ラブウィザード! 〜希望の柱〜   作:しょくんだよ

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晴希「作者さん!アンタ
文のミスが多くないか?」
‥も、申し訳ありませんっ(>_<)
海未「晴希の言う通りですよ!ちゃんと
原作の設定など見ているのですか⁉︎」
あ、えと‥はい(>_<)
見ておりまする(ーー;)
晴希「曖昧だなっ⁉︎しっかりしてくれよ!」
が、頑張ります( ; ; )

希「作者さんも大変やな〜」



第11話 にこ、襲来

午前、神田明神にて。

 

 

「んっ、しょっ。ん〜。」

 

 

いつもの朝練の場所でμ'sメンバーの1人、

南ことりは1番に来てストレッチをしていた。

 

「んん〜‥‥‥ん?」

 

ふと、ストレッチの最中に背後から視線を感じた

ことりは振り返る。だがそこには誰もおらず、

地面へ降りて餌を探しているのか

小鳥がチュンチュンと鳴いているだけだった。

 

気の所為かなと思い再びストレッチを再開する

ことりだが。。

 

「‥‥?」

 

やはり気になるのかストレッチに

集中できずにいることり。

 

 

「ごめんごめーん!待ったぁ?」

 

そこへ同じμ'sのメンバーの1人、

ことりの幼馴染の高坂穂乃果が息を切らせながら

階段を急いで登ってきた。

 

「ううん、私もさっき来た所だから、

海未ちゃんは弓道の朝練があるんだって☆

‥あれ?晴希君は?」

 

もう1人の幼馴染、そしてμ'sメンバーの

園田海未は弓道部に入っており、スクールアイドルと

掛け持ちをしているのだ。

弓道部で身体を鍛えている為、

練習に出ていない部分を密かに単独で

補っているらしい。

 

「それが聞いてよ!晴希君起こしたんだけど、

魔力が回復してないらしくて朝練は出れないんだってっ。

ちゃんと寝てよって昨日あれほど言ったのに!

学校はちゃんと来るみたいだよっ。」

 

操真晴希はゲームのしすぎで現在、

爆睡中だった。

昨日 穂乃果が電話していた時

ゼ◯ダ無双が俺を待っている!

などと言っていたらしい。

 

すると、

穂乃果が言い終わると同時にことりは

即座に背後を振り返った。

 

「‥ことりちゃん?」

 

「穂乃果ちゃん、今後ろに誰かいなかった?」

 

穂乃果が首を傾げると

ことりは真剣な目付きで背後の視線がする

寺の物陰にめを向ける。

 

「‥後ろ?」

 

穂乃果もことりの目線の方角を見ると

その物陰から若干足が出ているのが見えた。

 

「‥!‥ささっ。」

 

穂乃果はそれに気付き、

忍者の素振りをしながらその付近へ歩み寄る。

 

「っ!‥‥‥あれ?」

 

そして足の見えた寺の角を見る。

が、そこには誰もおらず

人の姿すらなかった。

おかしいと思いながら穂乃果は

奥の方を見るべく探した。

 

 

その時、

突然、穂乃果の左足が誰かに掴まれる。

 

 

「うわ⁉︎うわわわわっ‼︎」

 

片足を掴まれこけそうになるが

ダンスで鍛えた身体、そして反射神経で

こけそうになる身体を手で抑え

顔面から地面へ

ぶつける事なくすんだ穂乃果。

 

「うぐぐ‥‥‥い、いったぁあいっ!」

 

だが勢いもあったのか重心がかかった

身体を支えた手はかなり痛かったみたいだ。

座り込んだ穂乃果に突然

誰かが近寄ってきた。

 

 

「っ!‥‥‥んん?‥‥うがっ⁉︎」

 

穂乃果は何かされると目を瞑るが

何もしてこない人物に恐る恐る目を開けると

その人物は穂乃果の額にデコピンをした。

 

「ふぇあ〜‥‥」

 

「穂乃果ちゃん⁉︎」

 

後から来たことりはおでこが赤く腫れ

倒れ込む穂乃果に近寄ると。

 

「ひっ⁉︎」

 

その目の前にコートを羽織り、

サングラス、マスクといった格好の

ツインテールの女の子が立ちはだかる。

不審者ですよー、と言わんばかりの

その風貌に

ことりも怖じ気ずく。

 

「‥あんたたち。」

 

「ぴぃっ⁉︎」

 

マスクをとった女の子はそう言うと

ことりは鳥が鳴くかのように

悲鳴を上げる。

そして女の子はことりに指を突きつけ、

 

「とっとと解散しなさいっ!」

 

「え?」

 

と、言ってそのまま走り去って行った。

 

「‥今の‥‥誰?」

 

安らかな顔をしてダウンしている穂乃果を

抱きながらことりは見知らぬ女の子の

走り去って行く姿を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

昼過ぎ、とあるゲームセンターにて。

 

 

「ここね‥。」

 

「ったく騒がしいなぁ。

こんなんやって何が楽しいんだ?」

 

ゲームセンターに訪れた上級ファントムの

メデューサとフェニックスはある

ファントムを探しにここへ足を運んだ。

 

「あっはは〜!勝った勝った〜!

