ラブウィザード! 〜希望の柱〜   作:しょくんだよ

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ども、ノロウィルスにかかって
夜中死にそうになったしょーくんです!
人生で2度目ですよ かかったの(>_<)
みなさんも食べ物や手洗いうがいもしっかり
気を付けてくださいね!( ゚д゚)


追伸
まだ不調子なので更新遅れるかもしれません
(; ̄ェ ̄)


第14話 ドラゴンの咆哮

 

「ぐぁぁあああっ!!!」

 

 

 

 

ウィザードはフェニックスとの戦いに敗れ、

フェニックスの武器カタストロフを斬りあげ

ダムの湖へと転落するウィザード。

 

「んだよ、魔法使いなんてたいしたことねーな。

ま、俺が強すぎるだけかっ。」

 

湖へと落ちたウィザードを見下ろし

高笑いをしそのままどこかへ去って行く。

それを遠くから操真晴希の使い魔、

レッドガルーダは見て、

急いでどこかへ羽ばたいていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

西木野総合病院にて。

 

 

ここは秋葉原で日本一までとは言えないが

大きな総合病院。

看護師、医師、薬剤師、

臨床検査総技師、その他や設備など、

大凡の物は充実しており

周囲の人物以外にも

他の病院からも患者が

搬送されるほど有名な病院だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「美希子さん、大丈夫ですかー?」

 

そして、先ほど搬送された

美希子は医師に囲まれながら

意識が朦朧としている美希子へと

呼びかけ、タンカーで運ばれていく。

 

「ママ‥しっかりっ。」

 

「美希子さん!気をしっかり!」

 

その後から美希子の息子 ひろき、

そしてμ'sメンバーの高坂穂乃果、

星空凛、真姫も追っていき、

手術室へと入っていく美希子を

そのまま見送った。

そして、その後から

美希子の容態を他の医師から

聞きながらこちらにやってくる男性がいた。

 

「パパっ‥。」

 

真姫がいち早く呼んだ相手は

ここ西木野総合病院を妻と

経営している真姫の父、

西木野慎二だった。

 

「お母さん‥‥助かるの‥‥?」

 

1番すごい医者だと判断したのか

ひろきは震えながらも慎二に聞いた。

 

「‥心配いらない、君のお母さんは

必ず救ってみせる。さ、あちらの

席で待っていなさい。」

 

慎二はひろきにそう言って、

手術室へと入っていった。

そして、ランプがつき、

手術が始まる。

 

「‥きっと、大丈夫だからね。」

 

「凛達もついてるからっ、絶対助かるよ!」

 

穂乃果と凛がひろきを

元気づけようとする。

 

「私のパパはどんな怪我や病気も直す

すごい人よ。心配しなくても大丈夫よ。」

 

そして真姫もひろきの頭を

撫でながらそう言って元気づけた。

だが、ひろきはずっと俯いたままでいた。

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

ダムの湖から落とされ

かなりのダメージを負った晴希は

意識が途絶えたまま川を漂流していく。

 

だが意識のない彼の身体の中に、

何か鼓動を感じた。

その鼓動はだんだん大きくなり、

そして1匹のドラゴンが現れ、

咆哮をあげる。

 

すると晴希は目を開き

その瞳は一瞬、赤く染まった。

 

 

 

ーーーー

 

 

 

ダムから離れた川沿いにて。

 

 

 

 

「ちょっと!待ちなさいよ!」

 

「海未ちゃーんっ!」

 

「そう言われてもっ、ガルーダが

腕を引っ張って待たせてくれないんです!」

 

 

学校に残っていた

矢澤にこ、南ことり、小泉花陽、

園田海未はひろきのお母さんが病院に

運ばれたと凛から連絡があり、

西木野総合病院へ向かう途中だった。

その途中でガルーダが現れ

突然海未の腕を川沿いまで引っ張っていく。

 

 

「う〜‥伝伝伝が頭から離れない‥‥」

 

「そんなの後でいくらでも見れるわよ!

今は美希子さんの方が最優先よ!」

 

途中で呼び出され花陽は

続きが気になるのかそう言ってると

にこは花陽に怒りながら

海未を追っかけていた。

するとガルーダは海未の手を

引っ張るのを止め川で何かを

探す様に飛び回る。

 

「はぁ‥はぁ‥やっと止まってくれた‥」

 

「いきなりどうしたのですかガルーダ?」

 

「何か探し物でもあるのかな‥?」

 

にこ、海未、ことりがそう言って

ことりは川の近くまで足を運ぶ。

 

「探し物している暇なんてないわ!

早く病院へ行かないと‥‥」

 

 

「‥っ?待ってください‥!

あそこ‥人が‥‥!」

 

 

にこが先を急ごうとすると

花陽が呼び止め川の方へ指を指す。

そこには川から顔を出し

溺れそうになりながら

こちらに泳いでくる人物が見えた。

 

「人!?早く助けなければっ‥‥?

 

あ、あれは‥‥!!」

 

 

 

 

「ごほ‥‥うっ‥‥‥!‥‥ッ」

 

 

 

 

「「「「晴希 君!?(先輩!?)」」」」

 

 

顔が見えるくらいまで近付いてきたのは

晴希だった。皆は血相を変え

服がぬれても御構いなしに川へ入り

ボロボロの晴希に近づく。

 

「晴希君⁉︎どうしたの!?」

 

「せ、先輩!しっかり‥してください!」

 

「どうしたのよ晴希!?

ほらっ!肩を持って‥‥!」

 

ことり、花陽、にこが呼びかけ

にこと海未は晴希の腕を肩に

乗せようとするが‥

 

「あっ‥‥!」

 

晴希は力が入らず川の中へと倒れ込む。

海未も巻き添えに体制を崩し腰まで

水に浸かってしまったが

そんな事を考えてる暇はない。

 

ここまでボロボロになっている

晴希を見たことがないからだ。

 

意識が朦朧としているのか晴希は

皆の呼びかけには答えず

一点にしか目線が向いている。

そんな様子を花陽とことりは

涙目になりながら晴希の背中を押して

にこと海未は晴希の両腕を持ち

なんとか岸まで運ぶ。

 

「‥!冷たっ‥!?

早く‥!身体を温めてあげないと‥!」

 

「タクシーを呼びましょう!」

 

にこは晴希の手を掴むと

手は冷たくなっていた。

顔もかなり衰弱している。

担いで運ぶのは無理なので

タクシーを呼ぶことにした海未は

スマホを取り出して電話する。

 

「晴希君‥!」

 

「先輩‥!」

 

ことりと花陽は呼びかけ続けるが

晴希は震え、目は虚ろいでいた。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

ひろきの家にて。

 

 

 

 

「‥流石はワイズマンね‥‥。」

 

何処から入ったのかメデューサは

椅子に腰掛けそう言いながら

窓の外へと顔を向ける。

そこにはフェニックスが立っており

勢いよく窓を殴る。

 

「貴方の性格も良く分かってる‥。」

 

メデューサは不気味な英語で

割れた音も気にせずフェニックスを見る。

その割った窓からフェニックスは

土足でズカズカと入り、

机にひろきが誕生日で

貰った物なのかプラモが置いてあり

フェニックスは何の躊躇もなく踏む。

 

「指輪の魔法使いも、ぶっ倒して

良いこと尽くめだろ?だから

最初から俺にやらせときゃー

よかったんだよ‥!」

 

フェニックスも椅子に座り込み

かなりご機嫌な様子でメデューサに

そう言うとメデューサは立ち上がり

棚に置いてある写真立てを手に取る。

 

「ご機嫌な所悪いけど‥

まだ終わりじゃないわよ‥‥。」

 

メデューサはその写真を

フェニックスに見せると

それを取って凝視するフェニックス。

 

「あー、こいつもいたんだっけな。」

 

フェニックスは写真立てを

見ながらそう言うと

怪人態になり

そのまま外へ行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

晴希の家にて。

 

 

 

 

「‥悪い‥っ、心配かけた‥‥。」

 

「‥‥‥全くその通りですよっ、

一体何があったのですか?」

 

 

