ラブウィザード! 〜希望の柱〜   作:しょくんだよ

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転生者3人目紹介

二藤攻大(にとう こうだい)

年齢17歳
O型
身長180㎝
好きなもの マヨネーズ、旅行
嫌いなもの 頭使うこと、腹が減ること
3人目の転生者で
仮面ライダービーストに変身するのだが
過去に何かあったのか死ぬことを恐れ、
最初は力をもらって戦うのを拒んでいた。
μ'sと会う前にこの世界を観光したいと
言って外国へ行っていたのだがそこで
封印されてたビーストドライバーと出会い
彼は半強制的に古の魔法使いビースト
となり、晴希に命の重さを教えられ
ゲートや人々の為に戦う事を決意する。

運動神経は抜群だが勉強が苦手で
単純に言えば馬鹿まるだし、
人の話を簡単に信じ込み、騙されやすい。

家にずっといるのは嫌らしくてMyテントを
持ち歩いて転々と居住地を決めてるが
今は神田明神が気に入ったのかそこに住んでいる。
旅行が大好きで1人で県外へ行くこともたまにある。
そして好物はマヨネーズ、
なにを食べようとマヨネーズ、、、、




攻大「おい!俺の紹介遅くないか!?
あー、皆まで言わなくていい!
細かく書いてくれたんだよな!サンキュー!
そしてマヨネーズは神だ!ゴッド・マヨネーズ!
黄金のマ・ヨ・ラー!!」



うん、うるさい(^^)
あ、それと高評価をつけてくれた
146さん、ありがとうございます(*^^*)
これからもラブウィザードをお願いしますっ(^^)


第25話 合宿をします!

8月となり夏休みに入った音ノ木坂学園。

部活などで生徒も学校に来ており

その中にはアイドル研究部、μ'sのメンバーも。

そして今日も練習に励むのだったのだが、、

 

 

「あづい‥‥‥‥。」

 

 

「そ、そうだねぇ‥‥。」

 

「と、溶けるぅ‥‥‥‥!」

 

 

矢澤にこと高坂穂乃果、二藤攻大は

屋上のドアを開けギラギラ差し掛かる炎天下を見て

そう言っていた。今日の最高気温は35℃。

言うまでもなく暑い日だった。

 

 

「てゆうかバカじゃないの!?

この暑さの中で練習とか!」

 

 

「そんなこと言ってないで早く

レッスン始めるわよ。」

 

 

流石にこの暑さで練習をしていたら

女性には痛い日焼けになったりとかするからか

にこは反発するが絢瀬絵里はお構いなく

始めようとしてるので

にこと穂乃果の顔が険しくなる。

 

 

 

「は、はい‥‥‥。」

 

 

 

「っ、花陽、これからは先輩も後輩も

ないんだから‥ね?」

 

 

「は、はいっ‥‥。」

 

 

絵里の発言に小泉花陽は

やはり生徒会長だからだろう、

星空凛の後ろに隠れてビビっていた。

だが絵里の優しい笑顔で花陽は頷き、

隣にいる東條希は苦笑していた。

 

 

「あ、そうだ!合宿行こうよ!」

 

 

「え!?合宿!?はいはいはい!俺賛成!」

 

 

「にゃー!凛も合宿行きたいにゃ!」

 

 

突然の穂乃果の提案に攻大と凛は

目を輝かせて手を上げて賛同する。

 

 

「はぁ?何急に言い出すのよ。」

 

 

「何って合宿だよ?まさに青春!

あーなんでこんな良いこと

私は早く思いつかなかったんだろう〜っ。」

 

 

「合宿かぁ、面白そうやんっ。

こう連日炎天下の練習だと身体もキツいし。」

 

「でも、どこに?」

 

 

突然の発案に眉を動かすにこに穂乃果は

そう言って手を合わせて自分を褒める。

合宿に希も賛成し、花陽はその場所を聞いていた。

 

 

「海だよ!夏だもの!」

 

 

「ですが、費用はどうするのです?」

 

 

「‥うっ、それは‥‥‥‥‥チラ。」

 

 

「‥‥ちゅん?」

 

 

笑顔でそう言う穂乃果に園田海未は聞いてくると

急に焦り、穂乃果は南ことりを見て

その手を引っ張り、階段の隅っこまで連れ行く。

 

 

「ことりちゃん、バイト代いつ入るの?」

 

 

「えぇえええっ?」

 

 

「‥ことりをあてにするつもりだったのですか?」

 

 

「違うよ〜、ちょっと借りるだけだよ〜っ。」

 

 

まさかのことりの給料を借りようとしていた穂乃果。

それに対して海未はため息を吐き、

μ'sのメンバーも汗を垂らしてその場を見ていた。

確かにことりは今現在、

μ'sの中で唯一バイトをしている。

だがバイトでメイドをしていたのは

この前知ったばかりだが、

新しい自分を見つけるためと

バイト先のことりはいつになく輝いていた。

 

 

「仕方ねぇな〜っ。俺が全部出して‥」

 

「あ、そうだ!真姫ちゃん家なら

別荘とかあるんじゃない!?

‥‥え、攻大君何か言いました?」

 

「あ、いや、何でもないです。」

 

 

おそらく転生者である攻大は神からお金を

一生分貰ってるのだろう、

鼻を擦りながら男前に費用を出してやろうと

言いたかったらしいが穂乃果はそれを割り入る

様に止めてさっきから髪をくるくるいじって

話に入らない西木野真姫へ別荘がないか聞いた。

 

 

「‥‥あるけど‥‥。」

 

 

「本当っ!?真姫ちゃん、おねがーいっ。」

 

 

「ちょっ、ゔぇえ!?

ちょっと待って!何でそうなるのよ!?」

 

 

嫌々答えた真姫の言葉に穂乃果は喜んで

真姫に抱きつき頬を擦り寄せる。

それが嫌か恥ずかしいのか真姫は

頬が赤くなり、離れようとする。

 

「そうよ、いきなり押しかけるわけには。」

 

 

「‥‥‥‥そっか‥‥そう、だよね‥‥‥あはは。」

 

 

「!‥‥‥‥〜。」

 

それを見ている絵里に言われ穂乃果は

落ち込み、次第に目に涙腺をためて真姫を

見つめ出す。それを見た真姫は

目を合わせたら負けだと思い、

目を逸らそうとするがその先のμ'sメンバーも

同じ目をして真姫を見ていた。

 

 

「‥‥仕方ないわね、帰ってパパに聞いてみるわ。」

 

 

「本当!?やったぁー!」

 

 

「おっしゃー!合宿だぜー!!」

 

 

「にゃーっ!」

 

 

観念した真姫にμ'sのメンバーは喜び、

特に穂乃果、攻大、凛は大はしゃぎだ。

それを見た絵里と希は互いを見て笑い

絵里はあることを思い出す。

 

 

「そうだ、これを機にやってしまった方が

いいかもねっ。」

 

 

「「‥‥?」」

 

 

絵里の言葉に花陽と盛り上がってた凛は

首を傾げるとうふふと笑って皆を見つめる絵里。

するとそこへトイレから帰ってきた

操真晴希が屋上への階段を登ってきた。

 

 

「あ!晴希君っ!今度合宿に

行くことになったんだよ!晴希君もくるよね!?」

 

 

「‥‥え?‥あ、あぁ合宿か‥‥。

うん、いいよ。」

 

 

「やったぁーっ!」

 

 

帰ってくるなりいきなり穂乃果は晴希を誘うが

晴希は考え事をしてたのか反応に遅れる。

 

 

「何だ晴希ー?合宿だぞ?しかも

穂乃果ちゃん達とだぞ〜?」

 

 

「黙れ変態。」

 

 

変なテンションの攻大に屑を見るような目で

晴希はそう言うとガン飛ばす様に攻大は

ああん?と言って晴希を睨む。

それがいつものやり取りだった。

 

 

 

「‥‥晴希、最近元気がありませんね。」

 

「うん‥、どうしたのかな‥?」

 

‥のだが、リザードマンの件から元気がない

晴希を、いつも一緒にいる海未とことり、

そしてはしゃいでる穂乃果も何かおかしいと

思いながら晴希を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

朝の東京駅、丸の内北口の前にて。

 

 

 

 

「えー!?先輩禁止!?」

 

 

 

当日の合宿日、集合場所に時間通りに

集まり‥と言いたいとこだが、

 

実は俺と穂乃果はなんとかギリギリに

時間通りについたのだ。

理由は至極簡単、このサイドポニーが

ワクワクしすぎて寝れなかったのだと。

俺のバイク、マシンウィンガーでは間に合わず

仕方なくハリケーンドラゴンスタイルで

穂乃果の家からここまで飛んできました。

空を飛んではしゃぐ穂乃果に

余計な魔力も使わせたので俺は

穂乃果の額にチョップをし、

今穂乃果の額にはバッテンの絆創膏が貼ってある。

 

‥‥とまぁ、それはさておき、

話は戻り、突然の絵里の言葉に

驚く穂乃果、それもそのはずだった。

 

 

「先輩禁止ですか‥絵里先輩って、

そんなフレンドリーでしたっけ?」

 

 

「全然、私もそこまで人と接することは

得意じゃないわ。ただ前から気になっていたの。

先輩後輩はもちろん大事だけど、踊っている時に

そうゆうこと気にしちゃダメだから。」

 

 

なるほど、確かに言われてみれば

後から入ってきた希さんと絵里先輩の方が

歳上だから、いつの間にかまとめ役になってる

絵里先輩は全く違和感ないし、

どうしても合わせてしまう所がいくつかあるな。

 

「そうですね、私も3年生に

合わせてしまう所がありますし‥‥‥。」

 

 

「そんな気遣い全く感じないんだけど?」

 

 

「それはにこ先輩が

上級生って感じじゃないからにゃ。」

 

 

「上級生じゃなきゃ何なのよっ?」

 

海未の言葉にジト目で見るにこ。

それに後付けする様に凛も言って

にこはその理由を聞いてくる。

すまないにこ、俺もにこが上級生だったの

すっかり忘れていたわ‥‥。

 

 

「ん〜‥‥‥後輩?」

 

「てゆうか子供?」

 

「マスコットかと思ってたけど?」

 

 

「ぶははははっ!」

 

 

「どぉゆう扱いよ!?