チョロいわね〜!」

 

奥の方から声がする方角を見ると

学生服を着たチャラそうな女の子が

レーシングゲームをしていた。

 

「ここにいたのね、〝ハーピー〟」

 

メデューサ達が近付きそう呼ぶと

ハーピーは即座に振り返った。

 

「え⁉︎なんでメデューサさん達が

ここにいんの⁉︎

もしかしてゲート探し⁉︎」

 

「そおいうこった。」

 

びっくりするハーピーに

フェニックスは気だるそうに言う。

 

「えーマジですか‥今いい所なのにぃ。」

 

「これはワイズマンの意思よ。

逆らうことは許されない。

貴方もゲートを見つけて

新たなファントムを生み出しなさい。」

 

「んんー‥最近雨ばかりだからあたしの

能力フルで活かせないんですけどー‥

‥で、誰がゲートなんですかー?」

 

メデューサにそう言われ

ハーピーは髪を整えながら立ち上がる。

 

「この子よ。」

 

メデューサが1枚の写真をハーピーに

差し出す。

ハーピーは機嫌を取り戻したかのように

その写真を手に取りニヤつく。

 

「あっは〜っ、了解〜っ。

ちゃちゃっと終わらせて来ますね〜」

 

「偉くご機嫌みたいだが‥‥

テメェはしくじるなよ‥。」

 

「はいはーいっ。大丈夫ですってー!」

 

そう言ってハーピーは外に出て行った。

 

「‥フェニックス、何をしてるの?」

 

メデューサの矢先には

先ほどハーピーがしていた

レーシングゲームに興味を持ったのか

コインを入れて始めていた。

 

「なんかおもしろそうじゃねぇか、

最近あの2人の魔法使いのせいで

まともにゲート潰せてねぇから

イラ立てているんだよ!

ここでストレス発散させてもらうぜ」

 

 

「‥さっき楽しくないって言ったわよね?」

 

 

 

 

ーーーー

 

 

 

「さーてと。」

 

 

店から出たハーピーは

ゲームセンターの屋上へ跳躍し、

人がいないことを確認して

その姿を怪人態、ハーピーへと姿を変える。

両腕の翼に鳥の様な鋭い足。

赤い髪を靡かせハーピーは

先ほどの写真を取り出す。

 

「まさかあなたがゲートだったなんてねぇ‥。」

 

 

メデューサから受け取った写真を見て

ハーピーはその写真を宙に投げる。

そして右腕の翼を振り上げると

1枚の羽が勢いよく、写真を貫いた。

 

「あっははっ!

雨降る前にとっとと終わらせよーっと」

 

ハーピーは両腕の翼を羽ばたかせ、

どこかへ飛び去った。

 

 

それと同時に、貫いた1枚の写真が

その場に落ちる。

そこにはツインテールの女の子が

笑顔で写っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、音ノ木坂学院にて。

 

 

 

 

「それでは!メンバーを新たに加えた、

新生スクールアイドル!μ'sの練習を始めたいと思います!」

 

「‥いつまで言ってるんですか?」

 

授業が終わり、μ'sのメンバーが集まって

今から練習を始めたいと思っている時間。

毎回穂乃果がこの号令的なことをしているのだが

さすがに突っ込みたくなるぐらい

ホント毎日言ってるんだこの元気な少女は。

 

あ、ども、夜更かしで遅刻した晴希っす。

‥っと、誰に向けて挨拶してんだ俺。

 

「だって、嬉しいんだもん!」

 

「まぁ、その気持ちは分かるな。」

 

「だよねだよね!」

 

色々あったが穂乃果達がスクールアイドルを始めてから

新たに3人も加入してくれたんだからな。

呆れていた海未もその気持ちは

同感なのか笑顔になる。

 

 

「はい!なので、いつも恒例の、1!」

 

「2!」

 

「3!」

 

「4!」

 

「5!」

 

「6!」

 

いつもの恒例?の番号を穂乃果、ことり、海未、

そして1年生組の西木野真姫、星空凛、小泉花陽の

順番でそれぞれが番号を言っていく。

 

「ほらほら!晴希君も!」

 

「‥+、1。」

 

俺は一緒に踊るわけでもない。

ただのサポートとしての加入なのだが‥

因みにこれを付けたのは穂乃果だぜ。

 

 

「くぅ〜〜〜っ!!

