ラブウィザード! 〜希望の柱〜   作:しょくんだよ

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ま、また評価が上がってる‥(≧∇≦)!
もう感激すぎて友達にめっちゃ自慢した自分‥

穂乃果「でも読んでくれるのは嬉しいことだよねえ!」

凛「じゃあ真姫ちゃん!評価してくれた人の
紹介するにゃー!」

真姫「ゔぇえっ!?わ、私?‥‥‥んもう!
ぐっさん0さん、エクスペリアさん、
レガメルンテさん、呉島貴虎さん、マサオンさん、
銀河ラブライバーさん!
きょうへいさん! べ、別に嬉しくないけど‥
〜〜‥嬉しいです!!
ありがとうございます!!」

晴希「おぉ、真姫が素直に‥!
評価してくれた皆さん!ありがとうございますっ。
これからもよろしくお願いします!」

‥‥俺の言いたいこと全て言いやがった‥( ゚д゚)


第20話 マヨラーな魔法使い

「ヤッホー!来たにゃー!」

 

「こんにちは〜っ。」

 

「お邪魔します‥‥‥え?」

 

 

 

「ぐぅ‥むぐぐぐ‥‥‥‥!」

 

 

もうすぐ夏休みに入る7月後半の休日。

本格的に暑い時期になりエアコンをつけないと

死んでしまう。ここのマンション

風通し悪いっすよ本当。そして

1年組の星空凛、小泉花陽、西木野真姫の順番で

俺こと操真晴希の家に遊びに来ていたが

その目先のソファーでお腹をおさえて

項垂れてる高坂穂乃果に3人は反応する。

因みになんで俺の家に集まってるかと言うと

少し遅れたが8人目、9人目の

絢瀬絵里先輩と東條希さんの

加入祝いも兼ねて昼飯を俺の家で食べようと

そこで項垂れてる穂乃果が言い出したのだ。

 

 

 

「せ、先輩!?どうしたの!?」

 

「か、身体が‥破裂しそうだよ‥‥うぅ!?」

 

「えぇ!?も、もしかしてファントム!?

大変!た、た、誰か助けて〜〜!!」

 

凛と花陽は苦しむ穂乃果を見て騒いでるが

真姫はじっと見て呆れる様にため息を吐く。

 

 

「‥‥ただの食べ過ぎでしょ?」

 

 

「「え?」」

 

 

「おー、さすが医者の娘さんだな。

真姫達が来る前にアイスとお菓子を

めっちゃ食べたんだよこいつ。ほれ。」

 

真姫のご明察に風呂場からタオルケットを

持ってきて穂乃果にかぶせる。

 

 

「うぅ〜‥‥あ、晴希君の匂いがする〜‥。」

 

「嗅ぐな。」

 

タオルケットをくんくんして変な顔になる

穂乃果にチョップを入れる俺。

 

「全く‥‥、まだお昼も食べてませんのに。」

 

「はい、胃薬とお水だよ☆」

 

「えへへ〜‥‥は、ハーゲンダッツは強敵だよぉ‥

あ、ことりちゃんありがとう〜。」

 

キッチンへ座ってる園田海未はやれやれと

首を横に振り、救急箱から胃薬を取り出し

穂乃果にあげる南ことり。

目を離すと勝手に冷蔵庫開けて買っておいた

ハーゲンダッツ全部食いやがるからなこいつ‥

鍵付きの冷蔵庫とかないのだろうか‥‥。

 

「凛もラーメンの食べ過ぎでよくあるにゃ〜。」

 

「大丈夫ですか穂乃果さん?」

 

早とちりした凛と花陽に穂乃果は

大丈夫じゃないと言って俺にすがり寄ってくる。

 

「は、晴希君っ‥‥ここはひとつ魔法で

治してよ〜‥‥」

 

「あのな、魔法じゃ怪我とか病気は治せないの。

痛いの痛いの飛んでけ〜。」

 

「き、気休めじゃ治らないよぉ〜‥‥‥。」

 

 

「「「自業自得(です)(ね)。」」」

 

 

「さ、3人共ひどい‥‥。」

 

 

魔法に頼ろうとする穂乃果に俺は気休めで

棒読みの魔法の呪文を唱えた。

治癒の魔法などがあったらどれほど楽か‥

1度は神に聞いてみたんだがそんな魔法はないと

鼻で笑われた。神なんだから

それぐらいできるだろ普通‥。

 

適当な呪文にケチつけると

俺と海未と真姫が揃えて言って

再び項垂れてる穂乃果。

 

 

「そういえば、絵里先輩達はまだなのかな?」

 

「あ〜今買い出しに行ってもらってる。

せっかく作って貰うんだからこれくらい

させてくれって。」

 

「さすが先輩にゃーっ。」

 

花陽の言葉に俺は返答して凛は項垂れてる

穂乃果をツンツン突きながら言う。

 

 

「と、とりあえず胃薬‥‥‥‥‥‥ふぁわ!?」

 

 

「ゔぇえええええっ!?」

 

横になってる穂乃果は胃薬を飲もうと

机に置いてる水を掴むがバランスをくずして

向かい側にいる真姫に水をぶっかける。

 

 

「何するのよ!!?もぉーっ!」

 

「っ、おいバカヤロ!

俺のジャケットでふくなよ!」

 

真姫は怒りながら側に置いてある

俺のジャケットで拭き始めたので慌てて

俺は取り返す。

 

 

 

 

 

「にっこにっこにー❤︎にこ参上よーっ。」

 

「皆〜、ええ肉が買えたでー!」

 

「‥‥‥随分賑やかになってるわね。」

 

 

「いつものことです。」

 

 

そこへ玄関が開かれ、矢澤にこ、希、絵里が

入ってくるがリビングでギャーギャー騒ぐ

俺と穂乃果、真姫を見て絵里と海未は苦笑する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

少し時は経ち、マンションの屋上にて。

 

 

 

 

 

 

「はぁ‥‥退屈だなぁ。」

 

 

こんな蒸し暑い天気の中フェニックスは

日向ぼっこをしていた。炎の身体なので

暑いのは関係ないのだろう。

 

 

「随分と呑気ね‥。」

 

「出番がねぇからだ‥‥‥あー、いっそ

この街ごと吹き飛ばしてスカッとしてぇなぁ。」

 

「ダメよ。貴方ならやりかねないわ。‥?」

 

そこへメデューサが現れ大の字で倒れてる

フェニックスを見下ろして言っていると

何かを感じ取ったのかマンションの下を見下ろす。

 

 

 

 

 

 

 

「‥ぁ〜‥‥マジでやべぇ‥‥。」

 

その下にいるのは日本に上陸した少年だった。

少年はお腹をおさえながらそのまま倒れる。

 

 

 

 

 

「‥‥‥あの男‥‥‥。」

 

 

「なんだ?ゲートか!?」

 

メデューサが見ていると出番が欲しいのか

テンションを上げて勢いよく起き上がる。

 

 

「‥‥ほぉ、面白そうな奴だな。」

 

 

「!ワイズマン‥。」

 

 

ふと、メデューサとフェニックスの背後から

現れたのは彼らの指揮官的存在、ワイズマンだった。

 

突然現れたワイズマンにメデューサと

フェニックスは慌てて頭を下げる。

 

「あの男の中の物が‥‥」

 

「‥‥ならば私が‥‥。」

 

 

ワイズマンの興味にメデューサが志願するが

それを手で制すワイズマン。

 

 

「いや、ちょうどいいのを連れてきた。」

 

 

ワイズマンがそう言うと背後から誰かが

近付いてくる音が聞こえメデューサと

フェニックスは振り返る。

 

 

「‥‥はい、私の出番ですかな?」

 

 

虫の様な外観に刺々しい肩や腕の甲を持つ

ファントム〝マンティコア〟はそう言って

ワイズマン達を見た。

 

「あぁ、よろしく頼むよ。」

 

ワイズマンがそう言うとマンティコアは軽く

頭を下げマンションを降りて行った。

 

 

「‥‥では、私も失礼するよ。」

 

ワイズマンもメデューサとフェニックスに

そう言って身体が輝き出し、姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

ワイズマンが姿を消すと

別のマンションの屋上に白い魔法陣が現れ

そこから白い魔法使いが出てきた。

白い魔法使いは下にいる少年を

見下ろしながら口を動かす。

 

 

 

「‥‥‥‥今の内に潰しておきたいとこだが、

少し泳がせるとしよう。

‥さて、あの少年。どれほどのものか

見せてもらおうか。」

 

 

 

白い魔法使いは黒い汚れた魔法石を持って

そう言い、召喚した魔法陣の中へ入り姿を消した。

 

 

 

 

 

ーー

 

その一方で下の方では。

 

 

 

「ぐ〜‥‥なんで俺だけこんな目に‥‥。

〝あんなとこ〟行くんじゃなかったなぁ‥。

大体何なんだよぉ‥っ、この力はよぉ‥

最近の仮面ライダーしらねぇし‥。」

 

 

仰向けで倒れてる少年は愚痴を言いながら

起き上がり、自身に巻いてる

腰のベルトを見つめる。

 

 

「早くしねぇと餓死しちまう‥‥よしっ!

