魔法少女リリカルなのは Vivid Wing stars   作:ライジングスカイ

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misson:24 ネクストジェネレーション

アイギスから放たれた冷気がプルートを凍てつかせその動きを止める

息を切らせながらも無事魔法が成功したことに笑顔を見えるリエラ

「これがアイギスのフルドライブの力………」

アイギスのモード3、それは氷結魔法に特化した強化形態

リエラの実力では本来使えないはずの高ランク魔法を可能にする発動補助や凍結強化機能

魔力資質の高くないリエラが一人前の魔導師として戦うための力だった

「まだだ!」

チンクの声と共にプルートが凍結から力づくで抜けだす

「いえ、これだけ稼げれば十分です」

リエラの言葉と共にプルートの近くで輝く光

 

「貫け、流星!」

集束魔法によって集められた巨大な魔力の塊を前に拳を構えるアンジュ

「海神招来!」

ロイスが構えるリヴァイアスの先に大量の水が渦を巻いていた

「雷光一閃」

カレルがグラディウスを掲げるとそこに向けて雷が落下する

「シューティングスター………」

「ポセイドンストローム………」

「プラズマザンバー………」

「「「ブレイカー!」」」

3つの魔法がプルートに直撃、その装甲を次々破壊していく

「捕まえた!」

すかさずシャマルが旅の鏡でプルート本体からむき出しになったコアを取り出す

「長距離転送」

「目標!軌道上!」

「転送」

オットー、エルス、ファビアの三人がそのコアを強制転移させる

軌道上、艦船が待機してる場所のちょうど中心にコアが現れる

「今ですわ!攻撃開始!」

「撃てー!」

ヴィクターとクロノの合図でコアに向けて一斉に攻撃が放たれる

 

地上で攻撃の光を見届けた一同

光が消えたのを確認するとはやてがユニゾンを解いた

「私らは準警戒態勢を維持、本体の再生がないようならここを引き継いでしまいや、お疲れさん」

はやての言葉と共に全員が歓喜に沸いた

手近なものとハイタッチするもの、拳を合わせるもの

リエラは大魔法を使った反動かその場に座り込んでしまう

アンジュも地上に降りたと思ったら大きくため息を零し大の字で倒れる

ロイスとカレルも疲れた様子で笑いあった

ジークの下にはヴィクターから通信が届いている様子

ヴィヴィオはそんな一同の様子を一通り見回した後自身が抱える少女を抱きしめた

 

「了解、プルートは完全破壊されたそうだ」

ラグナと共にモーガンを護送していたセインは俯くモーガンにそう伝える

セインの言葉にも特に反応は示していなかったが

「ぐっ」

突如として咳き込み始め、血もこぼれていた

「なっ!どうしたんだ!?医療班!誰でもいい!早く!」

「こうなる運命だったのさ、これで………あの人の所に行ける」

そう呟いてモーガンはその場に倒れた

 

こうして古代遺失物の盗難事件から始まった今回の事件は、主犯であるモーガン・ヴォクスターの突然死と言う意外な形で幕を閉じた

 

その後、陸士隊と合同で彼らの拠点を調べ、盗まれた古代遺失物と繋がれた装置が発見された

モーガンの部屋には大量の薬も、サマーラの話では彼は以前から病を患っていたという

さらに調査を進めた結果モーガン本人のものと思われる日記も出てきた

 

事件の事後処理を進めていたはやてだったがふとため息を零す

「部隊長元気ないですけど、何かあったんですか」

そんな彼女を心配してディエチが声をかける

「あー、すまんな、大したことやあらへんねん、もう後悔しないって決めたのに、煮え切らん結末で結局また同じことの繰り返しや思うとなんや自分が情けなくてな」

頭を抱え項垂れるはやてに肩を落とすディエチ

「気持ちは分からなくもないですけどね、あ、これ見てもいいですか?」

そばに置いてあった捜査資料に手を伸ばすディエチ

「ええよ、というかまだ見てなかったんやね」

「あたしもいろいろ忙しくて………えっと、装置の分析結果と………」

一通り目を通したディエチはある資料を見て手を止めた

「これ、あの日記の解析結果ですよね」

「せや、心理部もえらいてこずってたようやったけど」

はやての言葉を聞いたディエチが資料を指でなぞる

「えっと、これによると………」

 

