比企谷兄妹の年越し   作:乾電池博士

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ども、松です。
もう2か月に一度の更新が恒例になってます……駄目ですね…
前回投稿はとても暑かったですが、もう段々と寒く感じるようになってきました。

「君の名は。」にうつつを抜かしていると、いつの間にかもう10月になってしまいました…
その気になれば1週間で2話投稿できるんだな…と少し悲しくなりましたね。
肝心のそれも今は書けてませんが……
執筆の難しさで言うと、こっちの方がはるかに簡単なはずなんですが……方言なんて気にしないでいいですし、その時のノリで書けますし。
まあ実を言うとこの投稿作業は合間にやっています。なので実際はかなり忙しいんですね。

そんな最近の松でございます。……読み返してみましたけど前書きが駄文すぎてヤバいですね。(苦笑)

とりあえずこれくらいにして、どうぞ!

あといつの間にか(といってもかなり前ですが)UA10000超えてますね。というか11000も超えてます……本当にありがとうございます。当初チラシの裏に投稿していたものが、こんなにも見てもらえるということは、本当に感慨深いです。

《前回のあらすじ》
家からは少し離れた、稲毛浅間神社へ向かい、無事に参拝した比企谷兄妹。
だが…休日引きこもりがふと正月に外出して、災難が降りかからないわけはないだろう。
それは、はっきり言って一番会いたくない者達との遭遇であった。


5:きっと他人事でない茶番劇を見ることよりも辛いものはない

 ―――――こうして無事に参拝を終えた俺と小町だが…

 境内から出られません。出られるわけがありません。何故か?答えは簡単です、ヤンデレが迫っています…姿が見えなくても俺の脳内には警報音が鳴り響いています。小町、お兄ちゃんはもうダメかもしれません。

 

 遺書めいたものを脳内で書いてしまったが、あながち大袈裟ではないと俺は思う。というか思いたい…残念ながら俺の(ネガティブ)な予感は大概当たるのだ。そしてその確信は次の瞬間、絶望に変わる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえお兄ちゃん、あそこにいる人達ってゆ…もがっ!?」

 

 天敵(?)達の固有名詞が小町の口をついて出る前に、なんとしてでも引っ込めさせないと、という謎の使命感に突き動かされ、半ば反射的に小町の口元に、手を当てた。

 

* * *

 

「―――――――…ねえお兄ちゃん聞いてる!?」

 

 あいつら(ヤンデレ)の姿が視認できなくなったところで、小町の言語機能を回復させてやった。が、口を開いた瞬間に俺の耳を(つんざ)くのは俺に対する大音量の抗議だった。そしてそれを聞き流し、今に至る。

 

「ふぅ……あとでプリン買ってやるから今は勘弁してくれ。」

 

「……ん、わかった。」

 

 挙動と態度だけで、瞬時に察してくれたのだろう。やはり持つべきものはデキる妹だ。

 

「…小町、俺は一刻も早く稲毛から出なければいけない。小町、分かってくれるか?」

 

「…うん。でも……いいの?」

 

「ああ、学校での()()をわざわざ三が日なんかに味わいたくない。いいか、俺は至って本気だ。これは逃避行だ。」

 

「ら、らじゃ?」

 

「うむ。では、行くぞー!」

 

 小町の手をしっかり取って、駅の方向へ一直線―――俺がこう考えられていたのは、あまりに刹那的であった。

 

「やっと見つけたわ、ひ・き・が・や・くん♪」

 

「どこ行こうとしてるの?私たちからは絶対に逃げられないよ♪」

 

「というか先輩、なんで妹ちゃんの手握ってるんですか♪」

 

 そう言って出現してしまった彼女らは声だけは楽しげであるものの――ひどく猟奇的かつ、嗜虐的で―――何より――目に一筋のハイライトもなかった。そしてその様子は、一介の男子高校生でしかない俺の意識をぼやけさせるには十分すぎる衝撃(ショック)であった。

 というか初詣を一緒にするとか君たち仲良くない?部室で毎日繰り広げられてるあれは何なの?なんで俺はあの時に足を止めてしまったのか……グフッ

 

* * *

 

??? ???

