ラブウィザード! 〜希望の柱〜   作:しょくんだよ

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やっぱりラブライブ!は不滅ですな(>_<)
どれだけあの歌に勇気付けられたか‥( ゚д゚)

穂乃果「へぇ〜、そんなに凄いんだ!
ラブライブ!って!」

ん?あ〜穂乃果さん、凄いのは
ラブライブ!自体のアニメで‥‥‥


穂乃果「よぉし!穂乃果もラブライブ!の
出場頑張るぞぉ!」

あ、えっと‥‥‥はい(^^;)



第23話 日々の命の重さ

3人目の転生者、二藤攻大!

古の魔法使いビーストでもあり

彼は魔力を与え続けなければ死んでしまうという

リスクを負うことに!

藍崎秀夜と違って少しはマシかと思っていた時、

メデューサに騙されファントムと交戦中、

ビーストはヒドラではなく

ウィザードにいきなり襲ってきたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どけマヨネーズ!」

 

「いいや!お前がどけ!」

 

「っ!いい加減にしろ単細胞!」

 

「誰が単細胞だ!このクソイケメン!」

 

「あー、ありがとう。」

 

「褒めてねぇし!?」

 

 

 

ゲートの及川宏に近づこうにも

ファントムのヒドラを攻撃しようとするにも

ウィザードこと、操真晴希はビーストに邪魔され

ヒドラもウィザードとビーストに邪魔される。

いったい、いつまでやってるのだろう‥。

かなりの攻防戦をしている2人と1匹。

 

 

 

 

 

 

「‥‥うっ‥‥‥!?あぁっ‥‥!」

 

 

 

武器の接触で火花が飛び散り

それが気を失っていた及川の頬擦り

及川は目を覚ます。覚ますと同時に

目の前の怪物と2人の魔法使いに驚き

その場から逃げようとする。

 

 

 

「あ!?ちょっ!‥あぁもぉっっ!!」

 

 

 

 

「ぐっ!?」

 

 

「おわっ!!」

 

 

 

それを見たビーストはダイスサーベルを

回転斬りの要領でウィザードとヒドラを

斬りつけて転ばせ、その隙にビーストは

赤い隼の絵柄の魔法リング、

〝ファルコリング〟を右手の中指に取り付け

ビーストドライバーの右のリングスロットに

はめ込んだ。

 

 

 

 

《ファルコ!ゴーッ!

 

ファッ!ファッ!ファッ!ファルコ! 》

 

 

 

リングスロットから外し音声が鳴り響くと

右肩に赤い魔法陣が通り、隼の顔が付いた

ファルコマントが右肩に装着される。

 

 

「っ、また違う魔法‥!?」

 

 

 

「へへっ、とうっ!」

 

 

 

その姿にウィザードは驚くと

少し自慢気に笑ったビーストは

そこから跳躍し、なんと空を飛び

及川を掴み上げた。

 

 

 

 

「な、飛べるのか!?」

 

 

「うおぉ、一体どんな仕組みしてんだよ!」

 

 

 

 

 

 

「ゲートは俺が預かるからなーっっ!」

 

 

 

ウィザードとヒドラまでが驚いていると

ビーストはフヨフヨ飛びながらそう言って

逃げる及川を掴み上げ空の彼方へと逃げて行った。

 

 

 

「あぁ!ちっ、また出直しだ!」

 

 

「え、あぁっ、おい!!」

 

 

 

空へ逃げたビーストを見てる隙にヒドラは

そう言って湖の中へと飛び込んで

その場から姿を消した。

 

 

 

「‥‥ぁあ〜!もぉなんだかなぁ‥‥!

あのバカマヨネーズ‥‥。」

 

 

色々と苛立つウィザードは追う気も無くして

変身を解き、ビーストが逃げた空を見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

神田明神にて。

 

 

 

 

 

「‥あ、希さーん!」

 

 

 

 

「ん?おぉ、晴希君、どないしたん?」

 

 

「あ、晴希。ゲートは見つかった?」

 

「もしかして逃げられちゃったの?」

 

 

もう日が暮れる時間にて、

俺は攻大を探すべく神田明神にやってきた。

そこへ巫女姿で箒を持つの東條希と

絢瀬絵里と矢澤にこがいた。

 

 

「あ、絵里先輩、にこ。

実はそのゲートなんですけど、

二藤の奴が攫っていっちゃって‥。」

 

 

 

 

 

 

「あー、攫っちゃったんや‥さすがこうっち‥。」

 

「はぁ?何やってんのよあのバカ‥」

 

 

「そうね、こうっちならやりかね‥‥‥」

 

 

 

 

俺の言葉を普通に受けたのかと思いきや

数秒固まりこちらを向く3人。

 

 

 

 

「「「ぇえええええっ!!?

ゲートを攫った!?」」」

 

 

 

「は、はい。ファントムに

何か吹き込まれたらしいんです。

それでここに来てみたんですけど、

あのバカマヨネーズいますか?」

 

 

 

驚く希と絵里に俺はここにきた理由を言う。

そして希は攻大のテントの方を見るが

俺に振り返り首を横に振る。

 

 

「ううん、残念やけどこうっちは

今帰ってきてないんよ。」

 

 

「晴希が出た後、3人で

ここに結構いたんだけど、

攻大の姿は見てないわ。」

 

 

「ん〜‥‥なら残るは‥‥。」

 

 

希と絵里の言葉に手を顎の下に置いて

考え込む俺。すると、、

 

 

 

 

 

 

「あ!晴希先輩!希先輩、絵里先輩ー!にこ先輩!」

 

 

 

元気一杯の声が階段から聞こえ振り返ると

μ's1年生の星空凛、小泉花陽、西木野真姫が

こちらに向かって来ていた。

 

 

「おー、凛ちゃん花陽ちゃん真姫ちゃんっ。」

 

「さっきぶりね。」

 

「どうしたのよそんなに慌てて。」

 

「ありゃ、どうしたこんな時間に?」

 

 

希、絵里、にこ、俺の順番で挨拶すると

凛がそそくさに近付いてくる。

 

 

「にゃーっ。先輩電話したのに

なんででないにゃ!?

途中でユニちゃん見つけてここまで

案内してくれたからよかったけど!」

 

 

 

「あぁ、ごめん。マナーモードにしてて、

‥ってユニコーン使ったのかっ?

今探索中だったのに‥‥‥

ユニコーン、何か見つけた?」

 

 

凛の言葉に苦笑しながら返すと

その肩からぴょこっと晴希の使い魔

ブルーユニコーンが顔を出し、俺は聞いてみるが

ブンブンと首を横に振る。

 

 

 

 

 

 

「3人共、こんな時間に神社に何か用でもあるん?」

 

 

希がそう聞くと本題を思い出したかの様に

はっとなり、真姫が俺にあるものを

差し出してきた。

 

 

 

「これ、‥白い魔法使いから‥。」

 

 

「っ!これ‥!?指輪じゃないか!

え、白い魔法使い‥‥‥‥?」

 

 

「どうしたんこれっ。また違う指輪やね!」

 

「ハラショー!?しかも4つっ。」

 

「何でアンタ達が持ってんのよ!?」

 

 

真姫から受け取った指輪に俺と希と絵里とにこは

驚く。ウォーターとランドに角があり

額には別の宝石が彩られている。

どうやらドラゴンの力の指輪のようだ。

ってことはこれで4スタイル全て揃った‥

‥‥ってことになるのか‥‥?