こんな時は腹ごしらえだな!!

ピンチとチャンスは表と裏、こんな時こそ

きっといい事がある!」

 

 

 

少年は1人で立ち直ると大きな鞄を持って

秋葉原の街を歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

秋葉原、ショッピングモール付近にて。

 

 

 

 

 

「いや〜!今日もパンが美味い!」

 

 

 

「信じられません‥

貴方の胃袋はどうなってるのですか?」

 

 

昼飯が終わり一時解散となったμ's。

そして俺は日用品と軽い散歩をしようと

街へ出かけ、その同行に穂乃果、海未、ことりの

3人がついてくる事になった。

そして、アレだけ食べ過ぎで苦しんでた

穂乃果はすっかり治って

プレーンシュガーを食べている。

 

 

「胃薬飲んだらすっかりよくなっちゃった!

それに私お昼食べてないからお腹空いたの!」

 

「皆が揃う前に間食するからです!

そもそも貴方は‥‥‥!」

 

‥海未の説教が始まった。この子の説教は

やたら長いんだよな。

 

 

そして一つ、心の中で言っておこう。

あの胃薬、期限切れだったのだ。

半額のを4月辺りに買ったんだが

すっかり忘れてた。‥‥‥内緒な。

 

 

 

 

 

 

 

 

その近くのフード店にて。

 

 

 

 

「お待たせしました〜っ。」

 

 

「うひょー!キタキター!」

 

 

外のテーブルで待機してた少年は

店員に用意された大量の

フランクフルトを見て興奮する。

 

 

「ケチャップとマスタードどちらにされますか?」

 

 

「ん?あぁいらないいらない!」

 

店員に出された調味料を拒否すると鞄から

ある物を取り出し、器用に手の中で回転させる。

 

 

 

「え?マヨネーズ‥‥?」

 

 

「そっ!」

 

 

それは〝俺専用〟と書かれたマヨネーズだった。

店員の疑問に少年は笑顔で答え、

少年は蓋をあけると豪快に載せられてる

フランクフルトの上にたっぷりとかけたのだ。

 

 

「へへ〜っ、いっただっきあーす!!

‥‥‥ん〜!やっぱ最高だわ!」

 

 

 

気持ち悪くなりそうなほどかけたマヨネーズの

フランクフルトを美味しそうに食べる少年に

店員は若干引いていた。

 

 

「あんたも食べるか?」

 

「あ、い、いえっ、ごゆっくり〜。」

 

 

一つ差し出されるが店員は断って

店へ入ろうとする。

 

すると、

 

 

 

 

 

「〜〜ッ!」

 

「〜〜〜〜ッッ!!」

 

 

「見つけました‥。」

 

 

 

そこへ数体のグールとマンティコアが現れる。

 

 

 

「うわぁあああ!!?」

 

「っ!キャアーー!?」

 

「うわぁ!化け物〜っ!!」

 

 

客、店員らはその悍ましい姿をした怪物を見て

悲鳴を上げて逃げ出すが、少年はフランクフルトに

夢中で気付きもしなかった。

 

 

「ッ!!」

 

 

「うんめ〜〜っ‥‥‥ん?」

 

何体かグールは少年の前で武器を構え

出たぞーと言わんばかりにポーズを取り

やっと気付く少年。

 

 

 

 

「ハッ!!」

 

 

「「ッ!?」」

 

 

そこへ晴希がウィザーソードガンの

コントラクトリガーを引き、魔力で作られた

銃弾がグールに直撃しグールは

火花を散らし吹き飛ぶ。

 

 

「えっ?‥‥‥あぁあっ!!?俺の!?」

 

 

 

グールが吹き飛ぶ際に武器の槍が机に

引っ掛かり机毎吹き飛ぶ。

当然上に載ってたフランクフルトは

地面に落ちてダメになった。

 

 

「フッ!‥大丈夫か?ここは俺に任せろ。」

 

 

「はっ?」

 

 

晴希は1体のグールを蹴り飛ばし少年に

逃げるよう伝えるが少年は彼が

何言ってるのか分からず声を漏らすだけだった。

 

 

「ふぅむ、君が指輪の魔法使いかね?」

 

 

「は?魔法使い‥?‥‥ってことはお前!?」

 

 

「まぁね、変身。」

 

マンティコアの言葉に反応する少年だが

俺は軽く受け流して予め出してた

ウィザードライバーのシフトレバーを

上下に動かし、フレイムリングを

ドライバーへとかざした。

 

 

 

 

《フレイム!・プリーズ

 

ヒーヒー・ヒーヒーヒー!!》

 

 

 

 

音声が鳴り響くと俺は左手を前に掲げる。

真正面から魔法陣が現れ俺の身体を通り抜けると

俺は仮面ライダーウィザードへと姿を変えた。

 

 

 

「‥‥‥行けぃ。」

 

 

マンティコアが指示を出すとグール達は

武器を構えてこちらを睨んでくる。

 

 

 

「さぁ、ショータイ‥」

 

「待ったぁああ!!」

 

「ムゥウ!?えっ!?」

 

 

決め台詞を言いかけたその時、

その少年に止められた‥‥てか!

 

ちょ!スッゲェ中途半端なんだけど!?

 

その行動を見て駆け出すグール達も止まる。

 

 

「な、何するんだよ!?」

 

「何すんだじゃねぇよ!」

 

「ちょちょ!?なになになに!?」

 

 

少年に突然引っ張られて

訳が分からず連れてかれるウィザード。

 

 

 

「惚けるんじゃねえっつうの!

アレ、俺の食事!」

 

 

少年はグール達に指を指してるつもりだろうが

ウィザードはその指先のフランクフルトに目が行く。

 

 

「あぁ悪い、後で奢るから。

ちょっと下がっててくれ!」

 

 

ウィザードはそう言ってウィザーソードガンを

剣モードに構え グール達に向かって駆け出す。

振りかざす槍の攻撃をいなしながら交わし、

懐に剣撃を入れていく。

 

 

 

「ちょ!?待て待て待て!!‥‥あぁ!

どこしまったっけなあ!?‥ここかぁ〜っ?」

 

 

 

「っ!あ!いたいた!晴希君〜!!」

 

「あ、あそこに人がっ!」

 

「どうやらゲートみたいですね!」

 

 

少年は何かを探そうと鞄を探っていると

追いかけてきた穂乃果、ことり、海未が

こちらにら走ってくる。

 

 

 

「大丈夫!?」

 

 

「えっ!?あ、お前ら!」

 

 

「晴希!」

 

 

穂乃果が声を掛けると知ってる様な顔で

少年は穂乃果達を見る。そして少年の両サイドの

腕を穂乃果とことりが持ち、海未は

交戦してるウィザードを呼ぶ。

 

 

「あぁ!悪いがそいつ連れて逃げてくれ!」

 

 

ウィザードがそう叫ぶと穂乃果達は頷き

少年の腕を持ち上げる。

 

 

 

「ちょ!?おおい!?俺の飯ぃぃぃぃい!?」

 

少年が拒もうとするが強引に3人は風の如く

連れて行き、だんだん少年の声が聞こえなくなった。

 

 

「よし、行くぜ!」

 

ゲートを無事連れて逃げ出した穂乃果達を見て

ウィザードはグール達を蹴散らしていく。

 

