ラブウィザード! 〜希望の柱〜   作:しょくんだよ

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それではさっそく2期!
‥‥って思っていたであろうが、
スンマセン(>_<)
サイドストーリーを書かせてください
_| ̄|○

秀夜君の出番も増やさないと‥
そして今回は秀夜君が‥‥‥‥!


ではでは、どぞ笑


SS A-RISEの希望

ーーー

ライブ会場、控室にて。

 

 

 

 

 

7日間のラブライブ!が

始まってから6日目。

今日は昼からライブスタートされて

会場は大盛り上がり。

 

 

 

「‥‥‥ふぁああ〜〜‥‥ねむ‥‥。」

 

 

ただ1人、藍崎秀夜を除いて。

ち、7日間連続ライブとかお偉いさんも

何考えてんだか俺には全く理解できねぇ。

2日目辺りから飽きて全力で帰りたいと思ってる。

‥のだが、クソチビの目が光ってる限り

俺は逃げ出すことができねぇ。

 

 

「秀夜君、今失礼な事考えた?」

 

 

そんなチビの事を考えていたらすぐこれだ。

A-RISEのリーダーの綺羅ツバサは

眠たそうにする俺に声をかけてくる。

 

 

「‥はっ、別にチビにはかんけーねーよ。」

 

 

「む‥‥いい加減その呼び方やめてくれるかしら?」

 

 

「そうだな、俺より身長デカくなったら

考えてやるよ。」

 

 

「っ‥‥いいわよ、牛乳飲みまくって

いつか見返してやるわっ。」

 

 

スマホをいじりながら適当に答えた俺の

言葉をツバサは受け止めそう決めていた。

ガキみたいに意地張るところも治した方がいい‥

‥‥と言いたいとこだがそれはそれで

面倒になるに違いねーだろな‥。

 

 

 

「ツバサちゃーんっ。」

 

 

そこへライブ衣装へと着替え終えた

A-RISEの2、3人目のメンバー

優木あんじゅと統堂英玲奈がこちらに

近寄ってくる。

 

 

「ツバサ、そろそろ私達の出番だ。

トップだからといって気を抜いてる暇はないぞ。」

 

 

「‥‥分かってるわ。」

 

 

英玲奈の言葉にむくれてたツバサは

真剣な顔つきになりその言葉に頷き

俺の隣の席から立ち上がる。

英玲奈の言う通りだが、A-RISEは

現在断トツ1位をキープして

ラブライブ!6日目に突入している。

‥音ノ木坂の連中は不参加みたいだったな、

‥ま、俺にとっちゃどーでもいいが

少なくとも‥こいつらの人気は認めてやる。

 

 

「秀夜はどうする?ライブが始まれば

いつもみたくしばらくは1人になってしまうが。」

 

 

「どっかで時間潰す、てか帰りてぇ。」

 

 

「あらら、即答だね秀夜君。」

 

 

英玲奈が俺に訪ねてくるが

即答で答えてやるとあんじゅが

気の抜けた声でそう答える。

こっちはずっとこのライブに

付き合ってるんだ。

どっかの誰かがいなければ

俺は今頃自由だったろうがな‥‥‥。

 

 

 

 

コンコンッ

 

 

すると控室のノックがなり、

英玲奈がどうぞと言うと

ここの会場のスタッフがドアを開けて

顔を覗かせてくる。

 

 

「A-RISEの皆様、そろそろお時間ですので、

会場の方へ移動してください。」

 

 

「分かった、すぐ行く。」

 

 

スタッフの言葉に英玲奈が対応して

スタッフは頭を下げてドアを閉めると

ツバサは椅子から立ち上がる。

 

 

 

「ラブライブ!は今日入れてあと2日、

いよいよ明日が最終日だけど

気を抜いてる暇はないわよ?

私達の完璧なダンスで今日も決めましょう!」

 

 

「あぁ、もちろんだ。」

 

 

「はぁーい、分かってるわよ。」

 

 

ツバサの意気込みに英玲奈とあんじゅは

頷き、俺はやっと静かになると息を吐いた。

 

 

 

「ほら、秀夜君も何か言いなさい。」

 

 

‥‥とまぁ、話しかけてくるこいつがいる限り

ゆっくりも出来やしねぇ‥‥。

 

 

 

「知るか。」

 

 

俺はそう言って机の上に置いてた足を戻して

椅子から立ち上がり、控室から出ようとした。

 

 

 

「あ、ちょっとどこ行くのっ?」

 

 

「トイレ。‥‥‥何だ?

お前人の便所に興味あんのか?

変態だなぁ?」

 

 

「んなっ!?///ち、ちちち違うわよ!」

 

 

ツバサに声を掛けられ俺はニヤつきながら

そう言うと顔を真っ赤にして戸惑うツバサ。

それを見て俺は鼻で笑うと控室から出て行き

その場から姿を消した。

 

 

「全く、品のない奴だ。」

 

 

「まぁいいじゃない。

それより、木島さんの姿が見えないけど

どうしたのかな?」

 

 

「‥‥後で連絡すればいいわ、

早く会場へ行くわよ。」

 

 

秀夜の発言に呆れる英玲奈に

あんじゅはA-RISEの

マネージャーを担当している

木島という男性を探していた。

マネージャーがここにいないのは

おかしいはずだが、時間が迫ってる

3人は後回しにして会場へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

ラブライブ!会場から少し離れた所にて。

 

 

 

 

 

「あぁ〜‥‥!座りっぱなしだったから腰いてぇ‥!」

 

 

トイレと言って結局抜け出した秀夜は

思い切り背伸びをして腰を押さえる。

そして会場から聞こえる歓声と歌っている

A-RISEの曲に秀夜は振り返り耳を傾ける。

 

 

「‥‥‥‥‥。」

 

 

何を思ったのか秀夜はふんと鼻で笑うと

靴に何か違和感を感じ下を見る。

そこには秀夜の使い魔、ブラックケルベロスが

吠えながら秀夜の靴をつついていた。

 