タクシーで自宅まで運ばれ

ようやく落ち着きを取り戻した

晴希はことりにタオルで

身体を軽く当てる様に拭かれている。

 

にこと海未もタオルを持って自身で

身体を拭きながら海未は問い掛ける。

 

「やばいほど 強い‥

ファントムと戦って‥‥‥

魔力も‥ほとんど使っちゃってさ‥。」

 

俺は息を切らせながら

ことりに目を向けてそう言うと

晴希君‥と呟きながら身体を拭くことり。

 

「先輩‥みなさん‥‥、

あの、勝手に使っちゃったけど‥

暖まりますよ。」

 

キッチンからインスタントココアを

作って持ってきてくれた花陽に

俺達はありがとうと言いながら

俺はココアをゆっくり飲む。

 

「あの赤いファントム‥‥今までの

ファントムより強くて‥今回は

ちょっと‥ヤバかったかも‥‥。」

 

「本当‥‥‥、こっちは

どれだけ心配したと思ってるのっ。」

 

にこがタオルを身体に軽く当てながら

そう言って俺は悪いと苦笑いする。

そして海未がココアを手に取り

口を動かす。

 

「でも‥本当によかったです。

自力で這い上がれるほどの

力が残ってて‥‥。」

 

「ん‥‥まぁね‥。

ことり、ありがとう。もう大丈夫だよ。」

 

「ダメ、まだ乾いてない。」

 

「はは‥、そっか。」

 

俺は言い終わると自分の胸の部分と

右足を見つめる。

フェニックスに斬られて

かなり出血して私服に

血がシミになっているが

なぜか傷口がかなり塞がっていた。

殆ど使ったはずなのに

少し回復している魔力、

そして川に流されてる時、

身体の奥から感じた俺の中の化け物‥。

 

 

「(俺の中の‥ドラゴンが‥

力を貸してくれたのか‥‥?)」

 

 

微かだがはっきりと覚えている。

あの時に脳内に浮かぶ化け物‥

あれは俺の中のファントム、

ウィザードラゴン。

基 晴希の魔力の源でもある。

この世界で初めて穂乃果の

アンダーワールドに入った時に召喚した

怪物。あの時はマシンウィンガーで

強制的に制御して従えただけだが

今回は強制ではなく、

ドラゴンは自分の意思で

力を貸してくれたような感じだった。

まるで、助けてくれたかのような‥。

 

 

「晴希‥?」

 

「っ。‥あぁ、ごめん‥‥

あ、‥それよりっ、美希子さん達は!?」

 

にこに呼びかけられ我に返る俺は

あの後どうなったのか

ひろき達の事を思い出し、ばっ と

立ち上がるが魔力が少ないのか

身体がよろめく。

 

「先輩、急に立ったら危ないですよっ。」

 

「‥先ほど穂乃果から電話がありました。

美希子さんは病院に連れて行かれ

手術を受けたそうです。」

 

「手術っ!?‥

それで、どうなったんだ‥‥?」

 

花陽に座らせられ海未から聞いた事実に

俺は驚き、海未に結果を聞く。

 

 

「無事に成功したそうです。

‥‥ですが、まだ意識が

戻らないみたいです。」

 

「ひろき君のお父さんも

病院に行ってるみたいよ。」

 

「‥そっか‥‥よかった‥‥‥。」

 

俺があの時、

フェニックスと交戦している間に

穂乃果達が病院へ運んでくれたんだな‥

さすがだぜ。

 

 

「でも、どうしてお母さんが、

襲われたんだろう‥?」

 

「ゲートだったからじゃないかな‥?」

 

「美希子さんもゲートだったわけ?

ゲートが2人もいるなんて‥まずいわね‥」

 

ふと、ことりと花陽とにこが

そう言いあってると俺は

フェニックスの言葉を思い出す。

 

 

 

 

『こいつをやるのは簡単すぎてよぉ』

 

 

 

 

「‥‥っ!‥やばい。」

 

「え?」

 

「何が‥ですか?」

 

俺の言葉に4人は反応する。

俺はかなり焦りながら喋る。

 

「美希子さんはゲートだから

おそわれたんじゃない‥‥、

ゲートが絶望する前に命を落とすと

ファントムは生まれない‥。」

 

「ってことは‥⁉︎」

 

「どうゆうことよ?」

 

海未はいち早く反応するが

にこは理解しきれず首を傾げる。

ことりと花陽も同様だ。

 

「あいつの目的は‥‥、ひろきから

永遠に両親を奪うことだ!

ひろきを絶望させる為に‥!」

 

「「「「っ!?」」」」

 

俺の言葉に4人は驚愕する。

 

「次は父親だ!ヤバいっ!」

 

「あっ、晴希君⁉︎」

 

俺は急いでジャケットを手に取り

スマホを出しながら

玄関を飛び出して行った。

 

「っ!にこ達も行くわよ!」

 

「行くって怪物の所へ⁉︎無理ですよ!

ことり達が行っても

足手まといになるだけです!」

 

「‥‥っ!」

 

「えっと‥その‥‥あわわ‥」

 

ことりがにこにそう言うとにこは

歯噛みをする。この状況を

どうしたらいいのか分からず花陽は

おどおどする。

そして海未は床に落ちている1つの

指輪を手に取る。

 

「これは‥晴希の‥‥?」

 

海未は見たことがない指輪に首を傾げる。

それはウィザードが使っても

エラー音しかならなかった

赤い指輪だった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

1台の黒い車は西木野総合病院へと

向かっていた。焦っているのかその車は

かなりのスピードで道路を走っている。

 

その時、突然前からフェニックスが

写真立てを見ながら道路に出てくる。

 

「あっ!!」

 

運転手はそれに気付き慌てて

ブレーキをかける。

 

「ん〜、おいしょっと!」

 

ある程度まで近付いてきた車に

フェニックスは車のライト部分を

蹴り上げる。すると車は

まるでサッカーボールを蹴られたかの様に

車体が浮き上がる。

 

「うぁぁああああっ!!?」

 

蹴られた車は大きく道を外れ

そのまま横転して道路脇に突っ込んだ。

 

フェニックスは横転した車に近づき

車内で血を流して痛みで苦痛を上げている

男性に向けて、

持っている写真立てと見比べる。

 

「てめぇがゲートの父親だな?」

 

その写真立てには3人の家族の

写真が写っていた。それはひろきと

その両親、そして今目の前で

苦しんでいるのはひろきの父親だった。

 

「ハハッ‥。」

 

フェニックスは父親と認識すると

ドアを無理やりこじ開け

ひろきの父親の首を掴む。

 

「おらよっと。」

 

「うぁあああっ!! うぅっ!?」

 

そしてそのまま外へ投げ飛ばし

地面へ打ち付けられた父親は

再び、もがき苦しむ。

 

「てめぇの事は好きにできるからな‥、

楽しませてもらうぜ?」

 

フェニックスはそう言いながら

父親へと近づき、そのまま右足で

胸部を踏みつける。

 

「ぐぁ!?‥ぁあ!‥アがぁぁあ!!?」

 

フェニックスは踏みにじり

ひろきの父親の胸部からメキメキと

痛々しい音が聞こえる。

その激痛に声にならない叫びで

苦しむ父親にフェニックスは笑い始める。

 

 

「いい声だねぇ‥‥。

 

ん? オラッ!」

 

 

 

「ぐあっ⁉︎」

 

突然フェニックスは振り返り

近付いてきた物体に拳を入れる。

 

それを喰らい倒れ込んだのは

ハリケーンスタイルへと変身した

仮面ライダーウィザードだった。

 

 

「ぐっ!やっぱ気付かれたか‥!」

 

「魔法使い?てめぇ生きてやがったのか?」

 

仕留めたはずのウィザードがいることに

フェニックスは少しずつ苛立ち始める。

 

「ハァアアッ!!」

 

ウィザードはそれに構わず

フェニックスへと走りだし攻撃を仕掛ける。

 

「フンっ‥オラッ!!」

 

「うぁっ!?」

 

が、受け止められ、

フェニックスは

ウィザードの胸部に蹴りを叩き込み

吹き飛ばされるウィザード。

 