「はぁ!?プレシアに惚れてたぁ!?」

「う、うん、心理部の話だと」

フェイトと並んで歩きながら事情を聞いていたアルフはその内容に驚きの声をあげた

「セインの話だと、モーガンは亡くなる直前に言ってたんだって、あの人の所にって」

「そのあの人がプレシアだってのか、信じらんねぇ」

青い顔で肩を落とすアルフ

「ずっとリニスとの接点も見つからなかったんだけど、日記に書いてあったよ、プレシア母さんの手がかりを探してアルトセイムに行ったら、偶然リニスとあったんだって」

だがその時すでにプレシアは病に冒されていた

愛する人が長くないことを知ったモーガンは治療法を全力で探した

「あと一歩のところまでいった矢先のPT事件、それ以来モーガンが世界を憎むようになったんじゃないかって」

「だとすると、PT事件でプレシアが死んだと公表されてることからリニスを蘇らせる考えに至ったわけだ………ん?」

最初は適当に流していたアルフだったが思い立ったことがあり立ち止まった

「もしかして………モーガンが古代遺失物を集めていた目的って」

「うん、アルハザード」

フェイトもアルフの言いたいことがわかっていたようでそう答えた

「信じたくなかったんじゃないかって、プレシア母さんがアルハザードでアリシアと幸せに暮らしてるって思いたかったんだと思う、モーガンの研究室に貯蔵された遺伝子情報の中にプレシア母さんのものもあったんだけど、使用された痕跡がないって」

「心の中ではわかっていたんだろうけどね、だから死ぬ前にあんなこと………」

ぼやくアルフだったが思い出したかのように口を開いた

「そういやさ、あの子どうしてんの?」

「え?ああ、あの子ね」

 

「はい、じゃあ今日の訓練と模擬戦はここまで」

「「「「あ、ありがとうございました~」」」」

模擬戦で手ひどくやられたらしいフォワード達が力なく返事をする

「事件が終わったって言ってもまだまだ覚えることはいっぱいだよ」

そう言ってコロナがウインドウを閉じる

「みんなお疲れ」

「懐かしいなあ、あたしも六課時代思い出すよ」

フォワード達に声をかけたのは六課に来ていたなのはとスバル

「スバルさん?ディエチさんなら部隊長の所ですけど………」

「あ、いや、ディエチに会いに来たのもそうだけど、他にも用事が」

「ちょっと早く来すぎちゃったかな?ヴィヴィオ達まだお仕事あるんじゃない?」

「うん、だからなのはママ先に食堂で待ってて、スバルさんは………」

「あ、あたしは少しアンジュと話があるから」

「私にですか?」

「私たちは仕事があるので失礼します」

アインハルトの言葉と共に全員が移動を始める

 

「それで、私にお話と言うのは………」

「アンジュはさ、ここに来る前の所属って何だった?」

「陸士隊の警邏です」

「六課での配属機関が終わったら、そこに戻る予定?」

「………正直、あまりよくわからないです、自分が何をしたいのか、何が出来るのか」

そう、部隊の創設者であり部隊長であるはやてを除けば六課の配属機関は基本的に1年

それが過ぎればアンジュ達は別の部隊に異動になってしまう

「まえにいったことおぼえてる?あたし達似てるなって」

「はい、覚えてます」

「アンジュ、特別救助隊、来る気ない?」

「えっ!?」

スバルの言葉に戸惑うアンジュ

「うーん、言い方悪かったかな?六課でのお仕事終わったら、あたしと一緒に来ない?」

 

