ラブウィザード! 〜希望の柱〜   作:しょくんだよ

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晴希「作者さんっ、
お気に入りにしてくれた
人が30人超えてるぞ!」
えっ?マジか( ゚д゚)
めっちゃ嬉しいぜよ(≧∇≦)
晴希「気合い入れてがんばねーとな!」
あーでも最近寝不足だから(>_<)
‥‥‥ほどほどに頑張るぜい笑


というわけでお気に入りをしてくれて
ありがとうございます!(^^)
頑張って書きますので
これからもよろしくです(^∇^)


第10話修行でショータイム!

「‥‥。」

 

「‥‥‥。」

 

 

俺こと、操真晴希は今、

目の前にいる少女と

睨み合いをしていた。

それは同じクラスでμ'sのメンバーの

高坂穂乃果だ。

 

 

「‥‥言っとくが、例え穂乃果でも

手を抜いたりしないからな?」

 

「それは穂乃果も同じだよ、晴希君!」

 

2人は腰を下げて構える。

そして、

 

 

 

 

「うぉおおおおおっ‼︎‼︎」

 

「やぁああああっ!!」

 

 

お互いに構えていた

拳をつきだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

晴希 パー

 

穂乃果 チョキ

 

 

 

 

 

「あぁあぁぁぁぁっ⁉︎

くっそぉおおおおおっ‼︎」

 

「やったぁーーっ‼︎」

 

 

俺はジャンケンに負けて

その場に四つん這いになった‥。

 

 

さて、なぜこうなったか説明しよう。

昨日ご飯を買い忘れ弁当を作ろうにも

冷蔵庫の中は空っぽ。

ゲームしてたんだ、悪いかっ。

だから昼飯は学食で済ませるついでに

大好きなドーナツ、

プレーンシュガーが1つだけ

購買に残っていたので

買おうと思い手を伸ばした。

そこにもう1つの手が伸びてきた。

 

そう、奴だ。(穂乃果)

 

俺は穂乃果を瞬時に敵だと認識し、

彼女から飛び退き、先ほどに至る‥

と、言うわけなんだが。

 

「いや〜、今日もパンが美味い!」

 

俺は闘いに負けてしまい

美味しそうに食べる穂乃果を

眺めることしかできなかった。

ドーナツも確かにパンだけど‥‥

敗者の前でそんな美味しそうに

食べなくても‥

 

「購買の前で何をやってるんですか‥。」

 

「さっきの緊張感、

ことり 凄いドキドキしたよ〜。」

 

俺と穂乃果のドーナツ争奪戦‥

まぁ、一瞬だけど、それを側で見ていた

園田海未はやれやれと溜め息をつき、

ことりは先ほどの闘いになぜか

興奮していた。

 

 

 

真奈美の事件から数日が経ち、

ファントムも紫のウィザードの

目撃情報もなく、

あと色々話を聞きたい神様も出ない‥。

だから今はこうして

平凡な日をおくっている。

 

あの後、ファントムを倒し、

紫のウィザードと交戦をしたが

見事にやられ、途中で

どこかへ行ってしまった。

 

そして真奈美の元へ戻ると彼女は

人生をやり直したいから

詐欺をしていた事を

警察に自首すると言い出したのだ。

そして真奈美が警察の所へ向かおうとすると

一台の車がきたんだ。そこから出てきたのは

高杉と2年生メンバーだった。

そして事情を聞いた高杉は彼女に

こう言った。

 

「真奈美さん、僕がこの家買います。

それに真奈美さんはまだ学生です。

ちゃんと学校に行って、大人になって、

働けるようになってから、

僕からこの家を買い取ってください。

待ってますから。」

 

怒るのかと思ったら‥

流石は金持ち、やることが違うなぁ。

まぁ俺もできるけどそんな事したら

穂乃果達がびっくりするだろうな。。

その言葉を聞いて真奈美は

深くお辞儀をして高杉に感謝した。

俺はその光景をμ'sのメンバーと

微笑ましく見ていたのだった。

 

そして真奈美は警察に自首して、

学校はしばらく家庭の事情で休み。

あまり学校に来ていなかったみたいで

クラスメートの皆は特に驚きもしなかった。

まぁ彼女が学校へ

帰ってきた時にはちゃんと

改心しているだろう。

 

