魔法少女リリカルなのは Vivid Wing stars   作:ライジングスカイ

23 / 26
misson:23 破壊の真実

「ユーノ!」

子供姿に戻ったアルフが無限書庫のユーノの下にやってきた

「プルートの資料探し手伝うよ………ん?どうした?」

「みんなに知らせなきゃ………」

ある資料を見たユーノは青い顔でそう呟いた

 

プルートが咆哮をあげる

「プルートが本格的に動き出せば制御を失い暴走を始める、グレゴール・ヴォクスターは、彼の国は、プルートの暴走で滅んだんだ」

ユーノの言葉に集まった一同はプルートを見据える

「大丈夫だよ、ユーノくん」

なのはの言葉と共にモーガンの拠点に行っていたメンバーがファビアの転送魔法で到着する

「みんながいれば、乗り越えられないことなんてない、今までも、これからも」

そう言ってなのははヴィヴィオとアンジュを引っ張り出した

「特に、立派になった自慢の娘とそれを慕ってくれた優しい騎士さん」

「ちょ、なのはママ!?」

「わ、私もですか?」

「助けたいんでしょ、あの子の事」

なのはの問いかけにヴィヴィオはため息を零してから拳を握った

「コアに直接攻撃を仕掛けてあの子をコアから引きはがす、方法はもう考えてあります」

そう言ってステップを踏みながらヴィヴィオが拳を突き出す

「ユーノ司書長、プルートの防御機能と本体構造についてはわかっているんですか」

そう言ってヴィヴィオの隣に立つアインハルト

「魔力と物理の複合防壁、破壊しても短時間で再生するけど、コアからのエネルギーで成り立ってるから………」

「分離さえできればもう再生はしないんですね」

「じゃ、あたしたちの仕事はバリアと装甲の破壊、コアを狙うヴィヴィオを援護する事」

「決まりやな、分離した後の対処にはクロノくんとヴィクターが動いてくれてる」

そう言って上を指差すはやて、そのまま動き始めようとするプルートを指差した

「機動六課及び増援の皆様、魔導兵器プルートを全力全開で対処すること、及びコアに取りこまれた少女の救出、これが私らの仕事や」

はやての言葉と共に全員が構えるとプルートが動き始めた

「本格的に動き始めたみたいですね」

「このメンバーなら負けへんよ、ほな………」

プルートが咆哮をあげると同時に全員が構えた

「行こうか、みんな」

はやての合図と共に全員が飛び出した

「ブリュンヒルデ」

アンジュがブリュンヒルデのフルドライブを発動、リヒトフリューゲルを使い飛び上がった、全員がそれに続く

真っ先にプルートの下にやってきたのはオットーとエルスとファビア、そしてチンクだ

「レイストーム!」

「アレスティングネット!」

プルートの周囲に緑色の稲妻が走り紅い魔力を纏った手錠が拘束する

「忌まわしき力に魔女の制裁を!這え 穢れの地に(グラビティブレス)

