ラブウィザード! 〜希望の柱〜   作:しょくんだよ

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今更ウィザードにハマった作者です!
書いてみようと思い書きました(^^)
よかったらどうぞっ。



ラブウィザード!〜希望の柱〜
第1話 指輪の魔法使いになれた。


「皆さんこんにちは。俺は田中春樹って言います。

ごく普通の高校生で、ごく普通の日常を過ごしている。

ごく普通と言っても、この顔のせいか(ブサイク)

友達は少数しかいないし

そいつらは友達と言える仲なのかも分からない

はっきり言って世界は退屈だ。毎朝決められた学校に行って

お金がないからバイトして、帰って寝て、それの繰り返しだ。

そういえば、親も遊んでばかりでろくに会話をしてないな‥」

 

まぁ、そんなこんなで今日も学校が終わり家に帰って

バイトに行こうとした時だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は車に轢かれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜ轢かれたのかって?

突然飛び出した少年を身体が勝手に動いて守ってやったんだ。

 

ち、何やってんだか俺は‥

 

あぁ、母さん 父さん。先に逝くわ‥‥

 

俺が死んで悲しむ人なんているだろうか‥

 

 

学校じゃ騒ぎになるぐらいか‥

 

 

 

 

そして、少年の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「‥‥ん?あれ‥‥‥、ここは‥‥‥‥‥‥?」

 

 

 

俺は気がつくと見渡す限り

ただ、ただ、真っ白な空間が広がる世界にいた。

ふと、自分の身体を確かめる。

 

身体が軽い。

 

最近風邪気味だったのに全然、寒気も頭痛もしない。

 

 

「やっぱ死んだんだ‥なんかあっけないな‥」

 

俺は1人で苦笑した。

‥ってか、ここどこだ?地獄?

いや、こんな白くないか‥

天国か‥?

 

「まぁ、まっとけばその内なんかくるだろ」

「お主、死んだのになんで平然としとるんじゃ?」

 

「うわぁい⁉︎」

 

突然背後から声を掛けられて叫んでしまった。

うわーいってなんだよ‥

 

てか、この人誰だ?‥白い服に‥え?

 

「うおぉおっ⁉︎人が浮いとる⁉︎」

 

「そりゃー、神じゃから浮いて当然じゃろう。」

 

「え?神‥?神って神様?」

 

「そうじゃ。神じゃ。」

 

「マジデスカ」

 

「マジジャヨ」

 

なんだこのノリノリな神。少し笑ってしまったじゃねえか。

てか、神様って本当にいたんだ‥‥

そして、春樹は真剣な顔になり神に問い掛けた。

 

 

 

「‥神様、俺は‥‥死んだんだよな?」

 

「うむ、車に跳ねられてのぉ‥。」

 

そっか‥と、俯く春樹。

 

「じゃが、お主、死んだのにパニックとかになっておらんのぉ。」

 

それは自分でも思う。

普通なら死んだらパニックを起こすだろうな。

だけど、

 

「‥‥あの世界じゃ退屈だったから‥かな‥」

 

 

楽しくない毎日だったから。

 

 

 

同じことを繰り返す毎日だったから。

 

 

 

生きてても仕方ないと思う毎日だったから。

 

 

 

 

 

こんな事が思えるのだろう‥‥

 

そう思うと感情が高ぶり、涙が溢れてきた。

 

 

 

 

 

「俺‥もっと楽しい‥人生を‥過ごしたかった‥‥」

 

 

 

 

 

 

 

 

「‥‥じゃが、お主にも好きな事があったのではないか?」

 

 

 

 

「そりゃもちろん!仮面ライダーだな!」

 

「立ち直り早すぎじゃ」

 

さっきまで泣いてた春樹は好きなことを聞かれ、物凄い笑顔で

神を見た。正直きもい笑顔だ。

 

 

「やっぱ仮面ライダーは誰もが憧れ!かっこいいし!

変身ベルトは大体揃ってるんだぜ!‥‥まてよ‥

俺が今死んでるってことは‥‥

今まで集めた俺の結晶があああああ‼︎

ノオオオオオオーッ!」

 

 

「仮面ライダー好きか‥よしよし、」

 

春樹が絶叫してる中、

神は1人で呟くと春樹に問い掛けた。

 

 

 

 

「春樹よ、お主は‥

 

 

〝仮面ライダー〟になりたくないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?」

 

この人‥‥この神今なんて?

