ラブウィザード! 〜希望の柱〜   作:しょくんだよ

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攻大「おい晴希!高評価付けてくれてる
人がいるぞ!」

晴希「本当だ‥久々に嬉しいなっ。」

攻大「よぉし!久々の高評価だ!
俺がなんか料理つくってやるぜ!!」

晴希「待て!マヨネーズはd」

攻大「あぁわかってる皆まで言わなくていい!
お前にはたっぷりつけてやるからな!」

晴希「おいバカやめろって!」


‥というわけで評価を付けてくれた
GYUUSIさん、
ひふみのななしさん、
ありがとうございます(^^)
これからもラブウィザードを
よろしくお願いします。


第32話 転校生と近づく真相

 

「う、うわぁあーーーーっ!!?」

 

 

「うぉおっ!?人が飛んでったぁ!?

てか、どんだけ強い雨、なんだよっ!!」

 

 

ある日の夜。

 

世界の天気予報は日にちが後になるほど

その精度は落ちる。

例えば1日後が約93%、3日後は84%、

5日後では60%、6日後のは50%

などと確率は落ちていく。

今朝のニュースで今夜から明け方にかけて

暴風雨と予測されていたがそんなものは

関係ないと腹ごしらえついでにファントム探しを

しに外へ外出しているこのマヨ‥二藤攻大。

 

 

「だぁあ!クソッ!空港のグール()以来から

全く食べれてねぇし!‥あ、分かったぞ!

きっと晴希の野郎が密かに、倒してるんだ!

そうに、違いねぇ!」

 

 

コンビニで買った安いビニール傘を差して

暴風雨の夜の道を歩く攻大は吹き飛ばされそうに

なりながらもファントムを食べれてないことに

腹が立って愚痴をこぼしていた。

 

 

「くっそぉ!負けてられっかぁぁいやぁ!!?」

 

 

すると、強い風がビュウと吹き荒れ

その風をうけた攻大はビニール傘を

思わず手放してしまい、風で飛んできた

ゴミなどが攻大を襲う。

 

 

「ぶぁっぷ!?だぁああ、もぉっ!!

‥‥ん?おぉ!?ラーメン屋!!

ピンチはチャーーーンス!!」

 

 

顔面に当たる濡れた新聞紙を取って

苛々で声を荒げる攻大はふと、

こんな暴風雨なのに

分厚いビニールで雨を防止している

小さなラーメン屋台を見つける。

もともとは腹ごしらえで外出したので

攻大はそう叫びながらラーメン屋に向かった。

 

 

「らっしゃい!」

 

 

「ちぃっす!おっちゃんラーメン大盛り!」

 

 

「あいよっ!ラーメン大盛り一丁!」

 

 

気前の良さそうな店主にさっそく攻大は

注文して腰掛けると、隣には先客がおり、

ズルズルと醤油ラーメンを食べていた。

だがその人物は攻大の顔を険しくさせる

人物だった。

 

 

 

「‥‥‥あぁっ!?紫の魔法使い!」

 

 

 

「っ、なんだうっせぇな‥‥って。

てめぇは‥‥‥。」

 

 

ギャーギャー騒ぐ攻大に舌打ちしながら

箸を止めて攻大を睨むのは

ダークウィザードに変身する藍崎秀夜だった。

 

 

 

「‥‥ふっ、こんな暴風雨の中外出するなんて

とんだバカもいたもんだな。」

 

 

「んだと!?お、俺はファントム探しに

外出してるっつーの!

てかっ、お前も人の事言えねーだろ!」

 

 

秀夜は攻大を見るなり鼻で笑いながら

再びラーメンを食べ始める。

飯を買いにor食べに外出した攻大は

正直にそんなこと言ったら間違いなく

バカにされるのでもう一つの理由で

秀夜にそう言うと秀夜の手はぴたりと止まり、

咳払いをしながらお冷を飲む。

否定もしない様なのでどうやら図星のようだ。

 

 

「くっそぉ、やっぱここは

こいつの出番か。」

 

 

攻大はお腹をおさえながらそう呟き、

濡れたジャケットのポケットの中から

グリフォンリングを取り出し、

右中指に付け、ソレをベルトにかざした。

 

 

 

《グリフォン!ゴーッ!》

 

 

音声が鳴るとプラモのような型枠に

はまった状態から素早く組み立てられ

攻大の使い魔、グリーングリフォンが

召喚され、攻大の指示なく小さなラーメン屋台の

分厚いビニールから飛び出し、暴風雨の中を飛ぼうとする。

 

 

「頼むぜグリフォンちゃんっ、

ファントム見つけ出してくれ‥‥」

 

 

 

攻大はそう言いながら暴風雨の中を

一生懸命飛んでるグリフォンを見ていたが

その小さな体では耐え切れず

まるで凧糸が切れた凧の様にあっけなく

グリフォンは飛ばされてしまった。

 

 

「あぁっ!?グリフォンちゃぁあんっ!!?」

 

 

「‥‥こんな暴風雨の中で飛行型の使い魔だすとか

やっぱバカみてぇだな。」

 

 

「‥み、皆まで言わなくていい!

あ、あれくらいで俺のグリフォンちゃんは

へこたれねぇっつーの!」

 

 

 

 

「はいお待ちどぉ!ラーメン大盛り一丁ね!」

 

 

 

アホを見るような目で秀夜はそう言って

バカにされた攻大はふんと威張るように

鼻を鳴らしながらそう言ってると

店主から頼んだ醤油ラーメン大盛りが

攻大の前に置かれると、攻大はさっそく

鞄からマヨネーズを取り出す。

因みにマヨネーズには『ラーメン専用』と

書かれていた。

 

 

「‥‥おい、何でマヨネーズなんか出してんだ?」

 

 

「かぁ〜!見てろよ晴希の野郎!!

お前なんかに負けないからな!

どぉおりゃああああっ!!!」

 

 

 

「‥‥‥‥うぁ‥‥‥。」

 

 

 

突然取り出したマヨネーズに秀夜は

疑問を抱き、攻大に問いかけるが

攻大は何かスイッチが入ったのか

秀夜の言葉はとどいておらず、

マヨネーズのキャップを外して

ラーメンに豪快と言わんばかりにぶちまける。

それを見た秀夜は思わず声を漏らすほど

その行動にカルチャーショックを受けていた。

店主も思わずあんぐりと口を開けながら

その行動を見てると秀夜はふと足に

違和感を感じる。

秀夜は足を見ると使い魔のブラックケルベロスが

ズボンを噛み付いて引っ張っていた。

 

 

「‥‥‥‥代金置いとくわ。」

 

 

「まいどっ!

‥‥に、にいちゃん、そんなに

マヨネーズかけると体壊しやすぜ?」

 

 

「うぉおおおっ!!

マヨマヨマヨマヨヨヨーー!!

ヒョオオアアアーーーーー!」

 

 

ケルベロスを見た秀夜はニヤリと笑って

ラーメンの代金を置き、黒傘を差して

先頭をなんとか走るケルベロスの後を追った。

その間に店主はあまりにもかけすぎてる

攻大に声をかけるが彼は既に壊れていた(笑)

 

 

 

 

 

 

ーーーー

 

一方、操真晴希の家にて。

 

 

 

「‥‥はぁっくしょんっ!!

