ラブウィザード! 〜希望の柱〜   作:しょくんだよ

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ミニミニタイム!

「野良犬秀夜と飼い主A-RISE」



ツバサ「‥‥はぁ、また秀夜君、
どこか行ってしまったわ‥‥‥。
明日から夏休みなのに。」

UTX学園の屋上にて綺羅ツバサは
秋葉原を見下ろしてため息を吐いていた。

英鈴奈「仕方ないだろう、
ツバサ、お前はいつも秀夜を見つけては
強引に引っ張って巻き込んでるんだ。
たまには息抜きもさせたらどうだ?」

あんじゅ「そうだよツバサちゃんー。
秀夜君もプライベートな時間は
必要なはずだよー?」


その隣にいる統堂英玲奈、優木あんじゅは
そうツバサに言うがツバサはジト目で2人を見る。


ツバサ「何よ、秀夜はA-RISEに入る約束したし、
私、コーヒーだって頑張って飲んだのよ。
少しくらい連れまわしてもいいじゃない。」


英鈴奈「いつの話をしてるのだ‥‥‥、
あれからコーヒー飲んでないじゃないか。」


ツバサ「失礼ね、ちゃんと飲んでるわよ。」


あんじゅ「ブラックで?」


ツバサ「砂糖5つとシロップ3つで。」




英鈴奈&あんじゅ「‥‥‥‥。」


第24話 狙われたファントム

 

電車が通る橋の下にて。

 

 

 

 

のしのしと歩くかなり太ってて

グラサンをかけたおっさんはその橋の下で

19歳辺りの少年と偶然ぶつかる。

 

 

「っ、おぃ!どこ見て歩いてんだよ!?」

 

おっさんが吠える先には

髪がボサボサでかなり目つきの悪い

お兄さんだった。するとその男性は

ぶつかって謝ると思いきや、、

いきなりおっさんの胸ぐらを掴み

橋の壁にぶち当てた。

 

 

「っ!?」

 

 

「は〜い、おめでとうございまーす。

貴方は今日の主体役のその1にさせて

いただきまーす‥。」

 

 

突然訳のわからない事を言い出す男性、

そして人の力とは思えないほど

太ったおっさんを軽々と持ち上げ壁に当てた事に

おっさんは状況が理解できなかった。

 

 

 

 

「へへ‥‥‥‥ん?」

 

 

男性はニヤリと静かに笑うと、背後から

誰かに睨まれてる視線を感じて速攻で振り返る。

 

 

 

「みぃ〜〜つけた‥‥‥。」

 

 

そう言って怪人の姿に変わったのは

ファントム上位クラスのメデューサだった。

 

 

「っ!」

 

「っ!?うぁあああっ!!」

 

 

男性は目を見開き、おっさんはその怪物の姿に

悲鳴を上げ男性が掴んでた手を振り払って

慌てて逃げて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

「う、うわぁっ!!うわっ!?」

 

 

「‥ん?‥‥‥おわっ!」

 

 

 

その先の住宅地で逃げ出したおっさんは

1人の男性とぶつかり、男性は手に持っていた

缶コーヒーを落としてしまい、中身は

地面へとぶちまけた。

 

 

「がっ!?‥‥てめえデブ!どこ見て走ってんだ!?」

 

 

落とした缶コーヒーを見て、赤いメッシュが

特徴の少年、藍崎秀夜は怒り、おっさんを

ガン飛ばすがおっさんはそれどころではなかった。

 

 

「ば、ば、ば‥‥バケモンだぁあ〜〜!!」

 

 

「は?バケモン?‥‥あぁ。」

 

秀夜はその言葉を聞くとニヤリと笑って

おっさんが逃げてきた道を走っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

使われてない廃棄ビルにて。

 

 

 

「くっそ!‥‥ここまで来れば大丈夫だろ‥。」

 

 

メデューサに見つけられた男性は

息を切らして逃げ出し、近くの廃棄ビルへ

潜り込み、隅っこで積み上げられてるドラム缶を

壁として隠れて様子を見ていた。

その階を見渡すが、メデューサどころか

人らしき陰もない。上手く逃げれたと

息を吐いたその時だった。

突然積み上げられてるドラム缶が崩れ始める。

 

 

「っ!!」

 

 

男性は間一髪で転がり避けて、

いつの間にか立っていたメデューサと目が合う。

 

 

「逃がさないわよ?フンッ。」

 

 

メデューサはそう言うと髪の蛇が無数に伸び

男性の身体へと巻き付く。

 

 

 

「っ!ぐっ‥‥!!〜〜っ‥‥‥‥。」

 

 

 

巻き付かれた男性はそのまま持ち上げられ

締め上げる痛みに耐えながら

メデューサを睨んでいた。

 

 

 

 

「ふふふ‥‥‥‥うっ!?」

 

 

 

 

 

その時、急にメデューサの背中から火花が飛び散り

メデューサはよろめくと同時に髪の蛇は縮まり

男性は床へと落ちる。

背中を撃たれたであろう、メデューサは

振り返るとウィザーソードガン

銃モードで構えてる秀夜がいた。

 

 

「はっは〜、みぃつけた。」

 

 

「お前は‥‥。」

 

 

「‥‥‥指輪の、魔法使い!?」

 

 

ニヤニヤしながらメデューサを見る秀夜。

そしてメデューサが秀夜を呼ぼうとする前に

横たわる男性が魔法使いと呼んだ。

 

 

「‥あ?‥‥‥見ず知らずの

てめえが何で知ってんの?」

 

 

「あ、‥‥いやっ‥。」

 

 

秀夜が聞くと言ったのがまずかったのか

咄嗟に目をそらして誤魔化す男性。

 

 

「お前はもう1人の指輪の魔法使い‥‥何の用だ?」

 

 

「‥‥はっ。バカか、

用があるからここに来たんだろーよ。

‥‥おい、さっさと逃げろ、楽しみの邪魔になる。」

 

 

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

 

メデューサの問いに秀夜はそう答え

男性へと声をかけるが聞こえてなかったのか

男性は呆然と座り込んでいる。それに

舌打ちしながらドライバーオンリングを

ベルトにかざし、シフトレバーを片手で動かした。

 

 

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!》

 

 

 

 

テンションの高い待機音声が鳴り出し

秀夜は予め付けてたダークネスリングの

バイザーを下げ、顔を引き裂くように

横へ振ると魔法の言葉を言って

ソレをドライバーへとかざした。

 

 

 

「変身。」

 

 

 

 

《ダークネス!プリーズ

 

アク アク・アクアクアーク!!》

 

 

 

音声が鳴り響くと、

秀夜は両サイドへ両手を軽く広げる。

そして真正面から紫の魔法陣が現れ

秀夜の身体を通り抜けると

仮面ライダーダークウィザードへと姿を変えた。

 

 

 

「つーか、お前1回あったこと会ったよな?