「フッ!!」

 

グールが振りかざす槍をウィザーソードガンで

受け止めるとウィザードはその背後にある壁を蹴り

飛び上がると同時に前方のグールの顔面に

思い切り蹴りを入れ込み、鈍い音と共に

グールは倒れる。

 

 

「ハァアアアアアッッ!」

 

ウィザードは走り出し、残ったグールを

片っ端から斬りつけてグールの身体に

ウィザードの魔法陣が浮かび上がり爆散する。

 

 

「なかなかやりますな‥。」

 

「後はお前だけだ!」

 

 

目の前に立つマンティコアにウィザードは宣言して

駆け出し、ウィザーソードガンを振り回す。

 

 

「ハァッ!ハァッ!セイッ!」

 

 

「ぐっ‥‥!?‥‥ちぃ!」

 

 

一撃、二撃と入れ、最後に回し蹴りをして

マンティコアを吹き飛ばす。

地面を転がり立ち上がるとマンティコアは

両手からカードの様な物を取り出し

手の内で一枚一枚が浮かびあがる。

 

 

それを見たウィザードはウォーターリングを

付け替えシフトレバーを動かして

ウォーターリングをドライバーへとかざした。

 

 

《ウォーター!・プリーズ

 

スイ〜スイ〜スイ〜スイ〜》

 

 

音声が鳴り響き真上に左手をかざすと

頭上に水の魔法陣が現れウィザードの身体を

下へと通り抜ける。そしてウィザードは

フレイムスタイルからウォータースタイルへと

姿を変えた。

 

 

「んんんん〜〜!」

 

マンティコアは先ほどよりカードの枚数を

増やし一枚一枚の回転の勢いが増していく。

 

そしてスタイルを変えたウィザードはすぐに

ディフェンドリングを右手の中指に付け

シフトレバーを動かしドライバーにかざした。

 

 

《ディフェンド!・プリーズ》

 

 

「喰らいなさいっ!」

 

「そうはいかねぇよ!」

 

 

音声が鳴るとマンティコアは無数のカードを

投げつけてくるがウィザードは正面に

水の壁を作り出す。やはりカードなのか

水に当たった瞬間勢いが止まり

ふやけて地面に落ちた。

 

 

「なっ!?」

 

「ハァアアッ!」

 

 

受け止められたマンティコアはたじろいでいる

隙にウィザードは近づきマンティコアの背後に

回り込むとマンティコアを締め上げる。

 

 

「ぐっ!魔力を上げたと言うのは

本当のようですね‥‥!?」

 

 

「誰情報か知らないがそうゆうこと‥だ!」

 

「ぐあっ!?」

 

ウィザードは言い終わるとマンティコアを離して

飛び蹴りを背中に入れて前方へ転がるマンティコア。

 

 

「あがぁあ‥‥‥!うむ〜‥‥!!ちぃ!」

 

 

「っ!待てっ!」

 

 

立ち上がるマンティコアはこちらを見て唸ると

背中を向けて走り出した。

ウィザードは急いで追いかけようとする。

 

 

 

 

 

 

「‥ふん。」

 

 

 

 

「っ!!?‥‥‥ぐぁっ!!」

 

 

 

 

 

マンティコアは目を光らせ止まったかと思いきや

尾骨辺りから尻尾の様な物が伸び

ウィザードの肩に突き刺さった。

それと同時にその尻尾からドクドクと

液体がウィザードの身体に流れ込んで行く。

 

 

 

「がぁあぁぁ‥っっ!!!」

 

 

 

ズボッと痛々しい音と共に尻尾の針が取れ

肩から血と緑の液体が流れ出し、

激痛が身体を蝕みウィザードは膝をつく。

 

 

「油断は禁物と言う言葉を知らないのかね?」

 

 

「うぐぁ‥‥ぁぁあ‥‥‥何だ!これは‥!?」

 

 

マンティコアの言葉を聞く暇もなく、

ウィザードの視界が薄れ、

突然の頭痛、吐き気、体の痺れ、激痛が襲う。

そして変身が解かれ四つん這いになる晴希。

 

 

 

「‥ほぉ、流石は魔法使い。私の猛毒では

直ぐには死なないのかね‥?」

 

 

「ぐっ‥!?毒‥だと‥!?‥うぐぅ‥!」

 

 

肩から流れる血をおさえ、激痛を耐えながら

俺はマンティコアを睨む。

 

 

「ふふふふふ‥‥その身体では

どうにもできないでしょう。‥‥!?」

 

 

マンティコアは笑いながら俺を見てると

突然、小さな黒い犬が吠えながら

マンティコアに噛みついていた。

 

 

「‥!?俺の知らない‥使い魔‥!?」

 

 

俺は視界がぼやけながらでもすぐに分かった。

なぜならその犬の胸部に指輪らしき物が

ついているからだ。

 

 

「ケルベロ〜ス、戻れ。」

 

 

背後から気だるげな声が聞こえ、

その言葉に使い魔のブラックケルベロスが

反応し、マンティコアから離れる。

 

 

「ぐっ!?お前は‥‥!?」

 

 

「‥‥っ!お、お前‥

紫の‥魔法使い‥‥!!」

 

 

マンティコアと俺が見る先には

肩にケルベロスを乗せた

2人目の魔法使いに変身する赤いアッシュが

特徴の少年(藍崎秀夜)だった。

 

 

「何だ‥、派手にやられてるじゃんよ、

赤い魔法使い‥ふはっ、傑作だわっ。」

 

 

「何だと‥!?‥‥ぐっ!?」

 

 

秀夜は俺を見て吹き出す。

くそっ、やっぱこいつ腹立つわ‥!

俺は気を保ちながらも苛立つ。

 

 

「ほぉ、2人目の魔法使いですか。

別の場所で私達ファントムを

殲滅しているようですね?」

 

 

「あぁ?何だ知ってんのか。

だったらテメェも殲滅

相手になってくれるよなぁ?」

 

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

 

マンティコアの言葉に秀夜は

不気味な笑顔と共にドライバーオンリングを

かざしてウィザードライバーを出した。

そしてシフトレバーを動かす。

 

 

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!》

 

 

 

待機音声が流れ始めると肩に乗ってた

ケルベロスが飛んで離れると

秀夜はダークネスリングを左手の中指に付け

バイザーを下げ、魔法の言葉を言った。

 

 

「変身!」

 

 

 

《ダークネス!プリーズ

 

アク アク・アクアクアーク!!》

 

 

 

顔を引き裂く様に横に振り

ドライバーへダークネスリングをかざすと

音声が鳴り響き、両サイドへ両手を軽く広げる。

真正面から紫の魔法陣が現れ

秀夜の身体を通り抜けると秀夜は

仮面ライダーダークウィザードへと姿を変えた。

 

 

 

「‥‥さぁてと。」

 

 

ダークウィザードはウィザーソードガンを

剣モードで取り出し、マンティコアへと

歩み寄るが。

 

 

「邪魔だ。」

 

 

「ぐふっ!?」

 

 

その道に倒れてる晴希を蹴っ飛ばして

ダークウィザードはマンティコアに駆け出した。

 

ぐっ‥‥!?蹴っ飛ばすか普通‥!?

これ治ったらボコボコにしてやる‥‥!!

 

 

「‥!てか、気を付けろ!

そいつ厄介な技‥‥持ってるぞ‥‥!」

 

 

 

 

「おらよぉっ!!」

 

 

「うぉっ!?」

 

ダークウィザードの大振りで荒々しい攻撃に

マンティコアは避ける暇もなく喰らい続け

吹き飛ばされる。

あ、俺の忠告無視っすか‥。

うん、‥やっぱ、こいつウザい。

 

 

「ハッハ!こんなのはどうだ?」

 

 

ダークウィザードは右手に見たことのない

魔法リングを付ける。

ぼやけてだがドラゴンの横に

黒いドラゴンが写ってるようにも見える。

そしてシフトレバーを動かしてソレをかざした。

 

 

《シャドウ・プリーズ》

 

 

聞いたことのない音声が鳴ると

ダークウィザードの横に紫の魔法陣が現れ

そこから真っ黒な戦士‥いや、

ウィザードが現れた。

 

 

「な、何だそれ‥‥!?」

 

 

「あぁ?俺専用の指輪だ。ほら行け。」

 

 

俺が聞くとダークウィザードはそう答え

隣のウィザードに命令すると

真っ黒なウィザードはマンティコアに駆け出す。

 

 

「っ!魔法使いが増えただと!?ぐっ!」

 

 

「違うな〜!それは俺の、〝影〟だ。」

 

 

「影ですと‥‥!ぐわっ!?」

 

 

マンティコアが驚いていると

真っ黒なウィザードは無言で只管

マンティコアをウィザーソードガンで

切り裂いて行く。

 

 

「ほら余所見してる暇ねぇぞおお!」

 

「っ!ぐわっ!!」

 

 

真っ黒なウィザードと交戦してる

マンティコアの背後をダークウィザードは

斬りつけドロップキックで吹き飛ばす。

 

 

「ぐっ‥‥!?ま、待て!降参だ!