 

俺が‥‥‥‥‥仮面ライダー?

 

 

「仮面ライダーに‥なれるんですか‥‥‥?」

 

「そうじゃ、死ぬときにお主幼い子を庇ったじゃろ?その勇気に

わしは見込んだんじゃ。

お主には、仮面ライダーになってある世界を救ってほしい。」

 

 

 

「ある世界って‥‥?」

 

 

俺はそう聞くと、神は両手をばさっと広げて答えた。

 

 

 

 

 

 

「ラブライブの世界じゃっ!」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「んん‥‥‥?」

 

 

俺は目覚ましの音が聞こえ起床した。

 

朝の7時‥。

 

「んん‥なんとか起きれたみたいだな〜‥」

 

俺は見慣れない部屋を見渡し身体を大きく伸ばした。

そして自然と顔がにやける。

 

 

 

 

そう、

 

 

 

 

 

 

俺は転生したんだ。

 

 

 

あの後、神からラブライブの世界を救ってほしいと言われ、

仮面ライダーで世界を救うなんて願ったり叶ったりだ。

即座に了承し、その世界へと飛ばされた。

なんでも、神のミスでラブライブの世界にあってはならない

怪物が入り込んでしまった為、それを倒してほしいという

お願いだった。

 

完璧な人任せだが、仮面ライダーになれるんだ。俺は気にせず

答えた。

 

俺は洗面所で顔洗おうとしたその時。

 

「‥鏡に立つと毎回びっくりするなぁ‥」

 

鏡の向こうにイケメンがいる。

それは俺だ。決してナルシストではないぞ。

前の世界でブサイクな顔だったから、さすがにその顔で

こっちにきたらキモがられるだろう。

やはり仮面ライダーはイケメンじゃないと、

そんなわけで神に頼みかなりのイケメンにしてもらったのだ。

 

顔を洗い髪も整えてリビングに戻ると

机の上に置いてあるものを確認した。

 

 

「支給品がすっげぇわ‥」

 

神から渡されたもの‥

 

 

 

 

お金(もぉ、一生すごせるんじゃねぇか‥‥?)

 

なによりこのマンション(1人暮らしぃぃい!!

両親は死んで親戚の人に育ててもらった設定‥か。)

 

 

 

そして‥

 

 

 

「この黒い小包には‥‥‥」

 

 

 

 

中に入ってたのは手の形をしたドライバーと、

一回り大きい指輪が何種類か入っていた。

 

 

 

「仮面ライダー‥‥ウィザード‥‥」

 

 

俺が変身する仮面ライダーはウィザード。

「魔法」と「魔法使い」をテーマにした仮面ライダー。

日食の日に行われた儀式から生まれた

魔物「ファントム」たちと戦うライダーだ。

変身アイテムは宝石のような形の‥これ本物の宝石じゃないか?

もうこれ眺めてるだけでも1日おわってしまいそうだわ。

まぁ、変身アイテムはこのウィザードリング。

このリングは2つの種類にわけられる。

 

1つは変身リング。

これがウィザードに変身する為の指輪だな。

 

「フレイム、ウォーター、ハリケーン、ランド‥‥。

うん、最初はこんなのだったな。

最近ウィザードみてないからストーリーの内容が曖昧だな‥」

 

次に魔法リング。

変身以外の様々な魔法を行使するためのリングで、右手の中指に

はめて使用できる。一部の魔法リングは変身前でも使用可能‥か。

 

 

「これやってみたかったんだよなぁ‥‥」

 

 

俺はウィザードライバーを取り出し腰に当てた。

するとサイドからベルト部分が伸び、腰に巻きつくように装着した。

 

 

 

「(うおおおおぉっ‼︎‥興奮しすぎて死にそうだわ‥2回目はさすがにやべぇな‥)」

 

 

そして装着した俺はウィザードライバーのバックル左右の

レバーを上下に動かし、コネクトリングをかざした。

 

 

 

《コネクト・プリーズ》

 

 

ドライバーからテンションの高い音声が流れた後、

俺の横に魔法陣のような絵柄が出てきた。

その中に手を入れて牛乳を取り出した。

 

 

 

「やべ、もう今日はこれで十分ですはい。」

 

 

牛乳を飲みながら満足気に外の景色を見る俺。

 

