて口を動かした。

 

 

「‥どうした?」

 

「‥‥‥‥‥‥。」

 

 

俺が話しかけても穂乃果は俯き

鼻水を啜る音しか聞こえない。

そして次第にゆっくりと口を動かす。

 

 

「晴希君‥‥‥‥、

私‥‥どうすれば‥‥‥!」

 

 

「‥落ち着け穂乃果、

何があったかゆっくり話してみ?」

 

 

話そうとするがこわいのか

溢れんばかりの涙が穂乃果の頬を伝う。

俺はブランコから立ち上がり

穂乃果の背中を摩りながら落ち着かせると

本人は落ち着いたのか喋り始める。

 

 

「私‥‥みんなに黙って‥‥ファントム‥

フェニックスと会ったの‥‥‥。」

 

 

「っ!!フェニックスと‥!?

バカヤロウ!何でそんな危ない事を‥!

大丈夫か!?なにもされてないか!?」

 

 

穂乃果の言葉に俺は目を見開き驚愕する。

通常のファントムより明らかにレベルが違う

あのファントムに会った事に俺は驚くが

それよりも穂乃果自身に怪我がないか確認する。

 

 

「ごめんなさい‥‥!でも

あのフェニックス、私の知り合いだったの‥。」

 

 

「え?‥‥どうゆうことだ?」

 

 

また予想外な言葉に俺は首を傾げてしまうが

穂乃果は涙を流しながら説明する。

 

 

「一昨日の暴風雨の時にね‥

見覚えのある人がいたの‥。

でも‥‥凄く怖そうで‥悲しい表情をしてたから

何かあったのかなって気になって

今日その人が働いてるお店へ行ったんだ‥‥。

そしたら、大分前に辞めてるって‥。

それでも私気になって‥‥、

その人の家まで行ったの‥‥‥。

あはは、本当ダメだよね‥‥私の性格‥。」

 

 

一旦区切ると穂乃果は涙交じりの苦笑いをする。

一度決めたら止まらない穂乃果の性格は

よく知ってるが時にやり過ぎることがある。

俺はそう思いながら穂乃果の話を聞き続ける。

 

 

「藤田ユウゴさんって人で‥

お花が大好きでいつも明るくて優しい人だったの‥。

でも‥‥‥今日会ったあの人は別人だった‥‥。

もしかしたら‥ファントムじゃないかなって

思ってたんだけど‥‥当たってた‥‥。

だけど話していく内に、何だか‥

自分と似てる様な気がして‥‥‥、

だから、もしかしたら‥

分かり合えるんじゃないかって思っちゃって‥

‥‥本当、私ってばバカだよね‥‥!

姿は知ってる人でも‥中身は全然違う‥!

私が励ましたせいで‥‥暴れるきっかけを

作っちゃった‥‥‥!」

 

 

「‥‥‥‥フェニックスは‥?」

 

 

「分かんない‥‥『これであいつと戦える』

って言って何処かへ行っちゃったの‥‥。

‥‥‥()()私のせいで‥‥‥!

ひっくっ‥!ううっ‥!」

 

 

理由を言った穂乃果は両手で顔を

塞ぎ込んで泣き始める。

俺は立ち上がり塞ぎ込んでる

穂乃果の前に立つと

右手を穂乃果の頭上に揚げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、優しく頭を撫でた。

 

 

 

 

「‥‥!‥‥‥晴希君‥‥?」

 

 

 

「よく無事で帰ってくれた‥‥。

凄いじゃないか穂乃果。

ファントムと分かってて逃げずに

話しかけるなんて。」

 

 

殴られるのかと思ったのか

俺が手を置いた瞬間ビクッとなる穂乃果だが

慰める俺に穂乃果はキョトンとする。

が、だけどなと俺は一旦区切って穂乃果の

おでこに少し強めのデコピンをする。

 

 

「あぅ‥っ‥‥‥」

 

 

「無茶な行動をしたのはダメだ。

今度からは俺か攻大、

もしくは使い魔に必ず言うこと、いいな?」

 

 

「‥‥‥はい‥‥ごめんなさい‥‥‥。」

 

 

「謝るなら海未達に謝れ。

みんな帰ってこないからって心配してるぞ?」

 

 

そう俺は言って立ち上がると

穂乃果はまだショボンと落ち込んでいる。

 

 

「‥‥俺も一緒に行ってやるから大丈夫だって。」

 

 

「違うよっ!」

 

 

 

俺が頬をポリポリと掻きながら言うと

穂乃果は否定してブランコから立ち上がる。

 

 

「‥‥藤田さん‥‥フェニックスは

‥‥どうすれば‥‥‥っ。」

 

 

「‥‥‥あ〜、大丈夫だ。」

 

 

 

穂乃果の言葉に俺はそっちかと思いながら

口を動かし、右手に付けてある

ドライバーオンリングを穂乃果に見せる。

 

 

 

「どのみちフェニックス(あいつ)とは

遅かれ早かれ戦う運命だったんだ。

穂乃果はそれを早めただけ、

後は俺に任せろ。」

 

 

 

「‥‥‥晴希君‥‥。」

 

 

 

 

 

 

「‥‥改めて約束する。

俺がお前の最後の希望だ。

だからもうメソメソすんなよ。」

 

 

俺は穂乃果にそう告げて

海未や穂乃果の家族に電話を入れた。

そのあと、こっぴどく穂乃果は怒られたが

その表情はいつも通りになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

翌日、音ノ木坂学院のお昼休み。

屋上にて。

 

 

 

 

「これが‥晴希君の新しい‥力‥‥!」

 

 

「ふぇ〜‥!」

 

 

「指輪じゃないんだね‥‥!

これが〜こうなるわけだっ。」

 

 

「すっごい形してるわね‥‥。

ちょっと穂乃果、にこにも触らせなさいよ。」

 

 

「えぇ〜っ、ダメだよ!