「おい、どぉした!?そんなもんか!」

 

倒れ込むウィザードにフェニックスは

煽りながら近づく。

 

「ハッ!」

 

「!?」

 

するとウィザードはわざと引き寄せたのか

起き上がると同時にウィザーソードガン

の銃モードで構え、コントラクトリガーを引き

フェニックスに向けて放つ。

不意の攻撃にフェニックスはよろけ

その間にライトリングを右手に付け、

ウィザードライバーへかざす。

 

《ライト・プリーズ》

 

「ハァッ!」

 

音声が鳴るとウィザードは右手を

頭上に掲げる。すると右手部分から

強烈な光が発生し

 

「ぐっ⁉︎なんだ!?」

 

フェニックスの視界を奪う。

一瞬だけだがその隙にウィザードは

大気の風を纏い空中を浮遊し

倒れているひろきの父親を抱き上げる。

 

「ちぃ‥!‥ん?‥あ!」

 

徐々に視界が戻ったフェニックスは

ウィザードの姿を失い周りを見回す。

そして後ろですでに父親を抱えてる

ウィザードを発見する。

 

「じゃあなっ。」

 

ウィザードはフェニックスにそう言うと

再び風を纏いそのまま空へと

飛び去っていった。

 

 

「あぁ!!‥がぁぁ くそ!しまった!」

 

不意をつかれ逃げられた

フェニックスは車を蹴り飛ばして

飛んでいくウィザードを見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

「体力も魔法もギリギリなんだ‥

一発逆転、狙わせてもらったぜ。」

 

 

 

空を飛んでるウィザードは

ひろきの父親を抱えて

そう言いながら少し先にある

西木野総合病院へと向かった。

 

 

ーー

 

「‥‥あ、来たにゃ!」

 

「‥!」

 

「晴希君っ!」

 

病院の外で待ってくれていた

凛と真姫と穂乃果は

ウィザードの姿を確認する、

着地したウィザードは変身を解く。

突然現れた魔法使いに周りにいた

人達はびっくりするがそれに

構っている暇はない。

魔力が少なくなり立っているのも

儘ならない俺は気を失っている父親を

ゆっくり地面に置きながら

膝をつく。

 

「晴希君!大丈夫!?」

 

「っ!ひろき君のお父さん凄い怪我にゃ!」

 

「あぁ‥早く‥、この人を病院の中へ‥!」

 

ひろきの父親を凛と真姫に託して

ひとまず安心した俺は身体の力が抜け

その場に倒れ込んでしまう。

 

「‥晴希君?‥‥晴希君!」

 

「せ、先輩!?」

 

「晴希先輩!」

 

突然倒れこむ俺に3人は叫び

穂乃果は俺の身体を起こす。

 

そしてそれを見て

駆けつけてきた看護師達に

ひろきの父親はタンカーで運ばれ

俺は穂乃果達に肩を貸してもらい

病院の中へ運ばれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「‥‥‥‥‥‥‥‥あん? アレは‥‥。」

 

その現場を病院の外にいる

赤いメッシュをした少年は

花束を持って様子を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「あんの野郎っ!」

 

「こんなことだろうと思った。」

 

ひろきの父親を持って行かれ、

さらにはウィザードは生きていた。

それに苛立つフェニックスに

横転させた車の上でいつの間にか

メデューサは座って

ウィザードが飛んで行った方角を

眺めながら口を動かす。

 

「貴方は詰めが甘いのよ。

倒したことを確認しないからこんなこと‥」

 

「うるせぇっ!!」

 

説教してくるメデューサに

声を荒げるフェニックス。

 

「‥‥でも、まともに戦わず

逃げたって事は、切羽詰まっている証拠‥‥。

今行けば簡単に倒せるんじゃなくて?」

 

車から降りたメデューサは

フェニックスに近付きそう言う。

 

「当たり前だ!あの人間共々、

ぜってぇ仕留める!!」

 

ウィザードの行動はフェニックスも

分かってたのかメデューサにそう言って

ウィザードの飛んで行った方角へ歩き出す。

 

 

「次はねぇぞ、‥指輪の魔法使い!!」

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

ピチョン‥‥

 

 

「‥‥‥。」

 

点滴の雫が聞こえるほど静かな病室。

ひろきはお母さんの美希子に付き添いをしていた

所に今度はお父さんも病室に運ばれてきた。

足や腕に巻かれている包帯、

痛々しく腫れている顔。

意識が戻らない両親を見てひろきは

ただ、側にいることしかできなかった。

 

 

「ハッハァ!見つけたぜ、人間共。」

 

その時、病室の外から怪人態の

フェニックスがひろきの姿を確認して中に入ってくる。

 

「うわぁ‥!わぁ‥あぁ!!」

 

両親をこんな目にあわせた怪物が

目の前に現れひろきは恐怖で

声を出す事しかできなかった。

 

「邪魔だ。」

 

フェニックスは椅子に座っている

ひろきを払いのけ、ベッドで寝ている

両親へと近づく。

 

 

「っ!!やめろぉっ!」

 

病院に入っていったとガルーダに

知らされ俺は急いでひろきのもとに向かい

両親に手を振りかざそうとするフェニックスに

タックルを仕掛ける。

 

「らぁ!ハッ!セイッ!」

 

俺は蹴りや拳をフェニックスにぶつけるが

変身していない状態の攻撃は

全く持ってダメージも入らない。

 

「どけ。」

 

フェニックスは静かにそう言って

俺を掴み病室の外へと投げ飛ばす。

 

「‥!‥‥あっ‥ガァ‥‥!?」

 

壁がめり込むほどの勢いで

俺は打ち付けられその場で悶え苦しむ。

 

「‥!晴希君!」

 

「晴希先輩!!」

 

「先輩っ!」

 

後から追いかけてきた穂乃果、凛、真姫は

倒れ込む俺に近づき病室の中の

フェニックスを見る。

 

フェニックスは動けない俺を確認し、ベッドから

ひろきの両親の首を掴み、

 

 

 

「あばよっ、永遠にな。」

 

 

 

 

そして、

 

 

 

首をへし折る様な

鈍い音と共にひろきの両親は

床へ倒れ込む。

 

「「「っ!?」」」

 

「あぁ‥!?」

 

その酷い光景を目の当たりにした

穂乃果達は目を塞ぎ、

俺はただ声を漏らすことしかできなかった。

そしてもう一つ、恐ろしい事が起き始める。

 

 

 

「‥‥パパ‥‥‥ママ‥‥」

 

 

ひろきは絶望し、ゲートの侵食が始まった。

 

 

「ハッハッハッハッ!!さぁ、絶望しろ!

そして新たなファントムを生み出せ!」

 

「‥っ!ダメだ‥ひろき!ダメだぁ!!」

 

高笑いをするフェニックスの後ろで

身体が動けない俺はひろきを止めようと

必死に叫んだ。その時

 

 

 

 

「やめるにゃあああっ!!」

 

 

 

突然凛が走りだしフェニックスへと

殴りかかる。

 

「っ凛ちゃん!!」

 

「凛っ⁉︎」

 

「バッ!?よせ凛っ!!」

 

俺達は叫ぶが既に遅く、

フェニックスは殴りかかってきた

凛の首を掴む。

 

「うっ!?ぐうぅぅ‥‥!!」

 

首を掴まれながらも凛は

蹴りを入れてあらがう。

 

 

 

「‥鬱陶しいんだよ、消えな。」

 

 

 

 

 

 

 

そして、

 

 

 

 

 

 

 

凛は窓へ投げ出され

窓ガラスが割れるとともに、

凛は落ちていった。

 

 

 

「!!!」

 

「っっっ!?」

 

「凛っっっ!!」

 

穂乃果と真姫は一気に顔色が変わり

声にならないほどの叫びで

俺は凛を呼んだが彼女の姿はもうなかった。

 

さらに、その間にひろきは

ゲート侵食が進んでいき、、、

 

 

 

 

 

「‥‥晴‥‥希‥‥‥。」

 

 

 

 

 

最後に俺の名前を呼び、

その身体は砕け散った。

 

 

 

 

 

 

 