 

 

で、今に至るわけだが、

 

「うぅっ‥ドーナツぅぅ‥‥。」

 

「晴希君、本当ドーナツ好きだね〜。」

 

 

以前おやつにされ若干怖い

ことりに慰めながらも、

俺はテンションだだ下がりで

その後の授業に励むのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、屋上にて。

 

 

「はい、一旦休憩にしましょう。」

 

「ひゃ〜、疲れた〜‥」

 

海未の言葉で休憩になる。

いつも通り、俺たちは

ダンスの練習に励んでいた。

と言っても、ダンスの基本とストレッチ、

新曲のイメージも浮かんではいるし

振り付けもなんとなく出来上がってる。

でも、何か足りないんだよな〜‥。

そんなことを思いながら俺は

小泉花陽、星空凛、西木野真姫に

声をかけた。

 

 

「1年生の皆もだいぶ息あってきたな。」

 

「ほ、本当ですかっ?」

 

「先輩に褒められると

テンション上がるにゃ〜っ。」

 

「べ、別に私は嬉しくないんだけど。」

 

俺の言葉にそれぞれが喜ぶ。

本当皆、呑み込みが早いなぁ。

 

 

 

「‥‥。」

 

そして俺は前に戦った

紫のウィザードを思い出す。

自分でもわかる。

今の俺だとあいつに勝てない。

また弱いと言われるだけだ、

もっと力をつけないと‥

 

「どうしたの?晴希君?」

 

ふと穂乃果が顔を覗かせてくる。

 

「よしっ。そうと決まれば特訓だ!」

 

「うわわっ、急にどうしたの⁉︎」

 

声を上げた俺にびっくりする穂乃果。

 

「ああ、ごめん穂乃果。」

 

もぉー、とタオルで汗を拭きながら

穂乃果は海未たちの所へ行った。

 

力を付けるにはまずは鍛えて特訓だな。

俺はそう思いながら練習を終えた後、

ある場所に向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

放課後。

μ'sのメンバーは使い魔に任せて

俺はある場所に向かっていた。

 

 

 

「よっと。」

 

 

 

階段を登って

俺がやってきたのは

神田明神だ。なぜって?

修行で頭に浮かんだのは神社だからさ‥。

 

 

「おや?こんにちは、晴希君。」

 

目の前で箒を持って掃除してるのは

音ノ木坂の3年生、東條希。

巫女の服を着てここで

お手伝いをしているらしい。

 

「こんにちは希さん。

それとクラーケン。」

 

希の隣でフヨフヨ飛んでいるのは

使い魔のイエロークラーケン。

指示がなければ希といることが

もう定着しているらしい。

 

「何か用事でもあるん?

‥‥例えば修行とか?」

 

「えっ⁉︎なんで知ってるんすか⁉︎」

 

 

「だって晴希君、

1人でここに来るなんて珍しいやん。」

 

確かに神田明神に来るとしたら

朝練の時かたまに穂乃果達と

お参りにくるぐらいだけど、

希さん、貴方は一体何者なんですか‥?

 

「‥いつも希さんにはびっくりしますよ。

ちょっと自分を鍛えようかと

思いましてね‥」

 

「ふふっ、せやろ。ここの住職さん、

ちょっと変わってるけど大丈夫?」

 

変わってる?寺のお坊さんって

大体変わってるから大丈夫だろ。

 

「あ、大丈夫ですよ。

てか、いきなり修行とか

大丈夫なんですか?」

 

「大丈夫や。多分あの人が聞いたら喜んで

見てくれるはずやで。ほな ついてき〜。」

 

希の案内で神田明神の中に

案内されることとなった俺。

外の豪快な建物と比べ、

意外と中はさっぱりしており、

どこにでもありそうな感じだった。

 

 

 

 

「御成さーん。」

 

希がそう呼ぶと仏壇の前で座禅を組んでいる

僧侶がこちらを振り向く。

 

「おー、希殿。はて、そちらの方は?」

 

見事に坊主頭の僧侶はこれまた随分と若い。

 

「この子は操真晴希君、修行をしたくて

ここに来たんやて。で、晴希君、

あっちがここの住職さんの御成さんや。」

 

お互いに紹介され俺と御成は互いに

お辞儀をする。

寺の住職にしてはめっちゃ若いなぁ。

 

「拙僧がこの寺の住職、御成でござる。

自ら弟子入り希望とは感心でござるな〜!」

 

「あ、えっと はい。

突然のお願いに応えてくれて

ありがとうございます。

これからよろしくお願いしますっ。」

 

 

「かぁ〜っ!こんなに礼儀正しい子は

初めてですぞぉ!