今は穂乃果が触ってるんだから!」

 

 

「昨日迷惑をかけたのはどこのどいつかしら?」

 

 

「うっ‥‥ごめんなさい‥。」

 

 

お昼休み、屋上で集まり

ご飯を食べている俺たちμ'sメンバー。

新たな力を手にして戻ってきた俺は

その力の源の魔法具であるドラゴタイマーを

是非見たいとμ'sメンバーが言い出して

俺はソレを差し出すと真っ先に

くいついてきたのは星空凛、小泉花陽、

穂乃果、矢澤にこの

3人だった。凛と穂乃果、にこは興味深々に眺め

穂乃果にいたってはドラゴタイマーを手首に

付ける素振りをしている。

にこも触らせてと言うが穂乃果は否定する。

そして昨日の事をぶり返されると

穂乃果はあっさりとにこに

ドラゴタイマーを渡した。

 

 

「どんな感じの魔法なの?」

 

 

「えっとな!晴希の野郎が増えて

火がドォンで、水がバシャーンで

風がビューで、土がドーーン!だな!」

 

 

「ごめんこうっち‥‥、もうちょっと

分かりやすく説明してくれたら

ありがたいんやけどな‥‥。」

 

 

ピクニックシートに座って弁当を食べてる

西木野真姫はその場にいた二藤攻大に

どんな能力か聞くと攻大は一旦弁当を置いて

手と口で表現するが、その近くにすわってる

東條希は苦笑いしながらそう言う。

その隣にすわってる絢瀬絵里は弁当を

食べながらボソりとハラショーと呟いている。

 

 

「晴希君、今あの‥ドラゴタイマーって

言うのかな?使えないの?☆」

 

 

「あ〜それはパスかな‥。

あれ凄い魔力使うからさ。」

 

 

「確かに、凄そうな魔道具ですから

それほど魔力をつかうのでしょう。」

 

 

同じく別のピクニックシートに座って

弁当を食べてる南ことりは穂乃果達が見てる

ドラゴタイマーを見ながら俺に聞いてくるが

あの魔道具は1度に4体のドラゴンスタイルの

ウィザードを出すことが出来るがその分

魔力の減りもかなり激しい。

本当に切り札って感じかな‥。

俺はことりにそう返すと一緒に座ってる

園田海未もご名答で口を動かす。

 

 

「‥‥‥‥‥。」

 

 

「‥晴希君?どうしたの?」

 

 

「‥‥え?あ〜いや、ドーナツ美味いな〜って。」

 

 

俺が考え事をしていると隣に座ってる

奈々城コヨミがボーっとしてる俺が

気になったのか声をかけてくるが

俺は手にしてる食べかけのプレーンシュガーを

見ながらそう返し、口へと運んだ。

 

 

「晴希君、それ本当好きよね。」

 

 

「あ〜なんかハマっちゃって‥‥‥あれ?

何で俺がドーナツ好きって分かったんだ?

俺コヨミの前で食べるのは初めてだぞ?」

 

 

「え‥‥?あれ‥‥、そうだったかな‥?」

 

 

コヨミの発言に俺は、ん?と反応する。

最近転校してきたばかりのコヨミとは

もうすっかり馴染んで話す事が多くなったが

彼女の前で俺の好きなプレーンシュガーを

食べるのはこれが初でプレーンシュガーが好き

とは一言も言っていない。

コヨミ自身も何で知ってるのかみたいな顔をして

首を傾げていた。

 

 

 

 

バキッ!

 

 

 

 

「あ、とれちゃった!」

 

 

「え?‥‥あぁ!!

お前ら何壊してんだよ!!?」

 

 

「ちょ、ちょっと!アンタ達何壊してんのよ!」

 

 

「にゃあぁ!?今触ってたのにこちゃんでしょ!」

 

 

ふと、穂乃果達の方から何やら鈍い音がし、

俺や他のメンバーが見ると

ドラゴタイマーの先の部分の

プリズムドラゴライトの部分が外れていた。

俺は慌てて駆け出し穂乃果達に怒鳴ると

犯人と思われるにこが濡れ衣を着せようと

凛にそう言っていた。

 

その様子をコヨミは一緒に座ってる

ことりと海未とで眺めていると

コヨミは再び首を傾げた。

 

 

 

 

 

「(‥‥何だろう‥‥。この感じ‥‥?

前にもあったような‥‥‥。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

秋葉原、駅前にて。

 

 

「‥‥‥。」

 

 

上位ファントムのメデューサは

人間がゲートかどうか見極められる能力を

持っており、日々こうして街中に来ては

人間態で紛れ人間観察をしていた。

すると、メデューサの目先にある壁

その横からヒョイと右手が出てくる。

そしてそのまま出てきたのは

緑色の羽の付いた帽子を被り

肩にストール、ズボンの左側を

たくし上げている何とも独特の

ファッションをしている青年が現れた。

 

 

「ハロ〜。」

 

「‥‥貴方を呼んだ覚えはないわ。」

 

 

「別に呼ばれなきゃきちゃダメって

決まりはないはずだよね?

〝ミーサちゃん〟っ。」

 

青年がメデューサに挨拶すると

メデューサは目線を逸らし素通りしようとするが

青年はそう言いながらメデューサの肩に

右手を置くと即座に振り払われた。

 

 

「その名前で呼ぶのはよしなさい。」

 

 

「‥相変わらず冷たいな〜。」

 

 

「貴方にかまってる暇はないの。」

 

 

「あ〜それは残念っ。でも、

ゲートを探してる場合じゃないと

思うんだけどな〜?」

 

 

ミサと言うのは人間だった頃の名前なのだろう。

その名前を呼ばれたのか若干不機嫌になる

メデューサに青年は両腕を首の後ろに回して

数歩距離を取り、メデューサは去ろうとする。

が、次の青年の言葉にその足は立ち止まる。

 

 

「ま、いっか!じゃ、またねっ。」

 

 

「待ちなさい。‥‥どうゆう意味?」

 

 

「あ、やっぱり気になる?

