ラブウィザード! 〜希望の柱〜   作:しょくんだよ

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ミニミニタイム!

【あの後秀夜は‥?】


秀夜「ぐっ‥‥くっそ!
あのファントム‥‥!
めちゃくちゃ強くなってやがる‥‥!!」

ケルベロス「バウッ!バウッ!」


秀夜「ぅるせっ!使ったわ!だけど
エラー音しかなならねぇ‥くそ!」


ケルベロスに吠えられ秀夜は
ダークネスドラゴンリングを取り出し見つめる。
フェニックスとの戦いで使っては見たものの
エラー音しか鳴らなかったらしい。


秀夜「‥‥‥ちっ‥‥、この屈辱‥
ぜってぇはらしてやる‥‥!
‥‥俺1人じゃ勝てねぇな‥。」

フェニックスの強さは異常。
再び挑んでもやられるだけだろう。
秀夜はそう言ってとある人物、
操真晴希がふと思い浮かんだ。



あ、高評価をくれた流星ハルトさん、
日々空回りさん、
どうもありがとうございます(*^^*)
これからもラブウィザードを
よろしくお願いします!


第33話 四大!ドラゴン乱舞!!

操真晴希は仮面ライダーウィザード

フレイムドラゴンスタイルへと変身し、

志保を救うためベルゼバブと戦っていたが

空間を操る能力に苦戦を強いられていた。

 

 

 

 

「‥だったらこっちにも考えがある!」

 

 

「ほう‥?」

 

 

ウィザードはそう言って立ち上がり、

ファントムのベルゼバブは剣をタクトの様に

軽く振り回し、余裕の表情を浮かべる。

そしてウィザードは、

ウィザードライバーのシフトレバーを

上下に動かし、コネクトリングをかざした。

 

 

 

《コネクト・プリーズ》

 

 

音声と共にウィザードは前方に魔法陣を発動し、

すぐさまスペシャルリングをコネクトリングと

取り替えてもう一度シフトレバーを動かし、

ソレをかざした。

 

 

 

《チョーイイネ!

 

スペシャル!

 

サイコーッ!!》

 

 

 

音声が流れ、ウィザードの背中に

魔法陣が現れその魔法陣から

炎を纏ったウィザードラゴンが

咆哮を上げながら飛翔し、

ウィザードの身体を背中から貫く様に合体する。

 

 

「ハァッ!!」

 

 

「っ!?‥‥‥!なんですかこれは?」

 

 

ウィザードの掛け声と共に

ウィザードラゴンの口が開き、

その口からドラゴンブレスが放たれる。

だがその業火は先ほど発動したコネクトリングに

当たって炎は消え、ベルゼバブは一瞬同様するが、

その消えた業火はベルゼバブの背後から

コネクトリングの魔法陣を通じて放たれる。

が、その戦法を見破られてしまい

ベルゼバブは空間能力を発動して黒いゲートを

作り出し、その業火を空間の中へと飛ばしてしまう。

 

 

「何っ!?‥‥っ!

ぐあっ!あぁぁあああっ!!」

 

 

ベルゼバブの能力は空間を操る能力。

どんな攻撃もかわし、自分から仕掛けた攻撃は

全て返されてしまう。その能力を先ほど

思い知らされたウィザードはコネクトリングで

真似てみたがあっさりと見抜けられ

どこから、どの箇所からドラゴンブレスが

返されるのかわからず、辺りを必死に見渡したが、

ウィザードの真上からドラゴンブレスが放たれ、

ウィザード自身が灼熱の業火を食らってしまう。

 

 

「っ!晴希っ!!?」

 

 

「がっ‥‥‥!」

 

 

自身の必殺技にやられるなんて思いもしなかった

ウィザードはそのダメージに耐え切れず

変身が強制解除され、その場に倒れ込んでしまう。

二藤攻大こと、仮面ライダービーストは

晴希の名を呼ぶが、ベルゼバブの召喚した

グールの群れがうじゃうじゃとビーストに群がり

ベルゼバブと晴希に近付かせない様にしていた。

 

 

「残念だったなぁ、ハッハッハァ!」

 

 

「ぐっ!‥‥チートかよ‥‥!」

 

 

ベルゼバブはそう言って俺に近づき

横たわりながら俺はベルゼバブを睨んでいた。

そして鼻歌を混じりながらベルゼバブは

その剣を振りかざそうとしたその時。

 

 

 

 

《エクスプロージョン・ナウ》

 

 

 

 

「っ!?のぉあっ!!?」

 

 

 

突然音声が鳴り響くと同時に

ベルゼバブの真正面で爆発が起き、

対応できなかったベルゼバブは

吹き飛ばされてしまう。

 

 

「ぐっ!?バカなっ‥!?

‥‥奴は!?」

 

 

 

「どぉりゃあっ!!!

ふうっ、‥‥何だっ?」

 

 

ベルゼバブはそう言って先ほどの攻撃で

焦げるように痛む胸を押さえながら立ち上がり、

とどめをさそうとした晴希がその場にいない事に

気付き、駐車場の奥へと進む。

そしてビーストは群がっていたグールを

ダイスサーベルで斬りつけ爆散させ、

現れた魔法陣をビーストドライバーに吸い込ませ

ビーストもベルゼバブの後を追った。

 

 

 

 

「っ!?‥‥だ、誰だ貴様!」

 

 

「っ!お前‥‥白い魔法使い‥‥!」

 

 

駐車場の奥へと行ったベルゼバブとビーストは

奥にいる白い魔法使いと出くわす。

その白い魔法使いの隣には魔法か何かなのか

晴希が宙に浮かんでおり、気絶していた。

ベルゼバブの姿を確認した白い魔法使いは

ドライバーのシフトレバーを動かし、

右中指に付けてる紫の指輪をかざした。

 

 

 

《エクスプロージョン・ナウ》

 

 

 

「っ!!‥‥‥‥何!?ぐわぁっ!!」

 

 

先ほどの音声が鳴り、ベルゼバブは

すぐに空間能力を発動するが、

全く通用せず、空間ごとベルゼバブは爆発に

飲み込まれ、またもや吹き飛ばされる。

 

 

「失せろ。」

 

 

「‥‥っ!‥‥〜〜っ!!」

 

 

「おいおい‥‥!てか、お前!

晴希をどーするつもりだよ!?」

 

 

白い魔法使いの静かな一言で

ベルゼバブは悔しげな声を出しながら

その場から逃げ去る。

ビースト達が苦戦していたベルゼバブが

あっさりとやられてしまうとこを見て

ビーストは驚くがそんなことより

晴希を連れ去ろうとする白い魔法使いを呼び止める。

 

 

「‥‥‥アーキタイプが知る必要はない。」

 

 

 

「またアーキタイプって‥‥!

なんだよその呼び方気に食わねぇな!」

 

 

白い魔法使いの言葉にビーストはカチンときたのか

声を荒げるが白い魔法使いは無視して

シフトレバーを動かし、先ほどとは違う

紫の指輪を付けてソレをかざした。

 

 

 

《テレポート・ナウ》

 

 

音声が鳴ると、魔法陣が晴希と白い魔法使いの

身体を瞬時に通り抜け、2人はその場から

姿を消してしまう。

 

 

 

「あっ!?おおい!晴希っ!!