拙僧、燃えてきましたぞぉ!」

 

 

うむ‥なかなかテンションの高い人だな。

少々俺もびっくり。

てか、他の弟子は礼儀正しくないのか?笑

 

「な?変わった人やろ?

あれでも真面目なつもりなんやけど

いつもテンション高いんよ。」

 

仏壇の前で喜ぶお坊さんに苦笑いしながら

希が俺に言ってきた。

 

「それでは晴希、殿!今週の休日に

明朝、神田明神に来てほしいでござる!」

 

喜んでた御成が俺と希の目の前に

飛んで来た。

普通にびっくりするわ。

 

「うわっ。え、休日ですか?

大丈夫ですけどなんで明朝に‥?」

 

「それはと申しますと‥」

 

ふっふっふと笑いながら御成は叫んだ。

 

 

 

「山へ修行でござるーーーー!!」

 

 

 

 

「は、はぁ‥。」

 

 

 

なんか悪い気しかしないのは

気のせいだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

そして当日、

神田明神にて。

 

 

 

 

 

 

「‥‥‥ふぁ〜。」

 

 

朝の5時前‥か。

山で修行すると言われ

一応登山も考えて色々準備して

神田明神に来たんだが

まだ春、さすがに朝は冷え込むなぁ。

 

「晴希殿は朝も1番乗りで感心ですぞ!」

 

隣ではしゃいでる御成は

調子よく準備運動をしていた。

朝から元気だな。

 

「でも偉いで晴希君。

早起きは三文の得ってゆうやん。」

 

「そうですかね‥てか希さんも

元気ですね‥。」

 

修行に同行することになった希も

伸びをしながらそう言ってきた。

山へ行くためか服装もがっちりしていた。

 

「学校に行く前にここで掃除するんやから

いつのまにか早起きになってもうたんよ。」

 

「あーなるほど。」

 

巫女さんも大変だな。

 

「‥で、残りのメンバーは

まだなんですか?」

 

俺以外にも修行メンバーが

あと3人いるらしいんだが

その姿が見えない。

 

「そろそろ来る頃でござるが、」

 

「あ、きたきたっ。」

 

希が階段の方を見ると

すごい眠たそうな男の子が3人

こちらに来ていた。

 

「おはよっ。哉太君、澁谷君、

拓人君。」

 

「おはよーございます希さーん。」

 

「おはようっす〜。」

 

「おはようございましゅ〜‥」

 

希が挨拶をすると

それぞれが眠た気な挨拶をする。

 

「哉太!澁谷!拓人殿!

新しい弟子より遅くくるとは

身体が鈍っている証拠ですな!

やはり今日の修行は決めて

正解だったでござるっ。」

 

全く最近の若者は‥とか言って

御成はどこか行ってしまった。

 

「あー、この人が新人?

俺、哉太(ナリタ)。よろしく。」

 

「僕は澁谷(シブヤ)です。

分からないことがあれば

聞いてください。」

 

「ぼ、僕は天空寺拓人

(てんくうじタクト)‥です。

よろしくお願いします‥。」

 

左から順番に挨拶をしていく3人。

クールな顔つきが哉太。

メガネをかけている少年が澁谷。

人見知りなのかおどおどしてるのが拓人。

 

「よろしく、俺は操真h」

 

「晴希さんでしょ?知ってるよ。」

 

「え?なんで知ってるの??」

 

俺の自己紹介に哉太が

横入りで言ってくる。

 

「晴希さんいつも神田明神で

アイドルの皆と練習していますよね?」

 

「あ、朝‥神田明神で修行しているので

いつも見かける‥んです‥。」

 

あーなるほど。たまに寺の中が

騒がしいのはこの子達と御成のせい

だったのか。

 

「ちなみに皆中学3年生やで。

3人共、晴希君は歳上なんやから

敬語を使わんとダメやろ?」

 

中学3年か、なら今年は受験生だな

修行してて大丈夫なのか‥?