そしてもう2つはこの変身リングに関係する

魔法リングのようだな。

 

 

 

「それより真姫、白い魔法使いって

どうゆうことだ?」

 

 

「‥分からないの、紫の魔法使いや

二藤先輩とかじゃなく、

見たことない姿の魔法使いだったわ。」

 

「ぜ、全身白いコートみたいなのと

晴希先輩のドライバーと

少し違うドライバーをしてました!」

 

「そして突然消えたにゃー!」

 

 

俺の問いに真姫に続いて花陽と凛が答える。

突然消えたって何だ?テレポートか何かか?

そしてそいつは転生者なのか‥?これ以上

増やしてどうするつもりだあの神様は‥‥?

いや、それより、なんでその白い魔法使いは

俺が使うウィザードの

ドラゴンの指輪を持ってる‥?

 

頭の中でその魔法使いへの疑問が膨らむが

俺が今考えられるのはそいつも転生者だと

確信することだった。今度神に会った時は

正直に話して貰わないと、あのジジイめ。

 

 

 

「‥とりあえず、指輪ありがとうな。

その白い魔法使いってのはこっちで色々と

探してみるよ。今日はもう遅いから送って帰るよ。」

 

俺の言葉に花陽と凛は はぁいと返事をし、

真姫は目を瞑るが口元は笑っていた。

 

 

「あ、ウチも送ってもらってええかな?

ちょっと服着替えてくるな〜。」

 

 

「晴希、私もいいかしら?」

 

「にこは別にいいわ。1人で帰れるし。」

 

 

 

 

 

希はそう言って神社の中へと入り

絵里はウィンクしながら俺を見てくる。

まぁツンデレなにこは放っておいて‥

 

絵里さん何言ってんですか‥‥‥

 

全然いいですよっ!(キリッ)

 

 

 

 

「っ!いひゃいいひゃい!?

なにふんは! 真姫!」

 

 

「‥‥あ、‥‥な、なんでもないわ!」

 

 

突然真姫に頬を抓られた。

その手を取って真姫を見るが顔を真っ赤にして

そっぽを向かれた。何だよイテェな〜‥‥。

 

 

 

 

「‥‥‥あ、ガルちゃんにゃ。」

 

「あ、こんばんはガルちゃん 」

 

 

ふと、凛が空を見るとレッドガルーダが

こちらに飛んできて花陽の肩に乗っかる。

花陽はガルーダのおでこを撫でながら挨拶すると

ピィッと鳴いて俺を見てくる。

 

 

「お、どうやら見つけたみたいだな。」

 

 

「何を?」

 

俺がそう言って頷くと絵里が聞いてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「誘拐犯ですよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

湖につなぐ川付近にて。

 

 

 

 

「あっはっはっはっは!

古の魔法使いってのはおもしれぇ野郎だな!

なぁ、ヒドラ?」

 

 

「笑いごとじゃねぇだろ!

ゲートをうばわれたんだぞ!?

で、あのよくわかんねぇ魔法使いに

何を吹き込んだんだ!?」

 

 

 

ビーストにゲートをうばわれ散々な目にあった

ヒドラは川を使って住宅地まで泳いでいたら

途中でフェニックスとメデューサが居り、

フェニックスは笑い転げているのを

ヒドラは怒り、メデューサに問い詰めていた。

 

 

 

「別に、()()()()()()()()()()()()()()

って言っただけよ?」

 

 

 

「‥そうでしょーよ!フンッ。」

 

不気味に笑いながらそう言うメデューサに

ヒドラは不満そうに鼻を鳴らしてダイバーの

姿をした人間態に戻ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

及川の家付近にて。

 

 

 

 

 

 

「なぁなぁ待て待て待て!教えてくれよ、

どうやったらファントムを出せれるんだ!?

呪文か何かで出すとか?あー!こんな事なら

おっちゃんに聞けばよかった〜!」

 

 

「くだらん‥、君の妄想に付き合ってる暇はない、

それに、いつまで付いて来る気だ?」

 

 

「アンタからファントムが出るまで!

それにさっきみたいに化け物が出たら

おっさんも困るだろー?」

 

 

 

及川を攫った攻大はその後ファントムの

出し方について及川に聞くがそんな事を

知るわけない及川は無視して家に帰ろうとする。

が、諦めきれない攻大は家まで

付いて行ってる訳だ。

 

 

 

 

「‥ただいまー。」

 

 

「お邪魔しあーす!」

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

玄関を開けて及川は入ると

勝手に自宅へ上がる攻大を見て呆れた顔をする。

そして及川は荷物を置くと居間の方へ行く。

 

 

 

 

「どうやら、面倒な事に

巻き込まれたらしいんだよ、

変な奴も付いて来るし、すまんねぇ‥。」

 

 

 

「‥‥え?誰と話してんの?」

 

 

攻大は及川の喋ってる先には

1枚の女性の絵が飾られてる壁だった。

絵に向かってしゃべってんの?と、

言いたかっただろうが、その前に及川が喋る。

 

 

「妻だよ。」

 

 

「‥え?これが奥さん?

(‥‥奥さん絵なの?)」

 

 

「そうだ。」

 

 

攻大の質問に答えると及川は

ソファーへと座り、絵の奥さんに

ついて話してくれた。

 

 

 

「‥妻は身体が弱くてなぁ。

病気にかかりやすくて大変だった‥。

私は毎日絵を描きながら妻と喋るのが日課だった。」

 

「‥っ‥もしかして奥さんは‥‥。」

 

話の内容的に大体理解した攻大は及川に聞いてみた。

 

 

「あぁ、とうとう限界がきてね‥‥。

死ぬ間際にあの絵をあそこに飾ってと

お願いしてきたんだ。そして死んだ後、

私は、絵を描けなくなってしまってな。

今の私にはもう何もない。

その絵と話すことだけが、今の私の

生きる希望なんだ‥‥。」

 

 

 

そう言って黄昏る及川を見て、先ほどまで

バカしてた自分が申し訳なくなる攻大は

少しの間、黙って奥さんの絵を見つめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

住宅地の川にて。

 

 

 

「‥‥‥お、ゲートの匂いがするぜ‥‥。

今度こそ捕まえてやる‥‥‥!」

 

 

川を泳ぐヒドラは遠くに見える住宅地の

一軒の家を見てそう言いながら泳いで行った。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

再び及川家にて。

 

 

少し時間が立ち、気まずい空気が続く中、

ふとインターホンが鳴る。

 

 

「‥‥?」

 

 

「あ、待て待て待て!俺が出る!」

 

 

及川は立ち上がろうとすると

ファントムかもしれないと思い

攻大は及川を止めて玄関へと行く。

 

 

 

 

「はい、どちら様で‥‥」

 

 

 

「よっ。」

 

 

 

玄関を開けた攻大は硬直した。

目の前には攻大にとって今会いたくない

晴希が居たのだから。

 

 

 

「あ、どうもどうも!

魔法使いならとっくに間に合ってますんで、

はい!失礼しますっ!」

 

 

 

「がっ!?待てっ!」

 

 

「だぁ!何で来るんだよ!?ちょ!?

閉めさせろよ!」

 

 

愛想笑いをして即座に玄関を閉めようとする

攻大に晴希は無理矢理体を玄関に挟めてこじ開ける。

 

 

 

 

「今だ皆っ!」

 

 

 

「ラジャー!」

 

「お邪魔しまーす!」

 

「お、お邪魔します‥。」

 

 

こじ開けた隙間から希、にこ、絵里が

スルスルと中へ入って行った。

因みに1年生組は先に帰らせた。

大勢で他の家に入るのはまずいからな。

 

 

「えぇ、ちょ!希ちゃん達まで!?