「‥!!‥‥‥あぁ‥‥あ

‥‥‥‥‥‥

 

 

 

うぁああああああああああっっ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

目を覚まし俺は慌てて

身体を起こす。

そこは先ほどと違う病室で

隣には穂乃果がいてくれた。

 

「‥晴希君‥‥大丈夫‥‥?」

 

突然起き上がる俺にびっくりしながら

穂乃果は俺の容態を聞いてくる。

 

「‥‥っ。」

 

俺は先ほどの夢を思い出し

すぐに立ち上がりひろきの元へ向かう。

 

「は、晴希君!?どこ行くのっ?」

 

突然病室を出て行った晴希に

穂乃果も追いかけていく。

 

 

 

 

「にゃっ、晴希先輩!」

 

「大丈夫なの?」

 

俺が走る廊下に看護師と話していた

凛と真姫が俺の存在に気付き声をかける。

 

「凛!怪我は!?」

 

俺は咄嗟に凛の両肩を掴みそう言う。

 

「え、えぇ⁉︎な、なんですか突然っ。

り、凛はなんともないにゃ‥よ?」

 

突然掴まれた凛はおどおどしながらそう答え

俺はそうかと安心して奥の病室へ走り出す。

 

そしてその病室を開けると、

先ほどの夢と同じ光景が広がっていた。

同じと言ってもフェニックスが

襲ってくる前の光景だった。

 

ひろきの両親はベッドに寝ており

ひろきは2人を見ていた。

 

とりあえず俺は皆が無事な事を確認して

大きく息を吐く。

 

 

「‥‥一応、2人とも峠は越えたわ。

でも、まだ油断はできないみたい‥‥。」

 

追いかけてきた真姫はそう言って

凛、そして穂乃果も合流し、

ひろきを見ていた。

 

 

「‥‥つ‥‥。」

 

すると、奥のベッドで寝ていた

ひろきの父親の意識が戻ったのか

首を動かし始める。

 

「パパ‥?」

 

ひろきは父親に近づくと

父親はゆっくりと目を開け

ひろきの姿を確認する。

 

 

「ひろき‥‥お前は‥‥無事だったんだな‥

‥‥‥よかったぁ‥‥。」

 

 

怪我のないひろきの姿を見て

安心したのか再び眠りにつく父親。

 

「パパ‥パパ?」

 

ひろきは何度も呼びかけている。

その光景を見て俺は突然脳内に

違う病室の風景が頭をよぎる。

 

 

『よかった‥‥貴方が生きててくれて‥』

 

 

「っ!?」

 

ぼやけてはいるが

その言葉だけはハッキリと聞こえた。

 

なんだ‥?これは‥‥?

 

俺は突然の風景に戸惑う。

するとひろきは父親の呼びかけをやめて

つぶやきはじめる。

 

 

「僕のせいだ‥‥僕がパパもママもいない方が

いいなんて言っちゃったから‥‥。」

 

自分を責め始めるひろきに

俺は我に返り、声をかけようとした。

 

「違うよ。」

 

だが、俺より先に声をかけた人物がいた。

それは真剣な瞳を抱いた穂乃果だった。

 

 

「ひろき君のせいなんかじゃないよ‥。

それにお父さんもお母さんもいなくなってない。

ひろき君が諦めちゃダメ、ひろき君は

お父さんとお母さんの希望なんだよ。

だから、希望を捨てちゃダメ。」

 

「‥お姉さん‥‥‥。」

 

「穂乃果先輩‥。」

 

「さすが先輩だにゃ。」

 

穂乃果はひろきに近づき

両肩を持って励ましていた。

俺が思ってる事全部言われちゃったかな‥

そして俺もひろきに近づき頭を撫でる。

 

「‥大丈夫、ひろきの希望は

俺が必ず守ってやる。」

 

そう言って、俺は病室から外へ出て行った。

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

「待ってよ晴希君!」

 

病室から出て後を追いかけてきたのは

穂乃果だった。だが俺は

少し焦り気味で廊下を早歩きで歩く。

 

「ファントムはまた必ず

美希子さん達を襲ってくる、俺が倒すしかないだろ。」

 

「で、でも晴希君、まだ魔力回復してないんだよね‥?

無茶だよ!また怪我でもしたら‥」

 

「それでもやらなきゃ誰も救えないじゃんか!

‥‥‥それだけは絶対に嫌だ!」

 

「‥‥晴希君‥‥」

 

俺は自身が焦って穂乃果に

軽く当たってしまってる事に気付き

病院の椅子に座り込む。

 

 

「‥正直‥怖いんだよ‥‥っ。

身近な人が‥大切な友達が

ゲートになって死んでいく様がよ‥。

怖くて怖くてたまらないんだよ‥‥

ファントムをまともに倒せるのは俺しかいない‥

だけど‥あのファントムは強すぎる‥

俺‥本当に死ぬかと思ったんだよ‥‥」

 

 

「晴希君‥‥‥。」

 

恐怖で怯える晴希を見るのは

初めてだろう。

穂乃果は胸に手を当てて俺を見ている。

 

すると穂乃果は隣に座り、

優しく俺の手を握ってくる。

その行為に俺は少し心が和らいだ。

 

「‥‥穂乃果‥‥、

あのファントムを倒せるいい方法、

なんかないかな‥?」

 

そんなこと知るわけもないのに

俺は穂乃果に聞いてみた。

当然穂乃果は首を傾げて悩むだけだった。

 

「ははっ‥‥やっぱ厳しいのかな‥‥

俺のこんなクソみたいな魔力じゃ‥‥。」

 

 

 

「っ、そんなこと‥」

「そんなことありません。」

 

穂乃果が言おうとした瞬間、

隣から誰かが割入ってくる。

振り向くとそこには海未とことりが立っていた。

 

「海未ちゃん、ことりちゃんっ。」

 

「‥2人共‥いつの間に来てたんだ‥?」

 

俺と穂乃果が驚いていると

海未は鞄から1つの指輪を差し出してきた。

 

 

「っ!これって‥‥。」

 

「何?新しい指輪??」

 

隣の穂乃果もまじまじと見つめる。

それはフェニックスの戦いの時

使えなかった赤い変身リングだった。

 

「‥どうして海未が‥?」

 

「晴希が家を出て行く時に

落としたのでしょう。‥‥

それと、なんとなくですが、

そのファントムに勝てる気がするんです‥。

この指輪からそう感じます。」

 

そう言って海未は赤い変身リングを差し出す。

俺はその小さく光る指輪を見つめ手に取ると

 

 

 

 

「ーーーーーッッ!!」

 

 

 

「っ⁉︎」

 

手に取った瞬間、俺の中の

ウィザードラゴンが咆哮を上げた。

 

「‥この指輪なら‥ドラゴンの力を‥」

 

「ドラ‥ゴン?」

 

俺の言葉にことりは首を傾げる。

そういえばまだ言ってなかったんだっけな‥。

赤いファントムを無事倒したら

皆に伝えよう。

 

「そういえば海未ちゃん、にこ先輩達は?」

 

「ひろき君の病室に向かったはずです、

私はあの指輪を届けにこちらに来たので‥」

 

 

その時。

 

 

 

 

「きゃああああっ!?」

 

 

一階の方からだろう。女性の叫び声が

病院の中に響いた。

 

 

 

 

一階では。

 

「邪魔だ。」

 

逃げ惑う患者を次々と払い退ける

フェニックスが姿を現していた。

 

「っ!なんだあれは‥怪物!?」

 

その怪物の姿に遠くから見ていた医師の

慎二も驚きを隠せずにいた。

 

「せ、先生!どうしたら‥!」

 

「‥!患者達の避難を最優先に!

避難警報も鳴らしてください!」

 

「「は、はい!」」

 

慎二の言葉に看護師達は

フェニックスに気付かれないように動いていく。

 

「待ってろ‥ゲートの親共‥、

今すぐ息の根止めてやる‥。」

 

フェニックスはそう言って、

ひろきがいる病室へと歩き出す。

 

 

 

 

晴希のいる廊下では。

 

 

 

 

「‥‥やっぱきたか‥。」

 

俺は海未から受け取った指輪を見つめ

フェニックスがいる一階へと歩き出す。

 

が、突然穂乃果が手を引っ張る。

 

 

「待って!やっぱり無茶だよ!