 

「あー大丈夫ですよ希さん。

敬語は使わなくて大丈夫だから。

3人共、よろしくなっ。」

 

「皆の者ー!

準備が出来たでござるー!」

 

俺の言葉に3人が頷くと

階段の方から御成の声が聞こえる。

荷物を持って出口の階段へ向かうと

下に8人乗りのハイエースが置いてあった。

 

「それじゃあ出発でござるー!」

 

なんで遠足気分なんだこのお坊さん。

というわけで山に修行しに

向かう俺たちだった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

車で走行中にて。

 

俺たちが向かう場所は

いつも山修行で使ってる

とある山らしい。

(なぜだか行き先は

教えてくれなかった)

自然豊かで精神が安らぎ鍛えれる

と御成がそう言ってた。

 

だがこういう遠足気分も悪くないな。

 

 

「‥ってことは晴希さんは魔法使いで

ゲートってのを守る為に

最近騒ぎになってる怪物退治をしてるんですか?」

 

「まぁ、そういうとこ。」

 

「スゲーッ!魔法って本当にあるんだな!

何使えんの⁉︎」

 

「ふふふ、色々だぜーっ。その内見せてやろう。」

 

「あ、あの希さんの周りを飛んでる

タコみたいなのも魔法、なんですか?」

 

「そうそうっ。俺の使い魔なんだけど。」

 

「使い魔⁉︎カッケー!」

 

車の中にて俺は自身が魔法使いの事を

話していた。希も聞いていたが

知ってるのか特に驚きもしていなかった。

 

てか騒ぎになってるって‥

俺、派手に戦いすぎた?

不安なので聞いてみることにした。

 

「そ、そんなに騒ぎになってんの?」

 

「はい、紫の魔法使いが怪物退治を

派手にやってるって‥

晴希さんが紫の魔法使いなんですよね?」

 

 

「あ、いや‥そいつは違うやつだわ。」

 

紫の魔法使いか〜‥。

最近ファントムが出ないと思ったら

そいつが倒してたのか。

んー、もっと穏便に戦えないのかね。

‥自分も言えたことじゃないけど。

戦った後処理する神様も大変だな。

 

「え⁉︎魔法使いって他にもいるんですか⁉︎」

 

「あー、かなり困った奴が1人な。」

 

 

「晴希殿!先ほどの怪物というのは

ゴーストの事でござるか⁉︎」

 

 

「え?ゴースト?」

 

「御成さんは黙っとき。」

 

「痛いっ⁉︎」

 

突然運転している御成の言葉に

助手席に座ってる希は

頭にチョップを入れた。

ゴースト‥ファントムなのか?

 

俺たちはたわいもない会話をしながら

目的地にむかうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

車に揺られやっと着いた

修行する山付近。

荷物などは置いて

修行場所までは徒歩で行くのだが

 

 

 

 

 

「ま、まってぇ〜っ。」

 

「遅いぞ拓人!」

 

「拓人殿っ!しっかりしてくだされ!」

 

その山登りの途中、拓人は後方で

ゼェゼェといいながら後を追っていた。

 

「‥皆修行してどのくらい経つんだ?」

 

「僕と哉太は去年の夏辺りに

入ってきたんだけど

拓人は子供の頃から父親と

修行していたらしいんだけど

身体が弱くていつもあんな感じなんです。」

 

俺が聞くと澁谷がそう答える。

鍛えたくて修行僧になったのかな?

 

「ほら、あと少しやで。」

 

希は背中を支えながら

拓人は登ってくる。うん、希さん

優しいっす。

 

でも拓人が疲れるのものも分かる。

かなり急斜面な地帯だから。

転んだら出発した所まで

転び落ちてしまいそうだ。

 

「拓人殿!お父上から

修行を共にしたというのに

このような場所で疲れているようでは

まだまだ修行が足りてない証拠ですぞ!

もっと修行をつけなくてはいけn」

 

その時、ペラペラと喋っていた御成が

ズルッと足を滑らせた。

 

 

 

 

「あ アイエェエエエエェェ‥⁉︎」

 

 

「御成さーーーーんっっ⁉︎」

 

 

 

 

御成はそのまま俺たちの

横を転げ落ちて行った。

 

「御成さんっ!!」

 

「くそぉ!御成さん!貴方の勇姿!