てゆか攻大、笑ってんじゃないわよ!」

 

 

凛、穂乃果、そして希の言葉に攻大は

吹き出して大笑い。つっこむにこは

鞄から取り出したハリセンを

攻大の頭に叩いていた。

 

 

「それじゃあ、さっそく今から始めるわよ?

穂乃果、晴希?」

 

 

「あ、はいっ、いいと思います!」

 

「俺も‥‥?」

 

 

絵里にいきなり指名されて戸惑う穂乃果と俺。

んー‥‥偉大な生徒会長様にタメ口か‥。

 

 

 

「え、えと‥‥絵里ちゃん!‥‥。」

 

 

「うんっ。ほら、晴希も。」

 

 

先陣切った穂乃果は何とか言えて

安心の息を吐く。そして絵里は

俺の方を見る。く、やるしかないか‥‥。

 

 

「‥‥じゃあ‥‥‥え、絵里‥‥。」

 

 

「‥‥‥‥‥ハラショー‥。」

 

 

「え?」

 

 

「今のはずるいわ‥晴希君。

ウチの名前も呼んでみてや。」

 

 

俺が恥ずかしながら絵里を呼ぶと

びっくりしたのと少し頬を赤く染める

絵里の顔を見て俺は戸惑うと

希が羨ましそうに名前を呼んで欲しそうに見ている。

 

 

「え、希さん?」

 

 

「んーちゃうちゃう〜、呼び捨てでええって。」

 

 

「あ、すみません‥、希さんは希さんが

いいんです。その呼び方じゃいけませんか‥?」

 

 

呼び捨てで呼んでほしいのだろうけど

色々と凄い希さんに呼び捨ては

流石にダメだと心がそう言ってる気がするんです。

それを聞いた希は頬をぷくっと膨らませて

分かった〜と不満気に言った。

 

 

「じゃあ凛も〜!‥‥ことり、ちゃん?」

 

 

「はいっ、よろしくね凛ちゃん☆」

 

 

凛も真似てさっそくことりを呼び

笑顔で返してくることり。うん、天使だ。

 

 

 

「おし!みんな!遠慮せずに

どんどんタメ口でいいぜ!」

 

 

そう言って攻大はどーんと構えて皆の前に立つ。

 

 

「よろしくにゃーマヨネーズっ。」

 

「うんっ、マヨネーズ君!」

 

 

「これからよろしくね、マヨネーズ君☆」

 

 

 

「うぉおおおおおっ!!?

後輩にもマヨネーズ扱いぃいい!!」

 

 

マヨラー率がハンパないので

凛、穂乃果、ことりは名前ではなく

マヨネーズと呼び、攻大はそれを聞いて

四つん這いになる。

‥‥そういえば、こいつも3年生だったな‥‥。

 

 

 

「くっそぉ!‥‥やっぱお前だけだぜ。

俺を名前で呼んでくれるのは‥。」

 

「あぁ、そうだな。」

 

 

「晴希‥‥‥!」

 

 

 

 

 

「よろしく、マヨネーズ。」

 

 

「テメェの頭にマヨネーズかけて

食うぞゴラァ!!!」

 

 

「はいはいはい、喧嘩しないの。」

 

 

攻大にそう言われて俺もマヨネーズと呼ぶと

涙目になって胸ぐら掴んできたが、

にこは攻大の服を後ろから引っ張って止めた。

それをメンバーの皆は苦笑してみてると

絵里が手をパンパンと叩き、注目を集める。

 

 

 

「では、改めて。これより合宿に出発します。

それでは部長の矢澤さんから一言。」

 

 

 

「え!?‥に、にこっ!?」

 

 

 

そろそろ新幹線も来る時間帯になり

出発前に意気込みを一言言わすため、

急に指名されて戸惑う部長のにこさん。

メンバーの皆もジーと見つめて

にこはゆっくりと皆の前へと歩き出す

そして‥‥‥。

 

 

 

 

 

 

「しゅ、出発〜〜‥‥!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「え、それだけ?」」」」」」」

 

 

 

「考えてなかったのよっ!」

 

 

 

幼稚園が言いそうな一言に

思わず全員が声を揃えて聞いてしまった。

そして俺は新幹線の時間帯をモニターで

確認すると同時に、ふと思った。

 

 

 

 

 

 

この旅の間だけなら、

ファントムとも合わないだろうし、

少しは、気が楽になるかな‥。

 

 

 

 

正直、まだあの千鶴さんの件で俺は

落ち込んでるし、不安だった。

俺だって転生者と言えど人間だ。

いつどこで人が襲われてるか分からない。

神に言われて励まされても

心はまだ引っかかっている。

 

ファントムって何なんだ‥?

人の皮を被った化け物なのか?

倒していくのが本当に正しいのか‥?

 

 

俺は‥‥正義というのが何か

分からなくなってしまったかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

「‥君‥‥希君‥‥‥‥‥晴希君!」

 

 

 

 

 

「うわっ!なにっ?」

 

 

「何じゃないよ!新幹線来るよ!

ほら、早く行こう!」

 

 

考え事してたら目の前に穂乃果がいて

俺はびっくりして後ずさる。

気が付けば、μ'sのメンバーは

チケットを通して中へと入って行っていた。

それに気付き、俺は穂乃果に手を引っ張られながら

駅の中へと入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

合宿先、西木野家の別荘にて。

 

 

 

 

 

「「「「「「ふぁあ〜‥!!」」」」」」

 

 

 

長いこと新幹線に揺られて地面に

足がつくとふらついてしまう‥‥。

それはともかく、合宿先に着いた俺たちは

さっそく真姫の別荘についたのだが、

‥‥‥すごいとしかいいようがない。

周りには南国で生えてる花‥

えぇとハイビスカスだったかな?

そして目の前にどーんと建てられてある別荘。

でかい、すごい、お金持ち‥‥。

医者ってそんなに稼げるのかよ‥‥‥。

 

 

 

「これはすごいな‥‥‥。」

 

 

「さすがお金持ちにゃー!」

 

 

 

「そう?別に普通でしょ?」

 

 

俺と凛が口を動かすとこれが当たり前の様に

真姫は言ってくる。‥‥お金持ちスゲェ。

 

 

「晴希!晴希!俺しばらくここに住むわ!」

 

 

「え?いやそれは好きにすればいいけど

学校は?」

 

 

「し、しばらく休みを‥‥!」

 

 

「ダメに決まってるやんっ。」

 

 

グラサンかけて高そうなカメラを首にかけて観光気分な攻大は晴希にそう言うと希が笑顔で

そう言ってきて落ち込む攻大。

 

 

 

「そんなことより早く中へ入ろうよっ!」

 

 

「穂乃果、慌てなくても別荘は逃げませんよ。」

 

 

もう中が見たくてしょうがないのか

穂乃果は海未とことりの手を引っ張って

中へと入っていき、それに続いて

俺や攻大、残りのメンバーも入っていく。

 

 

 

「‥‥ぐ、ぐぬぬぬ‥‥‥‥!」

 

 

ただ1人、何故かにこは悔しそうに別荘を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

寝室にて。

穂乃果、海未、凛では。

 

「ふぁあああっ、こことーった!」

 

 

別荘に入り各それぞれは荷物を置いて

室内の中を一通り見ることに。

そして穂乃果は寝室にあるベッドを

見た瞬間そこにダイブした。

 

 

「ぉおおっ!ふっかふか〜っ!」

 

 

「凛はこっちーっ。

海未先輩も早くおいでにゃーっ‥‥‥あ。」

 

 

詰めれば4人は寝れそうなベッドに

穂乃果は満足そうにゴロゴロと転がりまわり、

凛は邪魔にならないように端っこに座りこみ

海未を呼ぶが、絵里に出された

先輩禁止令の事を思い出す。

 

 

