原点にして頂点とか無理だから ~番外編置き場~   作:浮火兎

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このお話は、本編06-2の後になります。


モンスターボール講座

 バトルの合間の休憩時間。共に切り株に腰掛け、水分補給を取っているとブルーが私に訊ねた。

 

「そういえば、ボールに入ってる間ってポケモン達はどうしてるんですか?」

 

 いい質問だ。何しろ、私も昔疑問に思ってジャンボに訊ねたことがある。相棒は常時外に出っ放しだから、うちの他のポケモンたちに聞いたそうだが、返事を聞いてなるほどと私は思ったよ。

 

「君はどう思う?」

「えっと……寝てる、とか?」

「あたり」

 

 身体が動かなくても脳は動いている。それって凄く暇なんだって。

 モンスターボールの中はいかにポケモンに快適にすごしてもらえるかを考えた設計だから、眠くなることも相まって睡魔に身を任せるんだとさ。

 でも外の声は聞こえるから、何か異変を感じたりしたら自主的に外に出るんだそうだ。たとえ捕まえても抵抗したらボールから出れる仕組みなのは、いざ危険が及んだ場合ポケモンたちが逃げれるためにだ。

 ポケモンにだって自由の権利はある。それを尊重させるためなんだって。

 

「こんな主人嫌だ! って思われて勝手に出て行かれちゃう場合もあるってこと」

「そうならないように頑張ります」

 

 殊勝な態度を見せるブルーならば大丈夫だろう。心配することは無いさ、と相棒も彼女の手を取り握った。


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