ラブウィザード! 〜希望の柱〜   作:しょくんだよ

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くっそう!
本当は一昨日辺りに投稿する予定でした
しょーくんです!

言い訳させてください!
取っておいたデータが消えたんですよ_| ̄|○
ショック大きすぎましたが
なんとかかけれました!
それではどぞ!

晴希「作者さんお疲れ様っす。」


第16話 エリーチカ

とある橋の下にて。

 

 

「ちっ、やっぱ力が戻らねぇ‥‥」

 

石段に座ってる

フェニックスは自身の手を握りそう呟く。

 

以前西木野総合病院でドラゴンの力を手に入れた

仮面ライダーウィザードによって倒されたが、

誰もいなくなったその夜、木っ端微塵になった

破片が一つに集まりなんと復活した。

 

これがフェニックスの能力。

どんなに倒されても前より強くなって蘇る。

ただし、復活して間もない時は魔力が戻らず

今挑んでもすぐにやられてしまうだろう。

 

フェニックスはウィザードに

やられた事を思い出し歯噛みをする。

 

「指輪の魔法使い‥!あいつを倒すまで、何度でも

蘇ってやるよぉ‥‥!」

 

 

 

「それって、何度もやられるってこと?」

 

そこへメデューサが現れ、小馬鹿にする様な言い方で

フェニックスに尋ねる。

 

 

「っ!!うるせぇっ!!!

ヴアああぁあああっっっ!!!」

 

 

当然短期なフェニックスは怒り

声を荒げながら身体から炎が出て辺りに撒き散らす。

 

少しだが前よりも炎が増してる事に気付き

メデューサはにぃっと笑う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

音ノ木坂学院部室にて。

 

 

 

「いや〜‥、この指輪は強いなぁ。」

 

新しいPVを撮影して数日、

俺こと操真晴希は部室で改めて新しい力の源、

フレイムドラゴンリングを眺めてそう呟く。

 

「でも、それって晴希君の中の

怪物が宿ってるんでしょ?」

 

「危なくないかにゃ‥‥?」

 

一緒に向かい側に座ってる

高坂穂乃果、星空凛は

指輪を見て心配そうにする。

それは同じく部室にいる

南ことり、園田海未も同じ考えだった。

 

病院の一件以来、少し話すのを遅れたが

俺は自身の中にいるドラゴンの事を

μ'sのメンバーに話した。

魔力の源がこいつであることを。

俺は昔絶望していたことを。

 

最初は皆驚いたが

それよりも心配してくれた。

いつでもウチに来ていいよとか、

家事手伝ってあげようかとか。

 

それ聞いた時は泣きそうになったよほんと。

本当にいい友達を持ったなって実感した。

 

そして心配する穂乃果と凛の頭を俺は撫でる。

 

「大丈夫だ、ドラゴンだって俺の中にあるからには

俺自身みたいなものだ。俺がしっかりしていれば

きっと使いこなせるから。心配してくれてありがとうな。」

 

 

「「‥‥‥っ。」」

 

笑顔で俺はそう言うと2人の顔が突然赤くなる。

 

 

「‥‥2人だけずるい。」

 

「そうですね‥。」

 

 

 

「え?なんて?」

 

「「なんでも(ない)(ありません)。」」

 

「え?あ、はい。」

 

俺が聞くと海未とことりは

怒ってる様な素振りでそっぽを向く。

あれ、なんかいけなかったのか‥‥?

 

するとそこへ。

 

 

 

「!はぁ‥っ‥!はぁ‥!」

 

部室のドアが開き、息を切らした

小泉花陽が入ってきた。

 

「は、花陽?どうしたそんなに焦って‥。」

 

「た、た‥助けてぇ!!」

 

「‥‥何を?」

 

突然叫ぶ花陽にどう反応すれば

いいか分からず穂乃果は首を傾げる。

 

「違うでしょ。」

 

 

「ん?おー、真姫。」

 

後から入ってきた

西木野真姫が花陽を落ちつかせて

花陽は軽く深呼吸をする。

 

「た、大変!大変なんです!

ラブライブが‥ラブライブが‥‥!

開催されることになったんです!」

 

 

「えぇっ!?ラブライブ!?‥‥‥

‥‥って何?」

 

知ってる様な反応して知らない反応。

俺は軽く身体を傾けてコケそうになった。

 

「知らんのかい。‥でも、

俺も〝初めて〟聞くな。

花陽、ラブライブって?」

 

俺がそう尋ねると花陽は急いで

パソコンを立ち上げサイトを開き説明しだす。

 

「ラブライブとはエントリーした

グループの中からスクールアイドルランキングの

上位20組までがライブに出場できる

ナンバーワンを決める大会です!

噂には聞いていましたけどっ、

ついに始まるなんて‥!」

 

スイッチが入った花陽は淡々と説明する。

簡単にまとめれば全国から

エントリーしたスクールアイドルが

ライブをネット中継し、戦いを勝ち抜いた

グループが決勝で頂上争いするという感じか。

 

「へぇ、そんなものが‥。」

 

「スクールアイドルは全国的にも人気ですし‥」

 

「盛り上がること間違いなしにゃー!」

 

その説明を真姫以外は花陽の後ろに立ち、

俺、海未、凛が口を動かす。

因み真姫は椅子に座り、

先に花陽から聞いたのか

半分興味なさげにこちらを見ていた。

 

「スクールアイドルランキングから

上位20組となると‥、1位のA-RISEは当然

出場として、2位、3位は‥‥ぁあ‥

まさに夢のイベント‥

チケット発売日はいつでしょうか‥、

初日特典は‥‥!」

 

慣れた手つきでキーボードを動かし

スマホを取り出して調べようとしてる。

こうして見ると本当別人だよな、

アイドル好きの花陽って。

 

「‥‥てか、チケット取らないと入れないって

随分本格的だな‥‥。」

 

「うん‥‥‥。って、

花陽ちゃん、観に行くつもり?」

 

「っ!当たり前です!」

 

俺と穂乃果がそう言うと

今までに見たことがない目付きで俺達を睨み

ガバッと立ち上がる。

 

「スクールアイドルは

今や世界的人気アイドルですよ!?

チケットなんてすぐに

売り切れてしまいます!

アイドル心揺さぶるこの

一大イベントですから

絶対!見逃せません‥‥!」

 

 

「わ、分かったから落ち着こう?」

 

花陽は興奮しながら俺と穂乃果に詰め寄る。

な、なんか怒られた気がする‥。

 

 

「アイドルの事になるとキャラ変わるわよね。」

 

「凛はこっちのかよちんも好きだよ!」

 

それを見る真姫はいつもの事見たいに言って

凛は昔から知ってるのか当たり前の様に言う。

 

 

「なんだ、私てっきり出場目指して

頑張ろうって言うのかと思った。」

 

 

「ゔぇえええええっ!?!」

 

 

 

穂乃果が苦笑して言うと

花陽は誰かさんみたいな声を上げて

部室の隅へ後ずさる。

 

 

「そ、そそそそそんなっ!?

私達が出場な、なんて恐れ多い‥!!」

 

 

「キャラ変わりすぎ‥。」

 

「凛はこっちのかよちんも好きにゃ!」

 

先ほどとは違い引っ込み思案になる花陽。

ちなみに俺もこっちの花陽の方がいいな。

 

「でも☆スクールアイドルやってるんだもん!