あ、でも今暇じゃないんだよね〜?」

 

 

「‥‥‥私をからかう気?」

 

 

あからさまにからかう様な言葉で

メデューサを苛立たせるが

青年は静かに笑い、ある人物の名を出す。

 

 

「フフフフッ、冗談だよ。

ユウゴの事、知ってるかな〜って思って。」

 

 

「‥‥‥ユウゴ?」

 

 

「そうそう。彼、今もの凄く不機嫌だよ?

もしかしたら‥‥暴れたくて

しょうがないのかもね!

フフフフッ!じゃ、僕は失礼するよ〜っ。」

 

 

メデューサに青年はそう言い残すと

人とは思えない速度で周りの人の目を

かい潜り、その場から姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

とある洞窟内にて。

 

 

 

「‥何?フェニックスが?」

 

 

「はい、彼は更に魔力を上げ、

戦いたくて苛立っています。

‥‥もしかしたら勝手な行動を。」

 

 

青年の言葉に疑問を抱いたメデューサは

さっそくワイズマンに報告をする。

ここ最近操真晴希と戦闘はおろか

ゲートすら手を出させてもらえなかった

フェニックス。暴れたい衝動でむやみに

人を殺すと見兼ねたメデューサは

出番を無しにしていたが、

それが仇となったのかいつもメデューサと

行動するフェニックスがここ数日姿を見せない。

 

 

「‥‥‥そうか。」

 

 

「いかがいたしましょう?」

 

 

「下手に暴れて貴重なゲートを

失うわけにはいかん。

‥‥奴を止めろ。」

 

 

「‥もし止められなかった時は?」

 

 

ワイズマンの指示にメデューサは

そう言うとワイズマンは軽く鼻で笑い

メデューサを見ながら口を動かす。

 

 

「お前なら止められるだろう?」

 

 

「‥‥‥‥‥。」

 

 

ワイズマンの余裕な笑みにメデューサは

ニヤリと微笑み軽く頭を下げると

フェニックスの元へと足を運んだのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

音ノ木坂学院の放課後、通学路にて。

 

 

 

「にゃあ〜!疲れた〜‥‥。

もうクタクタだよぉ〜。」

 

 

「お疲れ様、凛ちゃん。」

 

 

μ'sのダンス練習も終わり、

帰宅途中の凛はぐったりとしながら

とぼとぼ歩いていると花陽が笑顔で

凛にそう言うと凛のお腹からぐぅ〜と

お腹が鳴る音が聞こえる。

 

 

「かよちん!ラーメン食べに行くにゃ!」

 

 

「え?私は大丈夫だけど凛ちゃん

クタクタじゃなかったのぉ?」

 

 

「疲れた後はラーメンが一番にゃ!」

 

 

「ふふっ、それは凛ちゃんだけだよ。

ユニちゃんもいいかな?」

 

 

凛の目がラーメンの形になりながら

声を上げる凛に花陽はクスクスと笑いながら

ラーメンを食べに行く事に了承する。

そして花陽が聞くのその肩には

晴希の使い魔のブルーユニコーンが

乗っておりブルルルッと頷く。

今日はやけに用心する晴希は

帰宅するμ's達に護衛させると言って

メンバーそれぞれに使い魔を同行させているのだ。

そんなこんなでたわいもない会話をしながら

2人は下校していると、その2人の隣を

独特のファッションを着た

あの青年が通り過ぎる。

だがその青年は通り過ぎた後、振り返り

凛と花陽に近づき、

 

 

 

「ワァッ。」

 

 

「ひゃいっ!!?」

 

「にやぁっ!?」

 

突然花陽の両肩をガシッと掴んで

軽く声を出すと花陽は突然驚き

変な声を出してしまう。

それにつられて凛もびっくりして

ピョンと跳ね上がり、2人はすぐさま青年を見た。

 

 

 

「ハロ〜〜。」

 

 

「え、え?‥‥えと、ハ、ハロー‥?」

 

「にゃにゃ!外国人!?」

 

 

いきなりの行動と声をかけられた青年に

対して花陽は困惑しながらも同じ言葉で返し

その隣の凛は前にも言ったようなセリフを

放ちながらその青年を見て驚いていた。

 

 

「ねぇねぇ、君たち。

君たちってあの優秀な魔法使いの

お友達さんだよね?」

 

 

「え‥‥あ、日本語‥‥。

優秀な魔法使いって‥そ、操真晴希君の‥

こと‥ですか?」

 

 

「そうそう!よかった〜!

‥あ、そこのボーイッシュな子猫ちゃん。

別にナンパじゃないからそんな目をして

睨まないでほしいんだけどな〜?」

 

 

青年の言葉に花陽は答えると

青年は笑顔でそう返すが、いつの間にか

その青年を睨む凛に気付いたのか

そう言って和ませようとする。

 

 

「言い方からナンパっぽいよ!

かよちんに手を出したら許さないにゃ!」

 

 

「り、凛ちゃんっ。とりあえず落ち着こう‥

あ、あの‥‥よかったってどうゆうことですか‥?」

 

 

「うん、実は指輪の魔法使いが

化け物と戦って苦戦してるんだ‥。

もしかしたらやられちゃうかも‥‥‥。」

 

 

 

「えっ!?晴希君が!?」

 

 

「‥そ、そういえば今日晴希君

早めに帰ってたにゃ‥。」

 

 

青年の言葉に花陽と凛は驚き、

凛の言った通り、晴希は練習の途中に

用ができたと言って先に帰ったのだ。

 

 

「そうそう、だからちょっと

手助けをしたいんだけど、

ちょっと人手が足りなくて、そこで!

