ラブウィザード! 〜希望の柱〜   作:しょくんだよ

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オリ主
主人公紹介

操真晴希 (そうまはるき)

年齢17歳
A型
身長176㎝
好きなもの 仮面ライダー 、ドーナツ
嫌いなもの 孤独 、いじめ

ラブライブの世界に転生された高校2年生の少年。
そして仮面ライダーウィザードになれる魔法使い。
特撮の番組が大好きで特に気に入ってるのが
仮面ライダー。前の世界ではフィギュアや変身ベルトなど
ちょくちょく買っている痛い子だった。
顔もブサイクでその顔でいじられたりなどしていたから
学校ではほとんど喋らず
友達など趣味が合う話ができる奴らしかいなかった。
ラブライブの世界に来てから晴希は
お金もあり、一人暮らし、顔もイケメン
頭はー、普通。運動神経抜群。本当願ったり叶ったりな設定だ。
そして彼は念願の仮面ライダーになれて興奮する事もしばしば。


第1話の朝は密かに鏡の前で変身ポーズの練習
をしt「あー!あー!早く先進めてくれ作者さん!」


(´・Д・)

「なんだよ!変身ポーズとか決めたい年頃なんだよ!悪いか!」

‥‥早く始めましょう。


「‥‥‥はい。」


第2話 音ノ木坂のスクールアイドル

「今日から編入してきた操真晴希です。

よろしくお願いします。」

 

音ノ木坂学院の2年の教室で机から立ち、

自己紹介をする俺、操真晴希。

 

ふむ、皆はなんで頬が赤くなって俺を見ている‥?

な、何か顔についてしまってるのか?

 

「ちょっと、近くで見るとかなりイケメンじゃない?」

 

「どーしよー、めっちゃかっこいいっ。」

 

「彼女いるのかな?後で話し掛けようかな〜」

 

聞き慣れない言葉に俺は聞かなかった事にした。

 

朝の登校中に知り合ったこのラブライブの世界の主人公、

高坂穂乃果と幼馴染の園田海未、南ことり達と出会う。

そして音ノ木坂学院に向かう途中、

晴希こと、ウィザードが闘う敵、

〝ファントム〟と出くわした。

俺は初めて仮面ライダーへと変身して、

グールを倒す事が出来た。

その後穂乃果、海未、ことりに質問攻めをされたが

昼飯の時間に話すことになった。

 

え?なんで正体明かしたって?

だって仮面ライダーになれるんだぜ⁉︎

そんなん考える暇なかったんだよっ。

ド派手に闘ってもおおやけにはならないって

神様が言ってくれたから、じゃあ遠慮なく

みたいな感じだったんだよっ。

‥おっと、話が脱線したな。

 

今気掛かりなのは

上位クラスのファントムは逃してしまった事だ。

まぁ、またいずれ現れるだろう、、問題は‥

 

 

「(この中に‥ゲートが‥?)」

 

あの場には生徒が沢山いたから誰がゲートなのか

確認できなかった。

 

「それじゃあ、朝起きた不審者の件は先生たちがなんとかする。

皆は帰る時になるべく集団で帰るよーに。

それと、初めての男子生徒で戸惑うかもしれないが、

これは理事長が決めたことだ。

文句がある奴は理事長に言うんだぞ。」

 

 

 

「「「「「ないでーす!」」」」」

 

 

うわ⁉︎びっくりしたっ。

え?なんでみんなハモってんの?女子校に男来たんだよ?

普通拒否るのが当たり前じゃないのか?

てか、朝の事件不審者扱いか。

まぁ、あの場で俺の変身見たのは

穂乃果たちぐらいだから

俺が巻き込まれる心配はないだろう。

 

 

「よしよし、先生も異論はないぞ。」

 

 

おめぇもか!

 

 

 

ジャージ姿で体育科のこの人は俺らのクラスの担任、

山田 博子だ。山田先生が先ほど言ってた

理事長が決めたこと、

それはこの学校が共学化になった事だ。

 

このクラスに案内される前に理事長の案内で

講堂で全校生徒の前に立ち、

挨拶をしたのだが

(マジで恥ずかしかった。)

その時に聞かされた事。

 

 

 

 

この学校が廃校になる事だった。

 

 

 

 

この件は俺も分かる。

今年入ってきた1年はなんと1クラスなんだ。

これは流石にびっくりした。

 

教室に案内される時に学校を見てたのだが

そこまでボロボロじゃない。

パンフレットの通り歴史のある伝統的な学校だ。

 

年頃の女の子はこんなところ行きたくないんだろか‥

そう思い、先生は授業をし始めた。

 

 

 

 

あと、2つ言わせて欲しい

 

 

 

 

1つはさっきから背後の席の穂乃果の視線がなんかこわい。

 

俺なにかしましたデショウカ?