その時仕留められなかったから、

今仕留めてやるぜぇ!」

 

 

「ふん、愚かな‥‥‥。」

 

 

ダークウィザードはそう言いながら

ウィザーソードガンを剣モードに替えて駆け出し

メデューサも鼻で笑うと武器のアロガントを

持って駆け出す。

 

 

 

「ぅらあっ!!」

 

 

「ふっ!」

 

ウィザーソードガンとアロガントが

ぶつかり合い、火花を散らしながら戦闘が始まる。

 

 

 

「たぁっ!」

 

 

「ふんっ!!」

 

 

アロガントを振りかざすメデューサの攻撃にダークウィザードは1回距離を取ろうとする。

 

「はぁっ!」

 

 

「っ!?」

 

 

だが、相手は上位クラスのファントム。

渡り合えたのかと思えたのは最初の数撃のみで

徐々にメデューサの攻撃におされていく。

距離をとった瞬間メデューサは手から

紫のエネルギー弾を作り出し、それを

ダークウィザードにぶつける。

 

 

 

 

 

「‥‥ち、何で魔法使いがここに‥‥。

ひとまずは助かったが‥‥。」

 

 

2人が交戦してるのを物陰から男性は

バツが悪そうにそれを見ていた。

 

 

「たぁっ!ふっ!はぁっ!!」

 

 

「ぐぁっ!?っつ〜!」

 

 

3回攻撃を許したダークウィザードは

アロガントで殴られた所をおさえながら

もがいていると、メデューサは

振り返り、物陰に隠れてる男性へと向く。

 

 

「さてと‥‥‥。」

 

 

「‥‥!?」

 

再び標的を男性へと向けられ男性は

逃げようとするとダークウィザードは

シャドウリングを右手の中指に取り付け

シフトレバーを動かし、ソレをかざした。

 

 

 

《シャドウ・プリーズ》

 

 

音声が鳴るとダークウィザードの正面に

魔法陣が現れ、そこから真っ黒いウィザードが

ぬぅっと飛び出てくる。

 

 

「行け‥っ。」

 

 

ダークウィザードが指示を出すと

真っ黒なウィザードは無言で

ウィザーソードガンを剣モードで構えて駆け出し

メデューサへ振りかざそうとした。

 

 

「っ!はぁっ!はぁあっ!」

 

 

それに気付いたメデューサはアロガントで

叩きつけ、蹴りを突き出すと

真っ黒いウィザードは吹き飛び、消失した。

 

 

 

「邪魔をするな魔法使い。」

 

 

「べっつに‥!邪魔をしてるつもりはねぇけど!」

 

メデューサの言葉に痛みを言葉で振り払いながら

ダークウィザードは立ち上がり、

シフトレバーを動かし、

もう一度シャドウリングをドライバーへとかざした。

 

 

 

《シャドウ・プリーズ》

 

 

再び音声が鳴り魔法陣から真っ黒いウィザードが

現れるとダークウィザードはメデューサに

見られないよう真っ黒いウィザードに

リキッドリングを預けた。

 

 

「分かってるな?行け。」

 

ダークウィザードはそう言うと

無言で真っ黒いウィザードはメデューサへと

走り出す。

 

 

「‥‥何度来ても同じ事を。」

 

 

「そいつはどうかねぇ?」

 

 

メデューサがアロガントを構えると

ダークウィザードは鼻で笑い、

ウィザーソードガンを構えると

真っ黒いウィザードはリキッドリングを

左手の中指に付けシフトレバーを

動かすとソレをかざした。

 

 

 

「っ!何っ!?」

 

 

音は鳴らず、真っ黒いウィザードの

ドライバー部分が光り出すと

真っ黒いウィザードは液状化して

メデューサに纏わり付く。

 

その間にダークウィザードは

ウィザーソードガンのハンドスプリングを

展開し、すぐにダークネスリングを

ハンドオーサーにかざした。

 

 

 

 

《ダークネス!・スラッシュストライク!!

 

アクーアクーアクー・アクーアクーアクー》

 

 

 

「おっらぁっ!!」

 

 

ウィザーソードガンに紫の炎が渦を巻き始め

ダークウィザードは身動きが取れない

メデューサにウィザーソードガンを振り上げると

黒い斬撃が飛び、メデューサに直撃する。

 

 

 

 

 

「‥‥‥!!‥‥‥‥ふん。」

 

 

 

斬撃を受けたメデューサは微かに笑うと

そのまま爆発し、煙が上がる。

 

 

 

 

 

「‥‥‥‥‥ち、逃げたなあいつ‥‥。」

 

 

手応えがあまりなしで、煙が消えていくと

メデューサの姿がどこにもなく、

それに舌打ちすると同時にダークウィザードは

変身を解いた。

 

 

 

 

「‥‥おい、てめぇ人の忠告無視すんじゃねぇ。

逃げろって言っただろが。」

 

 

「あ、あぁすまない‥‥。

と、突然襲われたからびっくりして‥‥」

 

 

変身を解いた秀夜は座り込んでる

男性を見ながらそう言うと男性は

若干警戒しながら秀夜に言った。

 

 

「‥‥まぁ、もう一つ忠告してやる。

命が欲しかったらここら辺はうろつくな。」

 

 

秀夜はそう言って振り返り、

軽く手を振ってその場から去ろうとした。

 

 

 

「‥‥‥‥‥‥。」

 

 

秀夜の後ろ姿を男性は睨みながら立ち上がり

男性も去ろうとしたその時。

 

 

 

「バウッ!‥‥バウッバウッ!!」

 

 

 

「うわっ!何だこいつ!?」

 

 

男性の足元にいつの間にか秀夜の使い魔

ブラックケルベロスがいて男性の匂いを嗅ぐと

その男性から距離を取って急に吠え出す。

その鳴き声を聞いた秀夜は歩いてた足を止め

男性の方へゆっくりと振り返る。

 

 

 

 

「お前‥‥‥‥‥ファントムだろ?」

 

 

 

 

「っ!!?」

 

 

 

秀夜の言葉に男性は驚き、後方へ

飛び退き距離をとる。

 

 

「そっかぁ、ゲートじゃねぇんだな‥‥‥。

なら、仕留めさせてもらうぜ?」

 

 

 

「‥‥‥‥!!」

 

 

秀夜は不気味に笑いながらドライバーオンリング

をベルトにかざそうとすると、

男性は窓際へ駆け出すと、

なんと廃棄ビルの窓を突き破り

そのまま落ちていった。

 

 

「っ!!‥‥‥くっそ!」

 

 

その行動に秀夜は驚きながら

突き破った窓から見下ろすと既に

男性の姿はどこにもなかった。

廃棄ビルと言ってもここは3階の部屋。

人間じゃなく化け物ならこの高さは

どうってことはないだろう。

だが秀夜は2度もファントムを逃した事に

苛立ち、側にあるドラム缶を蹴っ飛ばしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

午後3時、図書館にて。

 

 

 

「あ〜‥‥涼しい〜〜‥‥。」

 

「身体に染みて生き返るぜぇ〜〜‥。」

 

 

 

「年寄りかお前ら。」

 

 

テーブルに突っ伏してだらけてる

高坂穂乃果、そして二藤攻大を見て

俺こと操真晴希は宿題をしながら

小さくそう言った。

明日から夏休み、全校集会も終え

学生にとって最も嬉しい夏休みが始まった。

それとともに最も過酷な大量の宿題も渡された。

そこでμ'sのまとめ役の絢瀬絵里が

宿題を早めに終わらせて練習に励もうという

提案を出され、練習は後ほどで

そちらに皆は賛同し、

学校では暑いので図書館にやってきたのだ。

‥‥図書館に11人入るのは少し躊躇いがあったけど。

 