どあっ、あっち!?」

 

 

家で大人しくホットココアを飲みながら

テレビを見ていた俺は何故か

俺を敵視するような叫びが聞こえたと同時に

くしゃみが出て手に持っていたココアを

膝の上にこぼしてしまう。

 

 

「あっちちちっ!くそぉ‥‥‥。

なんだ‥?寒気が‥、風邪?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

とある路地裏にて。

 

 

 

 

「‥‥‥‥っ。ワイズマンめ‥‥。」

 

 

 

暴風雨の中を諸共せずに人間態のフェニックスは

普段より苛立ちが増しているのか少し早歩きで

秋葉原の路地裏を歩いていた。

何故フェニックスはこんなにイラ立てているのか。

それは少し前の出来事。

 

ウィザードに敗れ、能力で蘇ったフェニックスは

更に力を増して復活した。

今度こそウィザードを倒せる!

そう思ったフェニックスは

ワイズマンに許可を貰いに彼の場所に行ったが

何れ時が来ると言って待機命令を出されたのだ。

その理由が分からずフェニックスは

少しでも気分を晴らすため外出していたのだが、

どうやら無駄足ではなかったようだ。

 

 

 

 

「みつけたぜぇ。」

 

 

 

「‥‥あ?」

 

 

 

暴風雨の中、聞き取りづらかったが

その声のした背後をフェニックスは振り返ると

既にウィザードライバーを出して

フェニックスを見るなりニヤリと笑う

秀夜がそこに立っていた。

 

 

 

「てめぇ紫の魔法使い‥‥。」

 

 

「はいご名答。

とゆうわけで、ここで死んでもらうぜ。」

 

 

 

フェニックスは秀夜のウィザードライバーと

その顔を見て紫の魔法使いだと判断し、

秀夜は黒傘を投げ捨てウィザードライバーの

シフトレバーを上下に動かした。

 

 

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!》

 

 

テンションの高い待機音声が鳴り出し

秀夜はダークネスリングを左中指に付け

変身リングのバイザーを下げる。

そして魔法の言葉を言って

ソレをドライバーへとかざした。

 

 

 

 

「変身!」

 

 

 

 

《ダークネス!プリーズ

 

アク アク・アクアクアーク!!》

 

 

音声が鳴り響き、秀夜は両サイドへ両手を

軽く広げる。真正面から紫の魔法陣が現れ

秀夜の身体を通り抜けると

仮面ライダーダークウィザードへと姿を変えた。

 

 

 

「はっ!ちょうどいい!

このストレスをどこにぶつけようか

悩んでたところだ。てめぇが相手してくれんだな?」

 

 

「‥!てめぇあの時の‥‥、まぁいいか!

逆にストレス増やしてやるよ!ハァッ!」

 

 

 

フェニックスはダークウィザードが現れ

少しご機嫌になりつつその身体を炎で包み

怪人態へと姿を変え、その一帯は

一瞬で蒸発して雨なのに干上がるほど

炎は強力‥いや、以前よりも強くなっている。

だがダークウィザードはその事を知らない為

いつものテンションでウィザーソードガンを

ソードモードに構え、フェニックスへと駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

「うわわわっ!!凄い強くなってきたっ!

早く帰らないとっ〜!」

 

 

 

少し時が経ち、暴風雨の中傘を差して

なんとか帰宅している高坂穂乃果は

雨の激しさが増すのを確認して

少しでも暴風雨を遮るため、

路地裏の道を小走りに家へと帰っていた。

 

 

 

 

 

ドォオオオン‥‥‥‥

 

 

 

 

「きゃっ!?‥‥何‥、今の音‥‥。」

 

 

 

その時だった。

突然前方の方角から爆発音らしき音が聞こえ、

穂乃果はびっくりして傘を落としてしまう。

慌てて傘を拾いその音が気になるため

穂乃果はその方角へと歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

「‥‥ちっ、口程にもねぇじゃねえか。

これなら赤い方がまだマシか‥‥。」

 

 

 

「‥‥‥‥‥。」

 

 

 

フェニックスはかなり遠くへ吹き飛ばし、

駐車場の壁にめり込んで気絶している

秀夜を見てため息を吐きながら人間態へと戻る。

フェニックスの強さは更に

パワーアップしているようで、それに気付かず

挑んだダークウィザードはあっという間に

やられてしまった。

ストレス発散どころか暇潰しにもならなかった

フェニックスは舌打ちしながらその場を

去ろうとする。

そして別れ道に差し掛かろうとした時だ。

 

 

 

「っ!うぁっ!?」

 

 

先ほどの爆発音で駆けつけた穂乃果は

ちょうど死角から出てきたフェニックスと

ぶつかり転けてしまうが、フェニックスは

同情も何もなくその場を通り過ぎる。

 

 

「いたたたっ‥‥‥ちょ、ちょっと気をつけて‥!」

 

 

 

「うぉおあああああああっ!!!

ああああぁあぁぁぁあっ!!!」

 

 

 

転んで腰をおさえながら穂乃果は

ぶつかった人物に注意しようと

首をフェニックスに振り向けた。

だがフェニックスは急に声を荒げて

まるでストレスを自身の大声で

かき消そうとしてるみたいだった。

そして数秒経つとフェニックスは

何事もなかったかのようにそのまま歩き出した。

 

 

 

 

「?‥‥‥あ、あれってもしかして‥‥?」

 

 

 

その姿を見た穂乃果はフェニックスと何処かで

会ったような気がしていた。

だが穂乃果は人違いだとまずいので声をかけずに

ただ、彼の背後姿を見つめることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

翌日、通学路にて。

 

 

 

 

「ちっくしょーー!寝過ごした!」

 

 

音ノ木坂学院へと向かう途中、

晴希こと俺は、言わなくても分かるな?

ゲームとテレビに夢中になって寝坊しました‥。

目を覚ますと穂乃果達からの

着信履歴やラインの通知がかなり来ていたが

俺は返す暇もなく準備してマンションを飛び出し、

歩きでは間に合わない俺はマシンウィンガーで

登校していた。

 

‥‥うん、さすがはバイク、

これなら余裕で間に合いそうだ。

 

俺は時間を確認する為、一瞬よそ見して

腕時計を見た。

だが、その一瞬のよそ見は運転する人の

運命を大きく変えかねない瞬間でもある。

突然、横断歩道を何かメモらしきものを

見ながらバイクが走行してるとは知らずに

人が飛び出してきた。

 

 

 

 

「‥っ!!あぶねぇっ!!」

 

 

 

「‥‥え、きゃあっ!!」

 

 

 

俺は人の姿を確認すると同時にブレーキをかけるが

間に合わず、覚悟を決めて歩行者の道へと

飛び出し、その先にあるごみ捨て場へと

マシンウィンガーごと突っ込んだ。

 

 

 

 

「‥‥‥いって〜‥!あ〜やらかした‥‥‥。」

 

 

「あ、あの!大丈夫ですか‥‥!?」

 

 

ごみ捨て場ですごい体勢で転ぶ俺に

人‥‥少女が近寄ってくる。

俺はジェットヘルメットの中から

その少女の身体を見て、どこにも怪我がないことを

確認しながら一息を吐く。

 

 

 

「んよっと‥‥、俺は大丈夫。

君はどこも怪我してない?平気か?」

 

 

 

「はいっ、私は‥平気みたいです。

ご、ごめんなさい!急に飛び出してしまって‥。

それに怪我まで‥‥!」

 