ファビアの魔法で発生した重力がプルートを押しつぶそうとするが力ずくで重力をなぎ払ったプルートは砲門から射撃を放つ、全員がその場を離れその攻撃をかいくぐった

「姉が先陣を切る!行くぞネオ!」

「Consent」

チンクが腕を振るい大量のスティンガーが出現する

そのすべてが一斉にプルートに襲い掛かる

「爆ぜろ!ランブルデトネイター!」

スティンガーが爆発するが防壁に阻まれプルート本体にダメージを与えられない

すると上空からディードとシグナムがプルートの背後に回り、リオとアギトが正面から見据えた

「修道騎士ディードとその剣、光の双剣ツインブレイズ、いざ!」

ディードが二本の剣を振るいプルートの防壁に斬撃を叩きこむ

プルートが反撃しようと彼女の方へ振り返った途端

「リオ・ウェズリーとソルフェージュ!いっくよー!」

リオの剣に巨大な炎と雷が纏われ右、左と立て続けに切りつける

「絶招!」

「ツインブレイズ………」

リオが手を合わせると雷を纏った巨大な炎の剣が出現する

ディードも逆側から剣を構えた

「炎雷龍皇剣!」

「春光!」

リオとディードの攻撃がほぼ同時に決まる

防壁を超え本体ごと飲み込んだその攻撃でプルートの体勢が崩れた瞬間

「紫電一閃!」

シグナムの剣、レヴァンティンからカードリッジが2つ排出され炎を纏った剣が防壁を打ち砕きプルート本体ごと吹っ飛ばした

「行くぜ、旦那、あたしに力を貸してくれ」

そのままアギトが構えると炎で出来た槍が出現する

「貫け!烈火の槍!バーニングスピーア!」

シグナムが吹っ飛ばしたことで無防備になったプルートの背中に槍を突き立てる

槍からあふれた炎をプルートがその拳でなぎ払う

「次!」

「創主コロナと魔導器ブランゼルの名のもとに!叩いて砕け!ゴライアス!」

創成されたゴライアスがプルートに向けて突っ込んでいく

殴りかかったゴライアスの拳をプルートが受け止め組み合った形になるとプルートが口を開き魔力を集める

「させない!」

コロナが腕を振るうとゴライアスは組み合っていた腕を離しプルートの口に向けて拳を振るった

放たれた砲撃はそれによって分散し周囲に散った

「お前を見てると思い出したくねーモン思い出すぜ、不快だ!潰れろ!」

そう叫んでからヴィータはプルートの真上に回った

「豪天爆砕!ギガントシュラーク!」

巨大化したグラーフアイゼンをたたき落とすと再生したバリアがそれを阻む、だがすぐに破れプルート本体にダメージを与えた

更にゴライアスが再び振るった拳もプルートを直撃する

「湖の騎士の風は、治療だけじゃないのよ」

シャマルが掌を掲げると魔力を纏った風がプルートに四方から襲い掛かった

「縛れ、鋼の軛!」

更にザフィーラが出現させた軛が突き刺さりシャマルの風と合わせて完全にプルートを閉じ込めた

その隙にアインハルトがプルートに突っ込んでいく

「覇王断空拳!」

勢い良く飛び上がったアインハルトが強力な拳をプルートに叩きこむ

それを耐えたプルートが周囲に砲門を向けるが

「リニス、見てる?リニスがくれた力は………今でも私を守ってくれる」

大量の魔法弾がフェイトの周囲に形成されていた

「来よ、白銀の風」

リインフォースⅡとユニゾンしたはやても同時に攻撃の準備に入っていた

「天より降り注ぐ矢羽となれ」

「プラズマランサー・ファランクスシフト!」

「「フレースヴェルグ!」」

白と金色、複数の魔力弾が次々プルートに降り注ぐ

それによってプルートの全身の砲門が破壊された

 

軌道上に待機する複数の艦船

その中の一つでブリッジから心配そうに戦況を見守るヴィクターの姿

 