目指して見るのも悪くないかも☆」

 

「てゆうか目指さなきゃダメでしょ!?」

 

ことりの発言に穂乃果がつっこむ。

確かに目指すのも悪くないな‥でも。

 

「そうは言っても現実は厳しいわよ?」

 

真姫の言う通り、ラブライブの出場条件は

上位20組のメンバーのみ。

今のμ'sは50にも足してなかったはず‥。

 

「ですね‥確か、先週見た時は

とてもそんな大会に出られるような順位では‥

‥‥‥!穂乃果 晴希 ことり!」

 

海未は順位を確認する為パソコンで

μ'sのサイトを開くと突然俺達の名前を呼ぶ。

何事かと急いで一緒にパソコンを見ると

 

「あ、すごいっ!」

 

「おぉ、順位が‥」

 

「上がってるっ☆」

 

穂乃果、晴希、ことりの驚きに

真姫も予想外なのか立ち上がり

1年組もパソコンの前へと来る。

先週に投稿した新しい新曲PV

【これからのSomeday】の

動画サイトに沢山の高評価なコメントと

すごい数の再生回数があった。

そして1番の驚きはなんと順位が

30位以内まで上がっていた事だ。

スッゲェ‥‥。穂乃果達、何者‥‥?

 

「急上昇のピックアップ

スクールアイドルにも選ばれてるよ!」

 

「きゅ、急上昇過ぎです‥っ。」

 

ことりが嬉しそうにしてると

花陽は逆に申し訳なさそうに困り顔になる。

そしてふと、穂乃果は時計をチラリと見る。

 

「よぉし!この勢いで今日も練習頑張ろう!」

 

 

「「「おぉーっ!」」」

 

「うし、やるか。」

 

「分かりました。」

 

「早く行くわよ。」

 

そろそろ練習の時間なので

穂乃果が気合いを入れると

皆は掛け声をあげる。

俺、海未、真姫はそんな柄じゃないので

普通の対応でやる気を見せる。

 

 

 

ーーー

練習服に着替え

屋上へと向かう途中、

 

 

「本当すごかったな‥。

こんなに上がってきてるとその内

人気者になるんじゃないか?」

 

「えぇっ!?凛達人気者!?」

 

「‥‥‥そのせいね。」

 

俺と凛が先の事を例え話していると

真姫がぼそっと呟く。

 

「そのせい?」

 

「えぇ、‥‥実は最近、

校門前でいきなり中学生に声を掛けられたの。

写真撮ってもいいですかって。」

 

「えぇっ!?もしかして、出待ち!?」

 

 

「「「「出待ち!?」」」」

 

花陽がびっくりすると俺と真姫以外は

同じ顔で驚きだす。

 

「それで写真は!?」

 

「‥撮らせたわよ。

断ろうとしたらすごい悲しそうな顔

してくるからどうしようもなかったのよ。」

 

凛が聞くと頬を赤く染め髪をくるくる

いじりながらそう言う。

 

「出待ちか‥‥真姫も声かけられたんだな。」

 

「‥‥ん?も って‥?」

 

「あ、いや‥俺も声かけられたんだよ。」

 

 

「「「「「「えええぇえっ!?」」」」」」

 

 

ことりが首を傾げ俺が答えると

今度は全員が驚愕する。

突然大声だされて少々びっくりする自分。。

 

「なんで!?晴希君も!?‥あぅっ。」

 

穂乃果がぐいぐい近寄ってくるので

俺は穂乃果のおでこに人差し指を置いて

くいっと押す、そして嫌々でスマホの

ツイッターを開き穂乃果達に見せた。

 

「『女子校に謎のイケメン男子生徒現る』

‥‥‥‥‥ですか?」

 

「そうなんだよ‥‥。誰が上げたのか

知らないがものすごい迷惑なんだよな‥。」

 

いつの間にか貼られていたのは

下校中に撮られていたのか俺の写真が

ツイッターに貼られていた。

批判のコメントもあればなぜか

評価の高いコメントもある。

 

そして最近帰る途中で他校の女子生徒に

頻繁に声をかけられるようになった。

終いにはラインを聞いてこられたり

したのでかなり困ったものだ。

 

 

「あ、だから最近晴希君バイクで

帰ってるんだね。」

 

「あぁ、魔法を使って色々と工夫してな。」

 

穂乃果がそう聞くと軽くドヤ顔で返す俺。

こうゆう時に魔法って便利よな。

そんな会話をしてるといつの間にか

屋上へと辿り着く俺たち。

 

「晴希君、知らない人に

ついて行っちゃダメだよ?」

 

「俺小学生ですか?」

 

着いて早々、ことりの注意に俺はつっこむ。

そんな事する奴は凛と柵に手を掴み

なぜか落ち込んでる穂乃果ぐらいだろうな。

 

「うぅ、私‥出待ちなんて全然ない‥。」

 

「そうゆうこともあります。

アイドルというのは

残酷な各社社会でもありますから。」

 

穂乃果が落ち込んでると花陽が

慰めなのだろうか結構現実的な言葉で

励ましているがソレがひびいたのか

穂乃果からグサリという音が聞こえた。

 

「でも写真なんて真姫ちゃんも

随分変わったにゃ〜っ。」

 

「わ、わわ私は別に!」

 

凛が後ろに手を置きそう言うと

いつものツンデレ反応で対応する真姫。

本当、少し前まで写真嫌いだったのになぁ。

‥俺は相変わらず嫌いだけど、

むしろ盗撮されたから余計嫌いになった。

 

 

 

「皆!聞きなさい!重大ニュースよ!」

 

 

凛と真姫を見ていると屋上のドアが

勢いよく開かれ声を上げて走ってきたのは

部長の矢澤にこだった。

 

「あ、にこ先輩。」

 

「どうしたにこ?てか遅刻。」

 

「ふっふっふ、聞いて驚くんじゃないわよ

今年の夏、ついに開かれることになったのよ!」

 

あ、また無視ですか?

余程言いたいのか身体をもじもじさせて

笑顔でこちらに振り向くにこ。

 

 

「スクールアイドルの祭典がっ!」

 

 

「‥ラブライブ、ですか?☆」

 

言いたかった事を言うとことりが

サラッとその祭典を口にし、

にこの身体はピクリと固まる。

 

「‥‥‥‥‥知ってんの?」

 

「情報遅いにゃ。」

 

凛の言葉にさらにピクリと固まるにこ。

 

 

 

「‥‥ダメな先輩ね。」

 

「真姫、それは心の中で思っときなさい。」

 

「ぬぁんでよっ!?」

 

その横で真姫と俺がボソボソ会話してると

力の入った声でつっこむにこだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

生徒会室前にて。

 

 

「‥‥‥‥‥よし。」

 

「どう考えても、答えは見えてるわ。」

 

 

「学校の許可ぁ?認められないわぁ。」

 

「ぶふっ!?凛、それやめろっ‥。」

 

穂乃果は決心してノックしようとすると

真姫が止めて、生徒会の真似なのか

凛が腰に手を当てそう言った。

何気に似てたので俺は思わず笑ってしまう。

 

粗方練習を終えた後、

俺たちは生徒会室へと向かっていた。

大会のラブライブへ出場するには

学校の許可がいるらしい。

 

だが、許可をもらう前にまずは

生徒会に話を通さなければならない。

正直みんな引き気味である。

あのお堅い生徒会長の事だから

すぐに断られるに決まっているからだ。

 