さっき晴希君怖がってたし‥

その指輪が使えなくて‥

‥もし負けて死んじゃったら私‥!」

 

「ごめん穂乃果。」

 

涙目になりながら俺の手を掴む穂乃果。

それが逆に嬉しかった。そして

穂乃果へ振り返り、

 

 

 

「勝てる可能性が1%でもあるのなら‥

俺はそれにかける。

それに、お前達を置いて死んだりしないよ、

言っただろ、俺はお前達の最後の希望だ。」

 

「‥晴希君‥‥。」

 

俺は笑顔でそう言って掴んだ手を離し

フェニックスのもとへと向かった。

 

 

「2人はいいの!?晴希君が‥

死ぬかもしれないんだよ‥?」

 

 

「ことりは‥晴希君を信じる。」

 

「穂乃果、彼の方はなんども

私達を救ってくれた方‥魔法使いですよ?

信じましょう‥‥彼が勝ってくれることを‥。

晴希は‥最後の希望ですから。」

 

穂乃果は海未とことりに聞いてみるが

2人はそう言って晴希が走っていく背中を

見守っていた。

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

「っ!ファントム!」

 

一階に降り人の叫び声が聞こえる

方角へ向かうと、逃げ惑う人々の、後ろに

フェニックスはいた。

 

「やっときたな、指輪の魔法使い。

今度こそ、逃がさねぇぞ?」

 

「あぁ、もう逃げないから安心しろ。」

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

俺はそういいながら

ドライバーオンリングをベルトにかざし、

ベルトはウィザードライバーへと形を変える。

 

「ここで‥お前を倒す。」

 

俺は覚悟を決めシフトレバーを上下に動かした。

 

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン‼︎

 

シャバドゥビタッチヘンシーン‼︎

 

シャバドゥビタッチヘンシーン‼︎》

 

 

テンションの高い待機音声が響き、

俺はフレイムリングを左手の中指に付ける。

 

 

「はぁ?‥‥ほざけ!」

 

フェニックスはそう言って

俺に向かって走り出す。

 

俺はフレイムリングのバイザーを下げ

ドライバーへとかざした。

 

 

 

「変身っ。」

 

 

魔法の言葉を言いながら。

 

 

 

《フレイム!・プリーズ

 

 

ヒーヒー・ヒーヒーヒー!!》

 

左手を横に振り上げその先から

魔法陣が現れる。その魔法陣は

俺の身体を通り抜けると俺は

仮面ライダーウィザードへと姿を変える。

 

「フン!」

 

「っ!」

 

変身したと同時に

フェニックスは攻撃を仕掛けてくるが

ウィザードはなんとか防ぎきる。

 

 

「ドォラァッ!!」

 

 

「うぐっ!?」

 

 

フェニックスはウィザードの

腕を掴み壁に打ち付ける。

その衝撃で壁は壊れ

病院の外、中庭へと転がる

ウィザード。

 

 

 

そして外で交戦してるのを

二階の窓から穂乃果達は見届けていた。

 

「晴希君‥!」

 

穂乃果は我慢できなくなったのか

突然廊下を走り出す。

 

「穂乃果!?」

 

「穂乃果ちゃん!?」

 

海未とことりは名前を呼び

走っていく穂乃果の後を追いかける。

 

 

 

 

「オラッ!」

 

「ぐっ!?」

 

やはり桁違いの強さにウィザードはおされ、

吹き飛ばされるウィザード。

そして、立ち上がると同時に

ウィザードはフレイムリングを外し

〝フレイムドラゴンリング〟を付ける。

 

「‥ドラゴン、俺に力を貸せ!」

 

ウィザードはそう言って

シフトレバーを上下に動かし、

ドライバーへとかざした。

だが、

 

 

 

《エラー》

 

「っ!?何で‥‥!」

 

最初に使った時と同じように

ドライバーからはエラー音が鳴るだけだった。

 

「おい。」

 

「‥!あっ!」

 

その間にフェニックスは既に

ウィザードの目の前にいた。

 

「余所見している場合じゃねえぞ!」

 

「うぐっ!がはっ!?」

 

不意をつかれ反応が遅れるウィザードは

フェニックスの攻撃を受け続けた。

 

 

 

ーー

 

ひろきの病室にて。

 

 

「晴希先輩‥大丈夫かな‥‥。」

 

「花陽。」

 

窓越しで花陽がそう言うと

真姫がそれを制す。

ただでさえ落ち込んでるひろきの前で

その発言はダメと察し花陽は両手に口を当てる。

 

「‥‥どうしよう‥‥晴希が負けたら‥‥。」

 

「大丈夫よ、あいつが負けるわけないじゃない。

絶対勝ってくれるわ。」

 

「にこ先輩が言うと説得力ないにゃ。」

 

「なんですって!?」

 

ひろきを元気付けようとにこが

そう言うが凛にダメ出しを喰らう。

その様子を見て微かに微笑む

ひろき。

 

「‥先輩なら必ず勝つわ、

希望を捨てずに信じましょう?」

 

真姫はひろきの肩に手を置いてそう言うと

周りに凛、花陽、にこも集まり

ひろきの顔を見て頷く。

 

「‥‥うん、信じる。」

 

 

 

ーーーー

 

 

「ハッハ!」

 

「ぐはっ⁉︎」

 

フェニックスに蹴られ

地面を転がるウィザード。

魔力も少ないせいなのか

身体に力が入らずにいるウィザード。

 

「おい、俺を倒すって言ったよな?

オラッ!オラッ!」

 

フェニックスはウィザードの頭を持ち

何度もみぞおちへ膝蹴りを入れてくる。

 

「ううぅ‥‥!!」

 

「ハ‥倒されんのはテメェだ‥よぉっ!!」

 

無理やり立ち上がらせたウィザードに

ドロップキックを入れ

ウィザードは吹き飛び

背後にあるベンチに倒れ込む。

ベンチは壊れそのまま地面へと

打ち付けられるウィザード。

 

「ふぅん!!」

 

 

「がぁあああっ!?」

 

フェニックスは手を振り上げ

そこから放たれた火の弾幕に

ウィザードはもろに喰らい

再び吹き飛ばされる。

 

「ぐっ‥くそ!」

 

「ハッハッハ!どうした?

もっと俺を楽しませろよ」

 

焼けるように痛い身体をおさえながら

ウィザードはフェニックスを見る。

 

その時。

 

 

「晴希君!!」

 

その声にウィザードは後ろを振り返ると

そこには穂乃果がこちらに向かって走ってきた。

 

「ちょっ!なんで来てるんだよ!?」

 

 

「穂乃果!危険です!」

 

「穂乃果ちゃん!」

 

その後ろから海未とことりも走ってくる。

 

「んん?心配すんな、魔法使い倒したら

テメェらも後でいたぶってやるからよぉ。」

 

フェニックスはそう言ってゆっくりと近付いてくる。

 

まずい‥‥このままじゃ穂乃果達まで‥!

 

ウィザードは穂乃果達の前に立ち

再びシフトレバーを上下に動かし

フレイムドラゴンリングを

ドライバーへかざした。

 

 

《エラー》

 

「‥‥もう感じてんだろ!?

ドラゴン!!」

 

「は、晴希君‥?」

 

ウィザードが指輪を見ながら叫んでいると

穂乃果はそれを見て晴希の名前を呼ぶ。

 

 

「今ここで、こいつらを守らなきゃいけないんだ!