 

「う、ううん……」

 

 どれくらい気絶していたのだろうか。

 まずそんな疑問が、脳を支配する。

 

 そして、その刹那。

 

 「……あのヤンデレ(3人)達はどうなった!?」

 

 一番の懸案がたちまち急浮上し、俺の意識は束の間で覚醒したのであった。

 

 首を軽く左右に振ってみるが、それらの姿は見当たらない。では……と。

 背後へと顔を向けると、とてつもなくシュールな光景が広がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――それは魔王に連行される、背任者三人のように見えた。

 

 ……いや。

 

 よく目を凝らしてみると、その喩えも喩えではないのでは……と、そう思う。

 そう、思ってしまう。

 

 連行している側の、陽乃さんのオーラはまさに魔王であるし。

 それを取り巻く、謎の黒服数人は如何にも…であるし。

 連行されている側のそれら(ヤンデレ達)の観念した質感は、妙にリアルであるし。

 

 それを見て、いつしか雪ノ下がやっていた…あのお馴染みのポーズをとってしまった俺は、別に責められる筋合いはないと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――とりあえず……その瞬間、そこにはカオス空間が確かに形成されたと。そう言っても過言ではないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …今までいたって冷静に、目の前で起こっている事象を一つ一つ丁寧に、脳内で読みあげながら分析・整理を行ってはみたが……

 全く!これっぽっちも理解できん!

 

「こ、小町~……!」

 

 ひとまず俺は一番信頼できるかつ、正確な第三者視点であろう妹に、状況説明を求めることにしたとさ。

 

* * *

 

 はいはーい!小町ですっ!早速ですがご説明いたしましょう!お兄ちゃんが気絶している間、実はこんなことがあったのです!

 全然知らないとか本当にポイント低いんだからねっ!

 

* * *

 

Side 小町 稲毛浅間神社 鳥居付近

 

「お、お兄ちゃん!?お兄ちゃん!」

 

 お兄ちゃんがパタン、キューと気絶してしまってから、第一声を上げたのは小町でした。

 ひとまず意識を回復させようと、古めかしいやり方とわかっていますが頬をぺちぺちしてみたり、肩をグラグラと揺さぶってみたりはしました。

 でも女の子の中でも、かなり小柄な部類に入るであろう小町の力では、当然のようにお兄ちゃんを覚醒させることは叶いません。

 ……なかなか不味い状況です。あの3人方を一目見ただけで『あいつらはヤバい』という警鐘が脳内に響き渡ったのです。あの人たちに助けを求めるのは、絶対に無理でしょう。というかしちゃダメな気が……

 

 ん???

 

 ここでふと、強い違和感が襲ってきました。被ヤンデレ(被害者)が気絶していたなら、普通のヤンデレ(加害者)はどうするでしょう?

 …まず間違いなく――――――――――がっつくはずです。

 

 でも。………そんな雰囲気はおろか、あの3人の気配さえ感じません。

 

 ……え、ちょっと待って―――!?

 

 小町は恐る恐る後ろを振り返ります。それと共にようやく、周りの音もはっきり聞こえてきました。……それは、見聞きしない方が良かったことまで理解してしまう、と。そういうことなのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――やっと見付けたよ……3人とも、覚悟はできてるよね?」

 

 小町はちょっぴりおもらししそうになりました。―――その黒い影のオーラだけで。

 もちろん誇張ではないです、はい。




第5話でした。いかがでしたでしょうか?

僕的には結構不本意なところで終わってしまった気がしますね。(もう少し書いた方がよかったかな、という意味でです。)(笑)
あと小町の描写大丈夫ですかね…この子の様子を上手く表現出来てない気がします。こんな風に初めて心配してしまった今話です。

ご感想、ご評価、ご意見、誤字報告、お気に入り登録などなど、宜しくお願いします。

次回もまた2か月後の可能性は否定できませんが、なるべく早く仕上げられるように頑張りたいと思います。それではまた!

P.S.新作「故郷の名は。」(原作:君の名は。)もよろしくです。
  何で3作品も抱えてしまったんだろうか……

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