転生少年と月の目モドキ   作:琴介

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 パスタって主食だけじゃなくて、副菜にもなるから便利だよね。


第十一話:幽霊ってお化けと一緒にされるよね!

 次元震が起きた次の日。目を覚ましたらアリシアの顔が二つあった。

 

「おはよう、秋介」

『おはよっ! 起きないと遅刻するよー?』

「おう、おはよう……?」

 

 体を起こして見ると、アリシアの顔が二つある、……のではなくアリシアが二人いた。

 ……意味が分からん。

 左はいつもの騒がしそうなちっこいアリシアで、右はいつもより大人びた大きいアリシアだ。

 何でアリシアが増えてるの? 昨日は一人だったよね?

 目をこすってもう一度見る。

 

『「どうしたの?」』

 

 今度は声が重なって聞こえた。

 ……あれえ、もしかして夢?

 試しに自分のほっぺを抓ってみる。

 

「……うん。痛いよな」

 

 これで夢じゃない事は解った。

 あとは目の前のアリシアズを確認するだけだ。

 試しに大きい方のアリシアに近づいて、

 

「どうしたの?」

「むにーん」

「――!?」

 

 ほっぺを引っ張ったら感触があった。

 

「ひゅうふへ、ふぁなふぃへふぉ~」

「おお、軟らかい……!」

 

 ムニムニと触っていると、

 

『大丈夫、秋介。もしかして寝ぼけてる?』

 

 横でちっこいアリシアが小首をかしげていた。

 ……まさか。

 今俺がムニムニしてるこの大きいアリシアは……。

 

「……フェイト?」

 

 引っ張る手を離すと、

 

「うぅ、……そうだよ?」

 

 大きいアリシア――フェイトはほっぺに手を当てた。

 

『もう、やっぱり寝ぼけてたんだね!』

「……ごめん。マジで寝ぼけてた。……何でフェイトがここに居るん?」

「えっと、リニスがね? 朝ごはん出来たから起こしてきてって」

 

 そっちが聞きたいワケじゃないんだけど、……ま、朝からフェイトのほっぺ触れたから良いや。

 

「あいよ。すぐ行くって言っといて」

「うん、待ってるね!」

 

 そう言ってフェイトは部屋を出て行った。

 

「それにしても、何でフェイトがうちに……」

 

 昨日はうちに泊ってないよね。なのにどうして俺を起こしに……?

 ……もしかして夜中にでも来たのか……。

 いや、それなら流石に俺でも気付く。フェイトが来たらリニスが起きるだろうし、それにアリシアが、……あ。

 

「アリシアさんや」

『なに?』

「何でフェイトがうちに居るのさ」

 

 この幽霊お姉ちゃんに聞けば分かるじゃん。

 

『リニスが呼んだみたいだよ? なんか、フェイトとアルフだけだとまともにご飯を食べて無いんじゃないかって。

 それに、バルディッシュも修復中だから無理させない為って、さっきセラフと話してたよ』

 

 ああ、そう言う事ね。確かに二人だけだとレトルト食品とかインスタント食品ばっか食べてそうだもんね。

 

「じゃあ、今何時?」 

『八時だよ』

「全員集合、……じゃないね。とりあえず着替えるか」

『じゃ、私先に下行ってるね~』

 

 えい! とアリシアは床を抜けて行った。

 ……今日はちょっと寝ちゃったなあ……。

 あ、お弁当の仕込みするの忘れた。晩ごはんの残りも、昨日はパスタだったから詰めれるようなものもないし……。

 

「――よし。今日は学校休むか」

 

 起きた時間も時間だし、今からお弁当の用意してたらバスに間に合わない。 

 ……一日くらい休んでも良いよね!