7人だよ!7人!アイドルグループみたいだよねぇ!」

 

穂乃果はこの番号呼びが気に入ったのか

毎回やって毎回喜んでいるのだ。

 

ちょっとまて、アイドルしてるのは6人だろ。

1人余計だろ。

 

 

「いつかこの7人が、

神7だとか仏7とかラッキー7とか

言われるのかなぁ‥!」

 

 

「仏とか死んじゃってるみたいなんだけど‥。」

 

「ラッキー7なんて占いみたいな呼び方じゃない。」

 

「毎日同じ事で感動できるなんて

羨ましいにゃあ。」

 

花陽、真姫、凛がそれぞれ口にする。

本当にそんな呼ばれ方されそうで怖いぞ‥。

 

それと‥何気にグッサリ言うよね凛さん。

 

だが穂乃果はそんな言葉はお構いなく、

きゃっきゃとその場で喜んでいた。

 

「私、賑やかなの大好きでしょ!

それに、たくさんいれば歌が下手なの目立たないでしょ!

あと、ダンスを失敗してもバレな‥」

 

「穂乃果。」

 

「‥冗談だよ冗談っ。」

 

そんな事思っていたのかと言う顔で

穂乃果にグイっと近付く海未。

 

「そうだよ、ちゃんとやらないと、

今朝言われたみたいに怒られちゃうよ?」

 

ことりが言うと穂乃果は額につけてる

絆創膏に手をのせる。

ことりが言うには今朝の朝練の時に

穂乃果は何者かに襲われた

(デコピンを喰らった)らしい。

それと、

 

「解散しろ、って言われたんだっけ?」

 

「覚悟はしていましたが‥そう言われると

いい気分ではなくなりますね‥」

 

 

アイドル活動をしていれば気にくわないのか

ダンス下手とかキモいとかブスなどコメントをする

輩も出てくるはずだ。朝遭遇した女の子も

μ'sのライブが気に入らなかったのだろう。

 

 

「でも!それだけ有名になったって事だよね?」

 

「まぁ、確かにな。」

 

さすが凛、ポジティブに考えたらそうなるな。

 

「それより練習、どんどん時間なくなるわよ。」

 

いつもの癖で髪を指先でくるくる回しながら

真姫が言う。確かにその通りだな。

立ち話してたら時間なんてあっという間だ。

俺もゲームして、気付いたら朝日がのぼっていた。

 

真姫がそう言うと凛は猫の様に真姫の肩に抱き着く。

 

「おぉ、真姫ちゃんやる気満々!」

 

「べ、別に私はただとっととやって

早く帰りたいの!」

 

「またまたぁ、凛は知ってるよ〜?

お昼休み1人でこっそり練習してるのっ。」

 

「ヴェッ⁉︎」

 

「おぉ、偉いな真姫。」

 

影ながら努力してるとはな。

流石はツンデレ真姫さん。

 

 

「べ!べべっ、別にあれはただ、

この前やったステップがかっこ悪かったから

変えようてしてたのよ!

あまりにも酷すぎるから!」

 

 

すると、その言葉を聞いた晴希と海未は

なぜかその場で四つん這いになった。

 

 

「ちょ、な、何よ突然!」

 

「真姫ちゃん、真姫ちゃん、

そのステップ考えたの晴希君と海未ちゃんだよっ。」

 

「ゔぇぇえっ⁉︎」

 

穂乃果が小声で真姫にそう言うと

四つん這いになってる2人からボソボソと

声が聞こえてくる。

 

 

「海未‥‥かっこ悪かったらしいぞ‥」

 

「みたいですね‥‥‥。

私達なりに考えたつもりなんですが‥」

 

「どうやらお嬢様にはお気に召さなかったらしい‥」

 

「私、この先やっていける気がしません‥。」

 

「俺もです‥あ、こんなところにゴミが‥」

 

 

「ふ、2人共!元気だしてっ。」

 

「気にすることないにゃ〜、

真姫ちゃんは照れくさいだけだよね?」

 

ことりと階段を登ってくるくると回る凛が

元気付けていると突然皆んなが凛の方へ向き、

暗い顔をしている。

凛も気付いて後ろを振り返ると

 

「雨だ‥‥。」

 

先ほどまで曇りだったのが

雨に変わっていた。

 

 

 

ーー

 

 

「ん〜土砂降りぃ〜‥。」

 

屋上に向かい、穂乃果はドアの窓越しに顔をベタっと

くっつけかなり降っている雨にそういった。

 

