比企谷兄妹の年越し   作:乾電池博士

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ども、松です!
毎度毎度真の亀更新ですみません…やっぱり早く書くなんて難題だよっ!毎日投稿ってどうやってやるんでしょうね?やっぱり書き溜めが必要なんでしょうか?

今回はヤンデレなしですが…とてももどかしいかと思われます。ちょっと書きたい内容とは違いましたが、何とか軌道修正できそうかな?って感じですね。

それでは第三話です。どうぞ!

《前回のあらすじ》
ヤンデレ達によって困憊していることを小町へ相談した八幡。
対策法なんてあるのだろうか。


3:肝心なことは何一つとして解りえない

Side 小町

 

 …お兄ちゃんはやっぱり何もわかってないみたいです。話を聞いただけだから事実とはまた違うのかもしれないけど、それでもそんなことがあったらいくらお兄ちゃんとはいえさすがに気付くはずなんだけどな~…

 まあお兄ちゃんの場合は鈍感な()()をしてるだけ、なのかもしれないけど。

 

「こ、小町?」

 

「お兄ちゃん、小町は今の話を聞いて大変残念に思ったのです。」

 

「は、はい?」

 

「これじゃあホントにバカ、ボケナス、八幡だよ?」

 

「え、何それ。初めて聞いたんだけど。あと八幡は悪口じゃないからな…」

 

 あれ?そうだっけ?…テヘッ?

 

「そんなことはどうでもいいの!それより…お兄ちゃん、本当にわからないの?」

 

「え?ああ…もう何が何だか…むしろお前に相談してから一層ひどくなった気もするまである。」

 

「はぁ…これだからごみいちゃんは…」

 

「…またそれか?俺はごみじゃ「はいはい」えぇ…」

 

「お兄ちゃん。今の状況、改善したいと思ってる?」

 

「あ?そんなの当たり前じゃねぇか。だから小町に相談したんだし。」

 

「うんうん、それが聞けただけで小町は満足であります!」

 

「へ?それはどういう…」

 

「いいからいいから!さっ、早く!」

 

 お兄ちゃんを適当に…すらなってない気もするけど、とりあえずお兄ちゃんの部屋に連行した。小町の部屋?入れるわけないじゃん♪

 

* * *

 

Side 八幡

 

 何故か小町にはぐらかされて、俺の部屋に()()()()連行されたわけだが…とりあえず小町さんや、ここは自分の部屋に連れて行くところなんじゃないの?と俺は声を大にして言いたい。これは99%自室へ行く流れだと思っていたのだが……別に小町の部屋に入れる、グヘへとか考えてないよ?ハチマンウソツカナイ。…きめぇな。

 何はともあれ、素直に従えば謎を解いてやるとでも言いたげな顔つきだったので、とりあえず自室へ一緒に入ったわけだが…

 

「「…………」」

 

 当然というべきか否か、場は沈黙が支配していた。しかも小町はとても素敵な笑顔で俺を射抜いてくる。

 そしてとうとう痺れを切らしたのか、小町があの表情のまま。()()()()()()()でこう口火を切ってきた。

 

「お兄ちゃん♪もう一回確認するけど本当にさっぱりとわかんないんだよね?」

 

 ……は?何言ってるんだこいつは。そう思ってしまった。俺にはこの質問の意味が、意図が、理解ができなかった。その結果、

 

「は、はぁ…」

 

などという、曖昧な返事をする他に、手はなかった。そして、そんなタブーを犯してしまったからにはもちろんこの妹が許さない。

 

「何それ!どっちなの!」

 

「い、いや……本当にわかんない、です。」

 

 今度はしっかりと返せた…と思う。

 

「はい、合格。で、対処法は…聞くまでもないね。はぁ…」

 

 何やら勝手に呆れられたようだ…解せぬ…

 

「お兄ちゃん、一回しか言わないからよく聞いてね。」

 

 こう言われて、自然と背筋が伸びてしまった。

 

「それってさ、所謂(いわゆる)ヤンデレってやつじゃないの?」

 

「……ひあ?」

 

 我ながらキモい声が出たことと、ヤンデレって…ヤンデレって…本当にあのヤンデレ?