 フェイトとアルフが来てるなら、気分転換も兼ねてどっか出かけよう。

 

『おはようございます、マスター』

 

 いつの間にかセラフが顔の横に浮いていた。

 

「おはよ。あと、いつの間に来たのよ」

『今転移してきましたよ? マスターの驚く顔が見られなかったのが残念ですが……』

 

 驚く顔って、今更セラフが顔の横に浮いててもなあ。

 

『まあ、そんな事よりも。今日は学校休むんですか?』 

「そうよ。昨日の事もあるし、あの二人もジュエルシード集めばかりで大変だろうと思うからね。フェイトとアルフの気分転換にどっか連れて行こうかなって」

『ふふ、そういう事ですか。わかりました。リニスさんには私から言っておきますね』

 

 そう言ってセラフは下へと転移で戻って行った。

 ……さて、何処に行くか……。

 うーん、……そうだ、自然公園なんて良いかも。あそこなら色々とあるからね!

 

 

 ~あ、先生ですか? 今日学校休みます~

 

 

 学校に電話したあと、顔を洗ってからリビングに向かった。

 

「おはようございます、秋介。今日はフェイトたちを朝食に呼んだのですが、良かったですか?」

 

 中に入ると、リニスとセラフが朝ごはんをテーブルに並べていて、アリシアとフェイトはテレビを見ていた。

 

「良いよ。ご飯は大勢で食べる方が美味しいからね」

 

 そう言って俺は席に着くと、

 

「お、秋介じゃないか。お邪魔してるよ」

 

 アルフがハムをもってキッチンから出て来た。

 

「もう、アルフったら勝手に食べちゃダメだよ……」

 

 そんなアルフを見たフェイトが苦笑した。

 

「フェイトの言う通りですよ。人様の家の冷蔵庫を勝手に漁るのは良くない事です。罰として、アルフの朝食は減らしましょうか……」

「わ、悪かったよ! 戻すからそれだけは勘弁してれよ、リニス~……」

「フフ、冗談です。さ、二人も席についてください」

「「はーい」」

 

 一昨日の鍋の時と同じように座った。

 

「んじゃ、いただきます」

「「「いただきます」」」

『う~、良いなー、私も食べたいなー』

 

 羨ましそうにアリシアが見ていた。

 

『ははは、幽霊がなにを言う』

『むう~。絶対いつか食べて見せるよ!』

 

 うおー! とアリシアは燃えていた。

 そんなアリシアを無視して俺は朝ごはんを食べる。

 

「む。この卵焼き、……リニスが作ったやつじゃないよね」

 

 一口食べただけで分かる。朝ごはんではあまり作らない、甘い卵焼きだ。

 ……ちょっと砂糖入れ過ぎかな……。

 それに加えて形が歪で表面が軽く焦げてもいる。

 

「おや、気付きましたか。それを作ったのはフェイトですよ」

「マジで?」

「……うん。初めて作ったけど、どう、かな……?」

 

 フェイトを見ると、顔を赤らめて俯いた。

 

『キッチン見て、キッチン』

 

 アリシアに言われ、チラリとキッチンの方を見るとそこには、

 ……あからさまに……。

 フェイトが使ったらしきエプロンと調理器具、卵の殻が置いてあった。

 

『まったく。リニスもあんなにわかりやすく道具を置かなくても良いのに……』

『いえいえ。それでは意味がありません。女の子は頑張ったという事を知って欲しいものです』

『そういうもんか』

『そういうものです』

 

 女の子って難しいね……。

 

『それでマスター。フェイトさんお手製の卵焼き、お味の方はどうです?』

「……そうだねぇ。ちょっと甘いけど俺は好きな味だね。偶には朝ごはんに甘い卵焼きも良いかも」

 

 そう言うと、フェイトは嬉しそうに顔を上げた。

 

「――うんっ! やったよ、リニス。好きって言ってくれた!」

「良かったですね。今度はお味噌汁に挑戦しましょうか」

「オミソシル……。私、頑張るよ。その時はまた食べてくれる、秋介?」

 

 フェイトが小首をかしげ、上目使いで言われた。

 

『秋介! うちの妹可愛すぎない!?』

「イエス!」

 

 グッ、と親指を立てて答える。

 ……あの仕草は卑怯だと思います。

 なのはたちもそうだけど、何で女の子ってこういう不意打ちが得意なんですかね。

 