‥!いてて!?耳引っ張るなよ!」

 

 

「お前は!ちょっと、外でろ!」

 

 

 

攻大も中へ入ろうとするのを俺は

耳を引っ張って止めて無理矢理外へ連れ出した。

 

中庭まで連れ出した俺は窓から及川や

希達を見ると希と絵里はこちらを見て頷く。

まるでこっちは任せてそっちを何とかしてと

アイコンタクトをしながら、俺は

攻大の耳を離してゲートについて説明した。

 

 

 

ーー

 

 

 

「何だと!?‥‥え、じゃあじゃあ!

そのファントムが生まれるってことは、

あの及川のおっさんが死ぬって事‥‥か?」

 

 

真実を知った攻大は驚愕し、

中で希達と喋っている及川を見た。

ようやく聞いてくれたかこのバカは‥。

 

 

 

「そうだ、ゲートが絶望したときに

ファントムは心の中で生まれ

ゲートの全てを壊し、奪って現実に現れる。

夢も希望も、命も‥‥何もかも奪ってな。」

 

 

「うっそだろ‥‥‥‥?

じゃあ今まで戦ってきたファントムは皆‥?」

 

 

「‥‥‥‥‥‥‥あぁ、元は

絶望してしまった人間だった。」

 

 

俺の説明をようやく理解した攻大は

その場に座り込み、顔を見れば分かる、

表情はパニクっていた。

 

 

「お前の性格だから神様から説明を

聞いていなかったんだろうけど、

簡単に騙されすぎだ。

‥‥分かったなら少し反省し」

 

 

 

「待てよっ!!」

 

 

俺は及川の家に入ろうとすると

攻大は叫び、呼び止めた。

 

 

「じゃあ俺はどうすればいいんだよ‥!?

俺はファントムの魔力を喰わねぇと!

明日かもしれない身体なんだぞ!?」

 

 

 

「‥‥明日か、ならまだ時間あるじゃないか。」

 

 

 

「‥テメェ、他人事みたいにゆうなよ!!」

 

 

 

俺は地面に座ってる攻大を見てそう言うと

イラついたのか攻大は立ち上がって俺の

胸ぐらを掴んでくる。

その様子を中にいた絵里が気付いて

止めようと窓を開けようとするが

希に止められ、大人しく見守っていた。

 

 

「‥‥ゲートの命は、今あぶないんだ。」

 

 

「‥‥え?」

 

 

俺の言葉に攻大は強く掴んでいた手が一瞬緩まる。

 

 

「‥まだ時間ある明日の命より、

まずは今あぶない今日の命だ。」

 

 

 

俺はそう言って胸ぐらを掴んでた手を

振り払って、及川の家へと入って行った。

 

 

「‥‥‥‥。」

 

攻大は再び地面へ座り込み、大の字に

寝そべって空を見上げた。

 

 

 

 

 

ーー

 

 

「ふぅ、こっちは一応伝えたよ。」

 

 

「こっちも、てゆうか

また喧嘩しそうになったでしょ?」

 

 

家に入った俺は絵里にそう言われて

頬を掻きながら俺は苦笑し、ふと

攻大の鞄を見る。初めて会った時より

小ぶりの荷物だが、それでも中々大きい荷物だった。

 

 

「あ、荷物‥‥。」

 

 

「‥にこが持っていくわ。って重っ!」

 

 

希が手を伸ばそうとするとにこが先に

持ち上げ、攻大のいる中庭へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「‥‥‥‥‥ん?」

 

 

「それっ。」

 

 

「ぐほぉ!?にこちゃん‥‥、何すんの!?」

 

 

寝そべってる攻大のお腹ににこは鞄を

投げつけ攻大は腹を抑えながら起き上がる。

 

 

「うるさい、‥それより

アンタに言っておきたい事があるわ。」

 

 

「‥‥あ?」

 

 

「アンタ、晴希が呑気でいいとか

言ってたけど、それは大きな間違いよ。

晴希はね、ゲートを守る為に

自分の命をかけてるのよ。」

 

 

 

「自分の命を‥‥他人の為に‥‥?

そんなん俺だって‥」

 

 

「何?できるって言いたいの?

それは無理ね、今のアンタは

晴希の足元にも及ばないわ! フン。」

 

 

にこはビシッと指を攻大に突きつけて

そう言い放ち、再び及川の家へと戻って行った。

 

 

 

「はぁ‥‥?‥ぁぁぁあ、もぉ!!

んだよ一体‥‥‥。俺だって命くらい‥!

‥‥‥‥あれ‥?」

 

にこの言葉を聞いて

髪をガシガシと掻き、意地を張る攻大だが

ふと、自分の手が少し震えているのがわかる。

自分は、本当は死ぬのが

怖いって思っているからだろう、

 

 

「‥‥‥あー!クソ!」

 

 

攻大は震える手を身体になすりつけ

手に顔を置いて大きいため息を吐いたのだった。

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

及川家の前にて。

 

 

 

 

 

足についてるフィンをバシャバシャと

音を立てながらヒドラは及川家に

到着するが、中庭に攻大がいることに

気付いて舌打ちをする。

 

 

 

「ちっ!魔法使いに先を越されたか‥‥!」

 

 

ヒドラはそう言って家の柵から中の状況を

確認していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

再び、夜の及川家の中にて。

 

 

 

 

「この絵が生きる希望ですか‥?」

 

 

「あぁ、妻がまだそこにいると思うと、

心が安らぐ。」

 

 

 

 

「はい、おにぎりできたわよ。 」

 

 

俺は飾られてる及川の妻の絵を見ながら

そう思ってるとにこが台所から

おにぎりをいくつか作って持ってきた。

 

「ありがとう、及川さんすみません、

勝手にご飯作って‥‥。」

 

「あぁ気にすることはない。

私の命を守ってくれてるのだからな。」

 

絵里が軽くお辞儀すると及川は笑顔で

そう言ってくれた。くぅ、いい人や‥。

 

 

「‥お、美味しいな。てゆか、

先輩達、家の方は大丈夫なんですか?」

 

 

にこが作ってくれたおにぎりを食べながら

俺は聞いてみた。時刻はもう7時になる。

夏と言えど流石に暗くなる時間帯だ。

 

 

「私は大丈夫、亜里沙にも連絡したから。」

 

「にこも大丈夫よ、ちゃんと昨日の作り置き‥

んんっ!、と、とにかく大丈夫よ!」

 

 

「‥‥?希さんは?」

 

 

絵里とにこはそう言うがにこは

何かを誤魔化したかのように咳払いし、

俺は首を傾げながら窓の外を見る希に聞いた。

 

 

「晴希君!こうっち、

中庭でバーベキューしとるで!」

 

 

「えっ?‥本当だ‥‥‥、呑気な奴だな‥。」

 

 

希が言う先には中庭で小さいバーベキューセットを

取り出して肉を焼いてる攻大の姿があった。

 

 

「‥‥逆かもしれへんで。」

 

 

「えっ?」

 

「希‥?」

 

「どうゆうこと?」

 

ふと、希の呟きに俺、絵里、にこが発言し、

そして及川までもが希を見ていた。

 

