ラブウィザード! 〜希望の柱〜   作:しょくんだよ

23 / 54
そういえばサンシャインがもうすぐ
始まりますね、
μ'sがいないラブライブなんて見ても
しょうがないと思ってる自分ですが
どうせハマるだろう‥。


さて、新しく評価してくれた
三毛猫クロノスケさん!
ミュージックフォーエバーさん!
更級牙依さん!
どうもありがとうございます!(*^^*)
これからも頑張りますので
是非見ていってください!


第22話 魔力が食事

午前6時頃、

神田明神にて。

 

 

「ん〜‥!‥‥‥あ、おはよう希さん。」

 

「おぉ、おはよう拓人君、今日は早いんやね。」

 

 

平日の明朝、神田明神で

巫女服を着た東條希が箒で掃き掃除をしてると

階段から背伸びをしながら希に近寄る

天空寺拓人。

 

「今日は早く起きちゃって‥

哉太と澁谷はまだですか?」

 

 

「まだやで〜。」

 

「そうですか‥、じゃ、じゃあ僕は

服着替えてきますね。」

 

拓人はそう言って神田明神へ行こうとする。

修行中の拓人、哉太、澁谷の3人は

ここの住職、そしてちょっと変わった

御成という人の下で修行に励んでいる。

たまに操真晴希も加わるが彼はほとんど

μ'sメンバーの練習に付き合っている。

とは言ってもあのメンバー達も朝練がある時は

神田明神を使っているので一応は

拓人達と顔見知りである。

 

一方で希は母性本能なのか3人を見てると

ほっとけないと明朝と休日はいつも顔を出している。

 

 

 

 

「拓人殿〜!おはようでござる〜!」

 

「あ、御成。おはようっ。」

 

神社の中から顔を出したのは

先ほども説明した住職の御成だった。

お坊さんの癖にテンションが高い変わった人だ。

 

 

「ふふ、朝から元気やね御成さん。」

 

「それが拙僧の流儀でござるからっ!」

 

 

「流儀って‥‥‥‥‥ん?」

 

 

ドヤ顔で言う御成に苦笑していると

何やら肉を焼いた匂いが漂い、

拓人はそれに気付く。

 

 

「なんか、匂うね‥?」

 

 

「確かに‥‥ええ匂いや〜。」

 

「むむ‥くんかくんか‥‥‥!

あっちの方からですぞぉ!」

 

 

御成が指差す方向は神社の隅で

ちょうど神社の壁で隠れてて見えないが

うっすらと煙があがってるのが見える。

 

 

 

 

「なんやろ‥いってみよか。」

 

「か、火事なのかな?」

 

 

「火事ですと!?この神社が燃えたら

先代に叱られ‥‥はっ!?もしや切腹!?

ぎゃぁあ〜!!」

 

 

「はいはい。」

 

 

勝手に盛り上がる御成に軽く受け流して

希と拓人は先に煙があがる場所へ行く。

するとそこには、

 

 

 

 

 

 

「いっただっきあーす!

‥‥‥ん〜!うんめぇえ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「え‥?だ、誰ですか‥‥‥?」

 

 

「っ!こうっち!?」

 

 

そこにいたのは器用に石を並べて

焚き火をし、肉や野菜を置いて

マヨネーズをかけて食べている

二藤攻大がいた。

 

 

「ん?おおぉ!希ちゃん!っと誰?」

 

 

攻大は希と拓人の存在に気付いて

その場から立ち上がる。

 

 

「え、えと‥天空寺拓人‥です。」

 

 

「てか、こうっち‥これなんなん?」

 

 

 

人見知りの拓人は小さな声で自己紹介をすると

希は攻大の周りの物を見て聞いていた。

二藤と看板をかけてある大きめのテント。

木を使ってぶらさげてる洗濯物。

 

 

 

「え?なんなんって、俺ん家だぞ?」

 

 

 

「希殿〜!拓人殿〜!

ってぉわぁ!!?誰ですか!?」

 

 

「うわぁ!ハゲ!?」

 

 

「は、ハゲ!?」

 

 

後からきた御成は攻大を見て驚くと

攻大の言葉に御成は白黒になって

チーンという音声と共に固まった。

 

 

 

「ちょっ!?こうっち

いつからここに住んどるん!?」

 

「え?今朝から!と言っても4時ぐらいだけどな!」

 

希の質問に攻大は答えると手に持った

マヨネーズを焼肉にぶっかけて口へ運んでいる。

因みにマヨネーズには〝俺ん家!〟と書かれている。

 

 

「え、えと‥‥家とかは‥どうしたんです‥か?」

 

 

「え?だからこれが俺ん家なの。」

 

「いやいや、こっちじゃなくて‥」

 

 

「あー!あー!分かった

皆まで言わなくていい!つまり2人は

一緒に俺と食事をしたいんだな?」

 

 

「「え‥‥?」」

 

 

希と拓人は聞くにも全く別の返答が返ってきて

2人は思わず口を開けてしまう。

 

 

 

「朝から焼肉なんて贅沢だって思ってんだろ!?

あーごめんな!ほらっ、これやるから

機嫌なおせよ!」

 

攻大はそう言ってマヨネーズをドバッと載せて

希と拓人に差し出してくる。

 

 

「い、いや‥マヨネーズはちょっと‥‥‥

希さん、ど、どうしよう‥?」

 

 

遠慮しながら希に耳打ちをする拓人。

希もさすがに困ってるのかう〜んと

唸っていた。

 

 

「よし、ウチも食べてええかな?」

 

 

 

「の、希さんっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

音ノ木坂学院の昼休み、生徒会室にて。

 

 

 

 

 

 

 

「‥‥‥てな事があったんよ。」

 

 

 

「‥‥あいつ今神田明神に

住んでるんですか‥?」

 

 

「そうなんよ、当分は神田明神に

テントを張るみたいやし、うちは別にいいけど。」

 

突然生徒会室に呼ばれて

希の今朝の出来事を俺、晴希は聞いていた。

あのマヨネーズは旅好きで家は

あるにはあるらしいがほとんど野宿らしい。

 

「‥で、今日あいつは来てないんですか?」

 

 

「そうなのよ、用事があるとかで今日は欠席なの。」

 

 

「フン、早速サボりね。」

 

 

俺が聞くと生徒会長の絢瀬絵里は答え

矢澤にこは嫌味を言うかの様に呟く。

 

 

「サボりは違うんやないかな?