「‥‥‥だよねぇ。

でも、今度は間違いなく

生徒を集められると思うんだけど‥」

 

穂乃果も分かってるらしく

ノックしようとした手を引っ込める。

 

「そんなの、あの生徒会長には関係ないはずよ。

私達の事を目の敵にしてるんだから。」

 

なぜか生徒会室の向かい側の教室の扉から

顔を出してそう言ってきた。

 

「ど、どうして私ばかり‥?」

 

「‥‥‥さぁな。」

 

花陽の疑問に俺はとりあえず首を傾げた。

ただ単に嫌ってるだけか、

もしくは、何かそれほどアイドルが嫌いな

理由があるのか‥‥‥。

 

「‥あ!もしかして学校内の人気を

私に奪われるのが怖くて!」

 

「「それはない(わ)。」」

 

「つっこみ早‥」

 

本当にどうでもいいボケだったので

俺と真姫は即座に返答し、

にこの入ってる教室の扉を閉めた。

 

「もう、許可なんて取らずに勝手に

エントリーすればいいんじゃない?」

 

「ダメだよ、エントリーするには

ちゃんと学校の許可がないとダメって

書いてあるもん。」

 

面倒くさくなったのか真姫はそう聞いてみるが

規則は規則なので花陽が注意する。

 

 

「なら、直接理事長に頼んでみたらどうだ?」

 

「え、そんな事できるの?」

 

「できたはずだ‥‥って穂乃果、

俺よりこの学校に1年多く滞在してるんだから

学校の規則事項見とこうよ‥。」

 

俺がジト目でそう言うと穂乃果は

いやぁ〜 と苦笑してごまかす。

 

「‥確かに、部の要望は原則生徒会を通じて

とは書いてありましたが、理事長の所に直接行く

ということは禁止されていなかったはずです。」

 

「そうね、そうしましょ。

こっちには親族もいることだし。」

 

 

「‥‥‥‥ふぇ?」

 

海未と真姫は賛同して俺たちは

理事長の愛娘、ことりを見る。

 

 

 

 

ーーーー

 

 

場所が変わり理事長室にて。

 

 

「‥‥‥。」

 

代表として穂乃果は

理事長室の前で固まっていた。

この学校の一番上的な存在。

 

面識は何度かあると言えど

やはり理事長と言う言葉だけあって

‥‥入りずらいっす。

 

「さらに入りにくい緊張感が‥‥、

晴希君、お願いします。」

 

「え、いやいや、ここは代表の穂乃果が

ノックするべきだろ?」

 

「晴希君の方がきっと

理事長も認めてもらえるよ!」

 

 

「そんな事言ってる場合じゃないでしょ。」

 

「「ごめんなさい。」」

 

穂乃果と俺が小競り合いしてると

真姫は腕を組んで叱ってきた。

くっ、怒られたじゃんか。

 

「穂乃果、覚悟決めときな。」

 

「わ、分かってるよぉ!‥‥っ!」

 

後がない穂乃果は勇気を出して

ノックしようとする、

 

が。

 

 

 

「おぉっ、お揃いでどぉしたん?」

 

「あ、希せ‥‥」

 

先に扉が開き現れたのは副生徒会長の

東條希だった。そして穂乃果が名前を

言い終わる前に扉は全開に開かれる。

 

 

「‥‥‥‥‥。」

 

 

「ぅあ!生徒会長!?」

 

希の横に不満そうな顔をして立っていたのは

生徒会長の絢瀬絵里だった。

 

 

「あらら。」

 

「タイミング悪っ‥。」

 

俺はバツの悪そうに苦笑いをし、

にこは嫌そうにボソっと呟く。

生徒会を抜けて直接理事長に

許可を貰おうとしたのにとんだ鉢合わせだった。

 

 

「‥‥何の用ですか?」

 

絵里は相変わらずの態度で

俺たちに用件を聞いてくる。

生徒会を無視して直接理事長に話がある、

なんて言いずらいのか穂乃果は俯いてしまう。

俺は軽く息を吐いて穂乃果の前に立とうとすると、

 

「理事長にお話があって来ました。」

 

突然真姫が割入って

穂乃果をフォローしてくれた。

‥ナイスだ真姫。だが。

 

「各部の理事長への申請は

生徒会を通す決まりよ?」

 

やはりそう簡単には通してくれないか。

真姫が理事長室に入ろうとすると

絵里が前に立ち、冷たい視線で

俺たちを見てくる。

 

「っ、申請とは言ってないわ、

ただ話があるのっ。」

 

「真姫、落ち着け 相手は上級生だぞ。」

 

苛立ったのか敬語を使ってない事に気付き

俺は真姫の肩に手を置き制した。

ピリピリと流れるこの緊張感の中、

突然絵里達の後ろからノックの音が聞こえる。

 

「どうしたの?こんなに大勢で?」

 

「理事長‥‥。」

 

絵里が反応する先にはこの学校の理事長、

そしてことりの母である南理事長が立っていた。

 

「理事長、少しお話がしたいのですが、

お時間よろしいでしょうか?」

 

「そんなにかしこまらなくていいわよ晴希君。

えぇ、構わないわ、どうぞ中へ入って。」

 

今度は俺が前に立ちそう言うと

理事長は笑顔で許可してくれて先に中へ入る。

俺たちも入ろうとするが、

流石に人数が多いので

1年組は外で待機して、

それ以外は入ることにした。

 

 

ーーー

 

 

「それで、話って何かしら?」

 

「あ、はい!実は‥‥‥。」

 

理事長の椅子に座る南理事長は

さっそく本題を聞いてくる。

緊張が解れた穂乃果は

ラブライブについて説明しだす。

 

「へぇ‥‥、ラブライブねぇ。」

 

説明している際にパソコンを立ち上げ

ラブライブのサイトを検索している理事長。

興味があるのか少し話に乗ってきている。

 

「はい、ネットで全国的に

中継される事になっています。」

 

「もし出場できれば、学校の名前を

みんなに知ってもらう事になると思うの。」

 

理事長の前に立っている穂乃果の隣の

海未とことりはそう言って説得してくれる。

その横では絵里、希。

そして彼女達の少し後ろでは俺とにこが

その場を見守っていた。

 

「理事長、私は反対です。」

 

「「「えっ?」」」

 

穂乃果達の意見にやはり絵里は

気にくわないのか否定してくる。

 

「理事長は学校の為に学校生活を

犠牲にするような事はすべきではないと

仰いました。であればっ」

 

「そうねぇ、でもいいんじゃないかしら?

エントリーするくらいなら。」

 

「!?」

 

絵里が話ている途中で理事長は

なんとエントリーの許可を認めてくれた。

やっぱことりの母親だけあって

のほほんとした雰囲気が何処と無く似てる‥

そして、納得できずに険しい表情になる絵里。

 

「本当ですか!?」

 

「えぇ。」

 

「ち、ちょっと待ってください!

どうして彼女達の肩を持つんです!?」

 

穂乃果達が喜ぶ つかの間、

絵里は許可する理由を理事長に聞く。

 

「別にそんなつもりはないけど?」

 

「だったら、生徒会も学校を

存続させる為に活動させてください!」

 

「う〜ん‥それはダメ。」

 

「‥意味がわかりません‥‥‥。」

 

‥‥それは俺も同意だ。

穂乃果達のエントリーは了承して

生徒会の仕事は許可できない、

軽く差別してないか?