 

 

「‥いやな、うちやったら、

ご飯なんて喉を通らないはずや、

こうっちの立場やったらね。でも

ああやってバーベキューしてるのは

本当は怖いから、明日かもしれない命やから

‥その恐怖を紛らわす為に食べてるんやないかな?」

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

希の思ってた事を聞いて俺は

黙り込み、手に持っていた

おにぎりを無言で食べていた。

 

 

 

 

 

 

ーー

 

 

 

「‥‥‥どうすっかな‥‥。」

 

 

肉の上にマヨネーズをかけて食べる攻大は

そう呟き、いつものテンションではなく

普通の食事をしていた。

因みにマヨネーズには〝俺マヨッてる!?〟

と、書かれていた。

そしてふと、攻大は今日の

メデューサに言われた事を思い出す。

 

 

 

『目の前のファントムを食べれば

今日は生きられるかもね、

でも新たなファントムが生まれないかぎり、

いずれ貴方の明日はなくなるわ‥‥‥。』

 

 

 

 

「‥‥はぁ、確かにあの女の言う通りだ‥。

けど明日のためにゲートを犠牲にするなんて

後味が悪すぎる‥‥かと言ってファントム

食わないと‥俺が死んじまう‥‥‥。

‥‥へ、1度死んでるから

2度死ぬのは流石にごめんだぜ。」

 

 

1人で喋りながら攻大は腰のベルトに

手を当てた。微かだがグルルルルと威嚇の

鳴き声が聞こえる。攻大の中のキマイラは

かなりご立腹の様だった。

攻大は待て待てと言いながら

夜の空を見つめた。

 

 

 

「明日より今日の命‥‥か。」

 

 

 

攻大はそう呟き、大きなため息を吐いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

翌朝、8時頃にて。

 

 

 

 

「3人共っ、俺がやっておきますから

学校行ってくださいって!」

 

 

「いいえ、ここまで来たら最後までやるわ。」

 

「せやな、及川さんの命も関わってることだし。」

 

「にこも学校をサボるなんて久々よ、

もうすぐ夏休みだっていうのに‥‥

ま、先生に怒られるのは確定ね。」

 

 

翌朝、俺と攻大は及川の家に泊まり

希望の絵を俺の家で保管しようと提案し

絵を運ぶ準備をしていたのだが

なんと絵里と希とにこが及川の家に来て

手伝ってくれた。明後日で夏休みなのに

困った先輩方だ‥‥。

 

 

「大切な絵だから慎重に頼むよ。」

 

 

「任せてくださいっ。‥‥‥ん?」

 

 

まぁ1番早い話はコネクトリングで

俺の家に置けば楽なのだが及川は

自分で運びたいと言って断るだろうな‥。

そんな事を考えながら及川に言われ、

慎重に絵を外す俺はふと、絵の後ろに一枚の

手紙らしきものを見つける。

 

 

「どうしたの晴希?」

 

 

「ん、あぁ、何でもないです。

さ、早く済ませて学校行かないと。」

 

手が止まる俺に絵里は聞いてくるが

俺はその手紙をこっそりポケットにしまい

3年生の皆と慎重に絵を布で包んだ。

 

そして準備が出来、5人は及川家から出て

俺の家に向かおうとすると、中庭にいる

攻大と俺は目が合う。

 

 

 

 

「‥‥‥‥。」

 

「‥‥‥‥‥。」

 

 

 

しばらく見て俺はそのまま家を出て

攻大はため息をしてポケットから

ある魔法リングを取り出した。

金色でビーストの顔が描かれたその指輪は

まるでエンゲージリングの様だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

朝の公園付近にて。

 

 

「ふふっ、学校サボるなんて

ドキドキもんやな、なっ、えりちー。」

 

「希、これは人の命を助けるため、

仕方のないことよ。」

 

「サボってる生徒会長に言われても

説得力のかけらもないわよ?」

 

 

通学する生徒も見当たらなくなった時間。

希、絵里、にこの順で

緊張感のない会話をしていた。

及川もちょいちょい3人の話に加わり

いいムードだった俺たちに、

定番の様に現れる奴もいた。

 

 

 

 

 

 

「ザバザバ〜っと‥‥待ってたゼェ。

ゲートに魔法使い。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!ファントム!?」

 

 

「‥‥待ってたってことは、

家を見張ってたってことか?」

 

 

噴水からバシャバシャと水を立てながら

ヒドラが現れ、絵里は驚き俺は

ドライバーオンリングを取り出しながら

ヒドラに聞いてみた。

 

 

 

「あぁ、お前が出していた変な生き物の

監視を避けるのは大変だったぜ?

ま、おかげでゲートの心の支えも分かった‥。」

 

 

ヒドラはそう言いながら俺たちの前へ

立ちはだかる。‥なるほど、だから

監視させていた使い魔達が

知らせてくれなかったわけだ。

 

 

 

「分かっていても、

ここでお前を倒せばいいだけ、だろ?」

 

 

 

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

 

 

音声とともにベルトが光りだし

ウィザードライバーへと形を変えたすぐに、

俺はシフトレバーを上下に動かした。

 

 

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!》

 

 

「変身。」

 

 

 

《フレイム!・プリーズ

 

ヒーヒー・ヒーヒーヒー!!》

 

 

 

音声が鳴り響き、俺は真正面に左手をかざすと

目の前に魔法陣が現れ俺は

腰を下げてその魔法陣に走り出す。

潜り抜けると俺は仮面ライダーウィザードへと

姿を変えた。

 

 

 

 

「フン!ハァッ!」

 

 

「でやぁっ!」

 

 

先制攻撃を繰り出したウィザードの攻撃を

ヒドラは受け止め交戦し始める。

 

 

 

「及川さん、今のうちに!」

 

「あ、あぁ!」

 

「行けー!晴希君ー!」

 

「負けたら承知しないわよ!」

 

 

その間に絵里は絵を持ってる及川の手を引っ張り

希とにこはそう言いながら別ルートへ

晴希の家へ向かおうとする。

だが、

 

 

 

 

「「ーーーーッ!!」」

 

 

「うわぁっ!?」

 

「きゃあ!グール!?」

 

 

その先には既にグールの群れが待ち構えており

突然現れたためか及川は足がすくみ、

その場に尻餅をついてしまう。

 

 

 

「あ!か、返せっ!?」

 

 

「きゃあ!絵がっ!!」

 

 

「晴希っ!!」

 

 

一体のグールが及川の絵を奪い取り、

取り返そうにも4人は

他のグールに取り押さえられる。

 

 

 

「へっ!上手くいったぜ!」

 

 

「っ!?まさか最初からそのつもりで‥!

‥ぐはっ!?」

 

「もう遅いわっ!」

 

 

ヒドラの作戦にハメられたウィザード達。

ウィザードはドロップキックをされ

吹っ飛ばした隙にヒドラは及川から

取り上げた絵をグールから奪い取る。

 

「っ!!やめっ‥‥!」

 

 

 

「ほらよっとぉ!!」

 

 

 

 

 

 

バキッ!