ちょうど通りかかった君たちに

手伝ってほしいんだっ。追てきてくれるかな?」

 

 

「わ、わかった!行こうかよちん!」

 

 

「う、うん!‥あ、みんなにも連絡しないと‥。」

 

 

晴希が危ない。青年の説明に

凛と花陽は疑う暇もなくその言葉を信じ

了承する2人。そして花陽は他のメンバーに

連絡を入れようとスマホを取り出すと

青年がその取り出した右手を手で抑える。

 

 

「ごめん、本当に時間がないんだ。

早く行かないと手遅れになるから‥。

かわりにその肩に乗せてる子が知らせてきなよ。」

 

 

「あ‥‥は、はい。

ユニちゃん、この事をみんなに知らせてくれる?」

 

 

少し声のトーンが低くなった青年の言葉に

花陽の背筋が若干ゾクッと寒気が襲う。

だがすぐに花陽は肩に乗ってる

ユニコーンにそう言うとユニコーンは

ヒヒーンと鳴き、肩から跳躍して

花陽と凛が来た道を駆け出して行った。

 

 

 

「うん、じゃあ行こうかっ。」

 

 

「早く案内するにゃ!」

 

「‥‥晴希君‥‥!」

 

 

そう言って青年が振り返りポケットに

手を入れながら小走りで駆け出すと

凛と花陽も後をついて行く。

2人の先頭を駆ける青年は一瞬

悪巧みの様に微笑んだ事を花陽と凛は知らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

とある廃棄工場にて。

 

 

 

 

 

『ごめんユウゴ、()()を取ってくるから

少しここで待っててくれるかな?』

 

 

 

 

 

 

 

「‥‥‥ったく、ただ待ってるっつーのも

結構疲れんぜ‥‥‥。」

 

 

あれから姿を消したフェニックスは

青年に言われた通り廃棄工場で待機していた。

が、暴れてやると言ったそばから

待たされてる為か、かなり暇を持て余していた。

 

 

そんな中、奥の方からゆっくりと足音が聞こえる。

 

 

 

「‥‥みぃつけた。」

 

 

「‥っ、んだよ‥‥‥。

よりによってお前が来るとはなぁ。」

 

 

面倒くさそうに舌打ちをする

フェニックスのその先には

今にも襲われそうな鋭い目付きをした

メデューサが近付いて来ていた。

 

 

「何やっているの?こんなところで。」

 

 

「‥‥フン、指輪の魔法使いと

やらせてもらおうと思ってなぁ。」

 

 

「そんな指示を出した覚えはないわ。」

 

 

「俺はもう誰の言いなりにもならない。」

 

 

「‥忘れたの?ワイズマンの意思に

逆らう事は許されない。」

 

「うるせぇっっ!!もううんざりなんだよ!

俺は俺のやりたいようにやるだけだ!」

 

 

お互いに引けを取らず段々と詰め寄る

メデューサ。その場はピリピリと

迸る空気が周りに撒き散らしている。

 

 

 

「‥‥そうはさせない。」

 

 

「悪いが俺は死なねぇぜ‥‥?」

 

 

 

フェニックスとの距離が目の前まで近づいた

メデューサは静かにそう言い放ち、

その姿を怪人態へと姿を変える。

それは同時にフェニックスもだった。

 

 

「ハァッ!」

 

 

「ウォラッ!!」

 

 

互いに取り出した武器、

カタストロフとアロガントがぶつかり合い、

鈍い音だけが廃棄工場の中に響き渡る。

 

 

「死なない貴方を私は止められる。

貴方もわかってるでしょう?」

 

 

「‥ハッ、やってみろ!」

 

 

上位ファントムと呼ばれるだけはあり、

武器と武器が混じり火花を辺りに散らし

激しい交戦が続くがファントムの司令塔である

死と再生を繰り返して

強くなったはずのフェニックスを

メデューサは徐々に押していく。

 

 

 

「‥‥フッ!」

 

 

「っ!?ぐっ!」

 

 

振りかざすカタストロフを避けたメデューサは

フェニックスの左腕を踏み台にして

さらにフェニックスの顔を蹴り上げる。

怯んだフェニックスの隙に空中で一回転をする

メデューサはそのまま着地し、

蛇の髪を靡かせるとその蛇の髪が伸び始め

フェニックスの体に巻きつく。

 

 

「‥‥‥いつもみたいに駄々をこねるだけかと

思ってたけれど‥、はぁ‥仕方ないわね。」

 

 

「‥‥っ!!!」

 

 

その力強い締め付けに動けないでいた

フェニックスに余裕な態度で喋るメデューサ。

言い終わったメデューサは軽くため息を吐くと

突然、目が紫色に輝き出す。

その瞬間、フェニックスはガチガチと

まるで石像の様にその場に固まってしまった。

 

 

「‥‥さよならフェニックス。

ワイズマンに逆らわなければ、

こんな事にならずにすんだのに。」

 

 

石化してしまったフェニックスに

メデューサはそう言いながら人間態へと戻り

その場から立ち去ろうとする。

一瞬にして勝負はついたのかと思った。だが

その考えは足らかにあまい考えだった。

 

 

 

「‥‥‥ぬぁああああっ!!!」

 

 

「‥‥!!‥そんな‥‥バカな!?」

 

 

石化したフェニックスの体が突如

炎に包まれ雄叫びと共に内側から

石を弾き飛ばしたのだ。

メデューサが驚くのも無理はない。

ウィザードに倒される前までのフェニックスは

そこらへんのファントムよりは強いが

メデューサには敵わなかった。

その時のフェニックスなら先ほどの石化で

一生動けなかっただろう。

 

 