「梅雨入りしたって天気予報で言ってたもんね‥。」

 

ことりの言う通り、今はもう5月の後半。

初夏を向かう時期だ。1週間前辺りの天気予報で

梅雨入りすると言ってたからな。

 

「それにしても降りすぎだよぉ‥。

‥‥あ!晴希君!」

 

「できません。」

 

「まだ何も言ってないよ⁉︎」

 

「だいたい予想付くから。」

 

平常心に戻った俺はそう言うと

穂乃果はえー、と項垂れる。

魔法で晴れにしてくれと言うつもりだろうが

そんな素晴らしい魔法使える訳がないだろう。

 

「降水確率60%って言ってたのにぃ‥」

 

「60%なら降ってもおかしくないんじゃない?」

 

穂乃果が落ち込むと真姫がそう言う。

そして、いつの間にか使い魔の

レッドガルーダが真姫の肩に乗っていた。

ブルーユニコーンも俺たちの足元で

外にいたのか濡れた身体をブルブルと震わせて

水を落としていた。

花陽はユニコーンを抱き上げて持っている

タオルで身体を拭いている。

イエロークラーケンは、‥

‥生徒会室だろう。

それにあいつはタコだから

この天気だと逆に喜んで外に出てそうだな。

 

「でも!昨日も一昨日も60%だったのに

降らなかったよ?」

 

「あ、雨少し弱くなったかもっ。」

 

ことりが窓越しで言うと

先ほどまでザアザアだった雨が弱くなり

いつの間にか小雨になっていた。

 

「本当だ!やっぱり確率だよぉ!」

 

「このくらいなら練習できるにゃ!」

 

穂乃果と凛はドアを開けて

どんよりとした雲を見ながらそう言った。

 

「ですが、下が濡れて滑りやすいですし、

またいつ降り出すかも‥」

 

 

「大丈夫大丈夫!練習できるよーっ!」

 

海未が言い終わる前に屋上へ駆け出し、

濡れた床を走りながら穂乃果がこちらに向けて叫ぶ。

 

 

「ん〜っ!!テンション上がるにゃあ〜〜っ!」

 

同じく駆け出した凛がそう言うと

濡れた床を気にせず華麗なアクロバットを披露する。

 

「おぉ〜!」

 

その見事な身のこなしに

俺やことり、花陽は見惚れてしまう。

‥一応、俺だってできるぞ?

 

そして身体を捻らせ、

足を大きく回し、勢いで水しぶきを上げて

決めポーズを決めた瞬間、

 

 

 

ザアァァァ‥‥

 

 

まるでコントの様に先ほどの勢いで再び雨が降り、

穂乃果と凛は瞬時にずぶ濡れになった。

 

 

「おぉっ!PV見たいでかっこいい!」

 

穂乃果は目をキラキラさせながら

凛を褒めていた。

はしゃぐのは分かったから

はよこっちこい。

 

 

「‥私帰る。」

 

「わ、私も今日は‥。」

 

真姫はそう言って階段を降りていく。

花陽も流石に無理だという顔をしていた、

‥まぁこんな状態じゃ出来るわけないな。

 

「確かに‥、今日はやめとこう」

 

「そうね、また明日にしよっか」

 

 

「えぇっ、帰っちゃうの⁉︎」

 

「それじゃあ凛達がバカみたいじゃん!」

 

「バカなんです。」

 

ずぶ濡れになった穂乃果と凛がそう言うと

呆れた顔で海未が突っ込む。

うん、否定はしない。

 

「ですが‥これからずっと雨が続くとなると

練習場所をなんとかしないといけませんね‥」

 

海未の言う通り、屋上は確かに広いが使えるのは晴れ限定。

雨が長続きすると全く練習ができなくなる。

今の梅雨入りがそうだ。

 

「体育館とかダメなんですか‥‥?」

 

「講堂も体育館も、他の部活が

使っているので‥」

 

花陽の提案は悪くないがどちらも

運動部や演劇部などが使っているから

貸してはくれないだろう。

 

「‥と、とりあえず暇になったし

真姫も誘ってこれからどこか

食べに行かないか?