 

「ファントムか、グッドタイミングだなぁ。」

 

 

これからどーするか考えたところで

こいつ(ケルベロス)

気の利いた事をしてくれる。

秀夜はニヤリと笑って先頭を走っていく

ケルベロスの後を追った。

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

廃墟ビルにて。

 

 

 

 

「本当こぉゆう場所好きだよなファントムはよぉ‥。」

 

 

 

走って息を切らし、秀夜は

辿り着いた廃墟ビルを見ながらそう呟き、

中へと入っていく。

外と違って中はひんやりとしており

水が溜まっている箇所がいくつかある。

ケルベロスは濡れるのが嫌なのか

秀夜の足元から駆け登り

肩にしがみついた。

 

そして秀夜はビルの階段を上っていくと

4階辺りの奥で人間と思われる人物を

2人発見した。

 

 

 

 

「じゃあ行きなさい‥‥‥。」

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

片方の女性、否。

上級ファントムのメデューサはそう言うと

暗くて見えづらいがもう1人の男は頷き、

素早い速度でどこかへ行ってしまった。

 

 

 

「‥‥‥いつまでそこに隠れてるつもりかしら。」

 

 

「‥‥おぉ、別に隠れてたつもりは

ないんだがなぁ。」

 

 

そして秀夜の存在に気付いたのか

メデューサはこちらを見てそう言うと

秀夜はニヤニヤしながら階段から顔を出して

メデューサへと近付く。

 

 

「何しに来た、紫の魔法使い。」

 

 

「そりゃ、てめぇを殺しに。

あ、それとさっきの奴の居場所教えろ

いちいち探すのめんどくせぇからよ。」

 

 

 

「どうやら思い知らなければ

分からないらしいな‥‥‥‥。」

 

 

 

 

頭を掻きながら言う秀夜に

メデューサは鼻を鳴らしてそう小さく言い放つと

その目が紫に光り、メデューサは

自身の髪を靡かせると怪人態へと姿を変える。

 

 

 

「へっ、今度こそぶっ殺してやる。」

 

 

 

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

 

メデューサの姿を確認し、そう告げた

秀夜はドライバーオンリングをベルトにかざし、

ベルトはウィザードライバーへと形を変える。

そしてシフトレバーを片手で上下に動かした。

 

 

 

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!》

 

 

 

テンションの高い待機音声が鳴り出し

秀夜はダークネスリングを左中指に付け

変身リングのバイザーを下げる。

その動作をしてる間に肩に乗っていた

ケルベロスは秀夜の肩から飛び離れ

秀夜とメデューサから離れるように駆けていく。

 

そして秀夜は顔を引き裂くように

左手を横へ振ると

魔法の言葉を言って

ソレをドライバーへとかざした。

 

 

 

 

「変身!」

 

 

 

《ダークネス!プリーズ

 

アク アク・アクアクアーク!!》

 

 

 

 

音声が鳴り響き、

秀夜は両サイドへ両手を軽く広げる。

真正面から紫の魔法陣が現れ

秀夜の身体を通り抜けると

仮面ライダーダークウィザードへと姿を変えた。

 

 

 

 

「んじゃ、ディストラクションタイムと

行こうか!」

 

 

 

 

「ふん‥‥。」

 

 

 

ダークウィザードはそう言って駆け出し

メデューサはその場に立ち、向かってくる

ダークウィザードを待っていた。

 

 

 

「おらぁっ!」

 

 

「ふっ!」

 

 

ダークウィザードは殴ると見せかけて

回し蹴りをメデューサに

お見舞いさせようとするが見切られたのか

その右足をメデューサは受け止める。

 

 

 

 

「たぁ!」

 

 

 

「うっ!?」

 

 

数秒格闘戦が続いた後メデューサは

隙をついてダークウィザードのお腹部に

蹴りを入れダークウィザードはお腹を抑えながら

後方へ下がる。

そして舌打ちしながらダークウィザードは

ウィザーソードガンを銃モードで取り出す。

 

 

 

「ふっ!!」

 

 

 

「‥‥っ!?」

 

 

ウィザーソードガンのコントラクトリガーを引き、

魔力で作られた弾丸はメデューサに当たり

火花を散らしながら怯むメデューサ。

その間にダークウィザードは

シフトレバーを動かし右中指に付けた

バインドリングをドライバーへとかざした。

 

 

 

《バインド・プリーズ》

 

 

 

「はぁっ!!」

 

 

 

「‥‥‥く‥っ!?」

 

 

 

ダークウィザードは一旦撃つのをやめ、

右手をメデューサに向けて突き出すと

メデューサの周りに複数の小さな魔法陣が現れ、

そこから紫色の鎖が飛び出し、

メデューサの身体に絡みつく。

鎖で身動きが取れない内にダークウィザードは

コピーリングをバインドリングと取り替え

シフトレバーを動かしてソレをかざした。

 

 

 

 

《コピー・プリーズ》

 

 

 

音声が鳴るとダークウィザードの隣に

魔法陣が現れそこから魔法で作られた

ダークウィザードが現れる。

2人のダークウィザードは同じ動作で続けて

シフトレバーを動かしコピーリングを

ドライバーへとかざした。

 

 

 

《コピー・プリーズ》

 

 

 

 

「「「「はっ!!」」」」

 

 

「‥‥!!」

 

 

音声が鳴り、4人となったダークウィザードは

ウィザーソードガンのコントラクトリガーを引き

鎖で縛られてるメデューサに向かって

弾丸は追跡弾の様に飛んでいき

ダメージを与えていく。

 

 

 

 

「ふんっ!小賢しいっ‥‥‥ハァッ!!」

 

 

 

「「「「!?ぐわぁっ!」」」」

 

 

 

だがやられっぱなしではないメデューサは

鎖を引きちぎり身体から出した衝撃に

4人のダークウィザードは吹き飛び

コピーで作られた3人は消えてしまう。

そしてメデューサは手から紫の光とともに

武器のアロガントを出して

吹き飛んだダークウィザードへ駆け出す。

 