見逃してくれ‥頼む!」

 

 

「はぁ?命乞いなんて見苦しいっての。」

 

ダークウィザードは余裕そうに

ウィザーソードガンを振り回して

真っ黒なウィザードと共に近寄る。

 

 

「ひっ‥ひぃっ!!」

 

 

「あ、待ちやがれ!!」

 

 

「あ!ま、待て!それは罠‥」

 

マンティコアは怖気付いて背中を見せて

逃げ出し、ダークウィザードは後を追おうとする。

だがそれは、先ほどと同じ展開だったので

俺は声を振り絞って叫ぶが‥。

 

 

 

 

「‥‥ぐおっ!?」

 

 

 

「ハッハッハッハッ‥‥魔法使いは皆

バカなのですかねぇ‥‥フン!」

 

 

 

油断していたダークウィザードの

脇腹辺りにマンティコアの毒針が刺さり

毒を流し込まれたダークウィザード。

そして針が抜かれて変身が解き、

隣にいた真っ黒なウィザードも消えて

その場に倒れこむ秀夜。

 

 

「ば、バカヤロウ!‥俺の話、

聞かないからだ‥‥!」

 

 

「ぐぅうおああ!?いってぇ!?

なんだこりゃあ!?」

 

 

「騒がしいですよ、フン!」

 

 

「あがっ!?」

 

 

脇腹をおさえて激痛で叫ぶ秀夜を

マンティコアは蹴飛ばして

俺の横まで転がってくる。

 

 

「毒らしいぜ‥‥死んでも

おかしくないぐらいのな‥!」

 

 

「がっ!?毒‥!?くそったれが!

めんどうなもんしやがって‥殺すぞゴラァ!」

 

 

「おーおー、怖い顔ですねぇ。せっかくです、

君たちが生き延びられるか占って

差し上げましょう。」

 

 

吠える秀夜を見ながらマンティコアは近付き

人間態になる。服装からして占い師らしき

人物のファントムはカードをシャッフルしながら

俺たちの前に座り込み一枚の

カードをかざしてきた。

 

 

「ほぅ、死神‥‥残念ですねぇ〜、

君たちの命は‥絶、望、的、デス。」

 

めっちゃ腹立つ言い方でマンティコアは

カードを見せてくる。そこには死神が描かれた

『DEATH』と書かれたカードだった。

 

 

 

「テメェ!‥まち‥やがれ!」

 

「ま、まて‥‥!!」

 

 

「‥‥‥フン!」

 

 

「ぐぉっ!」

「あぐっ!?」

 

マンティコアが立ち上がり

その場を去ろうとするのを秀夜と俺は

足を掴み止めようとする。が、

頭を殴られその場に倒れこむ2人。

そしてマンティコアはそのまま

どこかへ行ってしまった。

 

 

倒れる2人をそれぞれの使い魔、

レッドガルーダとケルベロスが

互いを見て頷くとどこかへ去ってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

ショッピングモールから少し離れた場所にて。

 

 

 

「お前ら!一体どうゆうつもりだ!?

えぇ?みんなで寄ってたかって

俺の飯を邪魔しやがって!」

 

 

「じ、邪魔って‥君、襲われてたんだよ?

そんな状態じゃ食事も何もないでしょ?」

 

 

「は?襲われた?俺が?いつ?」

 

 

穂乃果がそう言うと少年は惚けてるように

聞いてきた為、穂乃果、海未、ことりは

互いの顔をみて首を傾げる。

 

 

「い、いつって‥、さっき襲われてた所を

晴希君が助けてくれたんだよ?☆」

 

 

 

「ん〜‥やっぱ生で見ると皆可愛いな‥。」

 

 

「へ?」

 

 

ことりが説明してると少年はボソっと

何かを呟き、聞き取れなかったことりは

声を漏らす。

 

 

「‥あ、いや!‥‥

晴希ってあの転生‥‥、あの魔法使いか!

あいつは俺を助けたんじゃない、

俺の食事の時間を邪魔したの!」

 

 

「だ、だとしても食事くらいで

そんなに怒らなくても‥」

 

 

「はぁ!?何言ってやがる!

こっちは命かかってんだぞ!?

そんな悠長な事言ってる暇ねーっつうの!」

 

 

海未の言葉に少年は反応して怒る。

すると少年からぐぅう〜と

お腹の鳴る音が聞こえてくる。

 

 

「はぁ‥‥ダメだ‥早くなんか食わねぇと‥」

 

 

そして少年はバタリとその場に倒れた。

 

 

「きゃーっ!?」

 

「あ、あの!大丈夫ですか!?」

 

「ほ、本当にお腹空いてるんだね!

海未ちゃんことりちゃん!

ウチまで連れて行くから運ぶの手伝って!」

 

 

突然倒れた少年を3人は抱えて

穂むらへと向かう事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

鉄道の橋の下にて。

 

 

 

 

「‥‥‥おや。」

 

 

 

 

「どうしてウィザードを見逃したの?

しかも2人‥‥。」

 

 

マンティコアがカードを持って歩いてると

前からメデューサが現れる。

 

 

「見逃してはおりません。あの魔法使い共は

苦しみ抜いて死ぬでしょう。」

 

 

「随分な自信だな!

‥‥けどアイツらはしぶといぞ?」

 

 

決定したかのようにマンティコアは言い切ると

いつの間にか背後にフェニックスが立って

そう言ってくる。

 

 

「‥‥では、フェニックス様に譲って

差し上げます。毒で弱った今の魔法使い共なら

あなたでも簡単に倒せるでしょう‥‥。」

 

「‥んだと‥‥!?」

 

 

反発するフェニックスにマンティコアは

一枚のカードをフェニックスの額に近付ける。

そこには『THE FOOL』と書かれていた。

 

 

「なるほど、愚者ですか‥‥。

フェニックス様は軽率な行動で、

身を破滅させるタイプのようですね。ほら!」

 

「っ!テメェッ!!」

 

 

「よしなさい。」

 

 

バカにする様な物言いでフェニックスは

苛立ち、カードを持っていた右手を振り払う。

が、メデューサに止められフェニックスは

舌打ちをするだけになった。

 

 

 

「さてと、逃げた男を見つけて‥

さっさと用事を済ませないと‥‥‥。

全てはワイズマンの為に‥‥。」

 

マンティコアは飛ばされたカードを拾い

扇子のようにパタパタさせてメデューサ達を

横切ってどこかへ去って行った。

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

穂むらにて。

 

 

 

 

「へへっ!ここが穂乃果ちゃんの家かぁ‥!」

 

「ず、随分嬉しそうだねっ。」

 

「本当にこの人大丈夫なんでしょうか‥‥。」

 

 

倒れた少年を運び、穂むらへと来た

穂乃果達はとりあえず少年へなにか

食べさせようと穂乃果は1階で準備し、

海未とことりと少年は2階で待機していた。

家に着いた頃には少年は目を覚まし、

穂むらへ行くとなった途端元気になったのだ。

 

 

 

「お待たせ〜!饅頭と和菓子、

後、ドーナツも持ってきたよ〜!」

 

 

「おぉ!待ってました!てか、なんか

悪りぃなっ、飯食わしてくれるなんてっ。」

 

 

「いえいえそんなっ、是非食べてください。」

 

「ちょっと海未ちゃん!これ穂乃果が

用事したんだからねっ!?」

 

 

海未に穂乃果が突っかかっていると

少年は鞄からマヨネーズを取り出し、

皿に乗ってある食べ物にぶちまけた。

 

 

「えっ?ちょっ!?」

 

 

「いっただっきあーす!‥‥あむっ!」

 

 

「「「えぇぇぇ‥‥‥‥。」」」

 

 

大量にかかったマヨネーズの

プレーンシュガーを口に入れる少年を

穂乃果、海未、ことりはどん引きしていた。

 

 

「うん、美味い!どうだお前らも!」

 

 

「あ、いえ‥私達は‥‥うっ。」

 

 

「ちょっとぉ、‥‥無理かな‥‥?」

 

 

少年にマヨネーズののった

饅頭を差し出され海未は

気分悪そうな顔になり、

ことりも顔が引きっつっている。

そして穂乃果は、

 

 

「ちょ、ちょっと!