 

 

 

 

 

木が折れるその音の先には

ヒドラが希望の絵を

へし折っていたのだった。

 

 

「あ‥‥!」

 

「「「っ!!」」」

 

 

 

「へはははっ!これで!完 壁 だぁ!」

 

 

ヒドラは壊すのを止めず、木屑になるまで

バキバキと折っていき、最後はその絵を

足で踏み潰した。

 

 

 

 

「あぁ‥‥!?わ、私の‥‥私の‥っ‥!!」

 

 

及川は心の奥の妻と話しているのが

走馬灯の様に頭に走り、その思い出に

ヒビが入り、及川は絶望した。

 

 

「及川さんっ!!」

 

 

 

「っ!!‥‥‥‥!くっそ!」

 

3年組は四つん這いになる及川に向かって

叫ぶが、グールに抑えられ身動きが取れずにいた。

そしてウィザードは思い切り地面を

手で叩きヒドラへと走り出す。

 

 

 

 

「ヘハハハハ!いいぞ、いいぞぉ!

さぁ、絶望して新たなファントムを生み出‥」

 

 

 

 

 

 

「うぉおおおおおおおっ!!」

 

 

 

 

ヒドラが及川に近づき、高笑いしながら

そう言ってると遠くからこちらに向かってくる

声が聞こえ、ヒドラやウィザード達は振り返る。

 

 

「どぉらぁっっ!!」

 

 

「うぉあっ!?」

 

 

勢いよくジャンプキックをくらわし、

ヒドラが吹き飛ぶ。そして決まったかのように

着地したのは古の魔法使い、攻大だった。

 

 

 

 

 

 

BGM 〜BEASTBITE 攻大version〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へへっ、フン!」

 

 

鼻をこする攻大はすぐに3年生組を

抑えてるグール達を蹴りや拳でぶっ飛ばし

生身の人間だがグールは倒れこむ。

 

 

「こ、攻大君!?」

 

「こうっち!」

 

「‥‥アンタ‥、中々やるじゃない!」

 

抑えられた絵里、希、にこは加勢に来た

攻大を呼ぶなり、すぐに及川の元へ駆け寄る。

 

 

「‥あいつ‥‥!ハァッ!」

 

 

ウィザードも少し嬉しくなり

攻大の横で華麗に参戦し、攻大と共に

グールの群れを蹴散らしていく。

粗方吹き飛び、よろよろとするグールの群れ、

その間にウィザードは攻大と向き合う。

 

 

 

「‥何しに来たんだ?」

 

 

「明日の命より、今日の命‥だったな!」

 

 

「‥‥‥ふっ。」

 

 

敢えて質問したウィザードは攻大の答えに

思わず笑みがこぼれる。

 

 

「とりあえずだ!明日の事は考えないことにした!

今日は今日でちゃんと生きて、ゲートや

μ'sのメンバーを守ることにする!」

 

 

 

《ドライバー オン!》

 

 

一旦区切った攻大はドライバーオンリングを

ベルトにかざすと

ビーストドライバーに形を変える。

 

 

 

「皆まで言わなくていい!明日の事は

‥‥明日決める‥‥‥。」

 

 

 

攻大はそういいながらビーストリングを

左手の中指に付けその腕を振り上げる。

 

 

 

「変〜〜〜身っ!!」

 

 

 

魔法の言葉を言いながら

両腕を大きく回し、勢いよくCの文字を

表すようなポーズで右に身体を傾け

左のリングスロットにビーストリングをはめ込み、

回転させるとリベレイションズドアが展開され

キマイラオーサーが現れる。

 

 

 

 

《SET!Open!!

 

L!・I!・O!・N! ライオーン!!》

 

 

 

 

「ガオッ!!」

 

 

テンションの高い音声が鳴り

掛け声と共に両手を広げると

真正面にビーストの魔法陣が現れ

攻大の身体を通り抜ける。

そして攻大は仮面ライダービーストへと

姿を変えた。

 

変身を終えたビーストはウィザードと共に並び

目の前のヒドラとグールを見る。

 

 

「けっ!グール!」

 

 

ヒドラの合図にグールはよろよろしながらも

立ち上がり、槍をこちらに向けてくる。

 

 

 

 

 

「よぉし!ランチタイムだな!」

 

 

「‥‥ふっ、召し上がれ。 ハァッ!」

 

 

 

 

ビーストの台詞にウィザードはそう言って

2人の魔法使い‥

 

 

否、

 

 

2人の戦士が駆け出した。

 

 

 

 

「ハァッ!」

 

 

「うぉらっ!」

 

 

ウィザードは手の甲や肘を使って

華麗に受け流し、着実とダメージをグールに

与えていき、一方でビーストはグールの槍を

奪い取り、棒術の類で振り回し

グールを一網打尽にしていく。

 

とてもとは言えないが2人が戦う姿を見た

絵里と希は。

 

 

 

「ハラショー‥‥2人共、凄い連携よ‥。」

 

 

「‥‥‥ライオンとドラゴン‥。

面白い組み合わせやね!」

 

 

 

「ちょっと!呑気に見てる場合じゃないわよ!?」

 

 

にこの言葉に絵里と希は振り返ると

及川の顔や身体に亀裂が入り始めていた。

ゲートの侵食が進んでいたのだ。

 

 

 

「っ!晴希っ!!」

 

 

 

 

「っ!まずい‥!!」

 

 

絵里の叫びにウィザーソードガン 剣モードで

斬りつけてたウィザードは急いで

及川の元へ向かおうとする。

 

 

「いかせるかよぉ!」

 

だが、その前方にヒドラが立ちはだかり

ウィザードの行き先を邪魔する。

 

 

 

 

「ふんっ!おっらぁ!」

 

 

その横でビーストはグールの顔面を掴み

思い切り地面へ叩き込んだあと、

リングホルダーから

〝バッファリング〟を取り出した。

 

 

「行っくぜぇ!!」

 

 

 

《バッファ!ゴーッ!

 

バッバ・ババババッファー!》

 

 

 

ビーストはバッファリングを右の

リングスロットにはめ込むと音声が鳴り響き

赤い魔法陣が右肩を通り抜ける。

そしてビーストはバッファマントを

装着し、スタイルチェンジした。

 

 

 

「っしゃあ!いただくぜ!オラッ!」

 

 

ビーストはそう言って右手の平を強く

地面に叩き込むと赤い衝撃が走り、

群がっていたグールの群れは空中へ

浮かび上がり爆散した。

そしてそのグール達から出た魔法陣は

次々とビーストドライバーの中へと入っていく。

 

 

 

「っふう‥‥‥よし。」

 

 

食べ終えたビーストはバッファリングを外して

及川の元へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

「っぐはっ!!」

 

 

「はっはぁ!そんなんじゃ俺に勝てねえぞぉ!」

 

 

一方ゲートの侵食が進んでいくのを見て

焦るウィザードは思うように戦う事が出来ず

ヒドラに苦戦を強いられていた。

 

 

 

「うっ‥‥‥!?」

 

 

「‥‥どうしよう!このままじゃ‥‥!」

 

その交戦の後ろで及川の侵食が予想外にも早い。

そのためもう身体中に亀裂が走り

今にもファントムが生まれそうになっていた。

 

 

 

「安心しろ!俺が助ける。」

 

そこへグールを片付けたビーストが来て

及川の姿を確認して、ウィザードの方へ振り返る。

 

 

「だから、そいつはお前に任せる!」

 

 

「え?」

 

 

 

 

「こうなったのも、あの時このファントムを

倒さなかった‥‥俺の責任でもあるからな。

いいな、操真晴希?」

 

 

「‥‥‥‥あぁ、そうだな。

じゃあそっちは任せるぞ、二藤攻大!」

 

 

 

 