‥‥何だよあの魔法使い!訳わかんねぇ!」

 

 

ビーストは変身を解き、

ボサボサと髪を描きながらそう叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

とあるマンションにて。

 

 

 

 

「‥‥216‥216‥‥あ、あったっ。

ここ‥だね‥‥‥。」

 

 

高坂穂乃果は行方不明になった

花屋のバイト人、藤田ユウゴを探しに

亜滝店主から貰った住所を辿って

ユウゴの住んでるマンションへと辿り着く。

だがそのマンションはあまり使われてないのか

人の気配もなく、まだ夕方なのに

マンションの中はジメッとした感じがあったが、

穂乃果は勇気を出して入り、ユウゴの住む

部屋の前まで来た穂乃果。

 

 

「‥‥‥っ。」

 

 

穂乃果はあの時、あの暴風雨の中で見かけた

ユウゴを見た時に、彼はファントムじゃないかと

思っていた。ここに来る前に一度晴希に連絡して

一緒に来てもらおうと思ったが

穂乃果は自分の目で確かめるのと、

もしかしたら彼は

ファントムじゃないかもしれない、

そう思い穂乃果は一人で会いに来たのだ。

 

 

「‥‥、よし!‥‥あれ、チャイム壊れてる‥

あのー、すみませーん!誰かいませんかー?」

 

 

穂乃果は勇気を出してインターホンを

鳴らそうとするが壊れており

仕方なくドアをノックして誰かいるのかを確認する。

 

 

「‥‥え、うわわっ!?開いた‥‥!?」

 

 

すると、それに反応するかの様に、

その扉は開かれる。勝手に開いた扉に

穂乃果は恐怖を感じるが、穂乃果は

顔を覗かせて中の部屋を確認する。

だがその部屋には何もなく、あるのは

奥にぽつんと置いてある

赤いソファーだけが見えた。

 

 

 

「‥‥‥いない、のかな‥‥‥?」

 

 

 

「何だテメェ?」

 

 

 

「うわぁあああっ!!?」

 

 

誰もいない事に穂乃果はそう言った瞬間、

突然背後から声が聞こえ、穂乃果は

驚きながら振り返る。

そこには、藤田ユウゴ‥‥否、

人間態のフェニックスが立っていた。

だが穂乃果はこの人がフェニックスだと知らず、

藤田ユウゴだと認識して声をかけた。

 

 

「あ、あの!藤田ユウゴさん‥‥ですよね?

藤田さん‥、覚えてますか?

私、高坂穂乃果ですっ!覚えてませんか‥?」

 

 

「あ?高坂穂乃果‥?‥‥‥‥。」

 

 

ユウゴは穂乃果の言葉に首を傾げ

まさかと思い左手の人差し指を頭の横に当てた。

するとユウゴは表情を変え、少し不気味に笑う。

 

 

「‥‥あぁ、そんな奴いたっけ。」

 

 

「っ!覚えていたんですね!?

よかったぁ!‥藤田さん、

バイトをやめたって聞いたんですけど、

何かあったんですか‥?」

 

 

「何か‥‥そりゃあ何かあったんだろうな。

まぁ!立ち話もなんだ、入れよ?」

 

 

思い出してくれたことに穂乃果は喜びを感じるが

ユウゴはそう言って穂乃果を部屋の中へと招待する。

 

 

「‥‥‥え、えと。」

 

 

「‥‥はっ、そんな謙遜的になんなよ。

別に何もしやしねーって。

()()()()()使()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

 

「っ!!きゃあっ!?」

 

 

その言葉に気を抜いてた穂乃果は一瞬で

警戒を取った。指輪の魔法使いなんて

言い方をするのはファントムしかいない。

やはりこの人もファントム。

そう思ってたのもつかの間、

穂乃果はユウゴに胸ぐらを掴まれ、

部屋へと放り込まれてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

一方、連れ去られた晴希は‥。

 

 

 

「‥‥‥‥うぅっ‥‥ここは‥?」

 

 

いつの間にか気絶していた俺は

目を覚ますと奇妙な場所にいた。

辺りは暗く、自分が寝転がっていた所は

魔法陣が浮かび上がっていた。

そして俺は立ち上がり、その空間?の真ん中と

その四方に石で作られてる台があることに気付く。

 

 

「‥‥‥俺の指輪‥?

っ!志保さんっ!」

 

 

「ゲートは無事だ。」

 

 

四方に置かれてる台の上には

それぞれフレイム、ウォーター、ハリケーン、

ランドのドラゴンの指輪が置かれており、

俺は取ろうとしたがそれよりも、

ゲートの志保のことを思い出して探そうとした時、

ふと、背後から声が聞こえる。

俺は振り返るといつの間に立っていたのか

白い魔法使いがそこにいた。

 

 

「数日振りだな‥‥‥いや、

こうして会うのは初めてか、操真晴希。」

 

 

「‥‥白い魔法使い‥‥‥。

あんたが助けてくれたのか?」

 

 

俺が学園祭にやられた時、

白い魔法使いは不思議な力で俺を

完全に復活させ、空港で穂乃果達が危機だと

知らせてくれた魔法使い。

彼も同じく転生者と俺は見るが謎の多い人物だ。

 

 

「‥白い、魔法使い、聞きたいことがある。

なぜあんたがドラゴンの指輪を持っていた?

神に渡されたからなのか?

てか、あんたも転生者として戦ってるのか?」

 

 

「‥‥推測すれば最終的には

そう考えてもおかしくない。

無論私もファントム撲滅の為に動いているが

ファントム内で起きてるある計画を阻止する為に

今はそちらを優先している。」

 

 

「ある計画‥‥?」

 

俺は今思っていることを質問すると

白い魔法使いは答えてくれたが

ある計画という言葉に俺は反応する。

 

 

 

「‥‥サバトだ。」

 

 

「‥‥何だサバトって‥‥?」

 

 

 

「サバトは日蝕の日に起きる現象。

人々を無理矢理絶望させて

一度に多くのファントムが生まれてしまう

儀式に近い現象だ。

下手をすれば、全人類がファントム化するだろう。」

 

 

「っ!!‥‥なんだよそれ‥‥!?」

 

 

「案ずるな。そちらの対処は私が何とかする。

お前達は神に言われた通り、

ファントムを倒し、9人の少女達を

守っていれば問題ない。」

 

 

突然の事実に俺は言葉を失いかけたが、

白い魔法使いの言葉に俺は少し安心し、

彼は喋り続ける。

 

 

「それに、お前達が来たおかげで

ファントムも随分と減った、感謝する。

絶望して新たなファントムが生まれなければ

今の数は20も満たないだろう。

‥お前も魔法使いとして随分と成長したようだな。」

 

 

‥‥え?20もいない‥?少なくない?

白い魔法使いの言葉に俺は

んん?となっていたがすぐに

俺は小さく首を横に振り、

フレイムリングを見つめた。

 

 

「‥‥‥いや、俺は力を与えてもらって

なんとか戦えてるだけ‥‥。

この体、この指輪のおかげで‥。」

 

 

「お前自身のその立ち向かう勇気は本物だ。

その指輪はお前の魔力を引き出す道具にすぎない。」

 

 

転生後に与えられた体とウィザード(この力)

おかげで俺はこうして戦えている。

反射神経、運動能力、並みの肉体、イケメn‥、

もし転生前の体のままだったら

まともに戦えていないだろう。

白い魔法使いはそう言ってフォローしてくれるが、

俺は、先ほど苦戦していた

ベルゼバブの事を思い出して歯噛みをする。

 

 

「でも、さっきだってあの樣だ!