この子のご機嫌よろしくないみたいだし」

 

「‥‥‥。」

 

俺の隣で穂乃果が物凄いジト目で

海未達を睨んでいた。

こりゃかなりイラついてるな‥。

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

「‥‥はぁ。」

 

真姫が3年生の階まで降りると

肩に乗っているガルーダを撫でながら

上の階を見て溜め息をついていた。

 

その様子をたまたま通りかかっていた

3年生の東條希が壁の角に隠れて見ている。

 

「‥どうやらあの子ら、

やめるつもりはないようやで。

にこっち。」

 

希が振り向く先には今朝、穂乃果達に

解散しろと言ったツインテールの女の子、

矢澤にこがそこに立っていた。

希はにこの行動を知っていたのか

そう言うと、

 

「フン‥」

 

にこは鼻で鳴らすと

希を通り過ぎて

そのまま帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

ファーストフード店にて。

 

 

今日は練習をしないと言う事で

不機嫌な穂乃果を連れて

俺達7人は食べに行くことにした。

 

「‥‥‥‥。」

 

俺の目の前に座っている穂乃果が

ずっとジト目で俺を睨みながら

頼んだポテトをやけ食いしている。

‥いや、そんな睨まれると食べづらいす。

 

「‥穂乃果、ストレスを食欲に

ぶつけると大変な事になりますよ?」

 

隣に座る海未の意見はごもっとも。

だが注意をしても穂乃果の手は止まらない。

 

「雨、なんで止まないの?」

 

「俺に聞かれても困るから。」

 

「晴希君のバカ。」

 

「いやなんでだよ。」

 

 

「練習する気満々だったのに、

天気ももう少し空気を読んでよ本当にもぉ」

 

愚痴をこぼす穂乃果に俺と海未は

顔を見合わせて首を振る。

 

穂乃果がポテトをまた食べ始めると

隣の仕切りの向こうから

ピンク色のうんち‥失礼、

にこの姿があった。

 

「‥ちょっと今日はハデすぎたかしら」

 

白とオレンジカラーの縁のグラサンを

くいっと上げてにこはつぶやく。

彼女の服装は白で統一されている

かなり派手な服装をしていた。

そこへチョコレートのソフトクリームを

持った少年が通りかかる。

 

「うぁー!うんちうんちぃ!」

 

「うるさいっ!」

 

 

‥隣からすごい単語が聞こえるような。

 

「穂乃果ちゃーん。」

 

注文していた食べ物を取りに行ってた

花陽と穂乃果の名前を呼ぶことりが

俺たちの座るテーブル席に戻ってきた。

ちなみに俺の隣にテーブルをくっつけて

真姫、凛、花陽、そして向かい席の

穂乃果の隣に海未、ことりという感じで

座っている。

 

「さっき予報みたら明日も雨だってー。」

 

「えぇぇ‥‥。」

 

ことりの言葉に流石に連続で振る雨に

ショックで肩を落とす穂乃果。

落ち込みながらもポテトを食べているが

穂乃果が気付かない程の早さで

隣の仕切りからにこは穂乃果の

奪ってポテトを食べていた。

 

「あれ‥?なくなってる‥。」

 

穂乃果は手を伸ばす先のポテトが

なくなっていることに気付いて

俺の方を見る。

 

「晴希君食べたでしょ⁉︎」

 

「へ?いやいや、許可なしに

人の物食べる訳ないだろ。

やけ食いしてたからなくなった事に

気付かなかっただけじゃないのか?」

 

「むー。」

 

穂乃果は半信半疑で俺を睨む。

やれやれ‥。

 

「わかったわかった、

俺のナゲットやるからその機嫌直せ‥

‥‥‥あれ?」

 

俺はまだ1個ぐらいしか食べてなかった

ナゲットを穂乃果に差し出すが

なぜか空になっていた。てゆか、

今食べてるポテトも既になくなっている。

 

「俺の‥魔力源が‥‥‥‥‥ジロ。」

 

「わ、私も食べてないよ⁉︎」

 

2人は隣のにこに食べられている事を

知らずにお互いを疑ってしまう。

 

「そんなことより練習場所でしょ?

教室とか、借りられないの?」

 

そ、そんなこと‥!?

真姫の言葉に俺は1人で

ガーンという効果音とともに

そう思っていると

ことりがうーん、と唸る。

 

「前に先生に頼んだんだけど、

ちゃんとした部活じゃないと

許可できないって‥‥‥‥。」

 

「そうなんだよね〜。

部員が5人いれば、ちゃんとした

部の申請をして部活が出来るんだけど〜‥‥」

 

穂乃果もその問題には

ちゃんと向き合い話に入っていた。

 

確かに、頭のお堅い生徒会に

部員が5人いたら

部活できると言われたもんな‥。

今は俺入れて7人しかいないし、

どうしたもの‥‥

 

 

「「「‥?」」」

 

 

穂乃果の言葉に残りの6人が

お互いの顔を合わせる。

 

「5人‥?」

 

「5人なら‥。」

 

「もう揃ってるよな‥。」

 

海未、花陽、俺の順番でそう言うと

穂乃果は気付いたのかあっ、と声を漏らす。

そしてガバッと席を立ち上がる。

 

「そうだ!忘れてた!