互いに名前を呼び合い、互いのするべきことに

振り返るウィザードとビースト。

その光景を見て絵里達はこんな状況でも

微笑ましい限りだった。

 

 

 

 

「こうっち‥‥。」

 

 

「希ちゃん達も悪かったな‥‥

もう目が覚めた、俺は‥」

 

 

「ゲートや私達を守る為に戦う、でしょ?」

 

ビーストの言いかけた言葉を先に

にこが言ってビーストは少し笑う。

 

 

「‥あぁ、そうだぜ。

‥‥‥さ、及川のおっさん。今助けてやるっ。」

 

 

ビーストは絶望する及川にエンゲージリングを

付けてビーストドライバーの右のリングスロットに

はめ込んだ。

 

 

 

《エンゲージ・ゴーッ》

 

 

ウィザードライバーとは異なった音声と

鐘の音が鳴り響き、及川の頭上に

魔法陣が現れる。

 

 

「うし、行ってくる!」

 

 

ビーストは気合いを入れて魔法陣に飛び込み

及川のアンダーワールドへと入っていった。

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

「んよっと!‥‥ほぉ〜、ここがあの

おっさんの心の中か〜。」

 

 

及川のアンダーワールドに入った

ビーストは初めて人の心の中に入ったので

辺りをぐるぐると見渡す。

周りは白黒、風や音を感じるが

現実の世界とは全く違う感覚だった。

それがアンダーワールド。

 

そして一軒の家の中を覗くと

及川が絵を描き、その側で布団から

起き上がっている女性の姿を確認した。

どうやらあれが奥さんなのだろう。

 

 

 

「‥‥ん?」

 

その微笑ましい光景を見ていたビーストは

その奥に小さな亀裂が入ってるのを確認する。

そしてその亀裂が大きくなり

そこから長い体に無数の羽がついた

巨大ファントム〝バンダースナッチ〟が現れ

辺り一面を攻撃しだす。

 

 

「うぉおおっ!?え、でかっ!!

これってたらふく食べれるんじゃないか!?」

 

 

ビーストは驚き、そして巨大なご馳走に

気が高まり、空を舞うバンダースナッチを

追いかけていく。

 

 

 

「うおぉおおっ!やってやるぞぉっ!!」

 

 

 

雄叫びを上げたビーストは

ドライバーからダイスサーベルを取り出し

バンダースナッチへと駆け出していく。

 

 

「おらっ!とぉっ!!‥‥って硬なこいつ!」

 

 

ビーストに気付き突進してくるバンダースナッチを

ダイスサーベルで斬りつけるが

全く刃が通らず、まるで鉄を斬ってるような音が

その世界に迸る。

 

 

「あっ!?ぐぁあっ!」

 

攻撃していたビーストの周りをバンダースナッチは

飛び交い、その羽を使ってビーストを斬りつける。

 

 

 

「くぅ〜‥‥!スゲェ大ピンチだぜ!‥ん?」

 

 

転げ回るビーストはそう言いながら

ダイスサーベルを構えるとリングホルダーから

一つの指輪が光り出し、それを取り出す。それは、

5匹の動物に5つの色でカラフルに彩られた

魔法リング〝キマイライズリング〟だった。

 

 

 

「おぉ‥‥使えってことか‥!よし!行くぜ!」

 

 

 

ビーストはキマイライズリングを右手の中指に

付け、一度振り上げて

右のリングスロットにはめ込んだ。

 

 

 

《キマイライズ・ゴーッ!》

 

 

音声が鳴り響くとビーストの左肩に

大きめの魔法陣が現れる。

そしてそこからビーストドライバーの主、

並びに攻大の魔力の源、

〝ビーストキマイラ〟が咆哮を上げて

飛び出してきた。

 

 

「う、うぉおおおおっ!キマイラが出てきた!!

て、敵はあっちだかんな!俺を食うなよ!?」

 

 

ビーストはビビりながらそう言うと

キマイラはこちらを睨むなり

分かっておるというような顔をして

前方のバンダースナッチを見る。

 

 

 

「ーーーーッッ!!」

 

 

そして再度咆哮を上げるとキマイラは

飛び出し、バンダースナッチへ

猫パンチの要領で攻撃しだす。

効いているのかバンダースナッチは

苦痛の鳴き声を上げて逃げようとするが

キマイラはその長い胴体に噛みつき

ブンブンと振り回し、建物へとぶつけた。

 

 

「うおぉおっ!!?やるじゃんキマイラ!」

 

 

建物の破片がビーストの頭上に降ってきて

それを避けながらビーストはキマイラを褒めると

キマイラはビーストを見て自身の背中に向けて

顎をくいっと動かす。

 

 

「え、‥‥乗れってことか?‥よぉし、

んじゃ行くぜキマイラ!」

 

 

ビーストの言葉にキマイラは頷き

ビーストは勢いよくキマイラに跨る。

乗ったことを確認したキマイラは咆哮を上げ

空中へ逃げるバンダースナッチを追いかけて

飛び立った。

 

それを確認したバンダースナッチは建物に

隠れると素早い動きでキマイラの真下から

建物を突き破って突進攻撃をする。

 

 

「うぉおおお!落ちるっ!?んー!

なんのこれしきーーーっ!!」

 

不意の攻撃に体制を崩すビーストだが

何とか持ちこたえキマイラの突進と

噛みつき攻撃でバンダースナッチの体を

2つに分離する。

 

 

 

「っしゃあ!渾身の一撃っ!!」

 

ビーストはそう言いながらダイスサーベルを

振りかざすとさらに無数の個体に分離して

それぞれがキマイラとビーストに襲いかかる。

 

 

 

「行くぜぇ〜〜!はぁっ!!」

 

 

無数に別れたバンダースナッチに

キマイラは体についている隼、イルカ、

バッファロー、カメレオンの口、

そしてキマイラの口から五色の光線が放たれ

バンダースナッチを一掃し、爆散した。

 

 

 

「おしっ!残るはアレだけだな!

キマイラ!後は俺がやってやるよ!」

 

 

ビーストがそう言うとキマイラは頷き

バンダースナッチから出た魔法陣をバクバクと

食べ始めた。

そして残ったバンダースナッチがこちらに

向けて飛んでくるとビーストはキマイラの

背中を踏み台にして勢いよく空中へ飛び出す。

 

 

その時にビーストはビーストリングを左の

リングスロットに再度はめ込んだ。

 

 

 

《キーックストライークッ!!ゴーッ!》

 

 

「さぁ、メインディッシュだっ!」

 

 

ドライバーから音声が鳴り響き

ビーストの右足にエネルギーが溜まっていき

ビーストは体を丸めて高速回転しながら

バンダースナッチとの距離を縮めていく。

 

 

 

 

 

「うぉおおらぁああああっ!!!」

 

 

 

そしてある程度の距離でビーストは

体を広げて蹴りのポーズを取り

右足にキマイラの顔が浮かび上がり

それをバンダースナッチへと

食らいつくように叩き込み、

バンダースナッチは爆散した。

 

 

 

「うぉっとと!‥‥よっしゃ!ごっちゃん!」

 

 

近くのマンションに着地したビーストは

キマイラが魔力を食べてるのを見て

手を合わせてそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

ビーストがアンダーワールドに

入り込んだ間の現実世界にて。

 

 

 

 

「はぁっ!!」

 

 

「うぉっっ!?」

 

 

及川や絵里達と離れ茂みの奥で

戦闘を続けているウィザードとヒドラ。

ウィザードはウィザーソードガンでヒドラを

斬りつけ距離を置くとランドリングを取り付け

シフトレバーを動かしてソレをかざした。

 

 

 

《ランド!・プリーズ

 

ドッドッ ドドドン・ドン ドッドッドン!!》

 

 

音声が鳴り響くと周りから無数の岩が

浮かび上がり大地でできた魔法陣が

ウィザードの身体を上へと通り抜ける。

そしてウィザードはフレイムスタイルから

ランドスタイルへと姿を変え、

すぐに魔法リング、ドリルリングを取り出して

シフトレバーを動かし、ソレをかざした。

 

 

 

《ドリル・プリーズ》

 

 

 

音声が鳴るとウィザードの身体は高速回転し

ドリルのような形で勢いよくヒドラに攻撃する。

 

 

 

「っ!うぉああっ!!んん、何の!!」

 

 

 

「っ、ぐはぁ!!」

 

 

回転して突っ込んだウィザードに

ヒドラはくらうがすぐに槍で回転を止めて

ウィザードを斬りつけた。

 

 

「ごはっ!?いってぇ‥‥!!