だから、俺に‥俺に力を貸せぇえ!!」

 

 

ウィザードはそう叫び、

勢いよくフレイムドラゴンリングを

ドライバーにかざした。

 

 

 

 

そして晴希の視界が突然真っ黒に染まる。

 

 

 

 

 

 

「‥‥‥‥‥‥。」

 

 

 

 

 

「晴希君‥?」

 

「晴希‥?」

 

突然動かなくなったウィザードに

ことりと海未も様子がおかしいと

呼びかけるが全く反応しない。

 

「はぁ?どうしたってんだ?」

 

フェニックスも突然動かなくなる

ウィザードに首を傾げるが。

 

「‥早くトドメをさせってことか。」

 

そう言って再びウィザードと穂乃果達へと

歩きだすフェニックス。

 

 

「っ!穂乃果ちゃん!」

 

「‥‥!!」

 

ことりは穂乃果の袖を引っ張るが

穂乃果は動かなくなったウィザードの

前に立ち両手を広げる。

 

「こ、これ以上晴希君に手を出さないで!!」

 

「は?何言ってんだテメェ。

どうやら先に死にたいのはテメェらしいなぁ。」

 

フェニックスはそう言って手から炎を出して

穂乃果達へと近付いてくる。

 

「穂乃果!!」

 

「穂乃果ちゃんっ!!」

 

2人は叫ぶが怖くて動けないのか

穂乃果は立っているままだった。

そして目を瞑った瞬間。

 

 

 

「っ!?」

 

突然横から紫の弾幕が飛び交い

フェニックスは穂乃果達から飛び退く。

 

「‥‥えっ?」

 

「‥‥テメェは‥?」

 

穂乃果達やフェニックスが見る先には

ウィザーソードガンを銃モードで構えた

少年がこちらを見ていた。

 

 

「見てるだけにしようかと思ったが。

‥なかなか強そうな奴がいるじゃねえか。」

 

少年はそう言うと既に変えてある

ウィザードライバーのシフトレバーを上下に動かす。

 

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン‼︎

 

シャバドゥビタッチヘンシーン‼︎

 

シャバドゥビタッチヘンシーン‼︎》

 

 

テンションの高い音声が鳴り響き、

少年はダークネスリングのバイザーを下げ、

顔を引っ掻くように手を軽く振り、

ドライバーへとかざす。

 

魔法の言葉を言いながら。

 

「変身!」

 

 

 

《ダークネス!プリーズ

 

アク アク・アクアクアーク‼︎》

 

 

両手を軽く横に振り上げると

真上から紫の魔法陣が現れる。

魔法陣は少年の身体を下へと

通り抜けると少年は

仮面ライダーダークウィザードへと

姿を変える。

 

 

「‥テメェは、もう1人の魔法使いか?」

 

2人目の魔法使いが現れ

フェニックスは少し嬉しそうに身構える。

 

「‥‥あの時の‥。」

 

「紫のウィザード‥以前穂乃果達が

出会った方ですか‥?」

 

「う、うん。夜 ファントムに

襲われそうになった所を

助けてくれた人だよ。」

 

穂乃果達はダークウィザードを

駆けつけてくれた味方だと思い

どこか安心してしまう。

 

「さぁて、行くぜ。」

 

ダークウィザードは

ウィザーソードガンを剣モードに構え

フェニックスに向かって走り出す。

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

「‥‥‥‥ここは‥‥‥?」

 

 

晴希は目を覚ますと

真っ黒な空間に立っていた。

目を開けても、見渡しても黒い世界。

すると、突然周りが白くなり、

目の前に黒い影が現れる。

その影はだんだん人の形に変わり‥

 

「‥‥え、‥‥‥‥俺?」

 

そして、操真晴希の姿に変わった。

 

「フン、目が覚めたか‥。」

 

だが口調も声も全く別人だった。

俺はすぐにこいつが何者か理解し

周りをキョロキョロと見回した。

 

「ここは、どこだ?」

 

「ここは俺と操真晴希が

意識を共有できる空間‥

それと同時に‥お前のアンダーワールドだ。」

 

「俺の‥アンダーワールド‥‥?

ちょっと待て、俺は

絶望なんてしていないぞ‥。」

 

俺がそう聞くと目の前の晴希は

静かに笑い出す。

 

「ハッハッハ‥‥‥どうやら

何も覚えていないようだな‥よかろう、

ならば思い出させてやる。

お前が絶望する時の出来事をな‥。」

 

目の前の晴希がそう言うと

突然周りが激しく光り、俺は目を瞑ってしまう。

 

 

「‥‥‥‥!?」

 

 

しばらくして目を開けると

なぜか俺は車に乗っていた。

身体が軽い‥俺は自分を確認すると

小学生の身体になっている事に気付く。

 

 

「雨が強くなってきたな‥‥。」

 

「そうね‥晴希、もう少しだから

ドーナツでも食べときなさい。」

 

そして、運転席と助手席に座っている

男女が会話をして女性は俺に

大好きなプレーンシュガーを

差し出してくる。

 

「(っ。身体が勝手に‥。)」

 

俺は自分の意思に関係なく

ドーナツを受け取り食べ始める。

 

「本当晴希はそのドーナツが好きだな。」

 

運転席の男性は食べてる俺を見て

笑顔でそう言ってくる。

すると俺の意思に関係なく俺は口を動かした

 

 

「早く帰ろうよ、お父さん、お母さん。」

 

‥!!

 

 

俺は何となく予想ができてきた。

どうやらここはあの怪物が見せた

俺こと操真晴希の過去みたいだ。

 

 

なら‥‥‥この人達が‥俺の、

お父さんとお母さん‥‥。

 

 

 

 

 

その時だった。

 

 

 

 

 

突然目の前が眩しい光に包まれる。

前方に大型トラックがこちらに

接近してきたのだ。

 

「!あぶないっっ!!」

 

「きゃあっ!!」

 

「(っ!?)」

 

父親が叫ぶ時は既に遅く、

俺が乗っていた車は

勢いよくトラックにぶつかった。

 

「(ぐ‥!?また光りが‥!)」

 

それと同時に先ほどの光りがまた俺を

照らし、今度は見知らぬ病室へと

立っていた。

そして、俺の目の前のベッドに横たわる

父親と母親がそこにいた。

 

「‥‥お父さん‥お母さん‥‥‥?」

 

また、俺の意思とは関係なく

小学生の俺は言葉をしゃべる。

すると2人はその声を聞いて

痛々しい怪我をしていながらも

ゆっくりと俺の方を向いてくる。

 

「よかったぁ‥貴方が生きててくれて‥」

 

「(!?)」

 

俺はその言葉に反応する。

ひろきが自分を責めてた時に脳内に

よぎった言葉と同じだったからだ。

 

 

「お母さん!死んじゃやだよ!」

 

俺は母親に涙目で すがりよる。

すると母親はゆっくりと手を差し伸べてくる。

 

「忘れないで、晴希‥貴方は、

お母さんとお父さんの‥‥希望よ。」

 

「‥僕が‥‥希望‥‥?」

 

 

「そうだ‥‥晴希‥‥。」

 

今度は父親から声が聞こえ

俺は父親へと振り返る。

 

「晴希が生きててくれる事が‥‥

俺たちの希望だ。今までも‥‥

これからも‥‥‥‥。」

 

声が擦れながらもそう言って

父親は俺に手を差し伸べてくる。

俺は2人の手を両手で掴み

力強く2人の手を握った。

 

そして、

 

 

モニターの心拍数が途絶え、

2人の意識は途絶えた。

 

「晴希君!」

 

看護師や医者が慌てて

2人の意識を戻そうと

心臓マッサージや電気ショックなど

行ってる中、俺は

過去の美希子さんに外へ連れていかれる。

 

 

 

「急いで先生にコールを!」

 

‥‥嫌だ。

 

 

「操真さん!聞こえますか⁉︎操真さん!」

 

 

‥‥‥ダメだ‥‥。

 

‥‥‥俺を置いて‥死ぬなんて‥‥

 

 

 

「‥!! やだよぉっ!!」

 

 

 

 

 

そして俺は、絶望した。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー

 

 

 

「オッラァ!!」

 

フェニックスは跳躍し

ダークウィザードの首へと重い一撃の

蹴りを入れダークウィザードは吹き飛び

ベンチへと突っ込む。

 

 

「‥‥!! いってぇなぁ!!」

 

ダークウィザードは激痛を叫んで

耐えながら走り、

ウィザーソードガンで斬りつける。

だがフェニックスはそれを受け止める。

 

「っ!?」

 

「赤い魔法使いよりかは強いみたいだが

所詮俺には敵わねえよ!オラッ!」

 