忘れません!」

 

「えっ?」

 

突然の哉太の言葉に俺は

びっくりして、助けに行こうとした

足を止める。

 

「皆!御成さんの為にも

修行をやり遂げるで!」

 

「「「はいっ!」」」

 

「いや、ちょっ、えぇ⁉︎

なんでそんな冷たいの⁉︎てか、

御成さんどーすんの⁉︎」

 

「ほっといたらその内登ってきますよ。」

 

「いやいやでもさすがにこの急斜面は!」

 

「は、晴希さん‥。」

 

澁谷の言葉に動揺する俺に拓人が

話しかけてくる。

 

「いつもの事ですので、

早く‥修行場所に、行きましょう。」

 

「あ、‥はい。」

 

皆の対応に俺は思考を止めてこの場に

身を委ねることにした。

 

そのあと皆の言う通り御成は

なんで助けなかったでござるか⁉︎

と、文句をいいながらも

平然と登ってきた。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「お、ここが修行場所?」

 

登り着いた先には小さな小屋と

目の前に広がる豊かな森、そして

物凄い勢いで流れてる滝。

 

「おー今日は一段と滝の量が凄いやんっ。」

 

「‥‥あの中に入るんですよね‥?」

 

「当然ですぞ晴希殿。滝行は行衣―衣服を

まとい水・滝に打たれ、無我の中で

自分自身を見つめる修行でござる。

水・滝の自然の力よって、

精神を鍛える、そして仕事の疲れや

ストレスが癒されまするぞ。」

 

御成の説明にへぇ〜と感心しながら

俺は辺りを見渡していた。

 

「おしっ、晴希さん、あの小屋で

服着替えようぜっ。」

 

澁谷と拓人は毎度のことなのか

すぐに小屋に向かっていた。

俺も哉太に呼ばれ服を着替えることにした。

 

 

ーー

 

「これが行衣―衣服か〜。」

 

「おー似合ってるやん、晴希君。」

 

「様になってますぞ晴希殿!」

 

着替え終えた修行僧達は小屋から

出てきたが、薄い生地でてきてるので

かなり寒そうな格好だった。

春なのにここら辺は気温が

下がっているのか寒かった。

 

「よ、よし、早いとこやっちまおうぜ」

 

「晴希さん、説明がかいてありますので

それ見て、僕たちのやるとこも

見ててくださいね。」

 

「‥っ‥‥っ‥‥。」

 

拓人は寒いのか頷くだけで

澁谷から1枚の紙を渡され

3人は滝へと向かっていた。

 

えと〜‥まず入る前に塩とお酒を用意、

次にお線香をあげ、あいさつ、護身法、

真言や般若心経を唱えると。

 

「意外と本格的だな。」

 

お次は〜バケツに水を入れ塩を流していきます。

気合を入れて頭から水をかぶります。

 

かなり冷たい水をバケツに入れ

俺は覚悟を決めて。

 

「〜〜〜〜っ!!!」

 

思い切り水をかぶった。

ぐはっ⁉︎つ、冷たすぎるわ‼︎

やばいやばい!

今すぐフレイムスタイルで身体

温めたい!

俺はガチガチいいながら拓人達をみる。

 

「ひゃー、さみぃっ‼︎」

 

「これも修行これも修行これも修行‥」

 

「‥‥‥‥‼︎」

 

ちょ‼︎拓人顔死んでる⁉︎

3人は先に滝に打たれていた。

滝の勢いは凄まじく見てるこっちも

痛々しい光景だった。

 

「て、てか御成さん‥は

参加しないんすか‥‥?」

 

「拙僧今日は見届け役でござるっ。

さ、早く晴希殿も滝の中へGoでござる!」

 

こ、この人なんか楽しんでないか‥?

希もその隣でニコニコしながら

滝に打たれてる拓人達を見ていた。

 

「よしっ!行くぞっ!」

 

これも修行!決めたからにはやり遂げる!