理事長も生徒会の事を嫌ってる‥‥?

いや、先生がそんな事するはずないか‥。

 

「そぉ?簡単な事よ?」

 

「‥‥っ‥‥‥。」

 

絵里は納得出来ず、話にならないと思ったのか

一礼して理事長室を出て行く。

 

「えりちっ。」

 

希は心配なのか名前を呼ぶが

絵里は無視して出て行った。

 

「フン、ざまぁみろってのよ。」

 

「ただし、条件があります。」

 

にこが絵里に向けて鼻を鳴らしていると

理事長は真顔になり穂乃果達を見てくる。

‥やっぱそう簡単に許可だしてくれないよね。

 

「部活などで勉強が疎かになってはいけません。

今度の期末試験で、1人でも赤点を取るような事があったら、

ラブライブのエントリーは

認めれませんよ。いいですね?」

 

「あぁ、そうゆうことでしたら

楽勝です‥‥よ?」

 

条件はテストで赤点を取らなければいい。

なんだ、簡単じゃないか。そういえば、

もうすぐ期末テストだったな。

俺は安心して肩を緩めると、

前、横、背後から倒れる音が聞こえ

周りを見渡す。

 

「‥‥‥。」

 

「‥‥‥。」

 

「‥‥‥‥‥はぁ。」

 

まず、隣のにこが四つん這いになっており、

背後の凛は膝をついて涙目になっている。

そして前の穂乃果は壁に手をついて

心底溜め息を吐いていた。

 

「あ、あれぇ‥?」

 

「お、おわった‥さらば、

私のラブライブ‥‥。」

 

「いや、まだ何もしてないから。」

 

この状況にことりは冷や汗を流し

穂乃果はある意味絶望していた。

 

すっかり忘れてたわ‥ここには

どうしようもない3バカがいる事を‥。

 

 

 

 

 

 

ーーーー

 

部室にて。

 

 

 

「大変申し訳ございません。」

 

「ません。」

 

机に手を置き、土下座の要領で謝ってくる

穂乃果と凛。

 

「‥‥海未、穂乃果の成績ってどれぐらい?」

 

「小学校の頃から成績が上がった事は

本当にごく稀です。」

 

オー、ソレハヒドイ。

 

「穂乃果ちゃん、何がダメなの?」

 

「数学だけだよ!ほら、小学校の頃から

算数苦手だったじゃん!

よく、ことりちゃんにノートうつしてもらって

成績は維持できたけどっ。」

 

「おいコラ。」

 

俺は額に手を置いて溜め息を吐いてしまう。

海未もことりも大変だっただろうな。

 

「‥‥凛ちゃんは?」

 

「英語!凛は英語だけはどうしても

肌に合わなくて‥‥」

 

花陽が凛に聞くと凛はガバっと顔を上げ

苦手な科目を主張する。

 

 

「あー英語な。俺も苦手なんだよなぁ。」

 

「おー!やっぱり英語無理ですよね!

先輩も分かってくれてるにゃーっ。」

 

「あぁ、テストもどうしても95点以上

取れなくて‥本当難しいよなっ。」

 

 

「先輩なんて嫌いにゃーーーーっ!!」

 

えぇーっ‥。なんか怒られたよ‥。

 

 

「もぉ!凛達は日本人なのにどうして

外国の言葉なんか勉強しなくちゃいけないの!?」

 

「っ!屁理屈はいいのっ!」

 

凛が言い訳してると机をバンッと叩き

真姫は凛に顔を近づけ叱る。

 

「にゃ〜真姫ちゃん怖いにゃ〜‥。」

 

「これでテストの点が悪くてエントリー

できなかったら恥ずかし過ぎるわよ!?

せっかく生徒会長を突破したってのにぃ。」

 

本当に真姫の言う通りだ。

こんなのでエントリー出来なかったら

逆に他校から笑われてしまいそうだ。

さて、もう1人の方は‥‥。

 

「ま、全くその通りよ!

あ、赤点なんて絶対取っちゃダメよ!?」

 

「‥‥にこ先輩、教科書逆ですよ?」

 

「ふぁっ!?」

 

パソコンの机で勉強してるかと思えば

ことりの言う通り教科書は逆になっている。

‥‥穂乃果と凛より危ないなこの人‥。

 

「‥とにかく、試験まで私とことりは

穂乃果を、花陽と真姫は凛の勉強を見て、

弱点教科をなんとか底上げしていくことにします。」

 

海未の的確な判断で穂乃果と凛は渋々了承する。

 

「じゃあ、俺はにこの勉強だな。」

 

「に、にっこにっこにー!

私はだ、だだだ大丈夫よ!?」

 

「動揺する時点で大丈夫じゃないから。」

 

残った俺はにこの勉強を見ようとするが

にこは教科書を後ろに隠して否定してくる。

 

「えぇーっ!?穂乃果も

晴希君に見てもらいたいよぉ!」

 

「凛も先輩がいいにゃーっ!」

 

 

「‥おや?御二人は私達に見てもらうのが

そんなに嫌ですか‥?」

 

 

「「いえ!精一杯やらせていただきます!」」

 

海未の顔が鬼の様に怖い顔になり

ビビりながらも2人は了承した。

 

 

 

「うちも担当してええかな?晴希君。」

 

「え?あぁ、希さん。」

 

 

部室のドアが開かれ希が入ってきた。

いや助かった。3年の教科はまだ習ってない所があるから

俺一人だと苦戦すると

思ってた所だ。さすが希さん。

 

「いいんですか?」

 

「うん、ええよ。」

 

「い、言ったでしょ!?

にこは赤点の心配なんてないって‥‥ひっ!?」

 

穂乃果に笑顔で答えると希は

イタズラの笑みを浮かべて、、

にこの胸を背後から鷲掴んだ。

 

「嘘つくとワシワシするよぉ〜?」

 

「‥‥分かりました、教えてください。」

 

「はい、よろしい‥、ん?どないしたん?

晴希君‥?」

 

「あぁ‥いえ‥何でもないです。」

 

目の前でやってる事が俺にとって

刺激的な光景だったので頬が赤くなりながら

俺は顔をそらした。

 

「‥よ、よぉし!これで準備は出来たね!

明日から頑張ろぉ〜っ!」

 

「にゃーっ!」

 

「「「今日から(だ)(よ)(です)」」」

 

「「は、はい‥。」」

 

穂乃果と凛は気合いを入れるが

明日からなんて遅い。

俺と真姫と海未は口を揃えて否定する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

生徒会室にて。

 

 

絵里は1人で書類を片付けていると

スマホのバイブが鳴り、画面を確認する。

そしてすぐに通話ボタンをスライドし

電話にでた。

 

「もしもし?」

 

『あ、お姉ちゃん?

今学校終わったんだけど、

今日一緒に帰ってもいいかな?』

 

「‥えぇ、大丈夫よ。でもまだ

生徒会の書類の片付けがまだ終わってないから、

少し遅くなると思うの。」

 

『じゃあ買い物してから行くね!

亜里沙、欲しい物があるんだ〜っ。』

 

「あまり無駄遣いしたらダメよ?」

 

『はぁいっ。‥‥お姉ちゃん?