今使った魔法リングは〝コネクト〟

魔方陣で空間と空間を繋ぎ、遠くのものを手に取ったりできる

誰もが欲しいものすごーく便利な魔法だな。

 

「んん‥若干疲れと腹減ったぞ‥‥」

 

 

 

仮面ライダーウィザードはリングを使用すると魔力が消費される。

魔法を使えば使うほど魔力は消費され、ゼロになると変身も

何もできなくなりぶっ倒れるというデメリットがある。

 

 

「おぉ、そうだ。これも出しとくか。」

 

そういって俺は赤い鳥を基調としたガルーダリングをベルトに

かざした。

 

 

《ガルーダ!・プリーズ》

 

その音声からプラモのような型枠にはまった状態から素早く

組み立てられ、鳥のような形になった。

その鳥の真ん中にガルーダリングをはめると。

出番かーっという勢いで部屋中を飛び回った。

 

「おぉ、おぉっ!動いてる動いてる!か、可愛い!

よろしくなっ、ガルーダ。」

 

ガルーダは頷いて俺の手に乗っかってきた。

 

こいつはレッドガルーダ。プラモンスターと言って

ウィザードの使い魔だ。

敵の捜索や戦闘補助など様々な場面で活躍する。

他にもプラモンスターはいるが今はこいつで十分か‥

 

「ガルーダ、この周辺を見回ってくれないか?もし道に迷ったら

アレだからよ‥」

 

俺はそう頼むとガルーダは頷き、窓の外へと飛んでいった

仮面ライダーウィザードってほんとすげぇ‥

ウィザードライバーを見つめながらそう思った俺

 

 

 

「やっぱ魔力があるってことは‥俺の中に‥‥」

 

 

 

〝魔力の源〟がいるってことだよな‥‥

いずれは会うことになるだろう。

そう思いながら俺は机のとある書類を手に取った。

 

 

 

「名前は‥操真晴希‥

国立音ノ木坂学院編入書‥」

 

この世界で名乗る俺の名前だな。ウィザードの主人公の名前と

ほぼ同じなのでかなり気に入ってる

 

そして編入書、今日から入学する学校の書類だ。

ラブライブというアニメはかなり人気だから知ってる人も多いだろう。

俺も知っているがそこまで詳しい訳じゃない。

廃校になる学校をスクールアイドルという学校で結成される

アイドルで音ノ木坂学院を救う‥。

数回アニメを見たのと、前の世界のアニメオタクに話聞かされた

ぐらいしか頭にはいっていない。

 

「まぁ、実際行った方が早いな‥うし、準備して行くか。」

 

そう言って俺は牛乳を飲み干し

準備を、始めた。

 

「そういえば服装をかえるリングがあったような‥‥んー

今はまだ無いのかな‥‥?」

 

手持ちにあるリングは全てではない。

神がちょくちょく送ってくれるらしい。

 

 

気の利く神様だと思いながら晴希は戸締りを確認し、

玄関のドアを開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「さて‥と、」

学生服に着替え、マンションを出た晴希はスクールバッグを地面に置き、

ポケットからコネクトリングを取り出し、腰のベルトにかざした。

 

 

 

《コネクト・プリーズ》

 

 

 

かなり大きめの魔法陣から派手なバイクを取り出した。

これが仮面ライダーウィザードが愛用してるバイク

 

〝マシンウィンガー〟だ。

だけど、これガソリンでうごくんだよねぇ‥

そこは魔法石とかでエコにしてほしいとこだけど‥

 

まぁ、お金はあるんだ。

こんなにあると気が狂いそうだが、使いすぎないようにしないとな。

 

 

すると空からガルーダ飛んできて晴希のマシンウィンガーの

グリップ部分に掴まり、奇妙な鳴き声で晴希を見つめた。

 

 

「おーお疲れ、ガルーダ。この周辺は理解できたか?」

 

俺の返事にガルーダは頷いた。

晴希はスクールバッグを肩に下げ、ジェットヘルメットを被り

エンジンを入れて軽くふかした。

 

免許証も支給してくれてんだもんなーありがたやありがたや

 

「前の世界もライダーに憧れて免許とってバイク乗ってたけど‥」

 

 

マシンウィンガー超かっけえええええっ!