学園祭の時もそうだ‥‥、

俺に、俺にもっと力があれば‥‥。」

 

 

魔力の源のドラゴンの力を持ってさえ

苦戦してしまった俺。

もっと力があれば誰にも迷惑をかけずに済む。

もっと多くの人を助ける事ができる。

そう思っていると白い魔法使いが

ゆっくりと近づいて来る。

 

 

 

「強さを求めるのなら、方法はある。

お前の中のドラゴンの力を

限界まで引き出せばいい。」

 

 

 

「っ、限界まで‥‥‥‥?」

 

 

 

「少なくとも、お前が耐えられればの話だが。」

 

 

「‥‥‥教えてくれ、頼む。」

 

 

 

白い魔法使いの言葉に俺は強くなれると

喜びを感じる。だがそれ相応の

リスクがあるのだろう。

しかし、俺はそんなリスクなど躊躇いもなく

白い魔法使いに頼んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

藤田ユウゴの部屋にて。

 

 

 

「お前、指輪の魔法使いの仲間だろ?

だったら俺たちの恐ろしさわかってんじゃねーのか?」

 

 

「ふ、藤田さん‥‥や、やっぱり藤田さんは‥

ファントムに‥‥!?」

 

 

 

「‥あぁ、ちょっと前に死んだよ。

()というファントムを生み出してな。」

 

 

部屋に連れ込まれた穂乃果は

ユウゴから距離を取りながらも話をするが

ユウゴはその反応が面白いのか

じりじりと穂乃果に近寄る。

そしてユウゴは口を動かした。

 

 

「お前、俺がファントムだって事は

うすうす気づいていたんだろ?

だったら、なんでわざわざここへ来た?」

 

 

「‥‥‥っ。」

 

 

今にも怪人となって襲ってきそうなユウゴに

穂乃果は一瞬声が出なくなるが、

穂乃果なりの覚悟を決めて口を動かした。

 

 

「‥晴希君や攻大君‥秀夜君ばかり

辛い思いはさせたくない。

私も‥役に立ちたい‥‥。

彼らの役に立ちたいから、ここにいるの!」

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

身を呈してまで戦う晴希達。

こうやって1人でファントムの場所に行くなんて

自殺行為、晴希達にバレたら間違いなく

怒られるだろう。

だが、頑張ってる晴希達を見て、

ジッとしていられないのが穂乃果だった。

穂乃果の熱のこもった言葉にユウゴは

眉を寄せて穂乃果を見ていると。

 

 

「ぶっ‥っはっはっはっは!

気に入ったぜ!!よし、良い事教えてやる。」

 

 

「‥‥‥え?」

 

 

突然笑い出し、そう言いながらユウゴは

穂乃果が落とした鞄を拾いに行く。

その言葉、その行動に穂乃果は

覚悟を決めてた気を緩み、首を傾げる。

 

 

「今ベルゼバブって野郎がゲートを狙ってる。

そいつは豆ぐらいのしもべを使って

人間を操ってる。その力を使って

今頃ゲートは追い詰められてるだろな。」

 

 

「‥‥ほ、本当‥‥ですか?」

 

 

「‥ま、信じるか信じないかはお前の勝手だ。

もし操られてるのがいたら

そいつの身体探ってみな?」

 

 

知り合いと言えどファントムであることに

変わりない。穂乃果は半分疑いながらそう聞くと

ユウゴはそう言いながら穂乃果の鞄を

穂乃果に差し出す。

 

 

「‥‥‥あ、ありがとう。」

 

 

穂乃果は小さくそう言うと鞄を受け取り、

その場から急いで出て行った。

 

 

 

 

「‥‥ふん、昔も今も大して変わんねーな

あの小娘。」

 

 

ユウゴは出て行った穂乃果を見て、

人間だった頃の小さな穂乃果と

ウィザードと西木野総合病院で戦ってた時に

ウィザードを庇うように飛び出た穂乃果を思い出し、

鼻で軽くふんと笑ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

晴希の家にて。

 

 

 

「あの白い魔法使い‥、晴希を連れて行って何する気だ‥‥?」

 

 

「う〜ん‥‥おやつ、とか?☆」

 

 

「それはことりだけでしょっ?‥‥‥‥。」

 

 

「真姫ちゃん、心配なのは分かるけど、

一旦落ち着いてみ?人間落ち着きも肝心やで?」

 

 

「べ、別に心配なんかしてないけど!」

 

 

晴希の家に集まったμ'sメンバーと攻大、

そしてゲートの志保は突然連れ去られた

晴希の行方を探していたが相手は

攻大達にとって未知の存在なので

手も足もだせないでいた。

攻大が悩んでると南ことりがふと思い付くが

そんな事するのはことりだけと西木野真姫が

突っ込むが、彼女も連れ去られた事に

不安があるのかそわそわしてると

東條希にそう言われて顔を真っ赤にする。

 

 

「あの‥攻大君。ここ晴希君の家だよね‥‥?

みんなも、勝手に使っちゃっていいの‥?」

 

 

「えっ?あ〜皆まで言わなくていい!

ゲートを匿う為なら仕方ないって晴希の奴も

言ってたからな!ならお言葉に

あまえさせてもらうっきゃねーだろ!」

 

 

「そ、そうなの‥‥、

じゃあ晴希君が戻ってくるまで

ゲートは私達で守らないと‥。」

 

 

皆が勝手に使ってる晴希の部屋に

奈々城コヨミは疑問を抱き、聞いてみるが

全然OKと言って ふんすっ と鼻息を立てる攻大。

それを聞いて汗を垂らすコヨミは

気を取り直してゲートである志保を見た。

μ'sに入ったコヨミは呑み込みが意外と早く、

ファントムやゲートの説明も最初は驚いたが

すぐに信じてくれた。

そんな彼女の見る先では志保が泣き崩れ

絢瀬絵里と矢澤にこが必死に慰めていた。

 

「うぁあああんっ!!

ヒサ君達はぁ、化け物に

操られてるんですよねぇ!?

ああああ‥‥!」

 

 

「もぉっ、今回のゲートは面倒くさいわねっ。」

 

「こらっにこ!しーっ!

‥なんとかしないと‥‥、花陽も花陽で

あんなだし‥‥。」

 

 

 

「〜〜〜っ!!〜〜!?ーーっ!」

 

 

にこが面倒くさそうにしてると絵里が小さい声で

止渇し、ため息を吐きながら椅子に座らせ

縛られており、口も塞いでる小泉花陽が

何かを言いたげに必死に叫んでいた。

急におかしくなった花陽は志保に対して

酷い毒舌を吐くようになり、どうしようもないので

椅子に縛り付けているのだ。

 

 

「うえぇーーんっ!‥かよちんが怖いにゃ〜〜!」

 

 

「本当、今の花陽はまるで別人ですね‥。」

 

 

「‥!きっとこれは霊の仕業や!

あ、悪霊退散ーーーー!!」

 

 

「ちょっ!?希!落ち着いて!

花陽人間だから!?」

 

 

花陽の姿にこちらもこちらで泣き崩れる

星空凛、園田海未も監視役として花陽を見ていると

いつの間にか数珠やらお札やらと

取り出した希がそう叫んで花陽に近付こうとすると

コヨミが希の腰にしがみついて止める。

 

 

 

 

 

 

「晴希君っ!!」

 

 

「あっ、穂乃果ちゃんっ!」

 

 

「穂乃果っ?用事は済んだのですか?」

 

 

「えっ?あ〜うん!それより晴希君は?」

 

 

晴希の家でギャーギャー騒いでると

用事で出かけていた穂乃果が駆け付け

いち早くことりが反応する。

その後に先ほど連絡した海未がそう聞くと

一応済んだのだろうかと悩みながら頷く穂乃果。

そして晴希を探してるのか部屋一帯を

キョロキョロと見回している。

 

 

「あ〜今晴希は不在だぞ?あ、穂乃果ちゃん

今度ベルゼバブってファントムを見かけたら‥」

 

 

「えっ!?現れたの!?