ウチのお饅頭に何かけてるの!?

変なものかけないでよっ!」

 

 

お怒りでした。

 

 

 

「変なものじゃない!マヨネーズだっ。」

 

 

笑顔でマヨネーズを見せる少年。

そこには『いただきます』と書かれていた。

 

 

「変だよ!変すぎるよっ!」

 

「私も流石にこれは‥。」

 

 

「はぁ?何だよっ。」

 

否定する穂乃果と海未に不満なのか

少年はマヨネーズを天井へ掲げる。

 

 

「マヨネーズは!世界で一番偉大な

調味料、いや、食いもんだ!

ほら、一口食ってみろって!」

 

 

「絶対おかし‥むぐっ!?」

 

 

「「穂乃果(ちゃん)っ!?」」

 

少年に無理矢理口の中に

マヨネーズプレーンシュガーを

入れられる穂乃果。だが、

 

 

 

 

 

 

 

「‥ん?‥‥美味しい‥?うん!これ美味しい!」

 

 

「「えぇぇえええっ!?」」

 

 

予想外の反応に海未とことりは驚愕する。

 

 

「美味しいよこれ!ほら、ことりちゃんも!」

 

 

「えぇ!?いや‥‥ピィッ!?」

 

 

味覚がおかしくなったのかと思う2人の内、

ことりに穂乃果はドーナツを口の中へ入れる。

 

 

「‥‥‥美味しい‥。」

 

 

「こ、ことりもですか!?」

 

 

「でしょでしょ!?ほらほら海未ちゃんも!」

 

「意外とイケるよ海未ちゃん☆」

 

「ぜ、絶対いりません!!」

 

 

次々とマヨラー化していく穂乃果達を見ながら

少年は一通り食べ終わると溜息を吐いた。

 

 

 

「ん〜〜‥‥、やっぱり餓死しそうだ‥。」

 

 

「‥‥え?」

 

 

マヨラー化してない海未は少年の言葉に

反応して声を漏らす。すると少年は

大きい鞄を持って立ち上がる。

 

 

「ごちそーさーん。」

 

 

「え!?あ、あの待ってくださ‥‥!

‥‥‥‥‥‥もしもし海未ですっ。

‥‥‥‥希先輩?」

 

 

そのまま帰る少年を呼び止めようとするが

突然海未の携帯が鳴り、電話に出ると

相手は希だった。

 

 

「え‥‥?‥‥‥‥晴希が!?」

 

 

 

 

 

 

「ことりちゃん、お刺身とかでも

マヨネーズいけるのかな‥?

他のパンも試してみようよ!」

 

「うんっ。あ、明日の学校のお弁当、

マヨネーズ持ってくるねっ☆」

 

 

海未の深刻な電話最中に、

マヨラー化した穂乃果とことりは

完全に汚染されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

晴希の家にて。

 

 

 

 

 

 

 

「晴希君!」

「晴希っ!?」

「晴希君っ!」

 

 

「シッ!静かにっ。」

 

 

希からの知らせを受け、

飛んできた穂乃果達は

看病をしている希、にこ、真姫、

そしてソファーで横たわる晴希と‥‥。

 

 

 

「‥‥え!?この人‥!」

 

「紫の魔法使いの人‥‥!?」

 

穂乃果とことりが反応する。

晴希の隣に布団を敷かれて倒れてるのは

顔色が変わった秀夜だった。

 

 

「ちょっと、ファントムにやられてな‥

俺がピンチなとこにこのクソが来たんだけど、

‥‥見事にクソみたいにやられやがったよクソが。」

 

「て、テメェ‥‥クソクソ言い過ぎなんだよっ‥

殺すぞボケが‥‥!」

 

「はぁ‥‥?やれるもんならやってみやがれ‥

余裕ぶっこいたヘボ魔法使い‥‥!」

 

「テメェッ‥‥!表でやがれぇ!」

 

 

 

 

「やめって言ってるやろ!」

 

 

「‥‥すみません‥。」

「‥‥‥‥ちっ。」

 

 

毒で参ってる晴希と秀夜が子供みたいな

喧嘩をしてるのを希が止めに入る。

 

 

「さっきからずっとあの調子。

あの2人知り合いなわけ?」

 

 

「一応、知り合いなのかしら‥。」

 

 

キッチンで座るにこと看病してる真姫が

そう話しながら晴希達を見る。

 

 

「一体どうしたの‥!?晴希君と‥え〜と‥」

 

「‥‥‥藍崎秀夜だ‥‥‥。」

 

 

言いかけた穂乃果に秀夜はボソリと自身の

名前を言う。‥‥そいやぁ、

こいつの名前聞いてなかったな。

どーでもいいけど。

 

 

「秀夜君だね!私は高坂穂乃果、

こっちが南ことりちゃんに園田海未ちゃん!

で、西木野真姫ちゃんに、矢澤にこ先輩!

そして東條希先輩だよ!で、何があったの?」

 

 

「ちっ、そんないっぺんに言われても

覚える気ねーよっ‥‥‥ぐっ!」

 

 

「ちょっと‥‥毒にやられてな‥‥うぅっ!?」

 

一通り自己紹介した穂乃果に秀夜は

舌打ちすると晴希と共に毒の激痛が走る。

 

 

「毒‥‥!?」

 

「えぇ‥‥!?」

 

「そんな‥‥‥!」

 

 

「しかもかなり危険の状態なんや‥‥。」

 

「早く血清を打たないといけないんだけど‥。」

 

驚く2年生組に希と真姫は深刻な顔をする。

が、秀夜は静かに笑い出す。

 

 

「っは!‥‥ファントムの毒に

血清もクソもあるか。

この世界の医療じゃ‥治せねぇよ‥‥!」

 

「そ、そんな‥‥!?」

 

穂乃果が目を見開いて間に受けると

突然晴希がよろよろと立ち上がる。

 

「ぐっ‥‥そういえばゲートは‥‥?」

 

「動かない方がいいよっ!」

 

「ごめん、あの人いつの間にか

いなくなっちゃった‥‥‥。」

 

「今、ユニさんとクーさんに

探してもらってます。」

 

「あ、ガルちゃんとケロちゃんにも

さがしてもらってるで。」

 

「っ!テメッ、人の使い魔勝手に

使うんじゃねぇ‥‥っ!」

 

 

俺が聞くとことりに座らせられ、

穂乃果、海未、希が答え、

ケロちゃんとは秀夜の使い魔の事だろう。

勝手に使われて弱々しく吠える秀夜。

 

 

「そうか‥‥‥うぅっ。」

 

 

とりあえず安心した俺は一気に力が抜け

再びソファーに横たわった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

「ん〜‥、早く俺の飢えを満たしてくれる

奴らを探さないと‥‥せっかく出たのにあの

晴希って魔法使いめ‥‥。」

 

「待ちなさい‥‥。」

 

 

少年は川の近くを愚痴を言いながら歩いていると

突然、ハゲと古臭い衣装をきた中年男性が現れる。

 

「‥‥‥?」

 

 

「君を占って差し上げましょう‥。」

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

「いやー!なんかわりぃな。

ただで占ってもらっちゃってよ!」

 

 

「いや、君の相が少し気になったものでね‥

‥‥‥んん!?これは!?」

 

「いやいや、言わなくていい!