「‥‥やりなおしですね。」

 

 

「うんっ、海未ちゃん、穂乃果ちゃんっ。」

 

 

 

「くぁ〜〜〜‥‥‥。」

 

 

「寝てる!?」

 

 

海未の言葉に凛は言い直して穂乃果の名前を

呼び、寝転がる穂乃果を見るが気持ちよすぎたのか

一瞬で寝入ってしまっていた。

その一瞬が早すぎて思わずつっこむ海未。

 

 

 

 

 

 

 

 

キッチンにて。

にこ、晴希、ことり、真姫では。

 

 

 

 

「り、料理人!?」

 

 

「‥そんな驚くこと?」

 

 

「驚くよ〜、そんな人が家にいるなんて‥

ねぇ、晴希君。」

 

 

4人は広々としたキッチンを見て驚くが

何気に真姫が呟いた一言、

「私の家は料理人いるから誰もしなくていいの」

‥と、言われてそちらの方に驚くにことことり。

そしてことりは俺に

共感してほしいのだろう、聞いてくるが。

 

 

「うおお!これチーズフォンデュとかに

使うやつだ!‥うわ!スゲェ高そうな包丁‥

うっは〜っ、スッゲェ‥‥‥!」

 

 

キッチンに来るなり、料理器具を見て

目を輝かせる俺だった。

それを見るなりことりたちは苦笑してると

にこが軽く咳払いをして晴希以外の注目を集める。

 

 

「へ、へぇ!真姫ちゃん家もそうだったんだ〜、

にこん家も洗濯や料理する人いるのよねーっ、

だからにこー、料理とか

全然やったことないのよねー。」

 

お金持ちの真姫が羨ましいのか

意地を張って自慢するにこ。

それを聞いたことりは羨ましそうに喋る。

 

「すご〜い☆にこ先輩もそうだったなんて☆」

 

 

「‥にこにーでしょ?」

 

「え?」

 

「にこ先輩じゃなくて、にこにー!」

 

 

「‥‥にー は余計じゃない?」

 

 

先輩禁止令を忘れてことりは先輩を

付けてしまうが呼び方がおかしいのか

真姫はボソッと呟き、一方で晴希は

しばらくの間、料理器具を見ていた。

その後の感想では、

 

俺、こうゆうの集めたくなってきたかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

リビングにて。

絵里、希、花陽、攻大では。

 

 

 

 

 

「ここなら練習も出来そうね。」

 

「そうやねー‥ってえりち、

ここで練習する気?」

 

 

「練習と言っても歌の練習よ。

ラブライブ!出場枠が決定するのも

後1ヶ月ないんだもの。」

 

 

「お〜やる気やねっ、

‥で、花陽ちゃんはどうしてそんな端にいるん?」

 

まさしくお金持ちと言える

かなり広い空間のリビングで

絵里と希はそんな会話をしていると

希は観葉植物の後ろに隠れてる花陽に呼びかける。

 

 

「な、なんか広いと落ち着かなくて‥‥」

 

 

「まぁ、こんなに広いと驚くわよね‥‥

アレ以外は‥。」

 

 

 

 

 

「うぉおおっ!ここめっちゃ滑る〜!!」

 

 

ジト目で絵里が見る先には

二階のリビングで床を滑り、子供みたいに

はしゃぐ攻大の姿がそこにあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

「これが!合宿での練習メニューになります!」

 

 

一通り見終わり、さっそく練習を始めるべく

外へと集まった俺たちなのだが‥‥、

海未が出した課題がかなりハードだった。

‥‥精神統一ってお寺かなにかですか?

まぁ俺はできるけど。

 

 

「なかなかハードな練習メニューやねっ。」

 

「す、すごい‥こんなにびっしり‥‥。」

 

前に海未と俺が立ち それを見るメンバー、

右から順に真姫、希、絵里、ことり、花陽、

凛、にこ、穂乃果、攻大は

その練習メニューを見て驚いているが‥‥

左の凛と穂乃果とにこと攻大は何故か水着姿である。

 

 

 

「‥‥‥‥って海は!?」

 

 

「?‥私ですが?」

 

 

「そうじゃねえよ!あっちの海だよ

海未ちゃん!海水浴の方!」

 

 

もう泳ぐ気満々の穂乃果、そして攻大は

遊び時間がない練習メニューを作った海未に

文句を言うが、彼女はまだ笑顔だった。

 

 

「あぁ、それなら!ほらっ。」

 

 

海未がびしりと指差す所に

遠泳10Kmと書かれてあった。

 

 

「‥え、遠泳10Km‥!」

 

「そ、その後ランニング10Km!?」

 

 

 

「‥‥海未、これはさすがにキツいんじゃないか?」

 

 

「大丈夫ですよ晴希!熱いハートがあれば

私達の行く先‥destinationは

誰にも止められません!」

 

 

穂乃果とにこが驚いてる中、さすがにこれは

キツいだろうと俺は海未に言おうとするが

彼女の目は完全に燃えていた。

 

 

 

「ぐぬぬ‥‥変なスイッチが入ってるわよ‥。」

 

 

にこがそう言って水着姿の4人はたじろぐと

攻大はふと思ったのか前に出る。

 

 

「‥これならやってもいいんじゃないか?」

 

 

「えぇっ!?」

 

 

「はぁ!?アンタ本気!?」

 

 

「そうにゃ!攻大君ならともかく

凛達にとってこれは地獄にゃ!」

 

 

攻大の予想外な言葉に穂乃果、にこ、凛は

驚くが攻大は手のひらをつきだしてそれを制した。

 

 

「いや!皆まで言わなくていい!

遠泳10Kmだろ?要は‥‥‥‥。」

 

 

 

攻大は一旦区切り、別荘の目の前に広がる

綺麗な海を見つめ‥‥駆け出した。

 

 

 

「10Km分遊べばいいわけだー!!

ヒャッハー!!」

 

 

 

 

「おぉ!それなら穂乃果もできるよ!

よぉし!泳ぐぞー!」

 

「あっ、待って穂乃果ちゃーん!☆」

 

 

「にこも泳げるわよ〜!いっけぇ〜!」

 

 

「にゃー!かよちんも行くにゃー!」

 

 

攻大の後に穂乃果、ことり、にこ、

凛、花陽は別荘の階段を降りて砂浜へと

駆け出した。

 

 

 

 

「あ!貴方達、ちょっとーっ!」

 

 

「‥こうゆう時だけ頭が働くな。」

 

 

呼び止めようとする海未の横で

俺は背中姿の攻大を見ていた。

すると絵里がクスリと笑うと口を動かした。

 

 

「まぁ、仕方ないんじゃない?」

 

 

「えぇっ?いいんですか、絵里先輩‥‥あ。」

 

 

「ふふっ、禁止って言ったでしょ?」

 

 

思わず先輩を付けてしまい

すみませんと謝る海未。

そんなすぐには無理ですよ絵里先輩‥。

‥‥‥心の中なら間違っても大丈夫だよね?

 

 

「μ'sはこれまで部活の側面も強かったから

こうやって遊んで、先輩後輩の垣根を取るのも

重要なことよ。」

 

 

「は、はぁ‥‥‥。」

 

 

 

 

「おぉーい!海未ちゃーん、絵里ちゃーん!」

 

 

 

絵里の言葉にイマイチ納得がいかない海未。

すると浜辺の方から花陽が海未と絵里の名前を

呼んでこちらを見ていた。

 

 

 

 

 

 

「はぁーい!‥‥さ、海未、行きましょう!」

 

 

 

 

 

絵里に差し伸べられた手を海未は掴み、

水着へと着替えて、μ'sのメンバーは

思い切り海を楽しんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「‥‥‥‥はは、中々いいものを

持ってそうな子がいるわね‥‥‥。」

 

 

 

 

 

その遊んでるメンバーを

岩の陰から熱い炎天下のはずなのに

黒いフードを被った女性が彼女達の1人、

砂浜でビーチチェアに座って本を読む

真姫を見てニヤリと笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

3時頃、真姫の別荘内にて。

 

 

 

「ふぁー!遊びつくしたぜぇ‥‥‥!」

 

 

「本当だよー‥晴希君も真姫ちゃんも

いっぱい泳げばよかったのにぃ!」

 

 

「あー、悪い。」

 

 

「別に、日焼けしたくないもの。」

 

シャワーも浴びてクタクタなμ's達。

特に攻大と穂乃果はグッタリしていた。

穂乃果の言う通り俺と真姫は

あまり泳いでいなかった。

俺はあまり泳ぐ気分じゃなかったのと

‥水着姿の皆と遊ぶのは色々と目のやり取りが‥な。

真姫はどうしてかはわからないけど‥、

まぁ、何か理由がありそうな顔してるな。

 

 

 

「‥ん、ことり?どこ行くの?」

 

 

「あ、うん。ちょっと買い出しに。」

 

 

休憩していたにこが財布を持って

廊下を歩いているのが見えたのか

呼び止めるとことりは気付き、

リビングへと入ってきてそう言った。

 

 

「買い出し?」

 

 