 

俺は体を起こして体に付いてるゴミを払い、

ジェットヘルメットを外しながら

少女の安否を確認するが、

やはり怪我はしていないようだが、

少女は自分の不注意に反省し、

深々と頭を下げてくる。

 

 

「あ〜大丈夫大丈夫っ。

いつもの事だから‥‥よっと!」

 

 

魔法使いとしてファントムと戦ってるため

体は並の人より丈夫だ。

だからこれくらいじゃ然程痛くない。

俺はそう言いながらマシンウィンガーを起こして

傷がない事を確認して再び少女を見る。

すると俺は少女の服装に目が行き、口を動かした。

 

 

「その服装‥‥音ノ木坂の生徒?」

 

 

「あ、えと正確には今日から‥です。」

 

 

「今日から?」

 

 

 

少女の服装を見るとそれは音ノ木坂の制服で

新品同様の服装だった。

少女の言葉に俺は首を傾げるがすぐに理解する。

 

 

「あ、もしかして転校生?」

 

 

「はいっ、‥‥貴方も、音ノ木坂学院の

生徒‥ですか?」

 

 

「まぁそうだな。数少ない音ノ木坂の男子生徒。

あ、俺は操真晴希。よろしくっ。」

 

 

 

俺はそう聞くと少女は はい と頷く。

そしてジロジロと俺の制服を見ながら

聞いてきたので俺は答えるがてら

自己紹介をすると、少女の顔が少し険しくなる。

 

 

 

「‥‥操真‥晴希‥‥‥‥‥?」

 

 

「おう、‥‥‥どした?」

 

 

 

「‥‥あ、ごめんなさい。

私はコヨミ、奈々城コヨミっていいます。

‥‥本当にお怪我の方は大丈夫ですか‥?」

 

 

 

「うん、よろしくコヨミさん。

大丈夫だって。それよりコヨミさんはどして

ここら辺を歩いてたの?音ノ木坂なら

あっちの方、もう見えてるぜ?」

 

 

 

俺の名前を小さな声で確認するコヨミ。

何処かで聞き覚えでもあるのか俺は

聞いてみるがコヨミは小さく首を横に振り、

自己紹介をしてくれたと同時に

まだ怪我の心配をする。

俺は肩を回してなんともないことを証明しながら

道に迷ってたのか俺は音ノ木坂学院がもう見えてる

斜め前方に指差すと、コヨミは あっ と声を漏らし、

その顔がみるみる内に赤くなる。

 

 

「あ、ありがとうございます!

ごめんなさい、私方向音痴で‥‥。」

 

 

「ははっ、それは大変だな。

じゃあ俺のバイクの後ろに乗っていきなよ。

もうそろそろ予鈴が鳴る時間‥‥‥。」

 

 

コヨミの恥ずかしがる姿を見て

軽く笑ってしまう俺は轢きそうになった

お詫びと学校に行くついでにバイクに乗れと

言いながら自分の発した言葉にあることを思い出し、

慌てて腕時計を見る。

 

 

すると、音ノ木坂学院の方から

予鈴のチャイムが鳴り響き渡る。

 

 

 

「うぉおっ!!?やべぇ!

コヨミさ‥コヨミ!すぐ乗って!

これヘルメット!」

 

 

「え、あ‥はい!‥‥あれ?

操真君、今どこからヘルメット出したのですか‥?」

 

 

「魔法、俺は魔法使いなんだっ。」

 

 

「‥‥‥ええっ!!?」

 

 

予鈴が鳴り、俺は急いでバイクに跨り

コネクトリングで取り出したもう一つの

ジェットヘルメットをコヨミに渡すと、

コヨミは魔法陣から取り出した

ヘルメットに疑問を抱いて聞いてきたので

俺は単刀直入で答えると

数秒経過してかなり驚いていた。

とまぁそんなやり取りする時間もないので

早くヘルメットを付け、コヨミもバイクに跨り

俺たちは音ノ木坂学院へと全力で向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

音ノ木坂学院、昼休み屋上にて。

 

 

 

 

 

「コヨミちゃん!μ'sに入りませんか!?」

 

 

「え‥‥?えぇっ!?」

 

 

「待て待て待て待て穂乃果っ。」

 

 

 

昼休みになり、屋上へと集まった

μ'sの9人と俺、そしてコヨミ。

屋上へ来るなり穂乃果はいきなり

コヨミの両肩を掴み、凄い笑顔で勧誘しだした。

 

 

「穂乃果、コヨミさんに失礼ですよっ。」

 

 

「いきなりすぎるわよ‥‥。」

 

 

「同感ね。」

 

 

「コヨミちゃんは逸材だよ!

穂乃果には分かる!分かるんだよ!」

 

 

穂乃果の行動に園田海未、矢澤にこ、

そして髪をクルクルといじる西木野真姫が

そう言ってるとキラキラとした瞳で

穂乃果は海未達や俺にそう言ってきた。

あの後普通に遅刻した俺は先生に怒られ、

コヨミは何も言われていなかった。

そしてコヨミは転校生として来たのだが

なんとびっくり、俺と同い年で

同じ学年の同じクラスに来たのだ。

 

本当はもう少し前に転校してくる

予定みたいだったのだが、詳しいことは

分からないが入院していたみたいだった。

そしてつい最近退院し秋葉原に来て、

ここ音ノ木坂学院に転校してきたらしい。

 

 

 

「えと‥あの‥‥。」

 

 

「大丈夫!悪いようにはしないから!‥いたっ!?」

 

 

「やめんか、目がと鼻息が怖いわ。」

 

 

どうする事も出来ずに戸惑うコヨミに

穂乃果は荒い息をたてながら勧誘するが、

他の人から見れば明らかに不審者みたいな

行動だったので俺は軽くチョップをして

穂乃果をコヨミから襟を持って引き剥がした。

穂乃果がここまで興味を持ってしまったのは

コヨミがスクールアイドルが大好きらしくて、

特にμ'sが気に入ってるらしいんだと。

それを自己紹介の時に聞いた穂乃果は

ピーンと閃いた様にコヨミを昼休みに屋上へと

連れ出し、現時点でこうなってるわけだ。

 

 

 

「はぁ‥。どうする晴希。

穂乃果は1度言い出したら聞かないわよ。」

 

 

「分かってるけど、無理に誘ったら

コヨミに迷惑だ。」

 

 

「あ、あの‥‥!」

 

 

 

言い出したら聞かないのはこの場にいる

全員が知っている。困った顔で俺に近付く

絢瀬絵里はそういってくる。

俺は軽く息を吐いて穂乃果を説得しようとした

その時、コヨミがその小さな声を上げる。

 

 

 

「踊ったり歌ったりはできませんけど‥

ま、マネージャーとかなら大丈夫‥。

ど、どうかな‥‥?」

 

 

 

「え?‥‥あ、全然いい、

むしろ大歓迎だけど‥、

コヨミはいいのか?」

 

 

 

予想外な返事に俺は返す言葉を遅らせてしまうが

コヨミはコクリと頷く。

 

 

「大丈夫です。

μ'sの穂乃果さんがせっかく誘ってくれたし‥

私中学の時にマネージャーとかしていたので、

できる限りのサポートならできます。

そ、それでもいいなら私からお願いです。

‥‥μ'sに、入ってもいいですか?」

 

 

 

「コヨミちゃん‥‥‥うんっ!