 

 

 

2つ目は理事長先生はなんとことりのお母さん。

 

教師ではなく理事長でしたか‥。

しかもかなり若かった。

お姉さん?って思うほど、これマジで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「晴希君、人気だねぇ。」

 

「え?そうか?」

 

授業が終わり屋上で昼飯を食べる事になった

俺、穂乃果、ことり、海未の4人。

 

パンをバクバク食べてる穂乃果はなぜか不機嫌だった。

 

「晴希君、かっこいいからかな〜?」

 

「これほど顔が整った殿方は中々いませんからね」

 

ことり、海未が喋ると俺の顔を見てきた。

み、見ないで来れませんか? 顔が赤くなる俺。

 

「あ、あの‥食べづらいす‥」

 

「あ、ご、ごめんなさい‥」

 

それに気付いて海未は慌ててそっぽを向いた。

んー、可愛いじゃないすか。

 

「ちーがーう!かっこいいとかそんなんじゃなくて!

最初に話しかけたのは穂乃果なんだよ⁉︎

私が最初なのに皆寄ってくるから話しにくくなるじゃん!」

 

俺はあなたの私物か何かですか?

 

「まてまてまて、今ゆっくり会話できてるだろ?」

 

俺の言葉にあ、そっか。と言ってパンを持ちながら

手を叩く。天然は面白いな。

全く穂乃果は‥とため息をつく海未と

苦笑することり。

 

女の子とご飯を食べるなんて初めてで

箸がぷるぷる震えてしまう。落ち着け俺ーっ。

てか、穂乃果はそんなに俺と話がしたいのか?

嬉しいじゃねぇか コノヤロウ。

 

 

「晴希君!朝のアレってなに⁉︎」

 

穂乃果が勢いよく近づいて聞いてきた。

あ、俺と話すのじゃなくてやっぱ魔法の事か‥‥

って近い近い近い、近いよ⁉︎⁉︎

 

「穂乃果。」

 

ぐいっと穂乃果の襟を引っ張る海未。

ナイスだぜ。

 

「それについては私も気になります。

貴方は何者なんですか?それに、あの怪物は何なのですか?」

 

「あの鳥さんは晴希君のペット?」

 

海未、ことりもそれぞれの疑問を出してくる。

 

 

「そうだな、まぁ、先ずはあの怪物についてだが

あれはファントムっていう化け物だ。

ファントムは俺ら人間の精神世界

〝アンダーワールド〟にいる奴らの事だ」

 

 

「人間の‥精神世界?」

 

穂乃果が首を傾げる。

いきなりこんなこと言っても理解できねぇよな。

ましてやこの子は頭悪そうだし。

 

「今、穂乃果の事バカにしなかった?」

 

「ごめんなさい。」

 

こ、こいつエスパーかよ⁉︎

 

「人間の精神世界にいるって事は‥‥

わ、私たちの中にもあのような

‥ば、化け物がいると言う事ですか?」

 

 

海未が顔を青くしながら俺はその言葉に首を振る。

 

 

 

「人間全てにはいるわけじゃない。

俺ら人間の中には〝ゲート〟という

強力な魔力をもった人たちがいるんだ。

あいつらファントムはそのゲートをもった人間の心を

絶望させ、その絶望させた人間のアンダーワールドを

食い尽くし、生み出されるのが奴らファントムだ。」

 

 

「‥‥そ、その食べられた人はどうなっちゃうの‥?」

 

ことりはおそるおそる聞いてくるが

はっきり言った方がいいだろうな。

 

 

 

 

 

 

「砕け散る。‥死んでしまうってことだ。」

 

 

 

 

 

3人は目を見開いて血の気が引いたかのように

サァっと顔が青くなる。

流石に女の子にはかなりこわい話だよな‥。

 