「うん、なんかスーパーが結構遠いらしくて‥」

 

 

「あ、じゃあ行く行く!」

 

 

確かに真姫の別荘は

海辺にあってとてもいい場所なのだが

スーパーなどがある住宅地から結構距離がある。

ことりの言う通り、今の時間帯から

買い出しに行って支度しないと

晩飯が遅れるかも知れない。

ことりの買い出しに穂乃果は

ついて行くみたいだが二階のリビングにいた

真姫が顔を出してこちらを見る。

 

 

「別に、私1人で行くからいいわよ。」

 

 

「え、真姫ちゃんが?」

 

 

「私以外お店の場所がわからないでしょ?」

 

 

何を言ってる真姫。

使い魔達を使えば俺はすぐに分かるぞ。

(自分の力ではなく使い魔に頼る主人。)

 

 

「あ、じゃあウチと、晴希君がお供する。」

 

「え?」

 

「‥ん、俺っすか?」

 

 

そんなやり取りの中、ソファーに座って

雑誌を読んでた希が手を上げ、俺の名前も

呼んで買い出しメンバーに入れられた。

 

 

「ええやろ?こうゆう組み合わせもっ。」

 

「まぁ、俺は別にいいっすけど。」

 

「‥‥。」

 

 

真姫と希さんペアか‥‥言われてみれば

珍しい組み合わせかもしれない。

 

 

 

 

「晴希〜〜、マヨネーズ買ってきて〜〜。」

 

 

「自分で行けマヨネーズ。」

 

 

「足がクタクタなんだよ〜頼んます〜〜‥‥。」

 

 

 

いつも言い返すのに

気の抜けた言葉で返してくる攻大。

どうやら本当にクタクタのようだ。

俺は息を吐いてそれを了承した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

別荘に続く道路にて。

 

 

 

「いやー、晴希君はほんま便利やね〜。」

 

 

「パシリ扱いで呼んだんすか‥‥?」

 

 

スーパーで買い物を終えた俺ら3人。

2日分の食料を買ったので

かなり大荷物になったのだが、

俺のコネクトリングですぐに別荘へ

移動させて、さっそく料理担当のことりが

作ることに。

 

 

「そんなわけないやん〜、

‥‥おぉ、綺麗な夕日やね〜。」

 

 

「‥‥本当すね。」

 

 

軽く流されたのはさておき、

立ち止まる希さんにつられて

俺も立ち止まり、その景色を見た。

沈む太陽に、それに反射してキラキラと光る海。

俺は思わずスマホで写真を撮ってしまうほど

それは美しい光景だった。

 

 

「‥‥どうゆうつもり?」

 

 

すると、先ほどから黙っていた真姫が

夕日を見ながら希にそう言った。

おそらく、何故ついてきたの?

と言いたいのだろう。

 

 

「別になんもー、真姫ちゃんは

めんどうなタイプやな〜って。」

 

 

「‥‥‥‥‥。」

 

さらっと酷いこと言った希に

真姫は黙り込み、俺は何も言わずに

続けて喋る希の話を聞いた。

 

 

「本当はみんなと仲良くしたいのに、

中々素直になれない。」

 

「‥‥わ、私は別に‥‥。」

 

「そうそうそれそれ。そうやって

素直になれないんやろ?」

 

 

「っ、てゆうか、どうして私に絡むの?

晴希先‥‥は、晴希も何かあるんでしょ?」

 

 

真姫はそう言って俺へと視線を向ける。

なるほど、今まで皆と距離を取ってたのは

ツンデレな性格だったからなのか。

そして希はうーんと俺を一瞬見て考えると

真姫の方を見て優しく微笑んだ。

 

 

 

「ほっとけないのよ。よく知ってるから、

貴方に似たタイプ。」

 

 

「なにそれ‥‥。」

 

 

「ま、たまには無茶するのもアリってことやな、

‥‥それと晴希君。」

 

 

真姫には言い終わったかのように

今度は俺に目線を向けて口を動かした。

 

 

「晴希君はこの合宿で

なにか掴めるんやない?」

 

 

「‥‥え?」

 

 

「今ある壁を壊す何かが、

ウチはカードのお告げしか分からへんけど

きっと見つかると思うで。

今は合宿やし、考える時間はあるはずや。」

 

希はそう言って止めていた足を動かし、

先へと歩いて行った。

 

 

 

「‥‥晴希、どうゆうこと?」

 

 

希のアドバイス的な言葉を真姫は理解出来ず

俺に聞いてくるが、俺は苦笑して

歩き出し、真姫も遅れて歩き出した。

 

 

 

「‥‥‥まぁ、なんてゆうか‥、

さすが希さんだよ。」

 

 

「‥‥あの人たまに何を考えてるのか

分からないわ‥。」

 

 

「それが希さんだな。」

 

 

「‥‥意味わかんない‥‥。」

 

 

 

俺と真姫はそう言って希さんの後を歩いて行った。

今ある壁を壊す何か‥‥‥

その質問の意味は分かるが、

俺はその壊し方が分からなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

その夜、真姫の別荘にて。

 

 

 

 

 

「アタタタタター!」

 

「ホワチャーッ!!」

 

 

 

「‥‥‥‥ことり、キッチンでバカが叫んでるぞ?」

 

 

買い物から帰ってきた俺と真姫と希。

そして俺と真姫は先に送った食料を見に

キッチンへ行くとにこと攻大がバカみたいに

叫んでカレーを作っていた。

 

 

「え、えと、私がモタモタしてたからだよ‥。」

 

 

ことりはそう言って申し訳なさそうに

にこと攻大を見る。‥てゆかにこは

ともかく攻大も料理出来るんだな‥。

 

 

「俺の微塵切りを見やがれぇえ!!

アタタタタタァ!!‥‥‥‥‥くぁ!

目がいてぇっ!」

 

 

 

玉ねぎを微塵切りしてる攻大は

目をやられたのか涙を流しながら

玉ねぎを切っていた。

隣の穂乃果は目、拭けばいいのにと

さらっと呟いた。

 

 

 

 

 

ーーーー

 

 

 

 

「「「「「「いただきまーす!」」」」」」

 

 

 

作り終えてリビングで集まり

にこと攻大が作ってくれたシーフードカレーと

ポテトサラダをありつけることにした。

 

 

 

「‥‥なんで花陽のだけご飯は別なの?」

 

「気にしないでください。」

 

「い、いや〜気になるだろ?」

 

「気にしないでください。」

 

「あ、はい。」

 

 

そう、花陽だけご飯は別の茶碗に入れて

カレーはルーだけが盛り付けられていた。

絵里と俺の質問にさらっと受け流して

目の前の白米に目を輝かせる花陽。

 

 

「んー!これ凄く美味しいにゃ!」

 

 

「はむ‥‥本当だっ、にこちゃんと攻大君

料理上手だねぇ!」

 

 

「へっへへ!だぁろー!」

 

「ふふん、当たり前よっ。」

 

 

合唱もしたことでさっそく食べ始める

凛と穂乃果は頬に片手を置いて

マヨネーズをドバッとかけてる攻大と

ドヤ顔で鼻を鳴らすにこ。

 

「あれ、でも昼に料理なんてしたことないって

言ってなかった?」

 

 

「ゔぇ?」

 

 

「‥ん?そんな事言ってたか?」

 

「晴希は料理器具で夢中だったでしょ?

確かに言ってたわよ、

いつも料理人がしてくれてるって。」

 

 

ことりがふと思い出すかのように言うと

にこは冷汗を流し、俺が首を傾げると

真姫がそう言ってにこを見ていた。

あ、あのお昼の時間帯の頃ね。

 

 

 

「‥‥‥こ、これからのアイドルは、

料理の1つや2つを作れないと生き残れないのよ!」

 

 

「開き直った!?」

 

 

誤魔化すかの様ににこは立ち上がり

そう言うと穂乃果がつっこむ。

‥‥‥ほっといて食べるか。

 

 

 

 

 

 

「ところで攻大、胡瓜は余分に切ってくれた?」

 

「んん、ひっはお〜!」(切ったぞ〜)

 

「ちょ、食べながら喋らないでよ!!」

 

 

にこと攻大はヒソヒソと何か喋っていたが

俺は気にせずカレーを口へと運んだ。

 

 

うまいなこれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

「ふぁ〜食べた食べたー!」

 

 

「いきなり横になると牛になりますよ?」

 

 

「もぉ、お母さんみたいなこと言わないでよ〜。」

 

 

「むしろ苦しい‥‥み、皆まで言わなくていい‥

誰か胃薬を‥‥‥」

 

 

「食べ過ぎよ、はい胃薬とお水。」

 

 

「絵里ちゃんあざっす‥‥。」

 

食べ終えたメンバーの内、穂乃果は海未に

言われてブーブーと言いながら

ソファーに寝転がり、向かい側のソファーでは

食べ過ぎでグロッキーになってる攻大に

絵里は胃薬と水を与えていた。

カレー5杯もおかわりすればそうなるって。

それにカレーのルーを埋め尽くすほどの

マヨネーズ‥‥あー想像しただけで吐き気が‥。

 

 

 

「よぉし!じゃあこれから花火するにゃー!」

 

 

「凛ちゃん、その前にご飯の

後片付けをしないとダメだよ。」

 

 

「あ、それなら私がやっておくから、

みんなは行ってきていいよ☆」

 

 

花火を提案した凛は立ち上がると花陽に

食器の後片付けをしろと言われるが、

ことりが手を上げて皆の食器を集め始める。

 

 

「ダメよことり、自分の食器は自分で片付けないと。」

 

 

「それに、花火よりも練習です。」

 

 

「え、これから?」

 

 

絵里はそう言って自分の食器を運ぼうとすると

隣の海未が今度は練習すると提案する。

それをにこと凛が嫌そうに海未を見つめる。

 

 

「当たり前です、昼間あんなに

あそんでしまったのですから。」

 

 

「‥まぁ、海未。今日はいいんじゃないか?