元気ないみたいだけど、何かあったの?』

 

その問いに絵里は先ほどあった

理事長とμ'sのメンバーの事を思い出す。

 

「‥‥何でもないわ。それじゃあまた後でね」

 

「?‥はいっ、до свидания!」

(また会いましょう)

 

絵里は小さく微笑み電話を切る。

そして、書類片付けを再び再開した。

 

 

 

 

 

 

ーーーー

 

再び部活にて。

 

早速海未の指示どおり

それぞれが3バカの勉強を

見ることになったのだが。

 

 

 

「うぅ〜‥あー!白いごはんにゃー!」

 

「引っかからないわよ、はい次。」

 

「‥はい。」

 

「た、炊きたてなのかぁー??」

 

凛が指差した方向に真姫はともかく、

花陽はしっかり引っかかっていた。

 

 

「こ、ことりちゃん‥‥。」

 

「何?あと1問よ☆頑張って☆」

 

「‥お休み。」

 

「えぇっ!?穂乃果ちゃん!?」

 

穂乃果は珍しく問題を頑張って

解いて行ったのだがあと1問で

集中力が切れてダウンしてしまった。

その様子を海未は呆れて見て

時計の方もチラリと見る。

 

「ことり、私は弓道部の方へ行きますので

後はよろしく頼みます。」

 

「分かった!穂乃果ちゃん〜起きて〜っ。」

 

 

「ん?あー、今日は弓道部だったっけ。」

 

海未が立ち上がり教科書を鞄に入れてる所、

俺は時計を見て海未に近寄る。

 

「はい、すみませんが後は頼みます。

‥‥にこ先輩の方はどうですか?」

 

「‥ご覧の通りよ。」

 

俺がふっと笑ってにこを見ると

希が背後から問題を教えてはいたが‥。

 

 

「じゃあ、次の問題の答えは‥?」

 

「えぇと‥に、にっこにっこにー!」

 

「‥‥‥‥‥‥ニヤリ。」

 

「やめ!やめて‥いやぁぁぁぁ!」

 

適当に答えたにこに希のワシワシが炸裂する。

 

「‥あの状態じゃ、俺入りにくいんでな。

購買行ってこようと思う。」

 

「‥ですね、またドーナツですか?」

 

海未がそう言って俺はまぁなと頷き、

部活から出ようとする。すると、

扉を開けた瞬間、使い魔の

ブルーユニコーンとイエロークラーケンが

部室に入り、俺の周りを飛び交い始める。

 

「おぉ、クーちゃんにユニちゃん。

どおしたん?」

 

「‥‥ファントムだな。」

 

希が挨拶してると俺はすぐに分かり

俺の言葉に穂乃果以外は騒いでた

口を止め、静まりかえる。

 

「皆は勉強しててくれ、すぐ戻る!」

 

μ'sの皆は真顔で頷き俺は自分の鞄を取り

急いで部室から飛び出し

皆は俺の背中を見送った。

 

 

 

 

「‥晴希、どうか気を付けて。」

 

海未は廊下を走る俺の背中を見送り

弓道部へと向かった。

 

 

 

 

 

 

ーーーー

 

 

 

 

道路走行中。

 

レッドガルーダの誘導で

愛車のマシンウィンガーで

ファントムの場所へと向かう晴希。

 

「‥お、そろそろか。」

 

ショッピングモールが見えてきたところで

俺は予め付けてたドライバーオンリングを

ベルトにかざす。

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

ベルトはウィザードライバーへと形を変え、

俺は片手でシフトレバーを上下に動かした。

 

 

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!》

 

 

テンションの高い待機音声が流れ、

フレイムリングを付けた手を

手前に持ってくる。すると

ガルーダが飛びながら代わりに

バイザーを下げてくれる。

 

「サンキュー、変身。」

 

ガルーダに礼を言って俺は

魔法の言葉を言いながら

フレイムリングを

ドライバーへとかざした。

 

 

 

《フレイム!・プリーズ

 

ヒーヒー・ヒーヒーヒー!!》

 

 

音声が鳴り響くと同時に俺は

左手を真正面に掲げる。

すると真正面から魔法陣が現れ

走行中の晴希の体を素早く通り抜ける。

そして俺は仮面ライダーウィザードへと

姿を変えた。

 

「うし!」

 

ウィザードは気合いを入れ、

アクセルをさらに回し、

ファントムの場所へと急いだ。

 

 

ーーー

 

ショッピングモールにて。

 

 

 

 

 

 

「はぁ‥はぁ‥!きゃっ!?」

 

周りの人々が困惑し、逃げ惑う中、

中学生の制服を着た女の子は

突然現れた怪物から逃げて

ショッピングモールを出るが

階段付近で転けてしまう。

 

「ふん‥逃がさないッスよ!」

 

ショッピングモールの二階から飛び降りて

少女へと近づいて来る階段。

 

龍か悪魔のような風貌で顔は胸から

突き出しているその怪物、

〝ガーゴイル〟は手の爪を光らせながら

近づいてくる。

 

「‥っ!な、何ですか貴方は!?」

 

「俺様はファントムのガーゴイル。

せっかく見つけたんスから

絶望させてもらうッス!!」

 

ガーゴイルは少女の肩を掴み、

尖らせた爪を振りかざそうとする。

少女は怖くなり目を瞑ってしまう。

 

 

そこへ、

 

 

「ハァッ!!」

 

ウィザードが飛び蹴りを胸の顔に喰らわせ

ガーゴイルは不意の攻撃に吹き飛び

倒れ込んでしまう。

 

「よっと、大丈夫かお嬢さん。」

 

綺麗に着地してウィザードローブを払いながら

ウィザードは少女の前へ立つ。

また突然現れた赤い宝石の戦士に

少女は目を大きく見開いてウィザードを見る。

 

「っ!お前がウィザードとか言う

指輪の魔法使いッスか!?」

 

「ウィザード?‥ハラショー!」

 

ガーゴイルの言葉に少女も反応して

ウィザードの名前を呼ぶ。

 

「ほぉ、俺も有名人?照れるなぁ、

‥‥ところで、ハラショーって何?」

 

「え、えっと、素晴らしいって意味です!」

 

 

「なるほど、ありがとな。

早いとこやっつけるから

そこから動くなよ?」

 

ウィザードは構えると少女は元気よく

はいっ!と頷く。こんな状況なのに

元気な女の子を見てるとなんか嬉しいな。

ウィザードはそう思いながら

立ち上がるガーゴイルに走り出す。

 

「オォオッ!」

 

「ふんっ!」

 

ガーゴイルの振りかざす爪の攻撃に

ウィザードは手の甲を使って受け流していく

フェニックスやダークウィザードよりかは

見抜ける攻撃なので少し余裕を見せる

ウィザード。

 

「こっちの番だ、よっと!」

 

「っ!‥ぐあっ!?」

 

ウィザードは回し蹴りをするが

ガーゴイルはそれを受け止める、

だがウィザードは体制を素早く立て直し

もう1度回し蹴りをお見舞いする。

2度目の攻撃には流石に堪えるのか

ガーゴイルは吹き飛び階段を転がり落ちていく。

 

その隙にウィザードはコネクトリングを

右手の中指に付け、シフトレバーを動かし、

ドライバーへとかざした。

 

《コネクト・プリーズ》

 

右サイドに小さな魔法陣が現れ、

そこに手を入れてウィザーソードガンを

取り出す。剣モードに構え、

軽く振り回してガーゴイルへと突っ込んで行く。

 

「セイッ!」

 

「うわっ!?あぶなっ!?」

 

 