「‥‥生み出されたファントムは

元の人間に擬態する事が出来て、新しいファントムを

生み出そうと行動してるんだ。今朝の様にな‥」

 

「そんな‥‥なんで急に‥‥?」

 

「ファントムを使って世界征服とかするつもりだろう。」

 

その疑問は軽く流しておこう。神様が手違いでやらかしたなんて

絶対そんな馬鹿げた話、信じないだろう。

 

「じゃあ、‥晴希君は?なんで、魔法使いに?」

 

 

俺が魔法使い、正確には仮面ライダーだけど。

その答えは嘘をつく必要はないな。

 

 

「この力はファントムから人々を守る為に

とある人からくれたものだ。

だから俺は人々の希望となるために、

仮面ライダーウィザードの力を手に入れた。」

 

「希望‥。」

 

「仮面‥ライダー‥。」

 

「ウィザード‥魔法使いですか‥。」

 

こんなくさいセリフ、間に受けるんだな‥

かなり感動したわ。

 

 

「まぁ、そんなわけだ。だから安心してくれ。

お前達に何かあったら俺が絶対、必ず守ってみせる。」

 

その言葉が恐怖で暗い顔をしてた3人の顔が

安心したのか少しずつ笑顔を見せてくれた。

 

「あ、それと俺がウィザードってことはなるべく

喋らないでほしい。」

 

世間にバレても神様がなんとかしてくれそうだけど

まぁ、一応、念のためってやつだな。

 

「うん、分かった。じゃあ、穂乃果からも

約束してほしいことがあるの。」

 

真剣な顔でこちらを見てくる穂乃果。

 

「無茶な事はしないこと。怪我とかしちゃダメだよ?」

 

 

はい、女の子に心配されました。

もう心残りはございませぬ。

 

「大丈夫だ。こう見えても結構頑丈だからな。」

 

ふっはー!やる気出てきたぞー!

テンションが上がった俺は

魔力が切れて活動停止したガルーダリングと、

新しい指輪、ユニコーンリングと

クラーケンリングを取り出し、ベルトにかざした。

 

 

 

《ガルーダ!

 

ユニコーン!

 

クラーケン!プリーズ》

 

 

テンションの高い音声と共にプラモの形から素早く

組み立てられ、ウィザードの使い魔、〝プラモンスター〟

レッドガルーダ、ブルーユニコーン、

イエロークラーケンが召喚された。

 

「うわぁ‥‥可愛い!」

 

「鳥さん以外にも馬さんとタコさんがいるー!」

 

「こ、これも魔法なのですか?」

 

「まぁね。俺の使い魔さ。」

 

ことり、穂乃果、海未がそれぞれ使い魔を見て言う。

俺は海未の言葉に答えながらそれぞれの

プラモンスターにリングをはめる。

 

「それじゃ、この辺りにファントムがいないか

様子を見てきてくれないか?」

 

俺の指示に3匹のプラモンスターは頷き、

屋上から姿を消した。

 

んー、ユニコーンもクラーケンも可愛い‥。

 

「ねぇねぇ!他にどんな魔法があるの⁉︎」

 

穂乃果がまるで幼い子供の様に目をキラキラさせながら

俺を覗き込んでくる。いちいち顔が近いですこの子。

すると、海未が手をパンパンと叩いて

残りの3人は海未を見た。

 

「私も興味ありますが穂乃果、ことり、練習しますよ。」

 

「えぇえぇっ、練習より晴希君の魔法が見たいよー!」

 

「ダメです。今日お昼に少しでも練習したいと言い出したのは

穂乃果ではありませんか。」

 

「朝したからいいじゃーん!」

 

「ダメです。」

 

「海未ちゃんのいじわるーっ!」

 

穂乃果と海未がギャーギャー騒いでる間に

俺はことりに話しかけた。

 

「なぁ、練習ってなんかするのか?」

 

「ダンスの練習だよ☆」

 

今思ったがこの子の声めっちゃ可愛いらしい声してるな。

一瞬脳がやられそうになっちまったぜ。

 

だけど、それも一瞬。俺はことりの言葉に

この世界のメインと言えるものを思い出す。

 

 

「あー、ラブライブか。」

 

「晴希君知ってるの?」

 

ことりが聞いてくる。

 

「そりゃアニメで見‥‥そりゃ有名だからな。

ことりたちもラブライブに出るのか?」

 