 

「こら、穂乃果。それに攻大もだらけてないで

宿題を終わらせるわよ。」

 

 

「大丈夫だよ〜、明日から本気出すから。」

 

 

「そだそだー、今日はくたびれたんだ。

ゆっくりさせてくれ〜〜。」

 

 

絵里の言葉に気の抜けた穂乃果と攻大は

片手を上げてそう言っている。

 

 

「‥‥そう言って最後までしないのが

目に見えるわ。」

 

 

「穂乃果ちゃん、先輩もせっかく皆んな

集まったんだから頑張ろ?☆」

 

 

 

髪を右手でくるくるいじり左手で

ペン回しする真姫はそう言って

隣に座ってることりは頑張って起こそうとしていた。

うむ、真姫の言う通り、明日から本気出すって

言葉は絶対にしない確率が高い言葉だ。

‥‥以前の俺がそうだったからな。

 

「にゃー!かよちんこれ懐かしいにゃっ。

昔よく読んでた絵本だよねっ。」

 

「あ、うん。でももう私には必要ないけどね。」

 

端っこに座ってる星空凛と小泉花陽は

一旦宿題を止めてある絵本で盛り上がっていた。

それは花陽がゲートの時に心の支えだった

『森の魔法使い』という絵本だ。

あれはまだ1年生達が加入する前の時だったかな‥

俺は懐かしくみてると花陽と目が合い

花陽はにこりと笑顔で軽く頭を下げた。

 

昔の花陽は人と喋るのが慣れなく、

社会に不安を持っていた。そんな彼女の

心の支えがあの絵本だった。だがある日

ファントムに騙され絵本は燃やされて

絶望した所に魔法使いである俺が

お前の夢は俺が継いでやる‥とか言ったんだっけ。

うっは‥、今思い出すと恥ずかし。

それから花陽は段々と喋り出してきたし

積極的にもなった。本当成長したよな‥‥。

 

 

 

 

 

「はーい、にこっち。この問題はー?」

 

 

「え、えと‥‥にっこにっこにー❤︎」

 

「‥‥‥ニヤリ。」

 

 

「ちょ!?やめ!ここ図書館よっ!?」

 

 

「静かにワシワシすればええ話やーんっ。」

 

 

向かい側の端っこでは東條希が矢澤にこに

宿題を‥教えてるのか問題を解かせようとすると

にこは誤魔化して希は

手をワシワシと動かしながら構えていた。

 

 

 

「‥‥‥はぁ、これでは全然進みませんよ‥。」

 

 

「まぁ同感だけど、別にいいんじゃないか?

夏休みは始まったばかりだし、

今日はのんびりしてもさ。」

 

 

そして俺の隣で園田海未が全体を見て

ため息を吐き、俺は苦笑しながらそう言った。

‥‥自分は早く終わらせておこう。

 

 

 

 

「あ、あのぉ‥‥。」

 

 

その時、後ろから女性の声が聞こえ

椅子に座ってる状態で振り返ると

歳上らしき女の子がそこに立っていた。

しかも、可愛い。

 

 

 

「もしかして、操真晴希‥さんですか?」

 

 

「え?あ、はい。」

 

 

「‥‥晴希、知り合い?」

 

 

俺の名前を呼ぶ女性に俺はかなりびっくりしながら

頷き、μ'sの皆もそれに振り返り

絵里は俺に聞いてくるが俺は首を横に振る。

 

 

「あ、えと‥初めまして、操真さんと

μ'sの皆さん。真中千鶴って言います。」

 

 

 

「にゃっ!?何で私達のこと知ってるにゃ?」

 

 

「も、もももももしかしてサインかしら!?

い、良いわよ、特別に にこのスペシャルサインを‥」

 

 

「落ち着いて2人共。えっと、真中さんかしら?

貴方は晴希に用があるみたいだけど?」

 

凛とにこ、そして他のメンバーも若干戸惑う中、

絵里はそう言って千鶴という人物に聞いていた。

てか、μ'sはランキング20代なんだから

有名になるのも当たり前じゃないか?

 

 

「はい、ツイッターで見てここで偶然見かけたので

思い切って声をかけて見たんですが‥。」

 

 

 

千鶴の言葉に俺は片手をおでこに手を置いた。

またツイッターかよ‥‥‥。

 

 

 

「それで、ツイッターで見た晴希に何の用?」

 

 

若干不満気に見える態度で髪をいじりながら

智鶴に聞く真姫に千鶴は答えた。

 

 

 

「噂で聞いたんですけど、操真さんは

魔法使い‥ですよね?もしそうでしたら!

お願いです!私の彼氏を‥さとっちを

一緒に探してください!」

 

 

 

「よぉし!じゃあ探すよー!」

 

 

 

「待て待て待て待て待て!」

 

 

突然の千鶴の言葉に穂乃果は即座に椅子から

立ち上がり、彼女のお願いを了承した。

こいつ、俺が驚く時間も与えてくれないのかよ。

 

 

「そうだぜ穂乃果ちゃん!

いきなり了承するのはちと早いぜ!」

 

 

先ほどまで黙っていた攻大が珍しく

まともな事を言って穂乃果を止めた。

なんだ、お前もわかってるじゃないか。

 

 

「何でこんな可愛い子ちゃんが晴希の事を

知ってるんだよ!?そこがおかしいだろ!」

 

 

前言撤回。やっぱダメだわこいつ。

てか、こいつどこから話聞いてないんだ?

 

 

「‥で、千鶴さんかな?晴希君は魔法使いで

あってるけど、何で晴希君なん?」

 

 

「そうですね。それに真中さんの

彼氏さんを探すというのはどうゆうことですか?」

 

 

バカは放っておいて希と海未が問いかけると

千鶴は俯きながら答えた。

 

 

「はい‥‥実は、私の彼氏の悟史は、

3ヶ月くらい前から突然姿を消して

行方不明なんです‥‥。もちろん警察に

届け出ましたけど、全然見つからなくて‥。

そんな中、私の通ってる大学の噂なんですけど、

宝石を身に纏った魔法使いが

この秋葉原で見かけるって噂を聞いて、

偶然友達が操真さんらしき人物が

魔法使いになってるところを見てたらしくて。

凄いかっこ良かったと言ってましたし。」

 

 

「‥‥‥‥なるほど。」

 

 

「凄いね晴希君!有名人だよっ!」

 

 

「ちょちょちょっ!千鶴ちゃん!俺も

魔法使いだから俺にも頼っていいんだぜ?」

 

 

 

かっこいいという言葉に少し嬉しくなる俺に

穂乃果は褒めて攻大は千鶴に自分をアピールして

千鶴はえっ!?そうなんですか!?と驚いていた。

‥‥しかし、3ヶ月も行方不明な彼氏か‥。

こんな可愛らしい彼女を置いて何してんだか‥。

 

 

「魔法使いなら魔法で悟史を

探せるんじゃないかと思って‥‥

だからお願いですっ!