部活申請すればいいんじゃんっ!」

 

 

「忘れてたんかーいっ!!」

 

「え?」

 

突然隣のなんか頭にうんちらしき物が

のってる女の子が芸人の様にツッコム。

すると、しまった と言う顔で

その女の子はテーブルに突っ伏して

顔を隠す。

穂乃果達は今のは?とその女の子に

近付こうとすると真姫が止めた。

 

「それより忘れてたってどうゆうこと?」

 

「あ、いや〜‥メンバー集まったら

安心しちゃって‥」

 

真姫に言われると穂乃果はテヘっと

右手を頭の後ろに置き苦笑する。

 

「‥はぁ、この人達ダメかも。」

 

真姫さん、それは言ったらいけないよ。

 

「よし!明日早速部活申請しよう!

そしたら部室が貰えるよ!はぁ、

ほっとしたらお腹減ってきちゃったぁ。」

 

やっとご機嫌になったのと

部活申請しなかった気持ちで苦笑する

ことりと花陽と海未。

俺も食べ途中だったので楽しみに

とっておいたハンバーガーに

目線を向けると。

 

「‥っ⁉︎」

 

仕切りの向こうから手が伸びて

俺と穂乃果のハンバーガーを

盗ろうとしていたが気付かれ

その腕が止まる。

 

「‥‥‥。」

 

μ'sメンバーが見つめる中その手は

ゆっくりと2つのハンバーガーを

元にあった場所に置き、隣の女の子は

そっとその場から逃げようとする。

 

「ちょっとっ!」

「待てっ!」

 

穂乃果と俺は急いで逃げようとする

女の子の手を掴む。

 

「か、解散しろって言ったでしょ⁉︎」

 

「か、解散⁉︎」

 

アイドル意識の高い花陽はそう言われると

ショックなのか声を荒げる、が。

 

「そんなことより!

食べたポテト返して!」

 

「そうだな、俺のも返してもらおうか。」

 

「え、そっち⁉︎」

 

今は盗られた食べ物を返してもらう方が

最優先だった俺と穂乃果は一致団結して

女の子に弁証させようとする。

 

「あーーーん。」

 

女の子は俺たちにどーぞと

おちょくる様な態度で

口を開けて見せつけてきた。

 

「買って返してよっ!」

 

それに腹が立ったのか穂乃果は

女の子の頬を掴む。

 

「あんははち、ダンスも歌も

全然なってない!

ふろいしきが全然足りないわ!」

 

「えっ⁉︎」

 

頬を引っ張られ呂律が回っていないが

俺たちに女の子はそう言うと

掴まれていた手を離し、

穂乃果に指を突き付ける。

 

 

「いい⁉︎アンタ達がやってるのは

アイドルへの冒涜、恥よ!

とっとと辞めることね。」

 

と吐き捨てて呆然と立っている

穂乃果と俺の隙に店から飛び出す。

 

「あっ!ちょっとっ。」

 

「野郎っ、逃がすか!」

 

「は、晴希君⁉︎」

 

俺も後を追いかけて店を飛び出す。

食べ物の恨みは恐ろしいぞ うんち頭!

 

 

 

 

 

「もしかして、先ほどの人が今朝の‥?」

 

「う、うん。すごい格好してたね。」

 

海未がことりに尋ねると苦笑しながら

そう答えることり。

 

「晴希先輩、必死だったにゃー。」

 

「自分の食べ物となると

性格変わるぐらい必死になるよね。」

 

「特にプレーンシュガーはね。

大量に買ってあるのを貰おうとすると

許可は出るんだけどちょっと

悲しい顔をして取りづらいのよね‥。」

 

ずっと黙っていた凛が呟くと花陽、真姫と、

1年メンバーが答える。

 

「‥‥‥。」

 

穂乃果は窓越しで逃げていった女の子を

どこか悲しい顔をして見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ‥はぁ‥!

ここまで、来れば‥追ってこない‥でしょ。」

 

ファーストフード店から離れた小さな公園の

屋根のついたベンチに座り込み、

にこは追っ手が来ていないか後ろを見ていた。

 

先ほどより雨が小雨に降っているが

やはり天気が天気なので周りには誰もいない

にこは早く帰ろうと鞄から折りたたみ傘を取り出す。

 

 

 

「やっと見つけたぁ。」

 

「え?」

 

突然後ろから女性らしき声が聞こえた為

にこは後ろを振り向く、が。

 

「っ!‥‥‥な、なに‥?」

 

そこにいたのは大きな羽、

足には鋭い爪を生やし、

女性の声をした化け物

ハーピーだった。

 

 

「探すの大変だったのよ。

学校に行ってもいないし、

てかなにその頭、うんち?」

 

「う、うるさいわよ!