誰か操られたりしてない?」

 

 

「それならぁ、ここにいるにゃ〜〜〜!」

 

 

「〜〜!〜〜〜!」

 

 

晴希が不在中の事を伝える攻大、

そしてベルゼバブの言葉に反応した穂乃果は

さっそくと言わんばかりに操られてる人を聞くと

凛が泣きながら花陽に指差す。

それを見た穂乃果は花陽を拘束していた

縄をいきなり解き始め、花陽はまだ手足も

縛られているので辺りをぴょんぴょんと飛んで

移動し始める。

 

 

「ちょっ!?穂乃果!あんた何縄解いてんのよ!?」

 

 

「海未ちゃん!花陽ちゃんを大人しくさせて!」

 

 

「えぇっ!?突然何を言いだすのですか!?」

 

「いいからっ!」

 

「わ、分かりましたっ‥‥‥!

花陽、ごめんなさい!フッ!!」

 

 

縄を解いた穂乃果ににこは怒るが

穂乃果はそんな事よりと海未に花陽を

落ち着かせてと頼み、海未は一旦息を整えると

花陽の首筋に目掛けて手刀を繰り出し

暴れていた花陽は大人なり、倒れ込んだ。

すると穂乃果は突然花陽の学生服を

器用に脱がし始めたではないか。

 

 

「え!?ちょっ、えええっ!?」

 

「ヴェエエッ!?」

 

 

「ホノカチャン!?」

 

 

「何やってるん!?」

 

 

「あらら‥‥結構大胆‥//(ブスリ☆)

ぎゃあああ!!?にこちゃん何すんのぉ!?」

 

 

「あ、あんたは見たらダメよ!」

 

 

穂乃果の行動にコヨミ、真姫、ことり、希、

その他が驚き、攻大はちと鼻の下を伸ばしていると

にこがチョキを作って攻大の目を潰した。(笑)

 

 

「っ!いたっ!!」

 

 

 

もう下着姿になった花陽のその背中には

豆粒ぐらいの小さな虫らしきものを発見する穂乃果。

その生物はバレたかと思ったのか花陽の

背中から離れて晴希の家の床をゴキブリみたいに

移動し始める。

 

 

 

「きゃああっ!?虫っ!?」

 

 

「む、虫‥‥!!?

え、エリチカお家に帰る!」

 

 

「ちょっ!えりち!今ポンコツにならんといて!

てか何なんこのちっこいの!?」

 

 

「これ、ベルゼバブのしもべよ!」

 

 

「え!?飯!?どこどこ!?

あー前見えねぇ!だが飯ぃ!!でも見えねぇ!」

 

 

虫だと思い悲鳴をあげることり、

絵里も悲鳴をあげそうになるが突然と

ポンコツになり希は絵里を抑えながら

その生物を見ると穂乃果がそう答える。

しもべと聞いた瞬間目を瞑ってて涙を出してる

攻大が反応する。

 

 

「これを使って人を操ってるみたいだよ!

‥‥‥そこだ!えぇいっ!!」ブチュ!

 

 

「あぁ!?ブチュって今潰したなぁ!!?

あーーー‥‥俺の飯ぃ‥‥‥‥。」

 

 

説明しながらしもべを発見した穂乃果は

来客用のスリッパで潰した穂乃果。

その音で感づいた攻大は余計に涙を流して

その場に四つん這いになる攻大。

すると気絶していた花陽がむくりと起き上がる。

 

 

「‥はれ?わはひいああえはひほ‥‥?」

解説(‥あれ?私今まで何を‥‥?)

 

 

「‥っ!かよちん!かよちーーーんっ!!」

 

 

「花陽ちゃーーーーんっ!!」

 

 

「あ!ひんひゃんひほひゃん!

ひほひゃんふひはっあんへふえ!

ほはっ‥‥え?ぇええええっ!!?

はんへわはひふふふいへふほぉ〜!!?

は、はへははふへへぇえええええ!!」

解説(あ!凛ちゃん志保さん!

志保さんぶじだったんですね!

よかっ‥‥え?ぇええええっ!!?

何で私脱いでるのぉ〜!!?

だ、誰かたすけてぇええええ!!)

 

 

正気に戻った花陽だが口はガムテープで

ふさがれておりまともな喋りができない。

凛と志保が花陽に近付き喜んでいると

自分が下着姿なのを見て

顔を真っ赤にし、慌てて脱がされた

服をかき集め、叫びながら

バスルームへとぴょんぴょんしながら向かった花陽。

凛もその後を追いかけていく。

 

 

 

「あ〜よかった‥‥。

でも穂乃果、何で操られてるって分かったの?」

 

 

「えっ!?なんでかな‥?女の勘ってやつだよ!

よし!そうと分かれば!まだ他にも

操られてる人がいるんだよね!?

今から助けに行くよ〜!」

 

 

「あ、ちょっと穂乃果っ!」

 

 

コヨミがそう聞くと穂乃果は誤魔化して答え、

まだ操られてる人を探しに行くため

さっそく晴希の家から飛び出して行く。

皆も慌てて準備をし、その後を追っていく。

 

 

 

「(藤田さんの言ってた事‥‥本当だったんだ‥。)」

 

 

ファントムなのに敵のやり口を教えてくれた。

穂乃果はそう思いながら

マンションの階段を降りていき、

後から来た志保に言われてまずは

お食事会、ダンス教室、そして旦那がいる

仕事先へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

志保の旦那の仕事先、病院にて。

 

 

「これで最後!

よっ!!‥‥‥‥‥仕留めた‥‥。」

 

 

「穂乃果、目が怖いですよ‥‥?」

 

 

 

旦那についていたベルゼバブのしもべを

穂乃果は病院に置いてある注射器でぶっ刺して

仕留めた穂乃果。

まさに獲物を狩る目をしており、

一緒にいた海未は静かにそう言った。

 

 

 

「っ!‥‥あれ?俺は一体なにを‥‥‥?」

 

 

「!!ひ、ヒサ君〜〜!もぉ寂しかったんだからぁ!

もう嫌だもう離さないもう離さない

もう離さないから!!」

 

 

しもべを仕留め、正気に戻った旦那さんに

志保は思い切り抱きつき、離さないを連呼していた。

 

 

 

「ふう‥‥何とかなったわね‥。」

 

 

「え、えぇ。と、とりあえずはね‥‥‥。」

 

 

「もぉえりち、アレは虫ちゃうって。」

 

 

にこ、絵里、希はそう言って一息を吐き、

1年組とことりは病院の人に事情を話していると

穂乃果は突然と病院を出て行った。

 

 

「‥‥‥‥あれ?穂乃果っ?」

 

 

ふといなくなった穂乃果をコヨミは呼んでみるが

当然いないので反応もしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

謎の空間にて。

 

 

「覚悟は出来てるみたいだな‥‥操真晴希。

ドラゴンの猛攻に喰われぬようにな‥‥。」

 

 

「‥‥ドラゴンにも言ってやってよ。

逆に喰われないようになって。」

 

 

 

白い魔法使いの言葉に俺はそう答えながら

自身の胸を強く叩く。

すると白い魔法使いは両手をクロスさせ

ゆっくりと両手を広げる。

 

 

「カエンホォカミヤアバゾーン‥‥‥

リアスベクトラビアドォール‥‥‥‥。」

 

 

すると当然白い魔法使いは呪文らしき言葉を

唱え始めると、床の魔法陣が大きくなり

四方に置かれていたドラゴンリングの

額の宝石が強く輝き出す。

そしてその光は俺に目掛けて放たれ

レーザーの様に俺の身体へと打ち当たる。

 

 

 

「っ!!?ぐっ!うっ!!?