探すのを手伝ってくれませんか!?」

 

 

千鶴はそう言って深々と頭を下げた。

 

 

 

「‥‥もちろんいいですよ。俺なんかが

力になれるのでしたら、いいよね皆?」

 

 

「そうね、人助けに断る理由なんてないわ。」

 

「はい、みんなで一緒に探しましょう。」

 

「‥‥まぁ、先輩がそう言うなら。」

 

「うちも賛成っ。」

 

「凛も頑張る!腕がなるにゃー!」

 

「わ、私も‥!」

 

「ことりも協力するねっ☆」

 

「仕方ないわねー、

あんた達、しっかり働きなさいよー?」

 

 

迷わず千鶴の彼氏捜索を受ける俺に

絵里、海未、真姫、希、凛、花陽、ことり、

にこの順番でそう言って賛同する。

そして穂乃果はよぉしと気合いを入れて

千鶴に近寄る。

 

 

「任せて千鶴さん!彼氏さんは私達

μ's捜査官が必ず見つけます!」

 

 

目を輝かせながら穂乃果は千鶴にそう言って

千鶴は涙目になって喜んでいた。

‥‥あ、これはスイッチ入ったな。

 

 

 

「よっしゃ!ここはいいとこ見せてやんねーとな!」

 

「‥お前、探索するような魔法あったっけ?」

 

「‥‥んだよ、あるに決まってるだろ!?」

 

「あ、そうなんだ。」

 

「なんだよそのどうでもいい様な返事は!」

 

 

 

「ちょ!こら!また喧嘩しそうになるんだから‥」

 

 

 

攻大と俺が言い合って絵里が止めようとすると

奥から店員らしき人物がこちらにやってくる。

 

 

「図書館内ではお静かにお願いします。」

 

 

 

「「「「「「す、すみません‥。」」」」」

 

 

店員に言われて11人プラス千鶴が

頭を下げて縮まり込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

とある路地裏にて。

 

 

 

 

「はぁ‥‥はぁ‥‥ったく!

上手く撒いたみたいだな‥‥!」

 

 

秀夜に正体がバレて慌てて

逃げ出した男性は息を切らしながら

後ろを確認するが、秀夜の姿はないので

とりあえず一安心する。

 

 

 

 

 

 

「よかったじゃない‥

貴方の俊敏な動きが役に立って‥‥。」

 

 

 

「っ!?」

 

 

その言葉に男性は前方を見ると

先ほど襲ってきた

メデューサがこちらに向かって歩きながら

怪人態へと姿を変えた。

 

 

 

 

「‥‥俺たちが、逃すと思ったか、

なぁ?」

 

 

さらに、いつの間にか背後に回っていた

フェニックスも怪人態となって

男性は逃げ場をなくしてしまう。

 

 

 

「「リザードマン。」」

 

 

「‥っ!うぉあああっ!!」

 

 

メデューサとフェニックスがそう呼ぶと

男性は叫ぶとともに緑の体色で真ん中に

紅い単眼を持つトカゲに似たファントム

〝リザードマン〟へと姿を変え、攻撃態勢に入る。

 

 

「勝手に人間を殺し、

ゲートを減らした罪は重いぞ!」

 

 

「‥‥っ!!」

 

 

「まぁまぁ、焦るな。」

 

 

メデューサに言われ、殴りかかろうとする

リザードマンをフェニックスが止める。

 

 

「貴方にチャンスをあげるわ、

この女を絶望させなさい。」

 

 

メデューサはそう言って1枚の写真を

リザードマンに見せると、

リザードマンはその女を知ってるのか

にやけながら写真を受け取る。

 

 

「‥‥はっ、いいぜ。これなら楽勝だ。」

 

 

 

リザードマンはそう言って

紫の魔法使いに見つからないように

路地裏の奥を走っていった。

その写真の女性は、真中千鶴だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

秋葉原、湖の公園にて。

 

 

 

 

 

 

「へぇ!じゃあ千鶴さんは女優さんで、

彼氏さんは映画監督やってるんですね!」

 

 

「あはは、‥まだ2人共見習いだけどね。

貴方も凄いじゃない。スクールアイドルで

今急上昇のμ'sだなんて。」

 

 

「わ、私達はまだまだです‥‥。

千鶴さんの方がすごいと思うわ、

ほら、穂乃果先輩も見習わないと。」

 

 

「む、真姫ちゃんそれどうゆうこと?」

 

 

千鶴の話に穂乃果と真姫は盛り上がりながら

彼氏捜索をしていた、、、と言っても

してるのは使い魔を使ってなんだが。

 

あの後、穂乃果の提案でクジで

捜索するグループを作って

まず 希、絵里、海未、凛は

住宅地で聞き込み調査。

ことり、花陽、にこ、攻大は

人気のない場所に

いるかもしれないというため

使われてない場所や路地裏など調査。

最後に晴希、穂乃果、真姫、千鶴は

今いるこの周辺を捜索中。

 

それと、俺と攻大の使い魔は

秋葉原全体を捜索中。

 

‥‥今思うとかなり本格的になってる様な‥。

 

 

 

そして今は千鶴とその彼氏、悟史の

夢や目標について語ってくれていた。

 

 

「千鶴はなんで女優さんに?」

 

「さとっちが誘ってくれたんだ。

学校歩いてたら突然さとっちに捕まって

俺の映画の主演女優になってくれ!とか

言い出しちゃって‥‥でも楽しかった!

毎日が凄い濃くて‥‥恋人にもなれた‥‥。」

 

 

俺の質問にすらすらと語る千鶴。

エンジョイしてるなぁ。

だが喋り終わるにつれてその表情は

だんだん暗くなっていく。

 

 

「‥‥だ、大丈夫だよ!こんな綺麗な

千鶴さんという彼女を放っておいて

急にいなくなったのはきっと訳があるに

違いないですよ!でしょ、晴希君。」

 

 

「あぁ、そうだな。」

 

 

励ます穂乃果に少しだが笑顔を見せる千鶴。

もし彼氏が見つかったらこりゃ説教かな。

 

 

 

「‥‥でも、3ヶ月も見ないんじゃ、

秋葉原を出てるんじゃない?

もしそうなら、これって時間の無駄でしょ?」

 

 

真姫のその言葉に、3人は固まり

3人揃って暗い表情になる。

 

 

「‥‥‥‥。」

 

「‥‥時間の無駄っすか‥‥。」

 

「‥‥さとっち‥‥。」

 

 

「ゔぇえっ!?わ、悪かったわよ!

ほら、探しましょ!

もしかしたらいるかもしれないわ‥‥‥」

 

 

 

落ち込む3人を真姫なりに

励まそうとしたその時だった。

 

 

 

 

 

 

「ちょっ!?なんだよこの鳥みたいなの!

しつこいんだよっ!!」

 

 

 

 

 

 

俺たちの横の茂みの方から1人の男性が

飛び出して来てその頭上には使い魔の

レッドガルーダが鳴きながら飛び交っていた。

 

 

 

 

「‥‥‥さとっち‥‥‥?」

 

 

 

「んっ?‥‥あ、‥‥よぉ。」

 

 

 

千鶴が真っ先に反応したのも無理はない。

その男性は彼氏の悟史だったから。

悟史は少しバツ悪そうに返事すると、

 

 

 

「さとっちぃぃっっ!!」

 

 

「うわっぶ!?」

 

 

悟史の名前を呼びながら悟史に抱きついた。

やべ、見つかるのはやくね?