俺の中で渦巻くもんが、俺の命を蝕んでる。

そぉ言いたいんだろ?」

 

「‥‥あ、ぁぁ。よくわかったね‥‥。」

 

占い師に案内されこの先の橋の下で占って

もらってる少年は、『THE MAGICIAN』

というカードを出されたが、分かってるかの様に自身で答え、苦笑いしながら占い師は頷く。

 

「かなり絶望的な暗示が出ているが‥‥、

見た所、君はまだ絶望しきっていないようだね‥

君には何か心の支えでもあるのかね‥‥?

あるのなら、是非聞かせてくれないかね‥?」

 

「‥心の支え‥‥?」

 

占い師は立ち上がり、

少年の絶望のきっかけを探ろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

晴希の家にて。

 

 

 

「ーーッ!ーーッ!」

 

「バゥバゥッ!」

 

 

 

「あ、ガルちゃん、ケロちゃん見つけたの?」

 

「何やら騒いでますね‥。」

 

「ちょっと、病人いるんだから

静かにしなさいよ そこの2匹っ。」

 

ガルーダとケルベロスが慌ただしく帰ってきて

穂乃果と海未とにこが反応するが、

1番反応が早かったのは寝込んでる2人だった。

 

 

「‥‥!?ファントムか‥‥!?」

 

「へっ‥‥‥しかもそのゲートが一緒らしいな‥。」

 

 

「「「「「「えぇっ!?」」」」」」

 

 

俺と秀夜の言葉に全員が反応する。

俺は急いで立ち上がるとめまいを起こして

膝をついてしまう。

 

「晴希君!」

 

「ダメだよ無理しちゃっ!」

 

「そうよっ、毒でやられてるんだから!」

 

穂乃果、ことり、真姫が駆け寄るが

俺は心配ないと手を振る。

 

 

「じっとしてても治る訳じゃない‥‥

なら動けるうちにやれることやっとかないと‥!

ファントムを倒せるのは‥‥俺とそこで

死んでる奴しかいないから‥‥!」

 

 

「あ、待って!」

 

 

晴希はそう言って薄いジャケットを羽織り

家を出て行き、穂乃果、海未、ことりは

後を追いかけ家を出た。

 

 

「‥‥ふん。相変わらずめでたい奴だなぁ‥。

‥‥‥テメェと一緒にすんなっての‥‥!」

 

 

「あ、秀夜君っ!」

 

「どこ行く気?」

 

秀夜もよろよろと立ち上がると希は駆け寄り

敵意でにこは睨みながらそう聞いていた。

 

 

「‥気が変わった。あいつの死ぬとこを

拝めてくる元気は残ってるんでな‥‥!

こいケルベロス。」

 

秀夜はそう言ってケルベロスを肩に乗せて

家を出て行った。

 

 

「もう、魔法使いは皆命知らずなの!?」

 

「とにかく追うわよ!晴希もあぶないわっ!」

 

 

真姫、にこの順番で言って家を出て行き

希はタロットカードを取り出すと

1枚のカードを引き当てる。

 

 

 

 

「‥‥‥これは。スピリチュアルやね!」

 

 

 

 

そのカードを見て驚き、希も家を出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー

 

 

 

「つまりだ!ピンチはチャンスってこと!

意味分かるよな!?あー皆まで言わなくていい!

俺の言葉に感激してんだろ!?いやー照れるなぁ!」

 

 

「は、はぁ‥‥。」

 

「だろだろ!?アンタもさ、

人占う商売やってんだったらさ!

そうゆう人生のアドバイスをもっと積極的に

やっていった方がいいと思うぜ!?」

 

「そ、そうだな‥‥。

参考にさせていただきます‥‥。で。」

 

 

「で?」

 

絶望のきっかけを聞くと思いきや

その少年に何故か占い師のアドバイスを言われて

淡々と喋り出す少年に聞くことしかできず、

ようやく本題に戻ることができた占い師。

 

 

「私が知りたいのは、君の心の支えだ!」

 

「あ、あんた‥‥‥!いい奴だなぁ!!」

 

「ヘ?」

 

聞こうとすると突然両肩を掴まれ

涙目になり始める少年。

 

 

「見ず知らずの俺の心の支えを聞いて

励まそうとしてくれてるんだろ!?

あー皆まで言わなくていい!

おっちゃんは実はそうやって

人を元気づけてきたんだろ!?

いやー!いい奴だよほんと!」

 

「あ、いやそれには訳が‥。」

 

「ん?訳?」

 

「あ、なんでもない‥‥。」

 

 

占い師本人も思っているだろう。

こんな人間は初めてだと。

思わず本来の目的を言いそうになるほど

調子を狂わせる少年だった。

 

 

「‥?でも!俺なら大丈夫だからよ!」

 

「なに?」

 

少年にそう言われて眉をピクリと動かす占い師。

 

 

「さっきも言っただろ!?

ピンチはチャンスだって!」

ってことは!俺にとっちゃ

絶望も希望になっちゃうんだよなこれが!

ハッハッハッハッ!」

 

 

「そんなことはあるかぁ!」

 

 

「えっ!?」

 

堪忍袋が切れたのか叫ぶ占い師にびっくりする少年。

 

「もういいわい、直接

私が聞いてみることにしよう。

君の心の支えをね‥。」

 

 

 

「よせっ‥‥!」

 

 

占い師が少年に手を出そうとした瞬間

晴希たちが駆けつけてくる。

 

 

「それ以上はプライバシーの心外ってもんだ‥」

 

「はっは!‥言えてるわ〜、ウケる‥。」

 

 

「お前!?さっきの!‥‥と、

なんか増えてる‥ってうおぉ!

希ちゃんににこちゃんに真姫ちゃん!?」

 

 

穂乃果とことりに支えられてる晴希が

そう言うと希と真姫に支えられてる秀夜が笑う。

また来たのかと少年は振り返ると何故か

希とにこと真姫の名前を呼んで興奮していた。

 

 

「ゔぇえ!?何っ!?」

 

「何でウチらの名前を?」

 

「‥‥あ、もしかしてファンの人〜?

やーん、にこ困っちゃう〜ッ。」

 

にこの仕草は放置っといて‥‥、なるほど。

今回のゲートはμ'sのファンか‥。

 

「おい!‥クソ虫!‥とっとと‥正体だせよ!」

 

声が擦れながらも秀夜が叫ぶと

少年は占い師の方を見る。

 

 

「え?‥ファントム?‥‥‥うぐっ!?」

 

 

「‥まーだ生きてたのか、間抜けな魔法使い。

邪魔はよしてもらおうか?」

 

 

少年の首を掴み、顔に怪物の顔が浮かびあがり

正体を見せたマンティコア。

 

 

「っ!?うぉおおおお!

ピンチはチャンスぅぅ!!」

 

 

「‥え?‥ぐわっ!?」

 

 

少年がマンティコアを見て叫ぶと

晴希はウィザーソードガンの銃モードで

マンティコアを撃つ。

 

 

「おっらぁ!!」

 

 

「ぐわっ!?」

 

怯んだ隙に秀夜がウィザーソードガンの

剣モードで斬りつけて転がるマンティコア。だが秀夜も膝をつく。

 

 

「クッソ‥気分悪い‥!」

 

「なら‥休んでろ、足手まといだ‥‥。」

 

「はぁ?‥‥フラフラのテメェに

言われたく‥‥ないですけど!?」

 

 

「オイオイオイ!何だよ何で2人もいんだよ!?

食事の邪魔だっつーの!」

 

「「うるせぇ‥‥!」」

 

 

少年は立ち上がると晴希と秀夜の喧嘩に

入り三つ巴になる3人。

 

 

「ちょ、ちょっと!こんなとこで喧嘩しないでよ!」

 

「男はなんで喧嘩っ早いのですか‥!」

 

「ど、どうしよう穂乃果ちゃん‥!」

 

「わ、私に言われても‥!喧嘩しちゃダメだよー!」

 

にこ、海未、ことり、穂乃果の順番で

揉めてる3人に向けて叫ぶが聞いていない。

 

 

「テメェら引っ込んでろ!‥俺が片付ける!」

 

「瀕死のお前が何言ってるんだよ!