「ぐっ!?」

 

フェニックスはウィザーソードガンを

取り上げそれを使ってダークウィザードを

何度も斬りつける。

 

 

 

「晴希君!晴希君っ!」

 

一方、突然動かなくなった

ウィザードに穂乃果達は

必死に声をかけていた。

 

「まずいです‥!とにかく

ここを離れないと!」

 

「う、うん!穂乃果ちゃん!」

 

海未とことりはここにいたら

巻き添えを喰らうと思い

ウィザードを掴んでこの場から

離れようとする。

 

「‥‥ん?‥‥逃がすかよ!」

 

ダークウィザードを吹き飛ばして

逃げようとする穂乃果達を見た

フェニックスは拳に炎を宿し

それを穂乃果達に向けて振り上げる。

 

「「「っ!!」」」

 

 

「っ!?ちぃっ!!」

 

ダークウィザードは即座に

ディフェンドウィザードリングを

右手の中指に付けて

シフトレバーを上下に動かし

ドライバーへとかざす。

 

《ディフェンド!・プリーズ》

 

そして穂乃果達に右手を掲げると

穂乃果達の目の前に

紫の魔法陣が現れフェニックスが

繰り出した炎攻撃を防いだ。

 

「なっ、テメェ‥。」

 

「てめぇの相手は俺だろうよ!

鳥もどきが!」

 

ダークウィザードはそう言って

フェニックスへと殴りかかる。

 

「おい!いつまでそのザコ寝てんだよ!

さっさと起こせよ!!」

 

ダークウィザードはフェニックスと

交戦しながら穂乃果達に叫ぶ。

 

 

「っ、や、やってるよ!

そんな怒鳴らなくてもいいじゃん!」

 

穂乃果はそう言って

もう無理矢理に肩を揺らして

晴希の名前をひたすら呼んだ。

 

 

ーーーー

 

 

「ーーー⁉︎っハァッ‥ハァッ‥!!」

 

俺は今までにあった両親との思い出、

過去を見せられようやく元の空間に

戻ることができる。

いきなり沢山の過去が一気に脳内に入ってきた為か

軽く過呼吸を起こす俺。

 

「思い出しただろう‥‥‥絶望の時を‥‥。」

 

そして再び目の前に晴希が現れ

苦しむ俺を喜ぶように見下してそう言った。

 

「‥‥た、確かに‥相当凄い過去だな‥‥

でも、それだけじゃない。」

 

俺は呼吸を落ち着かせて

一旦区切り、

目の前の晴希を見ながら立ち上がる。

 

 

「俺が父さんと母さんから、

希望を貰った時でもある。」

 

「フン‥‥しぶとい奴だ‥‥。」

 

残念そうに言う晴希に

俺はフレイムドラゴンリングをつけた

左手を晴希に見せた。

 

「俺に力を貸せ、()()()()。」

 

俺がそう言うと

晴希は怪物、俺の魔力の源である

ウィザードラゴンへと姿を変え

俺の周りを飛び回る。

 

 

「確かにその指輪を使えば現実で

俺の力を使えるようになる‥‥だがそれは

お前が絶望に近づくということだぞ?」

 

 

「‥そうかもしれない‥だけど。」

 

「‥‥‥?」

 

「お前が見せた過去のお陰で、

俺は本当に家族の温もりを感じた、

そして‥この力があいつらを守れる程の力なら‥

ドラゴン、お前の力も俺の希望だ。」

 

俺はそう言って

フレイムドラゴンリングを見せる。

 

「‥この俺が希望だと?」

 

ウィザードラゴンがそう言うと

俺はニヤッと笑い

ゆっくりと頷く。

するとウィザードラゴンは

高笑いをしだす。

 

 

 

「ハッハッハ‥‥面白い、

ならばどこまで耐えられるか試してやろう、

思う存分この俺の力を使うがいい。」

 

 

そしてウィザードラゴンは頭上を大きく飛び

俺と合体するように俺の中へ飛び込んでくる。

 

 

「あぁ、使わせてもらうぜ。」

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

《フレイム!‥フレイム!‥フレイム!》

 

 

「うわっ⁉︎晴希君‥⁉︎」

 

突然ドライバーから鳴り出す音に

穂乃果達はびっくりする。

そしてウィザードはゆっくりと顔を上げる。

 

「悪い 穂乃果、海未、ことり。

あぶないから下がってろ。」

 

ウィザードがそう言うと

意識の戻ったウィザードを見て

安心し、穂乃果達はウィザードから離れる。

そして、ウィザードは

ゆっくりとドライバーの

ハンドオーサーから左手を離す。

 

 

 

 

 

 

《フレイム!・ドラゴン

ボウー!ボウー!・ボウーボウーボォ!!》

 

 

 

 

 

 

荒々しい音声と共に魔法陣が現れ

さらにウィザードの周りを

炎を纏ったウィザードラゴンが飛び交い、

ウィザードの身体に入り込む。

そしてウィザードは炎のドラゴンの翼を広げ

フレイムスタイルから

〝フレイムドラゴンスタイル〟へと

姿を変えた。

 

「あ?‥何だあの姿‥。」

 

「へぇ‥もうあのスタイルへ

変わったのか‥。」

 

互いの攻撃をやめ、フェニックスと

ダークウィザードは新しい姿の

ウィザードを見る。

 

「す、すごい‥すごいよ晴希君!」

 

「これが‥あの指輪の力‥‥。」

 

「一瞬晴希君の周りに何か飛んでたよね?」

 

穂乃果、海未、ことりも新しい姿を見て

感想を言っている。

 

そして、病院の屋上で

ホワイトガルーダが飛び交う中、

白い魔法使いがウィザード達を

見下ろしていた。

 

「1人は進化したか‥‥もう1人は‥。」

 

そう言って白い魔法使いは

その場を見届けていた。

 

新しい力を得たウィザードは

自身の姿を確認して

フェニックスに向けて

いつもの言葉を言った。

 

 

「さぁ、ショータイムだ。」

 

 

 

 

 

BGM 〜Just the Beginning

μ's version〜

 

注意事項(妄想でお楽しみください)

 

 

「‥お手並みを拝見‥だなぁ。」

 

ダークウィザードは

フェニックスから離れ

壊れた壁に座り込みその様子を見た。

 

 

 

 

「力が漲る‥これなら‥勝てる。」

 

 

ウィザードはゆっくりと歩き出し

フェニックスの元へと向かう。

 

「!ウォオオオオッ!」

 

フェニックスは雄叫びをあげて

ウィザードへと走り出す。

そして繰り出した拳を

ウィザードは難なく受け流す。

どの攻撃も全て読み取れるかのように。

 

「ハッ!」

 

そしてウィザードは華麗に回し蹴りを決め

フェニックスは吹き飛び

ベンチを粉砕し、その場に倒れ込む。

 

「‥ふふ。」

 

自分の強さが格段にパワーアップした事に

思わず笑ってしまうウィザード。

それを聞いたフェニックスは

苛立ち、手から炎で作り出した

大剣 カタストロフを持って斬りかかってくる。

 

それをウィザードは避けがら空きの背中へ

蹴りを叩き込み距離を取る。

その隙にウィザードはコネクトリングを付け

シフトレバーを上下に動かし

ドライバーへとかざした。

 

《コネクト・プリーズ》

 

音声と共に現れた魔法陣から

ウィザーソードガンを剣モードに構え、

さらにハンドスプリングを開く。

 

《キャモナスラッシュ‼︎

シェイクハンズ‼︎

 

キャモナスラッシュ‼︎

シェイクハンズ‼︎》

 

待機音声が流れる中コピーリングを付けた

ウィザードはそれをハンドオーサーにかざす。

 

《コピー・プリーズ》

 

すると魔法陣が現れ

そこからコピーで作り出した

もう一つのウィザーソードガンを構える。

 

「痛い思いで経験したやり方だ。

俺の剣、見せてやる。」

 

ウィザードはそう言って

ウィザーソードガンを器用に振り回し

走りだすフェニックスへと近付く。

 

「オラァ‼︎」

 

「フンッ!」

 

振りかざす大剣をウィザードは

片方のウィザーソードガンで受け止め

片方のウィザーソードガンで斬りつける。

怯みながらもフェニックスはまた

振りかざしてくるがウィザードは

同じ方法で華麗に戦場を舞うように

フェニックスを翻弄していく。

その姿は見守る穂乃果達を魅了していく。

 

「ハァッ!!」

 

「ぐあっ⁉︎‥嘘だ‥!この俺が‥!