俺は顔をパシンと叩き

滝の中へ入っていった。

 

「‥っ⁉︎⁉︎⁉︎」

 

痛い!水がめっちゃ痛い⁉︎

てか、勢い強す‥‥

 

「アボボボボボ‥」

 

「うわあ!晴希さんが溺れてる‼︎」

 

「晴希さん大丈夫ですか⁉︎」

 

「だ、大丈夫‥??」

 

 

「ゲホッゲホッ‥悪い‥助かった。」

 

あまりの勢いに溺れかけた俺。

滝行あまく見てたわ‥

いやぁ‥面目ない‥。

哉太と澁谷に助けられるがまさか

体力のない拓人にも助けられるとは。

 

「晴希君、大丈夫っ?」

 

「晴希殿!まだまだ修行が足りぬでござるな!」

 

御成はそう言っているが彼の目は

笑っているようにも見えるので

少しムカついた。なので。

 

「ち、ちょっと、タオル取ってきます」

 

「うむ、哉太達は修行を続けてくだされ」

 

え〜 と言いながらも滝に戻る拓人達。

俺はそそくさに小屋に戻ると

自分のベルトを行衣―衣服の上からはめ、

(この格好でベルトを付けるって斬新だな)

そして窓から御成たちを見る。

 

ふっ、ちょうど水辺の近くに立っているな。

 

俺はコネクトリングを付けて

ベルトにかざした。

 

《コネクト・プリーズ》

 

音声が鳴ると御成の後ろに魔法陣が現れる。

そして。

 

「ほっ。」

 

「のわっ⁉︎ おばぁっっ!!?」

 

御成の背後の魔法陣から

俺の手が飛び出し御成を

水辺に突き落とした。

コネクトはこんなイタズラも

できるのでござるよ。

 

突然水辺に落ちてきた御成に

修行僧3人はびっくりして心配してる頃

俺は小屋から笑いを堪えて眺めていた。

 

 

「スピリチュアルパワー全開やねっ」

 

「はっはー。これが実力の、

ウチってやつですよ!

‥‥‥あ。」

 

ふと、背後から声が聞こえ

ギギギと音を鳴らしながら俺は振り返る。

そこには凄いにこやかな希さんがこちらを

見ていたのだった。

 

 

「何してるんかな?晴希君?」

 

 

「‥‥すんませんした。」

 

 

ここは即座に謝るのが一番だろう。

それより希さん。貴方いつのまに

俺の後ろに‥?

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

「何もベルトと指輪を没収しなくても

いいのに。」

 

 

あの後希に説教をされ俺は修行の時は

使っちゃダメと今手持ちにある

ウィザードリングを希に没収されたのだ。

まぁ俺が悪いんだけど、‥だって御成さん

見てると面白いんだけど少し

からかいたくなるんだよな。

 

そして今俺は少し離れた所の岩場で

ちょうどいい大きめの丸い岩が

あったので、そこの上で

俺は1人座禅を組んでいた。

なぜかというと突き落とした

御成に怒られて

「あちらでその悪質な精神を

鍛え直して来なさい!」

と言われたからだ。

 

「‥‥。」

 

でもこうゆう自然に囲まれた場所で

修行ってのも悪くないかもな。

水の音や風で木々が騒めく音を聞き、

俺は心地よい気分になりながら

精神統一をした。

 

 

 

 

「少しは反省したかな?」

 

「あ、希さん。」

 

 

いつの間にか希が俺の座ってる岩の近くにきていた。

だいぶ背後に近付かれても驚かなくなってきたかな‥。

 

「もうお昼過ぎやから向こうに戻ろう?

お弁当作ってきたよ。」

 

「やったっ。てか、もう昼過ぎっすか?」

 

希は頷き時計を見せてくる。

オー。1時間くらいここで座禅してたのか俺。

俺は驚きながらも岩から飛び降りて

御成達の方へと向かった。

 

その時 岩が微かに動いたのを知らずに。

 

 

 

 

 

 

「希さんも大変ですね、

学校や生徒会の仕事とかあるのに

毎朝神田明神で手伝いをしてて。」

 

「ウチは好きでやってるからええんよ。

晴希君も毎朝神田明神に来てくれてるやん。」

 

「あれは練習する為だからですよ。

‥あ、俺弟子入りしたって事は修行にも

顔を出さなきゃいけないんですよね?」

 

「うん、そうなるかな。でも強制やないで?

