突然僕が帝国華撃団の隊長代理になりました   作:真宮寺さくら

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最終回 闇との同化

帝劇には、戻らず帝都郊外で、お互いの話をする事となった。

 

「改めて自己紹介をさせてもらうよ、僕達は、並行世界から来た人間だと考えておいてくれ」

 

「「「「「「「並行世界---」」」」」」」

 

「僕の名は、紫藤直哉、そして彼女は・・・」

 

「真宮寺さくらです.皆さんよろしくお願いしますね」

 

「「「「「「えええーーーさくらがーー増えたーーー」」」」」」

 

「私がもう一人いる」

 

「皆落ち着いてよ、並行世界から来たのなら、さくらお姉さんが、二人になってもおかしくは無いから」

 

「「「「そうなの?」」」」

 

「うん、だから落ち着いてね」

 

「「「「「「了解」」」」」」

 

 

「すいません直哉さん僕は隊長代理をしています。佐谷直哉と言います」

 

「よろしくお願いします」

 

そして直哉達は、お互いの事をゆっくり話し出したのだった。

 

「成る程直哉さんは別の世界に中間達と跳ばされ、戻る時に、手違いで僕達の世界に来たのですか?」

 

「そういう事になるね」

 

「それじゃあ今は、自分の世界に戻れねえのか?」

 

カンナが直哉に聞く。

 

「ああ、そうですねちょっと今は、自分達の世界には戻れないですね」

 

「そうか・・・」

 

「なら私の実家に、来てくださいな」

 

「「ええーー良いんですか?僕達をこんなに簡単に信用して?」」

 

「良いんですよそれに、貴方達を帝劇に案内するより貴方達の安全が確保出来るので」

 

「「え、どういう事?」」

 

「「・・・実は」」

 

佐谷直哉ともう一人のさくらが直哉達に伝えた。

 

「直哉君向こうの量子甲冑から通信が来てるよ?どうする」

 

「え、通信が?じゃあ・・・」

 

その時この世界の米田から通信が来た。

 

 

「直哉、通信は無視しろ、あれはお前達の敵だ破壊しろ。以上だ」

 

「さくらお姉さん通信繋げて」

 

「了解」

 

「「えええーーあの時僕達の破壊命令が出ていたのか」」

 

 

 

「そして僕たちは出会った」

 

現在・・・

 

 

「佐谷直哉君君は僕と7人世界に行くかい?」

 

「紫藤直哉さん僕は、貴方とは行きません。僕は米田健二という方の世界へ行きます」

 

 

「何だって!!健二さんの世界にだって」

 

 

直哉の言葉に、紫藤直哉が驚いていた。

 

 

 

それから1週間後・・・

 

 

さくらと直哉は米田健二の世界に行き消息を絶った。

 

 

 

 

暗闇の中・・・

 

 

「さくらさん無事ですか?」

 

 

 

「直哉が作田に呼びかける。

 

 

「直哉君ここは?」

 

 

「恐らく僕達の心の闇の中だと思います」

 

 

「私達の心の闇の中?」

 

 

 

「恐らくですけどね、僕達は直哉君や直哉さんの世界にお世話になったとしても心では泣いてましたからね」

 

 

「その気持ちが具現化したんだと思います」

 

 

 

「そんな直哉君の闇を祓う事なんて出来ないの私には」

 

 

「そうだお前は誰も救うことなどできない、お前が出来るのは、せいぜい人柱になる事だな」

 

 

「人柱・・・まさか」

 

 

「そうだ馬鹿なお前の父親みたいにな」

 

 

 

「いやあああああああああ。お父様ーーーー」

 

 

突然さくらは聞こえた言葉に錯乱してしまった。

 

 

「いけないさくらさん」

 

 

直哉は何とかさくらを落ち着かせようとするが、なかなかうまくいかないでいた。

 

 

「誰だお前は?なぜ僕達にこんな事をする?」

 

 

「何故だと?お前達の役目は終わったのさ、佐谷直哉そして真宮寺さくらよ」

 

 

 

「僕達の役目は終わっただってーーー」

 

 

 

「ああ、そうだ、だからこそ原初の闇である俺が迎えに来たのさ佐谷直哉・・・いや俺の息子よ」

 

 

!!

 

 

「何故貴方が・・・うわあああああああ」

 

 

 

そして直哉は健二の作り出した術に拘束され消えた。

 

 

 

「直哉クーン」

 

 

 

 

さくらは直哉の事を心配しながら消滅した。

 

 

時が経ち・・・

 

 

 

「フフ、どうだ佐谷直哉俺と一心同体となってどうだ?お前が脅威と感じた裏直哉を動力源として捕獲したぞ」

 

 

「一時はどうなるかは不安でしたが、これで真宮寺薫の中にある。薫お姉ちゃんの魂を取り戻せるぞ」

 

「お前たちを捨てた奴はどうするんだ?」

 

 

「健二さん僕達の世界は、既にネウロによって滅ぼされてますから」

 

「ああ、そうだったな」

 

 

「でも一度は、戻ってみてもいいですね。どのみち4つの世界はいずれ一つになるのなら・・・」

 

「そうだな・・・裏直哉を回収できたからな、当面の目標は達成したし、紫藤直哉と飛鳥には、ナナとミズキに任せてるからな」

 

 

「そうですね、あえてこの地を離れると言うのもあ値と思いますよ」

 

 

仙台・・・

 