魔法使いごときにぃい!!」

 

フェニックスは声を荒げ

ウィザードへカタストロフを振りかざす

だがウィザードは力を入れ

二刀のウィザーソードガンで薙ぎ払い

フェニックスは吹き飛ばされる。

 

「‥言っただろう、ここでお前を倒すと。

‥‥‥‥‥‥ん?」

 

するとウィザードの腰から1つの指輪が

赤く発光しだす。

ウィザードはその指輪を取り出すと

それは以前使ってもエラー音しかならかった

スペシャルリングだった。

取り出すと同時に中指につけてある

フレイムドラゴンリングと共鳴するかの様に

互いが光り出す。

 

「なるほど、この指輪はこいつと

セットみたいな感じなのね。」

 

ウィザードはそう言って

スペシャルリングを付け、

シフトレバーを上下に動かし

ドライバーへとかざした。

 

 

 

《チョーイイネ!

 

スペシャル!

 

サイコーッ!!》

 

 

音声が流れるとウィザードの背中に

魔法陣が現れウィザードは

ゆっくりと浮上していく。

それと同時に魔法陣から

炎を纏ったウィザードラゴンが現れ

ウィザードの身体を背中から

貫く様に合体する。

するとウィザードの胸部から

ドラゴンの頭が現れその頭は咆哮を上げる。

どうやらこの指輪は

ウィザードラゴンの力の

一部を解放できるみたいだ。

 

「ぐぅ‥‥あぁあああっ!!!」

 

フェニックスは怒りで理性を忘れ

身体に火を纏ってウィザードへと走りだす。

 

 

「‥フィナーレだ。」

 

ウィザードがそう言うと

ウィザードラゴンの口が開き

灼熱の業火の如く凄まじい火が放たれる。

 

 

 

これがフレイムドラゴンスタイルの

必殺技、

〝ドラゴンブレス〟

 

 

 

「っ!!?‥‥‥ぐぁああああっ!!」

 

 

それをもろに浴びたフェニックスは

ドラゴンの火には耐え切れず

その場で爆散した。

 

 

「‥‥‥ふぃ〜‥。」

 

やべ、地面溶けてる‥‥。

ウィザードはそう思いながら変身を解く

それと同時に穂乃果達が近寄ってくる。

 

「晴希君!怪我はない!?大丈夫!?」

 

「うわっぷ!?だ、大丈夫だから

くっつくな!お前らは平気か?」

 

飛びついてきた穂乃果を避けて

安否を確認するが海未もことりも

笑顔で大丈夫と言ってくれた。

‥さっき柔らかい感触が肩辺りに‥

‥は、いかんいかん。

 

 

「少しは強くなったじゃんかよ。」

 

その言葉に俺や穂乃果達が振り向くと

ちょっとボロボロになってる

赤いメッシュの少年がこちらを見ていた。

 

 

「お前‥!?‥‥‥‥いたのかよ。」

 

 

「‥!‥‥はぁ、興が冷めた。」

 

俺の反応に眉を動かしため息を吐くと

少年は背を向けて帰ろうとする。

 

「あ、あの!2度も助けてくれて‥

ありがとうございます!」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

穂乃果が呼び止め礼を言うと

ことりも後から礼を言ってくる。

すると少年は静かに笑い出した。

 

「‥はあ?助けた?ないない、

俺はただ暴れたかっただけだ。」

 

そう言って少年はそのまま病院の外へと

歩いて行った。

 

「‥‥相変わらず感じ悪いなぁ。」

 

「‥でも、私、あの人悪い人には

見えない‥そんな気がする。」

 

俺が嫌そうに言うと穂乃果は

少年の背中を見ながらそう言った。

 

てか、この騒ぎどうしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

 

「秀夜君っ!」

 

突然女の子の声に呼び止められた

少年はきだるそうに振り返る。

そこには帽子とグラサンをかけた

身長の低い女の子らしき人物がいた。

 

「ちょっと!勝手に帰らないでくれる!?

私さっき来たばかりなのよ?それに、

何なのあの騒ぎ。

お見舞い所じゃなかったわよっ。」

 

ずかずかと少年に文句を言ってくる女の子に

少年は舌打ちをしてそのまま帰ろうとする。

 

「あ、ちょ!どこ行くの!?」

 

「帰る。」

 

「帰るってお見舞いはっ!?」

 

「行った。」

 

「行ったって‥どうせ花束

置いてきただけでしょ?」

 

その言葉に少年は鼻を鳴らす。

それにため息をついた女の子は

少年の手を掴む。

 

「‥‥おい、離せ。」

 

「ダメ、もう一回行くわよ。」

 

「はぁ!?ざけんなっ、

なんでまた行かなきゃいけねぇんだよ!」

 

「うるさい、いいからくる。」

 

「ちょ!離せって!ゴラァ!」

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

数日後。

 

 

「うーす。」

 

音ノ木坂学院の放課後。

部室にて集まってるμ'sのメンバーに

顔をだす俺。

 

「あ、晴希君、どこ行ってたの?」

 

「あぁ、電話だよ。美希子さん達からのね。」

 

ことりの質問に

俺がそう言うと穂乃果は

穂乃果もひろき君と喋りたかったぁ!

などと言って駄々をこねる穂乃果。

 

「元気そうだった?」

 

「うん、美希子さんも旦那さんも

とりあえず安心していいって。

ひろきもちゃんと話できたみたいだし。」

 

にこの問いに俺は椅子に腰掛けながら

そう言って、机に置いてあるお菓子を摘む。

 

「本当ですか?

‥よかったですっ。」

 

「これでひろき君の家に

泊まり込みができるにゃ〜!」

 

花陽が安心してると隣で

凛はバンザイして喜ぶが、

 

 

「おいおい、ひろきはもう襲われる

心配ないんだから行っても意味ないぞ?」

 

おれがそう言うと凛の頭から

ガーンと効果音が聞こえその場に

四つん這いになって倒れる。

 

「晴希も完全回復しましたし‥。」

 

「それどころか

パワーアップしちゃってるわね。」

 

海未、真姫がそう言うと俺は

まぁねと少し笑ってしまう。

 

因みにあの後の西木野総合病院は

一部はテレビに取り上げられたが

俺がウィザードということは気付かれず

事も大きくなっていなかった。

いつも通り神がなんかしてくれたんだろうな。

 

それぞれが喜ぶ笑顔を見て

俺も自然と笑顔になり、新しい力を得た

フレイムドラゴンリングを取り出し見つめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

地下通路にて。

 

 

「指輪の魔法使い‥‥、

まさか貴方を倒すなんてね‥‥

何か言うことはない?‥

 

 

()()()()()()?」

 

 

「‥‥‥。」

 

メデューサがそう言って振り返ると

バツが悪そうにため息をつく

フェニックスがそこにいたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、仮面ライダーウィザード

 

 

 

「あ、あのー?」

 

「はい、笑って。」

 

突然副会長に向けられたカメラに戸惑う俺。

 

 

「ハーイ!指輪届けに来たよハルキクーン!ぐはっ⁉︎」

 

「なんで堂々とでてきてんだよあんた!?」

 

いきなり現れた爺さんを蹴り飛ばす晴希。

 

「リーダーには誰がふさわしいか‥。」

 

突然部室へ集まる半分真剣なμ's。

何があったの?

 

 

「‥‥‥見ましたね?」

 

「マッタクミテイナイデス。」

 

目の前で笑顔で怒る海未。

やらかしましたぁー!

 

 

 

第15話 センターは誰??




中々終わらないと思ったら
20000越えしてしまった‥!!
次は控えめにしておこう。
うーお腹痛い‥。(>_<)


感想、評価などがあれば是非お願いします。(^^)

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