こうっち、学校に来るの

楽しみにしてるはずやし。」

 

「そうね、いつも元気にはしゃいでるものね。」

 

希の言葉に絵里は同意する。

彼女らの言う通り、攻大は学校に来たら

テンションが上がっている。

‥まぁ女子校ってのもあるかもしれないけど、

俺からしたら学校が面倒くさいとか

そうゆうので休むのは多分違うと思う。

 

「ひょっとして‥‥

今分かってる事なんすけど、」

 

1つ気になってることがあり、俺は喋る。

 

 

「何?あいつがマヨネーズ好きってのは

知ってるわよ?」

 

 

「違う違う、あいつ。この前の戦闘で

魔力を食べてただろ?」

 

 

にこの言葉に俺は首を振り

気になってる事を言った。

 

 

「魔力を食べる‥‥?」

 

「あーえりちは知らないんやったな。

こうっちが魔法使いでファントムを倒した時

なんか魔法陣みたいなのが腰のベルトに

吸い込まれていったようなものが見えたんよ。」

 

あの時いなかった絵里に希はなんとか説明する。

 

 

「今日こそ聞き出そうと思えば

来ていないしな。」

 

 

「ファントムを探してるんやない?

‥‥‥‥‥あ、ガルちゃん。」

 

 

 

希がそう言うと窓から使い魔の

レッドガルーダが生徒会室を

鳴きながら飛び交っていた。

 

 

 

「あー、希さんの予想もしかしたら当たりかも。

すいません、この後の授業サボります!」

 

 

 

「まさかファントムっ?」

 

 

にこの言葉に俺は頷いて生徒会室を急いで

出て行った。

 

 

 

「晴希君気をつけてなー!

‥ん、どうしたんえりち?」

 

 

「一応私、生徒会長なんだけど‥

止めなくてよかったのかしら‥‥?」

 

 

絵里は苦笑しながら晴希が出て行った

ドアを見る。堂々と生徒会長の前で

サボるって言う人はそうそういないはず。

 

 

 

「えりち、何も見なかった事にするんやで?」

 

 

「他人の命の方が優先なのは絵里も

知ってるでしょ?あいつの立場だったら

絵里はどうするのよ?」

 

 

にこの問いに絵里は少し考えるがすぐに答えた。

 

 

 

「‥‥サボるかもね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

とある池公園にて。

 

 

 

ぐぅ〜‥‥‥

 

 

「はぁ‥‥マジでヤバイ。

この前大量に食べたのにもうこれかよ‥‥

お前食い意地張りすぎだっつーの。」

 

 

ベンチに座る攻大はぶつぶつ言いながら

腰のベルトを見ていた。

 

 

「さっさとファントム見つけて

こいつの機嫌とらないと‥‥。」

 

攻大はベンチから立ち上がり

行動を開始しようとした瞬間。

 

 

 

 

 

「ぐぉあああっ!!!」

 

 

 

 

「うぉお!?なに!?え、ファントム!?」

 

 

突然目の前に左肩には蛇のような形、

身体はイソギンチャクのような触手で覆われてる

ファントム〝ヒドラ〟がどこからか降ってきた。

周りの住民はソレを見て悲鳴をあげるなり

散り散りに逃げ出す。

 

 

「くっそぉ!何なんだよあいつ!?」

 

 

「うぉおっ!ピンチはチャンス!!

今日の食事みーっけ!」

 

 

「うわ!何だおめぇ!?

今おめぇに構ってる暇ねぇんだよ!」

 

 

 

ご機嫌そうに攻大はヒドラの腕を掴むが

ヒドラは振り払い逃げようとする。

 

 

 

「ちょっ、待て待て待て逃がすかy」

 

 

 

「逃がすかよバケモン。」

 

 

「え?」

 

 

攻大がヒドラを止めようとすると

背後から声が聞こえ振り返る。

 

 

 

「あ!?おまっ!

紫の魔法使いだな!?」

 

 

「あ?あー、変な魔法使いか。」

 

 

「誰が変だ!ビーストって名前がちゃんとあるぞ!」

 

 

そこに立ってたのは藍崎秀夜が変身する、

紫の魔法使い、ダークウィザードだった。

 

「知るか、てかどけ。」

 

 

「おぉっと!残念だが横取りさせてもらうぜ!

こっちは命かかってんだからな!」

 

 

「はぁ?何言ってやがる、ぶっ飛ばすぞ?」

 

 

 

ダークウィザードはウィザーソードガンの

剣モードを構えて攻大を睨む。

 

 

「?‥‥チャンスだ、今のうち‥‥にぃ!?」

 

 

ダークウィザードと攻大が揉めてる間に

ヒドラは逃げようとするとヒドラの身体に

火花が走りヒドラはそのまま吹き飛ぶ。

 

 

 

「!?このパターンは‥‥!」

 

「‥‥ちっ、何でテメェまでいんだよ。

テメェら学校サボりか?」

 

 

 

攻大とダークウィザードが見る先には

ウィザーソードガンを銃モードで構えた

晴希が立っていた。

 

 

「カァー!!何でお前ここにいんだよ!」

 

 

「それはこっちの台詞だマヨネーズ。

学校サボってファントム探しか?

‥それと、お前もサボりじゃないのか?」

 

本当に余計な奴が増えたと嫌そうな顔をする

攻大と面倒そうに見るダークウィザードに

俺はウィザーソードガンを指代わりに

2人に突きつけて聞いてみた。

 

 

「だーかーら!俺は攻大だっつってんだろ!

呑気にしてるおめぇらと違うの!」

 

 

「ちっ、うるせぇなぁ。テメェら帰りやがれ。

アレは俺の獲物だからよ。」

 

 

 

ダークウィザードはそう言って

ヒドラに向かって走り出す。

 

 

 

「あー!おまっ!抜け駆けすんなよ!」

 

 

攻大が叫んでる間に俺は予め出しておいた

ウィザードライバーの

シフトレバーを上下に動かした。

 

 

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!》

 

 

「変身。」

 

 

俺はフレイムリングのバイザーを

ウィザーソードガンを持つ右手で下げて

軽く横へ振りドライバーへとかざした。

 

 

 

《フレイム!・プリーズ

 

ヒーヒー・ヒーヒーヒー!!》

 

 

 

 

音声が鳴り響き、俺は真正面に左手をかざすと

目の前に魔法陣が現れその魔法陣に走り出す。

潜り抜けると俺は仮面ライダーウィザードへと

姿を変えた。

 

 

 

「ふっ。」

 

 

「あぁ!!どさくさに紛れて!!」

 

 

 

《ドライバー オン!》

 

 

攻大のドライバーオンリングを

ベルトにかざすと

ビーストドライバーに形を変える。

そのまま攻大は左手の中指に

ビーストリングを付けると左手を掲げる。

 

 

 

「変〜〜〜身!!」

 

 

 

魔法の言葉を言いながら

両腕を大きく回し、勢いよくCの文字を

表すようなポーズで右に身体を傾け

左のリングスロットにビーストリングをはめ込み、

回転させるとリベレイションズドアが展開され

キマイラオーサーが現れる。

 

 

 

《SET!Open!!

