魔法少女リリカルなのは Vivid Wing stars   作:ライジングスカイ

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今回から登場するディエチの新しいバリアジャケットはinnocentのものをイメージしていただければと思います


misson:4 それぞれの力

コロナはフォワード陣と合流して隊舎の廊下を歩いていた

「じゃあ、自己紹介とスキル、コールサインの確認はもう済んだんだね」

「「「「はい!」」」」

コロナの問いかけに元気よく答えるフォワードたち

「それじゃ、さっそくこれから訓練に入りたいと思います」

「「「「了解!」」」」

フォワードたちがコロナの言葉に力強く答えると

「うん、いい返事、頼もしいね」

コロナも笑顔でそう答えた

 

そしてこちらはヘリポート、はやてとヴィヴィオ、そしてディエチが入ってくると既に出発の準備ができておりアルトが待機していた

「アルト、ご苦労様」

「もう出発できるの?」

「ばっちりです!」

ディエチの問いかけに元気よく答えるアルト

「このヘリ、確か今年導入したばかりの最新型ですよね」

「そうなの~!うちの部隊前評判高くってさ、おかげでこーんないい機体!JF707なんてヴァイス曹長が聞いたらなんて思うか」

ヴィヴィオの言葉に嬉しそうに声を上げるアルト

「ほんなら地上本部までお願いな」

「お任せください!ディエチも護衛よろしくね」

「はい、スマッシュカノン、これが私たちの初任務よ」

「yes Master」

ディエチの言葉と共にスマッシュカノンから放たれた光が彼女を包み込み紺色の上着とオレンジのインナーが特徴的なバリアジャケットが装着される

「あれ?ディエチそれ、新しいバリアジャケット?」

「うん、心機一転ってことで、自分でデザインしてみたんだけど………」

アルトの言葉に頬を赤らめながら答えるディエチ

「だいじょうぶ、可愛いし似合ってるよ」

アルトに言われて照れながらもうれしそうなディエチ

「スマッシュカノンっていうのはその子の名前?」

「はい、普段はカノンって呼んでます」

ディエチはヘリ後方の貨物室に乗り込みながらアルトの問いかけに応えていた

長椅子を出してそこに座るとそばに持っていた銃をたてかける

「それで、行き先は?」

「首都クラナガンの地上本部まで」

「了解」

はやてから行き先を聞いたアルトは計器を操作してすぐさまヘリを離陸させた

 

「部隊長はもう出かけられたんですよね」

一人事務作業を行っていたファビアのもとに眼鏡をかけた女性

元DSAA選手のエルス・タスミンがやってきた

「ん、地上本部で打ち合わせ」

「エルス陸士、ファビア士長」

ファビアとエルスのもとにブラウンの長い髪を持つ女性がやってきた

「えっと、ラグナさんでしたよね」

「はい、ラグナ・グランセニック一等陸士です、お二人と一緒に通信スタッフとして仕事させていただくことになります」

それを聞いたエルスの表情が固まる

「えっと、ファビアさんの階級が確か」

「ここだと准陸尉」

ファビアのそっけない返事に落ち込むエルス・タスミン(二等陸士)であった

 