そこで寝転がってる人なんか‥‥」

 

 

「ゆーきほー‥‥お茶まだーー?」

 

 

「家ですか!?」

 

 

昼間練習が出来なかったからか

少し不機嫌な海未に対して俺が宥めながら

穂乃果を見ると既に寝言を言っていた。

すると真姫が自分の食器を持って立ち上がる。

 

 

「じゃあ私はこれ片付けたら寝るわね。」

 

 

「えぇ!真姫ちゃんも一緒にやろーよ花火!」

 

 

「いえ、練習が先です。」

 

「花火にゃ!かよちんも花火よね?」

 

 

「わ、私はそれよりお風呂‥‥」

 

 

「第三の意見出してどーするのよ!?」

 

真姫の言葉に凛は止めて花火へ誘うが

海未は練習を推してきて凛は花陽へ

意見を聞こうとするがまた別の提案に

驚くにこ。

これじゃあキリがないと俺は水を飲んでると

希が口を動かした。

 

 

「じゃあ今日はみんな寝ようか。

みんな疲れてるやろ?練習は明日の早朝、

それで花火は明日の夜すればいいやん?」

 

 

 

「そっか〜‥うん、それでもいいにゃ!」

 

 

「確かに、練習もそちらの方が

効率いいかもしれませんね。」

 

 

 

「はい、じゃあ決定やねっ。」

 

 

希の提案に凛と海未は了承する。

やっぱさすが3年生だわ‥。

 

 

 

「ゆーきほー‥‥お茶お茶〜〜!」

 

 

「あー、もう食べられなーい‥‥」

 

 

 

ソファーで牛みたいに寝てる穂乃果と

グロッキーで寝てる攻大を見て俺は

ため息を吐いて2人の分の食器も洗うことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

 

「晴希、俺たちは合宿に来ている、

しかも可愛いμ'sの皆さんと‥だ。

その意味が分かるか?」

 

 

「‥‥‥何だよ急に。」

 

 

 

食器を片付けて穂乃果達が露天風呂へ

入ってる間、俺と攻大は彼女達の為に

布団を敷いているとグロッキーから戻った

攻大が突然そう言ってくる。

 

 

「今皆さんは何をしてる‥‥?

そう!お風呂!ザ・入浴!!

つまり全裸!!」

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

ヤバい、俺は今までこんな野郎と

話してたのか‥。

完全にど変態だ‥‥‥!

 

 

 

「とゆうわけで!おい晴希!

女子風呂覗こうぜ!お前今日

ずっと落ち込んでたから少しは

気分も晴れるだろ!」

 

 

 

「落ち込んでねーし!てか‥ぜ、絶対行かねぇ!」

 

 

 

満面の笑みで俺の肩に手を置いて攻大は

そう言うが俺は頬を赤く染めてその手を振り払った。

 

 

「カァー!!貴様それでも男子か!?

同じ男として俺は恥ずかしいぞ!」

 

 

「いや、だったら1人で行ってこいよっ。」

 

 

「1人で行ったら俺だけ変態じゃねぇか!」

 

 

「既にド変態だろ!!」

 

 

 

ギャーギャーと言い合う俺と攻大。

すると攻大はちらりと時計に目を向ける。

 

 

「ぐ、早くしないと女子達が上がってしまう!

こうなれば強行だ!行くぞ兄弟!」

 

 

「ちょっ!?まっ!?バカヤロオオォオ!!?」

 

 

攻大は慌てるなり俺の手を掴んで

今女子が入っている露天風呂へと無理矢理

連れてかれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

露天風呂の仕切り裏にて。

 

 

 

 

「‥‥‥こちら攻大、潜入に成功、オーバー。」

 

 

「バカッ喋るな!」

 

 

 

攻大に連れられて本当に来てしまい、

しかもこの仕切りの向こうには入浴中の

穂乃果達がいるのだ‥‥‥あぁヤバい‥‥

バレたら殺されるだけじゃすまないよな‥。

 

 

 

「いやー、気持ちいいね〜っ。」

 

 

「うん〜☆」

 

 

「明日はちゃんと練習ですよ?」

 

 

「わーかってるってー。」

 

 

この声は‥穂乃果とことりと海未とにこだな‥

 

 

「何だ?お前も乗り気じゃんか。」

 

 

「バ、バカヤロッ!手ェ離さないからだ!」

 

小声で話す攻大と俺。

するとまた会話が聞こえてくる。

 

 

「にゃー!かよちんまた胸大きくなったにゃ?」

 

 

「えぇっ?そ、そんな事ないよ!」

 

 

「確かにコレは凄いよね〜‥‥。」

 

 

何だ‥‥無茶苦茶気になりそうな会話が

聞こえてくるぞ‥‥‥花陽の胸‥‥

確かにデカいよな‥‥‥はっ!?

い、いかん!これ以上考えたらマズい!

 

 

「ほほぉ‥どれどれ〜‥‥‥ガシ!」

 

 

「っ!?ひゃあぁああっ!!?

の、希ちゃん!?」

 

 

「おぉ、本当にデカいな〜

生でワシワシすると全然違うわ〜っ。」

 

 

 

「ほ、本当にやめ‥‥ん!‥んぁ!?」

 

 

 

 

 

 

「「ぶふっ!?」」

 

 

多分、希にワシワシされて

花陽が変な声出した瞬間、俺と攻大は

鼻血を吹き出してしまう。

 

 

 

 

「‥あれ?今何か音しなかった?」

 

 

「え、なにも聞こえなかったわよ?」

 

 

ことりに聞こえたのかことりはそう言って

仕切りの方を見ると絵里が答えて

つられてμ'sのメンバーも仕切りを見てくる。

 

 

「‥‥‥(もう俺逃げる。)」

 

 

「‥‥‥!(バカ!ここからがアレだろ‥‥

‥はい、逃げましょうか。)」

 

 

その仕切りの向こうでは必死に鼻血を押さえて

アイコンタクトで会話する俺と攻大。

そして色々と耐え切れず、俺は

かなりど怒りな目つきで攻大を黙らせて

こっそりとそこから逃げ出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女子風呂潜入作戦その1、

 

脱出 成功

 

覗き 失敗

 

 

そして晴希達はこの時知らなかった。

またいずれ、潜入作戦が開かれることを‥。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

別荘のリビングにて。

 

 

 

「ごめんね2人とも。

私達が入ってる間に布団敷いてもらっちゃって。」

 

 

「「いえ!大丈夫です!」」

 

 

「そ、そう?な、ならいいけど‥‥。」

 

 

無事逃げ出すことができ、

俺と攻大も速攻で風呂に入って戻ってくると

絵里がそう言ってお礼を言ってくるが

俺と攻大は声を揃えてそう言った。

 

 

「いえーい!私ここー!

晴希君もおいでよー!」

 

 

「え!?いや‥俺は他の寝室で寝るよ。」

 

 

「えぇ!?ダメだよ!一緒に寝ようよ!」

 

 

寝る場所を決めた穂乃果は俺を手招きで

呼ぶが、俺は先ほどの件もあるので拒否すると

穂乃果は布団から立ち上がり、

俺の手を引っ張ってくる。

 

 

 

「ちょ!?俺男子、穂乃果達は女子!

この意味分かる!?」

 

 

「別にいいんじゃないかなっ?