 

L!・I!・O!・N! ライオーン!!》

 

 

「ふんっ!!」

 

 

 

テンションの高い音声が鳴り

掛け声と共に両手を広げると

真正面に俺達とは異なった魔法陣が現れ

攻大の身体を通り抜ける。

そして攻大は仮面ライダービーストへと

姿を変えた。

 

 

 

 

 

 

「っ!魔法使いが3人だと!?」

 

 

「おおっと!?やるじゃねぇの!!」

 

 

 

先に交戦してたダークウィザードは

ヒドラの蹴りにウィザードとビーストが

いるところに吹き飛ばされる。

そこで魔法使いが3人揃い、ヒドラは戸惑う。

 

 

 

「へへっ!行くz」

 

「さぁ、ショータイムだ。」

 

構えるビーストの肩を叩いて

ウィザードは決め台詞を言って走り出す。

 

 

「え、えとじゃあ俺は〜

‥ランチタイムだ!」

 

 

ビーストも真似てダイスサーベルを取り出して

ウィザードの後を続いて走る。

 

 

「‥‥はっ、

なら、ディストラクションタイムだな。」

 

ちょっと乗り気なダークウィザードも

自分の決め台詞を考えて言い、

3人の魔法使いはヒドラへ駆け出す、が。

 

 

 

 

「邪魔だテメェら!」

 

 

「うおっ!?」

 

「うわっ!」

 

 

ダークウィザードはビーストとウィザードを

背後から蹴って転ばせ、ダークウィザードだけ

ヒドラに突っ込んでいく。

 

 

「おおい!何だよいてぇなぁ!」

 

 

「あークソ!どけマヨネーズ!」

 

「ぐわっ!?」

 

飛ばされたウィザードは前に転んでる

ビーストをどかせてダークウィザードと

ヒドラへと走り出す。

 

 

「ハァッ!」

 

「フッ!」

 

「ぐおっ!?」

 

 

ダークウィザードは剣モードで斬りつけ

ウィザードは距離を置いてコントラクトリガーを

引いて魔力で作られた弾丸をヒドラに浴びせる。

 

 

「がぁ!?テメェらまた食事の邪魔すんのかよ!?」

 

 

ビーストも立ち上がりダイスサーベルを持って

ヒドラへ向かって跳躍する。

 

 

「ガオォッ!!」

 

 

「ぐおっ!!」

 

 

獣の様な掛け声と共に

ダイスサーベルを振りかざし吹き飛ぶヒドラ。

 

 

「お前ら邪魔だ!

ここは俺一人で十分だっつーの!

食う権利は俺がいただく!」

 

 

「あぁ?先に見つけたのは俺なんだけど?」

 

 

「まぁお前らは引っ込んでここは俺に任せろ。」

 

 

ビーストは振り返り

ダイスサーベルをウィザードと

ダークウィザードに向けるがダークウィザードは

ビーストとウィザードをガン飛ばす。

 

 

 

 

 

「ぐっ!?冗談じゃねぇ、3人とかリンチだろ!

やってられっか!」

 

 

3人の魔法使いが揉めてる間にヒドラは

池に飛び込みスイスイとどこかへ行ってしまった。

 

 

 

「あぁーーー!!?俺の食事ーー!?」

 

 

「あちゃ〜、逃げられたか‥。」

 

 

「‥‥ちっ、興が冷めた。」

 

 

ビーストはファントムに逃げられ

四つん這いになって落ち込み、ウィザードは

池を見つめ、ダークウィザードは

変身を解いてその場から去ろうとする。

 

 

「ちょい!帰る前に、マヨネーズもだけど

ゲートはどこだ?」

 

 

「へ?ゲート‥‥?」

 

 

「‥‥‥‥‥‥ゲートはな〜‥‥。」

 

 

同じく変身を解いた晴希は攻大と秀夜に聞くが

攻大は見てないのか知らん顔で、

秀夜は知ってるのか口に手をあてて立ち止まる。

 

だが、

 

 

 

 

「自分で探せ。」

 

 

 

 

「あー了解‥‥‥。っておい!?」

 

 

 

秀夜の言葉に一瞬了承するがすぐにつっこむ。

が、秀夜は無視してコネクトリングから

エンジンが入ってる黒いマシンウィンガーを

取り出して跨り、その場を去っていった。

 

 

 

「くそー!テメェらのせいで

食い損なっただろ!?

大体何だよそのゲートって!」

 

 

「‥‥‥は?ゲートはゲートだろ?」

 

 

「だから知らねぇし!」

 

 

ズイズイと吠える攻大。

どうやら嘘ではないみたいだ。

とりあえず俺は絵里先輩にラインして

流石に学校はまずいので攻大を連れて

俺の家に行くことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

晴希の家にて。

 

 

 

 

 

 

「いっただっきあーす!

ん〜〜!うんめ〜〜っ!!」

 

「かけるのやめろ気持ち悪い‥‥」

 

「お前もどうだ?ほれ、」

 

「やめろかけるな殺すぞマヨネーズ。」

 

 

プレーンシュガーを食べてる俺と攻大。

攻大はドーナツにマヨネーズを

ぶちまけ口へと頬張るが俺は吐き気がしそうになり

自分のプレーンシュガーの食べる

ペースが遅くなる。そこへ攻大が

マヨネーズをすすめるが脱兎のごとく拒否する。

 

「だからマヨネーズじゃない!