ひゃー!あぶねぇ‥

気を抜いたらボロが出てしまうな。

気をつけないと‥

 

「ラブライブはまだ先の話かな〜‥。

今のことりたちは明日の講堂のライブが

今の課題かな〜」

 

「え?講堂でライブするのか?」

 

「そーなんだよっ!」

 

「うおっ!?」

 

さっきまで海未と喧嘩してた穂乃果がいきなり

会話に入ってきた。

 

「明日のライブ、晴希君も来てくれるよね⁉︎

いや、ぜったい来てね!」

 

「強制的に誘わないでください。」

 

海未が後ろから穂乃果の頭を軽くチョップしながら言う。

 

「ライブか‥‥」

 

「穂乃果ちゃん。言わないの?」

 

俺が悩んでるとことりが言って、

穂乃果は思い出したように俺の手を掴んできた。

ワォッ!

‥‥っじゃない‼︎何んだっ?

 

 

「晴希君!私たちのアイドルグループ、

μ'sに入ってくれませんか⁉︎」

 

「μ's‥‥?あ、石鹸?」

 

「違います。」

 

あれ?違った?

てか、俺がアイドルグループに?

アイドルに混じって人前で踊れと?

まぁそんな訳ないよな。

 

 

 

「私たちと一緒にライブに出よう!」

 

 

はい、無理でーす。

女の子グループに男がいたらキモいだけでーす。

 

「穂乃果っ。晴希さんから

ダンスを教えてもらうはずですよね?」

 

「じょ、冗談だよっ。半分だけ。」

 

 

半分は本気かよ。この子たまに

恐ろしい発言しやがるな‥

 

「え?俺にダンスを?何で?」

 

「晴希君の戦い方、すごく

カッコよくて綺麗だった。」

 

頭にはてなマークを浮かべる俺に

ことりが言ってきた。

 

「あれだけの身のこなしは

並の鍛え方ではできないはず。」

 

「もしかしたらダンスもできるんじゃないかな

って思って聞いてみたんだけど。」

 

海未、穂乃果も俺に言ってくる。

 

あの戦い方はウィザードの見様見真似で

やってみただけだからなぁ‥

ダンスなんて全くやったことな‥‥

 

「まてよ‥。」

 

 

そういえばあるじゃないか。

〝ダンス〟ができる指輪。

 

「よし、一発踊ってやる。」

 

そう言って立ち上がる。

穂乃果たちはおぉーと拍手をしながら

座り、俺を眺める。

俺はダンスリング指にはめ、ベルトにかざした。

 

 

 

《ダンス・プリーズ》

 

 

 

「さぁ、ショータイムだっ。」

 

 

どこからかあのOPが流れ出す。

この歌大好きなんだよなーっ。

 

 

俺は身軽な身体を活かし、

自然に頭の中にはいってくる

ポップダンスのイメージを踊ってみせた。

 

うお‥なんの練習もしてないのに。

すごい動く。とゆうか、‥‥

ダンス超楽しいじゃんっ‼︎

 

曲が終わってポーズをとると

穂乃果たちは口を開けて俺をずっと見ていた。

そして、

 

「す、凄いよ晴希君っ‼︎」

 

「こ、これほどまでとは‥感服しました。」

 

「も、持ち帰っていいかな‥‥?」

 

拍手しながら俺のもとにくる3人。

ちょっとことりさん、貴方何言い出すの?

 

俺もびっくりだ。

このダンスリング‥

もう使わなくてもさっきの踊りができるぞ。

そんな能力だったか‥これ。

 

「いやいや、俺なんかど素人だよ。

この指輪のおかげで踊れただけだから。」

 

「それでも!あんな動きはできないよ!

次は穂乃果たちの番だね!

海未ちゃんっ。ことりちゃんっ。」

 

「よぉし、ことりも負けないよぉーっ。」

 

「私も燃えてきましたよ。」

 

3人は軽くストレッチをしながら準備しているなか、

俺は時計を確認する。

 

「あのー、御三方、君たちの踊りは放課後までお預けだ。」

 

俺が言い終わると昼休みが終わるチャイムが鳴った。

 

 

「「「あ」」」

 

 

 

俺らは授業に向かうべく屋上を後にした。

1人かなり不満気な子を

ことりと宥めるのは大変だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

廃墟のビルにて

 

 

「フェニックス様‥‥」

 

ミノタウロスは階段の上にいる赤い鳥のような怪物

フェニックスに頭を下げる。

そしてフェニックスはフェンスを飛び越え

ミノタウロスのもとに着地する。

 

 

「おいおい、派手にグールまで出しといて

人間如きに失敗するとはどうゆうことだ‥あぁ?」

 

 

そう言い終わるとフェニックスは人間態になり、

赤い服をきた男になった。

 

「申し訳ございません‥‥

見たことのない指輪の魔法使いに出くわして

妨害をされました。」

 

「は?指輪の魔法使い?なんだ?