自分が行ける時に行ってくれればええんやし。」

 

「そうなんですか?よかった、

なら休日とかに顔を出します。」

 

「晴希君、一応毎日顔を出してるやん。」

 

「あ、そうでした‥‥。」

 

 

そんな会話をしながら戻っていると

ふと、後ろから地響きのような

音が微かに聞こえた。

 

「‥今、足元揺れませんでした‥?」

 

「ウチも感じた‥何やろ‥地震?」

 

確かにそれみたいな感じはするが

何かがこちらに近付いてきてるような

地響きな感じだった。

 

「あのー、希さん。

これって‥やばいんじゃ‥」

 

そう言って2人が後ろを振り返ると

先ほど座ってた晴希の岩らしき物が徐々に

スピードを上げてこちらに

転がってきてるのだった。

 

「うっそだろ⁉︎希さん横に避け‥」

 

「きゃぁあっっ!!?」

 

希は叫んでそのまま走って行った。

初めて女の子らしい叫びを聞いたぞ‥

ってそんなん考えてる暇ないな!

 

「うぉぉおおおっ‼︎」

 

俺も後を追う形で全力で走って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、御成達は。

 

 

「全く晴希殿は‥やっぱりまだまだ

未熟者でござったか‥

は‥ハァックション!でござる!!」

 

タオルを巻いて焚き火の前でガチガチと

震える御成。替えの服は

持ってきてないらしくそのまま暖めていた。

 

「自分だけ入らなかったんじゃ

晴希さんもカチンときますよ。」

 

「やぁー晴希さんもやってくれたよな〜っ

爆笑っ。」

 

「御成‥ドンマイ‥。」

 

 

「シャラーップ‼︎お黙りなさいっ!!」

 

3人が爆笑しているのを御成が

ガチガチしながら叫ぶ。

 

 

 

 

「み、みんな〜っ!!」

 

先ほど晴希を迎えに行った

希が声を上げて全力でこちらに走ってきた。

 

「あ、希さーん晴希さん迎えにいっ‥」

 

「早く逃げるで!早く!」

 

「え?どうしたんですか‥?」

 

澁谷が聞くにも希は焦ってる様な顔で

皆にさけんでいた。

すると奥から何かが転がってくるような音が聞こえてくる。

 

「な‥なに‥⁉︎」

 

「地響き‥⁉︎な、なんでござるか⁉︎」

 

その地響きが強くなり先ほど晴希が

行った道の先をその場の4人が見る。

 

「うぉぉおおおぉっ!!」

 

 

「「「な、なんじゃありゃぁ!!?」」」

 

 

晴希が全力でこちらに走ってくる後ろには

巨大な岩がころがってこちらにきていた。

そりゃ皆そんな反応するよな。

 

「は、早く逃げるよ!」

 

希が叫び皆はそのまま山を下る様に走った。

いつも関西弁の希がなぜか

普通の喋り方になっていた。

 

そして転がってきた岩は木に当たり

まるで晴希達を追いかける様に

向きを変えて俺達が逃げてる方向に

転がってきた。

 

 

「ちょっ⁉︎なんでこっちにくるんだよ⁉︎」

 

「わ、わからないです〜‼︎」

 

「ぼ、僕‥もう‥⁉︎」

 

「拓人殿ー‼︎しっかりしてくだされっ!」

 

全力で走るが拓人はすぐに

息切れをしていて限界のようだ。

ぐっ、このままじゃ‥!!

 

 

あ。

 

 

「そーだった‥!」

 

 

俺魔法使いじゃん!

 

 

 

「の、希さん!指輪っ!