 

「たぁっ!!」

 

 

「っ!ちぃ!!」

 

 

メデューサはアロガントを振りかざすが

ダークウィザードは倒れてた身体を飛び起こし

ウィザーソードガンを剣モードに替えて

アロガントをウィザーソードガンで受け流す。

だが交わせたのはその瞬間だけで

すぐにメデューサは持ち直し

アロガントをダークウィザードに叩き込んでいく。

 

 

「おわっ!?」

 

 

「ふふふ‥‥ハァッ!」

 

 

 

「っ!?何っ!!おあぁっ!!」

 

 

アロガントで叩き込まれ後方に下がる

ダークウィザード。その隙にメデューサは

目を光らせると蛇のような髪の毛が

ダークウィザードに向かって無数に伸び、

その身体に巻き付く。

ダークウィザードを持ち上げると

辺りの壁にぶつけ始める。

それが数回続いた後、痛がるダークウィザードの

身体からメデューサに何かを吸われてるみたいに

ダークウィザードから放たれてる

エネルギーらしきものがメデューサの中へ

もっていかれていた。

 

 

 

「ぐぁっ‥‥‥!?力が抜けてるだと‥‥!?」

 

 

「ふふふふ‥‥‥‥ふん。」

 

 

 

どうやらメデューサは相手の魔力を吸いとる

力があるみたいだがそれに気付いた

ダークウィザードは既に力が抜け

ある程度吸いとったメデューサは

ダークウィザードを放り投げる。

 

 

 

「これで思い知ったかしら?」

 

 

「うっ‥‥‥!

ちぃっ、余裕こいてんじゃねぇよ!」

 

 

蛇のような髪を元に戻し、倒れてる

ダークウィザードを髪をなびかせながら

見下すとダークウィザードはそう言って

立ち上がりメデューサに向かって

ウィザーソードガンを振りかざすが

力を吸いとられ思うように身体が動かなく、

その攻撃は最も簡単に避けられてしまう。

 

 

 

「ハァアア‥‥‥たぁ!」

 

 

 

「っ!?ぐあぁぁああっ!!?」

 

 

 

 

メデューサは力を入れると

アロガントの蛇の目が光り出す。

それと同時に先ほどダークウィザードを

壁にぶつけて散らばったビルの

コンクリートの破片が

浮かび上がり一点に吸い寄せられると

一塊の岩ができあがりメデューサは

ダークウィザードに向かって岩を飛ばす。

言うことが効かない体の

ダークウィザードにその飛んできた岩が直撃し、

火花を散らしながらダークウィザードは

吹き飛ばされる。

 

 

 

「ぐっ‥‥‥いってぇなあ!!」

 

 

「吠えるのは一人前ね、もう諦めなさい。」

 

 

胸部辺りをおさえながら叫ぶ

ダークウィザードにメデューサはそう言いながら

ゆっくりと近づいてくる。

 

くっそ‥!身体に力入んねえ‥‥!!

 

そう思いメデューサを睨んでたその時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〝力を貸してあげようか?〟

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!‥‥‥‥うっ!!?」

 

 

 

ダークウィザードの()()()()から

その声が聞こえると同時にドクン!と

身体全体が刺激されるような感覚が走り

ダークウィザードはぐったりとして動かなくなる。

 

 

 

「‥?なんのつもり?ハアッ!!」

 

 

 

メデューサはその動作に首を傾げながら

ダークウィザードに近づき、

アロガントを振りかざした。

 

 

 

「‥‥!何‥‥‥?」

 

 

「‥‥‥ガアァァ!!」

 

 

「うっ!?」

 

 

 

振りかざしたアロガントはダークウィザードの

肩に直撃したがダークウィザードは怯むことなく

雄叫びを上げると同時に動き出し

真っ黒に染まった左手をメデューサの腹部に

一撃を入れる。その一撃が重かったのか

メデューサはお腹をおさえながら

後ずさり、膝をつきそうになっていた。

よく見るとその手は真っ黒で分かりづらいが

〝ドラゴヘルクロー〟となっており、

メデューサにダメージを与えた瞬間

ドラゴヘルクローはすぐに消えた。

 

 

 

「フゥーッ‥‥フゥーッ‥‥‥!」

 

 

 

「っ‥‥‥、まぁいいわ。

今日は引いてあげることにするわ。」

 

 

昂奮してるのか呼吸が激しいダークウィザード。

そしてメデューサはお腹をおさえながら

そう言ってアロガントを振り上げると

紫の霧のようなものが出て、その霧が晴れると

メデューサの姿はどこにもなかった。

 

 

 

 

「‥‥!‥‥‥うぅ‥‥あぁあっ!!」

 

 

 

敵を見失ったダークウィザードは

頭をおさえながら変身を解き、

その場に膝をついた。

 

 

 

 

「はぁ‥はぁ‥はぁ‥‥‥!

んだよっ、さっきのは‥‥!?」

 

 

 

息切れしている秀夜は

自分の両手を見てそう呟いた。

 

 

 

「‥‥‥‥くっそ!

興が冷めようにも冷めれねぇなこれ‥‥‥。」

 

 

 

「バウッ!バウッ!」

 

 

「あ?‥うるせぇっ、ちゃんと勝ってただろ!