ウィザーソードガンを振り回すが

ガーゴイルは必死に避けて距離を取る。

 

「避けてばかりじゃ意味ないぜ!」

 

「むぅっ!ならこれならどうッス!」

 

ウィザードが煽りながら

突きを入れようとすると、

ガーゴイルは突然立ち止まり

体をガチガチと硬める。

石のようにかたまったガーゴイルに

ウィザーソードガンは貫く事なく弾かれる。

 

「うわっ!このっ!」

 

ウィザードは動かなくなった

ガーゴイルに斬りつけようとするが

火花だけが散り、全くダメージが通らない。

 

「硬って!?ラァッ!!」

 

手を痛みながらウィザードは

ウィザーソードガンを振りかざすが、

やはり通用しない。

手の限界がきたのか思わず

ウィザーソードガンを手放してしまう。

 

「どうッスか!」

 

「しまっ!?ぐあ!?」

 

石化を解いたガーゴイルは

直ぐにウィザードに攻撃を入れて

吹き飛ばし、ウィザードは倒れる。

 

「その程度の攻撃じゃ俺様は

ビクともしないっす!とぉっ!!」

 

自慢気にガーゴイルは言うと

突然飛び上がると同時に石化し、

ウィザードに乗っかってきて、

その一面だけ地面が割れる。

 

 

「うがあっ!!ちょ‥重‥い‥!!」

 

「このまま踏み潰してやるッス!」

 

ある程度の岩なら持ち上げる事ができるが

ファントムの力か何かなのか

息ができず身体が悲鳴をあげるほど

ガーゴイルは重かった。

 

「ウィザード‥!」

 

少女もやられているウィザードを見て

悲しい表情になるが、ウィザードは

なんとかランドリングを付け、

シフトレバーを上下に動かし、

ドライバーへかざした。

 

 

《ランド!・プリーズ

 

ドッドッ ドドドン・ドン ドッドッドン‼︎》

 

 

 

音声が鳴り響くと周りから無数の岩が

浮かび上がり大地でできた魔法陣が

ガーゴイルごと通り抜ける。

ウィザードはフレイムスタイルから

ランドスタイルへと姿を変えた。

 

「色が変わっても意味ないッス!」

 

「‥フンン!!」

 

余裕のガーゴイルをウィザードは掴み、

徐々にその身体を持ち上げていく。

 

「な、何ぃ!?」

 

「ハッハァ!‥‥こう見えても

意外と力持ちなのッス!おらよっと!!」

 

ウィザードは喋り方を真似て

ガーゴイルを投げ飛ばす。

 

「新作、いきますか!」

 

ウィザードはそう言って

神から貰った新しい指輪、

〝エクステンドリング〟を付け

シフトレバーを動かしながら

ドライバーにかざした。

 

《エクステンド・プリーズ》

 

音声が鳴ると右サイドに魔法陣が現れ

そこに手を通す。するとウィザードの右腕が

一気に伸び、蛇のようにぐねぐねと動かした。

 

「な、何スカそれ!?気持ち悪いッス!」

 

「気持ち悪い言うなッス!おらっ!」

 

ガーゴイルの言葉にウィザードはキレて

伸びた腕をガーゴイルに巻きつける。

 

「おぉらよっとぉっ!」

 

「う、うぉおあああっ!?」

 

巻きつけたガーゴイルをウィザードは

頭上で振り回して地面へと叩きつけた。

 

エクステンドは身体を柔らかくして

自在に伸縮できる指輪だ。

 

 

「ぐぅう!ならこれでどうッス!」

 

よろめきながら立ち上がるガーゴイルは

グールの魔法石を取り出し

辺りに散らばせると無数のグールが湧き出てくる。

 

「数で押してくるか‥なら、

一気に片付けてやるよ。」

 

ウィザードは手を元に戻し

フレイムドラゴンリングを左手に付ける。

シフトレバーを上下に動かして

ドライバーへとかざした。

 

 

 

 

《フレイム!・ドラゴン

ボウー!ボウー!・ボウーボウーボォ!!》

 

 

 

荒々しい音声と共に背中に魔法陣が現れ

さらにウィザードの周りを

炎を纏ったウィザードラゴンが咆哮を上げ

ウィザードの身体に入り込む。

そしてウィザードは紅蓮の炎と共に

ランドスタイルから

フレイムドラゴンスタイルへと姿を変えた。

 

 

「‥‥‥ハラショー‥‥。」

 

 

ウィザードはすぐにスペシャルリングをつけて

シフトレバーを上下に動かし、

ドライバーへとかざした。

 

 

《チョーイイネ!

 

スペシャル!

 

サイコーッ!!》

 

 

音声が流れるとウィザードの背中に

魔法陣が現れウィザードは

ゆっくりと浮上していくと同時に

炎のドラゴンは背中からウィザードを

通り抜けると胸部からドラゴンの頭が

現れ、咆哮を上げる。

 

「な、何スカ!?」

 

 

「フン‥ハァアアアッ!!」

 

ガーゴイルが驚いていると

ウィザードの胸部のドラゴンが口を開け、

灼熱の業火、ドラゴンブレスが放たれる。

 

 

 

「ぐ、ぐああぁあああっ!!?」

 

凄まじい炎にガーゴイルは吹き飛び

群がっていたグールは一瞬で

焼き尽くされ、爆散した。

 

 

「っと‥‥あれ?‥‥しまった。」

 

 

着地して煙が上がる前方を見渡すが

吹き飛んだ際に逃げたのかガーゴイルの姿はどこにもなかった。

ウィザードはウィザードローブを振り払い

変身を解いて呆然と見ている少女へと歩み寄る。

 

「大丈夫?ごめんね、びっくりさせて。」

 

「い、いえ‥大丈夫‥‥‥貴方は、

もしかして操真晴希さんですか‥?」

 

「え?‥何で俺の名前を?

‥あ、まさか。」

 

おれがそう尋ねると少女はスマホを

取り出してツイッターを見せてくる。

ぐぅ、やっぱりか。

 

 

「助けていただき、ありがとうございます!

あ、私 絢瀬亜里沙と言います!」

 

「あ、あぁ。お礼なんていいよ‥‥

‥‥‥ん?絢瀬?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

音ノ木坂学院にて。

 

 

「海未、お疲れ!」

 

「ごきげんよう。」

 

弓道部が終わり、穂乃果達は

先に帰ったらしく海未も1人で帰ろうとする。

先ほど、メールで無事ゲートを守れたと

晴希から連絡が来て一安心した海未。

 

「‥貴方もお疲れ様です。」

 

海未は一緒に歩くユニコーンを見て

言うとユニコーンは一回ぐるりと一周して

褒められたと思ったのか喜んでいた。

その姿に微笑んでいると校門辺りで

微かだが聞き慣れた音楽が聞こえ始める。

 

 

「‥‥っ、この曲は‥?」

 

それはμ'sのファースト曲の

START:DASH‼︎だった。

その音が聞こえる方へ振り向くと、

中学生らしき少女が音楽プレーヤーで

口ずさみながら聞いていた。

 

「‥サイトに上がってない所まで‥。」

 

音楽プレーヤーの画面には

動画サイトに上がってない所まで

映し出されており、海未は思わず隣から

見てしまう。

 

「ん?うわぁっ!?」

 

「あっ!ご、ごめんなさい!」

 

イヤホンしていたので気付かなかったのか

隣にいた海未に驚き、一歩下がる。

 