マヨネーズはこっちだっ!」

 

「マヨネーズだろうが、いつも何かと

マヨネーズぶちまけておかげで

マヨネーズ見るたびに

お前思い出すようになったわ。」

 

 

「んだよ!思い出したくねーみたいな

顔しやがって!」

 

「いやしてねぇし。」

 

「皆までいわなくていい!してたぞ完璧に!」

 

 

 

 

「こら!喧嘩するんじゃないわよ!」

 

 

「「ごめんなさい。」」

 

 

ヒートアップしていく2人に

にこが止めてすんなり謝る晴希と攻大。

 

 

「‥‥‥さ、攻大君。学校を

ズル休みした理由は何かしら?」

 

 

「えと、ファントム探しです。」

 

 

「確かに人の命は大事やけど、

そこまでファントムを探す理由があるん?」

 

 

 

俺の家に連れてきた攻大は

今日は練習を抜けてきた3年生組に先ほど

怒られていたがだいぶ反省してるみたいだ。

だが希が質問すると攻大はキッチンの椅子から

ガバッと立ち上がる。

 

 

「あるって希ちゃん!俺には命がかかってんの!」

 

 

「‥‥てゆうか、ゲートを保護せずによく

ドーナツ呑気に食えるわねアンタ達。」

 

攻大が言ったあとに手に顔を乗せてにこが

そう言うと疑問に思ったのか攻大がにこへ

振り返る。

 

 

「さっきから何だ?そのゲートって?」

 

 

「魔力の高い人間の事よ。ファントムは

その人間を絶望させる為に襲うの。」

 

 

攻大の質問に絵里が答えて攻大はへ〜 と

マヨドーナツを食べる。

 

 

「おいマヨネーズ、そろそろ教えてくれ。」

 

 

「だーかーら!俺はマヨネーズじゃない

二藤攻大だ!リピートアフタミー!」

 

 

「‥‥じゃあ二藤、

お前の魔法使いになった理由は?」

 

 

「それはウチも気になるな〜。

こうっち全然喋ってくれないし。」

 

俺は嫌々で苗字を呼んで

前から気になってた事を聞くと

希や絵里、にこも同意見で頷く。

すると攻大はニヤニヤしだした。

 

 

 

「あー!皆まで言わなくていい!

お前らが気になるのはよーく分かった!

よしよし、今回はちゃんと教えてやる!

‥‥どっから説明すっかな〜‥。」

 

 

 

攻大は俺や3年生組を見てそう言いながら

椅子に座り、真顔な顔になる。

 

 

 

 

「とりあえず、俺はとある人から

魔法使いの力を授かろうとしてたんだが

俺はそれを拒んだ、理由は、

迷いがあったからだ。」

 

 

「迷い?」

 

 

絵里が首を傾げると攻大は頷き喋り出す。

 

 

「おう、色々とな。その力を貰うかどうか

しばらく考える事にして俺は外国へ行ったんだ?」

 

 

「‥‥どうして外国なんだ?」

 

 

「ん?観光がてら。」

 

「お、おう。」

 

俺の質問にキョトンとした顔で答えられ

少し戸惑う俺。

 

 

「そんである山奥の深くに一個だけ

おかしい岩があったんだよ。

大仏か何かがくっついてる岩が‥‥‥」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

回想シーン。

 

 

 

 

 

「ん?なんだこれ‥‥‥?」

 

 

まだ魔法使いになっていない

ただの転生者の頃、攻大は岩の中央辺りに

一つだけおかしい凹みがあることに気付く。

よく見ると何かの魔法陣の様な絵柄がしてある。

 

 

「これは押せってことだよな、うん!」

 

 

観光してる為か少しテンションの高い

攻大はその凹みを押した。

 

 

 

「ん?‥!!うおあぁあああっ!!?」

 

 

押した瞬間、攻大の真下の地面に穴が開き

攻大は地中深くへと入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐほっ!?いってぇ!‥何だここ‥‥?」

 

 

 

地中深くまで転がり落ちた攻大は

薄暗い辺りを持っていた懐中電灯で照らす。

辺り一面に先ほど見た魔法陣の絵柄が沢山あり

どうやら人口で作られた遺跡の様だった。

 

 

「スッゲェ‥‥地球にこんなところが

あったのかよ!?‥‥あ、でもここは

ラブライブの世界だよな‥‥?この世界に

こんなのあったっけ‥?」

 

 

攻大はぶつぶつと言いながら辺りを探索すると

奥の方に一つだけデカい岩を見つける。

 

 

 

「お?これは怪しいな‥。」

 

 

攻大は岩に被ってる砂と誇りを振り払うと

岩でできた石板のような物が現れた。

 

 

「おぉ!ヤバい、ダンジョンっぽい!

‥‥んん?なんだこりゃ?」

 

 

その中央には砂を被っているが

ビーストドライバーが置いてあった。

だがこの時の攻大は何なのか分からず

ビーストドライバーを手に取った。

 

 

「ん〜?箱?何だこれ??

‥‥!?な、何だ!?」

 

 

ビーストドライバーを調べていると

突然周りの魔法石から数体のグールが現れる。

 

 

「「ーーーーッ!」」

 

 

 

「うわ!?バケモン!?

まさかコレがおっちゃんの言ってた‥!」

 

 

槍を構えて睨むグールを見て

攻大は焦る。因みにおっちゃんとは神の事だ。

 

 

「っ!?おわわ!」

 

 

などと考えてた瞬間1体のグールが槍を

振りかざしてくる。両手を上げてギリギリで

避けた攻大はその勢いでビーストドライバーを

うっかり頭上へ放り投げてしまう。

 

 

「うわっとと!!」

 

 

攻大はバランスをくずして尻餅した瞬間。

 

 

 

「‥‥え?ええっっ!?」

 

投げ出されたビーストドライバーが

上手いことお腹辺りに落下し

腰に巻きつくように装着された。

それと同時に手の中が突然輝き出し

一つの指輪がはめられていた。

 

「何だよこれ!?え?指輪?

しかもこの腰のやつ取れねぇ!!」

 

グールから後ずさりながら攻大は指輪を見て

ビーストドライバーを外そうとするが取れない。

 

 

 

 

 

 

 

 

『指輪を使え‥‥‥』

 

 

 

 

 

「えっ?だ、誰だ!?」

 

 

何処からか機械音が混じった男性の声が聞こえる。

攻大はだんだん視界が慣れ、暗い周りを見渡しても

いるのはこちらに狭まるグールだけだった。

 

 

 

 

 

『指輪を使え‥‥‥!』

 

 

 

 

 

「何だよ!?指輪‥?これをー‥こうか!」

 

 

 

攻大は訳が分からないままビーストリングを

右手の中指に付けて右のリングスロットに

はめ込もうとする。

 

 

「は?えっ!?ちょっ入んないし!」

 

 

 

 

『‥右ではない、左だ』

 

 

 

「先に言えよっ!!っておわぁ!?」

 

 

 

声の主に言われツッコミながら

左中指にはめようとするとグールが

槍を振りかざして襲ってくる。

 

 

 

「おわっっだだ!?こっちだな!」

 

 

攻大は転がりながら左のリングスロットに

ビーストリングをはめ込んだ瞬間

 

 

《SET!Open!!》

 

 

 

「っ!うっ!?」

 

 

ドライバーから音声が鳴り

攻大の身体に突然衝撃が走り、硬直する。

それと同時に視界の景色が変わり

黄色い靄がかかりだす。

 

そこから巨大なライオンの様な

怪物が姿を現した。

左翼にイルカ、右翼は鷹、

胴体は牛、背中はカメレオンの様な物が付いている。

 

 

 

「えっ!?体がうごかねぇ!!