『美味しいとは言わないんですね、マスター?』

『不味くは無いよ? ただ、美味しい! ってまでも行かないかな。でも練習すれば絶対に美味しくなる。次に期待だね』

 

 ま、次があればだけどね! いつになるかな~。

 

「所で秋介。今日は学校を休むとセラフから聞いたのですが、何処か出かけるので?」

『なんだあ、休むのか……。もう一回くらいカチカチを――』

『手刀落とすよ……?』

『ごめんなさい冗談です』

『よろしい』

 

 アレはもう勘弁してほしい。二度もポルターガイストが起きたら変な噂が流れるわ。

 

「気分転換も兼ねて自然公園に行こうと思っています」

「自然公園ですか。それに、気分転換と言うのは……」

 

 リニスが一瞬だけフェイトたちを見た。

 ……感がよろしいね、リニスは。

 昨日の事もあるからね。偶には息抜きって事で。

 

「もちろんフェイトとアルフ」

「私たちかい?」

「でも、ジュエルシードを集めないと……」

 

 さっきとは打って変わってフェイトは表情を暗くした。

 

「真面目過ぎよ、フェイト。少しぐらい休まなきゃダメだって」

「秋介の言う通りです。せめてバルディッシュの修復が終わるのを待ってください」

「……ごめんフェイト。私も二人に賛成だよ」

『私もフェイトは休むべきだと思うよ』

 

 やったね! アリシアはともかくアルフが味方に付いた。これでフェイトも折れてくれるはず。

 

「……皆の言う通りだね。バルディッシュも、ごめんね?」

『No problem』

 

 フェイトは傍に置いていたバルディッシュを優しく手に取り、バルディッシュはコアを点滅させてフェイトに答えた。

 

「そう言う事なんで、朝ごはん食べたらお弁当作るから。……フェイト、手伝ってくれる?」

「うん。私で、良いなら……」

「それなら私も参戦します。アルフも良いですね?」

「う、私は、その、うははは、……わかったよ」

『良いなー。私も手伝いたいなー』

 

 アリシアは幽霊だからダメでしょ。

 ……調理器具が勝手に動き出してお手伝いとか、中々に恐怖が……!

 いや待てよ。セラフの魔法だって誤魔化せば何とかなるかも。

 

『――よし。アリシアには何か簡単な手伝いを頼もうかな』

『え、良いの? やったね! テンション上がって来た……!』

『程ほどにね。他の皆が驚くから。誤魔化せる範囲で頼むよ』

『わかってるよ! ん~、やたー! 久しぶりのピクニックだー!!』

 

 わーい! と諸手を揚げて喜ぶアリシアは、何か見てると心配になってくる。

 

「それじゃ、ちゃっちゃとごはんを食べてお弁当作るぞー」

「「「『おー!』」」」

「えっ!?」

 

 まさか皆が続くとは思ってなかった。

 

『何でマスターが驚くんですか』

『意外だったもんで、つい』

 

 思わぬ一致団結に驚いたが、俺たちは朝ごはんを食べ終えた。

 

 

 ~ごちそうさまでした~

 

 

 食器を片づけ、皆でエプロンを付けてキッチンに立った。

 お弁当を作る、といっても時間が多くある訳では無い。今は八時四十分過ぎ。自然公園には二十分もあれば行けるので、十時過ぎには自然公園に着きたい。

 ……凝った物作らないなら、一時間くらいで作れるかな?

 あ、パスタでサラダでも作るか。マヨネーズでハムとかきゅうりで和えれば簡単に出来るし。

 昨日の晩ごはんで使い切れなったパスタの束を戸棚から取り出す。

 

「セラフ、お湯沸騰した?」

『はい。今しがた沸騰しましたよ』

「あいよ。じゃ、麺を茹でましょうかねー」

 

 指を切らないよう慎重に猫の手でニンジンを切るアルフの後ろを通り、沸騰する鍋の前に立つ。

 ……狼なのに猫の手……。

 と思ったけど言わない事にした。だってアルフってば凄い真剣に包丁握ってるんですもの。そんな事を言ったら刺されそうで怖い。

 

「塩を軽く一つまみ入れて、……ほいっと」

 

 鍋の上でパスタの束を軽く両手で捻って離すと、いい具合にバラけて広がった。

 少し待って、しんなりとしたパスタを箸で引っ付かないように混ぜる。

 

『おお、今の綺麗だね! 私もやりたい!』

 

 アリシアが何故かエプロン姿で隣に立っていた。

 ……どうやってエプロンを……。

 幽霊って服とか汚れないから要らないんじゃないの?