訓練スペースに集合したフォワードメンバーたち

全員が預けたデバイスを受け取っていると………

「全員が汎用デバイスか………」

ロイスの呟いた通り、ミッドチルダ式の彼とリエラは杖、近代ベルカ式のアンジュとカレルはポールスピア

どちらも管理局で支給される汎用デバイスだ

「そのデバイスにはデータ記録用のチップを入れさせていただきました、皆さんの実力や、訓練の進行度合いなどを測る大切なものなので、念のため大切に扱ってください」

「それからこちらはメカニックのマリーさんです」

コロナに紹介されマリーが一歩前に出る

「紹介にあずかりました、メカニックのマリエル・アテンザです、デバイスの調整や改良のために、訓練を見せてもらうこともあるから、よろしくね」

「「「「はい!」」」」

マリエルの紹介の答えるフォワードたち

「それじゃあさっそくで悪いんだけど、みんなの実力を見せてもらうね」

そう言ってコロナが一歩前に出るとマリーが腕をふって術式を起動する

「機動六課名物、陸戦用空間シミュレーター、ステージセット」

マリーが操作を終えると背後に訓練用の街が出現する

「それじゃあ最初は………」

コロナが振り返ると彼女の周りに石が集まっていく

「この子たちが相手をするね」

人間サイズのゴーレムが3体現れそれを見たフォワードメンバーは皆戦闘態勢に入る

 

「よいっしょ」

リオが抱えていた機械を慎重に置く

「ありがとうございます、ごめんなさい、副隊長に手伝ってもらっちゃって」

「いえいえ、それにしてもユミナさんが主任医務官の資格を持っていたなんて驚きです」

そう言って機械のコードをつないでいたリオが顔を上げるとロングヘアーの女性、ユミナの姿が視界に映った

 

機動六課主任医務官

ユミナ・アンクレイヴ

 

「確かユミナさんってスポーツドクターになるって」

「うん、最初はそうだったんだけど、あの事件でちょっと思うところがあって、ノーヴェさんの紹介でシャマル先生に教わっていたんです、アスリートでも魔導師でもその人や周りの人が時間と思いをかけて作り上げてきたものを守っていきたいから」

機材のコードをつなぎながらリオの質問に答えるユミナ

「なるほどねぇ、そういうことならみんなの治療、お願いしますね、ユミナ先生」

「リオさん!私まだ先生なんて立派なものじゃ………」

「資格は持ってるんだしここの医療責任者なんだから立派な先生ですよ」

リオの言葉に照れるユミナにリオは笑いながら返す

「ま、けがしないで済むのが一番なんだけど、あ、今の話ヴィヴィオには言わないでくださいね、気にすると思うんで」

 

街中を移動するゴーレムをアンジュが必死に追いかけていた

「あのゴーレム、すごく速い」

リヒトフリューゲルで機動力を上昇させているアンジュだがそれでもゴーレムに追い付けない

「フォトンスティンガー!」

蒼く光る魔力弾を放ちゴーレムを狙い撃つカレルだが容易くかわされる

「カレルさん、今のミッド式の射撃魔法ですよね」

「あ、僕ハイブリットなんだ、メインは近代ベルカだけど、ミッド式もいくつか」

「無駄話をしている場合か」

ビルの上で待ち構えていたロイスも杖を構える

「ポセイドンブラスト!」

渦を巻いた水がゴーレムに向かっていくがこれも容易くかわされる

「くそっ、すばしっこいゴーレムだな」

「重量を抑えて機動性重視の創成をしたから、そう簡単にはとらえられないよ」

「一口にゴーレムって言ってもいろいろあるんだ」

コロナから届いた念話に感心しながらため息を零すアンジュ

一方カレルとリエラは冷静に戦況を見極めていた

「リエラ、威力強化頼むよ」

「了解、スピード強化もつける?」

「いらないよ、そっちはアンジュさんにつけてあげて」

そう言って槍を構えるカレル

「僕のスピードはだれにも負けないから」

カレルのその言葉と共に彼の足もとにミッドチルダ式のテンプレートが現れる

「駆けろ!ソニックムーブ!」

「ブーストアップ!」

リエラが杖をかざすとカレルの槍に水色の魔力が纏われた

更にカレルの体に蒼い電流のようなものが走ったかと思うと次の瞬間にはゴーレムの一体を貫いていた

「一瞬であれほどの移動を!?それに蒼い雷」

それを見たアインハルトも思わず声を上げた

 