‥なら、新作いってみますか!」

 

 

頭を抑えながらウィザードは

真姫達から託された

〝ランドドラゴンリング〟を付けて

シフトレバーを上下に動かし、

ソレをかざした。

 

 

 

 

 

《ランド!・ドラゴン

 

ダン・デン・ドン・ズ・ド・ゴーン!

ダン・デン・ド・ゴーン!! 》

 

 

 

 

荒々しく、こぎみよい音声がなると

ウィザードの真正面に大地の

魔法陣が現れ、ウィザードを通り抜ける。

無数の岩がウィザードの周りを回転し、

それと同時に岩を纏ったドラゴンが

ウィザードの周りを咆哮を上げながら

飛び交いウィザードの中へ入り込む。

そしてウィザードは大地のドラゴンの翼を広げ、

ランドスタイルから

〝ランドドラゴンスタイル〟へと

姿を変えた。

 

 

 

 

 

 

 

BGM Strength of the earth

〜晴希version〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!また雷みたいなの出す気か!?」

 

 

「‥‥‥‥ふん!」

 

 

ヒドラが警戒してるとウィザードは

軽く足踏みをしてその一面は揺れて

足の周りの地面がへこむ。

ランドスタイルよりパワーが上がってる、

さすがドラゴンの力だな‥‥。

 

 

「さぁ、力比べといこうか?」

 

 

 

「っ、ほざくな!!」

 

 

煽るウィザードにヒドラはキレて

槍を振り回して走り出し、ウィザードを

斬りつけようと振りかざす。

 

 

「っ‥‥‥!?な、何で避けねぇ!?」

 

 

「ふん、効かないからさ!どらぁっ!」

 

 

「ぐぉあっっ!!?」

 

 

肩に直撃した槍にウィザードは全く動じず

平手打ちでヒドラを吹き飛ばす。

 

 

 

「ふふ、こいつは凄い力だな。」

 

 

「ぐっ!俺は実験台なんかじゃねぇぞぉ!」

 

 

力に自惚れするウィザードに対して

吹き飛んだヒドラは怒り触手を出して

こちらに突き刺そうと伸ばしてくる。

 

 

「おっと!よいしょ!!」

 

 

ウィザードは触手を避けて2本の触手を

両手で掴む。

 

 

 

「ぐっ、離せっ!!」

 

 

「さすがにコレは痛そうだから避けるわ。

‥‥‥離せって言って離す奴がいるか!」

 

 

 

「うぉおおおっ!!!?」

 

 

 

ウィザードはそのまま触手を持ち上げ

ヒドラごと振り回す。その勢いは

軽く風が巻き起こり周りの木々がギシギシと

揺れるほどの衝撃だった。

 

 

 

「せいぃっ!!」

 

 

 

「ぐぉおああっ!!」

 

 

ウィザードはそのまま勢いよく地面に叩きつけ、

ヒドラは上半身が地面に埋まった

状態となってしまった。

 

 

 

「ふぅ、実験が嫌ならすぐに終わらせてやるよ。

あ、でも も少し付き合ってもらうぜ。」

 

 

ウィザードはそう言ってランドドラゴンリングと

セットであろう、魔法リング

〝グラビティリング〟を取り付け

シフトレバーを動かしてかざした。

 

 

 

 

《チョーイイネ!

 

グラビティ!

 

サイコーッ!!》

 

 

 

音声が鳴り響き、ウィザードは

埋まってるヒドラに向けて右手を上げると

ヒドラの真上に魔法陣が現れる。

 

 

「‥‥‥!!‥〜〜〜っ!!?」

 

 

すると埋まっていたヒドラの身体が

ますます地面に埋まっていき

もう見えなくなるぐらいまで沈んだ。

 

 

「ほほー、重力を操れるのか‥スッゲェなこれ。

よっと!」

 

 

「うぉあ!!な、なんだよこれ!?」

 

 

ウィザードは感心しながら右手を上へ上げると

埋まっていたヒドラも上がり空中を

ふわふわと浮かんでいた。

 

 

「もう一度、ドーン!」

 

 

「うごぁっ!!お、重い‥‥!」

 

 

ウィザードは右手を振り下ろすと

ヒドラも地面に打ち付けられ

大の字になって地面へ埋まっていく。

 

 

 

「っし、フィナーレだ!」

 

 

ウィザードはそう言って

スペシャルリングを取り付け

シフトレバーを動かし、ソレをかざした。

 

 

 

《チョーイイネ!

 

スペシャル!

 

サイコーッ!!》

 

 

 

 

音声が流れるとウィザードの背中に

魔法陣が現れウィザードは構える。

すると魔法陣から大地を纏った

ドラゴンがウィザードの周りを飛び交い

ウィザードの両腕に岩の塊がくっつく。

そして咆哮を上げて両腕の岩が弾けると

巨大な爪、〝ドラゴヘルクロー〟が装着される。

 

 

「ま、待て!俺が悪かった!!

だから見逃してくれ!」

 

 

 

「‥‥絶望させたお前の罪は重い‥‥。

はぁっ!!!」

 

 

 

起き上がろうとするヒドラは命乞いをするが

ウィザードは静かに言ってドラゴヘルクローをXの描くように振り上げる。

 

 

 

 

「ぐ!!ぐぁあああああっ!!」

 

 

 

そこから斬撃が飛び、ヒドラの身体を

貫くとヒドラはダメージに耐え切れず爆散した。

ランドドラゴンの必殺、〝ドラゴンリッパー〟

‥‥‥ってとこかな。

 

 

 

 

 

 

「‥ふぃ〜。あっちは片付いたかな‥。」

 

 

 

ウィザードは変身を解き、

及川達がいる方向を見て軽く走り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

「‥‥あ、見て!及川さんの亀裂が‥。」

 

 

 

2人の魔法使いの戦闘がほぼ同時に終わった頃、

及川の亀裂が消えていくのを絵里は確認すると

その頭上に魔法陣が現れる。

 

 

「よっとぉっ!!」

 

そしてそこからビーストが勢いよく

飛び出して絵里達や及川を見る。

 

 

「っ、こうっち!」

 

「ファントムは倒したの?」

 

 

「ふー、バッチシ!