みんなもいいよねっ?」

 

 

 

マネージャーとしての加入に

穂乃果は戸惑うのかと思えば

元気よく頷き、他のメンバーにそう聞いていた。

 

 

「コヨミさんからのお願いならば

こちらが断る理由はありませんよ。」

 

 

「うん☆ことりも賛成☆」

 

 

「にゃー!新メンバーだにゃ〜!」

 

 

「コヨミさん‥よ、よろしくお願いします!」

 

 

「ウチも賛成。メンバーが増えて

賑やかになりそうやねえりちっ。」

 

 

「そうね、よろしくねコヨミさん。」

 

 

「‥‥まぁみんなが言うならいいんじゃない?」

 

 

海未、南ことり、星空凛、小泉花陽、

東條希、絵里、真姫はそれぞれが賛同し、

コヨミは笑顔で頷いた。

すると、にこがコヨミの前に立って

大きくその小さな胸を張る。

 

 

「仕方ないわね、コヨミ、

貴方を部の一員として認めるわ。

ただし条件があるの。

このアイドル研究部‥、

μ'sに入ったからには先輩後輩は禁止なの。

だから、今からみんなは呼び捨てで

にこの事はにこにーって呼びなさい!」

 

 

 

「先輩後輩禁止‥‥ですか‥‥?

わ、分かりましたっ。」

 

 

 

早速と言わんばかりに部長の立場の

にこはコヨミにそう告げて

コヨミは了承すると一呼吸して

にこや皆を見る。

 

 

 

「みんな、よろしくっ。

にこにーも。」

 

 

 

「‥‥‥っ!!」

 

 

状況を飲み込むのが早いコヨミに

一同は思わずおぉっと声を上げ、

にこに至っては手で口をおさえてなぜか

泣きそうな顔をしていた。

 

 

「‥‥にこ?どうした?」

 

 

「あ、あの呼び方されたの初めてで‥‥!

コヨミ‥‥もう一回呼んでくれない‥‥?」

 

 

 

「え、うん‥‥にこにー。」

 

 

「も、もう一回‥‥!」

 

 

「にこにー?‥‥‥ひっ!?」

 

 

「も、も、もぉいっk」パァン!

 

 

「やめんか!!」

 

 

自分で考えたあだ名で呼ばれたのが

嬉しかったのかにこはコヨミに名前を呼ばせるが

だんだんとにこは興奮して行き、

ジリジリとコヨミに近付きながら催促していたが

俺はコネクトリングを使い、魔法陣で取り出した

ハリセンで思い切り頭を叩いた。

 

 

「ちょっとぉ!?なんて事すんのよ!?」

 

 

 

 

「‥あ、そういえばメンバー紹介してなかったな。」

 

 

「あ、大丈夫。よくライブの動画見てたし

μ'sのみんなの名前も知ってるから‥。

まさか憧れのμ'sに入るなんて

思いもしなかった‥エヘヘ‥‥。」

 

 

「えりち‥‥あかん、ここに

凄く可愛い天使がおる‥。」

 

 

「希っ!?初対面の人にワシワシはダメよ絶対!」

 

 

 

俺はこの場にいる1年と3年のメンバーの

自己紹介をさせようとしたが、

コヨミは嬉しそうに微笑ましい笑顔で

そう言って皆の事を把握しているようだ。

その天使の様な笑顔を見た希は

両手を出してスキンシップを取ろうとするが

絵里に止められる。

‥そのやり取りの後ろで

「無視するんじゃないわよぉ!」と、

にこの声が聞こえるが、まぁ気にしない。

 

 

 

「‥‥そういえば、攻大はどした?」

 

 

「あぁ、こうっちなら教室で寝てるはずやで。

今朝神田明神に行ってたらかなり窶れた顔の

こうっちを見てな〜、もう幽霊かと思ってん。」

 

 

「幽霊って‥‥。」

 

 

穂乃果がメンバー全員を屋上に呼んだ筈なのだが

今希の説明通り攻大は教室でくたばってるらしい。

希の説明に俺は苦笑しながら

新しくメンバーに加わったコヨミに

色々と質問したり弁当を出して食べ始める

姿を俺は微笑ましく見ていた。

 

攻大の奴、昨日何かあったのだろうか‥‥‥?

 

 

 

 

「‥‥あ、そうだ。

コヨミの加入を記念のついでに

あの新作試してみるか。」

 

 

 

「お?なんやどんな魔法?」

 

 

俺はふと思い出して

ドレスアップリングと一緒にもらった

もう一つの魔法リング、〝エキサイトリング〟を

取り出した。

 

 

 

「おぉっ!新しい指輪だねっ。」

 

 

「これが‥‥晴希君が使う魔法‥‥?」

 

 

「そそっ、これを使って俺は魔法を使えるんだ。

じゃあコヨミ、俺のマジックしっかり見とけよ?」

 

新作リングを取り出すとしゃべっていた

穂乃果達はこちらの方を見てくる。

コヨミもかなり興味津々で見てくるので

俺は軽く気合いを入れながら

エキサイトリングを右中指に取り付ける。

そしてμ's全員から軽く拍手が送られ

俺はエキサイトリングをベルトにかざした。

 

 

 

 

 

《エキサイト・プリーズ》

 

 

 

 

音声が鳴った瞬間だった。

俺は身体に違和感を感じると

上半身の学生服が一気に破れ

ムキムキになった身体がさらけ出す。

 

 

 

「うわっ!?何だこれ!?

めっちゃゴリゴリじゃんっ!」

 

 

 

 

「「「「「「「「‥‥っ!!」」」」」」」

 

 

 

肌をさらけ出し、尚且つムキムキな身体の

晴希の姿をμ'sメンバーはあんぐりと

口を開ける子もいれば顔を真っ赤にする人もいる。

どうやらこれは筋肉増量の指輪みたいだった。

だからエキサイトね‥‥、

これ使えばラ◯ザップとか出れるんじゃないか‥?

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

 

「コヨミ、どう?凄いだろ?」

 

 

俺の身体を目を見開いて見るコヨミに

俺は軽くマッチョポーズをとりながら

聞いてみるがコヨミは我に帰り

手首を小刻みに左右に振った。

 

 

 

 

 

「‥‥ないないないない。」

 

 

 

 

「えぇえーーーっっ‥‥‥。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

放課後、2階の階段付近にて。

 

 

 

 

「‥え、穂乃果ちゃんも帰っちゃうの?☆」

 

 

「家の用事ですか?」

 

 

 

「う、うん‥ごめんねっ。

今日はちょっと用事ができちゃって‥。」

 

 

 

「珍しいな、穂乃果が用事って。」

 

 

 

放課後、さっそく練習する為

俺はドレスアップリングを使用し、

練習服に着替えたことり、海未は

既に屋上へ行ってる皆の所へ行こうとしていたが、

今日は俺と花陽は前から約束していた

とあるスーパーで一定の金額で買い物すると

お一人様1枚のお米券が貰える日で

俺と花陽は部活をお休みに。

そして穂乃果も何か用事があるらしく、

俺がそう聞くと あはは と苦笑する。

 

 

 

「コヨミちゃんもごめんね、

今日が初の部活参加なのに‥。」

 

 

 

「ううん、私は大丈夫。

また明日があるから。」

 

 

 

初参加のコヨミ(マネージャーなので体操服)も

穂乃果と俺らがいないことに

少し残念そうな顔をするが笑顔で

そう言ってくれた。

やばい、笑顔マジ天使だろこの子‥。

 

 

 

「‥うし、じゃあ俺は花陽を下で待たせてるから。

それじゃあみんな、お疲れっ。」

 

 

 

「はい、お疲れ様です。」

 

 

「晴希君バイバーイ☆」

 

 

「お疲れ晴希君。」

 

 

 

「あっ、待ってよ晴希君!