‥‥‥ん?」

 

 

秀夜は立ち上がると陰で見てたケルベロスが

吠えながら近寄ってくる。

おそらく心配してくれたのだろうが、

機嫌が悪い秀夜はそう言うと

近くに落ちてる1枚の写真に気がつく。

 

 

 

「‥‥‥ほぉ〜、そゆこと。」

 

 

秀夜はその写真を見て頷き、痛む肩を

おさえながら廃墟ビルを出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

夕方、スイーツ店にて。

 

 

 

 

 

 

 

「‥‥来るお店間違えたかな‥‥‥。」

 

 

「あ?なんか言ったか?」

 

 

 

6日目のラブライブ!も無事に終わり、

当然A-RISEは1位をキープしている。

このまま明日、ラスト7日目も行けば

優勝は間違いなしと思える。

 

そしてライブを終えたツバサは

英玲奈とあんじゅと別れ

勝手に帰った秀夜を無理矢理

デートに誘うため呼んでスイーツ店に来た

わけなのだが魔力をメデューサに奪われ

かなり腹が減ってるのかケーキやマカロンを

片っ端から食べていた。

店員や他のお客からちらちらと視線を感じるが

秀夜は御構い無しに食べる。

 

 

 

「ファントムに魔力奪われてお腹空いてるなら

わざわざ私に合わせなくてもよかったのに。」

 

 

「あ?合わせたつもりねーし、

疲れた後の甘いもんは格別だからここにした。

それだけ。」

 

 

「はいはい‥‥‥ふふっ。」

 

 

 

一応事情を聞いたツバサはそう言って

秀夜の顔を見る。あちこちに小さな傷があり

心配してしまうが秀夜がそう言って口に

生クリームがたくさんついてることに

思わず笑ってしまう。

それに気付いた秀夜は眉を寄せてツバサを見る。

 

 

「‥んだよ?」

 

 

「別に、美味しそうに食べてる所が

なんか可愛いなって。」

 

 

「は?何?そーゆーの言うのは

身長伸びてからにしろや。」

 

 

「ちょっっ!?身長とか関係ないじゃない!

せっかくトップアイドルが可愛いって

言ってあげてるのにデリカシーないわねっ。

‥もう、本当困ったご主人よね、

ケルベロスちゃん。」

 

 

「バウッ!」

 

 

「‥‥おい、何頷いてんだテメェ。」

 

 

 

ツバサはそう言ってテーブルの上で大人しく

座ってるケルベロスに聞くと元気よく吠える。

それを見た秀夜はケルベロスを睨むとツバサの

背後に隠れてしまう。

 

 

 

「あー、秀夜君が睨むから隠れちゃったじゃない。」

 

 

「ふんっ。」

 

 

ツバサがそう言うと秀夜は鼻を鳴らして

苺タルトを口に入れる。

ツバサもショートケーキをカットして

口へ運ぶとあることを思い出す。

 

 

 

「あ、秀夜君。今日木島さんを見てない?

朝から連絡しても繋がらないのよ。」

 

 

「‥マネージャーの奴か?

知らねぇな。あいつなよなよしてるからウザい。」

 

 

「性格を聞いたわけじゃないけど‥‥‥。」

 

 

 

朝からいないマネージャーの木島は

結局今日1日中見かけていない。

ツバサ達は心配になり連絡をするにも

繋がらなく困っていた。

記者会やライブ予定、車の送り迎えなど

してくれて頼れる人なのだが秀夜曰く

なよなよしているらしい。

その木島の行方を秀夜に聞いてみるが

全く知らないらしい。

 

 

 

「どっかで生きてんじゃねーの?」

 

 

「‥‥だといいんだけど‥。」

 

 

秀夜の適当な言葉に

ツバサはそう答えるしかなかったが

どこか胸騒ぎを感じていた。

 

 

「‥‥‥あ、おいチビ。」

 

「チビはやめてくれる?‥‥何かしら?」

 

秀夜はそう言うとスマホをつつき、

ツバサのスマホから着信が鳴る。

どうやら秀夜が送ったのだろう。

 

 

「‥‥‥‥!」

 

 

ツバサはその内容を確認すると

驚愕し、秀夜を見る。

だが秀夜はジュースを飲んで上の空だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

 

「ふぅ‥‥、明日はラストライブ‥‥。」

 

 

秀夜と別れて自宅へ帰ることにしたツバサ。

ふとツバサはスマホを取り出し

ラブライブ!のサイトを開く。

そして一つのグループに目を向ける。

 

 

 

「μ's‥‥‥是非ライブで

実力を確かめたかったな‥。」

 

 

それは9人で結成されたスクールアイドル、

『μ's』だった。結成当初はA-RISEと同じ

3人だったが徐々にメンバーは増えていき

今は9人。そして秀夜から聞かされ

あちらにも魔法使いがいるらしい。

彼女らの踊り、バックにいる魔法使い、

そして同じ秋葉原のスクールアイドルとして

ツバサは興味を持ち、応援もしていたが

突然このサイトから姿を消して辞退していた。

 

何らかの理由があって辞めたのだろう。

ツバサはそう思っていたが

それと同時にもったいないとも思った。

そう思っているとふとスマホから着信音がなり

よく知っている人物から電話がかかってきた。

 

 

 

「っ、木島さんっ?もしもし木島さん?」

 

 

その名前を確認したツバサは慌てて

通話のボタンをスライドし電話に出た。

 

 

『あ、ツバサちゃん?』

 

 

「ツバサちゃん?じゃないですよ!

今日連絡入れずに何してたのですか!?」

 

 

『ご、ごめんよ。急に大事な用事が

出来ちゃって‥。

あ、明日の予定を話したいから今から来れるかな?

英玲奈やあんじゅも来るからさ。』

 

 

「もぉ‥、分かりました、場所は?」

 

 

『あ、位置情報送るからそこにきてほしいんだ。

それじゃ、また後で。』

 

 

そう言って木島は通話を切ると

すぐに位置情報が送られてきた。

普通なら車で迎えに来るはずなのに

わざわざ位置情報をおくってそこに来てくれと。

少し疑問を抱いたツバサだがそこまで

遠いわけでもなく英玲奈やあんじゅも

来るみたいなのでツバサはそのまま行くことにした。

 

 

そしてその後ろを追跡するかのように

ケルベロスが後を追っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

とある人気のない喫茶店の前にて。

 

 

 

「‥‥ここ、よね‥‥?」

 

 

木島の送られた位置通りに目的地に着いたツバサ。

辺りはすっかり暗くなっており人も

あまり見かけなくなっていた。

喫茶店ももう閉店しており、

ツバサは外で待ち合わせかなと思い

街灯で照らさてる電柱の下で待機していた。

 

 

 

「ツバサちゃん。」

 

 

「きゃっ!?」

 

 

すると突然背後から声をかけられ、

さすがのツバサも女の子らしく可愛らしい声で

びっくりして振り返る。

そこにはいつものスーツ姿でメガネをかけた男性

木島が立っていた。

 

 

「き、木島さん‥‥驚かさないでください。」

 

「ごめんごめん、来てくれて嬉しいよ。」

 

 

「‥‥‥‥そういえば、あんじゅと英玲奈は

まだ来ていないのですか?」

 

 

一旦落ち着かせるツバサは

あんじゅと英玲奈を探すが2人の姿が見えない。

どうやらまだ来ていないのだろう。

そう思っていると木島がツバサの周りを

ゆっくりと歩きながら口を動かす。

 

 

「ねえ知ってるツバサちゃん?