う‥‥うぁあああああああっっっ!!!」

 

 

『ーーーーーーッッ!!!』

 

 

 

その光を受けた途端、俺の中の魔力の源、

ウィザードラゴンが急に暴れ始め

俺の意識はドラゴンのいる

アンダーワールドへと連れていかれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

ユウゴのマンションにて。

 

 

 

ユウゴは赤いソファーでボーっとしていると

突然扉からノック音が聞こえる。

ユウゴは扉をあけるとそこには

穂乃果が立っていた。

 

 

「‥‥‥あんだ?」

 

 

「‥‥‥‥‥‥あの、これ。」

 

 

ユウゴが聞くと穂乃果は

小さな小包を取り出す。

 

 

 

 

 

ーーー

マンションの近くの外にて。

 

 

 

 

「藤田さん、ベルゼバブの事、

教えてくれてありがとう。

これよかったらお礼‥‥‥。」

 

 

 

「‥‥ふふっ、ハッハッハッハッ!

人間に感謝されるとはなぁ。」

 

 

外の近くの石台に座って

穂乃果は実家の穂むらに置いてある

いくつかの饅頭をユウゴに差し出すと

ユウゴは笑い出す。

彼の言う通り、ファントムと知ってて

お礼などありえないからだろう。

 

 

「‥‥藤田さんって、どうして

仲間の作戦を台無しにしたの?」

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

「‥‥喧嘩とかしちゃったり‥とかかな?

あはは、私もよくあるんだよ、

友達に凄く厳しい子がいてね。

毎日注意されてばかり。」

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

穂乃果の質問に答えないユウゴ。

先ほどから一方的にしゃべっている穂乃果だが

ユウゴは黙ってて目は上の空だった。

それでも穂乃果は口を動かし続けた。

 

 

「私今までファントムの事、

平気で人を襲って話も通じない化け物だ

って思っていたの。でも、藤田さんと会って

思ったの‥。ファントムの中にも、

色んな人がいるんじゃないかって‥。」

 

 

穂乃果は喋り続けると飽きてきたのか

ユウゴは立ち上がり、その近くを

ぶらぶらと歩き出す。

 

 

「心の支えを壊して人々を絶望させる‥‥。

でも私、思うんだ‥。そんなことしたくない

ファントムもいるんじゃないのかなって‥‥。

きっと、藤田さんもそうだよ!

だから聞かせて、ファントムじゃなくて、

藤田さんの言葉で!」

 

 

「‥‥‥‥っ。」

 

 

穂乃果の気強い言葉にユウゴは

ブラブラ歩いていた足を止めると

急に穂乃果に近寄る。

その突然に穂乃果はビックリして

石台から立ち上がろうとするが、

ユウゴは穂乃果の差し出した

饅頭を1つ手に取る。

 

 

「‥‥俺、味わかんねーけど。

‥‥‥‥‥‥‥?」

 

 

ユウゴはそう言って饅頭を口に入れて

食べ始めるが味が分からないので

首を傾げながら饅頭を食べていた。

その様子を見た穂乃果は

どこか嬉しい気持ちになり、ユウゴを見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

謎の空間にて。

 

 

 

 

『ーーーーーーッッ!!』

 

 

 

「ぐぁああああっ!!!」

 

 

 

 

俺は意識をアンダーワールドに持って行かれ

そこに待ち受けていたドラゴンの突然の

猛攻撃を食らい続けていた。

フレイムの炎、ウォーターの水、

ハリケーンの風、ランドの岩、

リアルに感じる激痛に俺の意識は

何度も飲み込まれかけたが必死に

その攻撃を耐える。

 

 

「ぐっ‥‥ぐはぁ!‥‥‥この程度で、

俺が絶望すると思ってんのかドラゴン!!

お前のその全力を‥全てぶつけてこい!」

 

 

『ーーーーッッ!!!』

 

 

「っ‥‥!!

うぉぉおああああああっ!!!」

 

 

 

俺は挑発すると文字通り火、水、風、土

全てのエネルギーを俺にぶつけてきたドラゴン。

だが俺はこんなとこで倒れる訳にはいかないと

持てる声と根性と気合いを出し切り、

その攻撃を耐えた。

 

 

「‥‥‥‥っは!?‥‥はぁっ‥はぁっ。」

 

 

 

「‥どうやら、生まれたようだな。」

 

 

すると、俺の意識は現実に戻り

あの変な空間で立っていた。

その近くにいた白い魔法使いがそう言って

見つめる先には真ん中に置いてあった

台の上が突然輝き出す。そして

その光からストップウォッチの形をした

ブレスレットらしきものが現れたのだ。

時計らしき部分の中にはドラゴンの

火、水、風、土をベースにした色が彩られている。

 

 

「‥‥‥これは?」

 

 

「お前の魔力を最大限にまで

引き出すことが出来る‥‥魔法具だ。」

 

 

「‥‥‥これが、新しい力‥‥‥。」

 

 

俺は真ん中の台座に近付き、

その魔法具〝ドラゴタイマー〟を手に取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

とある首都高の高架下にて。

 

 

 

 

 

「いやぁ、本当ご迷惑をおかけしました。」

 

 

「あー!皆まで言わなくていい!

全然大丈夫ですよ!」

 

 

「いいんですか?わざわざ送ってもらって‥。」

 

 

「全然いいわよ〜!みんな元通りになったし、

ねーかよちゃんっ♩」

 

 

「ね〜っ。」

 

 

すっかり日も暮れて夜に差し掛かる頃、

ベルゼバブの僕も倒し、志保の旦那が

μ'sのメンバーを送り、最後に

攻大、コヨミ、花陽を送ることになり、

現在車で走行中だった。

志保と花陽もいつの間にか

仲良くなっておりワイワイと車の中で

騒いでいたその時。

 

 

 

 

「‥‥‥ん?‥‥‥‥っ!!あぶない!!」

 

 

 

「「「きゃあっ!?」」」

「のわっ!?」

 

 

 

突然志保の旦那は前方に何か見つけたのか

急ブレーキをかけ、乗っていた4人は

その衝撃に声を上げる。

 

 

 

「いってぇ‥‥!ちょっ、どうしたんです‥‥

っ!おいおいおい‥‥‥!」

 

 

「えっ‥‥‥?また‥‥‥!?」

 

 

 

攻大とコヨミが前方を見る先には

ベルゼバブの僕で操られていた

志保の友達やダンス教室にいた

人々がまた操られてる様な目付きで

こちらを睨んでいた。

その真ん中にはタクトを持って

タキシードを着ている人が立っており、

ニヤリと笑いながらその姿をベルゼバブへと変える。

 

 

「‥‥‥‥‥‥。」

 

 

「‥‥‥‥‥‥。」

 

 

「えっ‥?ちょっとヒサ君‥?かよちゃんも!

ちょっとしっかりしてよ!ねぇ!?」

 

 

すると乗っていた旦那と花陽までもが

また鋭い目付きになる。

僕を倒したはずなのになんでと

コヨミ、攻大、志保が困惑してしまうが。

 

 

「コヨミちゃん!志保さん!

逃げるぞ!早く出ろ!!」

 

 

「わ、分かった!志保さん!」

 

 

「うぅう‥‥!!ヒサ君〜!!」

 

 

ここにいてはやられてしまうと

攻大は車のドアを開けてコヨミを連れ出し、

助手席に座ってる志保も泣きながら

ドアを開けてその場から逃げ出した。

 

 

 

「ふははは、逃がしませんよ。

さあ、お行きなさい!」

 

 

ベルゼバブはそう言ってタクトを振ると

操られてる人達、そして車から

志保の旦那と花陽も降りて

攻大達の後を追い始める。

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

高架下の近くにて。

 

 

 

「くっそ!何だよぉ!