とか思いながら穂乃果と真姫は驚きながらも

互いを見て俺もその感動の再会を眺めていた。

 

 

 

のだが、

 

 

 

 

 

「‥‥よぉ じゃないわよバカぁ!!

皆んながどんっっだけ心配したか分かってんの!?」

 

 

「っ、ご、ごめんっ!?」

 

千鶴は声を上げ、悟史の胸ぐらを掴むなり

ぶんぶんと悟史の身体を揺らしていた。

 

 

 

「ごめんでもないわよ!このバカ!!

3ヶ月間どこで何してたのよ!!」

 

 

「え、えと‥‥そう!修行!

映画監督の修行に行ってたんだよ!」

 

 

「修行?それなら何で私や

友達に言わなかったの!?

連絡もよこさず勝手に出て行ったら

不安になるし心配もするでしょ!!」

 

「ご、ごめんなさい‥‥っ。」

 

 

 

 

 

 

「‥‥うっわ‥‥怖っ‥‥。」

 

 

怒った女子は手がつけられないと聞くが、

まさに今の光景だな‥‥。悟史はビビリながらも

ヘコヘコと謝るだけでその説教は

30分は続いただろう。

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

30分後、

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい長引いて‥‥こいつが

石井悟史、私の彼氏です。」

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

 

説教を終えた千鶴は俺らの所へ

悟史の襟を持ち上げながら紹介してきて

悟史は顔を引きつりながら俺らを見ていた。

 

 

 

「あ、あぁ大丈夫っす‥‥。」

 

 

「と、ともかく見つかってよかったですね!」

 

 

俺と穂乃果も苦笑しながら言ってると

通話を終えた真姫がこちらに向かって

戻ってきた。

 

 

「みんなに知らせたわ。とりあえず

図書館で合流って絵里先輩が。」

 

 

 

「了解、じゃあ悟史さん。

‥‥きつそうっすけど、

も少し説教されると思うんで‥‥。」

 

 

 

「‥‥千鶴、こいつら誰?」

 

 

俺が悟史にそう言うと予想外の返事に

俺はカクッとずっこけてしまう。

 

 

 

「さとっちを探してくれた人達よ!

人気上昇中のアイドルμ'sの人達と、

魔法使いの操真晴希君よっ!

貴方を探すために手伝ってくれたんだから

感謝しなさい!」

 

 

 

千鶴の紹介に悟史は驚きながら俺を見るなり

小声で何かを喋った。

 

 

 

「魔法使い‥‥マジかよ面倒な‥‥。」

 

 

「え?」

 

 

「あ、いや‥‥何でもない‥ありがとう。

‥‥‥そうだ!千鶴!

ちょっと伝えたい事があるから

少し2人きりにならないか!?」

 

 

その小声に俺は反応するが

悟史は誤魔化すかのように千鶴へと

顔を向ける。

 

 

「伝えたいこと‥‥?」

 

 

「う、うん!じゃあ、すまないが

図書館には遅れて行くよ!

千鶴、行こうぜ。」

 

 

「え、ちょっ、さとっち!?」

 

 

 

悟史はそう言って千鶴の手を引き、

何処かへ行ってしまった。

 

 

 

「えぇ〜‥、伝えたいことって

後でもいいだろ別に。」

 

 

「‥‥‥プロポーズとか?」

 

 

俺の後に穂乃果がそう言った。

だがそれはさりげなく爆弾発言であった。

俺と真姫は数秒硬直する、そして。

 

 

 

 

 

「「ゔぇえええええっ!!?」」

 

 

 

 

「うわわっ!だ、だって

2人きりでって事はそうじゃないかなって思って‥。」

 

 

思わず俺も真姫みたいな声を上げて驚き

だいぶ遠くにいる悟史と千鶴の背中姿を見る。

た、確かに3ヶ月修行を積んで帰ってきて

告白!‥‥素晴らしいシチュエーションだ‥。

そう思うと俺は思わず頑張れ!と

握り拳を作っていた。

 

 

 

 

「もしそうなら

凄いドラマティックだね!真姫ちゃん!

真姫ちゃんはそんな告白されたら嬉しい?」

 

 

「ゔぇえっっ!?な、何言い出すのよ!?」

 

「例えだよ例え!どうなの真姫ちゃん?」

 

 

「そ、それは‥‥‥」チラッ

 

 

 

一瞬俺を見たのは気の所為‥かな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

秋葉原、浅草橋にて。

 

 

 

 

「一体何なの さとっち、話って?」

 

 

時刻はそろそろ6時。

千鶴は悟史に連れてこられ

晴希達からだいぶ離れた所まで行き

ようやく悟史は足を止める。

 

 

「まぁ、その話ってゆうか‥‥。

どうだ?最近は上手くいってるか?」

 

 

「ううん、それが全く‥‥。

仕事も厳しくてね。

よくマネージャーさんに怒られてるんだ。

でも、さとっちが戻ってきたんだから安心だよ!」

 

 

そう言って千鶴は一旦区切り、

悟史の手を握った。

 

 

「さとっちが私にとって大事な人で、

希望でもあるから!」

 

 

 

笑顔で千鶴は言って悟史の手をぎゅっと握る。

‥だが、それは言ってはならない

言葉だったかもしれない。

千鶴の言葉を聞いた悟史はゆっくりと、

そして不気味ににやける。

 

 

「‥‥‥そうか、それが心の支えか。」

 

 

「え?」

 

 

その言葉に千鶴は表情がきょとんとすると

握ってた手を軽く振り払って千鶴から距離を取る。

 

 

「‥‥これでお前を絶望させれるな!

 

 

うぉおああああっ!!!」

 

 

 

 

 

瞬間。

 

 

 

 

目の前の石井悟史は、雄叫びと共に

怪物、リザードマンへと姿を変えた。

 

 

 

 

 

「‥‥‥え、‥‥‥さと‥‥っち‥‥?」

 

 

 

 

やっと会えた彼氏が突然悍ましい姿をした

化け物に変わったこの現状に

千鶴の頭の中は激しく困惑する。

そして突然現れたファントムに周りの

人々は驚き、叫び、そして悲鳴を上げて逃げ出す。

 

 

 

「さぁ、絶望してファントムを

出してもらおうか!?」

 

 

 

訳が分からず腰を抜かす千鶴に

剣を取り出して近寄るリザードマン。

 

そこへ。

 

 

 

 

「バウッ!!バウッバウッ!!」

 

 

 

「がっ!?なんだ!?ってこいつ!?

‥‥‥‥ぐわっ!!」

 

 

「きゃあっ!!」

 

 

リザードマンの足にブラックケルベロスが

噛みつき、振り払おうとすると

リザードマンの背中に強い衝撃が走り

リザードマンは大きくよろける。

その巻き添えに千鶴はぶつかり、

橋の壁に頭をぶつけてその場で気を失った。

 

 

 

「ぐっ!?誰だぁ!!」

 

 

 

「‥‥‥‥俺だ。」

 

 

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

 

 

音声が鳴り、ウィザードライバーを付けていたのは

リザードマンにウィザーソードガン 銃モードを

構えていた秀夜だった。

 

 

 

 

「っ!!紫の魔法使い‥‥!!」

 

 

 

「よぉ、てめぇがあん時の奴だな?