ここ最近、人を襲う怪物でてるらしいよ?」

 

 

「え?‥えぇ、知ってます。

木島さんもご存知で?」

 

 

「うん、、だって‥‥‥。」

 

 

 

木島はそう言って歩いてた足を止め

ツバサに振り返るとその顔に怪物の顔が

浮かび上がる。

 

 

 

「僕もその怪物だから‥‥ね。」

 

 

 

「‥‥え?」

 

 

 

木島はそう言って両手を大きくあげると

体は龍、腕はライオン、足は鳥、

サソリの尻尾をもつファントム、

〝ムシュフシュ〟となり、

その変わった姿の木島にツバサは

何が起こったのか分からずムシュフシュを

見るだけだった。

 

 

「き、木島‥‥さん?」

 

 

 

「残念、木島という男は昨日の夜、

死んでしまったんです。僕という

ファントムを生み出してね‥。」

 

 

「そ、そんな‥‥!?」

 

 

「安心してください。

君も‥‥彼女らもこの男同様に

絶望させて上げますから‥‥‥‥。」

 

 

「っ!!きゃっ!?」

 

 

ムシュフシュは言い終わると

サソリの尻尾を伸ばしてくるが

日頃ダンスレッスンをしているツバサは

それを間一髪で避けて転んでしまう。

 

 

 

「ここで貴方の手足をもぎとれば

もう2度とアイドルはできない‥‥。

さぁ、その手足をさしだしてください!」

 

 

 

 

「‥‥‥悪いけどっ、それは、断るわ。」

 

 

 

ケラケラと笑うムシュフシュを前に

ツバサは怯えながらもそう言って立ち上がる。

その瞳はどこか落ち着いていた。

 

 

 

「抵抗する気ですか?

やめた方が身のためですよ〜?」

 

 

 

「いえ、私は抵抗なんてしないわ。」

 

 

 

「はぁ?どういう意味ですか?」

 

 

 

ツバサの言葉に首を傾げるムシュフシュ。

そしてツバサは少し後ずさりながらも

笑みを浮かべてムシュフシュに言い放つ。

 

 

 

 

 

 

 

「木島さんなら知ってますよね?

私、トップアイドルの隣には

頼れる暴れん坊がいることを。」

 

 

 

「‥‥‥あ〜っ、あの不良少年ですか?

無駄ですよ、あんなのが来て何になる‥ん?」

 

 

 

 

ムシュフシュが言いかけた瞬間、

道の向こうからバイクの音が聞こえる。

ムシュフシュは人かと思い振り返ると、

 

 

 

 

「げふぁあっ!!?」

 

 

 

振り返った瞬間、そのバイクに跳ね飛ばされ

ムシュフシュは鈍い音と共に吹き飛ばされる。

そしてそのバイク、〝マシンウィンガー〟から降り、

ヘルメットを取ると、それは秀夜だった。

 

 

 

「お〜し、ご苦労チビ‥‥何だ?」

 

 

「く、来るならもっと早く来てよね!?

危うく死にかけたのよ私!」

 

 

秀夜はニヤニヤしながらそう言って

ツバサに近付くと

ツバサはやはり怖かったのか顔を赤くして

怒っていると吹き飛ばされたムシュフシュが

立ち上がりこちらの様子を伺う。

 

 

 

「き、君は藍崎秀夜君‥!?

なるほど、魔法使いですからこの場所が

分かったのですね‥‥‥。」

 

 

「は?そのフルネームの言い方‥‥

マネージャーだな?そうかそうか‥‥、

クソバカなマネージャーなら

あんなドジ踏むはずだわな。」

 

 

「‥‥何ですと?」

 

 

呼び方で木島だと察知した秀夜は

そう言いながらドライバーオンリングを

右中指に取り付ける。

それと同時に1枚の写真を取り出す。

 

 

「‥!それは‥‥‥!」

 

 

それはA-RISEの3人がうつってる写真で

ツバサ、英玲奈、あんじゅの順で1 2 3

と、ペンでそうかかれてあった。

 

 

「廃墟ビルに落ちてた。

どうせ順番に襲うつもりだったんだろぉ?

ははっ!残念だったなぁ。」

 

 

 

「‥‥秀夜君、まさかこの為に

私のデート受け入れたの?」

 

 

「半分は合ってるが半分は腹減ってたからだな。」

 

 

「‥‥‥。」

 

 

「‥んだよ、別にいいじゃねえか、

ファントムに狙われてるってわざわざ

教えてやったんだからよ。」

 

 

 

秀夜の考えにツバサは小さく頬を膨らませて

ジト目で睨むとめんどくさそうにそう返して

前方のムシュフシュを見る。

 

 

 

「ま、んなことはどぉでもいいっ。

昼間は逃げられたが、てめぇはきっちり

ぶっ殺してやるよ!」

 

 

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

 

 

 

「‥‥舐められたものですね。」

 

 

 

 

殺す宣言を出しながら秀夜は

ベルトをウィザードライバーへと変え、

ムシュフシュはそう呟きながら身構える。

その間にツバサは秀夜のバイクに乗ってた

ケルベロスと一緒に物陰に隠れる。

そして秀夜はシフトレバーを上下に動かし、

ダークネスリングを右中指に取り付ける。

 