な、何よアンタ⁉︎

わたしの質問に答えなさいよ!」

 

さすがにそれだけは言われたくないのか

怪物相手でも反論するにこ。

 

「うるさいなー、だから嫌いなのよあんた。」

 

「えっ?」

 

ハーピーの言葉に戸惑うにこ。

 

「まぁいいや、あんたこれから

どうなるか知ってる‥?

 

‥あたしの爪で、

身体中ズタズタに引き裂いて、

2度と人前に立てなくなる様にしてあげる‥。

あっははは!!」

 

「‥っっ⁉︎」

 

足を上げてギラリと尖らせた爪を向けられ

再び怪物だと認識したにこはその場から逃げようとする。

 

「逃がさないわよっ!」

 

「っ!きゃっ⁉︎」

 

ハーピーは跳躍して足をにこに振りかざそうとする。

にこは反射的に折りたたみ傘を構えるが

最も簡単に壊され、ピンクの帽子がとれて

濡れた地面に尻もちしてしまう。

 

「うっ‥⁉︎」

 

「あっはは〜、さっさと絶望して

ファントムを生み出してもらうわよ〜。」

 

バキバキと折りたたみ傘を足で壊してゆっくりと

にこに歩み寄るハーピー。

そして振りかざそうと足を上げると。

 

「っ⁉︎」

 

突然その足に衝撃が走り飛び退くハーピー。

にこも突然の衝撃に一瞬目を瞑ってしまうが

恐る恐る公園の出口を見る。

 

「あ、アンタ‥」

 

「ふぅ、追ってきて正解だったな。」

 

立っていたのはウィザーソードガンを構えた

晴希だった。俺はすぐに

ドライバーオンリングを右手にはめてベルトにかざす。

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

音声とともにベルトはウィザードライバーへと

形を変える。

 

「指輪の魔法使い‥!」

 

ハーピーはベルトと指輪を見て敵だと認識し

警戒態勢をとる。

その隙に俺は女の子へと近付く。

 

「このうんち野郎がゲートとはな。」

 

「だ、誰がうんち野郎よ!私には矢澤にこって言う

名前がちゃんとあるわよ!」

 

俺の言葉ににこは反応して名前を名乗る。

 

「そっか、じゃあ矢澤。しばらくどこか隠れてろ。

逃げたら許さないから。」

 

「ちょ、アンタ何者⁉︎」

 

「ただの魔法使いだ。」

 

俺は左手の中指にフレイムリングを付けながら

ドライバーのシフトレバーを上下に動かした。

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン‼︎

 

シャバドゥビタッチヘンシーン‼︎

 

シャバドゥビタッチヘンシーン‼︎》

 

テンションの高い待機音声が流れる中、

俺は左手のフレイムリングのバイザーを下げ、

魔法の言葉を言いながらドライバーにかざした。

 

 

「変身。」

 

 

 

《フレイム!・プリーズ

 

ヒーヒー・ヒーヒーヒー‼︎》

 

 

真上に振り上げた左手の先から魔法陣が現れ

俺の身体を下へと通り抜けると

俺は仮面ライダーウィザードへと姿を変える。

 

 

「あ、アンタ魔法使い⁉︎」

 

「お、知ってんのか?まぁ積もる話は後だな、

‥さぁ、ショータイムだ!」

 

ウィザードは決め台詞を言って

持ち前のウィザーソードガンを剣モードに構えて

ハーピーへと走り出す。

 

 

「ハァッ!」

 

「うぐっ⁉︎」

 

一撃を入れられ、体制を崩すハーピーに

ウィザードはその隙に斬りつける。

ハーピーはまずいとベンチの屋根に飛び退くと

両腕を羽ばたかせ翼から出た

無数の羽の刃がウィザードに降り注ぐ。

 

「っ!」

 

「ハァアアッ!!」

 

ウィザードはウィザーソードガンを振り回して

背後にいるにこをかばいながら羽の刃を斬って落としていく。

だが防ぎきれず身体の所々が斬られていく。

 

「ちょっとっ、大丈夫⁉︎」

 

「あっはは!さすがに無理でしょ?」

 

「おーいてて‥大丈夫だ、そして、

調子のんなよ!」

 

ウィザードは背後のにこが無傷な事を確認して

ハーピーに向かって跳躍する。

その最中にウィザーソードガンを銃モードに

構えてコントラクトリガーを引き、

ハーピーに向けて連発する。

 

「‥っ!‥うわっ⁉︎」

 

ハーピーひそれを避けようと飛び立とうとするが

足を滑らせたのか弾をもろに受け地面へと落下する。

地面へ着地したウィザードはふふんと仮面の下で

ドヤ顔しながらハーピーを見下していると。

 