「惜しかったな。昔の俺ならともかく、

今の俺は止められねぇ。

‥分かったらワイズマンに伝えな。

これから俺は好きにやらせてもらうぜってな。」

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

だが、今のフェニックスはメデューサも

予測できないほど強くなっている。

自身の能力を破られたメデューサは

底知れぬフェニックスを警戒し、

軽く舌打ちをしながらその場を去ったのだった。

 

 

 

 

「すごいねユウゴ!あのミサちゃんの

石化を自力で破るなんてっ。」

 

 

「‥‥‥あ?‥‥テメェか。

随分と遅かったじゃねーか。

‥‥てか、何だその人間は?」

 

 

人間態に戻ったフェニックスは

その声に反応し振り返ると

気を失った凛と花陽を地面に降ろして

軽く拍手をする青年がいた。

 

 

「言ったでしょ?指輪の魔法使いを誘き出す

エサだって。いや〜簡単に僕の話を

信じてくれて助かったよ。

この子達は騙されるタイプの子なんだろうね。

将来とか大丈夫なのかな?」

 

 

「‥‥テメェ。」

 

 

「ん?何?」

 

 

少し制服が汚れている花陽と凛の頬を

指でつつく青年がそう言ってると

そんな話はどうでもいいのか

フェニックスは青年を呼ぶ。

 

 

「何で俺を手伝う?」

 

 

「‥‥実はワイズマンのやり方には

少し思うところがあってね。

君みたいな奴は応援したくなるんだ〜っ。」

 

 

「‥フン、ありがてぇ話だが、

礼なんてしねぇぜ。」

 

 

「気にしなくていいよ。

じゃあ僕はこれから

指輪の魔法使いを呼んでくるよ。

ユウゴはもう少しだけ待っててねっ。」

 

 

子供っぽい口調で青年はそう言いながら

フェニックスの肩に手を置くと

すぐに振り払われる。

そして青年がその場からスキップをして

廃棄工場から出ようとしたその時。

 

 

 

「‥‥‥ん?」

 

 

「‥‥‥あ?」

 

 

突如、廃棄工場の出口から一台のバイク‥

マシンウィンガーに乗って

青年とフェニックスに向かって走ってきていた。

 

 

「あれあれー?もうこの場所が分かったのかな?」

 

 

「‥‥‥いやちげーな‥‥あれは‥‥‥。」

 

 

嘘の情報を流し、ユニコーンは他のメンバーに

伝えて晴希は当然動くはずだが

場所までは知らせてないのでこんなに早く

来るはずがない。首を傾げる青年の横の

フェニックスは黒いマシンウィンガーと

乗っている人物から違う雰囲気を出してるのを

察して晴希ではないと確信する。

 

そしてその人物はフェニックスらの前で

バイクを止めてヘルメットを外した。

その顔を見たフェニックスは

気だるそうに舌打ちをする。

 

 

「またテメェかよ‥。」

 

 

「‥‥はっ!また俺だ。」

 

 

バイクから降りてフェニックスらの前に

立ちはだかったのはダークウィザードこと

藍崎秀夜だった。

 

 

「あ!君は紫の魔法使い!

これは一本取られたかな〜。

バイクも指輪の魔法使いと一緒だったら

見分けつかないよ。」

 

 

 

「バウッ!バウッバウッ!」

 

 

「あ?‥‥あいつもファントムか。」

 

 

 

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

 

晴希と色以外は同じバイクを乗ってる

秀夜を見て青年は両手を後ろに下げて

そう言ってると秀夜の肩に乗ってる

ケルベロスが青年に向かって吠え出す。

ケルベロスは人間態でもファントムを見抜ける

能力を持っており秀夜はそのおかげで

人に紛れたファントムを見つけ出すことができる。

その青年がファントムだと認識し、

そうつぶやきながら秀夜は

ドライバーオンリングをベルトにかざして

ベルトはウィザードライバーへと形を変えた。

 

 

「テメェ何でこの場所が分かった?

てか、テメェとはやりがいがねーから

戦ってもつまんねーんだけどなぁ。」

 

 

「てめーにやられてから使い魔に

居場所を前日から探らせてたんだよ‥‥。

次は絶対殺してやる‥‥‥。」

 

 

 

フェニックスの言葉に堪忍袋が切れたのか

秀夜は睨みながらドライバーのシフトレバーを

上下に動かす。その動作で肩に乗っかっていた

ケルベロスは跳躍してその場から離れた。

 

 

 

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!》

 

 

 

テンションの高い待機音声が鳴り出し

秀夜はダークネスリングを左中指に付け

変身リングのバイザーを下げる。

 

 

 

「変身‥!」

 

 

 

《ダークネス!プリーズ

 

アク アク・アクアクアーク!!》

 

 

 

左腕を勢いよく降り下げ

顔を引き裂くように横に振って

ダークネスリングをドライバーへとかざす。

そして音声が鳴り響き、

秀夜は両サイドへ両手を軽く広げると真正面から

紫の魔法陣が現れ秀夜の身体を通り抜けると

仮面ライダーダークウィザードへと姿を変えた。

 

 

 

「ん〜、面白そうだけど

僕は指輪の魔法使いにこの状況伝えに行くね。

その方がもっと面白くなりそうだからね!

フフフフッ!じゃユウゴ、後は頑張ってね!