あのノミみたいなの

倒せばいいじゃなかったのかよぉ!?」

 

 

「っ!あ、前!!」

 

「え、あ、きゃあっ!」

 

 

追いかけてくる操られてる人達から

逃げる攻大とコヨミと志保。

困惑する攻大の後に

コヨミが前方を見て指差すと

先回りしたベルゼバブが立っており

それを見た志保は思わず叫ぶ。

 

 

「確かに目の付け所は悪くない。

だが私の僕に一度魔力を注入されたら、

その人間共は、永遠に、意のままだ。」

 

 

「へぇ、なるほどな!

コヨミちゃん、志保さんを連れて逃げてくれ!」

 

 

「わ、わかったっ。志保さん!」

 

 

ベルゼバブの言葉に納得したのか攻大は

コヨミにそう言って別方向に志保と共に走り出す。

当然操られてる人達は狙いは志保の為

志保を追いかけていく。

 

 

「逆にてめぇを倒せば万事解決ってことだな?

分かりやすい説明ありがとよ!」

 

 

 

《ドライバー オン!》

 

 

 

コヨミ達が上手く逃げてるのを見届けながら

攻大はベルゼバブに向き合い、

ドライバーオンリングをベルトにかざし

ビーストドライバーへと形を変える。

そして攻大はビーストリングを

左中指に付け左手を大きく頭上へと掲げた。

 

 

 

「変〜〜〜〜身!!」

 

 

 

 

《SET!Open!!

 

L!・I!・O!・N! ライオーン!!》

 

 

 

 

「おらっ!!」

 

 

両腕を大きく回し、勢いよくCの文字を

表すようなポーズで右に身体を傾け

左のリングスロットにビーストリングをはめ込み、

軽く捻るとリベレイションズドアが

展開されキマイラオーサーが現れる。

掛け声と共に攻大の前方に魔法陣が現れ

その体を通り抜けると攻大は

仮面ライダービーストへと姿を変える。

 

 

 

「っし!ランチタ‥‥いや、

今は夜だからディナータイムだな!」

 

 

ビーストはそう言って

ビーストドライバーに現れた小さな魔法陣から

武器のダイスサーベルを取り出し、

ベルゼバブに向かって駆け出す。

 

 

 

「ふふふ。私の能力、もうお忘れですか?」

 

 

「どおりゃっ!‥‥え?‥あれ?」

 

 

勢いで突っ走るビーストにベルゼバブは

笑いながら目を光らせると前方に

黒いゲートを作り出しビーストの振りかざした

ダイスサーベルがそれに防がれ

全く別の所からダイスサーベルの剣先が飛び出る。

 

 

「ちょっ!?あれ!?あたんねぇし!」

 

 

何度もダイスサーベルを突き出すが

ベルゼバブは全く無傷で

至る所からダイスサーベルの剣先が飛び出る。

 

 

「おやおや、その武器は飾りか?」

 

 

「んだとぉ!っ!痛っ!!?」

 

 

タクトの素振りをしながら余裕を見せる

ベルゼバブに頭きたビーストはもう一度

ダイスサーベルを突き出すが黒いゲートに

遮られ、今度は自分に向かって

ダイスサーベルが飛び出し、

ビーストはダメージを負う。

 

 

「いってぇ〜っ!くっそぉ!

どおなってんだよぉ!」

 

 

「いかなる攻撃は私には通用しない!ハッ!」

 

 

「どあっ!?」

 

 

攻撃を繰り出してるのはこっちなのに

何故か自分にダメージを受けるビーストは

訳が分からず困惑し、その隙にベルゼバブは

剣を取り出してそう言いながら

ビーストに斬りかかる。

 

 

 

「フッ!」

 

 

「おわっ!?‥‥‥‥っ!ヤバい!」

 

 

何撃か入れられたビーストは

最後に蹴りを入れられ吹き飛ばされる。

そして起き上がる際に逃げてるコヨミ達を見る。

 

 

 

 

 

「志保さんこっち!」

 

「ま、待って待って!‥‥あだっ!?」

 

 

操られてる人達から逃げ惑うコヨミと志保。

すると志保は置いてあるベンチに体を

ぶつけてしまい、何故か身動きが取れなくなる。

ふと、ベンチを見ると服の先端が

不運な事に引っかかっていた。

 

 

「何やってるんですか!?早くしないと!」

 

 

「わ、わ、分かってるわよ!ちょっ!

取れない取れない!っ!ぎゃああああっ!!」

 

 

服が引っかかり、モタモタしているうちに

すぐ近くまで操られてる人達が来ており、

志保は思わず叫んでしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

一方、穂乃果とユウゴは。

 

 

 

 

「‥そうなんだ‥‥。

やりたい事やらしてくれないんだ‥。」

 

 

「あぁ、人間絶望なんてだりぃ事を‥。

おかげでストレス溜まる一方だぜ‥。

‥‥‥‥んだよ?」

 

 

ようやく話してくれたユウゴに

穂乃果は愚痴を聞いてやると突然

穂乃果はクスッと笑い出す。

 

 

「‥私もね、スクールアイドル始める時、

お父さんからお前が出来るわけないって

反対されてたんだけど、内緒で始めたんだ。

そしたらいつの間にか人気が出て

お父さんもやっと許してくれたんだよっ。」

 

 

「‥‥あぁ、スクールアイドルってあの

変な歌歌う連中か‥‥。」

 

 

「変な歌って何ですか!」

 

 

穂乃果がそう言うと

ふと思い出したかのようにユウゴが

饅頭を食べながら呟くと穂乃果が強く反応する。

 

 

「‥‥藤田さんも、やってみたらどうかな?

自分のやりたいこと。」

 

 

「あ?俺のやりたい事?」

 

 

「うん、藤田さんが今してること、

何か違うって思ってるんだよね‥‥?

だったらやってみてもいいんじゃないかな?

そうすれば、きっといつか

認めてもらえると思うよ!」

 

 

「‥‥あぁ‥‥そうか、‥‥そうかもな。」

 

 

穂乃果が助言をすると、

ユウゴは1人でうんうんと頷き、

手にある饅頭を口に放り込み、

ガバッと立ち上がる。

 

 

「‥お前のおかげで吹っ切れたぜ。」

 

 

 

「藤田さん‥‥。

‥‥‥‥‥‥‥‥え?」

 

 

ユウゴはそう言ってお礼をし、

穂乃果は息を吐いて安心した瞬間、

ユウゴの姿が変わりだし、

それはヒロキ君や晴希を苦しめ

穂乃果も何度か見たことのある

ファントムだった。

 

 

 

 

「ありがとよ、高坂穂乃果。」

 

 

 

「‥うそ‥‥‥フェニックス‥‥!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

再び高架下の近くにて。

 

 

 

「はっはぁ!!」

 

 

「どああっ!!」

 

 

 

こちらの攻撃が全く通用しない

ベルゼバブに苦戦するビースト。

先ほどからベルゼバブの剣の連撃を食らい続け

ビーストの体力もかなり参っていた。

 

 

 

「ふはははっ、どうしたその程度か?

もう終わりか〜っ!?」

 

 

「ぐっ‥‥ううっ‥‥!!」

 

 

地面に倒れこむビーストを

ベルゼバブは踏みつけながら高笑いし、

ビーストも反撃しようにも力が入らずにいた。

 

 

 

 

 

 

 

「いやっ!こないで!」

 

 

「ひ、ヒサ君!ゆうこりん!かよちゃん!