ね、ことりちゃん。」

 

 

「うん☆それに一回

晴希君の家に泊まったことあるし☆」

 

 

マジカーイ‥‥‥ダメだ、穂乃果の目は

完全に止められない目をしてる。

俺は本当に先ほどの事が申し訳なくなりながら

穂乃果に引っ張られて隣の布団へと座り込んだ。

 

 

「攻大君も一緒だからねっ。」

 

 

「マジすか!?‥‥じゃあ、お言葉に甘えさせて

いただきます。」

 

 

 

「こうっち、変なことしたらしばいたるからな〜?」

 

 

「‥‥‥はい。」

 

 

穂乃果に言われてデレデレする攻大に

希は殺意を向けるような笑顔で

そう言うと一瞬で攻大は黙り込んだ。

 

 

 

「凛はかよちんと隣にゃー!」

 

 

「うちはここやなー、真姫ちゃんは?」

 

 

「‥‥どこでもいいわ。」

 

 

それぞれの寝る場所が決まり

薄い掛け布団を敷いて寝に入ろうとする。

‥‥これ絶対眠れないやつだわ。

 

 

 

 

「それじゃあ、電気消すわよー?」

 

 

 

「「「「「「「「はーい。」」」」」」」」

 

 

定位置も決まりにこがそう言って

ボタンで電気を消し、皆は一気に静まった。

 

 

 

「‥‥‥‥‥‥‥‥。」

 

 

 

 

 

んー、寝れないとか言ってたけど

この布団中々気持ちいいぞ‥‥‥。

 

 

 

 

「‥‥ねぇ。‥ねぇ、ことりちゃん、晴希君。」

 

 

「んー?」

 

「‥何だ?」

 

 

ふと穂乃果は両側で寝てることりと俺の名前を

小声で呼び、俺とことりは寝返りをうって振り返る。

 

 

「何だか眠れなくて‥あはは。」

 

穂乃果は苦笑して布団から

ひょこっと顔を出して俺を見てくる。

安心しろ、俺は全く眠れない。

 

 

「話してたら眠れないよ?☆

それに静かにしないと海未ちゃんが起きちゃう。」

 

 

ことりの言葉に俺と穂乃果は起き上がって

ことりの隣にいる海未を見ると寝息を立てて

完全に熟睡状態だった。

そういえば海未は寝るのすげぇ早いんだった。

 

 

「おぉ、さすが海未ちゃん‥‥。」

 

 

「‥‥‥あ、寝れないなら

スリープリングで寝かせようか?すぐ寝れるぞ?」

 

 

海未を見てると俺は魔法リングの

スリープリングを思い出す。あれ使えば

すぐに寝れるから全く寝れないときはとても

便利な魔法だ。

 

 

「え〜‥それはそれで何かもったいないよ〜。」

 

 

「寝れないって困ってたじゃん‥。」

 

 

「‥おい、おい、晴希!何でお前ばっかり

そんな便利な魔法あるんだよ!」

 

 

俺と穂乃果が会話してると

俺の向かい側にいる攻大はそう言ってくる。

因みに攻大の隣は凛で、

もう片方の隣はにこが寝ている。

 

 

「いや、だってなぁ‥‥‥どんまい。」

 

 

「くっそぉ〜‥‥‥!何で俺だけ

こんな指輪しかないんだよぉ‥!」

 

 

「晴希、攻大。騒いでたら

いつまで経っても眠れないわよ。」

 

 

「「すみません‥‥‥。」」

 

 

俺と攻大が起き上がって喋ってると

絵里に怒られ再び寝転がる。

気がつけば穂乃果は掛け布団に包まって

既に寝る体制に入っていたので俺も

息を吐いてそのまま目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

バリ‥‥‥バリバリ‥‥‥

 

 

 

 

 

 

しばらくすると、突然何かが

折れるような音が聞こえてくる。

 

 

 

 

「ちょ、なんの音?」

 

 

「私じゃないですっ。」

 

 

「凛でもないよっ?」

 

 

「攻大、やめろよ変な音。」

 

 

「ちがっ!俺でもねえよ!」

 

 

絵里、ことり、凛、俺、攻大が喋り

次第に音が大きくなるので俺は隣に置いてある

リモコンを手に取り、電気を付けると。

 

 

 

 

 

「「「「「「「あぁー!?」」」」」」」

 

 

 

「んぐっ!?‥‥ゴホゴホッ!」

 

 

 

 

音の元凶を確かめるべく電気を付けると、

俺の隣の穂乃果が布団に包まってせんべいを

バリバリと食べていた。

それを見て皆は声を出すと穂乃果は

喉に詰まらせ、勢いよく立ち上がる。

 

 

「何してんだよ穂乃果っ。」

 

 

「い、いやー何か食べたら

寝れるかなって思って‥‥‥。」

 

 

「びっくりさせるなよ穂乃果ちゃんっ。」

 

 

「あ、凛ももらうにゃー。」

 

 

俺が穂乃果を注意してると

向かい側の攻大と凛が穂乃果の食べてる

せんべいをとって口に運んでいた。

 

 

 

 

「んもー、さっさと寝なさいよ、

眠れないじゃない!」

 

 

 

「「「「「「!!!!?」」」」」」」

 

 

 

無理矢理寝ていたのか電気を付けても起きなかった

にこが苛立ちながらむくりと起き上がり、

こちらを振り向くと、その場にいる

海未以外のメンバーはにこの顔を見て

驚愕‥いや、恐怖を覚えた。

攻大と凛に至っては食べてるせんべいを

ポロリと落としたぐらいだからだ。

 

今のにこの顔は美容パック、そして

なぜかその上に輪切りにした胡瓜を

何個かつけていた。

言ってしまえばかなり不気味、怖い。

 

 

 

「な、な、何だよその顔‥‥‥。」

 

 

「何って美容法だけど?」

 

 

「は、ハラショー‥‥‥。」

 

 

皆がドン引きしてる中、

俺は恐る恐る聞いてみるとにこは

そう答えて、絵里はさらに驚いていた。

 

 

「こっわ!?夢に出るわそれ!

‥は、まさか胡瓜余分に切ったのも

それが目的で‥‥‥。」

 

「にゃ〜‥‥‥かよちーん‥っ‥。」

 

「こ、怖すぎです‥‥‥。」

 

 

「誰が怖いよ!?いいからさっさと寝るわよ!」

 

 

続けて攻大、凛、花陽もにこの顔を見て

怯えるがにこは諸共せずに

リモコンを手に取ろうとすると‥

 

 

 

 

「ぶっ!?」

 

 

 

突然にこの顔面に枕がダイレクトアタックし、

にこの顔に付いてた胡瓜は飛び散り

そのまま仰け反る。

 

 

 

「あー!真姫ちゃん何するのーっ?」

 

 

「えぇっ!?な、何言ってるのっ?」

 

 

希が半分イタズラ顔でそう言っていた。

どうやら真姫が枕を投げたらしい。

まぁ、あんなパック付けてたら

投げたくなる‥‥のかな?

 

 

 

「アンタねぇ〜〜‥‥‥‥!!」

 

 

「いくらうるさいからってそんな事しちゃダメ よ!」

 

 

拳を作って怒るにこに希はそう言って自分の

持ってる枕を凛にへと投げつけた。

 

 

「ふぶ!?‥‥何するっにゃ!」

 

 

「ほぶっ!‥‥‥んー、よぉし!えい!」

 

 

さらに凛はその枕を穂乃果へと投げつけ

穂乃果は真姫と投げる。

 

 

「うわっ!?」

 

「投げ返さないのー?ウシシッ。」

 

 

「あ、貴方ねーっ‥‥ふぅうっ!?」

 

 

投げられた枕を手で受け止める真姫だが

それを煽る希に真姫がよそ見をしてると

隣の絵里がイタズラ笑みを浮かべて

真姫へと投げつけていた。

 

 

 

「ーーんもぉ!!いいわよ!

やってやろうじゃない!っえい!!」

 

 

「ぶっふ!?」

 

「うぉっ!?」

 

 

とうとう真姫にも火がつき、

μ's合宿での枕投げが始まった。

そして真姫は両手に枕を手に取ると

1つはにこ、1つは攻大へと投げつけた。

 

 

「やりやがったなぁ!

‥‥‥と見せかけてくたばれぇっ!!」

 

 

「っ!ぶっ!?」

 

 

にこはそのまま再び仰け反り、

攻大は真姫に投げ返すのかと思ったら

俺に思い切り投げつけ、反応が遅れた

俺はもろに顔面に直撃する。

 

 

「うーっにゃ!!」

 

 

「っ、パス☆」

 

 

「ぶあっ!?」

 

それに続き、凛もことりへ枕を投げつけるが

ことりは上手いこと自分の枕で

穂乃果へと跳ね返し、穂乃果は顔面にくらった。

 

 

 

「‥‥‥‥!」

 

 

一方で真姫は両側から投げようとする

絵里と希の3年コンビに苦戦を強いられていた。

 

 

「えいっ!」

 

「たぁっ!」

 

 

「‥‥!!‥‥んっ!」

 

 

そして同時に真姫に枕が投げつけられるが

間一髪で真姫はしゃがみ、絵里と希の枕が

空中でぶつかる。

 

 

 

「‥やりやがったなマヨネーズ!