咆哮を上げたプルートの周囲に再びバリアが展開される

「こなくそぉ!」

咆哮の勢いを持ちこたえていたハリーだったが両手に炎を纏ってまず右の拳をたたき込んだ

「おりゃあ」

左の拳から放たれた一撃と共にバリアが砕け散った

「行くよ、マッハキャリバー」

ウイングロードに乗ったスバルがそのままプルートに拳を叩きこむ

「キャリバーショット!」

スバルの蹴りでプルートの体が倒れる

持ち直したプルートが彼女に向けて砲撃を放とうとする

「うわヤバッ」

「スバルどいて!」

「えっ!?」

彼女の背後にいたギンガがウイングロードをプルートに向けて伸ばしながら身構える

「ブリッツキャリバー」

「Full drive」

勢いよくプルートに突っ込んだギンガはその拳で砲撃を貫きそのままプルート本体にダメージを与えた

「ぅわぁ、さすがギン姉」

その光景に半分呆気に取られながら感心するスバル

砲門をすべて破壊されたプルートはでたらめに拳を振るっていた

「カノン!」

「Excellion Buster」

「うぇ!?ディエチそれまだ教えてないよ!?」

プルートにディエチが砲撃を放つと一瞬だが動きが止まった

「今よ!」

目を閉じ心を落ち着かせていたジークは今までの事を思い出していた

「(悩むことなんてない、恐れることなんてない、ウチにはたくさんの友達が、素敵な仲間がおるんや、そうやろ、ヴィクター)」

ジークの体が黒い闘気に包まれていく

エレミアの真髄、命の危険を感じた際反射的に発動するそれは長い間ジークを苦しめていたが

「(ハルにゃんや魔女っ子も過去と向き合ってきた、ウチもこの力と向き合っていく)」

そう言って目を開くとジークは身構える

本能的に感じたのか彼女に向けてプルートが拳を振るおうとするが

殲撃(ガイストナーゲル)

ジークが右の爪から放った一撃で再生したバリアだけでなく攻撃してきた右腕さえも容易く吹っ飛んだ

攻撃を終えたジークの横を通り過ぎるようにヴィヴィオが走り抜ける

ジークがそんなヴィヴィオにピースサインを作りながら笑いかけた

自らに近づいてくるヴィヴィオにプルートが残った左の拳を振るうが

「エクセリオンバスター!」

なのはが砲撃でその拳をはじいた、時間がたって再生した砲門がなのはに向くが

「ソニックシューター・アサルトシフト!」

今度はヴィヴィオの攻撃がなのはに向けて放たれた攻撃を相殺する

それを見たなのはがヴィヴィオに笑いかける

「(私、少しはママに近付けたかな)」

強くなって、いつか母を守れるようになりたい、幼いころから抱いた思いに近付けた実感にヴィヴィオも笑う

「全力全開!」

「一閃必中!」

「「ディバインバスター!」」

ヴィヴィオとなのはの同時攻撃がプルートに炸裂、装甲が砕かれコアが姿を現した

「いっくよー」

コアに向かって突っ込んでいくヴィヴィオ、砲門のいくつかが彼女に向かうが

「セイクリッドクラスター!」

全てなのはが撃ち落とす

「バリアブレイク!」

そのままヴィヴィオがコアに拳を叩きこむ

ただ叩きこんだだけではない、ヴィヴィオが用いたのは防御破りなどに使われる干渉型の魔法

これによりコアに直接働きかけようとしていた

ヴィヴィオの拳を通してクリスがコアのプログラムを解析、干渉して分離を試みる

長い衝突の末少女の体がコアから出てきた

意識はなく倒れ込んだその子をヴィヴィオが受け止める

「っと、あ!わあああああ!」

そのまま姿勢を崩してしまったヴィヴィオは少女ごと落下する

なのはが助けに行こうとするより早く彼女の横を通過するようにして飛び出したのは

「か、間一髪です」

フルドライブ状態でパワーアップしたリヒトフリューゲルの力で飛行するアンジュだった

「アンジュナイス!じゃ、後はお願いね」

ヴィヴィオが振り返った先にいたのは

「アイギス、フルドライブ」

「absolute mode」

リエラが唱えると同時にアイギスの盾が広がりそこから冷気が溢れ出す

 

「そのデバイス、カレルのファルシオンはバルディッシュとストラーダをベースに作られてるの、リエラのアイギスのベースになったデバイスも二つ、一つはケリュケイオンで」

海鳴の地で母エイミィから聞かされた話を思い浮かべるリエラ

「お父さん、お母さん、私、やるよ!」

息が白くなりながらもアイギスを掲げるリエラ

「もう一つはお父さん、クロノくんのデバイス、デュランダル」

「悠久なる凍土 凍てつく棺のうちにて 永遠の眠りを与えよ 凍てつけ!」

「Eternal Coffin」

アイギスの水晶からプルートに向けて冷気が放たれた




おまけ(ジークリンデ・エレミア)
競技選手を引退後ヴィクターの誘いを受け局入り
自ら彼女と同じ部隊に入ることでリミッターをかけエレミアの神髄を封じていた
捜査で出向いた先でおいしいスイーツを食べるのが日課
今でも鍛錬自体は続けておりやがては独立することも考えている
相変わらず私生活がだらしないのでよくヴィクターに怒られている

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。