しっかりしてぇ!」

 

 

操られてる人達を必死で追い払おうと

コヨミは小枝を持ってブンブンと振り回すが

御構い無しに近付く人達。

その人達の前に立っている3人の知人に

志保は声をかけると、3人は口を動かした。

 

 

 

「気安く俺の名を呼ぶな、反吐が出る。」

 

 

「あんたなんか存在する価値もないのよ、

このゴミめ。」

 

 

「志保さん、貴方の性格は正直鬱陶しいんです。

早く絶望して消えちゃってください。」

 

 

「っ!!?」

 

 

 

 

消えろ‥‥消えろ‥‥

 

消えろ‥‥消えろ‥‥

 

消えろ‥‥消えろ‥‥

 

 

 

旦那、ゆうこりん、花陽の口から

ひどい毒舌をした後、残りの人達から

呪われてるように消えろを連呼し始める。

 

 

「‥‥いや‥‥‥いやぁあああっ!!!」

 

 

「志保さん!しっかりっ!」

 

 

当然孤独が大嫌いな志保はこの状況は耐え切れず

耳を塞いでその場にしゃがみこんでしまう。

コヨミもどうすればいいか分からず

ただひたすら志保に声をかけているだけだった。

 

 

 

「ふははははは!さぁ、絶望しろ!」

 

 

「や、やめろぉっ!!」

 

 

苦しむ志保を見てベルゼバブはそう言い、

ビーストは止めようとするが攻撃を

食らい続けたせいか身体が思うように動かない。

だがその時。

 

 

 

 

 

 

《ライト・プリーズ》

 

 

 

 

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

 

 

「っ!?何ですか!?」

 

 

 

突然辺りは眩い光に包まれ

操られてる人達は目を眩ましその場に

倒れ込んでしまう。

ベルゼバブも目を隠しながらそう言うと

光の先から、魔法使いは現れた。

 

 

 

「悪い!かなり待たせたな!」

 

 

「晴希君っ!大丈夫なの!?」

 

 

「あぁ、全然大丈夫だ。」

 

 

白い魔法使いに連れ去られた晴希が

駆けつけ、心配するコヨミだが

晴希こと俺は全然と横に首を振る。

 

 

「指輪の魔法使い!恐れをなして

逃げ出したかと思いましたよ?」

 

 

「‥逃げ出す?バカヤロウ。

ヒーローは遅れて登場するもんだ。

‥‥さっきの借り、しっかり返させてもらう。」

 

 

「ふふふ、できるものか。

お前の力では私に勝てない。

大人しくゲートが絶望する瞬間を見届けるがいい!」

 

 

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

 

 

ベルゼバブの言葉に俺は

ベンチに引っかかってる志保の服を

取りながら返し、志保とコヨミを下がらせると

ドライバーオンリングをベルトにかざし、

シフトレバーを上下に動かし、

フレイムドラゴンリングを左中指に取り付けた。

 

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!》

 

 

 

 

 

「残念だがそれはできない。

俺は最後の希望なんでね。

それに、お前は実戦の練習台になってもらう。

新しい力‥‥いや、ドラゴンの本当の力。

変身っ。」

 

 

 

 

《フレイム!・ドラゴン

 

ボウー!ボウー!・ボウーボウーボォ!!》

 

 

 

待機音声が流れてる中、

俺はそう言い放ちながら変身リングの

バイザーを下げ、魔法の言葉を言って

フレイムドラゴンリングをかざすと

荒々しい音声と共に魔法陣が現れ

俺の周りを炎を纏ったウィザードラゴンが

飛翔し、俺の身体に真正面から入り込むと、

俺は仮面ライダーウィザード

フレイムドラゴンスタイルへと姿を変えた。

 

 

 

「はははっ!無駄ですよ無駄!

さあ、貴方も絶望の淵へ追い込んであげましょう!」

 

 

「それはできないな。」

 

 

《コネクト・プリーズ》

 

 

ベルゼバブはそう言って剣を構えて

駆け出すとウィザードはコネクトリングを

かざしながら答え、剣を振りかざしてくる

ベルゼバブを避けてその背中を蹴って

すっ飛ばすと同時に、コネクトリングで

作り出した魔法陣に左手を入れる。

 

 

 

 

 

《ドラゴタイム》

 

 

 

 

 

「っ?何だありゃあ‥‥?」

 

 

 

魔法陣から取り出したドラゴタイマーに

初めて見るビーストは声を漏らす。

そしてウィザードはドラゴタイマーを

右手首に取り付け、ドラゴダイアルを

回転させてセットする。

 

 

 

《セットアップ!》

 

 

 

「さぁ、ショータイムだ。」

 

 

 

《スタート!》

 

 

 

セットされたドラゴタイマーから

待機音声が流れウィザードの決め台詞と共に

ウィザードはサムズエンカウンターを押す。

すると始まる合図が鳴り響き、

時計の様なカチカチカチと小刻みな音が

流れ始めそれと同時にウィザードは

ウィザーソードガンを剣モードで取り出し

ベルゼバブに向かって走り出す。

 

 

 

「ハッ!」

 

 

「っ!?何ですかそのうるさいの‥は!」

 

 

駆け出したウィザードはウィザーソードガンを

振りかざすがベルゼバブにあっさりと

止められるが、それは想定内だった。

ウィザードはフンと鼻で笑い、

ドラゴダイアルの針が青色の部分に

差し掛かるともう一度

サムズエンカウンターを押した。

 

 

 

 

《ウォータードラゴン!》

 

 

 

音声が流れると

ウィザードとベルゼバブが交戦している横から

水の魔法陣が現れ、そこからなんと

ウォータードラゴンスタイルのウィザードがウィザーソードガン剣モードを持って現れた。

 

 

「はぁっ!!」

「ふっ!!」

 

 

「っ!?のあっ!?」

 

 

 

突然の2人目のウィザード登場に

ベルゼバブは対応できず

ウィザーソードガンの斬撃を食らってしまう。

 

 

「っ!何っ!?」

 

 

「えぇっ?晴希君が‥‥2人?」

 

 

ヨロヨロ立ち上がるビーストの元へ

コヨミと志保が駆け寄り

ウィザードが増えてるのを見て驚いている。

 

 

 

「くっ、どんな魔法か知りませんが!

2人になったところで変わりはないですよ!」

 

 

 

「「さぁて、2人かな?」」

 

 

 

2人掛かりで戦うウィザードに

ベルゼバブはまだ強気でいる‥否、

まだ余裕を見せるようだったが

2人のウィザードがそう言って

フレイムドラゴンの方は

ドラゴダイアルの針が緑の部分に

差し掛かる所を確認すると

サムズエンカウンターを押した。

 

 

 

《ハリケーンドラゴン!》

 

 

 

「フッ!!」

 

 

「っ!?ぐわあっ!!?」

 

 

 

ドラゴタイマーから音声が鳴り出すと

今度は空中から風の魔法陣が現れ

そこからハリケーンドラゴンスタイルの

ウィザードがウィザーソードガン銃モードを

持ってベルゼバブに向けて

コントラクトリガーを引き、魔力で作られた

弾丸をベルゼバブに浴びせる。

 

 

 

「うっ‥‥!?3人だと‥‥!?