 

「はぁ‥最悪、やっぱ雨だと調子でないわ。

‥今日は帰る。」

 

「逃すと思う?」

 

ウィザードはウィザーソードガンをハーピーに向けると

素早いスピードで地面を蹴りながらウィザードに近付き

 

「ふっ!」

 

「なっ⁉︎」

 

強烈な蹴り技を入れてきた。

一発の蹴りが重く、防ぎきれなかったウィザードは

吹き飛びぬかるんだ地面に倒れ込んでしまう。

そしてハーピーはにこへと振り向き、

 

 

「またねぇ、にこちゃんっ。」

 

「えっ‥。」

 

ハーピーはにこの名前を呼ぶとその場から

跳躍して家やビルの屋根から屋根へと飛び移り姿を消した。

 

 

 

 

 

「あーくそっ‥逃げられたか、

‥矢澤、大丈夫か?」

 

 

ウィザードは立ち上がり変身を解きながら

にこへと歩み寄る。

 

「大丈夫よ‥‥クシュンッ。」

 

女の子らしいくしゃみをするにこに

俺は思わず笑ってしまう。

 

「な、何よ!言っとくけど

食べた物は返さないわよ!」

 

「ごめんごめん、

あー、もういいさ。

それより、早く帰った方がいいだろ、風邪ひくぞ?」

 

俺はコネクトリングを右手に付けてベルトにかざす。

 

 

《コネクト・プリーズ》

 

魔法陣が現れるとそこに俺は手を入れて、

レインコートと愛用のマシンウィンガーが飛び出る。

 

「あ、あんたなんでもできるのね‥。」

 

「なんでもじゃないけどな。ほら、送ってやるから

これ着て。」

 

俺が取り出したレインコートを差し出すと

にこはそれを払いのける。

 

「ここから家は近いから遠慮するわ。

一応、助けた事は感謝するけど、

‥アンタもあいつらと同じメンバーだったわね?」

 

「そ、そか。あいつら?あぁ、穂乃果達のことか?

そういえば、なんで矢澤は穂乃果達を解散させようとするんだ?

何か嫌なこととかあったのか?」

 

俺がそう聞くとにこは立ち上がり

落ちていた うん‥帽子らしきものと鞄を取る。

 

「言ったでしょ、あいつらは全然アイドルとしてなってない、

プロ意識が全然足りない。アンタからも言って辞めさせることね。」

 

にこはそう言って走り出し公園を出て行った。

 

「プロか‥大きくでるなぁ。ガルーダ!」

 

俺は使い魔を呼ぶと彼方からすぐに飛んできた。

 

「念のためあの子を見ていてくれないか?

ファントムが現れたら知らせてほしい。」

 

指示を出すとガルーダは頷き、にこの後を追うように飛び去る。

 

俺は取り出したレインコートを自分に羽織り、

マシンウィンガーへと跨りエンジンを入れた。

 

「‥あ、そういえば魔法使いの事

知ってる理由聞いてない‥‥。」

 

‥まぁいっか。どうせネットか何かで知ったんだろう。

んー、世間に知られるとまずいかな‥

今度神様に会ったらなんとかしてもらわないと。

 

俺はそう思いながらアクセルを回して

穂乃果達の元へと走り出した。

 

 

 

 

 

 

ーーーー

 

 

 

自宅の近くに到着したにこは

息を切らしながら先ほど襲われた

ハーピーの言葉を思い出す。

 

『またねぇ、にこちゃんっ。』

 

なんで名前を知っている?

そんな疑問よりも

にこはあの声を

どこかで、聞いたことのあるような

感じがしていた。

 

 

 

それはかつて一緒にアイドルをしていた

親友の声と似ていたからだ。

 

 

 

 

「‥まさかね。」

 

にこはそう呟き、自宅へと戻って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、仮面ライダーウィザード

 

 

「認められないわ」

 

生徒会に申請を出すμ'sメンバー。

しかしあっさりと断られてしまう。

 

「じつはにこっち、スクールアイドルやってたんよ」

希から明かされる真実。

にこの過去とは‥。

 

「うそ‥なんで‥。」

 

にこの目の前に現れたハーピー。

だがにこはその姿に唖然とする。

 

「どんな奴であろうとファントムは

ファントムだ。」

 

現れた紫のウィザード。

ハーピーに銃を向けて呟きそして、、

 

 

第12話 アイドルとしての自覚




よし、中々ストーリー思い浮かばず悩んでましたが
なんとかできました。
そしてオリジナルファントム登場!
その正体はー、、って大体わかっちゃいますよね。(>_<)

評価、感想などがあれば是非お願いします!(^^)

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