「あーあ、結局帝国華撃団の負けかよ。これじゃどうなるのかねえ」

 

「今のところ、やつらは帝都にしか、興味が無さそうだが、いつこちらに来るか、わからねえしな」

 

仙台に着いた直哉とさくらは、そんな街の声を聞き、我慢をしながら真宮寺家に向かった。

 

「くっ皆僕達の苦労を知らないくせに言いたい事ばかり言って」

 

「直哉君。抑えてね私達が敗北したのは、事実だしだから街の人達がそう感じるのは仕方が無いのよ」

 

「でもそれじゃあ!!」

 

その時直哉の目に、さくらの悔しさを堪え涙をうっすら浮かべていた.さくらの顔が見えた。

 

仙台・・真宮寺家・・・

 

直哉がさくらの実家に実を寄せてから、約1週間が過ぎた頃黒乃巣会に占拠された帝都で新たな動きがあった。それは・・・

 

黒乃巣会首領天海から、一つの要求があった。それは・・・

 

「哀れな帝都市民に告ぐ、今から3日の内に、元帝国華撃団隊長の佐谷直哉と、元帝国華撃団隊員の真宮寺さくらの身柄をよこせ」

 

という内容だった。

 

 

それから二日たったある日・・・

 

直哉とさくらの所に時の首相がやって来た。

 

「すまない二人とも私達も無茶な要望をしているのはわかっている。しかし、帝都市民を見殺しには出来ない。幸い君達2人が来れば、帝都破壊はしないと言ってきた」

 

「「・・・」」

 

「用は貴方は、私達を売ったんですね」

 

「ああ、そう思って構わない」

 

!!

 

「・・・」

 

米田健二の中にいる佐谷直哉は過去を思い出していた。

 

 

 

帝都東京

 

直哉とさくらは政府の重鎮達によって、大帝国劇場に連れてこられた。

 

「ご苦労首相、君達は戻りなさい」

 

「我々は約束を果たしたぞ、これ以上街を破壊するなよ」

 

「ああ、約束しよう。と言うよりもうこの世界に私の興味は無いがな」

 

そして叉丹は、二人を天海の所まで案内した。

 

 

「久しぶりじゃな二人とも」

 

「天海さん今回私達を呼んだのは、私と直哉君を処刑するためですか?」

 

さくらが天海に聞く。

 

「いや今回お前達を呼んだのは、ネウロを追いかけてほしいのじゃ」

 

「「ええーーどういう事ですか」」

 

「あやつは、魔装機兵黒龍を作り上げ、並行世界に行ったんじゃ、あやつはワシや、叉丹以上の悪魔じゃ、このままじゃと、あやつのせいで全ての世界が永遠の闇に包まれるじゃろう」

 

「それでやつが向かった世界は、お主達と会った事のある紫藤直哉の世界に向かった可能性があるのじゃ」

 

「「ええーーー紫藤直哉さんの世界にーー」」

 

 

「叉丹二人を並行世界紫藤直哉の世界へ送る準備は出来ておろうな」

 

「はっ天海様」

 

「よしそれならば、二人ともネウロのことを頼むぞ」

 

「ちょっと待って下さい天海さん何故僕達にこんな事をやらせるんですか?」

 

直哉は天海に聞く。

 

「これは不思議な事を聞くな、小僧お前達はわし達に負けたのじゃよ、敗者は勝者に従うこれは当たり前じゃと思うのじゃが」

 

「そ、それは・・・」

 

 

 

直哉とさくらは紫藤直哉の世界へ移動した。

 

 

その頃終焉弐式に吸収された裏直哉は・・・

 

 

「うっ何だこの映像は?これはもしかすると・・・」

 

 

「そうですよこれは僕の記憶ですよ、直哉さん」

 

 

!!

 

「何故お前が存在している?佐谷直哉、お前は兄さんに吸収された筈だ」

 

 

「あれ、聞いてないんですか?貴方は健二さんに捨てられたんですよ、姉弟揃ってね」

 

 

「何だと!!馬鹿な」

 

 

 

「嘘をつくなよ、佐谷直哉?」

 

 

「いえいえ嘘じゃないですよ、現にあなた達の現状を見てください」

 

 

そう言って、佐谷直哉は裏直哉に自分の状況を確認させた。

 

 

 

!!

 

 

「何なんだ?この姿はーーーー」

 

 

「俺とさくらの魂が何か機械的な物に作り替えられている」

 

「どういう事だ?佐谷直哉ーーー」

 

「ふふ、そんな大声を出さなくても聞こえますよ」

 

 

「これが終焉弐式の仕様ですよ」

 

「何だと!!」

 

 

「終焉弐式を起動させるには、強烈な闇の力を持つ魂を二つほど生贄にしないといけないんですよ」

 

!!

 

 

「つまり裏直哉さんが、地底王国であんな事をしなければ健二さんは終焉弐式を使う事をしなかったんですよ」

 

 

「何だと、それじゃあ兄さんは?・・・」

 

 

「・・・ええ、貴方の想像通り裏直哉お前が捨てた真宮寺直哉が受けた痛みすらを超える罰を受けるんですよ、今からね」

 

 

 

「うぎゃああああああああああああ」

 

 

「これにて終焉弐式の起動に成功を確認しました」

 

「ご苦労だったな佐谷直哉。これをミズキ達に渡す手配をしてくれ」

 

 

「了解です」

 

 

その後佐谷直哉は闇との同化を終え消えてしまった。

 

 

 


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