 

『そんなに作っても食べ切れな、……いやアルフが居るし、食べきれると思うけどダメ』

『わかった……』

 

 アリシアはショボン、って感じの顔になったが、

 

『代わりにパスタが引っ付かないように見て、それで七分経ったらこのざるに揚げて湯切りしてくれる?』

『――わかった!』

 

 結構簡単に元気が戻った。

 

『じゃ、あとは任せた』

『任されたよ!』

 

 アリシアに箸を渡して交代する。

 

『誤魔化しの為に一緒に居てあげて、セラフ』

『お任せください、マスター』

 

 アリシアはセラフに頼んだから良い。あとは……。

 

「リニス、フェイト。そっちはどう?」

 

 二人は、アルフとは別でひき肉を一口大に丸めていた。

 

「はい。此方はもうすぐ終わります」

「秋介、このお肉どうするの?」

「油で揚げて肉団子にします。あ、リニスの方はハンバーグにするから」

「わかりました。では、ハンバーグの方はフェイトに焼いてもらいましょうか」

「私? 大丈夫かな……」

「何事も経験です。さあ、行きますよ」

 

 リニスとフェイトはキッチンへ向かった。

 未だにきゅうりと格闘するアルフ、パスタが引っ付かないように鍋を見るアリシア、そこにリニスとフェイトが加わった。

 ……この光景を残したいなぁ。

 写真とか、目に見える感じで撮っておきたいけど無理かな……?

 

『ご心配なく。既に記録として、写真と映像の両方で撮ってあるので心配はないですよ』

 

 ポフッ、とセラフが頭に乗っかった。

 ……それって心霊写真とか言うんじゃ……。

 自分で思った事だけど、よくよく考えたらなんか怖いよね。……あれ?

 

『セラフってアリシアの姿は認識できないんだよね』

 

 それなのに写真とかには映るのか……?

 

『その事なら大丈夫ですよ。朝方、姿を認識できるように調整しましたから。今では姿も認識できますよ!』

 

 ちなみに触れるようにもなりました! とセラフは付け加えた。

 

『…………流石だわ』

 

 本当に俺のデバイスは凄い。久しぶりに驚かされたよ……。

 

『ふふ。マスターの驚き顔、戴きました!』

「はいはい。……あ、セラフが此処に居るって事は――」

「――ええぇぇっ!?」

 

 フェイトの叫び声が聞こえた。

 ……ああ、遅かったかー……。

 キッチンを見ると、アリシアがかき混ぜる鍋を見てフェイトが絶句していた。

 

「いきなりビックリするじゃないか! どうしたんだ、い――ッ!?」

 

 アルフも釣られて鍋を見て絶句した。

 

「ど、どうしよう!? お化け!? あ、あわわわ……!」

「フェイト!? お、おお落ち着くんだよ! リニス、秋介、どうしよう!?」

 

 フェイトは何故か、何処ぞの光の巨人みたいに手を構え、アルフもアルフでテンパってる。

 すると、

 ――ピピピピピッ。

 

 

「「ヒッ!?」」

 

 いきなりタイマーが鳴って、それを聞いたフェイトとアルフが一歩飛び退いた。

 

『あ、七分経ったね。それじゃあこっちに揚げて、と……』

 

 アリシアが鍋からパスタを揚げざるに引き揚げた。

 ……アリシアってば気付いてないよ……。

 フェイトとアルフはリニスの後ろに隠れて鍋の方を覗いてる。

 

「――フ、フフ。セラフですね……」

 