それにたらふく食えたしな!」

 

 

希とにこの言葉にビーストは満足そうに答え

変身を解きながら近寄る。

 

 

 

「攻大っ!及川さんはっ?」

 

 

そこへ戦闘を終えた晴希が駆け付け

及川の容態を確認する。

 

 

「当たり前だろ、晴希は?」

 

 

「‥あぁ、こっちもやっつけた。」

 

 

互いのやるべき事をやった2人は

そう言っていると及川からうめき声が聞こえる。

 

 

「あ、及川さん!大丈夫ですか?」

 

 

「う‥‥?‥‥‥あぁ!!」

 

 

絵里が呼びかけると及川はゆっくりと目を開け

辺りを見回す。そしてヒドラに壊された

希望の絵を見つけて即座に駆け寄った。

 

 

「あぁ‥‥!?わ、私の希望が‥‥‥うぅっ‥」

 

 

粉々になった絵を必死に戻そうとする

及川を見て絵里達は申し訳ない気持ちになる。

 

 

「‥‥‥及川さん、大丈夫です。

まだ、貴方には希望が残ってますよ。」

 

 

「‥‥晴希?」

 

 

俺の言葉ににこは反応して、俺は

ゆっくりと近寄り、及川に

1枚の手紙を差し出した。

 

 

「これ、奥さんからの手紙。

絵の裏に隠してあったものです。」

 

 

「‥‥妻から‥‥‥‥?」

 

 

及川は手紙を受け取るとさっそく中を見た。

それは紛れもなく及川の奥さんの字だった。

 

 

 

 

 

貴方へ。

貴方がこれを読む頃には、

私は側にいないでしょうね。

でも悲しまないでください。私の事を

振り返るより、新しい絵をいっぱい描いて

私達の家が、貴方の絵で埋まるくらい。

それが私の希望です。

 

有紀子

 

 

 

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

手紙を読んだ及川の顔には、既に悲しげな表情は

なくなり、心に引っかかっていた物が

とれたかのように空を見上げていた。

 

 

「きっと、奥さんは今も‥

貴方の絵を楽しみにしてると思うんです。

その希望を叶える事が、貴方にとっても

希望じゃないでしょうか?」

 

 

俺は及川の横に座り、そう言ってあげると

及川は俺の顔を見てゆっくりと笑顔を見せた。

 

 

「あぁ、‥‥そうだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「‥アンタ、なんで泣いてんのよ?」

 

「グス‥こ、こうゆうのに弱くて‥‥

うぅ、いい奥さんだぜ‥‥‥!

む、胸借りていい‥‥?」

 

 

「は、はぁ!?何よ急に‥‥

す、好きにすれば‥‥?」

 

 

にこの隣で攻大がハンカチ持って

泣いているのでにこがそう言うと‥

 

 

「え、あ、ごめん。

俺希ちゃんに言ったつもりなんだけど」

 

 

「ぶっ飛ばすわよアンタ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

音ノ木坂学院昼休み、屋上にて。

 

 

 

「よっと!ん?何だよ先客いたのか。」

 

 

「お前‥‥学校内で堂々と変身するなよ‥。」

 

 

及川の件が終わり、俺たちは急いで

学校に行ったがまぁ怒られた怒られた。

俺は特に穂乃果やことり、海未にな。

そして昼休み、屋上で1人プレーンシュガーを

食べていると柵の下からビーストが

ファルコマントを付けて飛んできたのだ。

俺は注意するが人のことが言えないので

軽く注意した。

 

 

「‥‥まぁ今日はありがとな。

駆けつけてくれて、おかげで助かった。」

 

 

「あ?別に、俺は責任を取っただけだ。」

 

 

「そっか‥‥、あ。」

 

変身を解いた攻大の言葉に

微笑む俺はふと思いつく。

 

 

「そうだ、お前の中のファントム。

俺がエンゲージを使って倒したら

お前解放されるんじゃないか?」

 

「‥え?」

 

 

エンゲージリングは人のアンダーワールドに

入ってその人の希望や夢を見れると同時に

そこに住まうファントムを倒すこともできる。

だったらエンゲージを使って攻大の中にいる

ファントムを倒せば、攻大は呪いから

解放されるはず。

 

 

「とりあえずやってみるか、

ほら手ぇだしてみ?」

 

 

「え、‥‥あ、あぁ。」

 

 

俺はエンゲージリングを取り出して

攻大は戸惑いながら右手の

ドライバーオンリングを外して

右手を差し出す。

そして俺がはめようとしたその時。

 

 

「あー断る!」

 

 

「え?」

 

 

その瞬間攻大は手を振り払って

こう喋ってきた。

 

 

「俺の中のキマイラは強いからな!

返り討ちにされちゃー後味が悪すぎる。

それと!」

 

攻大はそう言って俺に指をさしてくる。

 

 

「俺は男に指輪を付けてもらう趣味はねぇ!」

 

 

「ちょ!?はぁ!?何でそうなるんだよ!

俺だってお前みたいなマヨネーズにつける

趣味なんてひとつもない!」

 

「誰がマヨネーズだ!?

お前今付けようとしただろ!?」

 

「それはファントムを追い出す為だ!

あーもうやめた、お前なんかに付けたら

俺の指輪が腐ってしまうからな。」

 

 

「んだと!?テメェやるかコノヤロ!!」

 

「あー上等だ、何時ぞやの借り、

ここで返させてもらうぞ!」

 

 

 

互いがドライバーオンリングをベルトに

かざそうとすると屋上のドアが開かれ

高坂穂乃果、南ことり、園田海未が

顔を出した。

 

 

「あ!晴希君ここにいた‥‥

‥ってまた喧嘩してる!?」

 

「ふ、2人とも!喧嘩はダメだよ!?」

 

 

 

「「だってこいつが!‥あ、なんでもないです。」」

 

 

穂乃果、ことりに言われ互いを指差すと

ことりと穂乃果の背後の海未の笑顔を見て

一瞬で大人しくなる2人。

うん、やっぱりイライラするわこのマヨネーズ。

 

 

 

そのあと、海未に説教されてお昼休み

まるまる潰れたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、仮面ライダーウィザード

 

 

 

「おい、さっさと逃げろ。

楽しみの邪魔になる。」

 

「お、お前は‥‥?」

 

メデューサに襲われる人間に

駆けつけたのは、紫の魔法使い!

 

 

 

「お願いです!私の彼氏を‥さとっちを

一緒に探してください!」

 

「よぉし!じゃあ探すよー!」

 

突然俺たちの前に現れた女性。

あら、穂乃果さんスイッチ入った?

 

 

 

「あなたにチャンスをやるわ。」

 

「‥‥はっ、いいぜ‥‥‥。」

 

メデューサとフェニックスに囲まれた

ファントム、その理由は‥?

 

 

 

「っけ!だからテメェは

弱くておめでたいんだ!

さっさと殺せばよかったのによ!」

 

「‥‥悪い、ここは俺に任せてくれ。

もう悪夢なんて見させない。」

 

 

《ウォーター!・ドラゴン》

 

ダークウィザードに言われ

ウィザードは新たな姿に!

 

 

 

 

第24話 狙われたファントム

 




よぉし!新入生も入って
面倒な高校生活が始まったしょーくんです!(^^)
い、今は先生がいないので
残り200文字くらいを学校で終わらしてきたでござる!


そして次回!
の前に!なんとますたーつりーさんとの
コラボ回をします!(^^)
今日の3時頃に全編出そうかなと思ってます!

あ、先生きた!

評価、感想などがあれば是非お願いします!(^^)

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