リオと共に移動していたロイスはリオからスバルが来た目的について聞いていた

「アンジュを特救にスカウトですか………」

「不満?それとも不安?」

「そういうわけではないんですけど、そういえばリオ副隊長は六課の配属期間後は………」

「あたしは教会騎士団に復帰、元々正規の局員じゃないし」

指先でソルフェージュをくるくる回しながら天を仰ぐリオ

「ロイスはどうするの?」

「僕は上級士官希望なので、八神部隊長に研修先を探してもらって、キャリア試験を目指すつもりです」

「そっか、頑張ってね………あっ」

ふと、リオが前方から歩いてくる影に気付く

「あ、リオさん、ロイスも」

こちらに気付いて挨拶するユミナと手を繋ぎ歩いていたのはプルートとの戦いで保護された少女

その周りにはおどけた小さな生き物………ファビアが使役する小悪魔たち(プチデビルス)の姿もある

「こんにちは、シルヴィア、これからお母さんのお迎え?」

「はい、さっき仕事が終わったとメールが来まして」

笑顔で答える少女………シルヴィア

「あたし達もこれ部隊長に渡したらお昼だから、お母さんと先行っててね」

そう言ってリオはシルヴィアの頭を撫でると書類を提出するためロイスとその場を後にした

 

「失礼します」

「失礼しまーす」

ユミナと共に隊舎の部屋へと入るシルヴィア

「あ、シルヴィア!迎えに来てくれたの?」

ファビアと昼食の支度をしていたヴィヴィオがそれに気付き歩み寄った

「プチデビルス、ボディガードお疲れさま」

そう言って小悪魔の一体を撫でるファビア

「ユミナさんもすいません」

「いえいえ、シルヴィアとてもいい子にしてたから問題ありませんでしたよ」

そう言ってシルヴィアの頭を撫でるユミナ

「さすがヴィヴィオさんの娘です」

あの戦いでモーガン・ヴォクスターが死んだことによりシルヴィアとサマーラは行き場をなくした

元々自身と境遇の似ていた少女をほっておけなかったヴィヴィオは彼女の保護責任者として名乗りを上げた

「それじゃあ行こうか、なのはママも待ちくたびれてるだろうし」

「はーい」

サマーラがモーガンに協力するきっかけの一つでもあったらしい感情面の欠如に関しては洗脳を受けた痕跡があり解除後にヴィヴィオが献身的に世話した結果解消されつつある

現在ではこのように笑顔を見せることも

 

「そう言えばヴィヴィオはお休みの予定どうするの?」

みんな揃っての昼食でなのはがシルヴィアを抱きながらヴィヴィオに問いかける

ヴィヴィオを含むセイクリッド隊は明後日から3日間の休暇となっている

「ん~、まずはシルヴィアの学校探し、一応Stヒルデ魔法学院で考えてるけど、あと」

「サマーラに会いに行くの!」

ヴィヴィオの言葉に続くように答えるシルヴィア

そのサマーラは現在海上隔離施設にいた、理由はどうあれ罪を犯したのは事実だから




おまけ(リインフォース・ツヴァイとヴォルケンリッター)
リインはあどけなさが抜けて大人びたものの性格や言葉遣いなどは相変わらず
シグナムは現在三佐に昇進、航空武装隊で一個中隊を率いている
ヴィータは現在一等空尉、なのはとのコンビは健在でいつの間にか彼女の副官的立場になっている
シャマルは変わらず本局の医療局、ユミナをはじめとした若い局員に手解きをしている
ザフィーラは地上部隊で捜査を手伝う傍ら子供向けだった八神家道場をミウラのために本格的な練武場に仕上げた
下地がしっかりしていたためか道場の規模が変わる際特に問題は起きなかった
大抵は子供から入って年齢ごとに練習メニューが変わっていくらしい
いずれはミウラに道場を継がせ捜査の仕事に専念したいと考えている

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