おらぁっ!!」

 

 

「へっへー!残念でした!」

 

 

俺も火がつき、最初に狙った

攻大に枕を投げるが軽い身のこなしで

それを避けて俺を煽る様ににくい顔で

笑ってくる。

 

 

「隙あり!」

 

 

「ほばあっ!!?」

 

 

「ナイスだ穂乃果っ!」

 

 

「えっへへー!」

 

 

だが、その横から穂乃果の枕が

攻大に直撃し、攻大は体制を崩して

布団へ倒れてしまう。

 

 

 

 

合宿の定番とも言える枕投げ。

それは徐々に俺や真姫の心をヒートアップしていき、

夢中になり、だんだんと楽しくなってきた。

 

だがそれは大きな過ちを犯す事になった。

 

 

 

 

 

 

 

「‥‥‥ふぐっ!?」

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「あっ!」」」」」」」」

 

 

 

 

夢中になっていたのか1人熟睡している

海未の顔に誰が飛ばしたのか2つの枕が

ヒットすると同時に海未以外のメンバーは

やっちまったと言わんばかりの表情になる。

そして海未は顔面に直撃した枕を両手に持ち、

ゆっくりと立ち上がった。

 

 

 

 

 

 

「‥‥‥‥何事、ですか‥‥‥‥?」

 

 

 

 

 

 

「‥‥‥っ!う、海未‥さん?」

 

 

「え、え〜っとぉ‥‥‥。」

 

 

声のトーンで分かる。

かなり怒っている海未は静かにそう言って

俺たちを前髪で隠れてる目で見回し

俺は思わずさん付けになり、

ことりも自分の枕を抱きしめて戸惑う。

 

 

 

 

 

「‥‥‥どうゆうことですか‥‥‥?

明日、早朝から練習です‥よね‥‥?」

 

 

 

 

「ち、ちがっ!狙って当てた訳じゃ!」

 

 

「そ、そうだよ海未ちゃん‥‥!」

 

 

「お、落ち着きなさい海未‥‥!」

 

 

皆が恐怖に怯える中、海未は

ゆっくりと喋りだす。完璧に怒ってますよね‥?

それを真姫、穂乃果、絵里が宥めようとする。

 

 

 

 

「‥‥こんな夜中に‥いい度胸ですね‥‥‥‥

ふふ‥‥‥‥ふっふふふふふ‥‥‥‥‥」

 

 

 

 

「あ、あかん!これはあかんやつや‥!」

 

 

「ど、どうするよ!これやばいぜマジで‥!」

 

 

「う、海未ちゃん、寝てる時に邪魔されると

物凄く機嫌が‥‥!」

 

 

 

不気味に笑い出す海未に、希と攻大、そして

ことりが言いかけた瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

「ふんっ!!!」

 

 

 

 

 

 

瞬間。

 

 

 

 

 

「ぶほぉあっ!!?」

 

 

 

 

海未の手から放たれた枕が

とてつもないスピードで俺達の横を横切り、

その先にいるにこの顔面へと直撃した。

 

 

 

 

「っ!?に、にこ!!」

 

 

「にこちゃんっ!?だ、ダメにゃ!

も、もう手遅れにゃあっ!!」

 

 

「ち、超音速枕‥‥‥!?」

 

「ハラショー‥‥‥。」

 

 

俺が叫び、凛はにこを抱えると

にこはもう完全に虫の息だった。

それを見た花陽は技名を付け、

絵里はいつもの言葉で驚いていた。

 

 

 

「ぐっふふふふふ‥‥覚悟はできてますね?」

 

 

 

「ど、どうしよう穂乃果ちゃん!」

 

 

 

「くっ!生き残るには戦うしか‥‥ぐおっ!?」

 

 

「ピイッ!?」

 

 

再び枕を持って構える海未に

ことりは戦友(仮)である穂乃果に

助けを求め、穂乃果は立ち向かうべく

枕を持って立ち上がるが、超音速枕により、

一瞬でダウンした。

 

 

 

「っ、ごめん海未ゅ!?」

 

 

 

海未の背後にいた絵里は隙を突こうと

背後から枕を投げようとするが

目に見えぬ速度で海未は振り返り

絵里に枕をぶつけてダウンさせた。

 

 

 

 

「くっ!‥‥晴希!ここは一時休戦だ!」

 

「そ、それしかないな!」

 

 

絵里も倒れてしまい、俺と攻大は

ソファーに置いてあるベルトを

寝間着の上から巻きつけて

俺はコネクトリングをかざした。

 

 

 

《コネクト・プリーズ》

 

 

 

音声が鳴ると俺の目の前に魔法陣が現れ

俺は中腰になり前方の海未を警戒する。

 

 

「なるほど!それで跳ね返して

海未に当てる作戦だな!

‥‥て、俺ベルト付ける意味‥なくね?」

 

 

攻大はそう言ってベルトを見ていた

そして攻大は気付いていなかった。

彼の背後にコネクトで通じた魔法陣があることと、

俺が静かににやけていたことを。

 

 

 

「‥ふんっ!!」

 

 

そして海未から超音速枕が放たれ

その枕は弾丸の如く魔法陣の中を通り抜ける。

 

 

 

 

 

「‥‥‥え ドルベッシュっ!!?」

 

 

 

 

 

そして攻大の背後から出てきた

超音速枕は攻大の後頭部へと直撃し、

その場で前転をする形で攻大は空中を回転し

布団へと倒れこんだ。

 

 

 

 

「攻大!!‥おのれ海未!

攻大によくもぉッツァレラチーズ!!?」

 

 

 

 

 

「いや何がしたかったん!?」

 

 

 

倒れる攻大に半分笑いながら俺は

海未へと振り返ると既に目の前に超音速枕が

きており、俺は顔面に当たると同時に

変な言葉を叫んでその場にダウンした。

それを希がつっこみ、海未は次の標的を

花陽と凛にへと変える。

 

 

 

 

 

「り、凛ちゃんっ‥‥!」

 

「かよちんっ‥‥‥!」

 

 

 

「「助けてぇーーーーっっ!!」」

 

 

狭まる恐怖、布団の端へ追い詰められた

花陽と凛は身体を寄せ合い、助けを呼んだ。

その瞬間。

 

 

 

 

「うっ!?‥‥‥うぅ‥‥‥。」

 

 

 

「‥‥っ、真姫ちゃんっ。」

 

 

「希ちゃんっ。」

 

 

海未の横から2つの枕が飛んできて海未にヒット。

それは真姫と希が投げた物で海未はダウンし、

再び熟睡、 気が付けば枕でやられた皆は

スヤスヤと寝ていた。

 

 

「ふぅ〜‥‥‥。」

 

 

 

「‥全く。」

 

 

「でも、元はと言えば真姫ちゃんが始めたにゃ。」

 

 

「ち、ちがうわよ!あれは希が‥‥。」

 

 

海未が寝てる事を確認してことりも息を吐く。

それに続いて真姫もため息を吐くと

凛に苦笑されながら言われるが実は最初に

枕をぶん投げたのは希。

希のせいのはずなのだが。

 

 

「うちはなんもしとらんよ〜?」

 

 

「あ、あんたねぇ‥‥。」

 

 

「自然と呼べるようになってるやん、名前。」

 

 

「え‥‥‥あ。」

 

 

シラを切る希に軽く怒る真姫だが

自分が希の名前を呼んでることに気付く。

それをことり、花陽、凛は微笑んで真姫を見ていた。

 

 

 

「べ、別に頼んでなんかいないわよっ!」

 

 

 

真姫は頬が赤くなりながら枕を

希に投げつけそう言った。

 

 

「うわっぷ!‥お、第2ラウンドいっちゃう?」

 

 

「しないわよっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

明け方、真姫の別荘内にて。

 

 

 

 

「‥‥‥んん‥‥‥‥?」

 

 

 

気が付けば寝ていたのだろう。

真姫は目を覚ますと時刻はまだ4時半。

少し寝ぼけながらも寝ている

μ'sメンバーを見渡す。

攻大は凛と花陽、希と絵里の間で寝ており

晴希は隅の方で布団に包まって寝ていた。

にこやことり、海未もまたスヤスヤと寝ており

穂乃果に至っては寝ぼけて腕を頭上で

ぶんぶん振り回していた。

すると真姫は起き上がると端の方にいる

晴希へと近付き寝ている顔を覗き込む。

 

 

 

「‥‥‥‥‥‥寝顔‥‥‥‥ハッ。」

 

 

静かな寝息を立てて寝ている晴希の顔を見て

少しニヤける真姫。そんな自分に気付き、

私何やってるんだろうと距離を取る。

真姫は気分を紛らわそうと夜風に当たることにした。

 

 

 

 

 

 

「‥‥‥ん?」

 

 

「‥‥にゃあ〜?」

 

 

 

ドアを閉めてリビングから出て行った真姫の後、

その音でなのか晴希と凛もむくりと起き上がる。

 

 

 

「あー晴希君〜〜。」

 

 

「何だ凛‥‥お前もトイレ?」

 

 

目を擦り眠たそうに欠伸をする凛に

同じくボーっと眠たそうにする晴希が

そう言うと凛はにゃあ と頷き、

2人はしぶしぶと立ち上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー

 

砂浜にて。

 

 

 

 

「‥‥‥‥‥。」

 

 

夜風に吹かれだいぶ落ち着いた真姫は

欠伸をしながら別荘へと戻ろうとしたその時

 

 

 

 

「早起きだねぇ、そこのお嬢さん。」

 

 

「ひゃっ!?」

 

 

突然、背後から声をかけられ真姫は

驚いて振り向くとそこには黒いマントで

身体、顔を覆っている女性らしき人が立っていた。

怪しさ全開で気味悪い人物に真姫は警戒する。

 

 

「な、何ですかっ?」

 

 

「ごめんねー驚かせて、大丈夫。

‥‥ちょっと‥‥もう一眠りしてもらうだけだから。」

 

 

「え‥‥‥?」

 

 

 

黒いマントの女性はそう言ってニヤリと笑うと

女性の顔に怪物の顔が浮かび上がり

馬のような顔つきにフードとボロボロな

マントを羽織り、悪魔の様な身体付きの

ファントム〝ナイトメア〟へと姿を変えた。

 

 

 

「っ!ファント‥‥!!?」

 

 

 

ファントムとなった女性に真姫は一気に眠気が覚め

距離を取ろうとすると

突然真姫の意識が朦朧とし始める。

視界がぐらつくなか、真姫はナイトメアを見ると

いつのまにか持ってた杖の先端が光っており

おそらく何か仕向けたのだろう。

 

 

「おやおや?私達のこと知ってるんだねー?