下まで穂乃果も行くよ〜っ!」

 

 

 

俺は腕時計で時間を確認し、

1階で待ってる花陽の元へ向かうべく

2年の皆と別れて帰ることに。

穂乃果も俺の後を追いかけて帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

秋葉原 とある道中にて。

 

 

 

 

 

「はぅ〜!晴希君ありがとうっ!

でも本当によかったの?」

 

 

「いえいえ、俺はお米券が欲しいほど

お金とかに困ってないから大丈夫だ。」

 

 

約束通り秋葉原のスーパーで一定の買い物をして

2人分のお米券を貰い、その2枚を花陽にあげていた。

もちろん花陽は大喜び。

俺も数日分の買い物が出来て一石二鳥って

感じだな。

買った物はコネクトリングでお家にっと。

いや〜魔法って便利だぜっ☆

 

 

 

「‥てっきり凛のやつも

来るのかと思ってたけどな。」

 

「誘ってはみたんだけど‥‥、凛ちゃんは

お財布の問題で‥。」

 

 

「あー、納得。」

 

 

そういえばラーメン屋巡りして

お金がピンチにゃー とかなんとか言ってたな。

花陽の言葉に俺は苦笑してると、

全方から凄い悲鳴声が聞こえてくる。

 

 

「っ?悲鳴‥‥!?」

 

 

「何かあったみたいだな。」

 

 

花陽もそれに気付き、俺は

ウィザーソードガンを銃モードで取り出して

悲鳴が聞こえた先へと花陽と共に走って行った。

 

 

 

 

 

ーー

 

 

「ぎゃあぁああっ!?

うわぁ!おわぁあぁ!?」

 

 

 

「ふふ‥、さぁ、

もう逃げ場はありませんよ?

ではそろそろ見せてください。

恐怖に怯え、絶望した顔をな?」

 

 

 

女の子のくせに物凄い声を発して

逃げ回る女性の後ろから

タクトを振る素振りをして

楽団の指揮をしてるかのように近づいて来るのは

頭部の側面に悪魔の翼のような部分があり、

まるでハエの顔面の様な意匠となってる胴体を

持つファントム〝ベルゼバブ〟だった。

 

 

 

 

「ハッハッハー‥‥‥‥っ!?」

 

 

余裕を見せて特徴的な笑い方をしていると

突然ベルゼバブの身体に銀色の弾丸が直撃し、

火花を散らしながらベルゼバブは多少蹌踉めく。

そして撃ってきた方向を見ると

ウィザーソードガンを構えてる俺と

その後ろから花陽が駆け付けていた。

 

 

「ぇえええええェェェっ!!?」

 

 

「花陽、ゲートを頼めるか?」

 

 

「わ、分かりました!」

 

 

女性‥恐らくゲートは俺の登場を見て

かなりびっくりしているが

女性のくせしてすごい声出してるので

逆にびっくりする‥‥関西人?

そんな事を軽く思いながら俺は

花陽にゲートを任せてベルゼバブと向き合う。

 

 

「ハッハッ〜‥指輪の魔法使いですか?」

 

 

 

「当たり。」

 

 

撃たれたくせにまたタクトを振る素振りをして

余裕を見せるベルゼバブ。

その問いに俺は短文で答えて

ドライバーオンリングをベルトにかざそうとした

その時だった。

 

 

 

『メールだよ♩メールだよ♩メールだよ♩』

 

 

 

「あ、私の携帯、てゆかメール!!」

 

 

「えっ?あの、そ、そんな事より

早く逃げましょう!は、早くぅ!」

 

 

突然ゲートが落としたのであろう、

スマホから着信音が鳴り出し

花陽に連れてかれ逃げようとしたゲートは

すごい勢いで落としたスマホを取りに行く。

命が狙われてるのに全く危機感を見せない

ゲートに対して花陽は無理矢理にでも

彼女を引っ張りその場から逃げていった。

 

 

「‥‥ふむ、まだ面白くなりそうだ。

指輪の魔法使い、また後ほど‥‥

お会いしましょう。」

 

 

「え、あ、ちょっ!?

‥‥‥あ〜逃げられたか‥。」

 

 

俺とベルゼバブがその光景を見てると

ベルゼバブはそう言ってその背後に作り出した

黒いゲートらしきものに入っていき、

その場から姿を消して行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

とある喫茶店にて。

 

 

 

「あ〜繋がんない〜!

どぉしよぉ‥‥!」

 

 

 

「‥あの、貴方が狙われてるのは

分かりますよね?

ですが安心してください、俺がちゃんと守r」

 

 

「あ、もしもしヒサくん!?

大変なの!私さっき化け物に襲われちゃって!

‥違うの本当に襲われたの!

もぉ旦那様なら信じてよぉ〜!」

 

 

 

「‥‥聞いてねぇし。」

 

 

「‥人と繋がってないとダメなタイプみたいだね‥。」

 

 

ファントムが追ってくる気配もなく

喫茶店でゲートやファントムについて事情を

説明する俺だが、この女性(志保)は

俺の話を聞かずスマホをいじっては

友達と連絡を取り、終いには旦那らしき

人物と電話をする始末。

俺は眉をピクピクさせながらその態度に驚き

隣に座ってる花陽は俺の耳元でそう囁いてくる。

すると志保は店の時計を見ると

目を見開き、電話してる旦那との通話を

切るねと言って切ったのだ。

 

 

「大変!これからダンスの練習があるの!」

 

 

「えぇっ!?ちょっ、ちょっと待ってて‥

じゃなくてちょっと待ってください!」

 

 

「いやちょっと待ってよ志保さ〜ん‥!

俺たちの話聞いてましたっ?」

 

 

突然立ち上がり、店を出ようとした志保を

花陽は慌てて止めて俺も止めようとする。

 

 

「だって!もし約束破って嫌われたら‥

さっきもお食事会でみんなひどい態度だったし‥

あ、私‥‥!ゔぁああああああん!!!」

 

 

「あ、あの、えと!だ、誰か助けて〜!」

 

 

「ちょ‥!泣きたいのはこっちだし!

花陽までそんなこと言わないでよぉ〜!!

あー分かった!分かりました!

俺たちも行きますから!」

 

 

 

自分勝手な性格に俺は半分嫌々で花陽と共に

志保のダンスレッスンについて行くことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

とあるコンサート会場の倉庫にて。

 

 

『フン、勿体つけずに死への恐怖で

絶望させりゃあいいものを‥‥‥。』

 

『趣味の問題さ。

私はじわじわ苦しめるのが好きなんだ。

真綿で首を締めるようにジックリとね‥。

まぁ、暴れるしか能がない奴には

分からないだろうけどな?』

 

 

 

 

「ベルゼバブの野郎‥‥!

相変わらずムカつくぜっ!

何が暴れるしか脳がない奴だ‥‥!