「ん?あぁ!園田海未さんですよね?μ'sの!」

 

「えぇ!?えと‥人違いです!」

 

「‥え‥‥。」

 

少女は人違いと言われ悲しそうな表情になる

海未は申し訳ない気持ちになり、

素直に本物と答えた。

 

「ところで、その、映像は?」

 

「はい!ライブの映像です!亜里沙は

行けなかったんですけど、お姉ちゃんが

撮影してきてくれて!」

 

「お姉ちゃん‥‥?」

 

 

「ありゃ、海未。部活終わりか?」

 

するとそこへプレーンシュガーを

買ったであろう購買の袋を持ってきた

晴希が声をかける。

 

「あ、晴希っ。ゲートは無事でしたか?」

 

「あぁ、だってそこにいる

亜里沙ちゃんがゲートだからな。」

 

「え、えぇえ!?」

 

俺がさらりと口にすると珍しく

海未は驚いていた。

 

「あ、晴希さん!」

 

「まだお姉さん来てないのか?」

 

「はいっ、もうそろそろだと思うのですが‥」

 

「あ、あの晴希、この子のお姉さんって‥」

 

 

 

「亜里沙。」

 

海未が尋ねようとすると学校から

亜里沙の名前を呼ぶ声が聞こえてくる。

 

「あ、お姉ちゃん!」

 

亜里沙が返事して俺と海未は

そのお姉ちゃんを確認する。

 

「‥っ!‥‥貴方達‥。」

 

 

「‥‥生徒会長。」

 

 

それは生徒会長の絵里だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

近くの公園にて。

 

 

 

「‥‥と、言うわけなんですが。」

 

 

「‥‥つまり、貴方がその魔法使いで

ゲートである亜里沙が怪物に狙われてるから

護衛させてほしいと‥‥?」

 

俺は自身が魔法使いであること、

そしてファントムやゲートの事を絵里に話た。

流石生徒会長、飲み込みが早い。

 

「‥‥いつも手伝ってくれる

あの変な生き物も魔法か何かなのね。」

 

「ん?あー、クラーケンの事ですか?

そうですね、それみたいなものです。」

 

 

「すみません!お待たせしましたっ。」

 

絵里と会話していると亜里沙が

缶ジュースを持ってきて俺と海未に渡してくれた。

 

「お、ありがとう。」

 

「ありがとうございます。」

 

プレーンシュガーをあげた礼にと

絵里はジュースを奢ってくれたのだが。

 

「え?おでん?」

 

それはジュースではなく、出汁に使う

おでん汁だった。

 

「ごめんなさい。向こうの暮らしが

長かったものだから、まだ日本の暮らしに

慣れてない所があるの。」

 

「‥‥向こう?」

 

「あぁ、ロシアでしたっけ?

亜里沙ちゃんから聞きましたよ。」

 

絵里の言葉に海未が首を傾げるが

先に会った俺はすぐに答えた。

絵里と亜里沙の祖母がロシア人らしくて

何らかの理由で音ノ木坂に通っているらしい。

だから姉妹揃って外国っぽい

雰囲気があったのか。‥美人だし。

 

「亜里沙、それは飲み物じゃないの、

別なの買ってきてくれる?」

 

「っ。ハラショー。」

 

亜里沙はおでんを見つめてそう言って

再び自販機へと戻って行った。

 

 

「‥それにしても、

貴方達にみつかってしまうとわね‥‥」

 

「まさかの、生徒会長でしたか。」

 

あのファースト曲を撮ってくれたのは

まさかの生徒会長だった。

 

「‥‥あの映像のお陰で私達は

ここまでやってこれています。」

 

海未の言う通りアレがサイトに上がった

お陰で応援してくれてる人が増え、

その期待に応え、こうして活動できている。

今まで敵意で見ていた生徒会長が

密かにこんな事をしてくれてるとは

思わなかったが、ようやく言える。

 

「生徒会長のお陰でμ'sは頑張れています。

ありがとうござい‥」

「やめて。」

 

俺がお礼言おうとすると冷たい言葉で止められた。

 

「別に、貴方達の為にやったわけじゃないから。

寧ろ逆‥、貴方達のダンスが、如何に

人を引き付けられないものか、

活動続けても意味がないか、

知ってもらおうと思って。だから、

今のこの状況が想定外。無くなるどころか、

人数が増えるなんて‥、」

 

「「‥‥‥‥。」」

 

何となく予想はついていたが、

そんな事を考えていたのか。

俺と海未は黙って絵里の話を聞いた。

 

「でも、私は認めない。

人に見せられるものになっているとは思えない。

そんな状態で、学校の名前を

背負って活動してほしくないの。

話はそれだけ。」

 

絵里がそう言い終わると、

自分のと亜里沙の鞄を持って立ち上がる。

 

「待ってください。

護衛の話はまだ終わってません。」

 

 

「結構です。怪物か何か知らないけど、

私が亜里沙を守ります。‥今日亜里沙を

助けてくれたことには感謝してるわ。」

 

「なっ‥‥‥言いますけど、人間相手が

勝てる相手じゃないんですよ!?」

 

余りにも冷たい対応に俺は少し感情を

高ぶってしまうが、海未が肩に手を置いてくる。

俺は反省し、一歩下がると今度は海未が前に出た。

 

「もし、私達の活動が、人気が出たら、

認めてもらえますか?」

 

 

「‥‥‥残念だけど、それは無理よ。

私にとって、全部が素人にしか見えない、

1番実力があるというA-RISEも、

素人にしか見えない。」

 

「っ、そんな‥‥‥。」

 

絵里の冷静な言葉に海未は戸惑い、

俯いてしまう。

 

「お姉ちゃんごめんねっ。」

 

「‥もう話は終わったから大丈夫よ。」

 

戻ってきた亜里沙が謝ると

絵里は優しく笑ってそう言った。

 

 

「‥‥おい。」

 

そして、帰ろうとする絵里を俺は呼び止める。

 

 

「何を、何を思ってるのか知らないが

頑張ってるあいつらを会長は見てないのか?

ただそうやってバカにするだけなら‥お前に、

お前にそんな事言われる筋合いはない!」

 

「晴希‥。」

 

「‥‥‥。」

 

先ほどの絵里の言葉にファントムの話を忘れ

俺は声を上げてしまう。

だが絵里は聞いていたのだろうか

何も言わず、そのまま足を踏み出し、

公園から出て行く。

 

 

 

「あの、飲みますか?」

 

絵里が去っていくと亜里沙が

別の飲み物を渡してくる。

 

「あ、あぁ。ありがとうな。

亜里沙ちゃん、帰りはくれぐれも

気を付けて帰るんだよ?」

 

「はい!‥あの‥亜里沙、μ's。」

 

元気に頷く亜里沙は片言で喋りながら

一旦区切り、海未の方へ見つめる。

 

「海未さん達の事、大好きです!