 リニスはリニスでセラフが動かしていると思って、驚く二人に見られないように笑うのを堪えてる。

 

『秋介、パスタ茹で上がったよ~! ……あれ、どしたの皆?』

『決まってるじゃない。今の状況、傍から見たら勝手に箸が動いてるように見えるからね!』

 

 グッ、とフェイトたちに見られないように親指を立てて答える。

 

『え、だってセラフが、……なんで秋介の頭に居るのう!?』

「――ッ!? り、リニス~、お化けが、お化けがぁ……!?」

 

 アリシアが驚いて俺を見るから、箸が急に動いてフェイトが怯えてるじゃない。

 

『もう、アリシア。お姉ちゃんなんだから妹を怖がらせないの!』

『私、悪くないよね? むしろ被害者だよね!? お陰でフェイトにお化けって言われちゃったよ!』

『ごめんごめん。アリシアは幽霊だもんなー』

 

 幽霊は人の魂で、お化けは道具とか変化したモノを言うらしいからね!

 

『そういう事じゃ無いよ!?』

「――うぅ、秋介~!?」

 

 今度はアリシアが箸を持った方の手を振り上げた所為で、フェイトが涙目で俺の方に逃げて来た。

 

「お、おば、お化けがぁ~……!?」

「はいはい。大丈夫だからねー。アレはお化けじゃなくて幽霊――」

「え――」

 

 サァッ、とフェイトの顔が青くなった。

 ……おお、お化けより幽霊の方が怖いのか?

 

『マスター』

『ごめんなさい』

 

 いらん事考えてる場合じゃないよね。

 

「――じゃなくて。アレはセラフだから。ね、セラフ!」

『そうですとも。微力ながら、私もお弁当作りの手助けをしようと思いまして……』

「ほ、本当に……?」

『本当です。ね、マスター?』

「本当です。俺がセラフに頼みました」

 

 そう言うと、フェイトはヘナヘナとその場に座り込んだ。

 

「良かった……」

「ホントだよ。私も本気で驚いたじゃないか……」

 

 キッチンからアルフとリニスが出て来た。

 

『お二人を驚かせるつもりは無かったのですが、……すみません』

「だね。俺もまさか二人があんなに驚くとは思わなかった。ごめんなー」

 

 それと、フェイトとアルフがお化けとか幽霊を知ってるのは意外だった。

 

「リニスもリニスで教えて上げなよ。二人に見られないように笑うの、堪えてたよね?」

「え、リニス……?」

「それ、本当かい……?」

 

 フェイトとアルフがリニスを見た。

 

「――おや。気付いていたんですね。流石です。それと、黙っていてすみません。二人の反応が昔のままだったので……フフッ」

「なに? 昔なんかあったの?」

 

 今と同じ反応って、一体全体すごい気になるんですが……!

 

「実はですね。昔、二人が夜――」

「――わーッ! 早くお弁当作らないとお昼になっちゃうよ! リニス、ハンバーグの焼き方教えて!」

「そ、そうだよ! 私にも教えてよ!」

「おや、残念です。この話はお預けですね。……それでは、お弁当作りを再開しましょうか」

 

 フェイトとアルフがリニスの背中を押してキッチンに入っていった。

 ……フェイト、顔が真っ赤じゃないですか。

 そんなに聞かれたくない事なの? そんな反応されると余計に知りたくなっちゃうじゃない。

 でも、念話でリニスに聞いても「その内話しますね」ってはぐらかされそうだ。

 

『という訳なんで、アリシアさん。お答を、どうぞ!』

『いや教えないよ? ……でもあの時は、流石に幽霊の私でもビックリしたよー』

 

 アレはすごかった……、とアリシアは話してくれなかった。

 ……むう、仕方ない。この話はいつか絶対に聞き出そう。

 俺はそう誓ってキッチンに向かった。

 

『マスター。もう九時過ぎましたよ』

「あら、ホントだ。……んじゃ、さっさとお弁当作って出かけますかね!」

 

 アリシアには、今度はお弁当を詰めるのを手伝ってもらおうかな。




 皆で自然公園へGo!

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