魔法少女リリカルなのは Vivid Wing stars   作:ライジングスカイ

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misson:6 古代遺失物狩り

「いい、貴方達の任務は古代遺失物狩りの捕縛、およびジュエルシードの奪還」

「万が一の時のためにあたしたちも控えてる、思いっきりやっといで」

ディエチの言葉と共にハッチが開く

「私たちは民間人の保護と避難誘導があるから助けにはいけないけど」

「大丈夫です、あなたたちならきっとできます」

ハッチの両側に立ったコロナとアインハルトが新人たちに渇を入れた

「アインハルトさん、聞こえる?」

「ヴィヴィオさん!?聞こえますよ」

アインハルトのもとにヴィヴィオから通信が届く

「今リオと現場に到着、正確には西に50メートル行ったところ、これから避難誘導に移るよ」

「わかりました、では私とコロナさんは東側へ、アルトさん、聴いての通りです」

「新人達が降下したら東側に移動だね、了解」

「カイザー3、カレル・ハラオウン、出ます」

「カイザー4、リエラ・ハラオウン、出ます」

カレルとリエラがハッチから勢いよく飛び出した

「グラディウス!」

「アイギス!」

カレルは剣を模したネックレスを

リエラは盾を模したリングをそれぞれ掲げる

「「セーットアーップ!」」

「「Stand by ready」」

降下していくカレルとリエラの体が光に包まれる

光が消えると二人はバリアジャケットを身にまとっていた

カレルのバリアジャケットは黒い長袖のジャケットに長ズボン、そしてその手には蒼い魔力で構成された大きな剣が握られていた

一方リエラのバリアジャケットの色も兄と同じ黒、こちらは白いケープを羽織っており丈の短いタイトスカート、手には中心に水色の水晶が配置された菱形の盾を握っている

身構えた二人はそのまま古代遺失物狩りの前に立ちはだかった

「僕らも行くぞ、リヴァイアス」

「Yes master」

右腕につけたチェーン状のブレスレット………リヴァイアスを構えるロイス

「セットアップ」

「Stand by ready」

静かにそう告げる彼の体が光に包まれる

光が消えロイスの身にもバリアジャケットが装着される

こちらは白いコートに青のインナー、そして白い長ズボン

三又の鉾の形状をとったリヴァイアスを手に古代遺失物狩りに向かっていく

「さ、後はアンジュだけだよ」

「あ、はい」

ディエチに促されるまま降下の準備をするアンジュ

そして掌の中で光る羽を模したキーホルダーを見つめる

「お願いね、ブリュンヒルデ」

「Please leave(お任せください)」

「セットアップ」

「Stand by ready」

祈るかのようにブリュンヒルデを握るアンジュ、

アンジュのバリアジャケットは白いワンピースをベースに胸当てなど鎧の様な装備が装着されている

ブリュンヒルデはチョーカーとして首元に装着されている、両手にも装備が施され背中には推進機のようなものもある

バリアジャケットの装着が終わるとそのままアンジュも降下していく

 

管制室のはやてたちのもとには救護班から通信が届いていた

「こちらユミナ、トラックの乗組員を保護、現在応急処置を施しています」

「救急車両の到着は?」

「5分後には到着できるかと」

「よし、そっちに引き渡したら念のため医療班はその場で待機、フォワードたちに何かあると困るからな」

「了解、近隣の陸士部隊は?」

「担当は陸士202部隊、現在民間人の避難誘導、ならびに非常線を張っています、15分後にはすべて完了とのこと」

「それやったらあとは前線メンバーやな」

「現在カレル、リエラ、ロイスの三名が交戦中、間もなくアンジュも合流します」

 