ウィザードの晴希さんも大好きです!」

 

亜里沙は笑顔でそう言うと絵里の後を

追いかけて行った。

 

「‥‥ガルーダ、護衛頼む。」

 

俺がそう言うと木に隠れていた

ガルーダが出てきて絵里達の後を追った。

そして俺は手渡されたおしるこを

見つめて思わず苦笑した。帰ったら食べよう。

 

 

「‥‥‥‥海未、やっぱり気になる?」

 

「‥‥はい、あそこまで否定する理由、

一体なんなのでしょうか?」

 

「‥分からない、‥こうゆうときは

あの人に聞くのが1番かな‥。」

 

俺は、いつも一緒にいる人を思い出し、

今いるであろう、神田明神へ行くことにした。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

神田明神にて。

 

 

「ふぅん、えりちがそんなことを‥。」

 

俺と海未は神田明神で手伝っていた

巫女姿の希に絵里のことを聞いてみることにした。

いつも一緒にいるこの先輩なら

何かしってるのではないかと思って。

 

「はい、A-RISEのダンスを見て、

素人にしか見えないと言いました。

さすがに、いくらなんでも‥。」

 

海未の説明に希は真顔で聞き、

ふっ と笑う。

 

「えりちならそう言うやろね。

それだけ言えるものがあるならえりちにはある。」

 

「‥‥やっぱ何かあるんですね?」

 

「おぉ、晴希君鋭いね。」

 

アレだけ否定するならあって当然だろう。

そう思いながら俺と海未は

真剣な表情で希を見つめる。

 

「知りたい?えりちの過去。」

 

希の言葉に俺と海未は黙って頷き、

希はある動画を見せてきた。

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

翌日、昼休みにて。

 

 

 

 

「‥‥‥どうしたんすか?

この状況‥。」

 

 

屋上で晴希が目にした光景は

身体がピクピク痙攣しながら横たわる

練習服の穂乃果、凛、にこがいた。

そしてその中央に立つ希は

スッキリした顔で俺の存在に気づく。

 

 

「おー晴希君、いやな、昼休みに

部活で勉強する約束なのに

この子らがサボって、お仕置きしたら

軽くイッt‥」

 

「あー!ストップ!わかりましたから

言わなくて結構ですよ!」

 

希の爆弾発言に俺は慌てて止めて

空を巡回しているガルーダを見た。

ファントムの気配はなし‥か。

 

「晴希君、この子らを運ぶの

手伝ってくれへん?」

 

「え、あぁ了解です。」

 

俺は慎重に穂乃果を起き上がらせると。

 

「は、晴希君‥‥希先輩ひどいよぉ‥」

 

「サボるお前らが悪い、ほら、部室行くぞ。」

 

 

「‥晴希君の鬼ぃ‥。」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

生徒会室にて。

 

 

「‥‥‥。」

 

海未は昨日見せられた動画を見て悩んでいた。

それは絵里の過去。

海未は決心して生徒会室へノックしようとする。

 

 

「なーにやってんの?」

 

「っ、晴希‥‥‥。」

 

そこへ穂乃果達を運び終えた俺が現れる。

 

「屋上にも部室にもいないから

まさかとは思ったけど。

‥‥そんなにショックだったか?」

 

「‥‥‥‥。」

 

昨日見せられた動画は幼い頃の絵里が

バレエをしている時の動画だった。

その踊りはかなりの実力で

何度か賞を取ったことがあるほどだ。

μ'sやアイドルを素人だと言い切る理由が分かった。

それほど彼女のダンスは凄かった。

 

「‥自分達が今までやって来たものは

何だったんだろうって思いました。

悔しいですけど、生徒会長がああ言いたくなる

気持ちも分かりました。」

 

「‥‥謝るのか?」

 

俺がそう聞くと海未は

小さく首を振る。

 

「いえ、ダンスを教わりたいと思いました。

もし、今の踊りが生徒会長の半分にでも近付き

踊れるようになったなら、本当の意味で

人を引き付けれると思いました。」

 

「‥まぁ、あの過去を見ればそうなるよな。」

 

「‥と言うことは晴希も?」

 

海未がそう聞くと俺はゆっくり頷く。

 

「生徒会長に教えてもらえば、

ラブライブもきっと夢じゃない。

でも、教えてもらうのは今じゃなくて

先にアレを片付けてからにしようぜ?」

 

「‥‥そうですねっ。」

 

俺はそう言って、上の階へと指を指す。

海未はそれを見て困り顔で笑い、

俺と共に部室へと向かった。

 

 

 

 

「‥‥うちがにらんだ通りや、

あの子達ならえりちを救ってくれる‥。」

 

そのやり取りを壁に寄り添って

希は聞いていた。

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

部室にて。

 

 

「穂乃果っ!」

 

「‥‥‥う〜‥。」

 

「にゃ〜‥‥。」

 

「あ、海未ちゃん‥‥。」

 

海未は笑顔で穂乃果の名前を呼びながら

入ると、3バカは勉強に追いやられ

かなり死んだ顔で海未の顔を見た。

 

「今日から穂乃果の家に泊まり込みます!」

 

「えぇっ!?」

 

「勉強です!もちろん晴希も一緒です!」

 

 

「うんうん、‥え?俺も?」

 

「‥海未ちゃんの鬼ぃ‥。」

 

涙目になりながら呟く穂乃果。

試験まであと3日。

 

試験もそうだが、俺は

逃がしてしまったファントムも

気にかかっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー

 

 

とあるパイプ工場にて。

 

 

 

「おい!ガーゴイル!」

 

 

フェニックスとメデューサは

ガーゴイルを探しに工場へ訪れた。

フェニックスは名前を呼ぶと

奥の方から中年男性の男が姿をあらわす。

 

「いつゲートを襲いに行くんだよ!?」

 

「待つッス。今は待って油断している

時期に襲いに行くッス!」

 

「はぁ?そんな悠長なことしてる場合‥!」

 

フェニックスが苛立ち怒鳴ろうとした瞬間

メデューサがフェニックスの前に

手を向けて制した。

 

「いい考えかもしれないわね。」

 

「はぁ!?呑気に待ってても

しょうがないだろ!?」

 

「待っていれば、貴方も回復するんじゃなくて?

‥‥‥フェニックス。」

 

メデューサはにやけながらそう言うと

フェニックスもなるほどと言って頷く。

 

 

 

 

「焦らなくても、俺様から逃れる事は

不可能ッス!必ず絶望させてやるッス!」

 

 

 

ガーゴイルはそう言って怪人態へと

姿を変えて拳を作り壁のパイプを

ぐしゃりと叩き潰した。

 

 

「‥期待してるわよ?」

 

 

メデューサは髪を靡かせて、

フェニックスと共に怪人態となり

ガーゴイルを見つめるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、仮面ライダーウィザード

 

 

「音ノ木坂学院は廃校とします!」

 

「えっ!?」

 

理事長室の前で聞こえた言葉に

ショックを受ける穂乃果。

 

「調子は良さそうだな?魔法使い。」

 

「なっ!?なんでっ!?」

 

倒したはずのフェニックスが

晴希の前に現れる。

 

「体重増えたぁ!?」

 

「エリーはスクールアイドルが

やりたいんだろ?」

 

「わ、私がスクールアイドルに‥?」

 

絵里の家で叫ぶ雪穂、そして、

落ち込む絵里に元気づけようとする女の子。

彼女は一体?

 

「亜里沙は!私が、守る!!」

 

「勢いだけじゃ無駄ッスよ!」

 

捕まった亜里沙を助ける為に

立ち向かう絵里、急いで晴希!

 

 

 

第17話本当にやりたいこと

 

 




さぁさぁ、ガーゴイルは何を企むか!?
廃校の危機に穂乃果達はどうするのか!?

‥まぁ、この結果はラブライブ
見てれば分かりますよね笑

感想、評価などがあれば是非お願い致します!(^^)

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