散々逃げ回りやがって‥‥次はねえぜ。」

 

 

「ちぃ‥‥‥!!」

 

 

秀夜はそう言いながらシフトレバーを

上下に動かし、ダークネスリングを

左中指に取り付ける。

 

 

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!》

 

 

待機音声が鳴り響き、秀夜は

ウィザーソードガンを持ちながら右手で

ダークネスリングのバイザーを下げ、

その左手で顔を引き裂くように横に振り

魔法の言葉を言ってダークネスリングを

ドライバーへとかざした。

 

 

「変身!」

 

 

 

《ダークネス!プリーズ

 

アク アク・アクアクアーク!!》

 

 

 

そして音声が鳴り響き、

両サイドへ両手を軽く広げると

真正面から紫の魔法陣が現れ

秀夜の身体を通り抜けると秀夜は

仮面ライダーダークウィザードへと姿を変えた。

 

 

 

「んじゃ、ディストラクションタイムと行こうか!」

 

 

 

ダークウィザードはそう言って

ウィザーソードガンを剣モードに変えて

リザードマンへと駆け出した。

 

そしてその場を橋の下の海へつながる

水の中からイエロークラーケンが顔を出して

それを見ると、急いで潜り、晴希の場所へとむかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

図書館に続く道の途中にて。

 

 

 

 

 

「上手くいってるかな〜あのお二人っ。」

 

 

「偉くご機嫌だな。」

 

 

「だってだって!プロポーズだよ!?

穂乃果だって気になるよ!」

 

 

いや、まだプロポーズって

決まったわけじゃないと思うんだが‥‥。

 

などと、たわいもない会話をしながら

図書館に向かっている途中、

俺の頭にイエロークラーケンが張り付いてきた。

‥‥ちょっと濡れてる。

張り付くクラーケンは独特な鳴き声で

俺に何かを伝えていた。

 

 

 

 

 

「‥‥ファントムか!」

 

 

「!?‥‥‥もしかして

千鶴さんのところ‥‥!?」

 

 

俺の発言に真姫がそう言うと

再びクラーケンが鳴いてくる。

 

 

「‥‥それらしい女の子が近くにいるみたいだ、

穂乃果、真姫。先行っててくれ!」

 

 

「う、うん!」

 

「‥‥気をつけてよ?」

 

 

晴希は声を上げながらそう言うと

2人は頷き、俺はあぁ、と返事をする。

コネクトリングを右中指に取り付け

ベルトへとかざす。

 

 

《コネクト・プリーズ》

 

 

音声と共に魔法陣が現れ、そこから愛用のバイク

マシンウィンガーを取り出し、跨る。

そしてヘルメットを被りアクセルを回して

ファントムがいる場所へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

再び浅草橋にて。

 

 

 

 

 

「おっらぁ!!」

 

 

「ぐあっ!?」

 

 

 

 

ダークウィザードの大振りの剣撃を

先ほどからくらい続け、リザードマンは

よろめき倒れこむと同時に人間態へと姿を変える。

 

 

 

「ぐっ‥‥!?くそったれが!!」

 

 

「‥はっ、弱いな‥‥‥。」

 

 

人間態の悟史が睨む先のダークウィザードは

ウィザーソードガンを手でくるくると回しながら

悟史に近寄り刃先をギラリと向ける。

 

 

「じゃあ‥‥‥死ねよ。」

 

 

「‥‥!」

 

 

ダークウィザードはそう言って

ウィザーソードガンを掲げたその時。

 

 

 

 

《ウォーター!プリーズ

 

スイ〜スイ〜スイ〜スイ〜》

 

 

 

遠くからバイク音と共に音声が鳴り響き、

ダークウィザードと悟史は振り向くと

マシンウィンガーでこちらに走ってくる

ウィザード、ウォータースタイルの姿があった。

 

 

 

「っ!ハァッ!!」

 

 

 

「っ!?うおっ!!」

 

 

 

ボロボロになってる悟史と端っこで

気を失ってる千鶴を見たウィザードは

マシンウィンガーで走りながらダークウィザードに

ウィザーソードガン 銃モードを向けて

コントラクトリガーを引き、

魔力で作られた弾丸がダークウィザードに

直撃する。

 

 

 

「大丈夫ですか悟史さん!

‥‥お前、何人に向かって武器向けてんだよ!」

 

 

悟史の近くでマシンウィンガーを止めた

ウィザードはボロボロの悟史を見て怒り、

ダークウィザードに向かって声を荒げる。

 

 

 

「っってぇなぁ‥!!何しやがる!」

 

 

「それはこっちのセリフだ!」

 

 

 

起き上がるダークウィザードに

ウィザードはそう言ってウィザーソードガンを

剣モードで構えて駆け出す。

 

 

「ハァッ!!」

 

 

「っつ!ちぃっ!!」

 

 

 

ウィザードの振りかざすウィザーソードガンに

先ほどの攻撃で怯んだダークウィザードは

反射神経が遅れ、その攻撃をウィザーソードガンで

受け止めて一旦距離を取る。

 

 

 

「だぁ!!めんどくせぇ!そんなクソに

味方気取りか?相変わらずめでたい奴だ。」

 

 

「‥んだと!?」

 

 

 

ダークウィザードはそう言いながら

ウィザーソードガンのハンドスプリングを

展開し、待機音声が鳴る前に

エクステンドリングをウィザーソードガンの

ハンドオーサーにかざした。

 

 

《エクステンド・プリーズ》

 

 

 

音声が鳴るとダークウィザードの

ウィザーソードガンの刃先を小さな魔法陣が通る。

 

 

 

「今日は苛立ってるんだ!

これ以上イライラさせんじゃねぇよ!!」

 

 

 

「ぐっ!?うわっ!」

 

 

 

ダークウィザードが叫ぶとウィザーソードガンを

振り回す。すると、その刃先は伸びて

鞭のようにウィザードに攻撃する。

 

 

 

「ぐっ!!人を襲うとか

ファントムみたいな事すんじゃねぇよ!」

 

 

攻撃をくらうウィザードは隙をついて

飛び退き、ウィザードはウィザーソードガンの

ハンドスプリングを展開し、

コピーリングをソレにかざした。

 

 

 

《コピー・プリーズ》

 

 

音声が鳴るとウィザードの

ウィザーソードガンから魔法陣が現れ

そこへ手を通して取り出すと

もう一つのウィザーソードガンを構える。

そして両方を銃モードに変えて

ダークウィザードに向けて

コントラクトリガーを引き連発する。

 

 

 

「ハァッ!!」

 

 

「っ!うぉらっ!!」

 

 

 

何発かくらうダークウィザードは

耐えきって鞭のウィザーソードガンを

振り回し、弾丸を弾き返していた。

 

 

 

「おらっ!!」

 

 

「ぐっ!?」

 

 

ダークウィザードの鞭状のような攻撃に

ウィザードは吹き飛び、立ち上がっていた

悟史を見て叫ぶ。

 

 

 

「悟史さん!今のうちに千鶴さんを

連れて逃げてください!」

 

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

「‥っ?悟史さんっ!!」

 

 

 

ウィザードは叫ぶが

悟史は無言のままダークウィザードを見るなり

千鶴を見るなりとキョロキョロすると、

 

 

「‥‥だぁっ!!めんどくせぇ!