あ、彼女達に危害を加えちゃだめだよ?」

 

 

 

「‥‥あ?わーったよ。気は進まねぇが‥。」

 

 

 

「あ、おい!!‥‥‥あ?‥あいつらは‥?」

 

 

 

青年はフェニックスにそう言うと

ポケットからフーセンガムを取り出し

口へと運ぶと尋常じゃない速さで走り、

その場から姿を消した。

そしてフェニックスはため息を吐きながら

その姿を怪物態へと姿を変えると同時に

周りにグールが数十体ほど槍を構えて現れる。

姿を消した青年にダークウィザードは

追いかけようとするが今目の前の

フェニックスの方が優先なので諦めると同時に

フェニックスの後ろで横たわる

花陽と凛の姿を確認する。

 

 

 

「ちっ‥、

おい!雑魚なんかだすんじゃねーよ!」

 

 

「わりぃわりぃ、テメェにはこれぐらいが

ちょうどいいかと思ってな。」

 

 

「っ!‥‥この‥‥‥ぶち殺してやる!!」

 

 

 

グールを出してきたのを不満なのか

ダークウィザードは声を荒げると

フェニックスは軽く手を振りながら

そう言う。その仕草に更にきれた

ダークウィザードはウィザーソードガンを

剣モードで取り出し、グールの群れと

フェニックスへと駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

一方晴希は、

秋葉原の大通りにて。

 

 

 

「攻大!そっちはいたか!?」

 

 

『全然だめだっ‥、そっちは!?』

 

 

「いや、こっちも見つからない‥。」

 

 

 

部活を一足先に終わらせた俺は

フェニックスを探すため秋葉原の街中に

来てみたのだが使い魔を穂乃果達に渡した為

この人ごみの中からフェニックスを見つけるのは

俺一人では絶対無理だと今気付き

どーするかと悩んでいた所に、

真姫から着信がきた。

 

内容は花陽と凛が下校していた時に

突然知らない人から俺がファントムに

やられてるという嘘を教えられ

その知らない人に追ていったらしく、

護衛していたユニコーンがそれを知らせに

来てくれたらしい。

フェニックスはそんな真似をするのだろうかと

俺は疑問に思いながらすぐに花陽と凛を

探すべくμ'sメンバーに護衛させてた

使い魔達を呼び戻し、現在手分けして

攻大と探してる途中だった。

 

 

『まぁ、見つけたらすぐに連絡するからよ!

何かあったらお前も連絡しろよ!』

 

 

「あぁ、分かった。」

 

 

 

攻大にそう言われ、俺は了承して

通話をきったその時だ。

 

 

 

 

「ハロ〜?」

 

 

「っ!!?」

 

 

 

通話を切るため画面をタッチしている瞬間、

俺の目の前に独特のファッションを着た青年が

笑顔で挨拶をしてくる。

気を抜いた瞬間に声をかけられた俺は

かなり驚きその青年から距離を取る。

 

 

「びっくりした‥何か用ですか?」

 

 

「フフフフッ、ごめんね驚かせて。

実は君に伝えたい事があるんだ〜。」

 

 

「‥初対面の人にですか?」

 

服装だけでなく笑い方も独特な笑い声で

俺は変わった奴だと思いながら

その青年と喋っていると、

青年はまた独特の笑い方で口を動かす。

 

 

 

「君の友達が今ユウゴの所にいるんだけど、

助けに行った方がいいと思うんだ〜。」

 

 

「‥‥‥ユウゴ?

‥‥っ!フェニックス‥‥!?」

 

 

「あれあれ〜?凄いね!

何でユウゴがフェニックスだって知ってるの?

それも()()使()()の力か何かなのかな?」

 

 

青年の話したユウゴと言う人物に

俺は穂乃果から聞いた藤田ユウゴの事を

思い出す。どうやら正解らしく

俺は顔色を変えてその青年を警戒しだす。

 

 

「‥お前もファントムか?

花陽と凛をどこへやった!?」

 

 

 

「やだなぁ、その十把一からげな言い方。

僕の事は〝ソラ〟って呼んでよ〜。」

 

 

「‥‥花陽と凛はどこだ。

無事なのか?」

 

 

「まぁまぁ!そんな殺気立てた目をしないでさ、

この先の廃棄工場に行ってみなよ?

無事かどうかは行って見てからのお楽しみかな?」

 

 

他人事の様に喋るソラはそう言いながら

ポケットからガムを取り出して口へと運ぶ。

おそらくこいつが花陽と凛を捕まえて

フェニックスの所に運んだと見るが。

 

 

「‥‥お前の事はまた今度だ。」

 

 

今は花陽と凛の安否の確認がまず第一だ。

俺はそう言ってこいつ(ソラ)

言った通りの場所へ駆け出した。

 

 

 

 

 

「‥‥頑張ってね、指輪の魔法使いさん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

廃棄工場にて。

 

 

 

 

《ダークネス・スラッシュストライク》

 

 

 

 

 

「おぉっらぁぁ!!」

 

 

「‥‥!!はぁっ!!」

 

 

「どあっ!?」

 

 

ウィザーソードガンに紫の炎の様な

エネルギーが収縮していき

ダークウィザードは振り上げると

フェニックスに向かって斬撃が飛んでいく。

ソレを真正面から受けたフェニックスは

気合いと共に斬撃を弾き飛ばし、その余韻で

ダークウィザードは吹き飛びそうになるが

なんとか踏みとどまる。

 

 

「ハッハァ!いいねぇ!前よりかは

マシになったじゃんよ!

‥‥だが、これならどぉだ?

ぉおおおおおお‥‥‥‥‥!!」

 

 

「っ!何だ‥‥!?」

 

 

 

少しはマシになったと褒める

フェニックスは言い終わると

その体が赤く発光し、炎がフェニックスの

全身を包んでいく。

 

 

 

「オルァァァァッ!!!」

 

 

「っ!!?ぐぁああああああっ!!」

 

 

そして雄叫びと共にその体から

凄まじい炎が放出されダークウィザードは

一瞬にして炎の渦へと包まれる。

 

 

 

「っっ‥‥ぐはっ‥‥‥!!?」

 

 

「あぁ?何だ、もぉ終わりか?