 

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!》

 

 

 

「変身っ!」

 

 

 

《ダークネス!プリーズ

 

アク アク・アクアクアーク!!》

 

 

 

音声が鳴り響き、秀夜は前方に左手を突き出すと

紫の魔法陣が現れる。秀夜はそこへ駆け出し

魔法陣を通り抜けると秀夜は

ダークウィザードへと姿を変える。

 

 

 

「おっらぁ!!」

 

 

 

「ふんっ!」

 

 

「っ!?」

 

 

そのまま駆け出したダークウィザードは

飛び蹴りをムシュフシュに浴びせようとするが

ムシュフシュはその左足を掴む。

 

 

 

「そ〜〜らよっ!!」

 

 

 

「おぉぉっ!?」

 

 

 

そして掴んだ左足をムシュフシュは

そのまま持ってダークウィザードを

空中へと放り投げる。

 

 

 

「飛ばされたぁ!‥‥なんちゃってぇ!」

 

 

「っ!ぐっ!?‥!!」

 

 

ダークウィザードはそう言いながら

ウィザーソードガンを銃モードで取り出し、

ムシュフシュに向けてコントラクトリガーを引くと

魔力で作られた弾丸がムシュフシュに

何発か当たり、火花を散らしながら後ずさる。

 

 

 

「っ!!これならどうですっ!」

 

 

 

ムシュフシュはダメージに耐えると

サソリの尻尾を伸ばし、地面に着地しようとする

ダークウィザードに尻尾をつき刺そうとする。

 

 

 

「っ!当たるかよ!」

 

 

ダークウィザードは伸びた尻尾を

地面に着地すると同時に交わし、

ウィザーソードガンを剣モードに変えると、、

 

 

 

「おっらぁあっ!!」

 

 

 

「っ!?ぐあぁあっ!!?」

 

 

 

交わした回転の勢いでムシュフシュの

尻尾の先をウィザーソードガンで

縦斬りの要領で斬りつけると

その尻尾は切断され、黒い血しぶきと同時に

ムシュフシュは苦痛の声をあげる。

 

 

 

「悪いが毒は嫌いなんでなぁっ。」

 

 

 

「ぐぅ‥‥!!調子に乗るんじゃない!!」

 

 

 

肩にウィザーソードガンを置いて

距離をとるダークウィザード。

ムシュフシュは切られた尻尾を元の長さに戻すと

そう言い放ち、素早い動きで

ダークウィザードに駆け出す。

 

 

 

「っ、早っ!?」

 

 

「遅いですよ!!」

 

 

 

「おぐっ!!?」

 

 

一気に間合いを詰めたムシュフシュに

ダークウィザード防御体制を取ろうとするが

間に合わず、ライオンの強靭な左手の拳を突き出し

ダークウィザードみぞおちに入る。

 

 

 

「うぉおおおあっ!!」

 

 

 

「っっ!?ぐぉあっ!」

 

 

「っ!秀夜君っ!!」

 

 

そしてそのままムシュフシュは拳を突き上げ

ダークウィザードを上空へと飛ばす。

やられるダークウィザードをツバサは

彼の名を呼ぶがダークウィザードは

その声に傾ける余裕はなかった。

 

 

 

「はあああ!!!」

 

 

 

「なっ!?ぁあああっっつ!!?」

 

 

上空に飛ばされたダークウィザードに

ムシュフシュは口を開くとその口から

炎が出て火炎放射を繰り出す。

身動きが取れない空中で

ダークウィザードはソレを食らい、

少し離れた所で地面に落ちる。

 

 

 

「ぐっ!?」

 

 

 

「休む暇なんてあたえません、よっ!!」

 

 

 

「っ!!ぶぉあっ!!?」

 

 

 

ダークウィザードは急いで立ち上がるが

ムシュフシュは素早い速度でまた間合いを詰められ

ダークウィザードに向かってドロップキックを

繰り出す。ダークウィザードはなんとか

ウィザーソードガンでガードするが、

勢いは止まらずそのまま吹き飛ばされる。

 

 

 

「先ほどの威勢はどうしたのですか?

どうやら、魔法使いとやらも

大したことはないようですねぇ。」

 

 

 

「‥‥ガハッ‥‥‥クソが‥‥!!」

 

 

 

余裕を見せるムシュフシュに

ヨロヨロと立ち上がるダークウィザード。

昼頃、メデューサに魔力を

吸い取られたのが原因なのか

ダークウィザードは思うように戦えなかった。

 

 

 

「秀夜君‥‥!」

 

 

 

ふと、ダークウィザードの視界に

悲しげな表情でこちらを見るツバサが映る。

それを見たダークウィザードは

ムシュフシュに向かって鼻を鳴らし

ウィザーソードガンを構える。

 

 

 

「はっ‥‥‥!このぐらいでいい気になるなよ

クソ変体動物が‥‥きめぇんだよ!」

 

 

 

「‥‥口はまだ達者のようですね。

ならばその口もすぐに黙らせましょう!」

 

 

 

啖呵を切るダークウィザードに

ムシュフシュはそう言うとまた

素早い動きで駆け出す。

これ以上食らったらヤバいなと思う

ダークウィザード。

だがその刹那だった。

 

 

 

 

 

 

 

ドックン‥‥‥‥!