「アンジュさん!今スピード強化かけます」

「え?あ、ありがとうございます」

リエラの呼びかけに驚きながらも答えるアンジュ

すかさずリエラは杖を構えた

「我が乞うは、疾風の翼。白き槍騎士に、駆け抜ける力を」

リエラの詠唱と共に足もとに魔方陣が現れる

「ブーストアップ・アクセラレイション!」

「リヒトフリューゲル!フルパワー!」

カレルほどではないものの補助魔法の力でスピードアップしたアンジュが一気にゴーレムとの距離を詰めた

「シャイニングセイバー!」

アンジュの拳の白い魔力が光を吸収し剣の形となるとそのままゴーレムを切り裂いた

「今の技はもしかして………」

残ったゴーレムが移動していると突然泡のようなものに包まれて動けなくなった

「素早い相手に対処する方法くらい、僕だって心得ている」

いつの間にきたのやらロイスが泡につつまれたゴーレムを見据えていた

「ポセイドンスピア!」

先ほどよりも細く鋭い水が放たれ泡につつまれて動けなくなったゴーレムを貫いた

 

本局の会議から戻ったはやてたちがロビーを通りかかるとちょうどコロナ、アインハルト、リオの3人が集まって食事をしていたところだった

「お、なんや勢ぞろいやないか」

「八神部隊長、お疲れ様です」

ティオが膝の上で寝ているためアインハルトは座りながら何とか礼をしていた

「フォワードの訓練やったんでしょ、どうだった?」

「まだちょっときごちないけど、実力のほうは申し分ないよ」

開いてる椅子に腰かけるヴィヴィオの問いにはコロナが答えた

「あたしは今日はバックヤード陣の手伝い、設備関係とかも問題ありません」

リオの言葉を聞いて安心したように笑いながらはやても椅子に座った

「せっかくつかんだ第一歩や、今度こそ後悔なんかせんようがんばらな」

するとはやてのテーブルに料理が盛られたトレーが置かれる

「だったらしっかり食べて、今日はゆっくり休んでくださいです」

そう言ってリインが自分の分をテーブルに置きながらはやての隣に座った

「リインいつからおったんや?」

「私も今来たところです、さっきまでマリーさんとちょっと相談をしていたです」

「ああ、あのことな、マリーさんなんていうてた?」

「今から完成が楽しみだと言ってたです」

 

そのマリーは自室で一人作業をしていた

「失礼します」

「あ、ディエチ、いらっしゃい」

そんなマリーのもとにディエチが訪ねてくる

「あ、早速やってますね」

そんなマリーのほうを見たディエチは彼女が行っている作業の内容に気付いた

「これ、差し入れです」

「あ、ありがとう、もらうね」

サンドイッチの入ったバスケットを置いてマリーの操作する画面を覗き込むディエチ

「それで、調子はどうですか?」

「ん?んっ、みんないい子たちだから作りがいあるよ」

フルーツサンドを一つ手に取って食べていたマリーだったがディエチの質問に一度フルーツサンドを飲み込んで答えた

「ロイスなんかは変わった魔法だから大変じゃないですか?」

「ん~、ロイスもだけどアンジュのリヒトフリューゲルも珍しい魔法だから、セイクリッドの二人は大変、それに見て、このデータ」

マリーに促されディエチが見た画面は今日の模擬戦のもの

「………マジ?」

「んっ、本人に自覚はないみたいなんだけどね」

あるデータを見たディエチは目を丸くして呟く

「いや、でもこれが本当ならすごいですよ」

「だね………にしてもこのフルーツサンド甘くておいしい」

「あ、それ私の手作りです」




おまけ(八神はやて)
特務六課解散後これまで通り捜査司令として古代遺失物犯罪と戦う日々を送る
エクリプス事件後に一佐に昇進
4年ほどかけて少将に昇進、このころから機動六課再結成の話はあったらしい
だがかつてJS事件での苦い経験から躊躇し続けた
夢がかなうというのに自身のやるせない態度のせいで間延びし続けたことに関しては反省しているらしい(守護騎士たちもそのことに関してだけはいまだに怒っている)

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