てか何だ!?ライオン!?」

 

 

「‥‥我は〝キマイラ〟

二藤攻大。お前はベルトの扉を開き

我を目覚めさせ、我と一つになった。」

 

 

古くさい口調で体が動かない攻大の周りを

のしのしと歩きながらキマイラはそう言ってくる。

 

 

「扉!?おい何言って‥‥!?」

 

 

「お前に魔法を授ける。その代わりに

我に魔力を与えよ、さもなくば

お前のその命は朽ち果てる。」

 

 

「はぁ!?朽ち果てる!?

ちょ、ちょっと待て!俺はそんな力要らない!」

 

 

「‥‥さぁ、我のためにファントムを倒し

魔力を食らうのだ。魔法使い、ビースト!」

 

 

「お前今絶対無視しただろ!って、うっ!!」

 

 

攻大がつっこむ瞬間、キマイラは

攻大の中に入り込み硬直した呪縛が解かれる。

それと同時に視界が先ほどの遺跡に戻り、

 

 

 

 

 

 

《L!・I!・O!・N! ライオーン!!》

 

 

 

 

 

テンションの高い音声が流れ

攻大の真正面に魔法陣が現れ攻大の身体を

通り抜ける。そして攻大は古の魔法使い、

仮面ライダービーストへと姿を変えた。

 

 

 

「「ッッ!?」」

 

 

姿が変わるグールは警戒し、

姿が変わった攻大は身体全体を見る。

 

 

 

「‥な、何じゃこりゃぁ!?

これって仮面ライダー‥‥?

マジかよ!!こんなん聞いてねぇっつーの!」

 

 

 

自身の姿に驚くビーストはそう叫んでると

グールの何体かがこちらに接近してくる。

 

 

「おいおいちょっと!?

あぶねっ、あぶねぇ!!やめろって!」

 

 

 

ビーストは振りかざす槍をギリギリで避けまくり

1体のグールの顔面を殴った。

そのグールはよろめいて背後にいるグールを

巻き添えに転ぶ。

 

 

 

「‥‥お?‥‥これイケる‥‥

あー!もうやけくそだ!やってやる!」

 

 

ビーストはそう言って奮い立たせ、

向かってくるグールの2体の顔面を持ち

地面へ叩きつける。

 

 

「うおっ!弱っ!しかもなんか入ってきたぁ!」

 

 

2体のグールはそのまま爆散すると

魔法陣が2つグールの頭上に現れ

ビーストのドライバーへと入っていく。

 

 

「イケるぞぉ!うぉりゃ!!」

 

 

ビーストはテンションが上がり

周りのグールに回し蹴り、飛び蹴り、

かかと落としなどをキメる。

そしてグールは爆散し、

その魔法陣はドライバーの中へと

入り込んでいった。

 

 

 

「っしゃあ!やったぜぇ!!」

 

 

 

 

 

 

「っ!遅かったかぁ‥!」

 

 

 

 

ビーストがガッツポーズを決めると背後から

声が聞こえ、ビーストは振り返る。

 

 

 

「うぉお!おっちゃん!

それより、何なんだよこれ!?」

 

 

 

そこにいたのは神だった。

ビーストの姿を見るなり神は驚き

ため息を吐いていたが神は口を動かす。

 

 

 

「それは古の魔法使いの力でな‥‥。

一応ファントムと戦える力なんじゃが、

魔力を与え続けないと命が危ない

危険な力なのじゃよ‥‥。はぁ、

誰もいないここなら封印できると

思ったんじゃが、まさかお主が解き放つとはのぉ。」

 

 

 

「はぁ!?なんだよ魔法使いってそんな

デメリットがあんのかよ!!

転生してきた意味じゃん!」

 

 

 

変身を解いた攻大はそう言って

ビーストドライバーを見てると神は苦笑する。

 

 

「いやいや、そのデメリットはその古の魔法使いだけ‥」

 

 

 

「あー分かってるぜおっちゃん!

皆まで言わなくていい!他の転生者もきっと

魔力を与えるために今日本で戦ってるんだろ!?」

 

 

「あーいや、そうではなくて‥」

 

 

「よし!腹くくった!俺も仮面ライダーとして

ラブライブの世界を守る‥が!

まずはファントム探しだ!死ぬのはごめんだしな!

そんじゃおっちゃんっ、俺日本に戻るわ!」

 

 

 

「あっ、ちょ‥‥」

 

 

勝手に話を進められ攻大は抜け穴から

遺跡の外へ出て行った。

 

 

 

「ん〜、面倒事にならなければよいのじゃが‥

あんな性格じゃしのぉ‥。」

 

 

神は再びため息を吐いて攻大の後を見送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

「‥‥以上!」

 

 

 

「‥‥‥‥(何だ、結局神様の力か)。」

 

「遺跡の中にあったってことは

古代の物なのかしら?」

 

 

「ファントムの魔力を食べないと

死んでしまうって‥‥。」

 

「アンタその状況でよく学校に来れるわね。」

 

 

長々とした説明に絵里、希、にこは

驚き、それぞれの感想を言う。

てか久々の神様だな‥。

 

 

「やっと分かったか!

確かにファントムを倒せば一時的俺の中の

キマイラは大人しくなるが、何も与えずに

放置してるとたまに襲おうとしてくるんだ。

だから俺は明日かもしれない命をおくってんだ。」

 

 

攻大はそう言って机の皿に置いてある

プレーンシュガーにマヨネーズをぶっかけ

ソレを食べる。

 

 

「それにしては悲壮感ゼロすぎじゃない‥?」

 

 

呑気に食べる攻大ににこは呆れたように呟く。

 

 

「お前もファントムの魔力食うために

戦ってるんだろ?大変だよなぁ。」

 

 

「いや、俺は何もないぞ?」

 

 

俺がそう言った瞬間、攻大はおれに詰め寄る。

 

 

「はぁっ!?へめ!ふういはろほれは!!