俺は‥俺はただ暴れたいだけだ‥‥!!」

 

 

「だったら見返してやることね。

ちゃーんと頭を使った作戦で。」

 

 

先ほどベルゼバブと対面したフェニックスは

性格が合わないのかベルゼバブに言われた事を

根に持ち、この怒りをどこへぶつけていいのか

わからず文句を言ってた所にメデューサが

そう言いながらフェニックスの元へ来る。

 

 

「次の出番が来たら教えてあげるわ。」

 

「次っていつだっ?」

 

 

「‥‥さぁ‥?」

 

 

ゲートかどうかを見極める能力を持つメデューサ。

彼女の指示で大抵のファントムは動いているが

フェニックスもその一人。

だが待ちきれないフェニックスは

急かすようにメデューサに聞くが

メデューサはクスクスと笑いながら

首を傾げるだけだった。

 

 

 

「‥‥あのやろぉ‥‥‥‥‥。

絶対思い知らせてやる‥!」

 

 

それに対してフェニックスはキレるが

それよりもベルゼバブの方が怒りの

比が大きかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

ダンス教室にて。

 

 

 

「‥普通この状況で踊りに来るかな‥。」

 

 

「きっと友達といた方が

気が紛れるんじゃないかな‥?

あんなに楽しそうですし‥。」

 

 

志保のダンス教室先に見学という形で

来た俺と花陽。J−POP風の踊りをする

志保とそのメンバー達。

その踊りは中々キレのある踊りで

花陽はいつのまにか取り出した

メモ用紙とペンで何やらメモをとっていた。

‥今やスクールアイドルの時代だから

大人でもこういったダンスをしてるんだろうな。

だが俺は何か嫌な予感がして、

辺りをキョロキョロと見回していた。

 

 

「‥‥ほぁっ!」

 

 

曲の終盤に差し掛かり、

志保だけが声をあげてフィニッシュポーズを

決めて、花陽は思わず拍手をしていた。

 

 

「ふ〜‥、ゆうこりん私最後までできたよっ。

ゆうこりんやっぱすごい上手だよね〜っ。」

 

 

志保の友達であろう、隣で踊っていた

女性に志保はそう言って褒めていた。

 

 

 

「ゆうこりん?」

 

 

「‥‥‥‥ふん。」

 

 

が、その女性は志保に対して

軽く鼻で笑うと他のグループの所へ行き

和気藹々と喜び出したのだ。

志保はやっと気付いた。

いつの間にか志保だけ避けて皆は

ダンス教室の隅で互いが出来たことを喜んでいる。

言うなれば完全に孤立していた。

 

 

「‥‥っ!ねぇっ?

ちょっと!みんな!?」

 

 

志保の叫びに反応はしているが、

その目は鬱陶しい者を見るような目だった。

さすがに俺や花陽もこの場の空気がおかしい事に

疑問を抱き始める。

 

 

「何よぉ!!私、何か悪いことしたかな!?

もしそうだったら教えてよ!ねぇっ‥!?」

 

 

「っ!志保さんっ!!」

 

 

志保はそう言ってダンスを始めるまで

仲良く話してたゆうこりんに近寄ると

ゆうこりんは志保を思い切り突き飛ばしたのだ。

 

 

「志保さん大丈夫ですかっ!?」

 

 

「何でよ‥何でみんな無視すんのよっ!!!」

 

 

「あっ、志保さん!!」

 

 

突き飛ばされた志保に俺と花陽は駆け寄るが

志保はどうしてこうなったのか分からず

そう叫んでダンス教室を飛び出していき、

その後を花陽は追いかけて行った。

 

 

「‥‥ちょっとダメでしょっ!

みなさんいい大人してあんな態度とっちゃ‥‥

‥‥‥え?」

 

 

俺は腹が立ち、その場の全員を叱ろうとする。

が、俺が言いかけた瞬間、女性達の目が

一瞬だが白く光ったのが見えた。

そして俺を無視して再び女性同士で会話をし始め

俺は呆れて志保と花陽の後を追うことにした。

 

 

 

 

 

 

 

「待ってください!志保、さん!」

 

 

「みんなが私の事無視するんじゃない‥!

何で、何で今日はみんな無視するの!?

私昨日何か悪いことしたかな‥!?」

 

 

「そんなことありません。大丈夫です、

志保さんは1人、なんかじゃありませんっ。

今も目の前に私がいますっ。

晴希君だってついてます‥‥!

あ、さっきの踊りすごかったですよ!

私スクールアイドルをやってるので‥‥

今度よかったら参考に

させてもらってもいいですか‥?」

 

 

泣きながらエスカレーターを降りる志保に

花陽は追いかけて必死に励まそうとしている。

その言葉を聞いて少し安心したのか

志保は立ち止まる。

 

 

「ありがとう‥‥私のなんかでよかったら‥‥。」

 

 

‥やればできるじゃないか。

志保は落ち着いたらしく

俺は花陽を見てそう思っていたが。

その時、花陽の目が白く光った事に

俺は気付いていなかった。

 

 

「‥‥‥。」

 

 

「っ、どあっ!?」

 

 

「っ!おい何やってんだ花陽!?」

 

 

次の瞬間、花陽は突然志保の背中を突き飛ばし、

不意を突かれた志保はその場に思い切り

転んでしまう。俺はその行動に目を疑うが

急いで志保に大丈夫かと駆け寄るが。

 

 

「どうして‥どうしてよ!もぉ嫌!!」

 

 

「志保さんっ!‥‥‥おい花陽っ!」

 

 

励まされ心を許した相手にいきなり

ど突かれたらそうなってしまうであろう。

志保は耐え切れずどこかへと走り去り、

俺はど突いた花陽の両肩を持って花陽を見るが、

その目は先ほどの女性達の様に虚ろな目をしていた。

 

 

「‥‥‥?え?あれ‥‥?うっ‥‥?」

 

 

「(今の目‥間違いないな‥‥。)

花陽、大丈夫か?‥‥1人じゃあぶないな。

ガルーダ、あの人の後を追ってくれ。」

 

 

すると花陽は何が起きたのか分からない顔で

辺りをキョロキョロと見て、

頭痛がしたのか頭を軽くおさえる。

その様子を俺はファントムの仕業だろうと

確信し、志保の後をちょうど飛んでた

俺の使い魔、レッドガルーダに指示を出し、

後を追わせ、俺はスマホを取り出して

絵里達に通話をかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

秋葉原、とある花屋にて。

 

 

 

「ここ‥かな?‥すみませーん。」

 

 

「はいはい、いらっしゃ‥‥穂乃果ちゃん?」

 

 

用事があると言って練習を休んだ穂乃果は

とある花屋へと顔を出した。

そこは穂乃果が小さい頃によく花を買う為に

訪れていた花屋で、奥の部屋から出てきた

店主も全く変わらない人物だった。

その店主も穂乃果の姿を見て一目で分かったのか

彼女の名前を呼ぶ。

 

 

「あ、亜滝さん!お久しぶりですっ。」

 

 

「穂乃果ちゃんか!?いや〜随分と

大きくなったねぇ!小学校以来かなぁっ。」

 

 

亜滝と呼ばれる店主は穂乃果の顔を懐かし気に

見ていた。互いが久しぶりに会うので

少し世間話をした後、穂乃果は本題に入る。

 

 

 