手の形をしたのと

赤い宝石のっ、早く!」

 

「こ、これやね⁉︎」

 

走ってる最中なので息を切らしながら

俺は希からドライバーオンリングも

フレイムリングを

なんとか受け取り、

即座にドライバーオンリングを

右手に付けてベルトにかざした。

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

「はぁっ‥はぁっ‥‥変 身っ!」

 

走りながらも俺はシフトレバーを

上下に動かして待機音声を聞く暇もなく

左手の中指に付けたフレイムリングを

ドライバーにかざした。

 

 

《フレイム!・プリーズ

 

ヒーヒー・ヒーヒーヒー‼︎》

 

 

 

真正面にかざした手の先から魔法陣が現れ

走っている状態なので俺は勢いよく魔法陣を

通り抜けた。

そして俺は仮面ライダーウィザードに変わり

急斜面の坂だったので体制を崩してしまうが

なんとか立ち止まり、転がってくる岩に

振り返るウィザード。

 

「おっし!」

 

ウィザードは足に力を溜めると

炎のエネルギーが渦を巻くように

足に纏い始める。

そして岩が目の前にきた瞬間、

 

「ハァアアッッ!!」

 

ウィザードは気合いと共に回し蹴りを繰り出した。

一回り大きかった岩は一瞬で粉々になった。

 

 

「す、すげぇ‥」

 

「あ、あれが晴希さんの姿‥!」

 

「はぁ‥はぁ‥‥っ

か、かっこいい‥‥。」

 

「へ、変身とは‥‥‥

なんと羨ましいでござる‼︎」

 

御成や修行僧たちもウィザードの

姿を見るなり感動していた。

 

 

「(い、いってぇえ!このスタイル

間違えたかな‥クソォ、ランドスタイルに

しとけばよかったぁ‥‥!)」

 

かっこよく決めて立っているが

内心はこうなってるのが俺だ。

まぁ、皆無事みたいだな。

 

「はぁ‥はぁ、‥かっこいいやん、

指輪の魔法使いさんっ。」

 

希も息を切らしながら変身を解いた俺に

ニカっと笑い、そう言ってきた。

そんな笑顔で言われると嬉しいではないか。

 

 

 

トラブルはあったがその後は山の中で

いくつか修行をし、無事に帰る事ができた

俺達。御成が来週も山修行に行くでござると

言ってきたが皆は同じ気持ちなのか

 

当分は山修行はやめとこう。

 

と、言って這いつくばった御成だった。

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

奥の茂みから車で帰る晴希達を見つめる

若い青年の姿があった。

 

緑色の羽の付いた帽子を被り、

肩にストールを羽織っており、

さらにズボンの左側をたくし上げるという

独特のファッションをしている彼は、

面白そうに笑みを浮かべて

そのまま森の中へと消えていった。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

とある部室にて。

 

 

 

その部室にいた

ツインテールの女の子は1台の

パソコンを見つめていた。

画面にはいつの間に撮ったのか

μ'sのメンバーや練習している写真が

載ってあるのを女の子はじっと見ていた。

ふと、女の子は別の画面に切り替えた。

それはスクールアイドルの

ランキングサイトだ。

 

そこにあるまだ投稿して間もない

μ'sのファースト曲、『START DASH‼︎』

女の子はそのコメント欄に

クリックするとキーボードに手を構え

素早いタイピングでこう書いた。

 

 

 

アイドルを語るなんて10年早い!‼︎

(((┗─y(`A´ ) y-˜ケッ!!

 

 

 

「‥‥。」

 

女の子はそう打つと

まるでμ'sの彼女達を嫌うような

目付きをし、ざまあみろと

言わんばりに鼻で笑ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、仮面ライダーウィザード

 

 

「穂乃果ちゃん、今、誰かいなかった⁉︎」

 

練習していることりが不意に視線を感じる

 

「てめぇはしくじるなよ‥?」

 

「ハイハーイっ。」

 

フェニックスに言われて動くファントム。

 

 

「練習場所を何とかしないと

いけませんね‥」

 

海未が真剣に悩む、屋上で一体なにが‥。

 

「アンタ何者⁉︎」

 

「ただの魔法使いだ。」

 

ツインテールの女の子をかばうように

ファントムに立ちはだかる晴希。

 

 

第11話にこ、襲来




いやー、いつもより更新遅い感じですね、
間違えて保存していた文が消えてしまったんですよ‥
8000辺りまで書いてたんですよっ(>_<)
心が折れかけましたがなんとか書きました!


それとゴーストに出てきた御成さんとその修行僧!
途中辞めにした小説の方が少し寂しいかなと思って
こちらの作品に出すことにしたんです。
ちょいちょい出すと思いますので
その辺りをよろしくお願いしますっ。(^^)

評価、感想などがあれば是非お願いします!

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