 

 

 

 

 

 

「っ!?ぐぉあ‥‥‥!?」

 

 

 

 

 

 

 

メデューサとの戦いで起きたあの現象が

再び秀夜を襲い、ダークウィザードは

ぐったりと動かなくなる。

 

 

 

「どうされましたか!諦めたのです、か!!」

 

 

そしてムシュフシュは一定の距離まで

近付くと飛び上がり、ダークウィザードの

肩にかかと落としを浴びせる。

 

 

だが、

 

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

 

「っ!何‥‥!?」

 

 

「ガアッ!!」

 

 

「うっ!?」

 

 

振りかざしたムシュフシュの右足を

ダークウィザードは左手で掴み、

右手の手のひらでムシュフシュを突き飛ばす。

するとダークウィザードの右手から

紫の光が放たれ、その手のひらには

()()変身リングが握られていた。

 

ダークウィザードはソレを左中指の

ダークネスリングと取り替え

シフトレバーを上下に動かし

無言でソレをかざした。

 

 

 

 

 

 

 

《オリジン・プリーズ》

 

 

 

 

それだけの音声が鳴ると

ダークウィザードの真下から

ドス黒い魔法陣が現れダークウィザードの

身体を上へと通り抜ける。

そしてダークウィザードは

ダークネススタイルから宝石の部分が

真っ黒いダークウィザードへと姿を変える。

 

 

 

「何ですかその姿‥‥!」

 

 

「秀夜‥‥君‥‥‥?」

 

 

 

 

「‥‥‥‥破壊の‥‥‥時間‥‥‥!」

 

 

 

ムシュフシュ、ツバサが驚く中、

ダークウィザードはそう言って

ウィザーソードガンをその場に落として

ムシュフシュへと駆け出す。

 

 

 

「っ!はぁああっ!!」

 

 

本能的にヤバいと感じたのか

ムシュフシュは火炎放射をダークウィザードに

向かって放ち、ダークウィザードは炎に

その身を包まれる‥‥‥のだが。

 

 

 

「ガアァァッッ!!」

 

 

 

「‥!!むぐっ!?」

 

 

ダークウィザードは諸共せずに

炎から顔を出し、ムシュフシュの口を

右手で鷲掴み、その炎を止める。

 

 

 

「アァァ‥‥ガァァァ!!!」

 

 

 

「ぐぅ!? 〜〜〜〜〜〜っ!!?!」

 

 

 

 

ダークウィザードはそのまま

ムシュフシュの口元をアイアンクローの様に

右手に力を入れ、ベキベキとグロい音を

鳴らしながらムシュフシュの口元は

どんどん歪んでいく。

 

 

 

「ァァアッッ!!」

 

 

 

そしてある程度握り潰すとその口を持って

思い切り地面へと叩きつける。

その勢いは凄まじく、コンクリートの地面は

えぐれてムシュフシュは地面に埋まってしまう。

 

 

 

「うぁあ‥‥あぁああ‥‥‥!!?」

 

 

 

「フゥーッ‥‥フゥーッ‥‥‥!」

 

 

 

口をおさえてもがき苦しむムシュフシュ。

その上にダークウィザードは昂奮しながら

ムシュフシュを見下し、両手をバッと

構えるとそこに黒いエネルギーが集まり、

ダークウィザードの両腕はドス黒い

ドラゴヘルクローが装着される。

 

 

 

そして、

 

 

 

 

 

「ガアァァァアアッ!!」

 

 

 

「っ!!〜〜〜〜っ!!?!」

 

 

 

 

 

 

「ひっ!?」

 

 

 

ダークウィザードはそのまま

ドラゴヘルクローをムシュフシュの腹部へと突き刺す。グロい音が飛び散るように聞こえ

物陰から見てたツバサは思わず目を隠してしまう。

 

 

 

「オォアァアアアア!!!」

 

 

 

「っ!!‥‥!!‥‥!‥‥!」

 

 

 

 

だがダークウィザードの勢いは止まらず

何度も、何度もムシュフシュに

ドラゴヘルクローを突き刺す。

その身がファントムの血で染まろうと、

ツバサが近くにいようと、

ダークウィザードの攻撃は止まらず

次第にムシュフシュの声は聞こえなくなる。

 

 

「‥‥フンッ!!」

 

 

そして攻撃を止めたダークウィザードは

その場から上空へと飛び上がり、その両腕、

ドラゴヘルクローに黒いエネルギーが溜まっていく。

 

 

 

 

 

「ガアァァ‥‥ァアアア!!!」

 

 

 

掛け声と共にダークウィザードは

ドラゴヘルクローを動かないムシュフシュに

振りかざす。その腕から黒い斬撃が放たれ、

ムシュフシュはそのままもろに受け、爆散した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「‥‥‥秀夜‥‥‥‥君?」

 

 

 

 

「‥‥‥‥ァアアアアアッ!!!」

 

 

 

 

 

 

地面に着地し、敵を倒した

ダークウィザードにツバサは物陰から出て

声をかけるが、ダークウィザードは

両腕を広げて雄叫びを上げていた。

そしてツバサの存在に気付くと

ドラゴヘルクローを構えてゆっくりと

ツバサに近づいて行く。

 

「秀夜君!」

 

 

 

「破壊‥‥‥破壊‥‥‥!!」

 

 

 

「‥‥‥!秀夜君っ!!」

 

 

 

理性を失ってるのか呼びかけても

その言葉しか言わなく、

ダークウィザードはドラゴヘルクローを

振りかざそうとした瞬間、ツバサは

もう一度名前を呼んで

ダークウィザードへと抱きつく。

 

 

 

 

 

「秀夜君!貴方はそんなものに

負ける人じゃないはずよ!

私が認めた男、藍崎秀夜!

分かってるなら返事しなさい!!」

 

 

 

 

 

「‥‥‥っ!?‥‥ぐあぁあっ!!?」

 

 

 

 

ツバサの言葉、否。

気持ちに応えるかのように

ダークウィザードは頭をおさえながら

変身を解き、その場に膝をついた。

 

 

 

 

 

 

「‥‥‥!ぐぅっ‥‥‥!俺は‥‥‥?」

 

 

 

「秀夜君‥‥!よかった‥!

心配したわよこのバカっ。」

 

 

 

「いって!?抱きつくなクソチビ!

傷がいってぇだろっ!!!」

 

 

何が起こったのか分からない秀夜に

ツバサは抱きつく。

思い切り傷口を触られ秀夜は絶叫の声を上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

翌日、ラブライブ!会場にて。

 

 

 

 

 

 

 

ワァアアアアアアアッ!!!