「あの、亜滝さん。

‥‥‥藤田さんいますか‥?」

 

 

「え?あぁ、ユウゴ君ね‥‥‥、

実は突然と来なくなっちゃってね。」

 

 

「えっ‥‥?」

 

 

穂乃果はとある人物の名を出し、

亜滝店主にそう聞いてみるが

予想外の返答に穂乃果は声を漏らしてしまう。

藤田ユウゴ、穂乃果が小学生の頃、

ここで働いてた人物で

花や植物が大好きで

いつも明るくて優しい人物だった。

その人物が、昨日の夜路地裏で叫んでいた

フェニックス(人間態)だった。

小さい頃の記憶なのでうる覚えだが

あの顔を見た瞬間穂乃果は真っ先に

藤田ユウゴを思い出した。

 

 

「来なくなったって‥辞めたんですか?」

 

 

「さぁ‥、辞めるとも何とも言わずに

急に出勤しなくなっちゃって‥‥。

連絡も繋がらないし、

‥なんか事件に巻き込まれたんじゃないかって

心配でね‥‥‥。」

 

 

事件という言葉を聞いた穂乃果は

ふと、晴希の言ってた言葉を思い出す。

絶望した人間はファントムになると

性格やその実態は前の人間そのものだが

中身は全く別人になること。

 

 

「まさか‥‥‥、もしかして‥‥‥。

亜滝さん、藤田さんの住所分かりますか?」

 

 

もし、そうだとしたら昨日出会した

藤田ユウゴは恐らく‥‥‥。

そう思った穂乃果は真相を確かめるべく

亜滝店主にそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

仕事先の駐車場にて。

 

 

 

「休憩行ってきまーす。」

 

 

男性は駐車場にいる警備員にそう言って

自身の車の場所へと歩いていくと、

その車の近くで体育座りをしている人物‥

志保がいた。

 

 

「あぁああっ!!ヒサ君〜〜!!!

助けてヒサ君!なんかね、みんな変なの!

みんな私の事無視するの!

もうヒサ君だけが頼りなn」

 

恐らく志保の旦那様と思われる人物に

志保はすがり寄って泣き出すが、

まだ喋っている次の瞬間、

花陽達と同様、旦那は志保を突き飛ばしたのだ。

 

 

「フン‥‥‥。」

 

 

旦那は鋭い目つきで志保を見下ろし

そのまま車に乗ってエンジンをかけた。

 

 

「ちょ、ちょっと!ヒサ君!

ヒサ君!!‥‥‥きゃあっ!?」

 

 

車のロックまでかけられ、志保は窓越しに

旦那の名前を呼ぶがことごとく無視され、

そのままアクセルを踏み、車が出る勢いで

志保はその場に転び、車は走り去って行った。

 

 

「うぅ‥‥そんな‥‥!!

ヒサ君までぇえええ‥‥‥!!」

 

 

 

「ふははっ‥‥哀れな女だ‥‥‥。」

 

 

誰からも相手にされない志保は

その場で泣き喚いていると、

駐車場の隅から聞き覚えのある声が聞こえ、

振り返るとそこにはベルゼバブが立っていた。

 

 

「誰からも見向きもされない、

所詮お前は邪魔でウザい女だったわけだぁ。」

 

 

「‥‥‥っっ!!」

 

 

「ふふ、さぁ!孤独に絶望しろ!」

 

 

 

ベルゼバブの言葉に更に深く沈む志保。

そして顔を埋めてしまい、

今にも絶望しそうになったその時。

 

 

 

 

「待った!

志保さんを孤独にさせてんのはお前だろ!」

 

 

「おや、指輪の魔法使いですか‥。」

 

「‥‥‥えっ?」

 

 

寸前で駆けつけた俺はベルゼバブにそう言うと

志保はきょとんとした顔で俺を見る。

 

 

「そいつがみんなを操ってんだ。」

 

 

「へぇ、私のせいだって証拠は‥?」

 

 

「逆にお前のせいじゃないって証拠は?」

 

 

「ふ、ふふふふ‥‥‥確かにないな。」

 

 

俺の言葉にベルゼバブはにやけながら返してくるが

突然人があんな風になるのはどう考えても

ファントムしかいない。

そう思って俺も言い返すとツボに入ったのか

静かに笑い出し、自分の所為だと認めた

ベルゼバブ。

 

 

「よくも花陽にまで手を出してくれたな。

志保さんはどこかへ隠れててくれ、

俺がこいつからみんなを元に戻す方法、

力ずくでも聞き出してやるから。」

 

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

 

俺はそう言いながら

ドライバーオンリングをベルトにかざし、

音声が鳴るとともにベルトは

ウィザードライバーへと形を変え、

俺はシフトレバーを上下に動かした。

 

 

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!》

 

 

 

 

待機音声が鳴り始め俺は

フレイムドラゴンリングを左中指に

取り付け、バイザーを下げる。

 

 

「始めから全力で行かせてもらう、変身。」

 

 

 

 

 

《フレイム!・ドラゴン

 

ボウー!ボウー!・ボウーボウーボォ!!》

 

 

 

 

 

荒々しい音声と共に魔法陣が現れ

俺の周りを炎を纏ったウィザードラゴンが

飛翔し、俺の身体に入り込むと、

俺は仮面ライダーウィザード

フレイムドラゴンスタイルへと姿を変えた。

 

 

「‥‥貴方は一体‥‥?」

 

 

「ウィザード、魔法使いです。

さぁ、どこか安全なところへ。」

 

 

ウィザードの姿を見るなり志保は

先ほどのテンションではなく静かに驚き、

ウィザードは志保へそう告げて

ベルゼバブを向き合うと、ベルゼバブは

いつのまにかグールを数十体召喚していた。

 

 

 

「ふふっ。行け‥グール共。」

 

 

 

「「「ーーーーッ!!」」」

 

 

 

ベルゼバブの指示でグールの群れは

雄叫びを上げて槍を構えウィザードに

接近してくる。

ウィザードは軽くグールの攻撃を受け流し

距離を取るとウィザードホルダーから

エキサイトリングを右中指に取り付けた。

 

 

「生身では評価が悪かったが、

実戦はどうなるかなっ?」

 

 

ウィザードはそう言いながらシフトレバーを

上下に動かし、エキサイトリングを

ドライバーにかざした。

 

 

 

《エキサイト・プリーズ》

 

 

 

音声が鳴り、ウィザードはマッチョポーズを

構えるとウィザードの身体は生身で使った時よりも

倍の大きさにムキムキの筋肉となった。

 

 

「‥‥ムゥン!!フォア!!」

 

 

声もガラリと変わり

その巨体と力を武器にグールの群れを

一瞬にして倒していく。

 

 

「スッゲェ!!ムゥンッッ!!」

 

 

軽く力を入れただけであっという間に倒せる

ウィザードはこの力に惚れ惚れしながら

群がっていたグールを倒していく。

ドラゴンとエキサイトを合わせれば敵なしか‥?

 

 

「ふぃ〜、‥ん?ちっ、まだいるのか。

‥ハァッ!」

 

 

ウィザードは元の大きさに戻ると

奥からまたグールが出てくる。

ベルゼバブはその光景を

タクトを振る素振りをしながら眺めているので

それに少し頭にきたウィザード。

そしてグールの群れに駆け出し、

交戦し始めたその時。

 

 

 

 

「コラァアッ!!晴希!」

 

 

「あ、攻大。おっす。」

 

 

「うっす!お疲れっす!‥じゃねぇよ!!