‥これならまだ赤い方がマシだな。」

 

 

 

「ん‥だと‥‥‥!?ぐっ!?」

 

 

 

ダメージに耐え切れず変身が

強制解除してしまった秀夜はその場に

膝をつき、倒れると

フェニックスがつまらなさそうに秀夜を見る。

秀夜は腹が立ち、立ち上がろうとするが

体が悲鳴を上げ、動けないでいた。

 

その時、廃棄工場の出口から

一台のマシンウィンガーに乗った人物が

フェニックスに向かって走ってくる。

 

 

「あ?‥‥今度は間違いねーみたいだな。」

 

「‥‥!あいつ‥‥!」

 

 

 

その人物を見たフェニックスはそう呟き

秀夜も何とか痛む体に耐えながら

向かってくるバイクとその人物を見る。

 

 

 

「フェニックス!!‥‥

っ!?お前、秀夜!?何でここに!?」

 

 

「っるせー‥‥‥!」

 

 

「お前‥‥‥、

っ!花陽、凛!!」

 

 

ボロボロに横たわる秀夜を見つけた

俺はここにいることに驚くが

その後に奥の方で気を失っている

花陽と凛の姿を確認して近寄ろうとしたその時。

カタストロフを取り出したフェニックスが

俺の行く手を遮る。

 

「やっときたか‥!赤い方の魔法使い!

お前が来るまでこいつと遊んでいたが

なかなかいい運動にはなった、ぜ!」

 

 

「ぐぉあっ!」

 

 

「っ!秀夜!!

‥‥‥フェニックス‥‥‥!」

 

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

フェニックスがそう言った瞬間、

近くに倒れていた秀夜を蹴飛ばし、

秀夜は転がっていき、蹴られた部分を

抑えながら苦痛の声を上げる。

その行動を見た俺は静かに怒りを覚え

握りこぶしでドライバーオンリングを

ベルトにかざし、ベルトは

ウィザードライバーへと形を変える。

そしてそのままシフトレバーを上下に動かした。

 

 

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!》

 

 

 

「待ってろ、今助ける。

変身!」

 

 

 

俺は目先にいる花陽と凛、そして秀夜に

そう言ってウォータードラゴンリングを

左中指に取り付け、バイザーをさげると

ソレをドライバーへとかざした。

 

 

 

《ウォーター!・ドラゴン

 

ジャバジャババシャーン!

ザブンザブーン!!》

 

 

荒々しい音声が鳴り響き、

前方に大きな水の魔法陣が現れると

ウィザードの周りに水を纏ったドラゴンが

咆哮を上げながら飛翔し、

魔法陣を通り抜ける俺の中へと入っていく。

そして俺は仮面ライダーウィザード

ウォータードラゴンスタイルへと姿を変えた。

 

 

 

「はっ‥‥こっからは俺のショータイムだ。」

 

 

「いや、俺のショータイムだ!ハッ!」

 

 

駆け出すウィザードにフェニックスは

そう言うと真似されて少し不快な気分となった

ウィザードは言い返しながら

ウィザーソードガンを剣モードで取り出して

攻撃を仕掛ける。

 

 

 

「ハッハァ!!いいね、いいねぇ!」

 

 

「っ!ハァァアアッ!!」

 

 

()()()()ウィザードと戦いたかったのか

興奮しながらカタストロフを振り回していく

フェニックスの勢いにウィザードも負けずと

ウィザーソードガンで攻め入る。

 

 

「おっらぁ!!」

 

 

「っ!うぁっ!?」

 

 

一旦距離を取るフェニックスに深追いしようと

ウィザードは跳躍して突きを放つが

フェニックスはそれを避けて

カタストロフを振りかざし、直撃した

ウィザードは火花を散らしながら吹き飛ばされ

積み上げられたドラム缶にぶつかる。

その痛みに耐えながらもウィザードは立ち上がり、

ブリザードリングを右中指に取り付け

シフトレバーを動かし、

ソレをドライバーへとかざした。

 

 

 

《チョーイイネ!

 

ブリザード!

 

サイコーッ!!》

 

 

 

「はぁっ!!」

 

 

音声が鳴り響きウィザードは掛け声と共に

右手を突き出す。すると冷気を帯びた魔法陣が

フェニックスに向かって飛んでいき

その魔法陣から吹雪の様な風が吹き荒れる。

 

 

 

「‥‥!!」

 

 

「ハァァアアッ!!」

 

 

前回と同じやり方で挑もうとした

ウィザードだがそれはフェニックスの言葉を

忘れた上での実行だった。

 

 

 

「へっ‥ぉおおおおおっ!!!」

 

 

「なっ!?ぐぁあっ!!」

 

 

 

フェニックスは静かに笑うと

気合いと共に冷気を帯びた魔法陣を打ち破り

手で生成した火球をウィザードに向かって

何発か飛ばす。

それを受けたウィザードは苦痛の声をあげながら

後方へと吹き飛ばされる。

 

 

「同じ技は通用しねぇって前にも言ったろ?」

 

 

「くっ!忠告ありがとな!」

 

 

フェニックスの言葉にウィザードは

声を荒げながらハリケーンドラゴンリングに

取り替えてシフトレバーを上下に動かし、

ソレをドライバーにかざした。

 

 

《ハリケーン!ドラゴン

 

ビュー!ビュー!ビュービュー、

ビュービュウ!!》

 

 

 

荒々しい音声が流れウィザードの頭上に

一回り大きい風の魔法陣が現れる。

それと同時に風を纏ったドラゴンが

ウィザードの周りを咆哮を上げながら

飛翔し、ウィザードの中へ入り込む。

そしてウィザードは

ウォータードラゴンスタイルから

ハリケーンドラゴンスタイルへと姿を変え、

すぐさまウィザードは

キックストライクリングをドライバーへとかざす。

 

 

 

《チョーイイネ!

 

キックストライク!