ですがまだまだ‥!!ハァッ!!」

 

 

 

流石に3人となるとキツいのか

ベルゼバブは息を切らしながら

3人のウィザードに向けて手から生成した

無数の針を飛ばしてくる。

 

 

 

 

「3人?もう1人いるぜ?」

 

 

 

《ランドドラゴン!》

 

 

 

フレイムドラゴンのウィザードは

そう言いながら黄色に差し掛かる針の部分で

サムズエンカウンターを押すと

地中から巨大な壁が飛び出し

無数の針を防ぎきる。

そしてその壁が砕け散ると

ランドドラゴンスタイルのウィザードが

ウィザーソードガン剣モードを持って現れた。

 

 

 

「俺もいるぜ?」

 

 

「なっ!?よ、4人だと!?」

 

 

 

《ファイナルタイム!》

 

 

 

「さぁ、華麗に決めるか。」

 

「あぁ、行くぜ!」

 

 

ランドドラゴンのウィザードに驚く

ベルゼバブ。その間にドラゴダイアルの針が

どうやら一周したのか音声が流れ始め

フレイムドラゴンの合図にウォータードラゴンが

頷き、4人のウィザードはベルゼバブに

向かって走り出す。

 

 

 

「くっ!小賢しい‥‥はぁ!」

 

 

 

4人の剣撃に拉致があかないと判断した

ベルゼバブは黒いゲートを作り出し、

空間の中へと入って行く。

それを見た4人のウィザードは

背中合わせとなり互いの背中を守っていた。

 

 

「‥‥!そこっ!」

 

 

「ぐぉっ!?‥‥うぬぅっ!!!」

 

 

そして飛び出したベルゼバブを

ウォータードラゴンのウィザードが発見し

斬りつけると苦痛をあげながら再び

ベルゼバブは空間へと逃げ込む。

 

 

 

「‥‥‥っ!いたっ!!」

 

 

「どぉあっ!?ば、バカなぁ‥‥!!」

 

 

 

次はハリケーンドラゴンが見つけ

ベルゼバブに銀色の弾丸を浴びせると

火花を散らして吹き飛ぶベルゼバブ。

その隙にフレイムドラゴンのウィザードは

3人のウィザードの先頭に立ち、

ドラゴタイマーの

サムズエンカウンターを押した。

 

 

 

 

 

《ドラゴン・フォーメーション!!》

 

 

 

 

音声が鳴ると4人のウィザードの前方に

それぞれの色に合わした魔法陣が現れ

それが通り抜けると

4人のウィザードはそれぞれの

ドラゴンの力、

フレイムならドラゴンの頭

ウォーターならドラゴンの尾

ハリケーンならドラゴンの翼

ランドならドラゴンの爪を装備する。

 

 

 

「まずは俺からだ!ハァッ!」

 

 

「っ!ぐうっう!!?」

 

 

そう言ってフレイムドラゴンのウィザードは

右足で地面を軽く蹴るとその体が浮かび上がり

ベルゼバブに向かって灼熱の業火を放つ。

それを食らうベルゼバブの間に

残り3人のウィザードは三方向に別れ

ウォータードラゴンは水を纏った長い尾で

ベルゼバブを薙ぎはらう。

 

 

「ぐわぁあっっ!!?」

 

 

「隙あり!!」

 

 

「うがぁっ!!」

 

 

空中へ飛ばされその余韻で身動きが取れない

ベルゼバブは飛翔している

ハリケーンドラゴンのウィザードの

風を纏ったドラゴンの翼で斬りつけられる。

 

 

「ぐっおぁ‥‥‥!!!」

 

 

 

「よいしょっとぉ!!」

 

 

「っ!?がっはぁあっっ‥‥‥!!」

 

3人の攻撃を受けてボロボロな

ベルゼバブに追加と言わんばかりに

別方向からランドドラゴンが岩を纏った

ドラゴンの爪でベルゼバブを切り上げる。

 

 

「う‥‥ぐぅ‥‥!!ば、バカな‥‥

この私が負けるなどありえない‥‥!!」

 

 

 

「晴希君、す、すごい‥‥!」

 

「‥ん〜‥‥‥。」

 

 

数の問題もあるのか一方的にやられる

ベルゼバブ。コヨミは感激するが

いつのまにか変身を解いた攻大は

どこか不満そうな顔をしていた。

そしてその間に各ウィザードは

ドラゴンの力を解除し、

ウィザーソードガンを剣モードで取り出すと

それぞれがハンドスプリングを展開し、

待機音声が流れ出す。

そして4人のウィザードは剣士の誓いのように

頭上でウィザーソードガンを合わせ

ハンドオーサーにそれぞれの変身リングをかざす。

 

 

「「「「さぁ、フィナーレだ。」」」」

 

 

 

《スラッシュストライク》

 

 

 

《ボォーボォーボォー》

《ジャバジャババシャーン》

《ビュービュービュー》

《ダン・デン・ドン》

 

 

「「「「ハァアアッ!!!」」」」

 

 

 

「ぐっ!‥うぉおああああああっ!!!」

 

 

 

 

それぞれの武器にエネルギーが纏い

4人のウィザードはベルゼバブに向かって

ウィザーソードガンを振りかざし、

4色の斬撃が飛んでいく。

ベルゼバブは空間能力を発動する暇なく

その斬撃を食らい、爆散した。

 

 

 

 

「っ!?‥‥あれ?‥‥俺は‥?」

 

「っ!‥ふぇ‥?私‥なにしてたんだろ‥?」

 

 

「っ!!ヒーサーくーんーーー!!!」

 

 

それと同時に洗脳されてた人達から

ベルゼバブの魔力が抜け、正気を取り戻し

志保に至っては速攻で旦那様へと

抱きつきに行った。

 

 

 

「‥‥ふぃ〜‥‥。」

 

 

「晴希君!凄いね!あれも魔h」

 

「おいこら晴希っ!4人に増えるなんて

ズルすぎるだろ!いやもうチートだチート!

男なら正々堂々一対一で‥」

 

 

「ん?バーン☆」

 

 

「ぅおおっ!?‥‥おい、それやめろ。」

 

 

変身を解いた俺にコヨミと攻大が近寄るが

攻大はドラゴタイマーに不満があるらしく

文句を言ってくるがちょうど手元に持ってた

ウィザーソードガンで俺は撃つ素振りをすると

めっちゃビビる攻大。

その仕草にコヨミは思わず笑い

攻大もよく分からず笑ってしまう。

 

 

「しかし、すごい力だなこれ。」

 

 

俺はドラゴタイマーを取り出して

そう呟くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「‥‥‥ふ、これで1人進化したな。

次は‥‥藍崎秀夜か。」

 

 

《テレポート・ナウ》

 

 

その場面を白い魔法使いは静かに

笑いながら見ていた。

そして白い魔法使いは秀夜の名を呼びながら

テレポートリングでその場から姿を消したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、仮面ライダーウィザード

 

 

 

 

『晴希!穂乃果が帰ってきてないみたいなんです!』

 

 

「穂乃果‥!無事でいてくれ‥‥!」

 

 

突然の海未からの電話に焦る晴希。

どうしたのだろうか‥?

 

 

 

「これからは俺の好きにやらせてもらうぜ!」

 

 

ついに動き出すフェニックス!

その陰にはフーセンガムを食べてる少年が。

 

 

 

「またテメェかよ‥。」

 

「はっ!また俺だ。」

 

 

フェニックスの前に現れたのは秀夜!

2度目のリベンジなるか!?

 

 

 

「こっからは俺のショータイムだ‥。」

 

 

「いや、俺のショータイムだ!」

 

 

再びぶつかるフェニックスとウィザード

果たして‥!?

 

 

 

 

第34話 暴走する不死鳥




はいどもしょーくんです!
‥ドラゴタイマーせこいよね笑
それしか言えないw


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