お前らがどいてろ!」

 

 

「だーかーら!話の途中で!」

 

 

少年が言いかけてる最中に

予め出しておいたウィザードライバーを

晴希と秀夜はシフトレバーを動かし

お互いのフレイムリングとダークネスリングを

ドライバーにかざした。

 

 

「変身。」

「変身!」

 

 

「無視すんじゃねーよ!?」

 

 

 

《エラー》

《エラー》

 

 

「「!?」」

 

晴希と秀夜のドライバーは

エラー音しか鳴らず、秀夜は何度もかざすが

やはりエラー音しか鳴らなかった。

 

 

「‥ち!‥‥マジかよ‥。」

 

「毒のせいで魔力が‥‥。」

 

 

 

「っ!晴希君!秀夜君!まえ!」

 

焦る俺と秀夜に穂乃果が叫ぶと

マンティコアが声を荒げてこちらに

走ってきていた。

 

 

「っ!どけっ!」

 

「え、どわぁ!?」

 

 

「おらぁ!ふん!」

 

俺は急いで少年をどかして

秀夜はマンティコアに拳や蹴りを入れる。

 

 

「ぁあくそ!!‥‥あれ!?どこだ!?」

 

 

どかされた少年は急いで何かを探そうと

身体中のポケットに手を突っ込む。

 

 

 

「でぇやぁ!」

 

「はぁあっ!!」

 

 

 

「‥‥フン。はっ!」

 

 

「「ぐぁああっ!!?」」

 

 

俺と秀夜はそれぞれ一撃を与えるが

生身ではビクともせず、マンティコアは

2人の胸部を殴り吹き飛ばす。

 

 

「晴希君!?あ、‥‥‥血が!?」

 

「きゃあっ!?」

 

「無理するからや!!秀夜君も!」

 

 

吹き飛ばされた俺と秀夜は

尻尾で刺された傷口が開き

再び出血しだす。

 

 

 

「私の毒を受けたその身体で

戦えるわけないだろう。」

 

 

「ーーーッ!!」

 

「ーーーッ!」

 

身を寄せ合う俺たちの前に

グールまで出現し槍を構えだす。

 

 

「くっ!‥‥絶体絶命ってやつか‥。」

 

「おい赤い魔法使い、テメェが囮になりやがれ。」

 

「はぁ?お前がなれよ。それと

俺は操真晴希だ!」

 

 

「ちょっと!こんな時に喧嘩しないでよ!?」

 

「も、もぉ!意味わかんない!」

 

相変わらず喧嘩する2人に

穂乃果は止めて真姫は叫ぶ。

 

 

 

 

 

「あー!あったぁ!」

 

 

「え?」

 

 

 

先ほどからそわそわしてた少年は

突然何かを見つける。

俺達は全員少年を見ると

その少年の手には

見たことない形の指輪を持っていた。

 

 

 

一つ、右手の中指に付けると

それをベルト部分らしき物にかざした。

 

 

 

《ドライバー オン!》

 

 

ウィザードライバーと異なった音声が鳴ると

少年のベルトは何やらゴツいドライバーへ

形を変えた。

 

 

「‥‥!?」

 

マンティコアやグールは警戒し

標的を少年へと変更する。

 

 

「は?‥なんだありゃ‥‥?」

 

「あ、あいつ‥!?」

 

秀夜、俺はみたことないドライバーや指輪を

見て、まさかと思い始める。

それは穂乃果達も同じ考えだろう。

 

 

少年は左手の中指に顔の形をした

変身リングを付けると左手を掲げる。

 

 

 

 

「変〜〜〜身!!」

 

 

 

 

魔法の言葉を言いながら

両腕を大きく回し、勢いよくCの文字を

表すようなポーズで右に身体を傾け

ドライバーへかざすのではなく、

左のくぼみに変身リングをはめ込む。

 

 

 

 

《SET!Open!!

 

L!・I!・O!・N! ライオーン!!》

 

 

 

 

 

テンションの高い音声が鳴り響き、

はめ込んだ変身リングを回転させると

ドライバーの檻の様な物が展開し、

中から黄金に輝くライオンのレリーフが現れる。

 

「でやっ!!」

 

 

少年は掛け声と共に両手を広げると

真正面に俺達とは異なった魔法陣が現れ

少年の身体を通り抜ける。

そして少年はライオンをモチーフにしたような

金色に輝く戦士に姿を変えた。

 

 

 

「俺の名は!二藤攻大!(にとうこうだい)

そして、魔法使いビーストだ!!

やっと飯にありつけるぜぇ!!」

 

 

 

 

 

「‥‥マジか。」

 

「‥マジで?」

 

「マジ、だね‥‥。」

 

「魔法使い‥?」

 

「げ、ゲートではなかったのですね‥!」

 

「意味わかんない‥‥‥。」

 

「お、同じくよ‥‥‥ビーストって‥。」

 

「ビースト‥‥まさか‥‥‥。」

 

 

まさかの魔法使い登場に

俺、秀夜、穂乃果、ことり、海未、真姫、

にこ、希の順番で驚愕する。

 

 

 

「‥‥!古の魔法使い‥‥だと!?

ワイズマンの言葉は

本当だったのですか‥‥!?」

 

 

マンティコアも驚き、

グール達をビーストに突っ込ませる。

‥‥古の魔法使い?

彼はそうゆう由来なのか?

その言葉を聞きながら俺は

魔法使いビーストを見た。

 

「さあさあ!食事の時間だ!

ガオッ!!」

 

 

ビーストは両手を合わせてそう言うと

獣のような掛け声で前方の

2体のグールの首を掴む。

 

 

「ガオガオガオッと!!!」

 

 

掴んだグールをそのまま地面へ

叩きつけ、最後に首を折ってダウンさせる。

そしてビーストは立ち上がると

ドライバーに手を当て小さい魔法陣が現れる。

そこへ手を入れると専用の武器だろうか

騎士が使うようなサーベルの形をした

武器を取り出す。

 

「行くぜー、ダイスサーベルの剣撃

お前らも味わいな!」

 

 

ビーストはそう言ってダイスサーベルを

フェンシングのように構え

グール達を突き刺していく。

 

 

「ーーー!」

 

 

「へへっ、とう とう とうっ!」

 

 

周りのグールを倒すと後方にいるグールに向けて

ダイスサーベルを突き出す。

するとダイスサーベルの剣先から魔力の弾の

ようなものが飛び出しグールに当てて爆散した。

 

 

 

「今日は食べ放題だぜぇ!!」

 

 

全グールが爆散するとビーストは

ドライバーに手を当てる。

すると爆散したグールから

ビーストの魔法陣が倒した分だけ現れ

なんとドライバーの中へ吸い込まれていく。

 

 

 

「な、何だありゃ‥‥?」

 

「あいつ‥‥魔力を食っている‥‥?」

 

 

秀夜が首を傾げてると俺はそう答え

μ'sの皆もその言葉に驚く。

 

 

 

「‥‥‥ふぅ。よし、後はお前だけだな!

腹減ってるんでな!さっさと食ってやるぜ!」

 

 

ビーストはマンティコアにそう言うと

リングホルダーからカメレオンの形をした

指輪を取り出し右手の中指に付ける。

そして手を振り上げドライバーの

右のくぼみにはめ込む。

 

 

《カメレオ!》

 

はめ込むとまたウィザードライバーと

違った待機音声が流れる。

 

 

 

《ゴーッ!カカッ、カッカカッ、カメレオー! 》

 

 

そしてドライバーから指輪を外すと

音声が鳴り響き、緑の魔法陣が

ビーストを通り抜け、その右肩には

カメレオンをモチーフにした

マントらしきものが現れる。

 

 

「何ですそれは?フン‥!!」

 

マンティコアも初めて見るスタイルに

首を傾げながら剣を取り出し駆け出す。

 

 

 

「へっへ!‥‥‥すい〜‥‥‥。」

 

 

「っ!?消えただと!?」

 

 

 

ビーストのカメレオンの指輪が発光すると

ビースト自身がまるでカメレオンの様に

姿を消す、いや透明化した。

 

 

「ど、どこだ!?ぐわっ!?」

 

「こっちこっち〜。おら!」

 

「ぐぁっ!?こ、こっちか!」

 

「残念こっち〜!!」

 

透明化したビーストにマンティコアは

戸惑う。そして背後、横、真上から

ダイスサーベルで斬りつけてるのか

剣撃音が聞こえマンティコアは怯む。

 

 

 

「とぉっ!!」

 

 

「ぐわぁぁっ!?ちぃ!」

 

 

「うわっと!?なんだっ?」

 

 

 

ビーストは姿を現してダイスサーベルで

斬りつけマンティコアを飛ばす。

するとマンティコアは猛毒の尻尾を出して

ビーストに攻撃してくる。

 

 

「っ!気を付けろ!それは毒の尻尾だ!」

 

 

「はぁ?毒?あーあーあー!