 そうしてまた思考に入ったところで、俺の記憶は終わっている。

 

* * *

 

翌朝 八幡's room

 

 起きたら知らない天井、なんてことはなく俺は部屋のベットの上にいた。むくりと体を起こして周りを見渡してみるが、誰も確認できないし、人の気配もさっぱりない。ということは小町は自室にでも帰ったのだろうか。

 まあそんなことはどうでもいい。問題は「一回しか言わないよ」と、小町が対策を丁寧に(?)ご教示いただいたはずなのに、内容の記憶が全くないのだ。いや、そもそもご教示していただけたかどうかさえ怪しい。あるのは夢…というかバカで青臭い独白だけ。あれではヒントどころか、お話にさえならない。

 

 とりあえず結論。……とにかくヤバい!

 結局何の知識も得られなかったんだぞ!?そんな無防備な状態でまたあの空間に赴くとか自らの意思でgo to hellすることとさほど変わらないじゃないか!俺は断固拒否するっ!と俺の考えがまとまったところで、部屋の前から悪魔のささやきが聞こえた。(この場合は決して大袈裟ではないだろう。)

 

「お兄ちゃ~ん、出てこなかったら朝ごはん抜きだからね~」

 

 やっべ、元旦から寝坊とか縁起悪すぎる!一年の計は元旦にあり、だからな。そこら辺はいくら俺とはいえ、ちゃんとするつもりだ。

 最後の布団の誘惑を軽く振りき(……嘘です、かなり苦戦しました)って、リビングルームまでトボトボと廊下を歩く。ドアを開けると家族が勢ぞろいしていた。俺が最後か…

 それにしてもこんな光景は(うち)の事情からしたら極めて珍しいだろう。

 黙って俺の定位置に座ると、ごくごく一般的な正月料理が食卓に所狭しと並べられていた。

 

「「「「いただきます。」」」」

 

 ここだけはそろって呟き、この年初めての食事が始まった。

 

* * *

 

 正月特有のテレビを見る。全員で時折クスクスと笑いながらゆるり、と弛緩した時間がただただ意味もなく過ぎていく。このまま夜までずっとこうしているんだろうな~…などといかにも正月ボケしたことを考える。

 両親はそろそろ仕事の時間らしいので、忙しなく支度をしているようだった。と、同時にいかにも余所行きの恰好をした小町が目に入る。あいつまでどうしたんだろうか?

 

「ん、小町もどっか行くのか?」

 

 素直に疑問をぶつけてみる。

 

「う~ん。ちょっとね~」

 

 そう間延びした声で返答してくる。

 正月の外出と言えば十中八九()()だよな…

 

「初詣か?」

 

「ご名答!息抜きがてら神頼みに、ね~」

 

 そこらへんは小町らしいな…

 

「まあどうせお兄ちゃんは行かないんでしょ?」

 

 ……そう言われると行かないのはちょっと癪な気もするものだ。何か嵌められている気もしなくはないが。まあでも…

 

「親もいなくなるんだったら一人だから本来は万々歳なんだが…どうせ行かなきゃいけないんだし初詣くらいならついて行くとするかな。お兄ちゃんも小町の合格祈願手伝ってやるよ。」

 

 こう言ってやると本当に意外そうに、まじまじと俺を見つめてくる。いや俺でもわかっているんだけどね?むしろしてやったりとか思っているわけだけども。

 

「そ。じゃあ待ってるから早めに準備してね。」

 

 ポイント高い、はなしか。これは相当動揺しているらしい…俺でもさすがに傷付くぞ…

 まあそこは顔もにも出す気も、面と向かって指摘したりするつもりもない。

 だから俺は、

 

「わかった。」

 

 そう短く返して自室へと向かった。

 

 あ、もちろん小町のチェックは受けさせていただきました。

 

続く(大晦日編 了)




第三話でした。お楽しみいただけたでしょうか?

以上で第一章は完結でございます。第二章は正月編(初詣編)となります。
今後もおつきあい、よろしくお願いいたします。

そして次回投稿の話ですが…とりあえず毎月投稿を目指すことにします。
というわけで6月末には仕上げたいと思います!
6月はちょっと忙しいので、どうなるかはわかりませんが。
とにかくロッテ愛書いてきます!

それではまたどこかで。

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