(はぁっ!?てめ!ずるいだろそれは!)」

 

 

「ちょっ!?食べながら喋るな汚い!!」

 

 

口からドーナツがちびちび飛び散り

俺は怒ると攻大はドーナツを飲み込み

こちらを睨んでくる。

 

 

「んだよ、おっちゃん嘘ついたな‥‥。

せっこいなぁ‥‥、だけどよ、だったら

何でファントム追ってんだ?」

 

攻大がそう言って聞いてくるが

その答えは決まっており、俺はすぐに答えち。

 

 

「ゲートを守るためだ。」

 

 

「いや、ゲートっつっても赤の他人だろ?

こいつらはまだしもよ。」

 

攻大はそう言って絵里達を見る。

え?私達?みたいな顔で3年生組は

互いの顔を見るなり首を傾げていた。

 

 

 

「もちろん絵里先輩達も守る、だけど

誰かが絶望するのを、放って置けないだけだよ。」

 

 

「‥くぅ〜〜!カッコつけやがって、

命がかかってない奴は呑気でいいなぁ。」

 

 

 

「っ、ちょっと晴希はね‥!」

 

 

「にこっ。」

 

 

攻大の言葉にイラっときたのかにこが

椅子から立ち上がり攻大を睨む

それは絵里も同じで希は目を瞑っていた。

今にも俺の代わりに怒ろうとするにこを

俺は止めた。

 

 

「とにかく二藤、これだけは覚えといてくれ。

ファントムに絶望させられるとゲートは‥」

 

 

「いや!皆まで言わなくていい!お前が

一生懸命なのはよーく分かった。

だが、お前もよーく覚えとけ。

‥‥こっちは命がかかってんだ

魔力を食わなくていいなら、

ファントムが出たら俺に譲れ、

あの紫の魔法使いにも言っとけ、いいな?」

 

 

攻大はそう言って俺の家から去っていった。

 

 

 

「‥何なのよあいつ、頭にくるわね。」

 

「でも、魔力を補給しないと死んでしまうのなら

あぁなるのも無理もないかもね‥‥。」

 

 

「そうやね、あんな真剣な顔のこうっち

初めて見たで。」

 

 

にこ、絵里、希がそう言っている中、

俺は攻大の去っていった玄関を見て軽く息を吐いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

道沿いの川にて。

 

 

 

 

「‥ったく、どうなってるんだ一体!」

 

 

川から出てきたダイバーのような人間の姿をした

ヒドラは愚痴愚痴と文句を言いながら

川から出てきた。

 

 

「どうやら失敗したようね?」

 

 

その姿をメデューサとフェニックスは

待っていたかのように立っていた。

 

 

「あぁ?魔法使いが3人いるなんて聞いてねぇぞ。」

 

 

「‥は、魔法使いが増えたくらいで

ビビってんじゃねぇよ。」

 

フェニックスがヒドラに近づきそう言うと

ヒドラは静かに笑い出す。

 

 

「ははっ、冗談じゃねえ、

大体何だよあのライオンみてぇな魔法使いは。」

 

 

「‥‥ワイズマンから聞いた話だと、

魔力を食べる古の魔法使いらしいわ。」

 

 

「‥‥‥‥‥‥。え、それだけ?」

 

 

ヒドラの言葉にメデューサが説明するのかと

思いきや本当にそれだけでヒドラは

キョトンとしてしまう。

 

 

「ちっ、魔法使い2人は聞いてたが、

3人となるとちとめんどくせぇな‥

てかリンチだろ。」

 

 

「はっ!俺が手伝ってやろうか?」

 

 

「‥その必要はないわ、魔法使いなら

‥‥‥魔法使いよ。」

 

 

ヒドラとフェニックスの会話に

メデューサがそう言うと、メデューサは

何かを企んでる様な笑みを浮かべて

どこかへ行ってしまった。

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

神田明神の近くにて。

 

 

 

 

 

「ふぃ〜‥!さて、飯も食ったし

日が暮れる前にファントムを見つけますか!」

 

 

背伸びをする攻大はポケットから

緑色の指輪〝グリフォンリング〟を

取り出し、右手の中指につけて

ビーストドライバーの右のリングスロットに

はめ込んだ。

 

 

《グリフォン!ゴーッ!》

 

 

音声が鳴るとプラモのような型枠に

はまった状態から素早く組み立てられ

攻大の使い魔〝グリーングリフォン〟が召喚される。

 

 

「っし、ファントムを探してくれ。

頼むぜー、俺の可愛いグリフォンちゃん。」

 

 

グリフォンリングをグリフォンにはめ込むと

出番だ という勢いで飛び交い

攻大の言葉に頷いて飛び去っていく。

 

 

「ふぅ、俺も探しに行くか〜‥‥‥

いてっ!?」

 

 

攻大も別の方角から探しに行こうとすると

突然グリフォンが戻ってきて攻大をついばむ。

 

 

「ちょ!?何だよ早く探しに行けって!

‥‥は?後ろ?何だよ‥‥‥‥あ。」

 

 

グリフォンに言われて振り返ると

そこにはメデューサ怪人態が立っていた。

グリフォンは威嚇するが手で叩かれ

簡単に吹っ飛ぶグリフォン。

 

 

 

「うぉおおおっ!ファントム!?」

 

 

「初めまして、古の魔法使い。」

 

 

いきなり現れたメデューサに驚く攻大。

そして礼儀正しく挨拶するメデューサに

攻大はニヤニヤしながら立ち上がる。

 

 

「ファントムの方から来るなんて‥!

じゃあ遠慮なく食わせてもらうぜ!」

 

 

「その前に‥。」

 

 

攻大がビーストリングをつけようとすると

メデューサは一旦止める。

 

 

「話があるの、いいかしら?」

 

 

「‥‥‥意外と可愛い‥‥。」

 

 

人間態に戻ったメデューサを見て

攻大はボソっと呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

音ノ木坂学院放課後、部室にて。

 

 

 

「かよちーん!早く屋上行くにゃー!」

 

「急がなくても今日は

6人だけなんだからゆっくりでいいんじゃない?」

 

 

部室で練習服に着替えてる小泉花陽を

すでに着替え終わった星空凛と西木野真姫は

待機してそう言っていた。

今日は3年生組と晴希と攻大がいない為

軽くストレッチをするのとランニングをすると

先に屋上に行ってる園田海未から聞かされていた。

 

 

「よっと‥お待たせっ、行こっ。」

 

 

着替え終わった花陽はそう言って

3人は部室から出ようとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待て。」

 