「はぁ!」

カレルが剣を振り下ろすと古代遺失物狩りは黄色い宝玉のついた短めの杖のようなものでそれを受けとめる

「くっ」

カレルが距離を置くと古代遺失物狩りが魔力弾を放って彼を攻撃する

「Protection」

すかさず前に出たリエラがアイギスを掲げるとそのまま防御魔法で古代遺失物狩りの攻撃を防いでみせる

「ポセイドンブラスト」

更にロイスが水で攻撃するが古代遺失物狩りは杖をふるうと目の前で魔力を爆発させ水の攻撃を防いだ

「おまたせ」

そんなロイスの隣にアンジュがやってきた

「遅いぞ、何をモタモタしていた」

「あの………初出動だと思うと緊張しちゃって」

「まったく、たのむから足手まといにだけはなるな」

「あうう」

ロイスの言葉に落ち込むアンジュだったがすぐに気持ちを切り替える

「リヒトフリューゲル」

白い翼を展開したアンジュが古代遺失物狩りに向かっていく

「駆けろ!ソニックムーブ!」

更にカレルも光速移動で古代遺失物狩りに向かっていく

「アクセルスマッシュ!」

「切り裂け!」

「Jet Zamber」

アンジュとカレルの同時攻撃を受け大きく吹っ飛ばされる古代遺失物狩り

「ポセイドンスパイラル」

更に複数の水が複雑にからみながら古代遺失物狩りを飲み込んだ

だが古代遺失物狩りは杖から放った魔力でロイスの水をすべて吹っ飛ばす

続けざまに金色の魔力弾が複数生成されアンジュ達に向かっていく

「フォトンスティンガー!」

すかさずカレルが射撃魔法で相殺する

更にそれをかいくぐったアンジュが拳を光らせ向かっていく

いつのまにか回り込んだロイスも背後から狙っていた

「ブリュンヒルデ!」

「Holy blade」

アンジュの声とともに彼女の手の装備から銀色の魔力の刃が構成される

「シャイニングセイバー」

「ポセイドンスラッシュ」

アンジュの斬撃とロイスが放った水の刃の直撃を受ける古代遺失物狩り

その手から零れ落ちたジュエルシードをアンジュがキャッチする

「やった!」

それを見た古代遺失物狩りは彼女に杖を向けると魔力を集めた

「何………この魔力」

アンジュはあまりに強大な魔力に驚いていた

全員が直感した、この攻撃は危険だと

「こちらディエチ、みんな聞こえる!?」

すると全員にディエチからの念話が届いた

 

ヘリの開いたハッチから狙い定めるディエチ

通信をしながらカノンにエネルギーを溜めていく

「あたしが相殺する、みんなは安全な場所に」

「その必要はありません!」

 

アイギスを構えたリエラがフォワードたちの前に立った

「こっちは私とアイギスが守ります」

「Please leave(お任せください)」

アイギスがリエラの言葉に点滅して答えたかと思うと防御魔法が展開される

 

「オーケー、そっちは任せたよ」

それを見たディエチは安心したように照準を古代遺失物狩りへと向けた

「カノン、あたし達は攻撃の直後を狙う、バレットイメージ、スタンバレット」

「Energy filling rate of 100%, you can fire at any time(エネルギー充填率100%、いつでも発射できます)」

 

古代遺失物狩りの魔法が今まさに放たれようとしたその時

「はいそこまで」

背中に黒い翼を生やした女性が古代遺失物狩りの手をつかんで魔法を止めた

「いつまでもこんな連中と遊んでないでさっさと引き揚げるよ」

そう言って古代遺失物狩りを引き連れ飛んでいく女性

 

「逃がさない!」

すかさずディエチが砲撃を放つが容易くかわされてしまう

「こんなものかしら………っと!」

突如飛んできた虹色の魔力弾が女性の黒い翼を掠めた

女性が飛んできた方角を見るとそこには追撃を試みるヴィヴィオの姿が

「少しはやるようね、でも私もマスターの下に帰らなきゃいけないの」

そう呟いたのを最後に女性と古代遺失物狩りの姿は見えなくなった

 

機動六課は突然の乱入者に騒然としていた

「首都航空隊に出動要請!すぐに非常線を張るようお願いしてください!」

「間に合わんと思うけどなぁ、ま、逃走ルートくらいは絞れるやろ、ジュエルシードは取り返したし任務は成功やね」

困ったように頭をかきながらはやてが呟く

「けど何者なんでしょう?あの黒い翼の女性」

「あれは多分使い魔だと思います、あの黒い翼だと多分………」

ラグナの疑問に答えるエルス、それを聞いてはやてはしばし考えると

「カラス素体やな、つーことは古代遺失物狩りはそのマスターか」

「それはない」

はやての言葉をファビアが遮った

「あの使い魔の態度、主従とは違う、あれは共犯者」

「確かにな、使い魔にもいろいろおるけどさっきのはちょお不自然か」

ファビアの言葉にしばし考え込むはやてだったが

「それではやてちゃん、この後はどうするです?」

「っと、そうやったな、とりあえずあたしらは現状の警戒態勢を維持、セイクリッドはディエチと合流してヘリで本局へ、ジュエルシードの護送してもらおか、カイザーは現場待機、陸士隊に引き継いだら上がってええよ」

一通り指示を回したはやては伸びをしているとふと思い出した

「そう言えば、古代遺失物狩りの使うてた魔法………どっかで………」

先の戦闘を思い出しふと考え込むはやてだったが

「………まさかな」

何かの思い違いだろうと思いこの時は気にしなかった

 

本局へ向かうヘリの中でアンジュはブリュンヒルデを見つめていた

「どうだった?ブリュンヒルデの使い心地は?」

そんなアンジュにヴィヴィオが声をかけた

「はい、私に合わせてくれますし、とても戦いやすくて、何より私、自分専用のデバイスって初めてだったから、なんだか嬉しくて」

「その気持ちわかるなぁ、ね、クリス」

アンジュの言葉を聞いたヴィヴィオは昔を懐かしむようにクリスに声をかけた

クリスもそれに気付き手を上げてこたえる

「これからもよろしくね、ブリュンヒルデ」

「Consent」

初めて手にした自分だけのデバイス

それを実感したアンジュは到着するまでずっとブリュンヒルデを握りしめていた




おまけ(コロナ・ティミル)
Stヒルデ魔法学院中等科卒業後航空武装隊に入隊
二年半かけてかねてからの希望だった航空戦技教導隊に入隊
そこから一年間なのはの元で教導のノウハウを学んだ
教導の現場では選手時代の経験が活きている

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