もーやめた、ゲートもしらねぇ。」

 

 

 

「えっ‥‥‥?

‥何言ってるんですか‥ゲートって‥。」

 

 

 

 

悟史の突然の言葉にウィザードは固まる。

 

 

 

 

「うぉおあああっ!!!」

 

 

 

 

「っ!!?‥‥嘘だろ‥‥‥?」

 

 

 

 

 

そして、悟史が雄叫びを上げると

その体は変化し、

ファントムのリザードマンへと姿を変えた。

 

 

 

「はっ‥テメェらは仲良く殺しあっときな!

俺はもうこんな狭いとこから出てって

人を殺しまくってやる!」

 

 

戸惑うウィザードの前でリザードマンは

そう言って橋から飛び降り、水の中を

泳いで行った。

 

 

 

「っけ!だからテメェは

正義気取りで弱くておめでたいんだ!

さっさと殺せばよかったのによ!

使い魔を使って駆けつけたなら

ファントムがいることぐらい、分かんだろ!」

 

 

「うっ!」

 

 

逃げて行ったリザードマンを見ながら

ダークウィザードはそう言って近付き、

ウィザードを蹴っ飛ばす。

 

 

「‥‥‥ち、千鶴さんは彼が

ファントムって事を知ってるのか‥‥?」

 

 

「あ?‥あぁ、そこで倒れてる女か。

確実に見ただろ。怪物に変わる姿をよ!」

 

 

「っ!?」

 

 

 

ダークウィザードの言葉に

ウィザードはウィザーソードガンを2つとも

落としてコピーの1つは消えてしまった。

 

 

じゃあ‥俺は勘違いで秀夜を‥‥

それで、秀夜はファントムを

やっつけようとしてたのか‥‥‥‥。

 

 

 

「‥‥ち!また逃げられた‥!

俺は知らねぇぞ、テメェの勘違いのせいだからな!」

 

 

その言葉はウィザードの胸にぐさりと

刺さるように響き、ウィザードは

横たわる千鶴を見る。

 

 

 

「‥‥‥悪い‥すまなかった。

アイツは俺が必ず仕留める。

‥‥千鶴さんに、もう悪夢なんて見させない。」

 

 

「‥ふん、起きても悪夢は続くと思うがな。」

 

 

ウィザードはそう言って

リングホルダーからもう一つ、そして

最後のドラゴンの力、ウォータードラゴンリング

を左手の中指に取り付けてシフトレバーを

上下に動かし、ソレをかざした。

 

 

 

 

《ウォーター!・ドラゴン

 

ジャバジャババシャーン

ザブンザブーン!!》

 

 

 

 

荒々しい音声が鳴り響き、

背中に一回り大きな水の魔法陣が現れると

ウィザードの周りに水を纏ったドラゴンが

咆哮を上げながら飛び交い、

水が渦巻くウィザードの中へと入っていく。

そしてウィザードは水のドラゴンの翼を広げ

ウォータースタイルから

〝ウォータードラゴンスタイル〟へと

姿を変えた。

 

 

 

BGM 〜Mystic Liquid μ'sversion〜

 

 

 

「ふぅ〜‥‥‥。」

 

 

 

スタイルチェンジしたウィザードは

波の描くような構えを取り、リザードマンが

逃げた海へつながる水を見下ろす。

 

 

 

「‥‥それで追いつけれんのかぁ?」

 

 

「あぁ、絶対に。迷惑を掛けてアレだけど、

千鶴さんを少し、見てくれないか?」

 

 

「へ、やだね。起きた時に

とばっちりくらうのはごめんだ。」

 

 

「‥‥わかった、

‥それと本当にすまなかった。」

 

「おい待て。」

 

ウィザードはダークウィザードにそう言って

水の中へと飛びこもうとするがダークウィザードは

呼び止める。

 

「テメェに一つ言っといてやる。

‥‥躊躇うな、いざって時は迷わず行動しろ。」

 

 

「‥‥‥‥分かった。」

 

 

ダークウィザードの忠告にウィザードは

頷き、水へと飛び込み、

物凄いスピードで泳いで行った。

 

 

 

 

 

「‥‥‥はぁ‥結局ファントム倒せずかよ‥

あー!今日はやけだ!‥飲むか。」

 

 

 

ダークウィザードは変身を解きそう言って

コネクトリングからバイクを取り出して

その場を走り去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っしゃあ!ランチタイム‥‥‥‥あれ?」

 

 

 

 

 

 

 

それと入れ違うように

古の魔法使いビーストが現れるが、

そこには気を失った千鶴だけが残っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

海浜公園にて。

 

 

 

 

「はぁ‥はぁ‥‥!ここまで来れば!

もう追ってこないだろ!っへ!」

 

 

公園へ上がったビーストリザードマンは

そう言いながらその周辺にいる人間を

チラチラと見ていた。

だがお年寄りばかりなのかリザードマンの

存在を気づかず、ぼーっと夕日を眺めていた。

 

 

 

「へへっ!殺しまくってやる‥‥‥!」

 

 

リザードマンは剣を取り出し、

近づこうとしたその時。

 

 

 

 

「ハァッ!」

 

 

 

「っ!指輪の魔法使い‥!?」

 

 

 

突然水しぶきが上がると共に

海面からウィザードが現れ

リザードマンの前へ着地する。

 

 

 

「嘘だろ‥!?あの距離をテメェも

泳いできたのかよ!!」

 

 

「‥‥あぁ‥‥さぁ、終わりにしよう。」

 

 

 

「あぁくそっ!!やってられっかよ!」

 

 

リザードマンはそう言って再び海へ

飛び込み、逃げようと泳いで行く。

その間にウィザードは

スペシャルリングを取り付け

シフトレバーを動かし、

ソレをドライバーへとかざした。

 

 

 

《チョーイイネ!

 

スペシャル!

 

サイコーッ!!》

 

 

音声が鳴り響くと

水を纏ったドラゴンが咆哮を上げて

勢いよく飛び出し、ウィザードの

背面に入り込むとウィザードの

腰部にウィザードラゴンの尾

〝ドラゴテイル〟が装着される。

 

 

「逃がすかっ。」

 

 

ウィザードは静かにそう言って

ドラゴテイルを1度地面へ叩くと

勢いよく背面を海へ向け、

ドラゴテイルを振り上げる。

 

すると、巨大な斬撃と共に

たった一振りで海面が割れ、

その中央にいるリザードマンの姿を確認する。

 

 

 

 

「‥‥!?嘘だろ!?海を割りやがった!!」

 

 

 

リザードマンが驚く中、ウィザードは

すぐに新しい魔法リング、

〝ブリザードリング〟を取り付け

シフトレバーを動かし、ソレを

ドライバーへとかざした。

 

 

 

 

《チョーイイネ!

 

ブリザード!