 

 

 

 

 

 

「「「え?」」」

 

 

ふと、3人しかいないはずの

アイドル研究部の部室から機械音が混じった男性の声が聞こえ、1年生組は振り返る。

 

 

 

「えっ‥‥?誰‥ですかにゃ?」

 

 

「し、白い魔法使い‥!?」

 

「っ!?」

 

凛は首を傾げ花陽は声を荒げ

真姫は警戒態勢をとる。

そこに立っていたのは赤と黒の

ウィザードライバーをしており、

全身が白いコートで包まれた

白色の魔法使いだった。

 

白い魔法使いは花陽達を呼び止めると

コネクトリングを通じてあるものを

差し出して来る。

 

 

 

「これを、操真晴希に渡してくれないか?」

 

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

白い魔法使いが差し出す物を

真姫が先陣をきって前に出てソレを受け取る。

 

 

「‥えっ、これって‥‥?」

 

「指輪にゃ!」

 

 

「しかも‥‥4つ?」

 

 

渡されたのは4つの指輪。

ランドリングもウォーターリングに

角がはえてるような指輪、

どうやらドラゴンに関係している指輪だろう。

そしてもう2つはドラゴンが岩を掴んでいるのと

ドラゴンの下に雪の結晶が

描かれた魔法リングだった。

 

 

 

「あ、あの‥‥貴方は一体‥‥?」

 

 

「‥‥‥‥。」

 

 

花陽がそう聞くと白い魔法使いは

無言でシフトレバーを上下に動かし

魔法リングをかざした。

 

 

 

《テレポート!・ナウ》

 

 

 

 

晴希や秀夜のとは違ったテンションの

音声が鳴り、白い魔法使いの頭上に

魔法陣が現れ通り抜けるとその場から

姿を消した。

 

 

 

「ヴェエエ!?」

 

 

「き、消えちゃったのぉ!?」

 

 

「にゃーー!?」

 

 

3人は驚きながらもすぐに我に帰り

真姫は受け取った指輪を見つめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

湖のあるところにて。

 

 

 

 

 

「‥‥‥はぁ。やっぱりダメか‥。」

 

 

 

スケッチブックを持った

中年の男性はため息を吐いて書くのをやめて

その場に座り込んでいた。

すると、

 

 

 

「よっとぉ!」

 

 

「っ!?ば、化け物!!」

 

 

突然湖からヒドラが飛び出し

男性は腰を抜かしてしまう。

 

 

 

「はぁい、また会ったな。

次は逃がさねぇぜ!及川宏!」

 

 

「ぐっ!?うぅ‥‥‥‥!?」

 

 

ヒドラはそう言って及川の首を絞め上げる。

怪物の力で人間である及川は一瞬で力が抜け

気を失ってしまう。

 

そこへ。

 

 

 

 

「ぎゃあっ!?」

 

 

ヒドラの背後に衝撃が走り

及川と共に吹き飛ぶ。

何事かとヒドラは振り返るとそこには

ウィザーソードガン 銃モードで構えた

晴希の姿があった。

 

 

 

「はぁい、俺ともまた会ったね

ファントムさんよ。」

 

 

「ゆ、指輪の魔法使い!?」

 

 

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

 

「変身。」

 

 

ヒドラが驚いてる間に俺は

ドライバーオンリングでウィザードライバーを

出し、すぐにシフトレバーを上下に動かして

ハリケーンリングのバイザーを下げて

ドライバーへとかざした。

 

 

《ハリケーン!・プリーズ

 

フーフー!フーフーフーフー!》

 

 

音声と共に

頭上に風の魔法陣が現れ俺の身体を下へと

通り抜ける。そして俺は

仮面ライダーウィザード、

ハリケーンスタイルへと姿を変えた。

 

 

 

「さぁ、ショータイムだ。」

 

 

 

「ぐぅ!おりゃぁあ!!」

 

 

 

ウィザードは決め台詞を言って

ウィザーソードガンを剣モードに構え

逆手持ちにする。

ヒドラも身体から取り出した槍を持って

こちらへと駆け出す。

その駆け出している間にウィザードは

足に風を纏い始めている。

 

 

「よっと!」

 

 

「っ!ぐぁ!!」

 

 

ヒドラが槍を振りかざした瞬間、

ウィザードは飛び上がり

ヒドラの頭を斬りつけた。

 

 

「ハァッ!!」

 

 

「うぉっっ!?」

 

空中をそのまま浮遊するウィザードは

ヒドラを空から斬りつけて攻撃する。

 

 

 

 

「いてぇ‥!!やりずれぇっての!!」

 

 

怯むヒドラはそう言って湖の中へと

飛び込んで潜った。それを見た

ウィザードは地面に降りて

ウォーターリングを取り出した。

 

 

 

「バーカ、俺も水中戦は得意なんでね。」

 

 

 

ウィザードはそう言いながら

シフトレバーを上下に動かし、

ウォーターリングを左手に付け

ドライバーへとかざした。

 

 

 

《ウォーター!・プリーズ

 

スイ〜スイ〜スイ〜スイ〜》

 

 

「フッ!」

 

音声が鳴り湖の前へ左手をかざすと

水の魔法陣が現れウィザードはそこへ

飛び込む。そしてウィザードは

ハリケーンスタイルからウォータースタイルへと

姿を変えて、湖の中へ飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

「‥‥‥っ!お前も泳げるのかよ!?

だったらこれはどうだ!」

 

湖の中でスイスイ泳ぐヒドラは

追いかけてくるウィザードを見つけて

背中の触手を伸ばしてくる。

 

 

 

「ハッ!‥‥ぐっ!?」

 

 

ウィザードは触手を斬りつけるが

浮力が働いてるため全てを防ぎ切れず

いくつかくらってしまう。

そこでウィザードはリキッドリングを

つけてシフトレバーを動かし

ドライバーへとかざした。

 

 

 

《リキッド・プリーズ》

 

 

音声が鳴るとウィザードの身体は

液体化して水と同化し、迫る触手を

難なく通り抜けてヒドラへと近づく。

 

 

「おわっ!?何だそれ!!」

 

 

「さて、水浴びは十分だろ?ハァッ!」

 

 

液体化してるウィザードはそう言って

ヒドラの身体に巻きつき湖の外へ連れて行く。

 

 

 

 

「そらよっとぉ!」

 

 

「うぉおあぁあっ!!?」

 

 

 

ヒドラをそのまま及川が倒れてる地面へ

放り投げるウィザード。

ウィザードも液体化から元に戻り

地面へと着地する。

 