ちょろいちょろいぶっ!?」

 

 

「あっ!?だから言っただろぉが!?」

 

「‥‥あいつはバカなのか‥?」

 

 

 

俺は叫ぶがビーストは余裕満々で

マンティコアに背中を見せしまい、

そこへ毒の尻尾が刺される。

秀夜が静かに呟くほど

バカ丸出しのやられ方だった。

 

 

 

「君も彼らの様に同じ苦しみをしたまえ。」

 

 

マンティコアはそう言ってビーストや

俺たちを見てあざ笑う。

 

 

「んーーー!なんのこれしきっ!!」

 

 

ビーストはそう言って力を振り絞ると

イルカの形をした指輪を右手につけて

ドライバーの右のくぼみにはめ込んだ。

 

 

 

《ドルフィー!ゴーッ!

 

ドッドッドッドッ、ドルフィー! 》

 

 

 

先ほどと同じ仕草で指輪をくぼみから取り外すと

右サイドから青い魔法陣が現れ

カメレオンのマントがイルカのマントへと

スタイルチェンジした。

 

 

BGM 〜BEASTBITE 攻大version〜

 

 

 

「そうか、お前らも毒にやられたんだな!

仕方ないな、ついでだ!」

 

 

ビーストはそう言うとイルカの指輪が発光し、

イルカのマントのついた肩を大きく振り上げる。

 

 

「はっ!!」

 

 

 

「「っ!?」」

 

 

「っ、晴希君!秀夜君!?」

 

 

イルカのマントから青い光が出てきて

ビースト、そして俺と秀夜にそれが

被さるように当たると

身体の痛みが見る見るうちに和らいでいく。

 

 

「‥‥嘘だろ‥‥?」

 

「毒と‥痛みが消えた‥‥?」

 

 

「「「「「「ええっ!?」」」」」」

 

 

俺と秀夜は身体を確認する。

先ほどまで激痛だったのが無くなり

毒の症状も治った。刺された傷は癒えてないが

痛みはさほど感じない。

 

 

「治癒の魔法だ。傷は治せねえがな!

くぅ〜!他の魔法使いを治すなんて!

俺っていい奴ー!あー言わなくていい!

わかってる!俺は素晴らしい奴だってな!」

 

 

ビーストは1人で話を進めて

マンティコアに振り返る。

 

 

 

「私の毒が‥効かないだと!?」

 

 

「やっぱりうちの占いが正解やったな‥。」

 

マンティコアが戸惑うと希がそう言って

一枚のカードをマンティコアに見せる。

そこには『ANGEL』と書かれた

天使のカードだった。

 

「毒でやられてる晴希君を占ったんよ。

こんな事で晴希君達はヤられるわけないってね!」

 

 

「わ、私の占いが外れただと‥‥!?」

 

「うちのスピリチュアルパワーに

デタラメな占いは通用せえへんで!」

 

 

ドーンと希はそう言ってドヤ顔を決める。

いやーなんというか流石希さん‥。

 

 

 

 

「‥‥‥ってことになるな。さて、

そろそろメインデッシュ!いただくぜ!」

 

 

「くぅ〜!!おのれぇええ!!」

 

希の会話を聞いてビーストは相づちする。

マンティコアは毒が効かない事に腹立たせ、

ビーストに突っ込んでいく。

ビーストは決め台詞らしきものを言うと

ダイスサーベルのダイスを回転させる。

 

 

《シックス!ドルフィー!

セイバーストライク!!》

 

 

「おっしゃあ!6!

行くぜぇええ!!」

 

 

サイコロの数字が6でなのか

ビーストは喜びながら音声と共に

ダイスサーベルを構える。

 

 

 

「はぁぁあ‥‥‥‥ガオッ!!」

 

 

ビーストの真正面に魔法陣が現れ

掛け声と共に振りかざすと

イルカの形をしたエネルギー体が

合計6体。マンティコアに放たれる。

 

 

 

 

「ぐぅっ!ぐはっ!ぐわぁああああっ!!」

 

 

その攻撃をマンティコアは受け、

ダメージに耐え切れず爆散した。

 

 

そして先ほどのグールみたいに

ビーストの魔法陣が現れ

ドライバーの中へと吸い込まれていった。

 

 

 

「‥‥‥ふぅっ‥‥‥ごっちゃん!!」

 

 

ビーストは手を合わせてそう言うと

その場を去ろうとする。

 

 

「お前‥‥もしかして‥‥。」

 

 

去ろうとするビーストを俺は止めて

言おうとすると。

 

 

 

「あぁ!皆まで言わなくていい!

そう!‥‥神のおっちゃんって言えば

わかるよな!?」

 

 

「!?」

 

「はっ!‥てことは3人目かよ。」

 

 

ビーストの言葉に俺と秀夜は反応する。

間違いない、こいつは3人目の転生者だ。

 

 

「‥?髪のおっちゃん?」

 

「3人目ってなぁに?☆」

 

穂乃果とことりは話がついていけず

首をかしげる。それは他のメンバーも

同じ気持ちだろう。

 

 

 

「まぁ!一つ忠告しといてやる!

お前らだけで、ハーレムなんて

考えるつもりだろうがそうはいかないぜ!」

 

 

「「‥‥‥は?」」

 

 

ビーストの突然の忠告に俺と秀夜は

声を合わせてしまう。

 

 

「実は内心焦ってるだろ!?

俺の登場でこいつら

持ってかれるんじゃないかって!」

 

「いやいや意味がわからn」

 

「あー!大丈夫!言わなくていい!

まぁ、焦る気持ちもよーく分かる!

お前はイケメンだ!お前もな!

だが、俺も負けらんねぇぜ!

次会うときはライバルだかんな!そんじゃ!」

 

 

「あ!ちょっとっ!!」

 

 

1人で話を進められたかと思いきや

そのまま去ってしまった。

‥何?ハーレムって。ライバル?

んー‥‥わかんねぇ。

 

 

「「「「「「‥‥‥。」」」」」」

 

 

何故かμ'sのメンバーはポカーンと口を開けて

俺たちの光景を見ていた。

な、なんなんだよ一体‥‥。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

翌日。音ノ木坂学院にて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『今日から転入してきた二藤攻大だ!!

宜しくなみんなー!!』

 

 

 

 

 

「えええええっ!?」

 

 

 

全校集会、講堂にて。

全生徒の前で堂々と自己紹介をする

あの少年、二藤攻大はなんと編入してきた。

ど、どうなっちゃうのぉ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、仮面ライダーウィザード

 

 

 

「新しい男子生徒よ!」

「うはーっ。凄いテンションあがるんだけど!」

 

「ハラショーやね、えりち。」

 

編入してきた攻大により生徒はざわめき出す。

 

 

「俺もμ'sに入る!お前だけ

おいしい思いさせねーっつうの!」

 

「いや‥さっきからなに?」

 

まさかの攻大加入!?

もうめんどくさがる晴希。

 

 

「ことりちゃん‥‥?」

 

「コトリ!?What!?

ドーナタデェスカ!?」

 

街中で会ったメイド服のことりちゃん!

え?メイド服?

 

 

「ぐはっ!?俺‥死んでもいい‥!」

 

「くっ‥気が合うな‥俺もだ‥!」

 

鼻血を出して倒れる攻大と晴希!

一体何が!?

 

 

第21話 ことりのワンダーゾーン




はいしょーくんです!(^^)

うむ‥‥詰め込みすぎて2万いきそうだぜ‥( ゚д゚)

さて来ました!マヨラーの魔法使い!
転生者はこれで3人!この先どうなる!?


評価、感想があれば是非お願いします(^^)

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