バカにしてんのか?」

 

 

「指輪の‥‥魔法使い‥‥

ウィザード‥‥か‥‥?」

 

「っ、‥‥メデューサ様‥‥」

 

ミノタウロスの後ろから顔だしたのは

頭に蛇がうねうねと動く女性らしき人物、

メデューサ。

 

「メデューサ、なんだ、そのウィザードってのは?」

 

フェニックスがメデューサに問いかける。

 

「さっき、〝ワイズマン〟から新しい情報を聞いたの

我々の邪魔をする、忌々しい存在‥。

ミノタウロス、次は本気で挑みなさい。」

 

そう言ってメデューサはグールを作り出す魔法石を

いくつかミノタウロスに渡した。

 

「我々のファントムの為すべき事はゲートを

絶望の淵に追い込み、

新たなファントムを生みだすこと‥‥

ワイズマンがもう一度、

新しいこの世界でサバトを開くためにね‥」

 

メデューサは言い終わると人間態に戻り、

紫の服を着た女性が現れる。

 

「承知いたしました‥

必ずや人間を絶望させ、

ファントムを作り出してみせます。」

 

「ならとっとと行ってこい!

指輪の魔法使いだかなんだか知らねぇが、

構わねぇ!そいつも捻り潰してやりな!」

 

「はっ‥‥‥」

 

ミノタウロスの肩を叩く

フェニックス。ミノタウロスはその場を後にし、

姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

「まさか穂乃果が男を連れてくるなんてねぇ‥」

 

「てか、音ノ木坂に男いたっけ?」

 

「もぉ、2人して!友達なんだから連れて来ちゃ悪いの⁉︎」

 

「あはは‥」

 

俺、操真晴希は穂乃果、海未、ことりの

3人に連れてかれ、穂乃果の家、

和菓子屋「穂むら」に来ている。

来て早々、穂乃果の母親と妹、雪穂に

ジロジロと見られた。

 

「3人共、上に上がってて〜。私お菓子持ってくから」

 

そう言ってことりと海未は2階に上がっていき、

俺も上がろうとした時だ。

 

 

「こんばんはー。」

 

「あら、網野さん。いらっしゃい。」

 

玄関から1人の男が現れた。

ふむ、お客さんかな?

 

「こんばんは穂乃果ちゃん。おや?

この方は‥‥‥彼氏さんかい?」

 

「こんばんは!って違いますよ!

網野さんまでなんですか⁉︎」

 

「はっはっは。あぁ奥さん、いつもの饅頭を一箱。」

 

「はいはい、いつもありがとうございます。」

 

そう言って穂乃果の母親は饅頭を取り出して

会計をする網野。

 

「ほら、晴希君も先に上がっててっ。」

 

「わ、わかったから押すなっ。」

 

穂乃果に押されながら晴希は2階に上がっていった。

 

 

 

 

 

 

「ところで穂乃果ちゃん、

そのペンダント綺麗だね。」

 

「あ、これですか?これは亡くなったおばあちゃんの

かたみでもあって私の希望なんです!」

 

 

「希望‥か‥

今は大事にするといい、それじゃ、失礼するよ。」

 

 

「「「ありがとうございましたー。」」」

 

 

「(最後の網野さんの顔‥なんか、

怖い笑い方だったような‥)」

 

「穂乃果、早くお菓子持っていってあげなさい。」

 

「はぁーいっ。」

 

 

 

 

 

ーーー

 

穂乃果家の2階で、俺たちは明日の講堂のライブの

打ち合わせをしていた。

俺は観客の方で見守る立場だが

彼女たちの踊りは放課後で見させてもらった。

踊りは俺もダンスリングを使って一瞬で覚えて

色々とコーチらしい助言する事ができ、

なかなか様になっていた。

 

ダンスリング、マジスゲェっす。

 

曲はどうやら音ノ木坂の1年生が作った曲で

かなりの完成度だった。

俺も気に入ってスマホに入れてもらった曲を

ちょいちょい聞いて口ずさんでいるほどだ。

 

そして、今悩んでいる事があった。

 

「‥‥。」

 

海未が隅っこで体育座りをして落ち込んでいた。

なんでかって?