新品!宝石綺麗!あー朝からテンション上がりっぱなしだわっ‼︎

 

 

 

‥ん?なんだよガルーダ。

そんな目で俺をみるではない。

 

 

「‥おぉっと、こんな時間。じゃ、ガルーダ。学校まで案内よろしくっ」

 

スマホの時計を見て俺はヘルメットのバイザーを閉め

ガルーダを戦闘に走りだした。

 

だがこの後、俺はラブライブをもっと見とけばよかったと後悔した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

途中から歩きで登校している俺は

音ノ木坂学院にたどり着く‥‥が、

 

 

 

 

超周りの視線が凄い。

 

 

よく見たら女の子ばかりダナ。

 

改めて資料を確認する俺。

 

 

「‥‥っ、じょ、女子校‥‥っ⁉︎」

 

ここ、国立音ノ木坂学院は

 

女子校だった。

 

やべ、物凄い勢いで帰りたくなった。

周りの視線が‥‥‥シセンガ‥

まさか男の子俺1人だけ‥‥?

 

「でも、ここで間違いないよな‥

な、なんで男子いねぇんだよ‥ただでさえ女の子となんかほとんど絡んだことなかったのに‥」

 

 

 

 

 

「あ、あのー?」

 

「ひゃいっ⁉︎⁉︎」

 

「うわわっ」

 

突然声を掛けられて俺は2度目の変な声を上げちまった。

振り返るとそこには可愛らしい女の子が立っていた。

オレンジ色のサイドポニーの髪の少女‥

ん?この子‥まさか‥

 

 

「高坂‥穂乃果?」

 

「え?なんで私の名前知ってるの?」

 

「あ、いやっ。‥それより、俺に何か用だった?」

 

あぶねー。そうだ思い出した。この子は高坂穂乃果。

この学院のスクールアイドルのリーダーでラブライブの主人公だったっけ?

 

「あぁ、学校の前でなんか困ってましたよね?なにかあったんですか?」

 

「え?不審者呼ばわりしないの?」

 

「えぇ、不審者なの⁉︎」

 

「違います違います!決してそんな奴じゃないです!」

 

 

 

「穂乃果ーっ!」

 

「穂乃果ちゃーんっ!」

 

後方からこの子の名前を呼びながら走ってくる女の子が2人走ってきた。

 

「穂乃果っ、急に走ったら困りますっ。」

 

「あはは、ごめんね海未ちゃん。」

 

青い髪の女の子に笑いながら手を頭の後ろに置く。

 

あー、この2人も知ってるぞ。

高坂穂乃果の幼馴染の園田海未、南ことりだったかな?

んー、本物はみんな可愛いなぁ‥

 

「それはそうと、穂乃果、こちらの殿方は‥?」

 

「穂乃果ちゃんの知り合い?」

 

海未、ことりは俺を見て穂乃果に問い掛ける。

 

「今さっき知り合ったんだっ。

ええと、名前は?あ、私高坂穂乃果!」

 

「私は園田海未と申します。」

 

「南ことりですっ。」

 

知ってるよ。と、心の中で呟く俺。

 

「あーえと、俺は操真晴希って言います。

今日からこの音ノ木に編入することになったんだ。」

 

「えぇっ⁉︎そうなのっ?」

 

「だから制服も私たちと同じデザインなんですね‥」

 

「そういえば、お母さんが今日は編入生が来るって

言ってたような‥」

 

穂乃果、海未、ことりの順番で答える。

お母さん?教師でもしてるのか?だとしたらすげぇな。

 

「それなら!晴希君にこの学校案内しなきゃだね!」

 

穂乃果が元気よく答える。

うぉ、いきなり名前呼びか。

この子すげぇフレンドリーだな。

 

「こら、穂乃果。操真さんはまだ手続きなどをしていないでしょう。」

 

「お、おう。そうだな、3人共、

お願いなんですけど理事長室の場所を教えてくれませんか?」

 

 

「わかった!あと、敬語使わなくていいよ!