 

 

「濡れた身体に電気マッサージなんてどうだ?」

 

 

ウィザードはそう言いながら

ハリケーンドラゴンリングを取り出し

シフトレバーを動かしてソレをかざす。

 

 

 

 

《ハリケーン!ドラゴン

 

ビュー!ビュー!ビュービュー、

ビュービュウ!!》

 

 

 

 

 

荒々しい音声が流れウィザードの頭上に

風の魔法陣が現れ、同時に風を纏ったドラゴンが

ウィザードの周りを咆哮を上げながら

飛び交いウィザードの中へ入り込む。

そしてウィザードはウォータースタイルから

ハリケーンドラゴンスタイルへと姿を変えた。

 

 

 

「っ!ふん!」

 

 

 

それを見たヒドラは立ち上がり

触手を出してウィザードへ攻撃しようとする。

だがその前にウィザードはサンダーリングを

取り付けシフトレバーを動かし、

ドライバーへとかざした。

 

 

 

 

《チョーイイネ!

 

サンダー!

 

サイコーッ!!》

 

 

 

「ハァッ!」

 

 

音声が鳴り響くとウィザード前に

魔法陣が現れそれに向けて右手を突き出す。

すると魔法陣からドラゴンの形をした

電撃が飛び出しヒドラへ直撃した。

 

 

 

 

「っ!?あばばばばばばばば!!?」

 

 

 

「ひゃー!?やっぱこれ凄いわっ。」

 

 

骨が見えそうなくらいに痺れるヒドラを

ウィザードは片耳を左手で塞ぎながら見ていた。

 

 

 

「ごふっ‥‥‥‥い、いてぇ‥‥。」

 

 

 

「フッ。さぁ、フィナーレだ。」

 

 

ウィザードは煙が上がるヒドラを見て

キックストライクリングを取り出し

シフトレバーを動かそうとした瞬間。

 

 

 

 

 

《バッファ!ゴーッ!

 

バッバ・ババババッファー!》

 

 

 

 

「うぉおおおおお!!」

 

 

「っ!?二藤!」

 

 

 

別の方角からこちらに走ってくる

ビーストは肩に牛のマント〝バッファマント〟を

装備していた。

獲物を横取りするなと言いたいのだろうと

ウィザードは一旦キックストライクリングを

付けた右手を降ろそうとしたその時。

 

 

 

 

 

「どぅりゃあぁっ!!」

 

 

 

「えっ、ぐはぁっ!!」

 

 

なんとビーストはウィザード目掛けて

突進してきた。バッファマントの力なのか

そのタックルは尋常じゃないほどの衝撃で

ウィザードはかなり吹っ飛んだ。

 

 

 

「がぁっはぁ‥‥おい!何のつもりだ!?」

 

 

「うるせぇ!女のファントムから聞いたぞ!

よくも騙してくれたな!

やっぱお前も魔力を狙ってたんだな!」

 

 

 

「はぁ‥?女のファントム?‥‥え?」

 

 

「とぼけんなよ!ガオッ!」

 

 

何のことか分からないウィザードは

よろめきながらビーストへ近付く。

ビーストはダイスサーベルを取り出して

ウィザードへと斬りかかってくる。

 

 

「うわっと!何すんだ‥よっ!」

 

 

「あがっ!?‥ってぇなっ!!」

 

 

斬りかかるビーストにウィザードも対抗して

ウィザーソードガンの刃の付いていない方で

ビーストの脇腹を殴る。

 

 

 

「へへっ‥‥何だかしらねぇがチャーンス‥」

 

 

痺れが取れたヒドラは交戦してる

ビーストとウィザードの隙に気を失ってる

及川へと近づく。

 

 

 

「っ!おいコラ!!」

 

 

「っ、いだっ!?」

 

それを見たビーストは一旦ウィザードから

離れてヒドラへ近づきダイスサーベルで斬りつける。

 

 

 

「お前、何で勝手にゲートへ手を出すんだよ!」

 

 

「‥‥はぁ!?」

 

 

「‥‥‥ちっ、大バカ野郎が。

ファントムに騙されやがって。」

 

 

 

完璧に誤解してるビーストを見て

ウィザードは苛立ちウィザーソードガンを

指に引っ掛けて回転させながらそう言う。

 

 

 

「とりあえず、ファントムは譲ってやるから

後は任せたぞ。」

 

 

 

「あっ!!ちょちょちょ!

何お前も勝手にゲートに近づいてんだよ!」

 

 

ウィザードはそう言って及川へと

近付こうとするとビーストが肩を掴んで

止めに入る。

 

 

「あーなんだよっ!」

 

 

「まだ話の途中だっつーの!」

 

「後で聞くからそこどけ!」

 

 

「どかねー!お前がどけっ!」

 

 

 

 

「なら俺が行かせてもらうぜ!」

 

 

 

「「行かせるかっ!!」」

 

 

 

「ぐあっ!?」

 

ウィザードとビーストが揉めてる間に

ヒドラが近付こうとするが2人の魔法使いに

背後を斬りつけられる。

 

 

 

 

「あぁー!もぉっ!!」

 

 

 

三つ巴になる戦いにビーストは苛立ち

ダイスサーベルを振り回しながら叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、仮面ライダーウィザード

 

 

 

 

「いい加減にしろ単細胞!」

 

「誰が単細胞だクソイケメン!」

 

「あーありがとう。」

 

「褒めてねぇし!?」

 

ビーストと交戦するウィザードとの口喧嘩。

攻大もイケメンですぜ!

 

 

 

「これ、白い魔法使いから‥。」

 

「っ!これ‥!?え、白い魔法使い‥?」

 

 

1年生組に渡された4つの指輪。

そこで知るもう1人の魔法使い!

 

 

 

「晴希はゲートを守る為に

自分の命を懸けて戦ってるのよ。」

 

己の命を守る為に戦うビースト

他人の命を守る為に戦うウィザード。

にこの言葉に攻大は何を思うのか!?

 

 

 

 

「さぁ、メインデッシュだ!」

 

ゲートの世界でキマイラを解き放つ!

さぁ、ランチタイムだ!

 

 

 

 

 

第23話 日々の命の重さ

 

 




はい、どうもしょーくんです!
μ'sのメンバーがいないと喧嘩が止まらない
転生者の皆さん。性格や思ってることがバラバラなので
こうなりますよねきっと。

次回は新しいドラゴンスタイルと
ビーストがキマイラ召喚!


評価、感想などがあれば是非お願いいたします(^^)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。