 

サイコーッ!!》

 

 

 

「でぇえやぁあああああっ!!」

 

 

 

「ぐっ!!‥‥‥うぉおああっ!?」

 

 

音声が鳴り響くとウィザードは

空中へ飛び上がり勢いよく

ストライクドラゴンを放った。

カタストロフで防御を取るが

さすがのフェニックスも

風のドラゴンの竜巻を纏ったキックは

応えるようでその勢いで吹き飛ばされる。

 

 

「ぐっ!!‥‥また魔力を上げたみたいだな‥!」

 

 

「一気に決めるぞ!」

 

 

ヨロヨロと起き上がるフェニックスに

ウィザードはウィザーソードガンを剣モードで

取り出し、ハンドスプリングを展開すると

ハリケーンドラゴンリングを

ハンドオーサーにかざした。

 

 

 

《ハリケーン・スラッシュストライク

 

ビュービュービュー・ビュービュービュー》

 

 

 

「はぁぁあ‥‥‥はぁっ!!」

 

 

「うっ!!がぁああああっ!!?」

 

 

 

待機音声が鳴りウィザーソードガンを逆手持ちに

構えて腰を低く下げるウィザード。

ウィザーソードガンの先端に風のエネルギーが

溜まるとウィザードは勢いよく

ウィザーソードガンを振り上げ、

巨大な風の斬撃が放たれる。

直撃したフェニックスは体が真っ二つに裂かれ

苦痛の声とともに爆発した。

 

 

 

「はぁ‥はぁ‥!‥‥はぁっ‥‥!」

 

 

 

「‥‥あの野郎‥‥‥いつの間に

あんなに強く‥‥!」

 

 

何とか倒せたウィザードは

連続の魔法使用に疲れて息切れを起こす。

その様子を端の方で見ていた秀夜は

晴希のその力に嫉妬していた。

 

 

 

「今の内に‥‥花陽達を‥‥!!」

 

 

 

ウィザードはそう言って変身を解かずに

気を失っている花陽と凛に近付いた。

 

 

 

刹那。

 

 

 

「っ!?あつ!?うぉあっ!!」

 

 

ウィザードの周りに突然小さな火の塊が現れ

一粒一粒がウィザードを攻撃し、

ウィザードは吹っ飛んでしまう。

その火の塊は一点に収縮していくと

徐々に大きくなり、人の形‥否

怪物、フェニックスへと変わっていく。

 

 

 

「〜‥‥。悪るい、待たせたな。」

 

 

「なっ!‥再生した‥‥!?」

 

「‥‥!もう再生したのか‥‥!?」

 

 

初めて再生を見る秀夜と

短時間で再生を見る俺はそれぞれの驚きを

見せるがフェニックスは首や手首を回しながら

口を動かす。

 

 

「俺も魔力が上がってんだ。

再生するのにそう時間はいらねぇんだよ。」

 

 

「くっ‥‥倒すたびに強くなるとか

相当めんどくさい能力だな‥。」

 

 

フェニックスの言葉にウィザードは

そう返しながら立ち上がる。

 

 

 

「さぁ、こっからが俺様の

新しいショータイムだぜ‥‥‥ぬぁっ!!」

 

 

 

「‥‥‥!!まずいっ!」

 

 

 

フェニックスが言い終わると

フェニックスの肩から炎の翼が生え

それは徐々に大きくなっていく。

でかい攻撃がくるとウィザードは

防御を取ろうとするがふと、秀夜が視界に入る。

ボロボロで変身が解かれてる秀夜は

あの攻撃を受けたらヤバいとウィザードは

秀夜に向かって駆け出した。

 

 

 

 

「くらいやがれぇええっ!!」

 

 

 

「っ!!」

 

 

「ぐぁあああああっ!!!」

 

 

 

ウィザードは秀夜の前に立った瞬間

フェニックスの馬鹿でかい炎の翼は

ウィザードと秀夜を飲み込み

一瞬にして周りは爆炎に包まれたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、仮面ライダーウィザード

 

 

 

 

「花陽!凛!無事か!?」

 

 

「り、凛達は無事だよっ。」

 

 

「晴希君ごめんなさい‥‥

ファントムと知らずに騙されちゃって‥。」

 

 

病院で軽い火傷で済んだ花陽と凛。

秀夜はどうしたのだろうか‥?

 

 

 

「早く出てこねぇと街をぶっ壊すぞぉお!!」

 

 

「それは勘弁御免ってやつだな!」

 

 

フェニックスは再び晴希と戦おうと

秋葉原の街を壊し始めるが

そこに1人のマヨラーが参上!

 

 

「お前‥‥。」

 

「てめぇ1人じゃ勝てねぇと思ってな。」

 

 

フェニックスの元へ向かう途中、

藍崎秀夜と合流。

その言葉の意味は‥‥。

 

 

 

 

「さぁ、俺たちのショータイムだ。」

 

 

 

 

いくゾ‥‥‥!ソうま‥!!」

 

 

 

フェニックスの前に立ちはだかる

2人の魔法使い!

ウィザードの全身を覆うドラゴンの力!

そして、ダークウィザードに一体何が‥!?

 

 

 

 

 

第35話 赤紫の共闘決戦!




希さーーーん!!
遅れたけど誕生日おめでとぉおおお!!!

はいどもしょーくんです!
ちょいと最近リアルが忙しくなりました(>_<)
もしかしたら投稿が遅れるかもしれません
ですができるだけ早く投稿するよう頑張ります!
( ゚д゚)

みなさん!穂乃果ちゃんが病院送りだと
思いました?残念!そんなことはさせねーぜ!w

さてさて、次回はフェニックスと決戦!
しかもツン夜君と共に戦います(^^)
そしてツン夜君はあの暴走スタイルが‥?

あ、活動報告に書いた新作の予定ですけど
やはりこちらを専念したいのでやめておきま

(>_<)


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