 

 

 

 

 

会場を埋めつくさんと観客が盛り上がる中、

そのステージにはトップアイドルの

A-RISEが衣装を着て立っていた。

 

 

 

 

「完全にフルハウスね‥‥。」

 

「あぁ、準備はいいな二人共。」

 

 

「もちろん。‥‥さぁ、

私達の最高のパフォーマンスを見せるわよ。」

 

 

 

あんじゅ、英玲奈、そしてツバサが

そう言ってそれぞれの位置につき、

曲が流れ出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【BGM〜Last Engage A-RISEversion〜】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー

 

会場の控え室にて。

 

 

 

 

「‥‥始まったか。」

 

 

歓声とA-RISEの曲が流れ出し

コーヒーを飲みながらそう呟く秀夜。

絶望だのゲートだの‥‥魔法使いを元に

考えたこんな歌詞よく思いつくなぁ‥。

 

 

 

「‥‥‥しっかし‥俺いつの間にこんなもん‥。」

 

 

ふと、秀夜は1つの変身リングを手にする。

あの戦いの記憶は残っておらず、

気がつけばボロボロの自分、急に泣き出すツバサ

そして左中指に付けられた黒い指輪。

その後、気になってドライバーへとかざしたが

エラー音しか鳴らず使い道がわからないまま、

秀夜はその変身リングを持ち歩いていた。

 

 

 

「‥‥ち、わっかんねぇな〜‥‥‥‥。」

 

 

「バウッ!バウバウッ!!」

 

 

頭をかきむしる秀夜に突然、

ケルベロスが秀夜の背後のドアに向かって吠える。

 

 

「‥うっせぇぞケルベロス!!」

 

 

いつまでたっても吠えるケルベロスに

苛立つ秀夜はそう言って振り返った。

そして彼は驚いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「初めましてだな、藍崎秀夜。」

 

 

 

「っ!?‥‥誰だてめぇ‥‥?」

 

 

そこに立っていたのは白い魔法使い。

だが、秀夜は初めて見るその見たことない

魔法使いに警戒し、ドライバーオンリングと

ダークネスリングを取り付けるが、

白い魔法使いは左手を出してそれを制した。

 

 

 

「争いに来たわけではない。

お前にコレを渡そうと思ってな。」

 

 

 

白い魔法使いはそう言うと秀夜に

3つの指輪を投げ渡す。

1つはダークネスリングに角が生えてる様な

変身リング。

2つはスペシャルリング。

そして3つ目は真ん中にドラゴンの顔があり、

その周りに4つの宝石が彩られた指輪を渡された。

 

 

 

「‥‥‥コレは‥‥‥‥?」

 

 

 

「お前が進化する為の指輪だ。

それを使いこなせばお前は

一段階強くなれるだろう。」

 

 

 

「‥‥‥へぇ。そいつはおもしれぇ‥。

てか、てめぇ誰だよ?見た感じ

魔法使いみてぇだが、てめぇも転生者なのか?」

 

 

 

ありがたく受け取る秀夜は白い魔法使いに

質問をするが、白い魔法使いはシフトレバーを

上下に動かし、テレポートリングをドライバーに

かざした。

 

 

 

 

《テレポート・ナウ》

 

 

 

「‥‥その質問の答えはYesだ。

もっとも、私はお前達よりずっと前から

いる者だかな。」

 

 

「?‥‥どうゆうことだ‥‥‥!?

消えやがった‥‥‥!」

 

 

 

白い魔法使いがそう答え、秀夜は深追いするにも

白い魔法使いの頭上に魔法陣が現れ

その身体を通り抜けるとその場から姿を消した。

そして秀夜は白い魔法使いから貰った

3つの指輪を見つめて、

再び椅子に腰かけたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

とあるビルの屋上にて。

 

 

 

 

「‥‥自我であのドラゴンをおさえるとは、

あの男は並みの心ではないな‥‥‥。」

 

 

秀夜に指輪を渡し終えた白い魔法使いは

ビルの上にテレポートし、そこから

秋葉原全体を見渡していた。

すると、ビルの扉が開かれ、

金髪でツインテールの女の子が顔を出して

白い魔法使いの姿を確認すると、笑顔で近寄る。

 

 

「あ、いたいたぁ。ねぇねぇ、どうだった?

()()()()魔法使いは?」

 

 

「‥‥‥気安く話しかけるな。

お前もあの魔法使いと同様に

人々からゲートを守れ。」

 

 

「やってるってば〜。

でも疲れるんだよねぇ、何で人を守らなくちゃ

いけないの〜?」

 

 

黄色いガルーダが少女の周りを飛び交い、

少女は白い魔法使いの周りを歩きながら

そう言うと白い魔法使いは冷たく対応する。

 

 

「‥‥‥‥‥。」

 

 

「あ、怒っちゃった?ごめんごめん、

分かった分かりました。

じゃ、またね〜っ。」

 

 

その態度が気に入らないのか

白い魔法使いは右中指に付けてる

紫の指輪を少女に向けると

少女はそう言って屋上の入り口に戻り

ドアを開けてその場から姿を消した。

 

 

 

「‥‥‥‥‥失敗したな‥、まぁいい。

私の計画の邪魔になれば消すまでだ。」

 

 

 

 

《テレポート・ナウ》

 

 

 

白い魔法使いはそう言って

テレポートリングを使い、

その場から姿を消したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー エピソード:秀夜に続くーー

 




はい、どもども(^^)
最近ブレイドにハマったしょーくんです。
ハマったと言ってもそこまでですけど笑

今回は秀夜君のお話!
そして突然の、、暴走‥‥?
白い魔法使いが言い残して
渡してくれたのは‥!?
そして現れた謎の少女‥。

さて、この続きはラブウィザードが
終わってからの番外編に書くつもりです。
秀夜が主役で彼の使う指輪の真実!
そして謎の少女の正体!
まだ当分先ですがお楽しみに(^^)

あ、次はちゃんと2期書きますので!(>_<)


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