それに3人共じゃなくてちゃんと名前で呼んでねっ。」

 

いやいや、いきなり名前呼びは無茶っすよ。

俺は苦笑しながら頷いた。

 

学校に向けて歩きだす俺たちに海未が聞いてきた。

 

「操真さんは何年生に編入するんですか?」

 

「ええと、2年生にだったはず。」

 

「そうなんだっ!」

 

「ことりたちと一緒だねっ。」

 

穂乃果とことりが横から顔を突き出して言う。

なるほど、俺はこの子たちと一緒の学年か。

 

「じゃあこれからよろしくな、穂乃果、海未、ことり」

 

うはー、名前で呼んじゃったよ〜‥恥ずかしい‥

 

「うん!よろしくね!晴希君!」

 

「よろしくっ!」

 

「よ、よろしく‥お願いします‥」

 

穂乃果とことりは笑顔で答えるが海未だけ俯きながら答える

 

「えと〜‥ど、どうかした?」

 

「と、殿方に名前で呼ばれるのは慣れてないので

その‥‥は、ハレンチです!」

 

えぇ⁉︎ハレンチだった⁉︎

お、女の子わかんねぇ‥‥‥

 

「気にしなくていいよ晴希君!

海未ちゃんはいつもこんな感じなんだ」

 

「あ、あぁ‥そうなんだ。」

 

先頭で歩いていた穂乃果が後ろを向きながら答える

男の子とはあまり喋れないのだろうか‥

‥だとしたら俺とみたいな感じで同じだな‥

 

しかし‥

 

平和そのものだな‥こんな世界に怪物が出るなんて

神様もなにしてくれてるのやら‥‥

 

 

 

「きゃぁぁぁぁぁっ‼︎‼︎」

 

 

その時、後ろから女の子の悲鳴と爆発音が聞こえた。

振り返るとそこには槍を持った

怪物が数体こちらに向かってきていた。

 

 

「な、なにあれ‥⁉︎」

 

「か、怪物‥⁉︎」

 

「っ‥‥穂乃果ちゃん‥!」

 

穂乃果、海未、ことりも怪物に怯え後ずさる。

 

「グール‥‥っ。」

 

その正体はグール。

魔石という特殊な鉱物から生成される、

鬼のような風貌をした灰色のファントム。

そしてそのグールたちの後ろにいかにも

ボスらしい風貌の怪物がいた。

 

「‥見つけたぞ‥‥ゲート!」

 

あれはウィザード始まって最初に出てきた怪物

ミノタウロス。

てことはこの中にゲートが‥‥

 

「‥考えてる暇はないな‥穂乃果!ことり!海未!

3人は早く逃げろ!」

 

「っ‥晴希君も‥!」

 

穂乃果は晴希の手を掴んできた。

女性に手を掴まれるなんて初めてだが

そんな事考えてる場合じゃないな。

 

「俺は大丈夫だ。‥ガルーダ、この子たちを護衛してくれ。」

 

晴希がそういうとバッグの中からガルーダが飛び出し

穂乃果たちの周りを飛びはじめた。

 

「うわわ、鳥⁉︎」

 

「な、なんですかこれっ⁉︎」

 

「か、可愛いっ!」

 

3人のそれぞれの驚きに笑ってしまう晴希。

 

「大体の生徒は逃げたな‥」

 

正直、早く使いたいのだろう。

身体のうずうずが止まらない。

 

晴希はドライバーオンリングを装着し、ベルトの手の形にかざした。

 

 

 

《ドライバーオン・プリーズ》

 

 

するとベルトはウィザードライバーに形を変える。

 

 

「なんだ?それは?」

 

ミノタウロスが武器を構えこちらを睨んでくる。

 

「お前たちを倒す為の‥ベルトだ。」

 

そう告げて晴希はフレイムリングを左手に付け

ウィザードライバーのシフトレバーを

上下に動かした。

 

 

 

 

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!》

 

 

 

 

 

 

「な、なんですかこの音‥⁉︎」

 

「凄いリズミカルだねぇ‥」

 

「うん、頭に残りそうっ」

 

「呑気な事言ってる場合ですかっ!」

 

リズミカルな音声に後ろの3人は騒いでるが

まぁ気にしない。

俺はフレイムリングのバイザーを下げて

 

魔法の言葉を口に出した。

 

 

 

「変身っ。」

 

 

 

 

 

《フレイム!・プリーズ

ヒーヒー・ヒーヒーヒー‼︎》

 

 

 

 

フレイムリングをベルトにかざし、左手を大きく横に広げた。

すると左から人間大の魔法陣が出てきて、

ゆっくりと晴希の身体を通る。

 

そして、通り抜けた晴希は魔法使い‥

仮面ライダーウィザードへと姿を変えた。

 

 

「な、なんだ貴様⁉︎」

 

ミノタウロスとグールたちは姿が変わった俺に驚き、警戒する。

 

「えぇ⁉︎晴希君⁉︎」

 

「晴希さんの‥す、姿が変わった‥⁉︎」

 

「海未ちゃん、何か撮影でもしてるのかな?」

 

「穂乃果、貴方の目は節穴ですかっ?」

 

穂乃果たちも驚いているようだが

1番驚いているのは俺だ。

 

 

 

「(ひゃあああああっ‼︎‼︎変身したよぉぉお!