でも安心して〜、私はゲートとかそうゆうの

あまり興味ないから‥‥‥ほしいのは‥‥の‥‥

ゆ‥‥」

 

 

だんだんとナイトメアの言葉が聞き取れなくなり、

真姫はそのまま砂浜へ倒れた。

 

 

 

 

「ふふふ、おやすみ‥‥永遠にね。」

 

 

 

ナイトメアはそう言って

寝ている真姫に近付こうとする。

 

 

その時。

 

 

 

 

 

 

 

「っ!真姫っ!!」

 

「真姫ちゃん!」

 

 

「っ!」

 

 

偶然起きてた晴希と凛は玄関が開いてたことに

気付き、外を見てると砂浜で横たわる真姫と

それに近付くナイトメアが見えたので急いで

駆けつけた。

 

 

 

「‥‥こんなとこまでファントム‥‥っ。

‥凛、真姫は俺がなんとかするから

攻大起こしてくれないか?」

 

 

「わ、わかったにゃ!」

 

 

 

 

凛はそう言って寝起きなのに

かなり早いスピードで別荘へと走って行った。

それを確認して俺はファントムと向き合う。

 

 

 

「あれれ?起こしちゃった?

んーやだなー余り大勢で来られるのは

私あまり好きじゃないし。」

 

 

「‥‥女性のファントムか‥‥

お前、真姫に何した?」

 

 

 

「別にー、眠ってもらっただけだよ。

私ゲートとか興味ないし。」

 

 

「何‥‥?」

 

 

 

ナイトメアの発言に晴希は戸惑いを感じた。

真姫は一応ゲートを持っているが、

それを狙いに襲ったわけではないらしい。

だがファントムの事なので嘘を付いてるかもしれない。

 

俺は都合よくベルトとコネクトリングを

付けているため、いつでも変身できる状態だった。

 

 

 

「晴希っ!!」

 

 

「っ!見て、真姫ちゃんが!」

 

 

「大変っ!!真姫ちゃん!」

 

 

すると、凛が呼んでくれたのか

攻大、そしてその後に続いて

μ'sメンバーが全員駆けつけて来きており、

ことりと絵里が倒れてる真姫の名前を呼ぶ。

 

 

 

「あらら〜来ちゃったか‥‥まぁいいや、

()()()()()()だけだし。」

 

 

「っ、どうゆうことだ‥‥!?」

 

 

ナイトメアがそう言う

持っていた杖を軽く振ると

ナイトメアの身体は少し浮かび上がり

すう っと消失するかのように

その場から姿を消した。

 

 

 

「逃げた‥‥‥?」

 

 

 

「真姫ちゃん!真姫ちゃん!」

 

「晴希君!真姫ちゃんが‥‥

真姫ちゃんが目を覚まさないにゃ!」

 

 

突然逃げたナイトメアの言葉に疑問を抱いていると

真姫の側に皆は駆け寄り、呼びかけて

起こそうとするが真姫は全く目を覚まさない。

 

 

「‥寝てるだけか?」

 

 

「眠ってるだけならいいがな‥!

おい、おい真姫!しっかりしろっ!」

 

 

攻大は俺の耳元で囁き、俺は真姫に駆け寄りながら

そう言って真姫を起こそうとする。

これだけ皆が呼びかけてるのに

全く起きる気配のない真姫。

メンバーは不安と恐怖を感じ、

俺や攻大も焦り、戸惑い始める。

 

 

 

 

すると、

 

 

 

 

 

 

「っ!‥え、何!?」

 

 

いち早く反応したのは穂乃果だ。

それもそのはず 突然真姫の身体が光りだしたのだ。

 

 

 

「真姫ちゃんの身体が‥光ってる!?」

 

 

「ど、どうなってんのよ!?」

 

 

 

花陽、にこ、そしてメンバーも驚き、

どんどん真姫の身体の光りが強くなっていく。

 

 

 

 

そして一瞬、辺りが眩い光に包まれ

俺たちの視界は一瞬奪われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

「‥‥‥‥うっ‥‥何が‥‥?」

 

「っ〜‥‥‥おい、みんな大丈夫か!?」

 

 

 

だんだんと視野が元に戻り、

俺は辺りを見回し攻大は他のメンバーに呼びかける。

返事はしてくれたのでどうやら無事のようだ。

 

 

だが俺は辺りを見回すと先ほどまで

砂浜にいて明け方で少し明るかったはずなのに

今現在、地面はコンクリートなのか硬く、

辺りは夜のように真っ暗だった。

 

 

 

「え‥‥えっ!?ここどこにゃ!?」

 

 

「分かんないよ〜っ!」

 

 

「‥‥っ!皆さん!真姫が、真姫がいません!」

 

 

凛、穂乃果が声を上げてそう言うと

海未がそう叫ぶ。それに気付き俺たちは

真姫を確認しようとするとそこには

真姫の姿がどこにもなかった。

 

 

 

「っ!!真姫っ!?」

 

 

「はぁっ!?あぁもお、イミワカンナイ!」

 

 

「そ、それ真姫ちゃんの台詞っ!」

 

 

俺は慌てて名前を呼び 辺りを探そうとし、

攻大はパニクって変な発言をして、

それを花陽はつっこんだ。

 

 

 

「‥‥っ、ちょっとみんな!あそこに人がいるわっ。」

 

 

すると絵里がとある方向に目を向けてそう言うと

俺たちは振り向く。絵里の指差すその先には

外灯らしきものに照らされる

白いワンピースを着た小さな女の子の

後ろ姿があった。

 

 

 

 

「な、何であんなところに子供が‥‥?」

 

 

「もしかして幽霊とか‥‥?」

 

 

「うぉお希ちゃん!それは怖いから!」

 

 

「呑気な事言ってる場合じゃないだろっ。

ちょっと聞いてくる。」

 

 

ことり、希、攻大の順で喋り、

攻大のボケに呆れながらその少女へ近付く。

赤い髪といい、何処かで見覚えのある様な

気がしながら俺は恐る恐る少女に声をかけた。

 

 

 

「ね、ねぇ君。こんなところで何してるの?」

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

俺が話しかけると気付いたのか少女は

ゆっくりとこちらに振り返る。

 

 

 

 

 

 

 

 

「‥‥‥んふっ。」

 

 

 

 

少女は俺や後ろにいるμ'sのメンバーや攻大の

顔を見て小さく笑った。

だが俺はその顔を見て驚愕し口を動かした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「‥‥‥え‥‥‥、真姫‥‥‥?」

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の目の前に立っていたのは、

小さな身体の西木野真姫だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、仮面ライダーウィザード

 

 

 

 

「貴方達おもしろーいっ!」

 

 

「ど、どうなってるのよ‥‥!?」

 

 

突然現れた小さな真姫!?

その正体は‥?そしてここは‥‥?

 

 

 

「うわっ!凄いよ海未ちゃん!

普通に美味しいよ!」

 

 

「ちょっ!?穂乃果!

何勝手にたべてるんですか!?」

 

 

屋台の綿菓子を普通に食べる

穂乃果に海未はつっこむ。‥え、屋台?

 

 

 

「あっはははは!!

アンタ達は一生出れないわ!」

 

 

本性を現したナイトメアが現れる。

どうする晴希!?

 

 

 

 

「俺がこの世界を救う希望になってやる。」

 

 

小さな真姫の指にエンゲージリングを付け

ナイトメアに立ち向かう!

もう迷わない!

 

 

 

 

 

 

 

 

第26話 終わらないパーティー

 




くっそ!遅れた(>_<)とゆわけで
真姫ちゃん!ハッピーバースデイ!!(*^^*)

はい、しょーくんです!(^^)

4月19日、真姫ちゃんの誕生日ですねぇ!
そして次回はなんとなんとあのお話ですよ笑
真姫ちゃんの誕生日を機に
このお話は考えてたのですが
思いきりすぎちゃいましたね(>_<)

次回は頑張って早めに書きますぜ!

評価、感想などがあれば是非お願いします(^^)

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