どうやら人前で踊るのが今になって恥ずかしいらしい。

 

まぁ、分かるぞその気持ち。

 

 

「海未ちゃんっ。そんな時はお客さんを野菜だと思えって

お母さんが言ってたよ!」

 

「野菜‥‥‥‥‥っ‥、

私に1人で歌えと⁉︎」

 

何を想像したんだね君は。

困った顔をする穂乃果とことりに、

俺は海未の肩に手を置いて喋った。

 

 

「海未、人前に出るのが恥ずかしいのは

俺も分かる。でも、ここで逃げたら穂乃果たちと

今までやってきた練習が全部無駄になっちまうぞ?」

 

「そ、それは確かにそうですが‥でも‥」

 

「でもじゃない。それに、海未1人で歌うわけじゃないだろ」

 

俺はそこで穂乃果とことりを見る。

 

「そうだよ、私たちもいるんだから、

一緒に頑張ろ?海未ちゃん。」

 

「頑張って支えるから、ね?」

 

「穂乃果‥ことり‥‥」

 

穂乃果とことりは海未の

手を掴む。

 

「‥‥わかりました‥私、頑張ります。」

 

「やったぁー!」

 

「ありがとう海未ちゃんっ。」

 

よし、なんとか火つけれたみたいだな。

 

「あ、そうだ、これっ。衣装なんだけど

さっきお店で最後の仕上げしてもらったの。」

 

ことりがそう言って紙袋から

それぞれピンク、青、黄緑の

ライブの衣装をじゃーんと言って取り出した。

 

「うわぁー!可愛いっ!

本物のアイドルみたい!」

 

「本当?ありがとうっ。本物ってわけには

行かないけどなるべくそれに近く見えるようにしたつもりっ。」

 

「これは本当すげぇな‥よく作ったなことり。」

 

「えへへ、晴希君にも褒められちゃった☆」

 

いちいち可愛いなちくしょう。

おや?海未さん、どうしてそんな口開けて唖然としてるのかな?

 

「ことり!」

 

「は、はいぃ⁉︎」

 

急にガシッとことりの肩に手をおく海未。

 

「言ったはずです‥スカート丈は

膝下までなければ履かないと‥‥」

 

どこからか法螺貝が聞こえそうな勢いでことりを見つめる海未。

 

 

 

 

助言も面倒なので俺はその場を眺めるだけにした。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

なんとか海未を了承させ、

海未、ことりを家に送ろうとした時、穂乃果も

一緒に行くことになり、

夜の道を4人は歩いていた。

そして穂乃果の提案で明日のライブを成功しようと

神田明神にお参りにきた俺たち。

 

「明日のライブが成功‥

いや、大成功しますように!」

 

「自信ありありだな。」

 

「うん!必ず成功させる!」

 

「ねぇみんな。絵馬に明日の

ライブ成功を書いておこうよ。」

 

ことりが絵馬のある場所に指を指しながら告げる。

 

「そうですね、では、書きましょうか。」

 

「あ、みんな先に行っててっ。もっと念をこめて

お参りしてから行くよ!」

 

穂乃果はむむむむと手をすり合わせながら

賽銭箱と睨めっこしていた。

その姿に俺は笑いながら穂乃果以外の3人は

絵馬へと向かった。

 

 

ーー

穂乃果part

 

 

明日は必ず成功させる!

おばあちゃんやお母さんが通っていた学校の為に‥

みんなと頑張ってきたんだ‥!

 

私は胸のペンダントを強く握りながら

深く決意した。

 

 

 

「こんな夜遅くに神頼みかい?」

 

ふと、後ろから声が聞こえたので振り返るとそこに

網野さんが立っていた。

 

「網野さん‥‥?どうしたんですか?こんなところで。」

 

 

私がそう問いかけると、網野さんの顔になにか

浮かび上がり、やがてそれは、今朝みた怪物になった。

 

「え、‥‥嘘‥」

 

え?あれ?網野さんが?え?