 

サイコーッ!!》

 

 

 

 

音声が鳴り響き、ウィザードの前に

冷気を帯びた魔法陣が現れる。

 

 

 

「ッハァ!!」

 

 

ウィザードはその魔法陣を海面が割れ

あぶりでているリザードマンに向かって

押し出した。

 

 

 

 

「っ!?うわ‥!なん‥‥だ‥こ‥‥れ‥‥‥!」

 

 

 

魔法陣がリザードマンを通り抜けるとともに

リザードマンは氷漬けになりその海面

一体も一瞬で凍ってしまった。

 

 

 

「‥‥‥フィナーレだ。」

 

 

 

ウィザードは静かにそう言って

割れて凍った海を滑るように

走り出し、リザードマンへと近づく。

 

 

 

 

「でぇやぁぁぁああああっ!!」

 

 

 

「‥‥‥!!!」

 

 

 

氷ったリザードマンにウィザードは

勢いよくドラゴテイルを振り上げ

周りの海面諸共リザードマンを粉砕した。

これがドラゴテイルの必殺技、

〝ドラゴンスマッシュ〟だ。

 

 

「フッ!」

 

 

そしてウィザードはドラゴテイルの

叩きつけた勢いで空中高く飛び上がり

海浜公園へと着地した。

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

氷は解かれて海は元に戻り、

ウィザードの周りは粉々になった

リザードマンの体が雪の結晶の様に

降り注いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふふ‥‥4つのエレメントが

全て揃った‥さて、この先どうなるかなっ。」

 

 

 

その様子を緑色で羽のついた帽子を被った青年が

フーセンガムを食べながら

そう言って笑い、人とは思えない速さで

そこから姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

再び浅草橋にて。

 

 

 

「‥よっと。」

 

 

泳いで帰ってきたウィザードは

変身を解き、いつの間にか駆けつけてた

攻大が千鶴と何やら揉めていた。

 

 

 

「‥あ!晴希!」

 

 

攻大が俺の存在に気づくと千鶴も

振り返り、急いで俺の元へと駆け寄る。

 

 

 

「‥‥攻大さんから聞いた‥‥‥‥。

さとっちは‥さとっちはどうしたの?」

 

 

涙目になってる千鶴に俺は申し訳ない

気持ちで一杯になり、正直に答えた。

 

 

 

「‥‥‥倒した。」

 

 

 

「‥‥‥‥‥!!」

 

 

晴希の言葉に千鶴は今にも泣きそうになるほど

衝撃を受けるが、続けて口を動かした。

 

 

 

「‥‥ねぇ、‥ねぇどうして!?

ファントムって何!?どうしてさとっちが

化け物になっちゃったのよ!!

ゲートとか絶望したらとか訳わかんない!!

さとっちを‥さとっちを返してよぉ!」

 

 

「‥千鶴ちゃん、晴希だって辛いんだ‥」

 

 

「攻大、いいんだ。」

 

 

俺の胸ぐらを掴み攻め続ける千鶴に

攻大は止めようとするが俺はそれを止めた。

 

 

 

「‥‥すみません‥‥‥‥。

でも、あのまま放っていたら

貴方の彼氏は他の人を殺していたはずです‥。

もうあれは千鶴さんの知ってる悟史さんじゃ‥」

 

 

 

 

パァーン‥‥‥

 

 

 

 

 

一瞬、晴希の視界は揺らめいた。

何が起きたのかわからなかった、

そして後からくる頬への痛み。

それは千鶴がおれの頬をビンタしたのだ。

 

 

 

 

 

「‥‥‥‥っ!魔法使いとか言って‥‥

全然頼りにならないじゃない‥‥!!

この‥‥この人殺し!!」

 

 

 

「っ!!」

 

 

「あ、千鶴ちゃん!!」

 

 

 

千鶴はそう吐き捨ててその場を

走って去っていった。

そして俺は、その場で俯くことしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

数日後、音ノ木坂学院の部室にて。

 

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

 

あれから千鶴がどうなったのかは

分からず、ガルーダに詮索させてみたら

一応女優として頑張ってたみたいだが

彼女の目は笑っていないらしい。

そして、穂乃果達には、彼氏さんは

映画監督をもっと修行するべく

海外に行って1から頑張ると言っておいた。

本当の事を言ったら、

確実にパニックになるだろう。

 

この事は俺と攻大で

心の奥へとしまっておく事にした。

 

 

そして、現在μ'sのメンバーは屋上で

練習をしてるのだが、俺は気分が晴れず

1人部室でぼんやりと外を眺めていた。

するとそこへ、1人のアロハシャツを着た

じいさんが部室へ入ってきた。

 

 

 

 

「ハッロー!晴希君ー!調子はどうじゃー?」

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

「‥なんじゃ、しらけおって。

わしのテンション返せっ。」

 

 

1番来てほしくないタイミングで

神様が現れた。俺はガン無視すると

ぶつぶつ文句を言いながら椅子へと座る神様。

 

 

 

「‥‥なぁ、神様。正義って‥何ですか?」

 

 

「む?どうしたんじゃ?」

 

 

「‥‥俺って、ちゃんと守れてるんですかね‥

魔法使いとして‥‥。」

 

 

俺の質問に神様はふむ と頷き真面目になって

答えてくれた。

 

 

「いいか晴希。人を守る事はとても素晴らしいが

時には守りきれない事もある。

それで人から嫌われてしまう事もあるじゃろう。

じゃが、お主は今まで手が届く場所で

人を見殺しにしたことがあるか‥?ないじゃろ?

お主は頑張っておる。今回は仕方のない事じゃ。」

 

 

「‥‥仕方ないことなんすかね‥‥‥

なぁ、‥‥神様。

人を生き返らせるとかできないんすか?」

 

 

 

「‥‥‥残念じゃが、1度死んだ命は

そう簡単に生き返らせるのは色々とまずいんじゃ。

お主達、転生者は別じゃが‥。」

 

 

 

 

「‥‥‥そうっすよね‥‥。」

 

 

 

 

神様の言葉に晴希は苦笑しながら

振り返り神様を見ると、

既に神様はそこにいなかった。

本当、神出鬼没だな‥。

 

 

 

「‥‥‥‥‥‥‥よし。」

 

 

俺はもう一度窓から部活で頑張ってる

運動部や青い空を見て自分の頬を叩き、

無理矢理笑顔を作って、屋上へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、仮面ライダーウィザード

 

 

 

「そうだ!合宿行こうよ!」

 

突然穂乃果が言い出した!

うん、嫌な予感しかしない。

 

 

 

「えー!?先輩禁止!?」

 

「おし!みんなどんどんタメ口でいいぜ!」

 

「よろしくにゃーマヨネーズっ。」

 

 

「後輩にもマヨネーズ扱いぃいい!!」

 

 

突然の絵里の先輩禁止令!

後輩にもマヨネーズ、御愁傷様です。

 

 

 

「おい晴希!女子風呂覗こうぜ!

気分も晴れるだろ!」

 

「ぜ、絶対行かねぇ!」

 

落ち込んでる晴希に攻大からのお誘い!

‥‥‥正直考え込む晴希さん。

 

 

 

「晴希君!真姫ちゃんが‥‥

真姫ちゃんが目を覚まさないにゃ!」

 

「真姫!しっかりしろっ!!」

 

 

倒れて目を覚まさない真姫!

そして彼女の身体が突然光り出して‥‥!

 

 

 

第25話 合宿をします!

 

 




はい、しょーくんです!

うむー、シリアスを書くのは難しい‥

さて次回は合宿!
次回でもまだ落ち込む晴希に
襲ってくるのは一体!?

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