何お前俺がへばってる時に俺の飯倒してんだよ!」

 

 

突然使い魔のグリフォンと共に駆けつけてきたのは

今日一日中ダウンしていた攻大だった。

 

 

「いや、仕方ねぇだろ!」

 

 

「あー分かってる皆まで言わなくていい!

ーーが、しかぁし!こっから挽回させてもらうぜ!」

 

 

「あー分かった分かった!

何でもいいから早く手伝え!」

 

 

 

グールを相手しながら会話するのも

面倒なのでウィザードは手短にそう言うと

待ってましたといった顔で攻大は

ビーストリングを左中指に取り付け

その左手を大きく掲げた。

 

 

 

「変〜〜〜身っ!!」

 

 

魔法の言葉を言いながら

両腕を大きく回し、勢いよくCの文字を

表すようなポーズで右に身体を傾け

左のリングスロットにビーストリングをはめ込み、

回転させるとリベレイションズドアが展開され

キマイラオーサーが現れる。

 

 

 

 

《SET!Open!!

 

L!・I!・O!・N! ライオーン!!》

 

 

 

 

「でえぁ!!」

 

 

テンションの高い音声が鳴り

掛け声と共に両手を広げると

真正面にビーストの魔法陣が現れ

攻大の身体を通り抜ける。

そして攻大は仮面ライダービーストへと

姿を変え、さっそくビーストは

グールの群れへと駆け出した。

 

 

 

「ランチターイム!!どおりゃっ!!」

 

 

「おっと!あぶねぇなぁ!」

 

 

ビーストはグールの顔面を持ち投げ飛ばすと

その先にウィザードが交戦しており、

ギリギリの所でウィザードは飛んできたグールを

避け、ビーストにそう言いながら

グールを倒していく。

 

 

 

「うし、攻大!そいつらは任せた!」

 

 

「あ?お、おい!そのファントムも取っとけよ!?

いや、あいつの事だからすぐ倒してしまいそうだ!」

 

 

残ったグールはビーストに任せて

ウィザードはウィザーソードガンを取り出して

ベルゼバブの元へ向かう。

ビーストは先に倒されちゃまずいと思い

カメレオリングを右中指に取り付け

ビーストドライバーの右のリングスロットに

ソレをはめ込んだ。

 

 

 

《カメレオ!ゴーッ!

 

カカッ、カッカカッ、カメレオー! 》

 

 

そして音声が鳴り響き

緑の魔法陣がビーストの右肩を通り抜ける。

そしてビーストはカメレオマントを

装着し、スタイルチェンジする。

 

 

 

「ん〜!せいっ!!」

 

 

ビーストの掛け声に反応するかの様に

カメレオマントの目の部分が輝きだすと

その口の舌が伸びビーストの周りにいた

グールの群れをカメレオマントの舌で

力強く巻き付け、ダメージに耐え切れず

グールは爆散した。

そして爆発した所から魔法陣が飛び出し

ビーストドライバーへと吸い込まれていく。

 

 

 

 

 

「ふはは!こい!」

 

 

「言われなくてもいくつもりだ!!」

 

 

余裕で構えるベルゼバブにウィザードは

そう言いながらウィザーソードガンを

剣モードに構えて突き出したその時だった。

 

 

 

「っしゃあ!俺も本気で行くぜドアァ!?」

 

 

 

「っ!?‥え?」

 

 

ウィザードが突き出したその先に

なぜか黒いゲートらしきものが出ており、

ベルゼバブにウィザーソードガンの刃は

届いておらず、その刃はなぜか

残ったグールを倒すため気合いの入ってた

ビーストへと当たっていたのだ。

 

 

「おやおや、どうしました?」

 

 

「っ!こんのっ!!」

 

 

「っ!?痛っ!?お、おい晴希!!

何のつもりだテメェ‥!?」

 

 

ベルゼバブの挑発にウィザードはもう一度

ウィザーソードガンを突き出すが

また黒いゲートらしきものが現れ

ウィザーソードガンの刃先は

ビーストの背中へと当たっていた。

 

 

 

「っ!?何で‥‥!?」

 

 

「はっははははっ‥!

その程度の魔力じゃ、このベルゼバブの

()()()()()能力には通用しないのさ!

ハァッ!!」

 

 

「ぉあっ!!?このっ!!」

 

 

「ほいっと!」

 

 

ウィザードが混乱し、それを高笑いで見る

ベルゼバブは自身の能力を言いながら

取り出した剣でウィザードを斬りつけた。

ウィザードも負けずとウィザーソードガンを

振りかざそうとするとベルゼバブは

黒いゲートを作りその中に入り込んだ。

 

 

「はっはぁっ!!」

 

 

「っ!うぁっ!?」

 

 

そして後方から黒いゲートを使って

現れウィザードの背中を剣で斬り込んでくる

ベルゼバブにウィザードはそのまま吹き飛ばされる。

 

 

「晴希っ!大丈夫かっ!‥‥だぁもぉ!

邪魔なんだよてめぇら!!」

 

 

 

ビーストもウィザードの心配をするが

残ったグールの群れにその場を阻まれ

身動きが取れないでいるビースト。

 

 

 

 

「っ!‥‥‥だったらこっちにも考えがある!」

 

 

 

 

ウィザードはそう言って

ある1つの指輪を取り出し、

シフトレバーを上下に動かすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、仮面ライダーウィザード

 

 

 

「藤田さん‥、覚えてますか?

私、高坂穂乃果ですっ!」

 

 

「‥‥あぁ、そんな奴いたっけ。」

 

 

フェニックスと接触した穂乃果!

彼女の運命は!?

 

 

 

 

 

「強さを求めるのなら、方法はある。」

 

 

「‥‥教えてくれ、頼む。」

 

 

 

突然現れた白い魔法使いに

晴希は何を望む!?

 

 

 

「えぇーん‥!かよちんが怖いにゃ〜〜!」

 

 

「あ、悪霊退散ーーー!!」

 

 

「希!落ち着いて!花陽は人間よ!」

 

 

おかしくなった花陽に泣き出す凛。

数珠やらお札やらで装備した希を

必死に止めようとするコヨミ。

 

 

 

 

 

「見せてやるよ、本当のドラゴンの力。」

 

 

 

《ドラゴタイム》

 

 

 

「「「「さぁ、フィナーレだ。」」」」

 

 

新しい力を手に入れたウィザード!

4人揃ってウィザードレンジャー!‥え?

 

 

 

 

第33話 四大!ドラゴン乱舞!!

 




はい寝不足しょーくんです!(^^)
いや〜‥小説って大変ですね‥。
ついにコヨミさんのご登場ですね(≧∇≦)
でもいまいちキャラがつかめない‥(;_;)

次回は
晴希と白い魔法使いが再び接触!
新しい力を手にする晴希と
穂乃果とフェニックスの行方は!?
ここから展開はヒートアップしていくぜよ!

そして‥友達に言われて気付いたのですが
まさかの昨日ランキングに私の作品が
のっていたとは‥‥‥めっちゃ驚き( ゚д゚)
私のような作品がのってしまって
いいのだろうかと思ってしまいました(>_<)

感想、評価などがあれば是非お願いします(^^)

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