私は頭の中が混乱した。

 

怪物は私に近づきペンダントをちぎり取った。

 

「あ!ちょっ、返し‥!」

 

 

次の瞬間、怪物は私のペンダントを握りつぶした‥。

 

 

「あ、あぁ‥‥!」

 

おばあちゃんの‥‥おばあちゃんの形見が‥

穂乃果は地面に座り込み、

形見が壊された事に絶望した。

すると、穂乃果の身体がひび割れていく。

 

「えぇ‥?いやっ、いやぁぁぁぁあ!」

 

突然の出来事に穂乃果は叫ぶ。

 

 

「こんなものが希望だなんて笑わせてくれる‥さぁ、

お前も絶望させて新たなファントムを生み出せ‼︎」

 

 

嘲笑うかのように怪物は穂乃果のペンダントを足で

ぐりぐり潰しながら告げた。

 

 

 

 

 

 

その時、

 

 

 

 

 

 

「ぐわっ⁉︎」

 

突然の衝撃に怪物の角が折れ、

怪物は地面に倒れこむ。

 

 

「あ‥は、晴希‥‥君。」

 

 

そこには銃らしき武器を構えた晴希が立っていた。

 

 

ーーーーー

 

「穂乃果がゲートだったなんてな‥

俺としたことが‥‥」

 

静かに拳を作り、腰を殴る晴希。

その肩にはガルーダが乗っかっている。

絵馬を書いてる途中にガルーダが知らせてくれた為

すぐに駆けつけることができた。

 

「穂乃果!」

 

「穂乃果ちゃんっ!」

 

海未とことりも駆けつけ穂乃果を見る。

彼女の身体はすでにゲートの侵食が進んでいて、

徐々に身体のあちこちにヒビが入っている。

 

「海未!ことり!ガルーダも穂乃果のとこへ!」

 

俺の言葉に2人と1匹は穂乃果のもとへ駆けつける。

 

 

「指輪の魔法使い!お前にかかわってる暇はない!」

 

 

「奇遇だな。俺も同じだ。」

 

俺はドライバーオンリングをベルトにかざす。

 

 

 

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

 

 

 

晴希のベルトはウィザードライバーに変わり、

ドライバーのシフトレバーを上下に動かした。

 

 

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!》

 

 

リズミカルな音声と共に晴希は左手の

フレイムリングのバイザーを下げ、

 

「変身!」

 

ドライバーにかざし、大きく左手を

横に振り上げる。

 

 

《フレイム!プリーズ

 

 

ヒーヒー ヒーヒーヒー‼︎》

 

 

左から魔法陣が現れ晴希の横を通り

仮面ライダーウィザードへと姿を変える。

 

 

 

「行くぜ、ショータイムだ!」

 

 

俺は決め台詞を口にし、ミノタウロスへ向かった。

 

 

 

「いけ!グール!」

 

 

ミノタウロスが取り出した魔法石を地面にばら撒くとそこから

グールが湧き出てきてウィザードに迎え撃つ。

ウィザードは愛用の武器

〝ウィザーソードガン〟をソードモードに変え、

グール達を切りつけていく

 

「今日は相手してる暇ないんだ!悪いがすぐに

ケリをつける!」

 

ウィザードは空中に跳躍し、

ウィザーソードガンの手の形をした

バレットスプリングを開き、

ハンドオーサーにフレイムリングを握手するように

かざした。

 

 

《フレイム!スラッシュストライク!

ヒーヒーヒー・ヒーヒーヒー》

 

 

待機音声と共に炎を纏ったウィザーソードガンを

グール達に切りつけた。

炎を纏った攻撃にグール達は耐えきれず爆散する。

 

「よし、残るはお前‥うわっ⁉︎」

 

 

着地したウィザードにミノタウロスは

角で突進攻撃を繰り出し、ウィザードは吹き飛んだ。

 

「はっはっは!どうだ?俺の角の威力は!」

 

そう言ってミノタウロスは

四つん這いになり、左手足を蹴り上げ突進攻撃を繰り出す。

 

「ってー‥同じ手には引っかかるかっての。」

 

俺はデイフェンドリングを右手につけ

ドライバーにかざした。

 

 

《デイフェンド!・プリーズ》

 

 