うおおおおおっ!かっけぇえええ!

鏡みたい!あ、もう!かっけぇえええわ!うん!)」

 

 

めっちゃクールに立っているが内心はこんな感じだ。

 

 

「貴様!何者だ⁉︎」

 

 

「俺は仮面ライダーウィザード‥‥

変身するのも、戦うのも初めてなんだけど‥」

 

 

言うぜ、

ウィザードの決め台詞‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、ショータイムだ。」

 

 

 

 

 

 

はい、決まった。

 

 

 

そう言ってウィザードはグールたちへ向かって走る。

 

「っ!やれっ!」

 

ミノタウロスはグールに指示を出し、グールたちも走りだす。

穂乃果たちは驚愕していた。

あの恐ろしい怪物が何体もいるのに彼はその攻撃を華麗に避け、

蹴り技や敵の武器を奪い切りつけていた。

 

同時にそのとても綺麗な戦いに穂乃果たちは魅了されていた。

 

「すごい‥‥」

 

3人がボーっと突っ立っていると、ガルーダは穂乃果の腕の裾を引っ張る

 

「‥は、 穂乃果!ことり!ここは晴希さんに任せて早く学校へ避難しましょう!」

 

正気を取り戻した海未は穂乃果とことりの手を引っ張り逃げ出す。

遠くになったところで

かっこいいよー!などと声が聞こえた。

かなり顔がニヤついてしまった。

 

「はぁあっ!」

 

重い一撃をくらわせたグールはダメージに耐え切れず爆散した。

 

「さぁ、残るはお前だけだぜ?」

 

「ちっ‥!指輪の‥魔法使い‥‥‥!」

 

そう言ったミノタウロスは手から炎の玉をつくりだし、

それをウィザードに向けて放った。

 

諸に受けたウィザードだが、左手の魔法陣にその炎はみるみる

魔法陣の中に吸い込まれていった。

 

「このスタイルに火はきかない‥‥‥‥‥ってあれ?」

 

炎を吸いとったウィザードが顔を上げると

そこにミノタウロスの姿はなかった。

 

「あちゃーっ。逃げられたか‥」

 

周りに怪物がいない事確認し、変身を解く晴希。

 

 

「そういえば‥かなり身体軽かったな‥」

 

今まで気付かなかったが以外と筋肉もある。

戦うために作られたボディ‥かな?

ほんとすごいぜ‥

 

「よし、‥あいつらも無事かな?」

 

そう言って俺は音ノ木坂学院の階段を上って行った。

 

 

 

いきなりファントムが出てくるなんて予想しなかったけど、

これならこの世界も守れそうだ。

 

 

あの世界にはない、俺の特別な力。

 

 

 

憧れていた仮面ライダー!

 

 

守ってやる、あの子達を‥‥

この世界を。この力で。

俺は拳に力を入れ、そう決意し、階段を上って行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

音ノ木坂学院の屋上ーー

 

 

 

 

 

白い身体に白いマントを纏った魔法使いのような風貌をした

それは、肩に白いガルーダを乗せ、

操真晴希達を眺めていた。

 

 

 

 

 

「まずは1人‥」

 

そう言ってそれはベルトに指輪をかざし、屋上から姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、仮面ライダーウィザード

 

 

「今日から編入しました。操真晴希です。」

 

生徒達の前でお辞儀をする晴希。

 

 

 

「指輪の‥魔法使い?」

 

「かまわねぇ!そいつも捻り潰してやりな!」

 

「承知しました‥‥」

 

廃墟のビルで会話する3人の影。

 

 

「お前も絶望して新たなファントムを生み出せ!」

 

 

 

「私‥もぉ‥‥ダメ‥‥なのかな‥‥」

 

体にヒビが入る少女にウィザードは指にリングをはめる

 

「諦めるな、俺がお前の最後の希望になってやる。」

 

 

第2話 音ノ木坂のスクールアイドル。




はい。書いてみました。
見てくれた方、
感想など是非お願いします。
( ゚д゚)

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