接近してくるミノタウロスに手をかざすと

炎の壁のようなものが作り出されその壁に

ミノタウロスはぶつかる。

 

「あ、あつ⁉︎あつあつ⁉︎」

 

頭に火がついて慌てて消そうとミノタウロスは

転げ回る。

 

「さぁ、フィナーレだ!」

 

 

俺はデイフェンドリングを外し、

キックストライクリングをつけ、

ドライバーにかざす。

 

 

《チョーイイネ‼︎

キックストライク‼︎

サイコー‼︎》

 

 

これまたテンションの高い音声と共に

ウィザードの右足に炎のエネルギーが収束していく。

 

そしてウィザードは華麗に側転、バク転を決め、

 

仮面ライダーの必殺技を‥

 

 

 

 

 

「でやぁぁぁああああああっっ‼︎‼︎」

 

 

 

 

ウィザードの必殺技

〝ストライクウィザード〟を放った。

 

 

「ぐ、ぐわぁぁぁあああっ‼︎」

 

それをくらったミノタウロスは

吹き飛び爆散し、ウィザードはそれに背を向け

決めポーズをとる。

 

 

「‥‥‥‥ふぃ〜‥」

 

 

決めたぜ‥サイコーにかっこいいぞ俺‥

っと、そんなこと考えてる暇はないな。

ウィザードは変身を解かずに穂乃果達の元へ駆け寄った。

 

 

 

「晴希さん!穂乃果が‥穂乃果が‥‼︎」

 

「穂乃果ちゃんっ‥!穂乃果ちゃん!」

 

 

2人は穂乃果の姿にどうすることもできずに

いたのか、涙を流し彼女の名前を呼んでいた。

穂乃果の身体はさっきよりヒビがかなり入っている。

いそがねぇと‥

 

 

 

 

 

「‥‥晴、希君‥‥。」

 

 

 

 

 

 

穂乃果は精神を壊されながらもしながらも晴希の名前を呼ぶ。

 

 

 

 

 

「私‥‥もぉ、ダメ‥なの‥‥かな‥‥‥‥

せっかく‥‥ライブする‥のに‥‥‥

ごめん‥‥ね‥‥‥みん‥な‥‥‥」

 

 

「諦めるな穂乃果。」

 

ウィザードは穂乃果にエンゲージリングを見せる。

 

 

「約束する。俺がお前の最後の希望になってやる。」

 

 

 

 

 

 

 

死なせない。

お前は、こんな俺に話しかけてくれた

唯一の

 

 

 

 

 

 

 

大切な親友だ。

 

 

 

 

 

 

「あはは‥‥へんな魔法使いさん‥‥‥」

 

そう言ってウィザードは穂乃果の指輪に

エンゲージリングをつけ、

ドライバーにその手をかざした。

 

 

《エンゲージ・プリーズ》

 

 

心地よい金の音色と共に穂乃果の上に

魔法陣が浮かび上がった。

 

「こ、これは‥?」

 

「穂乃果のアンダーワールドにはいる入り口だ。

これから穂乃果の精神を蝕むファントムを倒してくる。

そいつを倒せばもう穂乃果はファントムになることはない」

 

 

そう言ってウィザードは一歩前にでる。

 

するとことりがウィザードの手を掴んだ。

 

 

 

「お願い‥絶対穂乃果ちゃんを‥助けて‥‥」

 

 

 

涙を流しながらことりはウィザードに願った。

 

 

 

ウィザードは大丈夫だと頷き、

穂乃果のアンダーワールドへと

飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、仮面ライダーウィザード

 

 

 

「ここが‥穂乃果のアンダーワールド‥」

 

そこは幼い穂乃果と祖母が仲良く話している姿があった。

 

 

「いってぇぇ⁉︎なんだあのドラゴン⁉︎俺が主人だろ⁉︎」

 

呼び出したドラゴンに攻撃されるウィザード。

 

 

 

 

「やろう!その為に練習してきたんだ!」

 

講堂に立った3人の少女。

穂乃果の決意とは。

 

 

 

 

「で、これからどうするの?」

 

3人の前に立つ金髪の少女。

 

 

第3話 START:DASH‼︎




うぉー1万超えたー( ゚д゚)
ちょっと長過ぎたのでアンダーワールドは次回に回します。
申し訳ございません(>_<)
感想、評価などお待ちしています!(^^)

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